JP4389540B2 - 携帯型情報端末装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手の平サイズの外形を有する小型の携帯型情報端末装置や携帯型電話機(本明細書においては、携帯型情報端末装置と総称する。)に関する。
携帯型情報端末装置は、情報圧縮技術等のソフトウェア技術の進歩、部品実装技術や高容量記憶技術等のハード技術の進歩或いは無線通信網の整備等に伴い、高機能化、複合機能化、高速処理化或いは小型・軽量化等が図られている。携帯型情報端末装置としては、例えば図14に示すようなもっぱらパーソナルユースとして用いられるPDA(Personal Digital Assistant)100も提供されている。PDA100は、手の平サイズの筐体101に、4インチ前後の表示画面を有する液晶表示器102や入力操作部103が設けられており、文字情報、音声情報或いは画像情報等の授受を行い、これらの入出力情報に対してデジタル処理等を施してその結果を液晶表示器102に表示する。
PDA100は、液晶表示器102の表示画面上でタッチペンによって情報入力や各種機能の切換等の操作を行うことも可能であり、操作性に優れ、また小型軽量であることから携帯性にも優れるといった特徴を有している。また、PDA100は、個人情報等の各種の文字情報や音声情報或いは画像情報の取り扱いも可能であり、これらの情報データをデジタル処理する。さらに、PDA100には、図示しないがスロット機構が設けられており、筐体101に設けたスロットから外部メモリや機能拡張モジュールカード等が挿脱操作される。
PDA100は、有線或いは5.2GHz帯域の狭域無線システム、2.4GHz帯域の無線LAN(Local Area Network)やBluetooth等の近距離無線通信システム等の無線通信機能も備えており、これら通信機能を介してパーソナルコンピュータや携帯電話機等との間で情報授受が行われる。PDA100には、このために内部に無線モジュール等が内蔵されるとともに筐体101にアンテナ104が設けられている。なお、アンテナ104は、図14において筐体101から突出されたロッドアンテナを示しているが、筐体101の側面に設けた適宜のアンテナであってもよい。
PDA100においては、上述したロッドアンテナ104やストラップアンテナ等に代えて、セラミック誘電体アンテナからなるチップ型アンテナ素子(本明細書においてはアンテナチップと称する。)を内蔵アンテナとして用いることもある。アンテナチップは、一般に体積が40mmと超小型であるが、比較的高価であり、また基板サイズや機器筐体の材質、比誘電率或いは間隔等の条件による電磁界変化の影響を受けて特性変化が生じやすい。また、アンテナチップは、例えばアンテナ線路に容量付加部を設けて小型化を図るようにしても、ある程度の長さを有するアンテナ線路を必要とするために、さらなる小型化に限界がある。
出願人等は、特許文献1や特許文献2によって、上述した一般的なアンテナチップと比較してより小型化を図るとともに受信特性の向上を図った新規なアンテナチップを提供した。かかる先願アンテナチップは、アンテナ線路が、異なる方向形状の複数のミアンダ構造或いはヘリカル構造の線路によって構成されるとともに容量付加部が設けられて構成される。先願アンテナチップは、より低域の周波数帯域において共振動作特性を有することでアンテナ線路の短縮化が図られるようになる。
特開2002−124812号公報 特開2002−190706号公報
ところで、PDA100においては、無線によって情報等の授受を行う場合に、無線通信特性が損なわれること無く安定した状態で行われることが極めて重要となる。PDA100は、手の平サイズの小型化が図られることによって、使用状態で図14に示すように筐体101を把持した手によってアンテナ104が覆われてしまう。PDA100は、このために人体の影響によってアンテナ104のアンテナ放射効率が低下し、正確な情報授受が行い得なくなるといった問題があった。
PDA100においては、筐体101に対してアンテナ104をいかに工夫して設置しても、筐体101が小型であるために結局把持した手によってアンテナ104が覆われてしまう。また、PDA100においては、アンテナ104を伸縮型のロッドアンテナを用いたとしても、必要なアンテナ長を小型の筐体101の内部に収納することが困難であるために装置全体が大型化してしまうといった問題がある。
また、PDA100においては、例えばロッドアンテナ104に代えてストラップアンテナを用いた場合に、人体に触れる部分が多くそのアンテナ放射効率が低下することで、充分なアンテナ長を有していても全体としての感度が低下しまた不安定となるといった問題があった。また、ストラップアンテナは、首から提げられて胸に接触した状態となることから、例えば背中側からの電波の受信特性が悪くなるといった問題があった。
一方、先願アンテナチップは、上述したようにアンテナ線路の短縮化によりアンテナ装置全体の小型化を図るようにするとともに、広帯域化或いは利得向上等のアンテナ特性も優れているといった特徴を有している。しかしながら、アンテナ装置は、アンテナチップの小型化が図れても、アンテナ基板に所定周波数帯域の電波が良好に受信されるようにする所定のグランド電流を確保するに足るグランドパターンが形成されなければならず、全体の小型化に限界もあった。
PDA100においては、現状仕様においてアンテナチップを有するアンテナ装置を用いた場合に、筐体101の内部に設けるスペースを確保することは可能である。しかしながら、PDA100は、例えば今後さらなる多機能化、小型化等によって筐体101の内部効率を高めるようにした場合に、所定の線路長を有するグランドパターンを形成したアンテナ基板の小型化も図らなければならない。なお、PDA100においては、アンテナ装置の小型化によって筐体101内における構成各部の自由なレイアウト化が図れるようになる。
