JP4389917B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置、特に、複数の冷媒回路系統を含んでおり、送風ファンが各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されるように構成された空気調和装置に関する。
従来より、圧縮機、室外熱交換器、膨張機構及び室内熱交換器をそれぞれ有する複数の蒸気圧縮式の冷媒回路系統を含む空気調和装置があり、このような空気調和装置として、各冷媒回路系統に対応する室外熱交換器に対して共通に使用される室外ファンを備えたものがある(特許文献1参照。)。
特開2000−249408号公報
しかし、上述の空気調和装置において、各冷媒回路系統に対応する室外熱交換器を凝縮器として機能させる運転を行うと、外気温度の変動に応じて、各室外熱交換器における凝縮圧力が変化し、その結果、各冷媒回路系統における高圧圧力が所定のしきい高圧圧力を維持できなくなる場合がある。これに対して、室外ファンをステップ的に風量変更することで、各冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力で維持できるように制御することが考えられる。
しかし、上述の空気調和装置においては、各冷媒回路系統が独立して冷凍サイクル運転を行うため、各冷媒回路系統における冷媒循環量等の運転状態の違いから、各室外熱交換器における凝縮圧力、すなわち、各冷媒回路系統における高圧圧力にばらつきが生じることがある。このような運転状態において、室外ファンの風量変更制御により各冷媒回路系統における高圧圧力を所定のしきい高圧圧力に維持しようとしても、室外ファンの風量変更制御の影響がすべての室外熱交換器に対して及んでしまうため、複数の冷媒回路系統の一部における高圧圧力については、しきい高圧圧力で維持できなくなる場合がある。
特に、外気温度が低い場合等のように、各冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低くなる場合においては、各冷媒回路系統内における運転状態を安定させる意味で、各冷媒回路系統の高圧圧力をしきい高圧圧力に維持することは重要であり、たとえ複数の冷媒回路系統のうちの一部だけであっても、高圧圧力をしきい高圧圧力で維持できない状態となるのは好ましくない。
本発明の課題は、複数の冷媒回路系統を含んでおり、送風ファンが各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されるように構成された空気調和装置において、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい値で維持できるようにすることにある。
第1の発明にかかる空気調和装置は、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器をそれぞれ有する複数の蒸気圧縮式の冷媒回路系統を含む空気調和装置であって、送風ファンと凝縮器バイパス回路とを備えている。送風ファンは、各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されており、ステップ的に風量変更が可能である。凝縮器バイパス回路は、各冷媒回路系統に設けられており、開度制御が可能なバイパス電動弁を有しており、圧縮機から凝縮器に送られる冷媒をバイパスすることが可能である。そして、この空気調和装置は、各冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるように、各バイパス電動弁の開度制御を行い、複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合には、送風ファンの風量を小さくする制御を行い、送風ファンの風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅よりも、各バイパス電動弁の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、各バイパス電動弁の流量特性及び送風ファンのステップ区分が設定されている。
この空気調和装置では、複数の冷媒回路系統のうちの一部における高圧圧力がしきい高圧圧力から外れた場合には、まず、高圧圧力がしきい高圧圧力から外れた冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるように、この冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力を変動させる目的で、この冷媒回路系統に対応するバイパス電動弁の開度制御を行う。そして、バイパス電動弁の開度制御を行うことにより、高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるようになれば、バイパス電動弁の開度制御のみで、すべての冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されることになる。例えば、この冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低くなっていた場合には、バイパス電動弁の開度を大きくする制御を行うことにより、高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されることになる。
しかし、このようなバイパス電動弁の開度制御だけでは、複数の冷媒回路系統のうちで最も高圧圧力が低い冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度が制御上限に達しても、この冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力まで高くすることができない場合が生じる。
これに対して、この空気調和装置では、複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合には、すべての冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力を小さくする目的で、送風ファンの風量を小さくする制御を行うようにしている。これにより、複数の冷媒回路系統のうちで最も高圧圧力が低い冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力まで高くすることができる。尚、他の冷媒回路系統については、送風ファンの風量制御を行う前の状態において、高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されていたのにもかかわらず、このような送風ファンの風量制御によって、すべての冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力が変動することから、高圧圧力がしきい高圧圧力から外れるおそれがあるが、再度、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度制御が行われることによって、高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるようになる。
しかも、この送風ファンの風量を小さくする制御を行うタイミングを、複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合に設定していることから、バイパス電動弁の開度制御によって各冷媒回路系統における高圧圧力間のばらつきが小さくなった状態で、送風ファンの風量制御を行った後におけるバイパス電動弁の開度制御を行われることになるため、送風ファンの風量制御によって高圧圧力がしきい高圧圧力から外れるおそれが少なくなり、また、送風ファンの風量制御によって高圧圧力がしきい高圧圧力から外れた場合であっても、そのずれは小さくなっていることから、バイパス電動弁の開度制御を最小限に抑えることができるため、制御状態を安定させることができる。
このように、この空気調和装置では、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力で維持することができる。
また、この空気調和装置では、送風ファンの風量制御の各ステップにおける凝縮器の能力に、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度制御による凝縮器の能力を加算することによって、各冷媒回路系統における送風ファンの風量制御のステップごとの凝縮器の能力が決まり、さらに、バイパス電動弁の開度制御による凝縮器の能力変動幅から、各冷媒回路系統における送風ファンの風量制御のステップごとの凝縮器の能力制御範囲が決まる。
そして、送風ファンの風量制御を行う際における制御状態の安定性は、送風ファンの風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲のギャップの大きさが影響する。
そこで、この空気調和装置では、送風ファンの風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅よりも、各バイパス電動弁の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、各バイパス電動弁の流量特性及び送風ファンのステップ区分を設定することで、送風ファンの風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲がラップするようにしている。これにより、送風ファンの風量制御を行う際における制御状態をさらに安定させることができる。
