JP4390167B2 - 通気部材用多孔質シート基材およびそれを用いた通気部材用多孔質シート片の取り付け方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気性，透湿性，防水性，防塵性等を有する通気部材用多孔質シート基材およびそれを用いた通気部材用多孔質シート片の取り付け方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、自動車用ヘッドランプ，スポーツウェア，携帯電話等には、その内部発生ガスの放出や内圧調整の機能を付与したり、その内外間で通気性，透湿性の機能を付与したり、その外からの防水性，防塵性の機能を付与したりするための多孔質シート片が用いられている。
【０００３】
この多孔質シート片は、ポリテトラフルオロエチレン（以下、「ＰＴＦＥ」という）製の多孔体，またはこの多孔体の少なくとも片面に織布や不織布等の通気性補強材を複合した複合シートからなっている。
【０００４】
そして、上記多孔質シート片は、その母材となる多孔質シート基材から、上記自動車用ヘッドランプ等の本体に設けられている通気孔の形状や大きさに応じて、所定の形状や大きさに切り取られ、上記通気孔に取り付けられる。
【０００５】
この取り付け方法の一例として熱融着を用いる方法がある。すなわち、この方法は、まず、打ち抜き機を用いて上記多孔質シート基材から多孔質シート片を打ち抜く。ついで、打ち抜かれた多孔質シート片を取り付け位置（上記本体の通気孔）まで搬送する。そののち、熱融着金型を押し当てることにより、上記多孔質シート片を上記本体の通気孔に熱融着する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では、打ち抜かれた多孔質シート片は、ばらばらな状態であり、表裏が揃っていないため、粘着シート上に多孔質シート片を表裏揃えて並べる等して搬送する必要がある。その結果、多孔質シート片の取り付け作業の効率が悪くなる。しかも、上記粘着シートの粘着力が強い場合には、多孔質シート片を剥離する際に多孔質シート片に損傷を与えたり、多孔質シート片を確実に剥離することができなかったりする問題がある。逆に、粘着シートの粘着力が弱い場合には、搬送中に多孔質シート片が位置ずれしたり、脱落したり、セパレータを必要としたり、短尺供給となったりする問題がある。また、粘着シート上から取り付け位置まで多孔質シート片を搬送するには、吸引機等を用いるため、結果的に多孔質シート片の取り付け作業の効率が悪くなる。
【０００７】
そこで、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させる方法として、多孔質シート基材を本体の取り付け位置まで搬送し、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いて多孔質シート片を切り取った直後に熱融着する方法がある。しかしながら、本体上で多孔質シート片を切り取るため、本体に損傷を与え易いという問題がある。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることなく、その取り付け作業の効率を向上させることができる通気部材用多孔質シート基材およびそれを用いた通気部材用多孔質シート片の取り付け方法の提供をその目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、ポリテトラフルオロエチレン製の多孔体またはこの多孔体の少なくとも片面に通気性補強材を複合した複合シートからなる、通気部材用多孔質シート片を切り取るための通気部材用多孔質シート基材であって、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片の輪郭に沿って切断部分と非切断部分とが形成され、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して通気部材用多孔質シート片が切り取られるようになっており、上記非切断部分の長さが、１ｍｍ以下である通気部材用多孔質シート基材を第１の要旨とし、その通気部材用多孔質シート基材から通気部材用多孔質シート片を切り取った後、その通気部材用多孔質シート片を取り付け対象体の通気孔に取り付ける方法であって、上記通気部材用多孔質シート基材における切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を、上記通気孔の開口部に位置決めし、その状態で、上記切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を熱融着金型で押し込むことにより、その通気部材用多孔質シート片を通気部材用多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取り、そのまま上記通気孔に熱融着する通気部材用多孔質シート片の取り付け方法を第２の要旨とする。
【００１０】
すなわち、本発明の通気部材用多孔質シート基材（以下、単に「多孔質シート基材」という）は、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片（以下、単に「多孔質シート片」という）の輪郭に沿って切断部分と長さ１ｍｍ以下の非切断部分とが形成され、切り取り予定の多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して多孔質シート片が切り取られるようになっている。そして、本発明の多孔質シート片の取り付け方法は、本発明の上記多孔質シート基材を用いるため、多孔質シート片を取り付け位置に取り付ける際には、上記切断部分と非切断部分とで形成される切り取り予定部分を上記取り付け位置に位置決めして熱融着金型で押し込むことにより、多孔質シート片を多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取ることができるとともに、その後に取り付け位置に熱融着して取り付けることができる。したがって、本発明の多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法によれば、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、上記切り取りの際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることがない。なお、本発明において「多孔体」とは、通気性，透湿性，防水性，防塵性等を有する材料を意味する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【００１２】