したがって、本発明は、良好な送受信特性を保持してより小型化が図られるアンテナ装置を備え、使用状態においてもアンテナ特性が保持される小型軽量かつ信頼性向上が図られた携帯型情報端末装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明にかかる携帯型情報端末装置は、装置本体部と、この装置本体部と独立して構成されたアンテナ部と、ケーブル部とから構成される。携帯型情報端末装置は、装置本体部が、合成樹脂材や軽量金属材等により手の平サイズの大きさに形成され、所定の周波数帯域の高周波信号を送受信する無線通信モジュールや電子回路部を搭載した制御回路基板或いは充電が可能な二次電池を内蔵するとともに表示器や入力操作部を設けた筐体の側面部にケーブル保護ブッシュをはめ込んでアンテナ引出部を設ける。携帯型情報端末装置は、ケーブル部が、給電線とグランド線を外装材により被覆してなる所定長の同軸ケーブルが用いられ、一端側がアンテナ引出部を介して装置本体部の内部に引き込まれて制御回路基板に設けた第1同軸コネクタと接続するとともに他端側がアンテナ部のケース体に設けたケーブル接続部から引き込まれてアンテナ基板に設けた第2同軸コネクタと接続されることにより、所定の間隔を以って離間した装置本体部とアンテナ部との間でフローティング構造を構成して高周波信号を伝送する。
携帯型情報端末装置は、アンテナ部が、アンテナチップと、このアンテナチップを実装したアンテナ基板と、このアンテナ基板を収納するケース体とから構成され、装置本体部から引き出されたケーブル部の先端部に設けられる。携帯型情報端末装置は、アンテナチップが、略中間位置に給電端子を形成するとともに一端側にグランド端子を形成したミアンダ構造或いはヘリカル構造のアンテナ線路からなる第1アンテナ線路と、この第1アンテナ線路のグランド端子を形成した端部と対向する他端側に直交する線路方向を以って一体に連設されるとともに先端部に容量付加部を介して開放端子を形成したミアンダ構造或いはヘリカル構造のアンテナ線路からなる第2アンテナ線路と、第1アンテナ線路と第2アンテナ線路を給電端子とグランド端子及び開放端子を露出させて封装した高誘電体合成樹脂材製の封止体とからなる。
携帯型情報端末装置は、アンテナ基板が、長さ方向の第1の領域をチップ実装領域部とし、中央領域をコネクタ実装領域部とし、このコネクタ実装領域部を挟んでチップ実装領域部と対向する長さ方向の第2の領域をグランドパターン形成領域部として構成する。アンテナ基板は、チップ実装領域部の第1主面に、アンテナチップの給電端子とグランド端子及び開放端子を接続する給電ランドとグランドランド及び固定用ランドを相対形成し、アンテナチップを表面実装する。アンテナ基板は、コネクタ実装領域部の第1主面に、給電ランドとグランドランドとをケーブル部の給電線とグランド線に接続する第2同軸コネクタを実装する。アンテナ基板は、グランドパターン形成領域部において、アンテナチップを実装した第1主面から長さ方向の端部を介して第2主面へと回り込みませこの第2主面においてコネクタ実装領域部を挟んで二股に分岐して先端部がチップ実装領域部に延在して形成することにより所定長のグランドパターンを形成する。
携帯型情報端末装置は、ケース体が、合成樹脂材によりアンテナチップを表面から2mm以上の間隔に保持する密閉空間部を形成してなり、密閉空間部内にチップ実装領域部上にアンテナチップを実装したアンテナ基板を収納する。ケース体は、グランドパターン形成領域部と対向する側面部にケーブル保護ブッシュをはめ込んでケーブル接続部を構成し、このケーブル接続部から同軸ケーブルを内部に引き込んでコネクタ実装領域部に実装した第2同軸コネクタと接続するようにする。
以上のように構成された本発明にかかる携帯型情報端末装置においては、アンテナチップを実装したアンテナ基板にグランドパターンを形成してアンテナとして完結されたアンテナ部がケーブル部を介して装置本体部から離間して構成されることから、使用状態においてアンテナ部が装置本体部を把持した手によって覆われることなく自由空間に配置されるようになり、人体の影響によるアンテナ放射効率の低下が抑制されて無指向性で全方位的に所定の通信感度が得られるようになる。
本発明にかかる携帯型情報端末装置においては、アンテナ部が、線路方向が互いに直交しかつミアンダ構造或いはヘリカル構造によりそれぞれが充分な線路長とされた第1アンテナ線路と第2アンテナ線路によりアンテナ線路を構成したことにより低域の周波数帯域において共振動作特性を有して小型化が図られるとともに広帯域化が図られたアンテナチップを有し、例えばセラミック−プラスチック複合材料からなる比誘電率εγが10以上の高誘電体樹脂材料からなる封止体によりアンテナ線路を封止することで波長短縮効果による小型化が図られ、小型で効率かつ安定したアンテナ装置を備えることになる。本発明にかかる携帯型情報端末装置においては、アンテナ部が、小型化されたアンテナチップを実装することによりアンテナ基板の小型化が図られるとともに、このアンテナ基板に充分な大きさのグランドパターンを形成するグランドパターン形成領域を確保して所定の周波数帯域の高周波信号を送受信する基準アンテナ装置の基準グランドパターンと同等のグランド電流が保持されるグランドパターンを形成することで、基準アンテナ装置と同等の電圧定在波特性や共振周波数のズレ修正或いは広帯域化を図って無線通信が行われるようになる。
以上詳細に説明したように、本発明にかかる携帯型情報端末装置によれば、使用状態において装置本体部から所定の長さのケーブル部を介してアンテナ部が装置本体部を把持した手によって覆われることなく自由空間に配されることから、アンテナ部に対する人体の影響を低減してアンテナ放射効率の低下が抑制されるようになり、無線通信を介しての情報等の授受が正確に行われるようになる。本発明にかかる携帯型情報端末装置によれば、ケーブル部の先端に基準アンテナ装置と同等の受信特性を奏して小型化が図られたアンテナ部を備えることによって、装置本体部から引き出されるアンテナ部によって筐体内における構成各部のレイアウトの自由度或いは全体意匠の自由度が大きくなり、またさらなる多機能化の対応も可能となる。本発明にかかる携帯型情報端末装置によれば、ケーブル部を介してアンテナ部を人体から離すように用いることによって、人体を回り込む電波の受信も可能となり無指向性で全方位的に所定の通信感度が得られるようになる。本発明にかかる携帯型情報端末装置によれば、装置本体部をしっかりとかつ任意に把持して操作を行ってもアンテナ放射効率の低下が抑制されることから、使い勝手の向上が図られるようになる。