尚、ここでいう「高圧圧力」は、各冷媒回路系統の冷凍サイクル運転における高圧側の圧力に対応する状態値をいい、例えば、圧縮機の吐出圧力、凝縮器の凝縮圧力や凝縮温度が該当する。また、「しきい高圧圧力」は、単一の圧力等の値であってもよいし、所定の圧力等の範囲であってもよい。
の発明にかかる空気調和装置は、第1の発明にかかる空気調和装置において、各凝縮器の出口に設けられた開度制御が可能なメイン電動弁をさらに備えている。そして、この空気調和装置は、各冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるように、各バイパス電動弁の開度制御と各メイン電動弁の開度制御とを併せて行い、前記複数の冷媒回路系統のうち、制御下限に達したメイン電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合には、送風ファンの風量を小さくする制御を行う。
この空気調和装置では、各凝縮器の出口に開度制御が可能なメイン電動弁をさらに設け、メイン電動弁の開度制御をバイパス電動弁の開度制御と併せて行うことによって、各冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力をさらに変動させることが可能になっており、このようなバイパス電動弁及びメイン電動弁の開度制御だけでは、複数の冷媒回路系統のうち、制御下限に達したメイン電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合に、送風ファンの風量を小さくする制御を行うようにしている。このため、各冷媒回路系統における高圧圧力間のばらつきが大きい場合であっても、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力で維持することができる。また、外気温度が低い場合等のように、送風ファンの風量を小さくした状態で運転を行う必要がある場合には、送風ファンの風量制御のステップ間における凝縮器の能力変動幅、すなわち、高圧圧力の変動が大きくなることから、凝縮器の能力制御範囲を拡大する必要があるが、このような場合にも、本発明を適用することで、凝縮器の能力制御範囲を拡大することができる。
の発明にかかる空気調和装置は、第の発明にかかる空気調和装置において、送風ファンの風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅よりも、各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の流量特性及び送風ファンのステップ区分が設定されている。
この空気調和装置では、送風ファンの風量制御の各ステップにおける凝縮器の能力に、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁及びメイン電動弁の開度制御による凝縮器の能力を加算することによって、各冷媒回路系統における送風ファンの風量制御のステップごとの凝縮器の能力が決まり、さらに、バイパス電動弁及びメイン電動弁の開度制御による凝縮器の能力変動幅から、各冷媒回路系統における送風ファンの風量制御のステップごとの凝縮器の能力制御範囲が決まる。
そして、送風ファンの風量制御を行う際における制御状態の安定性は、送風ファンの風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲のギャップの大きさが影響する。
そこで、この空気調和装置では、送風ファンの風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅よりも、各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の流量特性及び送風ファンのステップ区分を設定することで、送風ファンの風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲がラップするようにしている。これにより、送風ファンの風量制御を行う際における制御状態をさらに安定させることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力で維持することができる。
及び第の発明では、送風ファンの風量制御を行う際における制御状態をさらに安定させることができる。
の発明では、各冷媒回路系統における高圧圧力間のばらつきが大きい場合であっても、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい高圧圧力で維持することができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、複数の冷媒回路系統を含んでおり、送風ファンが各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されるように構成されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、室内の冷房等を行う装置である。
空気調和装置1は、いわゆるセパレートタイプの空気調和装置であり、主として、室外ユニット2と、室内ユニット5と、室外ユニット2と室内ユニット5とを接続する冷媒連絡管6、7、8、9とを備えており、独立して蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことが可能な複数系統(ここでは、2系統)の冷媒回路10、11を構成している。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外に設置されており、第1冷媒回路10の一部を構成する第1室外側冷媒回路10aと、第2冷媒回路11の一部を構成する第2室外側冷媒回路11aとを備えている。
まず、室外ユニット2の第1室外側冷媒回路10aの構成について説明する。第1室外側冷媒回路10aは、主として、第1室外熱交換器21と、第1メイン電動弁24と、第1電磁弁25と、第1凝縮器バイパス回路27とを有している。第1室外熱交換器21は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなり、室外空気を熱源として、高圧冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。第1室外熱交換器21の出口は、第1メイン電動弁24及び冷媒連絡管6を介して室内ユニット5(より具体的には、後述の第1膨張機構41)に接続されており、第1室外熱交換器21の入口は、冷媒連絡管7を介して室内ユニット5(より具体的には、後述の第1圧縮機43の吐出側)に接続されている。第1メイン電動弁24は、冷媒連絡管6を介して第1室外熱交換器21の出口に接続された開度制御が可能な電動膨張弁であり、主として、後述の高圧圧力をしきい高圧圧力で維持する制御(以下、高圧制御とする)を行う際に使用される。第1電磁弁25は、第1メイン電動弁24をバイパスするように接続された全開又は全閉が可能な電磁弁である。第1凝縮器バイパス回路27は、第1圧縮機43から第1室外熱交換器21に送られる冷媒をバイパスすることが可能な回路(より具体的には、第1室外熱交換器21及び第1メイン電動弁24をバイパスするように設けられた回路)であり、第1バイパス電動弁26を有している。第1バイパス電動弁26は、開度制御が可能な電動膨張弁であり、主として、後述の高圧制御を行う際に使用される。
次に、室外ユニット2の第2室外側冷媒回路11aの構成について説明する。第2室外側冷媒回路11aは、第1室外側冷媒回路10aと同様に、主として、高圧冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である第2室外熱交換器31と、第2メイン電動弁34と、第2電磁弁35と、第2凝縮器バイパス回路37とを有している。第2室外熱交換器31の出口は、第2メイン電動弁34及び冷媒連絡管8を介して室内ユニット5(より具体的には、後述の第2膨張機構51)に接続されており、第2室外熱交換器31の入口は、冷媒連絡管9を介して室内ユニット5(より具体的には、後述の第2圧縮機53の吐出側)に接続されている。第2メイン電動弁34は、冷媒連絡管8を介して第2室外熱交換器31の出口に接続された開度制御が可能な電動膨張弁であり、主として、後述の高圧制御を行う際に使用される。第2電磁弁35は、第2メイン電動弁34をバイパスするように接続された全開又は全閉が可能な電磁弁である。第2凝縮器バイパス回路37は、第2圧縮機53から第2室外熱交換器31に送られる冷媒をバイパスすることが可能な回路(より具体的には、第2室外熱交換器31及び第2メイン電動弁34をバイパスするように設けられた回路)であり、第2バイパス電動弁36を有している。第2バイパス電動弁36は、開度制御が可能な電動膨張弁であり、主として、後述の高圧制御を行う際に使用される。