図１は、本発明の多孔質シート基材の一実施の形態を示している。この実施の形態では、多孔質シート基材Ａは、円形の多孔質シート片（図１では、６個）１を切り取るためのものであって、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭に沿って、長さ１ｍｍ以下（好ましくは０．２〜０．５ｍｍ）の点状の非切断部分２が４箇所等間隔で設けられ、隣り合う非切断部分２の間に多孔質シート基材Ａを貫通する切断部分３が形成されている。
【００１３】
そして、上記多孔質シート基材Ａを用いて自動車用ヘッドランプ等の本体４（図２〜４参照）に設けられている通気孔４ａ（図２〜４参照）に多孔質シート片１を取り付ける際には、つぎのようにして行なわれる。すなわち、図２に示すように、上記通気孔４ａが、上側部分（本体４の外側部分）が下側部分（本体４の内側部分）よりも小径の段部５に形成されている場合には、切り取り予定の多孔質シート片１を上記通気孔４ａの上側部分に位置決めして熱融着金型６で押し込むことにより、多孔質シート片１を多孔質シート基材Ａから上記非切断部分２（図１参照）に抗して切り取ることができるとともに、その後に通気孔４ａの段部５に熱融着して取り付けることができる。また、図３に示すように、上記通気孔４ａが段部５（図２参照）に形成されていない場合には、多孔質シート片１と同径もしくはわずかに大径の開口部７が形成されたスペーサー８を用い、上記通気孔４ａの上側（本体４の外側）開口部に、上記スペーサー８の開口部７を位置決めした状態で、図２に示す方法と同様にして熱融着することができる。そして、このように上記スペーサー８を用いれば、ばりを極めて少なくすることができる。さらに、図４に示すように、多孔質シート片１を取り付ける本体４がスポーツウェア等の柔軟なものである場合には、多孔質シート片１を取り付ける側の反対側に硬い当て板９を当てるとともに、上記スペーサー８を用い、図３に示す方法と同様にして熱融着することができる。
【００１４】
このように、上記実施の形態によれば、多孔質シート片１を、多孔質シート基材Ａから切り取った後に、通気孔４ａに熱融着して取り付けることができるため、多孔質シート片１の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、多孔質シート片１を切り取る際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片１を取り付ける本体４に損傷を与えることがない。
【００１５】
結果として、多孔質シート基材Ａは、長尺巻が可能となり、確実かつ効率よく本体４の通気孔４ａに多孔質シート片１を取り付けることが可能で、搬送中に多孔質シート片１が損傷を受けにくい状態にすることができる。
【００１６】
図５は、本発明の多孔質シート基材の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭が、点状の非切断部分２と点状の切断部分３とが交互に形成されたミシン目状となっている。それ以外の部分は、上記一実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【００１７】
そして、このような実施の形態によっても、上記一実施の形態と同様にして多孔質シート片１を本体４の通気孔４ａに熱融着して取り付けることができ、同様の作用・効果を奏する。
【００１８】
図６は、本発明の多孔質シート基材のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭が、ハーフカットされている。すなわち、多孔質シート基材Ｃを貫通しない状態で（上記輪郭における厚み方向の一部分を切断せずに非切断部分１０とした状態で）切断部分１１が形成されている。それ以外の部分は、上記一実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【００１９】
そして、このような実施の形態によっても、上記一実施の形態と同様にして多孔質シート片１を本体４の通気孔４ａに熱融着して取り付けることができ、同様の作用・効果を奏する。
【００２０】
なお、上記各実施の形態における多孔質シート基材Ａ，Ｂ，Ｃ（多孔質シート片１）は、ＰＴＦＥ製の多孔体，またはこの多孔体の少なくとも片面に織布，不織布，ネット等の通気性補強材を複合した複合シートからなっているものである。
【００２１】
また、図１に示す多孔質シート基材Ａでは、点状の非切断部分２を４箇所設けたが、その数は限定されるものではない。ただし、切り取り予定の多孔質シート片１が回転しないようにするために、３箇所以上設けることが好ましい。
【００２２】
【発明の効果】