以下、本発明の実施の形態として図面に示した携帯型情報端末装置(なお、以下の説明においてPDAと称する。)1について、詳細に説明する。PDA1は、図1に示すように、装置本体部2と、この装置本体部2と独立に構成されたアンテナ部3と、これら装置本体部2とアンテナ部3とを所定の長さLを以って接続するケーブル部4とから構成される。PDA1は、有線或いは無線によって、同様の携帯情報端末装置やパーソナルコンピュータ或いは携帯電話機等と接続されて、文字情報、音声情報或いは画像情報等の適宜の情報をデジタル処理して双方向で送受信を行う機能を有しており多目的に使用される。
PDA1は、詳細を省略するが装置本体部2内に、内部バスを介して種々の機能回路部が相互に接続されて構成されている。PDA1は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)を有する中央処理装置によって全体の制御動作が行われる。PDA1は、例えばUSB(Universal Serial BUS)準拠のコネクタ接続部が設けられて、上述した機器と有線接続されて情報等の授受を行う。PDA1は、例えば5.2GHz帯域の狭域無線システム、2.45GHz帯域の無線LANやBluetooth等の近距離無線通信システムとの無線通信機能を有し、上述した機器と無線接続されて情報等の授受を行う。PDA1は、これらの無線送受信部を構成するユニバーサル非同期型レシーバートランスミッタ(UART:Univarsal Asynchronous Receiver Transmitter)が内部バスと双方向接続されて中央処理装置によって制御される。
PDA1には、上述した無線通信機能に加えて、例えばIrDA(Infrared Data Association)準拠の赤外線通信機能を備えるようにしてもよい。また、PDA1には、スロット機構が設けられており、カード型の外部メモリ媒体や適宜の拡張機能モジュール体を挿脱操作することによってメモリの増設や各種機能の拡張が図られる。PDA1は、例えば衛星位置特定システム(GPS:Global Positioning System)モジュール体及び地図データモジュール体を装填することによってナビゲーション装置としても利用される。
PDA1は、図1に示すように、装置本体部2の筐体5に例えば4インチ前後の縦長表示画面を有する液晶表示器6が組み込まれるとともに、この液晶表示器6の表示画面と並んで各種の操作ボタンを配列してなる入力操作部7が設けられている。液晶表示器6は、表示画面上においてペン入力等により各種の制御情報を入力したり表示されたアイコンをタッピングすることによって、適宜の制御信号を入出力するいわゆるタッチパネルとして構成されている。
入力操作部7は、詳細を省略するが例えば電源オン・オフボタンや複数個のスクロールボタン等からなる。入力操作部7は、筐体5の主面ばかりでなく、図示しないが例えば側面等に設けられたジョグダイヤルやスライドボタン等も備える。
PDA1は、図示しないがスピーカやマイクロホンを内蔵しており、駆動回路部等を介して音声或いは音響情報を入出力する。また、PDA1は、例えばCCD(Charge-Coupled device)カメラを内蔵しており、撮像画像を液晶表示器6に表示するとともに接続された外部機器に対して伝送する。PDA1には、例えばデジタル信号処理プロセッサにD/Aコンバータ(Degital/Analog Converter)を有する音声処理回路部(音声LSI)が双方向接続され、さらにこの音声処理回路部を介して外部音声出力端末器であるヘッドホンやスピーカが接続される。
PDA1は、各機能回路部等からデジタル信号処理プロセッサに対してデジタル音声・音響データが供給されると、直接或いはメモリ内に一次蓄積した後にデジタル信号処理を施すとともに音声処理回路部においてアナログ変換を行って内蔵したスピーカから音声・音響情報を出力する。また、PDA1は、内蔵したマイクロホンから入力された音声・音響情報を音声処理回路部においてデジタル変換処理してデジタル信号処理プロセッサへと供給する。PDA1は、デジタル信号処理プロセッサにおいて音声・音響情報のデジタル処理を行った後に、音声・音響データを所定の機能回路部に対して内部バスを介して供給する。
PDA1は、詳細を省略するがCCDカメラによって撮影した画像情報を処理する画像処理部を備えている。画像処理部は、CCDカメラと双方向接続されるとともに、内部バスと双方向接続されかつ撮影画像情報や通信接続された相手側から供給された画像情報を一時的に蓄積するキャッシュメモリ(Cache Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)と双方向接続されている。画像処理部は、CCDカメラによる撮影画像情報を処理し、例えば内部バスを介して液晶表示器6に表示させる。画像処理部は、例えば相手側から供給された画像データを処理して内部バスを介して液晶表示器6に表示させる。
PDA1には、筐体5の内部に上述した中央処理装置や内部バスとともに詳細を省略するが各種の制御部、信号処理部、メモリ部、駆動回路部或いは通信制御部等の電子回路部が備えられている。PDA1には、各部に対して電源を供給する充電が可能な二次電池や電源回路部等が設けられている。
筐体5は、適宜の合成樹脂材或いはアルミ材やアルミ合金材等の軽量金属材によって形成された縦長矩形体からなる。筐体5は、図1に示すように手のひらにすっぽりと収まる程度の大きさ、すなわち手の平サイズの外形寸法に形成されている。筐体5には、上述したように液晶表示器6や入力操作部7が設けられるとともに、図2に示すように上述した各機能回路部等を搭載する制御回路基板8が内蔵される。
制御回路基板8には、例えば高周波信号処理部やベースバンド信号処理部或いは変復調処理部やストレージ機能部等からなる無線通信モジュール9が搭載されている。無線通信モジュール9は、従来と同様であることから詳細を省略するが例えば上述した各通信方式や使用周波数帯域等に対して変復調処理以下のベースバンド処理によって対応する、いわゆるソフトウェア・ディファインド・ラジオ(Software Defined Radio)技術の採用により単一化されたモジュールであってもよい。制御回路基板8には、同軸ケーブル12を接続する同軸コネクタ8aが搭載されている。