また、室外ユニット2は、本実施形態において、ユニット内に吸入口(図示せず)から室外空気(図1中の矢印A参照)を吸入して、ユニット内に収容された第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31において冷媒と熱交換させた後に、熱交換された図示しない吹出口から排出空気(図1中の矢印B参照)として室外に吹き出すための室外ファン22を備えている。この室外ファン22は、室外ファン用モータ23によって駆動されるように構成されている。本実施形態において、室外ファン用モータ23は、インバータ装置を介して電力の供給を受けて駆動されるようになっており、室外ファン22は、室外ファン用モータ23の周波数(すなわち、回転数)をステップ的に可変することによって、風量を可変することが可能である。ここで、各室外側冷媒回路10a、11aに対応する室外熱交換器21、31は、この室外ファン22によって生成される空気流に対して並列に配置されており、また、室外ファン22は、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31の両方に共通に使用されているため、各室外側冷媒回路10a、11aに対応する室外熱交換器21、31を通過した空気は、室外ファン22によって合流された後に、室外に吹き出されるようになっている。
また、室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する室外ファン22、メイン電動弁24、34、電磁弁25、35やバイパス電動弁26、36等の各部の動作を制御する室外側制御部28を備えている。この室外側制御部28は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット5の室内側制御部50(後述)との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
<室内ユニット>
室内ユニット5は、室内に設置されており、第1冷媒回路10の一部を構成する第1室内側冷媒回路10bと、第2冷媒回路11の一部を構成する第2室内側冷媒回路11bとを備えている。
まず、室内ユニット5の第1室内側冷媒回路10bの構成について説明する。この第1室内側冷媒回路10bは、主として、第1膨張機構41と、第1室内熱交換器42と、第1圧縮機43とを有している。第1膨張機構41は、主として、室外ユニット2の第1室外熱交換器21において冷却された冷媒の減圧を行うために、冷媒連絡管6を介して第1室外熱交換器21の出口に接続された電動膨張弁である。第1室内熱交換器42は、例えば、伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなり、低圧冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却する熱交換器である。第1室内熱交換器42の入口は、第1膨張機構41に接続されており、第1室内熱交換器42の出口は、第1圧縮機43の吸入側に接続されている。第1圧縮機43は、低圧冷媒を吸入し、圧縮して高圧冷媒として吐出する機能を有する容積式圧縮機であり、第1圧縮機用モータ44によって駆動されるように構成されている。本実施形態において、第1圧縮機43は密閉型圧縮機であり、第1圧縮機用モータ44は第1圧縮機43のケーシング内に内蔵されている。本実施形態において、第1圧縮機用モータ44は、インバータ装置を介して電力の供給を受けて駆動されるようになっており、第1圧縮機43は、第1圧縮機用モータ44の周波数(すなわち、回転数)を可変することによって、運転容量を可変することが可能である。また、この第1圧縮機43の圧縮要素としては、本実施形態において、スクロール型の圧縮要素が使用されている。そして、第1圧縮機43の吸入側は、第1室内熱交換器42の出口に接続されており、第1圧縮機43の吐出側は、冷媒連絡管7を介して室外ユニット2の第1室外熱交換器21の入口に接続されている。
次に、室内ユニット5の第2室内側冷媒回路11bの構成について説明する。この第2室内側冷媒回路11bは、第1室内側冷媒回路10bと同様に、主として、第2膨張機構51と、第2室内熱交換器52と、第2圧縮機53とを有している。第2膨張機構51は、主として、室外ユニット2の第2室外熱交換器31において冷却された冷媒の減圧を行うために、冷媒連絡管8を介して第2室外熱交換器31の出口に接続された電動膨張弁である。第2室内熱交換器52は、第1室内熱交換器42と同様に、低圧冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却する熱交換器である。第2室内熱交換器52の入口は、第2膨張機構51に接続されており、第2室内熱交換器52の出口は、第2圧縮機53の吸入側に接続されている。第2圧縮機53は、第1圧縮機43と同様に、低圧冷媒を吸入し、圧縮して高圧冷媒として吐出する機能を有する密閉型の容積式圧縮機であり、第2圧縮機53のケーシング内に内蔵された第2圧縮機用モータ54によって駆動されるように構成されている。また、第2圧縮機用モータ54は、インバータ装置を介して電力の供給を受けて駆動されるようになっており、第2圧縮機53は、第2圧縮機用モータ54の周波数(すなわち、回転数)を可変することによって、運転容量を可変することが可能である。そして、第2圧縮機53の吸入側は、第2室内熱交換器52の出口に接続されており、第2圧縮機53の吐出側は、冷媒連絡管9を介して室外ユニット2の第2室外熱交換器31の入口に接続されている。
また、室内ユニット5は、本実施形態において、ユニット内に吸入口(図示せず)から室内空気を吸入して、ユニット内に収容された第1室内熱交換器42及び第2室内熱交換器52において冷媒と熱交換させた後に、熱交換された図示しない吹出口から供給空気として室内に吹き出すための室内ファン45を備えている。この室内ファン45は、室内ファン用モータ46によって駆動されるように構成されている。
また、室内ユニット5には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット5には、第1圧縮機43の吐出圧力Pd1を検出する第1吐出圧力センサ48や、第2圧縮機53の吸入圧力Ps2を検出する第2吸入圧力センサ57等が設けられている。また、室内ユニット5は、室内ユニット5を構成する圧縮機43、53、膨張機構41、51や室内ファン45等の各部の動作を制御する室内側制御部50を備えている。この室内側制御部50は、室内ユニット5の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室外ユニット2の室外側制御部28との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、この空気調和装置1では、第1室外側冷媒回路10aと第1室内側冷媒回路10bとが冷媒連絡管6、7を介して接続されることで蒸気圧縮式の第1冷媒回路10が構成され、そして、第2室外側冷媒回路11aと第2室内側冷媒回路11bとが冷媒連絡管8、9を介して接続されることで蒸気圧縮式の第2冷媒回路11が構成されており、各冷媒回路系統がそれぞれ独立して蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことが可能な構成、すなわち、圧縮機、冷却器、膨張機構及び蒸発器をそれぞれ有する複数(ここでは、2つ)の冷媒回路系統を含んだ構成になっている。また、各冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)に対応する凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)は、これらの凝縮器に共通に設けられた室外ファン22を備えた1つの室外ユニット2に収容されており、この室外ファン2によって生成される空気流に対して並列に配置されているため、この空気調和装置1は、送風ファンとしての室外ファン22が各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用される。
また、室内側制御部50と室外側制御部28とによって、空気調和装置1の制御装置12が構成されている。この制御装置12には、図2に示されるように、各種センサ47、48等が検知した状態量(圧力値等)に対応する信号を取り込むことができるようになっている。これらの信号は、制御装置12において、空気調和装置1の運転制御を行うために使用される。ここで、図2は、空気調和装置1の制御装置12の制御ブロック図(室内側制御部50及び室外側制御部28については、制御装置12としてまとめて図示)である。
(2)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置1の基本動作(後述の高圧制御を除く動作)について、図1を用いて説明する。
圧縮機43、53、室内ファン45及び室外ファン22を起動すると、第1冷媒回路10においては、以下のような冷凍サイクル運転が行われる。まず、低圧冷媒は、室内ユニット5の第1圧縮機43に吸入されて圧縮されて高圧冷媒となる。その後、高圧冷媒は、冷媒連絡管7を経由して室外ユニット2に送られ、第1室外熱交換器21において、室外ファン22によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却される。そして、第1室外熱交換器21において冷却された高圧冷媒は、冷媒連絡管6及び全開状態の第1メイン電動弁24及び第1電磁弁25(ここで、第1バイパス電動弁26は全閉状態とする)を経由して室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた高圧冷媒は、第1膨張機構41によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって第1室内熱交換器42に送られ、第1室内熱交換器42において、室内ファン45によって供給される空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して低圧冷媒となる。この第1室内熱交換器42において加熱された低圧冷媒は、再び、第1圧縮機43に吸入される。