以上のように、本発明の多孔質シート基材によれば、切り取り予定の多孔質シート片の輪郭に沿って切断部分と長さ１ｍｍ以下の非切断部分とが形成され、切り取り予定の多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して多孔質シート片が切り取られるようになっている。そして、本発明の多孔質シート片の取り付け方法は、本発明の上記多孔質シート基材を用いるため、多孔質シート片を取り付け位置に取り付ける際には、上記切断部分と非切断部分とで形成される切り取り予定部分を上記取り付け位置に位置決めして熱融着金型で押し込むことにより、多孔質シート片を多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取ることができるとともに、その後に取り付け位置に熱融着して取り付けることができる。したがって、本発明の多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法によれば、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、上記切り取りの際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の多孔質シート基材の一実施の形態を示す説明図である。
【図２】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法を示す説明図である。
【図３】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の他の取り付け方法を示す説明図である。
【図４】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片のさらに他の取り付け方法を示す説明図である。
【図５】本発明の多孔質シート基材の他の実施の形態を示す説明図である。
【図６】本発明の多孔質シート基材のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
Ａ 多孔質シート基材
１ 多孔質シート片
２ 非切断部分
３ 切断部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気性，透湿性，防水性，防塵性等を有する通気部材用多孔質シート基材およびそれを用いた通気部材用多孔質シート片の取り付け方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、自動車用ヘッドランプ，スポーツウェア，携帯電話等には、その内部発生ガスの放出や内圧調整の機能を付与したり、その内外間で通気性，透湿性の機能を付与したり、その外からの防水性，防塵性の機能を付与したりするための多孔質シート片が用いられている。
【０００３】
この多孔質シート片は、ポリテトラフルオロエチレン（以下、「ＰＴＦＥ」という）製の多孔体，またはこの多孔体の少なくとも片面に織布や不織布等の通気性補強材を複合した複合シートからなっている。
【０００４】
そして、上記多孔質シート片は、その母材となる多孔質シート基材から、上記自動車用ヘッドランプ等の本体に設けられている通気孔の形状や大きさに応じて、所定の形状や大きさに切り取られ、上記通気孔に取り付けられる。
【０００５】
この取り付け方法の一例として熱融着を用いる方法がある。すなわち、この方法は、まず、打ち抜き機を用いて上記多孔質シート基材から多孔質シート片を打ち抜く。ついで、打ち抜かれた多孔質シート片を取り付け位置（上記本体の通気孔）まで搬送する。そののち、熱融着金型を押し当てることにより、上記多孔質シート片を上記本体の通気孔に熱融着する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では、打ち抜かれた多孔質シート片は、ばらばらな状態であり、表裏が揃っていないため、粘着シート上に多孔質シート片を表裏揃えて並べる等して搬送する必要がある。その結果、多孔質シート片の取り付け作業の効率が悪くなる。しかも、上記粘着シートの粘着力が強い場合には、多孔質シート片を剥離する際に多孔質シート片に損傷を与えたり、多孔質シート片を確実に剥離することができなかったりする問題がある。逆に、粘着シートの粘着力が弱い場合には、搬送中に多孔質シート片が位置ずれしたり、脱落したり、セパレータを必要としたり、短尺供給となったりする問題がある。また、粘着シート上から取り付け位置まで多孔質シート片を搬送するには、吸引機等を用いるため、結果的に多孔質シート片の取り付け作業の効率が悪くなる。
【０００７】
そこで、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させる方法として、多孔質シート基材を本体の取り付け位置まで搬送し、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いて多孔質シート片を切り取った直後に熱融着する方法がある。しかしながら、本体上で多孔質シート片を切り取るため、本体に損傷を与え易いという問題がある。
【０００８】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることなく、その取り付け作業の効率を向上させることができる通気部材用多孔質シート基材およびそれを用いた通気部材用多孔質シート片の取り付け方法の提供をその目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、ポリテトラフルオロエチレン製の多孔体またはこの多孔体の少なくとも片面に通気性補強材を複合した複合シートからなる、通気部材用多孔質シート片を切り取るための通気部材用多孔質シート基材であって、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片の輪郭に沿って切断部分と非切断部分とが形成され、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して通気部材用多孔質シート片が切り取られるようになっており、上記非切断部分の長さが、１ｍｍ以下である通気部材用多孔質シート基材を第１の要旨とし、その通気部材用多孔質シート基材から通気部材用多孔質シート片を切り取った後、その通気部材用多孔質シート片を取り付け対象体の通気孔に取り付ける方法であって、上記通気部材用多孔質シート基材における切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を、上記通気孔の開口部に位置決めし、その状態で、上記切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を熱融着金型で押し込むことにより、その通気部材用多孔質シート片を通気部材用多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取り、そのまま上記通気孔に熱融着する通気部材用多孔質シート片の取り付け方法を第２の要旨とする。