筐体5には、例えば入力操作部7を配置した側の側面部にアンテナ引出部10が一体に形成されている。アンテナ引出部10は、一般的な電子機器等において例えばケーブルや電源コード等の引出部と同様に構成された円筒形或いは角筒形を呈してなり、ブッシュ11をはめ込むことによって後述するケーブル部4を構成する同軸ケーブル12を抜止めかつ保護して引き出す。アンテナ引出部10は、ブッシュ11と共同して同軸ケーブル12或いは制御回路基板8の接続部に対して引張り力、ねじれ力、曲げ応力或いは回転力等が作用されないようにする。
なお、装置本体部2は、上述した構成に限定されるものでは無いことは勿論であり、例えば筐体5が矩形形状ばかりでなく、卵形等の形状や携帯電話機のように折畳み型に構成されるようにしてもよい。
アンテナ部3は、筐体5から引き出された同軸ケーブル12の先端部に設けられ、図3及び図4に示すようにケース体13と、このケース体13内に収納されたアンテナ基板14と、このアンテナ基板14に実装されたアンテナチップ15とから構成される。アンテナ部3は、ケース体13内においてアンテナ基板14にアンテナチップ15を実装するとともに後述するように給電及びグランド構造を設けて放射機能が完結して構成されることにより、ケーブル部4を介して装置本体部2と電磁的に隔離される。したがって、アンテナ部3は、装置本体部2と相互に電磁的な影響を及ぼし合わない構造となっており、また装置本体部2を把持する手の平の影響も低減して安定したアンテナ特性が奏されるようになっている。
ケース体13は、合成樹脂材、例えばABS樹脂(アクリロ−ニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)によって内部に密閉空間部を構成する全体が涙形の外観を呈して成形される。なお、ケース体13は、後述するようにPDA1が使用形態として一種のアクセサリ品としても携帯されることから、例えば透明なアクリル樹脂によって成形することによって内部を透視可能として特徴的な印象を与えるようにしてもよい。ケース体13は、図3に示すように細径部位が同軸ケーブル12を抜止めかつ保護して引き出すブッシュ16をはめ込むケーブル接続部17を構成する。なお、ケース体13には、他端側に凹溝18が形成されており、図1に示すようにリング19を組み付けることが可能である。リング19は、例えばPDA1を図示しないストラップを介して首掛け型として用いる場合に、このストラップが取り付けられる。
ケース体13は、PDA1がユーザがストラップによって首から吊り下げて用いる使用の態様において、ユーザの胸などに接した状態となる。ケース体13は、この場合に内部に収納したアンテナチップ15に電磁的導体である人体の影響による特性変化を低減させるように、所定の厚みを有して形成される。ケース体13は、材料の比誘電率等によってその最適値が多少異なるが、人体とアンテナチップ15とが約2mm以上の間隔に保持されるようにする。
アンテナ基板14には、例えば一般的に用いられるFR4グレード(耐熱グレード4:Flame Retardant Grade)、基板厚が0.3mm、基板幅が3.8mm、銅箔層厚18μmの耐燃性ガラス基板エポキシ樹脂銅張積層基板が用いられる。なお、アンテナ基板14には、例えばセラミック基板やPET(polyethyene terephthalate)基板等の適宜の基板材も用いてもよい。アンテナ基板14は、図4に示すようにケース体13の内部空間に収納される大きさの矩形基板からなり、第1主面14aの先端側領域がアンテナチップ15を実装するアンテナチップ実装領域20を構成する。アンテナ基板14は、図6に示すようにアンテナチップ実装領域20側の端部近傍に固定用ランド21が形成されるとともに、この固定用ランド21と対向して互いに幅方向に並んで給電ランド22やグランドランド23が形成される。
アンテナ基板14には、図4及び図6に示すように長さ方向の略中央部に位置して同軸ケーブル12を接続する同軸コネクタ24が実装されるとともに、この同軸コネクタ24の各端子がそれぞれ接続される1個の給電端子ランド25と、3個のグランド端子ランド26a乃至26cとが形成されている。アンテナ基板14には、同軸コネクタ24を挟んでアンテナチップ実装領域20と対向する領域に、グランドパターン27が形成されている。
グランドパターン27は、図4に示すようにアンテナ基板14の第1主面14aに形成された第1グランドパターン27aと、第2主面14bに形成された第2グランドパターン27bと、この第1グランドパターン27aと第2グランドパターン27bとを一体に接続するアンテナ基板14の端面に形成された連結グランドパターン27cとからなる。グランドパターン27は、連結グランドパターン27cが例えばめっき工程や蒸着工程等によって適宜形成される。グランドパターン27は、図6に破線で示すように、第2主面14bにおいて給電ランド22やグランドランド23と対向する領域まで延在して形成されることによって、アンテナ基板14の第1主面14aと第2主面14bとを折り返す全体として充分な線路長を以って形成されている。
アンテナ基板14においては、図5及び図6に示すように、第2主面14b側のグランドパターン27bが先端部を二股に分岐して互いに平行な長手方向の分岐パターン27b1、27b2を形成する。アンテナ基板14においては、これら分岐パターン27b1、27b2の間にビアを介して一端側を第1主面14a側の給電ランド22と接続されたマイクロストリップライン構成の給電パターン28が長手方向に形成されている。アンテナ基板14においては、給電パターン28がその先端部においてビアを介して給電端子ランド25と接続されるとともに、グランドパターン27bが二股に分岐された分岐パターン27b1、27b2の基端部においてビアを介してそれぞれグランド端子ランド26a、26cと接続されている。
アンテナ基板14には、ケース体13の内部空間に収納するために、上述したように極めて小型の基板が用いられる。アンテナ基板14には、アンテナチップ実装領域20に、上述した特許文献1や特許文献2に開示された基本構造を有することによって小型化及び指向性や受信特性の向上を図ったアンテナチップ15が実装される。アンテナチップ15は、長さが約10mm以内のアンテナチップ実装領域20に実装される大きさの微小形状に形成される。アンテナチップ15は、図4及び図5に示すように、アンテナ線路29が線路方向を互いに直交するようにして形成された第1ミアンダ線路30及び第2ミアンダ線路31とから構成され、第1ミアンダ線路30に給電端子32及びグランド端子33とを一体に形成するとともに第2ミアンダ線路31の先端部に容量付加部34及び開放端子35とが一体に形成され、全体を封止体36によって封装してなる。