また、第2冷媒回路11においても、第1冷媒回路10と同様の冷凍サイクル運転が行われる。まず、低圧冷媒は、室内ユニット5の第2圧縮機53に吸入されて圧縮されて高圧冷媒となる。その後、高圧冷媒は、冷媒連絡管9及び全開状態の第2メイン電動弁34及び第2電磁弁35(ここで、第2バイパス電動弁36は全閉状態とする)を経由して室外ユニット2に送られ、第2室外熱交換器31において、室外ファン22によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却される。そして、第2室外熱交換器31において冷却された高圧冷媒は、冷媒連絡管8を経由して室内ユニット5に送られる。この室内ユニット5に送られた高圧冷媒は、第2膨張機構51によって減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって第2室内熱交換器52に送られ、第2室内熱交換器52において、室内ファン45によって供給される空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発して低圧冷媒となる。この第2室内熱交換器52において加熱された低圧冷媒は、再び、第2圧縮機43に吸入される。
そして、第1冷媒回路10に対応する第1室外熱交換器21を通過した空気と、第2冷媒回路11に対応する第2室外熱交換器31を通過した空気とは、室外ファン22によって合流された後に、室外に吹き出されることになる。
しかし、このような基本動作中においては、外気温度の変動に応じて、各冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)に対応する凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)における凝縮圧力が変化し、その結果、各冷媒回路系統の冷凍サイクル運転における高圧側の圧力(以下、高圧圧力Pcとする)が適切な圧力に維持できなくなる場合がある。また、本実施形態の空気調和装置1においては、冷媒回路系統が独立して冷凍サイクル運転を行うため、各冷媒回路系統における冷媒循環量等の運転状態の違いから、各室外熱交換器21、31における凝縮圧力、すなわち、各冷媒回路系統における高圧圧力Pcにばらつきが生じることがある。
これに対して、本実施形態においては、主として、ステップ的に風量変更が可能な室外ファン22と、各室外熱交換器21、31に設けられた凝縮器バイパス回路27、37とを用いて、室外ファン22が第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31の両方に共通に使用されることも考慮した形で、すべての冷媒回路系統における高圧圧力Pcを適切な圧力(以下、しきい高圧圧力とする)で維持するための制御としての高圧制御を行うようにしている。
(3)高圧制御
ここでは、各冷媒回路系統に対応する圧縮機(ここでは、第1圧縮機43及び第2圧縮機53)の吐出圧力Pdを、各冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)における高圧圧力Pcとし、そして、この各冷媒回路系統における高圧圧力Pcを、上限しきい高圧圧力Pcs1と下限しきい高圧圧力Pcs2との範囲内(以下、総称して、しきい高圧圧力とする)に維持するように制御する場合について、図1〜5を用いて説明する。ここで、図3は、本実施形態にかかる高圧制御(高圧圧力Pcを高くする方向に制御する場合)を示すフローチャートであり、図4は、本実施形態にかかる高圧制御(高圧圧力Pcを低くする方向に制御する場合)を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態にかかる高圧制御における凝縮能力範囲の概念図である。
<高圧制御の動作について>
まず、本実施形態にかかる高圧制御の動作について説明する。ここで説明する動作の内容は、複数の冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)のいずれに対しても共通するものである。
ステップS1において、高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも高いかどうかを判定する。そして、高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも高い場合には、高圧圧力Pcを低くする方向に機器制御を行う必要があるため、ステップS12以降の処理に移行する。また、高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1以下である場合には、ステップS2の処理に移行する。
次に、ステップS2において、高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2よりも低いかどうかを判定する。そして、高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcsよりも低い場合には、高圧圧力Pcを高くする方向に機器制御を行う必要があるため、ステップS3の処理に移行する。また、高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2以上である場合には、高圧圧力Pcは上限しきい高圧圧力Pcs1と下限しきい高圧圧力Pcs2との間に維持されているため、高圧圧力Pcを高くしたり低くするための処理を行うことなく、ステップS1の処理に戻る。
次に、ステップS3において、室外ファン22の風量設定を確認する。ここで、本実施形態においては、室外ファン22の風量変更のステップは、8段階に分割されており、風量の小さい方から順に、ファンタップ1〜8となっている。そして、ステップS3においては、室外ファン22のファンタップが4〜8であるかどうか、すなわち、風量が比較的大きい設定であるかどうかを判定し、ファンタップが4〜8である場合には、ステップS4の処理に移行する。また、室外ファン22のファンタップが4〜8でない(すなわち、ファンタップが1〜3であり、風量が比較的小さい設定である)と判定された場合には、ステップS7の処理に移行する。ここで、室外ファン22の風量設定によって、次に移行する処理を分けている理由は、ファンタップが4〜8のような比較的風量が大きい場合には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御によって安定した高圧制御が可能であるが、ファンタップが1〜3のような比較的風量が小さい場合には、各冷媒回路系統における高圧圧力Pc間のばらつきが大きくなり、バイパス電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御に加えて、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御も行う必要があるためである。すなわち、このステップS3において、室外ファン22のファンタップが4〜8であると判定された場合には、バイパス電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御による高圧制御が選択され、室外ファン22のファンタップが4〜8でないと判定された場合には、バイパス電動弁の開度制御、メイン電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御による高圧制御が選択されることになる。
次に、ステップS4において、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)が制御上限としての上限開度であるかどうかを判定する。ここで、ステップS4において、バイパス電動弁が上限開度であるかどうかを判定する理由は、バイパス電動弁を用いて高圧圧力Pcを高くするためには、バイパス電動弁の開度が大きくなるように制御することで、凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)を流れる冷媒の流量を減らす必要があるが、この際、バイパス電動弁が上限開度である場合には、バイパス電動弁の開度制御によっては、高圧圧力Pcを高くすることができないことを意味し、さらに、高圧圧力Pcを高くするためには、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる必要があるからである。このため、ステップS4において、バイパス電動弁が上限開度でないと判定された場合には、ステップS5に移行して、バイパス電動弁の開度を大きくする制御を行い、再び、ステップS2の処理に戻る。尚、このステップS5では、バイパス電動弁の開度を大きくする制御とともに、電磁弁(ここでは、第1電磁弁25及び第2電磁弁35)を全開にする制御を行っているが、この処理は、実質的には、バイパス電動弁の開度制御を行うことが可能な状態においては、電磁弁を全開にして、凝縮器を流れる冷媒の流量が極力多くなるようにしておくことを意味している。また、ステップS4において、バイパス電動弁が上限開度であると判定された場合には、ステップS6に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる制御を行い、再び、ステップS2の処理に戻る。
