JP4389392B2 - フローズン飲料ディスペンサ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シロップと希釈水の削氷を攪拌してシャーベット状のフローズン飲料を製造，販売するフローズン飲料ディスペンサに関する。
【０００２】
【従来の技術】
頭記したフローズン飲料ディスペンサは、シロップと希釈水を飲料容器内で冷却，攪拌してシャーベット状のフローズン飲料を製造するものであり、ディスペンサ本体に２基の飲料容器を搭載したフローズン飲料ディスペンサを例に、その全体構成を図２に、その飲料系統を図３に示す。
【０００３】
図２において、１は左右に並べてディスペンサ本体に搭載したフローズン飲料の製造部となる飲料容器（タンク）、１ａは飲料容器１の上蓋、２は各飲料容器１から前方に引出した開閉レバー付きの飲料販売ノズル、３はベンドステージであり、各飲料容器１ごとに、その内部にはディスペンサ本体に搭載した冷却ユニット（コンプレッサ，コンデンサを組合せた冷凍機のコンデンシングユニット）４と組合せて冷凍サイクルを構成する製氷用の冷却シリンダ５を内蔵しいる。さらに、上蓋１ａの内側には後記のシロップライン，希釈水ラインに接続した飲料供給ノズル６を備えている。
【０００４】
ここで、前記の冷却シリンダ５は円筒状のエバポレータ（内外二重壁の間に冷媒を流し、その内外周面上に結氷させる）であり、その内外周面上にはオーガ（エバポレータの表面に結氷した氷をフレーク状に削り取る刃）を兼ねたスクリュウ式の攪拌羽根５１，５２を組合せ、かつ攪拌羽根５１，５２を駆動モータ７のギアボックス７ａに連結して回転駆動し、冷却シリンダ５の表面に結氷した氷を削り取って飲料容器１に収容した飲料と混合攪拌し、飲料販売ノズル２を開放した際に攪拌羽根の搬送力でフローズン飲料をノズルから押し出すようにしている。なお、飲料容器１には前記の冷却シリンダ５，飲料供給ノズル６の他に、容器内の飲料貯留量を検知してシロップ，希釈水を補給制御する液面レベルスイッチ、およびフローズン飲料の硬さを検知して冷却ユニット４を運転制御する硬さ検知機構などを装備している。
【０００５】
また、前記の飲料供給ノズル６の構造は、図４に示すようにディフューザ６ａとスパウトノズル６ｂとの組立体からなる。ここで、ディフューザ６ａには先記したシロップライン，希釈水ラインに通じるシロップ流路６ｃ，希釈水流路６ｄが形成してあり、各流路の吐出口がディフューザ６ａの先端に開口している。一方、スパウトノズル６ｂは、ディフューザ６ａに被着して前記の各流路を通じて吐出したシロップと希釈水を混ぜ合わせて飲料容器に供給するもので、その先端に飲料吐出口が開口した筒状のノズル本体に対し、その上端側に係合爪６ｂ-1付きのフランジ６ｂ-2を有し、図５で示すように飲料容器の上蓋１ａの蓋板に着脱可能にバヨネット結合して取付けるようにしている。
【０００６】
次に、ディスペンサの飲料系統を図３で説明する。図において、Ａは前記したディスペンサ本体、Ｂはディスペンサ本体Ａに組合せた飲料自動供給ユニット、８はシロップコンテナ、９はシロップコンテナ８に炭酸ガスを加圧してシロップをプレッシャライズ式に抽出するための炭酸ガスボンベ、１０は水道口であり、飲料自動供給ユニットＢには、飲料容器１に配した飲料供給ノズル６とシロップコンテナ８および水道口１０との間を連通するシロップライン１１，および希釈水ライン１２が配管されている。なお、１１ａはシロップ売切センサ、１１ｂはシロップフローレギュレータ、１１ｃはシロップバルブ、１２ａは水入口バルブ、１２ｂは送水ポンプ、１２ｃは希釈水バルブ、１２ｄは水フローレギュレータ、１２ｅは洗浄水バルブ、１２ｆは逆止弁付き三方管継手である。
【０００７】
上記の構成で、飲料供給ノズル６を通じてシロップライン１１および希釈水ライン１２よりディスペンサ本体Ａの各飲料容器１にシロップと希釈水を混合した液体飲料を補給し、冷却ユニット４の運転により冷却シリンダ５の表面に結氷した氷をオーガ兼用の攪拌羽根５１，５２で削り取りつつ、そのフレーク状の削氷と飲料とを攪拌することによりシャーベット状のフローズン飲料が製造される。なお、販売待機状態ではフローズン飲料が攪拌羽根５１，５２の搬送力により冷却シリンダ５の内部を経由して飲料容器１の中を循環しており、ベンドステージ３にカップをセットして飲料販売ノズル２を開くと、飲料容器１からフローズン飲料がベンドステージ３にセットしたカップに吐出し供給される。