アンテナチップ15は、アンテナ線路29を異なる線路方向の第1ミアンダ線路30と第2ミアンダ線路31とによって構成することにより、線路方向が一定のミアンダ線路と比較して共振周波数帯域の低域化が図られる。したがって、アンテナチップ15は、線路長を短縮して所定の周波数帯域の電波に対する共振特性を有することで、小型化が図られるようになる。また、アンテナチップ15は、線路長の短縮によって第1ミアンダ線路30や第2ミアンダ線路31の折返し部分間のピッチを充分に確保することが可能となることにより、線路間結合の影響を低減して広帯域特性の向上が図られる。
アンテナチップ15は、第2ミアンダ線路31の開放端側に位置して幅広の線路からなる容量付加部34を有することにより、アンテナ線路29の短縮化が図られている。アンテナチップ15は、アンテナ線路29の第1ミアンダ線路30に対して、略中間位置に給電端子32を形成するともに先端部にグランド端子33を形成してなる。アンテナチップ15は、給電端子32とグランド端子33との間隔を適宜変えることによってアンテナの入力インピーダンスの調整が図られる。
アンテナチップ15は、上述したアンテナ線路29が、比誘電率εγが10以上の高誘電体樹脂材料からなる封止体36によって封装される。封止体36には、例えばセラミック−プラスチック複合材料等が用いられ、上述した給電端子32やグランド端子33或いは開放端子35をそれぞれ突出させてアンテナ線路29を封装する。アンテナチップ15は、図5に示すように給電端子32が給電ランド22上に、グランド端子33がグランドランド23上に、開放端子35が固定用ランド21上に位置されて、アンテナチップ実装領域20上に載置される。アンテナチップ15は、各端子が各ランドに対して半田付けを施されて、電気的かつ機械的に固定される。
ケーブル部4は、上述した装置本体部2とアンテナ部3との間において、高周波信号の伝送線路を構成する。ケーブル部4は、詳細を図4に示すように同軸ケーブル12を外装材37によって被覆してなる。同軸ケーブル12は、周知のように芯線38と、この芯線38に対して絶縁を保持された金属網線39とからなる。同軸ケーブル12は、図2に示すように筐体5の内部に引き込まれた一端側に設けられた同軸コネクタ40が制御回路基板8に搭載された同軸コネクタ8aと接続されるとともに、図3及び図4に示すようにケース体13の内部に引き込まれた他端側に設けられた同軸コネクタ41がアンテナ基板14に搭載した同軸コネクタ24と接続される。
同軸ケーブル12は、ブッシュ11に保持されてアンテナ引出部10から装置本体部2側の筐体5の内部に引き込まれる。同軸ケーブル12は、上述したように制御回路基板8に対してコネクタ接続されるとともに、制御回路基板8に形成した適宜のパターンを介して無線通信モジュール9と接続される。PDA1は、例えばアンテナ仕様の変更等に際して、コネクタ接続部を取り外すことによって、アンテナ部3の交換が容易に行われる。
また、同軸ケーブル12は、ブッシュ16に保持されてケーブル接続部17からアンテナ部3側のケース体13の内部へと引き込まれる。同軸ケーブル12は、同軸コネクタ24に同軸コネクタ41が接続されることにより、図4に示すように芯線38がアンテナ基板14に形成した給電端子ランド25と接続されるとともに、金属網線39がグランド端子ランド26と接続される。
PDA1においては、上述したようにケーブル部4を介して装置本体部2とアンテナ部3とを分離した構造としたことによって、ユーザが例えばアンテナ部3側を持って装置本体部2をブラブラさせたり回したりするといったように乱暴な取り扱いをする虞もある。ケーブル部4は、このような場合でも同軸ケーブル12が上述した接続部において剥離や破断を生じることなく、また装置本体部2の筐体5やアンテナ部3のケース体13との引出部位において破断等を生じないように外装材37によって保護される。
外装材37は、機械的強度とある程度の弾性を有することが好ましく、同軸ケーブル12に対して例えばシリコーン等の合成ゴムをアウトサート成形することによって形成されてなる。なお、外装材37は、この場合に各ブッシュ11、16を両端部の近傍において周回りに一体に成形する。また、外装材37は、例えばシリコーンを素材として筒状に形成され、その内部に同軸ケーブル12を貫通させるようにしてもよいことは勿論である。
外装材37は、合成ゴムに限定されず、適当な合成樹脂材或いは布等によって形成するようにしてもよく、また可撓性を有する螺旋管によって構成するようにしてもよい。螺旋管としては、周知のように軸方向に対して多少の伸縮特性を有する単山のベローズや蛇腹管或いはアニュラー管等が用いられる。螺旋管は、一般にステンレスやクロムニッケルめっき処理を施した鉄材等によって形成され、同軸ケーブル12の金属網線39との絶縁が保持される。なお、螺旋管には、必要に応じて外周部に筐体5やケース体13に両端を固定されて全長を保持しかつ保護用のブレードが被覆される。
PDA1においては、上述したように装置本体部2が手の平サイズに形成されることによって、図1に示すように液晶表示器6の画面を手前側にして手の中に包み込まれるようにして把持される。PDA1においては、同図に示すようにケーブル部4を介してアンテナ部3が手の平から突出してぶら下がった状態となっている。PDA1においては、アンテナ部3が手の平に隠れないようにするためにケーブル部4が所定の長さLに設定されている。
PDA1においては、ケーブル部4を長くすることによって、アンテナ部3を手の平から遠くに位置させてその接触を確実に阻止することが可能となる。PDA1においては、ケーブル部4を長くするにしたがって、無線通信モジュール9とアンテナチップ15との間隔が大きくなってアンテナ特性が次第に低下する。したがって、PDA1においては、装置本体部2の筐体5の外形形状にもよるが、ケーブル部4の長さLを標準的な大きさの手の平で包み込むようにして把持した状態でも先端部のアンテナ部3がユーザの手から突出して触れない程度の長さに設定されてなる。このケーブル部4の長さLは、例えば基準値を60mmとして、所定のファクタを考慮して設定される。