このように、ステップS2〜S6の一連の処理は、高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2よりも低く、高圧圧力Pcを高くする必要がある場合において、室外ファン22の風量が比較的大きい場合(ここでは、ファンタップ4〜8である場合)には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御によって高圧制御を行うことを選択し、そして、バイパス電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になるまでは、バイパス電動弁の開度を大きくする制御を行って、高圧圧力Pcを下限しきい高圧圧力Pcs2に近づけるようにし、バイパス電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になった後は、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる制御を行って、高圧圧力Pcを下限しきい高圧圧力Pcs2に近づけるようにするものである。
次に、ステップS7について説明する。このステップS7においては、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)が制御下限としての下限開度であるかどうかを判定する。ここで、ステップS7において、メイン電動弁が下限開度であるかどうかを判定する理由は、高圧圧力Pcを高くするためには、メイン電動弁の開度が小さくなるように制御することで、凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)内に冷媒を溜めたり、また、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度が大きくなるように制御することで、凝縮器を流れる冷媒の流量を減らす必要があるが、この際、メイン電動弁が下限開度であり、また、バイパス電動弁が上限開度である場合には、メイン電動弁の開度制御やバイパス電動弁の開度制御によっては、高圧圧力Pcを高くすることができないことを意味し、さらに、高圧圧力Pcを高くするためには、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる必要があるからである。このため、ステップS7において、メイン電動弁が下限開度でないと判定された場合には、ステップS8に移行して、ステップS4と同様、バイパス電動弁が上限開度であるかどうかを判定し、バイパス電動弁が上限開度でないと判定された場合には、ステップS9の処理に移行して、メイン電動弁の開度制御に先立って、バイパス電動弁の開度を大きくする制御を行い、再び、ステップS2の処理に戻る。また、ステップS8において、バイパス電動弁が上限開度であると判定された場合には、ステップS10に移行して、メイン電動弁の開度を小さくする制御を行い、再び、ステップS2の処理に戻る。尚、このステップS10では、メイン電動弁の開度を小さくする制御とともに、電磁弁(ここでは、第1電磁弁25及び第2電磁弁35)を全閉にする制御を行っているが、この処理は、実質的には、バイパス電動弁の開度制御が不能になった状態においては、電磁弁を全閉にして、凝縮器を流れる冷媒がすべてメイン電動弁を流れるようにしておくことを意味している。また、ステップS7において、メイン電動弁が下限開度であると判定された場合には、ステップS11に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる制御(但し、ファンタップ1までが限度)を行い、再び、ステップS2の処理に戻る。
このように、ステップS2、S3、S7〜S11の一連の処理は、高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2よりも低く、高圧圧力Pcを高くする必要がある場合において、室外ファン22の風量が比較的小さい場合(ここでは、ファンタップ1〜3である場合)には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御に加えて、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御も行うことによって高圧制御を行うことを選択し、そして、バイパス電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になるまでは、バイパス電動弁の開度を大きくする制御を行って、高圧圧力Pcを下限しきい高圧圧力Pcs2に近づけるようにし、バイパス電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になった後は、さらに、メイン電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になるまでは、メイン電動弁の開度を小さくする制御を行って、高圧圧力Pcを下限しきい高圧圧力Pcs2に近づけるようにし、メイン電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になった後は、室外ファン22のファンタップを1ステップ下げる制御を行って、高圧圧力Pcを下限しきい高圧圧力Pcs2に近づけるようにするものである。
次に、ステップS12について説明する。このステップS12においては、ステップS3と同様、室外ファン22のファンタップが4〜8であるかどうか、すなわち、風量が比較的大きい設定であるかどうかを判定し、ファンタップが4〜8である場合には、ステップS13の処理に移行する。また、室外ファン22のファンタップが4〜8でない(すなわち、ファンタップが1〜3であり、風量が比較的小さい設定である)と判定された場合には、ステップS16の処理に移行する。ここで、室外ファン22の風量設定によって、次に移行する処理を分けている理由は、高圧圧力Pcを高くする方向に制御する場合と同様、高圧圧力Pcを低くする方向に制御する場合においても、ファンタップが4〜8のような比較的風量が大きい場合には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御によって安定した高圧制御が可能であるが、ファンタップが1〜3のような比較的風量が小さい場合には、各冷媒回路系統における高圧圧力Pc間のばらつきが大きくなり、バイパス電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御に加えて、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御も行う必要があるためである。すなわち、このステップS12において、室外ファン22のファンタップが4〜8であると判定された場合には、バイパス電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御による高圧制御が選択され、室外ファン22のファンタップが4〜8でないと判定された場合には、バイパス電動弁の開度制御、メイン電動弁の開度制御及び室外ファン22の風量制御による高圧制御が選択されることになる。
次に、ステップS13において、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)が制御下限としての下限開度であるかどうかを判定する。ここで、ステップS13において、バイパス電動弁が下限開度であるかどうかを判定する理由は、バイパス電動弁を用いて高圧圧力Pcを低くするためには、バイパス電動弁の開度が小さくなるように制御することで、凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)を流れる冷媒の流量を増やす必要があるが、この際、バイパス電動弁が下限開度である場合には、バイパス電動弁の開度制御によっては、高圧圧力Pcを低くすることができないことを意味し、さらに、高圧圧力Pcを低くするためには、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる必要があるからである。このため、ステップS13において、バイパス電動弁が下限開度でないと判定された場合には、ステップS14に移行して、バイパス電動弁の開度を小さくする制御を行い、再び、ステップS1の処理に戻る。尚、このステップS14では、バイパス電動弁の開度を小さくする制御とともに、電磁弁(ここでは、第1電磁弁25及び第2電磁弁35)を全開にする制御を行っているが、この処理は、実質的には、バイパス電動弁の開度制御を行うことが可能な状態においては、電磁弁を全開にして、凝縮器を流れる冷媒の流量が極力多くなるようにしておくことを意味している。また、ステップS13において、バイパス電動弁が下限開度であると判定された場合には、ステップS15に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる制御(但し、ファンタップ8までが限度)を行い、再び、ステップS1の処理に戻る。