【００１０】
すなわち、本発明の通気部材用多孔質シート基材（以下、単に「多孔質シート基材」という）は、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片（以下、単に「多孔質シート片」という）の輪郭に沿って切断部分と長さ１ｍｍ以下の非切断部分とが形成され、切り取り予定の多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して多孔質シート片が切り取られるようになっている。そして、本発明の多孔質シート片の取り付け方法は、本発明の上記多孔質シート基材を用いるため、多孔質シート片を取り付け位置に取り付ける際には、上記切断部分と非切断部分とで形成される切り取り予定部分を上記取り付け位置に位置決めして熱融着金型で押し込むことにより、多孔質シート片を多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取ることができるとともに、その後に取り付け位置に熱融着して取り付けることができる。したがって、本発明の多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法によれば、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、上記切り取りの際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることがない。なお、本発明において「多孔体」とは、通気性，透湿性，防水性，防塵性等を有する材料を意味する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【００１２】
図１は、本発明の多孔質シート基材の一実施の形態を示している。この実施の形態では、多孔質シート基材Ａは、円形の多孔質シート片（図１では、６個）１を切り取るためのものであって、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭に沿って、長さ１ｍｍ以下（好ましくは０．２〜０．５ｍｍ）の点状の非切断部分２が４箇所等間隔で設けられ、隣り合う非切断部分２の間に多孔質シート基材Ａを貫通する切断部分３が形成されている。
【００１３】
そして、上記多孔質シート基材Ａを用いて自動車用ヘッドランプ等の本体４（図２〜４参照）に設けられている通気孔４ａ（図２〜４参照）に多孔質シート片１を取り付ける際には、つぎのようにして行なわれる。すなわち、図２に示すように、上記通気孔４ａが、上側部分（本体４の外側部分）が下側部分（本体４の内側部分）よりも小径の段部５に形成されている場合には、切り取り予定の多孔質シート片１を上記通気孔４ａの上側部分に位置決めして熱融着金型６で押し込むことにより、多孔質シート片１を多孔質シート基材Ａから上記非切断部分２（図１参照）に抗して切り取ることができるとともに、その後に通気孔４ａの段部５に熱融着して取り付けることができる。また、図３に示すように、上記通気孔４ａが段部５（図２参照）に形成されていない場合には、多孔質シート片１と同径もしくはわずかに大径の開口部７が形成されたスペーサー８を用い、上記通気孔４ａの上側（本体４の外側）開口部に、上記スペーサー８の開口部７を位置決めした状態で、図２に示す方法と同様にして熱融着することができる。そして、このように上記スペーサー８を用いれば、ばりを極めて少なくすることができる。さらに、図４に示すように、多孔質シート片１を取り付ける本体４がスポーツウェア等の柔軟なものである場合には、多孔質シート片１を取り付ける側の反対側に硬い当て板９を当てるとともに、上記スペーサー８を用い、図３に示す方法と同様にして熱融着することができる。
【００１４】
このように、上記実施の形態によれば、多孔質シート片１を、多孔質シート基材Ａから切り取った後に、通気孔４ａに熱融着して取り付けることができるため、多孔質シート片１の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、多孔質シート片１を切り取る際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片１を取り付ける本体４に損傷を与えることがない。
【００１５】
結果として、多孔質シート基材Ａは、長尺巻が可能となり、確実かつ効率よく本体４の通気孔４ａに多孔質シート片１を取り付けることが可能で、搬送中に多孔質シート片１が損傷を受けにくい状態にすることができる。
【００１６】
図５は、本発明の多孔質シート基材の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭が、点状の非切断部分２と点状の切断部分３とが交互に形成されたミシン目状となっている。それ以外の部分は、上記一実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【００１７】
そして、このような実施の形態によっても、上記一実施の形態と同様にして多孔質シート片１を本体４の通気孔４ａに熱融着して取り付けることができ、同様の作用・効果を奏する。
【００１８】
図６は、本発明の多孔質シート基材のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態では、切り取り予定の多孔質シート片１の円形の輪郭が、ハーフカットされている。すなわち、多孔質シート基材Ｃを貫通しない状態で（上記輪郭における厚み方向の一部分を切断せずに非切断部分１０とした状態で）切断部分１１が形成されている。それ以外の部分は、上記一実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【００１９】