ところで、PDA1においては、例えば首から吊り下げた状態で使用する場合に、背中の方向から到来する電波が人体で遮られて受信感度が低下する。PDA1においては、上述したように装置本体部2とアンテナ部3とを例えば60mmの長さLを有するケーブル部4を介して連結したことから、アンテナ部3を伸ばすことによって人体を回り込んだ電波を良好に受信する。なお、PDA1においては、この場合にケーブル部4を把持することが好ましい。
一般的なアンテナ装置においては、フローティング構成とすることによってアンテナ放射効率が低下することから、2.4GHz帯域を利用する携帯型無線端末装置等に用いられる場合にかかるフローティング構成が採用されることはほとんど無い。また、一般的な携帯型無線端末装置においては、手の平サイズまでに小型化されることによってアンテナを筐体のいずれの場所に設置してもユーザの把持する手に触れてしまう。PDA1においては、フローティング構造によるアンテナ放射効率の低下と人体の影響とによるアンテナ放射効率の低下との比較検討により、アンテナ特性の低下が最小限でありかつ使い勝手の向上が図られるように構成されてなる。
PDA1は、上述したようにアンテナ部3のケース体13に凹溝18を形成してリング19を取り付けられるように構成されている。したがって、PDA1は、このリング19を利用し、これにスラップを掛け合わせることによりストラップ機能を付与することが可能となる。PDA1においては、ストラップを首にかけることによって、収納場所に困らずかつ素早い対応が可能となる。なお、ストラップは、上述した先願装置のようにアンテナ機能を有しておらず、首回りで接触していてもPDA1のアンテナ放射効率を低下させるといったことは無い。
ところで、PDA1においては、アンテナ部3が、例えばブルートゥース用のアンテナとして2.45GHz帯域の電波に対する良好な送受信特性を有するように構成される。PDA1においては、上述したようにアンテナ部3がケーブル部4を介して装置本体部2に対して分離されることから、このアンテナ部3をより小型化して構成しなければならない。アンテナ部3は、図7に示すブルートゥース用アンテナとして理想的な特性を有する基準アンテナ装置50を用意し、この基準アンテナ装置50とほぼ同等の特性を有してケース体13内に収納可能な構成に作り込みが行われる。
基準アンテナ装置50は、図7(A)に示すように、基準アンテナ基板51に基準アンテナチップ52が実装されるとともに、基準アンテナ基板51に基準グランドパターン53が形成されてなる。基準アンテナ装置50は、基準アンテナチップ52が、上述したアンテナ線路29を有するとともに、このアンテナ線路29を高誘電体樹脂材からなる封止体36によって封装することによって高性能かつ小型化が図られてなる。基準アンテナ装置50は、基準アンテナ基板51の主面上に、線路長がλ/4の基準グランドパターン53を形成してなる。
基準アンテナ装置50は、ブルートゥース用アンテナの最適特性として、図7(B)に示すように電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)値が2.45GHzで最小となる特性を有している。また、基準アンテナ装置50は、反射係数S11のVSWR値を測定した結果が、一例として図7(C)に示すようにF0=2.437GHz、BW(帯域幅:band width)=144MHz、VSWR=1.124となる。したがって、基準アンテナ装置50は、VSWR<2を満たす周波数帯域幅の範囲が83.5MHz以上であることを要求されるブルートゥース用アンテナとしての要求機能を高度に満足している。しかしながら、かかる基準アンテナ装置50は、基準アンテナ基板51がケース体13よりも大型となってしまうことから、アンテナ部3に用いることはできない。
したがって、アンテナ部3には、上述した基準アンテナ装置50に代えて、例えば図8に示した比較アンテナ装置55を用いることが考慮される。比較アンテナ装置55には、基準アンテナ装置50の基準アンテナチップ52が用いられるが、比較アンテナ基板56を上述したアンテナ基板14と同等の、ケース体13の内部に収納可能な大きさに形成してなる。比較アンテナ装置55は、比較アンテナ基板56における基準アンテナチップ52の実装領域の大きさが変わらないことから、比較グランドパターン57の線路長が短縮化される。
しかしながら、比較アンテナ装置55においては、比較グランドパターン57が短縮化されることによって基準アンテナ装置50と同等のグランド電流を保持し得なくなるために、図8(B)に示すようにVSWR値が最小となる共振周波数の位置ずれが発生してしまう。また、比較アンテナ装置55においては、反射係数S11のVSWR値を測定した結果においても同図(C)に示すように共振位置に大きなずれを生じてしまう。
アンテナ部3は、上述した基準アンテナ装置50に用いた高性能かつ小型化を図った基準アンテナチップ52と同等のアンテナチップ15を備えるとともに、比較アンテナ装置55に用いたケース体13の内部に収納可能な大きさを有する比較アンテナ基板56と同等の大きさのアンテナ基板14とを備える。アンテナ部3は、グランドパターン27が基準アンテナ装置50の基準グランドパターン53と等価特性を有するように形成されてなる。アンテナ部3は、グランドパターン27が、上述したようにアンテナ基板14の第1主面14aと第2主面14bとに跨る第1グランドパターン27aと第2グランドパターン27b及び連結グランドパターン27cとからなる。
アンテナ部3は、グランドパターン27が第1グランドパターン27aと第2グランドパターン27b及び連結グランドパターン27cをそれぞれ所定の長さで形成されることによって、基準グランドパターン53の線路長と同長に形成される。アンテナ部3は、上述したようにアンテナ基板14が基準アンテナ基板51よりも短縮化されているが、グランドパターン27を全体で基準グランドパターン53と略同長とすることにより基準アンテナ装置50と同等のグランド電流が保持されるようになる。したがって、アンテナ部3は、基準アンテナ装置50と等価的性能を有して構成される。