【０００８】
なお、フローズン飲料の販売が進んで飲料容器１の飲料貯留量が減少すれば、シロップシロップバルブ１１ｃ，希釈水バルブ１２ｃを開き、飲料供給ノズル６を通じてシロップと希釈水を飲料容器１に補給する。また、飲料の氷成分が多くなってフローズン飲料の硬さが所定値を超えた状態になると、先記した硬さ検知機構の検出信号を基に冷却ユニット４の運転を停止し、氷が溶けてフローズン飲料の硬さが低下すると冷却ユニット４を運転してフローズン飲料が適正な硬さを維持するように運転制御している。
【０００９】
また、従来ではディスペンサの保守メンテナンスとして行う飲料容器１の洗浄作業を次のような手順で行っている。まず、空にした飲料容器１に殺菌性洗浄液を入れて所定時間放置した後、飲料容器１から殺菌性洗浄液を排出し、この状態で次に図３に示した洗浄水バルブ１２ｅを開き、洗浄水を連続出しにして飲料容器１に洗浄水を満タン状態に満たし、続いて飲料販売ノズル２のレバーを開いて洗浄水を排出して容器内をすすぎ洗いするようにしている。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したフローズン飲料ディスペンサの飲料容器に対する従来の水洗浄方法は、次記のような問題点がある。
すなわち、殺菌性洗浄液を入れて飲料容器１を殺菌洗浄した後、容器をすすぎ洗いする際には、飲料供給ノズル６を通じて洗浄水を一旦満タン状態に満たしてから排水して飲料容器の汚れ，殺菌性洗浄液を洗い流す必要がある。このために１回の洗浄に多量の水を消費するほか、飲料容器を満タンにするまでに長い時間を要するなど、その洗浄作業に時間と手間がかかることから、その改善策がユーザーから要望されている。
【００１１】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、飲料容器の洗浄時に多量の水を消費することなしに、かつ短時間で飲料容器を効果的にすすぎ洗いできるように改良したフローズン飲料ディスペンサを提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、飲料販売ノズルを備えた飲料容器に攪拌羽根と組合せた製氷用冷却シリンダ、およびシロップライン，希釈水ラインに接続した飲料供給ノズルを装備し、該飲料供給ノズルを通じて飲料容器に供給したシロップと希釈水の混合飲料を冷却，攪拌してフローズン飲料を製造するようにしたフローズン飲料ディスペンサで、前記飲料供給ノズルが前記シロップライン，希釈水ラインに通じるシロップ流路，希釈水流路を形成したディフューザと、該ディフューザに被着した着脱式のスパウトノズルとからなるものにおいて、
前記スパウトノズルと別にディフューザに被着して使用する洗浄用ノズルを付属部品として用意し、飲料容器の洗浄時には洗浄用ノズルを前記のスパウトノズルと差し替えた上で、飲料供給ノズルのディフューザに圧送した洗浄水を洗浄用ノズルより噴射して飲料容器を水洗浄するようにする（請求項１）ものとし、具体的には前記洗浄用ノズルを、その周面に多数の水噴射穴を分散開口し、かつ飲料供給ノズルのディフューザへ着脱可能に被着するキャップ状ノズルとして構成する（請求項２）。
【００１３】
上記のように、飲料容器の洗浄時に飲料供給ノズルのスパウトノズルを付属部品として別に用意しておいた洗浄用ノズルと差し替えて水洗浄を行うことにより、洗浄用ノズルの周面から水噴射穴を通じて洗浄水が飲料容器および上蓋の内面に向けて噴出し、そのジェット水流で壁面に付着している汚れ，殺菌性洗浄液を洗い落とすことかできる。これにより、飲料容器を洗浄水で満タンにすることなしに、少ない水消費量，かつ短時間の作業で効率よく水洗浄できる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図１(a),(b) に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図４に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