そして、このような実施の形態によっても、上記一実施の形態と同様にして多孔質シート片１を本体４の通気孔４ａに熱融着して取り付けることができ、同様の作用・効果を奏する。
【００２０】
なお、上記各実施の形態における多孔質シート基材Ａ，Ｂ，Ｃ（多孔質シート片１）は、ＰＴＦＥ製の多孔体，またはこの多孔体の少なくとも片面に織布，不織布，ネット等の通気性補強材を複合した複合シートからなっているものである。
【００２１】
また、図１に示す多孔質シート基材Ａでは、点状の非切断部分２を４箇所設けたが、その数は限定されるものではない。ただし、切り取り予定の多孔質シート片１が回転しないようにするために、３箇所以上設けることが好ましい。
【００２２】
【発明の効果】
以上のように、本発明の多孔質シート基材によれば、切り取り予定の多孔質シート片の輪郭に沿って切断部分と長さ１ｍｍ以下の非切断部分とが形成され、切り取り予定の多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して多孔質シート片が切り取られるようになっている。そして、本発明の多孔質シート片の取り付け方法は、本発明の上記多孔質シート基材を用いるため、多孔質シート片を取り付け位置に取り付ける際には、上記切断部分と非切断部分とで形成される切り取り予定部分を上記取り付け位置に位置決めして熱融着金型で押し込むことにより、多孔質シート片を多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取ることができるとともに、その後に取り付け位置に熱融着して取り付けることができる。したがって、本発明の多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法によれば、多孔質シート片の取り付け作業の効率を向上させることができる。しかも、上記切り取りの際には、ヒートカッターや打ち抜き刃を用いないため、多孔質シート片を取り付ける本体に損傷を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の多孔質シート基材の一実施の形態を示す説明図である。
【図２】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の取り付け方法を示す説明図である。
【図３】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片の他の取り付け方法を示す説明図である。
【図４】上記多孔質シート基材を用いた多孔質シート片のさらに他の取り付け方法を示す説明図である。
【図５】本発明の多孔質シート基材の他の実施の形態を示す説明図である。
【図６】本発明の多孔質シート基材のさらに他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
Ａ 多孔質シート基材
１ 多孔質シート片
２ 非切断部分
３ 切断部分
Claims (8)
- ポリテトラフルオロエチレン製の多孔体またはこの多孔体の少なくとも片面に通気性補強材を複合した複合シートからなる、通気部材用多孔質シート片を切り取るための通気部材用多孔質シート基材であって、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片の輪郭に沿って切断部分と非切断部分とが形成され、切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を押し込むことにより上記非切断部分に抗して通気部材用多孔質シート片が切り取られるようになっており、上記非切断部分の長さが、１ｍｍ以下であることを特徴とする通気部材用多孔質シート基材。
- 上記通気部材用多孔質シート片が、自動車ヘッドランプの通気孔に取り付けられる、押込切取熱融着用の自動車ヘッドランプ通気孔用通気部材用多孔質シート片である請求項１記載の通気部材用多孔質シート基材。
- 上記通気部材用多孔質シート片が、携帯電話の通気孔に取り付けられる、押込切取熱融着用の携帯電話通気孔用通気部材用多孔質シート片である請求項１記載の通気部材用多孔質シート基材。
- 上記切り取り予定の通気部材用多孔質シート片の輪郭が、円形であり、切断部分と非切断部分とが交互に形成されたミシン目状になっている請求項１〜３のいずれか一項に記載の通気部材用多孔質シート基材。
- 請求項１記載の通気部材用多孔質シート基材から通気部材用多孔質シート片を切り取った後、その通気部材用多孔質シート片を取り付け対象体の通気孔に取り付ける方法であって、上記通気部材用多孔質シート基材における切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を、上記通気孔の開口部に位置決めし、その状態で、上記切り取り予定の通気部材用多孔質シート片を熱融着金型で押し込むことにより、その通気部材用多孔質シート片を通気部材用多孔質シート基材から上記非切断部分に抗して切り取り、そのまま上記通気孔に熱融着することを特徴とする通気部材用多孔質シート片の取り付け方法。
- 上記通気部材用多孔質シート片の取り付け対象体が、自動車ヘッドランプである請求項５記載の通気部材用多孔質シート片の取り付け方法。
- 上記通気部材用多孔質シート片の取り付け対象体が、携帯電話である請求項５記載の通気部材用多孔質シート片の取り付け方法。
- 上記切り取り予定の通気部材用多孔質シート片の輪郭が、円形であり、切断部分と非切断部分とが交互に形成されたミシン目状になっている請求項５〜７のいずれか一項に記載の通気部材用多孔質シート片の取り付け方法。
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