図9に第2の実施の形態として示したアンテナ部60は、詳細を省略するが各パターンやランド等を上述したアンテナ基板14と同様に形成したアンテナ基板61とアンテナチップ15とを備えるとともに、このアンテナ基板61に対してグランドパターン62を構成する金属板を接合してなる。グランドパターン62は、例えばアンテナ基板61とほぼ同幅とされるとともに基準グランドパターン53と略同長の矩形の薄厚銅板を素材として形成される。グランドパターン62は、銅板が、長さ方向の所定位置において両側部位62a、62bがアンテナ基板61の厚みとほぼ同等の対向間隔を以って対向するように略コ字状に折曲して形成してなる。
グランドパターン62は、銅板が、アンテナ基板61に対してアンテナチップ15の実装領域と対向する領域に、このアンテナ基板61を挟み込むようにして組み合わされる。グランドパターン62は、この状態で銅板に半田付け処理を施して、例えば一方部位62bの端部が第2グランドパターン27bと接続される。アンテナ部60は、基準グランドパターン53と略同長の線路長を有するグランド部材62を備えることによって、基準アンテナ装置50と同等のグランド電流が保持されるようになり、等価性能に構成される。
図10に第3の実施の形態として示したアンテナ部65は、アンテナ基板66に、配線層を多層に形成したいわゆる多層基板が用いられる。アンテナ部65は、詳細を省略するがアンテナ基板66の表面層66a、66bにそれぞれ上述したアンテナ基板14と同様の各パターンやランド等が形成されるとともにグランドパターン67が形成される。
グランドパターン67は、アンテナ基板66の表面層66a、66bにそれぞれ形成される第1グランドパターン67aと第2グランドパターン67b及びアンテナ基板66の内層に形成される第3グランドパターン67cとから構成される。グランドパターン67は、第1グランドパターン67aと第3グランドパターン67cとを第1ビア68aを介して層間接続するとともに、第2グランドパターン67bと第3グランドパターン67cとを第2ビア68bを介して層間接続する。
アンテナ部65は、上述したように多層基板からなるアンテナ基板66の内層にも第3グランドパターン67cを形成したことによって、アンテナ基板66の狭い領域内に基準グランドパターン53と略同長の線路長を有するグランドパターン67が形成される。したがって、アンテナ部65は、グランドパターン67に基準アンテナ装置50の基準グランドパターン53と同等のグランド電流が保持されるようになることで、等価性能に構成される。また、アンテナ部65は、単層基板からなるアンテナ基板14と比較して多少厚みが大きくなるが長さや幅を小さくして全体として小型化したアンテナ基板66により、設計の自由度が向上されるようになる。
上述した第2及び第3の実施の形態として示したアンテナ部60、65においては、アンテナ基板61、65にそれぞれ基準アンテナ装置50の基準グランドパターン53の線路長と略同長のグランドパターン62、67を形成してなる。図11に第4の実施の形態として示したアンテナ部70は、基準アンテナ装置50と同様にアンテナ基板14の第1主面14a或いは第2主面14bのみにグランドパターン71を形成するが、このグランドパターン71に複数の幅方向のスリット72a乃至72cを千鳥状に形成してなる。各スリット72a乃至72cは、同図に示すようにそれぞれ一方の側縁部から他方の側縁部に向かって貫通しないようにして交互に形成されることにより、グランドパターン71を幅狭の蛇行線路として構成してなる。
アンテナ部70は、上述したようにアンテナ基板14が基準アンテナ基板51よりも短縮化されることによって、グランドパターン71もその形成領域が基準グランドパターン53の形成領域よりも短縮化されている。アンテナ部70は、グランドパターン71に対して上述した各スリット72a乃至72cを形成したことによって、このグランドパターン71がリアクタンス成分を装荷されることになる。アンテナ部70は、各スリット72a乃至72cの数や溝幅等を適宜設定することによって、グランドパターン71に対して基準グランドパターン53の線路長を等価的に補うリアクタンス成分が生成されるように構成される。したがって、アンテナ部70は、グランドパターン71に基準アンテナ装置50の基準グランドパターン53と同等のグランド電流が保持されるようになり、等価性能に構成される。
図12に第5の実施の形態として示したアンテナ部75も、上述したアンテナ部70と同様に小型化されたアンテナ基板14の第1主面14a或いは第2主面14bのみにグランドパターン76が形成され、このグランドパターン76の端部にリアクタンス成分装荷部77が形成されてなる。アンテナ部75は、アンテナ基板14の端部に沿ってグランドパターン76の一部に幅狭の蛇行線路(ミアンダ線路)を形成することによってリアクタンス成分装荷部77を構成してなる。
アンテナ部75は、リアクタンス成分装荷部77の線路幅や折り返し回数等を適宜設定することによって、グランドパターン76に対して基準グランドパターン53の線路長を等価的に補うリアクタンス成分が生成されるように構成される。したがって、アンテナ部75は、グランドパターン76に基準アンテナ装置50の基準グランドパターン53と同等のグランド電流が保持されるようになり、等価性能に構成される。
なお、上述したアンテナチップ15は、アンテナ線路29が線路方向を互いに直交するようにして形成された第1ミアンダ線路30と第2ミアンダ線路31とから構成したが、例えば図13に示したアンテナ線路構成のアンテナチップ80も用いられる。すなわち、アンテナチップ80は、アンテナ線路81が、螺旋に進行する立体形状の第1ヘリカル線路82と第2ヘリカル線路83とから構成される。アンテナチップ80は、これら第1ヘリカル線路82と第2ヘリカル線路83とが螺旋の線路方向を互いに直交するようにして形成されてなる。
アンテナ線路81は、第1ヘリカル線路82に給電端子84とグランド端子85とが形成され、第2ヘリカル線路83の先端が開放されてなる。アンテナ線路81は、第1ヘリカル線路82に対して第2ヘリカル線路83が長尺線路として構成されることにより、広帯域化が図られている。アンテナ線路81は、給電端子84やグランド端子85或いは固定端子86を露出させて、全体が比誘電率εγが10以上の高誘電体樹脂材料からなる封止体87によって封止されることによりアンテナチップ80を構成する。