図１(a) は飲料供給ノズル６に対して、図４に示したスパウトノズル６ｂを本発明による洗浄用ノズル６ｅに差し替えた水洗浄時の状態を表している。ここで、洗浄用ノズル６ｅはスパウトノズル６ｂと別にあらかじめ用意された付属部品であって、下部先端を閉塞したキャップ状ノズルの周面に、斜め上方および側方に向きを変えて多数の水噴射穴６ｅ-1を穿孔した構造になり、図４，図５で述べたスパウトノズル６ａと同様にスパウトノズル６ａに被着し、上端側に形成したフランジ６ｅ-2，係合爪６ｅ-3を介して飲料容器１の上蓋１ａへ着脱可能にバヨネット結合されている。
【００１５】
そして、飲料容器１の洗浄時には、飲料供給ノズル６のパウトノズル６ａを洗浄用ノズル６ｅに差し替えてディフューザ６ａに被着し、この状態で図３に示した洗浄水ラインを通じてディフューザ６ａの希釈水流路６ｃに洗浄水（水道水）を圧送すると、洗浄水はディフューザ６ａから洗浄用ノズル６ｅの中に吐出した後、ノズル周面に穿孔した水噴射穴６ｅ-1よりジェット水流となって飲料容器１および上蓋１ａの内面に向けて勢いよく噴出する。これにより、ジェット水流が飲料容器，上蓋の内面に付着している汚れ，殺菌性洗浄液を洗い落としながら容器内部をすすぎ洗いし、飲料販売ノズル２を開くことにより飲料容器１から排水される。なお、洗浄作業が終了すれば、洗浄用ノズル６ｅをスパウトノズル６ａに差し替えた上で、ディスペンサの運転を再開する。
【００１６】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、周面に多数の水噴射穴を分散して穿孔し、飲料供給ノズルのディフューザへ着脱可能に被着するキャップ状ノズルとしてなる洗浄用ノズルを付属部品として用意しておき、飲料容器の洗浄時に洗浄用ノズルをスパウトノズルと差し替えた上で、飲料供給ノズルのディフューザに圧送した洗浄水を洗浄用ノズルより飲料容器の内壁面に向けて噴射して洗浄を行うようにしたことにより、従来の洗浄方法のように飲料容器内に洗浄水を満タン状態に満たすことなしに、短時間で飲料容器を効果的に水洗浄することかでき、フローズン飲料ディスペンサのメンテナンス作業のサービス性改善が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例を示し、(a) はフローズン飲料ディスペンサの飲料供給ノズルに付属部品としての洗浄用ノズルを装着した状態の構造断面図、(b) は洗浄用ノズルを使って行う飲料容器の水洗浄状態を模式的に表す図
【図２】フローズン飲料ディスペンサの全体構成図
【図３】図２のディスペンサの飲料系統図
【図４】図２の飲料容器に装備した飲料供給ノズルの構造断面図
【図５】図４におけるスパウトノズルを着脱する操作の説明図
【符号の説明】
Ａ ディスペンサ本体
Ｂ 飲料自動供給ユニット
１ 飲料容器
１ａ 上蓋
２ 飲料販売ノズル
５ 冷却シリンダ
５１，５２ 攪拌羽根
６ 飲料供給ノズル
６ａ ディフューザ
６ｂ スパウトノズル
６ｃ シロップ流路
６ｄ 希釈水流路
６ｅ 洗浄用ノズル
６ｅ-1 水噴射穴
８ シロップコンテナ
１１ シロップライン
１２ 希釈水ライン

Claims (2)

1. 飲料販売ノズルを備えた飲料容器に攪拌羽根と組合せた製氷用冷却シリンダ、およびシロップライン，希釈水ラインに接続した飲料供給ノズルを装備し、該飲料供給ノズルを通じて飲料容器に供給したシロップと希釈水の混合飲料を冷却，攪拌してフローズン飲料を製造するようにしたフローズン飲料ディスペンサであって、前記飲料供給ノズルが前記シロップライン，希釈水ラインに通じるシロップ流路，希釈水流路を形成したディフューザと、該ディフューザに被着した着脱式のスパウトノズルとからなるものにおいて、前記スパウトノズルと別にディフューザに被着して使用する洗浄用ノズルを付属部品として用意しておき、飲料容器の洗浄時には洗浄用ノズルを前記のスパウトノズルと差し替えた上で、飲料供給ノズルのディフューザに圧送した洗浄水を洗浄用ノズルより噴射して飲料容器を水洗浄するようにしたことを特徴とするフローズン飲料ディスペンサ。
2. 請求項１記載のフローズン飲料ディスペンサにおいて、洗浄用ノズルが、周面に分散して多数の水噴射穴を穿孔し、かつ飲料供給ノズルのディフューザへ着脱可能に被着するようにしたキャップ状ノズルとしてなることを特徴とするフローズン飲料ディスペンサ。

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