このように、ステップS1、S12〜S15の一連の処理は、高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも低く、高圧圧力Pcを高くする必要がある場合において、比較的室外ファン22の風量が大きい場合(ここでは、ファンタップ4〜8である場合)には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御によって高圧制御を行うことを選択し、そして、バイパス電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になるまでは、バイパス電動弁の開度を小さくする制御を行って、高圧圧力Pcを上限しきい高圧圧力Pcs1に近づけるようにし、バイパス電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になった後は、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる制御を行って、高圧圧力Pcを上限しきい高圧圧力Pcs1に近づけるようにするものである。
次に、ステップS16について説明する。このステップS16においては、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)が制御下限としての下限開度であるかどうかを判定する。ここで、ステップS16において、バイパス電動弁が下限開度であるかどうかを判定する理由は、高圧圧力Pcを高くするためには、バイパス電動弁の開度が小さくなるように制御することで、凝縮器を流れる冷媒の流量を増やしたり、また、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度が大きくなるように制御することで、凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)内に冷媒を溜めないようにする必要があるが、この際、バイパス電動弁が下限開度であり、また、メイン電動弁が上限開度である場合には、バイパス電動弁の開度制御やメイン電動弁の開度制御によっては、高圧圧力Pcを低くすることができないことを意味し、さらに、高圧圧力Pcを低くするためには、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる必要があるからである。このため、ステップS16において、バイパス電動弁が下限開度でないと判定された場合には、ステップS17に移行して、メイン電動弁が上限開度であるかどうかを判定し、メイン電動弁が上限開度でないと判定された場合には、ステップS18の処理に移行して、バイパス電動弁の開度制御に先立って、メイン電動弁の開度を大きくする制御を行い、再び、ステップS1の処理に戻る。尚、このステップS18では、メイン電動弁の開度を大きくする制御とともに、電磁弁(ここでは、第1電磁弁25及び第2電磁弁35)を全閉にする制御を行っているが、この処理は、実質的には、メイン電動弁の開度制御を行うことが可能な状態においては、電磁弁を全閉にして、凝縮器を流れる冷媒がすべてメイン電動弁を流れるようにしておくことを意味している。また、ステップS17において、メイン電動弁が上限開度であると判定された場合には、ステップS19に移行して、バイパス電動弁の開度を小さくする制御を行い、再び、ステップS1の処理に戻る。また、ステップS16において、バイパス電動弁が下限開度であると判定された場合には、ステップS20に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる制御を行い、再び、ステップS1の処理に戻る。
このように、ステップS1、S12、S16〜S20の一連の処理は、高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも高く、高圧圧力Pcを低くする必要がある場合において、比較的室外ファン22の風量が小さい場合(ここでは、ファンタップ1〜3である場合)には、バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御及び室外ファン22の風量制御に加えて、メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御も行うことによって高圧制御を行うことを選択し、そして、メイン電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になるまでは、メイン電動弁の開度を大きくする制御を行って、高圧圧力Pcを上限しきい高圧圧力Pcs1に近づけるようにし、メイン電動弁が制御上限(すなわち、上限開度)になった後は、さらに、バイパス電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になるまでは、バイパス電動弁の開度を小さくする制御を行って、高圧圧力Pcを上限しきい高圧圧力Pcs1に近づけるようにし、バイパス電動弁が制御下限(すなわち、下限開度)になった後は、室外ファン22のファンタップを1ステップ上げる制御を行って、高圧圧力Pcを上限しきい高圧圧力Pcs1に近づけるようにするものである。
以上のように、各冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)の高圧制御を行うと、室外ファン22の風量制御のステップごとに、図5に示されるような凝縮能力範囲(すなわち、高圧制御の制御範囲)が得られることになる。より具体的には、室外ファン22のファンタップが4〜8である場合には、室外ファン22の風量制御の各ステップにおける凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)の能力に、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御による凝縮器の能力を加算することによって、各冷媒回路系統における室外ファン22の風量制御のステップごとの凝縮器の能力範囲が得られ、また、室外ファン22のファンタップが1〜3である場合には、室外ファン22の風量制御の各ステップにおける凝縮器の能力に、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度制御による凝縮器の能力及びメイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御による凝縮器の能力を加算することによって、各冷媒回路系統における室外ファン22の風量制御のステップごとの凝縮器の能力範囲が得られる。尚、本実施形態では、室外ファン22の風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)の能力変動幅(図5中のγ参照)よりも、各バイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅(図5中のα参照)や各バイパス電動弁及び各メイン電動弁(ここでは、第1メイン電動弁24及び第2メイン電動弁34)の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅(図5中のβ参照)が大きくなるように、各バイパス電動弁の流量特性及び室外ファン22のステップ区分が設定されている。このため、室外ファン22の風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲がラップするようになっている(図5中のδ参照)。また、各バイパス電動弁の開度制御による各凝縮器の能力変動幅αと各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の開度制御による各凝縮器の能力変動幅βとを比較すると、能力変動幅βのほうが大きくなっているため、室内ファン22のファンタップが1〜3という風量の小さい条件においては、各バイパス電動弁及び各メイン電動弁の開度制御による各凝縮器の能力変動幅βが拡大されている。
<高圧制御の具体例>
次に、第1冷媒回路10における高圧圧力Pc及び第2冷媒回路11における高圧圧力Pcの両方が下限しきい高圧圧力Pcs2よりも低く、しかも、第1冷媒回路10における高圧圧力Pcのほうが第2冷媒回路11における高圧圧力Pcよりも低い場合における高圧制御の動作の例について説明する。
まず、各冷媒回路10、11について、ステップS1、S2、S3の順に処理がなされる。そして、ステップS3において、室外ファン22のファンタップが4〜8と判定されると、ステップS4に移行して、各冷媒回路10、11に対応するバイパス電動弁26、36が上限開度になっているかどうかが判定される。そして、ステップS4において、各バイパス電動弁26、36が上限開度でないものと判定されると、ステップS5に移行して、各冷媒回路10、11における高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2になるまで各バイパス電動弁26、36の開度を大きくする制御が行われる。また、ステップS4において、高圧圧力Pcが低い第1冷媒回路10に対応する第1バイパス電動弁26が上限開度になっていると判定された場合には、ステップS6に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップずつ下げる制御が行われる。これにより、高圧圧力Pcが低い第1冷媒回路10における高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2以上になる。しかし、室外ファン22のファンタップを1ステップずつ下げる制御が行われると、第2冷媒回路11における高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも高くなる場合がある。この場合には、ステップS1、S12、S13の順に処理がなされて、ステップS14に移行し、第2冷媒回路11における高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1になるまで第2バイパス電動弁36の開度を小さくする制御が行われる。