なお、上述した実施の形態においては、PDA1を示したが、例えば携帯電話機や無線通信機能を有する各種の携帯端末器であってもよいことは勿論である。実施の形態においては、アンテナ部3のアンテナ素子としてアンテナチップ15を用いたが、例えばアンテナ基板14を利用して逆F型等の適宜の形状に形成されたパターンアンテナによりアンテナ素子を構成してもよいことは勿論である。
本発明の実施の形態として示すPDAの使用状態の説明図である。 同PDAの要部縦断面図である。 アンテナ部の縦断面図である。 アンテナ部の内部構造を説明する要部斜視図である。 アンテナチップのアンテナ線路の構成を説明する要部斜視図である。 アンテナ部の一部省略平面図である。 基準アンテナ装置の説明図であり、同図(A)は要部構成図、同図(B)はVSWR特性図、同図(C)は反射係数S11のVSWR値を測定した結果の図である。 ケース体に収納可能とされるアンテナ装置の説明図であり、同図(A)は要部構成図、同図(B)はVSWR特性図、同図(C)は反射係数S11のVSWR値を測定した結果の図である。 第2の実施の形態として示すアンテナ部の側面図である。 第3の実施の形態として示すアンテナ部の要部縦断面図である。 第4の実施の形態として示すアンテナ部の要部平面図である。 第5の実施の形態として示すアンテナ部の要部平面図である。 他のアンテナチップのアンテナ線路の構成を説明する要部斜視図である。 従来のPDAの使用状態の説明図である。
1 PDA、2 装置本体部、3 アンテナ部、4 ケーブル部、5 筐体、6 液晶表示器、7 入力操作部、8 制御回路基板、9 無線通信モジュール、10 アンテナ引出部、12 同軸ケーブル、13 ケース体、14 アンテナ基板、15 アンテナチップ、20 アンテナチップ実装領域、21 固定用ランド、22 給電ランド、23 グランドランド、24 同軸コネクタ、25 給電端子ランド、26 グランド端子ランド、27 グランドパターン、28 給電パターン、29 アンテナ線路、30 第1ミアンダ線路、31 第2ミアンダ線路、32 給電端子、33 グランド端子、34 容量付加部、35 開放端子、36 封止体、38 芯線、39 金属網線、40、41 同軸コネクタ、50 基準アンテナ装置、51 基準アンテナ基板、52 基準アンテナチップ、53 基準グランドパターン、55 比較アンテナ装置、60 アンテナ部、65 アンテナ部、70 アンテナ部、75 アンテナ部、80 アンテナチップ

Claims (3)

  1. 所定の周波数帯域の高周波信号を送受信する無線通信モジュールや電子回路部を搭載した制御回路基板或いは充電が可能な二次電池を内蔵するとともに、表示器や入力操作部を設けた筐体の側面部にケーブル保護ブッシュをはめ込んでアンテナ引出部を設けた装置本体部と、
    上記装置本体部と独立して構成されたアンテナ部と、
    給電線とグランド線を外装材により被覆してなる所定長の同軸ケーブルが用いられ、一端側が上記アンテナ引出部を介して上記装置本体部の内部に引き込まれて上記制御回路基板に設けた第1同軸コネクタと接続するとともに他端側上記アンテナ部のケース体に設けたケーブル接続部から引き込まれてアンテナ基板に設けた第2同軸コネクタと接続されることにより、所定の間隔を以って離間した上記装置本体部と上記アンテナ部との間でフローティング構造を構成して高周波信号を伝送するケーブル部とから構成され、
    上記アンテナ部が、
    略中間位置に給電端子を形成するとともに一端側にグランド端子を形成したミアンダ構造或いはヘリカル構造のアンテナ線路からなる第1アンテナ線路と、この第1アンテナ線路の上記グランド端子を形成した端部と対向する他端側に直交する線路方向を以って一体に連設されるとともに先端部に容量付加部を介して開放端子を形成したミアンダ構造或いはヘリカル構造のアンテナ線路からなる第2アンテナ線路と、上記第1アンテナ線路と上記第2アンテナ線路を上記給電端子と上記グランド端子及び上記開放端子を露出させて封装した高誘電体合成樹脂材の封止体とからなるアンテナチップと、
    長さ方向の第1の領域を第1の主面に上記アンテナチップの上記給電端子と上記グランド端子及び上記開放端子を接続する給電ランドとグランドランド及び固定用ランドを相対形成して上記アンテナチップを表面実装するチップ実装領域として構成し、中央部の領域を上記第1主面に上記給電ランドと上記グランドランドとを上記ケーブル部の上記給電線とグランド線に接続する上記第2同軸コネクタを実装してコネクタ実装領域として構成するとともに、このコネクタ実装領域部を挟んで上記チップ実装領域と対向する長さ方向の第2の領域上記グランドランドと接続され上記アンテナチップを実装した上記第1主面から長さ方向の端部を介して第2主面へと回り込みませこの第2主面において上記コネクタ実装領域部を挟んで二股に分岐して先端部が上記チップ実装領域部に延在するように形成することにより所定長のグランドパターンを形成したグランドパターン形成領域として構成してなるアンテナ基板と、
    合成樹脂材により上記アンテナチップを表面から2mm以上の間隔に保持する密閉空間部を形成し、この密閉空間部内に上記チップ実装領域上に上記アンテナチップを実装した上記アンテナ基板を収納し、上記グランドパターン形成領域部と対向する側面部にケーブル保護ブッシュをはめ込んでケーブル接続部を構成して上記同軸ケーブルを引き込んで上記第2同軸コネクタを接続するケース体とから構成される
    ことを特徴とする携帯型情報端末装置。
  2. 上記アンテナ基板は、上記グランドパターンにリアクタンス装荷部が一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型情報端末装置。
  3. 上記アンテナ部は、上記ケース体の一端側に上記ケーブル部の一端を引き込むケーブル接続部が設けられるとともに、このケーブル接続部と対向する他端側にストラップ取付部が設けられ、
    上記ストラップ取付部に取り付けたストラップにより首掛け型として用いられることを特徴とする請求項に記載の携帯型情報端末装置。
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