一方、ステップS3において、室外ファン22のファンタップが1〜3と判定されると、ステップS7に移行して、各冷媒回路10、11に対応するメイン電動弁24、34が下限開度になっているかどうかが判定される。そして、ステップS7において、各メイン電動弁24、34が下限開度でないものと判定されると、ステップS8に移行して、各冷媒回路10、11に対応するバイパス電動弁26、36が上限開度になっているかどうかが判定される。そして、ステップS8において、各バイパス電動弁26、36が上限開度でないものと判定されると、ステップS9に移行して、各冷媒回路10、11に対応する電磁弁25、35を全閉にするとともに、各冷媒回路10、11における高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2になるまで各バイパス電動弁26、36の開度を大きくする制御が行われる。また、ステップS8において、高圧圧力Pcが低い第1冷媒回路10に対応する第1バイパス電動弁26が上限開度になっていると判定された場合には、ステップS10に移行して、第1冷媒回路10おける高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2になるまで第1メイン電動弁24の開度を小さくする制御が行われる。また、ステップS7において、各メイン電動弁24、34が下限開度であるものと判定された場合には、ステップS11に移行して、室外ファン22のファンタップを1ステップずつ下げる制御が行われる。これにより、高圧圧力Pcが低い第1冷媒回路10における高圧圧力Pcが下限しきい高圧圧力Pcs2以上になる。しかし、室外ファン22のファンタップを1ステップずつ下げる制御が行われると、第2冷媒回路11における高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1よりも高くなる場合がある。この場合には、ステップS1、S12、S16の順に処理がなされて、ステップS17に移行し、各冷媒回路10、11に対応するメイン電動弁24、34が上限開度になっているかどうかが判定される。そして、ステップS17において、各メイン電動弁24、34が上限開度でないものと判定されると、ステップS18に移行して、第1冷媒回路10における高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1になるまで第1メイン電動弁24の開度を大きくする制御が行われる。また、ステップS17において、高圧圧力Pcが低い第1冷媒回路10に対応する第1メイン電動弁24が上限開度になっていると判定された場合には、ステップS19に移行して、第1電磁弁25を全開にするとともに、第1冷媒回路10おける高圧圧力Pcが上限しきい高圧圧力Pcs1になるまで第1バイパス電動弁26の開度を小さくする制御が行われる。
(4)本実施形態の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
(A)
本実施形態の空気調和装置1では、複数の冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)のうちの一部における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力Pcs1、Pcs2から外れた場合には、まず、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力(ここでは、上限しきい高圧圧力Pcs1と下限しきい高圧圧力Pcs2との間の範囲)から外れた冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されるように、この冷媒回路系統に対応する凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)の能力を変動させる目的で、この冷媒回路系統に対応するバイパス電動弁(ここでは、第1バイパス電動弁26及び第2バイパス電動弁36)の開度制御を行う。そして、バイパス電動弁26、36の開度制御を行うことにより、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されるようになれば、バイパス電動弁26、36の開度制御のみで、すべての冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されることになる。例えば、この冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力(ここでは、下限しきい高圧圧力Pcs2)よりも低くなっていた場合には、バイパス電動弁26、36の開度を大きくする制御を行うことにより、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されることになる。
しかし、このようなバイパス電動弁26、36の開度制御だけでは、複数の冷媒回路系統のうちで最も高圧圧力Pcが低い冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度が制御上限に達しても、この冷媒回路系統における高圧圧力Pcをしきい高圧圧力まで高くすることができない場合が生じる。
これに対して、この空気調和装置1では、複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力よりも低い場合には、すべての冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力を小さくする目的で、送風ファンとしての室外ファン22の風量を小さくする制御を行うようにしている。これにより、複数の冷媒回路系統のうちで最も高圧圧力Pcが低い冷媒回路系統における高圧圧力Pcをしきい高圧圧力(ここでは、下限しきい高圧圧力Pcs2)まで高くすることができる。尚、他の冷媒回路系統については、室外ファン22の風量制御を行う前の状態において、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されていたのにもかかわらず、このような室外ファン22の風量制御によって、すべての冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力が変動することから、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力(ここでは、上限しきい高圧圧力Pcs1)から外れるおそれがあるが、再度、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁の開度制御が行われることによって、高圧圧力Pcがしきい高圧圧力で維持されるようになる。
しかも、この室外ファン22の風量を小さくする制御を行うタイミングを、複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力よりも低い場合に設定していることから、バイパス電動弁26、36の開度制御によって各冷媒回路系統における高圧圧力Pc間のばらつきが小さくなった状態で、室外ファン22の風量制御を行った後におけるバイパス電動弁26、36の開度制御を行われることになるため、室外ファン22の風量制御によって高圧圧力Pcがしきい高圧圧力から外れるおそれが少なくなり、また、室外ファン22の風量制御によって高圧圧力Pcがしきい高圧圧力から外れた場合であっても、そのずれは小さくなっていることから、バイパス電動弁26、36の開度制御を最小限に抑えることができるため、制御状態を安定させることができる。
このように、本実施形態の空気調和装置1では、すべての冷媒回路系統における高圧圧力Pcをしきい高圧圧力で維持することができる。
尚、上述の高圧制御では、高圧圧力Pcとして、各冷媒回路系統(ここでは、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)における圧縮機(ここでは、第1圧縮機43及び第2圧縮機53)の吐出圧力Pdを高圧圧力Pcとして使用しているが、各冷媒回路系統の冷凍サイクル運転における高圧側の圧力に対応する状態値であればよいため、例えば、各凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)に圧力センサや温度センサを設けて、これらのセンサによって検出される圧力や温度を高圧圧力として使用してもよい。
(B)
本実施形態の空気調和装置1では、各凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)の出口に開度制御が可能なメイン電動弁24、34をさらに設け、メイン電動弁24、34の開度制御をバイパス電動弁26、36の開度制御と併せて行うことによって、各冷媒回路系統に対応する凝縮器の能力をさらに変動させることが可能になっており、このようなバイパス電動弁26、36及びメイン電動弁24、34の開度制御だけでは、複数の冷媒回路系統のうち、制御下限に達したメイン電動弁24、34を有する冷媒回路系統における高圧圧力Pcがしきい高圧圧力よりも低い場合に、送風ファンとしての室外ファン22の風量を小さくする制御を行うようにしている。このため、各冷媒回路系統における高圧圧力Pc間のばらつきが大きい場合であっても、すべての冷媒回路系統における高圧圧力Pcをしきい高圧圧力で維持することができる。また、外気温度が低い場合等のように、室外ファン22の風量を小さくした状態(ここでは、ファンタップ1から3の状態)で運転を行う必要がある場合には、室外ファン22の風量制御のステップ間における凝縮器の能力変動幅、すなわち、高圧圧力Pcの変動が大きくなることから、凝縮器の能力制御範囲を拡大する必要があるが、このような場合にも、本発明を適用することで、凝縮器の能力制御範囲を拡大することができる(図5参照)。
(C)
本実施形態の空気調和装置1では、送風ファンとしての室外ファン22の風量制御の各ステップにおける凝縮器(ここでは、第1室外熱交換器21及び第2室外熱交換器31)の能力に、各冷媒回路系統におけるバイパス電動弁26、36の開度制御による凝縮器の能力(メイン電動弁24、34の開度制御を併用する場合には、メイン電動弁24、34の開度制御による凝縮器の能力)を加算することによって、各冷媒回路系統における室外ファン22の風量制御のステップごとの凝縮器の能力が決まり、さらに、バイパス電動弁26、36及びメイン電動弁24、34の開度制御による凝縮器の能力変動幅から、各冷媒回路系統における室外ファン22の風量制御のステップごとの凝縮器の能力制御範囲が決まる。
そして、室外ファン22の風量制御を行う際における制御状態の安定性は、室外ファン22の風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲のギャップの大きさが影響する。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、室外ファン22の風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅よりも、各バイパス電動弁26、36の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する各凝縮器の能力変動幅(メイン電動弁24、34の開度制御を併用する場合には、メイン電動弁24、34の開度制御による各凝縮器の能力変動幅も含む)が大きくなるように、各バイパス電動弁26、36の流量特性、各メイン電動弁24、34の流量特性及び室外ファン22のステップ区分を設定することで、室外ファン22の風量制御の各ステップ間の凝縮器の能力制御範囲がラップするようにしている。これにより、室外ファン22の風量制御を行う際における制御状態をさらに安定させることができる。
(5)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上述の実施形態においては、複数の冷媒回路系統(具体的には、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)に対応する蒸発器(具体的には、第1室内熱交換器42及び第2室内熱交換器52)をまとめて、1つの室内ユニットに収容しているが、系統ごとに複数の室内ユニットに分けて収容するようにしてもよい。
(B)
上述の実施形態においては、各冷媒回路系統(具体的には、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11)に対応して各1台の圧縮機(具体的には、第1圧縮機43及び第2圧縮機53)が設けられているが、各冷媒回路系統の能力を大きくする場合等においては、各冷媒回路系統に複数台の圧縮機が設けられていてもよい。
(C)
上述の実施形態が適用された空気調和装置1においては、室内ユニットに圧縮機が設けられた、いわゆるリモートコンデンサタイプであったが、室外ユニットに圧縮機が設けられている等のように、他のタイプの空気調和装置であってもよい。
(D)
上述の実施形態においては、複数の冷媒回路系統の例として、第1冷媒回路10及び第2冷媒回路11からなる2系統の構成を挙げているが、3系統以上の構成であってもよい。この場合においても、2系統の場合と同様に、複数の冷媒回路系統のうち、バイパス電動弁の開度が制御上限に達したりメイン電動弁の開度が制御下限に達した冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも低い場合には、室外ファンの風量を小さくする制御を行い、複数の冷媒回路系統のうち、バイパス電動弁の開度が制御下限に達したりメイン電動弁の開度が制御上限に達した冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力よりも高い場合には、室外ファンの風量を大きくする制御を行うことになる。
本発明を利用すれば、複数の冷媒回路系統を含んでおり、送風ファンが各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されるように構成された空気調和装置において、すべての冷媒回路系統における高圧圧力をしきい値で維持することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。 空気調和装置の制御ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる高圧制御(高圧圧力を高くする方向に制御する場合)を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる高圧制御(高圧圧力を低くする方向に制御する場合)を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかる高圧制御における凝縮能力範囲の概念図である。
1 空気調和装置
10、11 冷媒回路(冷媒回路系統)
21、31 室外熱交換器(凝縮器)
22 室外ファン(送風ファン)
24、34 メイン電動弁
26、36 バイパス電動弁
27、37 凝縮器バイパス回路
41、51 膨張機構
42、52 室内熱交換器(蒸発器)
43、53 圧縮機

Claims (3)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張機構及び蒸発器をそれぞれ有する複数の蒸気圧縮式の冷媒回路系統(10、11)を含む空気調和装置であって、
    前記各冷媒回路系統に対応する凝縮器に対して共通に使用されており、ステップ的に風量変更が可能な送風ファン(22)と、
    前記各冷媒回路系統に設けられており、開度制御が可能なバイパス電動弁(26、36)を有しており、前記圧縮機から前記凝縮器に送られる冷媒をバイパスすることが可能な凝縮器バイパス回路(27、37)とを備え、
    前記各冷媒回路系統における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるように、前記各バイパス電動弁の開度制御を行い、前記複数の冷媒回路系統のうち、制御上限に達したバイパス電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力が前記しきい高圧圧力よりも低い場合には、前記送風ファンの風量を小さくする制御を行い、
    前記送風ファンの風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する前記各凝縮器の能力変動幅よりも、前記各バイパス電動弁の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する前記各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、前記各バイパス電動弁の流量特性及び前記送風ファンのステップ区分が設定されている、
    空気調和装置(1)。
  2. 前記各凝縮器の出口に設けられた開度制御が可能なメイン電動弁(24、34)をさらに備え、
    前記各冷媒回路系統(10、11)における高圧圧力がしきい高圧圧力で維持されるように、前記各バイパス電動弁の開度制御と前記各メイン電動弁の開度制御とを併せて行い、前記複数の冷媒回路系統のうち、制御下限に達したメイン電動弁を有する冷媒回路系統における高圧圧力が前記しきい高圧圧力よりも低い場合には、前記送風ファンの風量を小さくする制御を行う、
    請求項1に記載の空気調和装置(1)。
  3. 前記送風ファン(22)の風量制御におけるステップごとの風量変動幅に相当する前記各凝縮器の能力変動幅よりも、前記各バイパス電動弁(26、36)及び前記各メイン電動弁(24、34)の開度制御における制御上限と制御下限との変動幅に相当する前記各凝縮器の能力変動幅が大きくなるように、前記各バイパス電動弁及び前記各メイン電動弁の流量特性及び前記送風ファンのステップ区分が設定されている、請求項に記載の空気調和装置(1)。
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