JP4389291B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層ポリエステルフィルムに関し、燃焼しつつ落下するポリマーにより延焼を起こすことがなく、難燃性に優れた積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムを難燃化する方法としては、従来からハロゲン系難燃剤、含水無機化合物などをポリエステル樹脂中に含有させフィルム化する方法や、これらを含有する組成物をフィルム表面に塗布などで積層する方法、あるいはポリフェニレンスルフィドなどのフィルムをポリエステルフィルムに張り合わせるなどの方法が知られている。また近年、脱ハロゲンでの難燃性を目的としてリン系化合物の共重合や重合体の添加などの方法が提案されている(特開平5−65339号公報、特開平7−82358号公報、特開平8−73720号公報、特開平8−157584号公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ハロゲン系難燃剤や含水無機化合物系化合物などにより難燃性を付与したものは、いずれもポリエステルの燃焼粒の滴下を避けることはできず、その燃焼粒により延焼が引き起こされるため、一般に耐熱、難燃フィルムにおいて満足することが要求されているUL94V−0規格に合格することは、困難であった。
【0004】
また、ポリフェニレンスルフィドのような難燃性フィルムの張り合わせ品は、燃焼粒の滴下防止には効果があるものの張り合わせるフィルムの厚みを厚くしなければ効果が発現しないため、生産性やコスト面での優位性のないものであった。
【0005】
本発明は、これらの欠点がなく、燃焼しつつ落下するポリマーにより延焼を起こすことがなく、難燃効果に優れた生産性の良い積層ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する本発明の積層ポリエステルフィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムの両面に耐熱樹脂層が設けられ、燃焼時のドリップ率が10%以下であり、該耐熱樹脂が双極性非プロトン溶媒に溶解可能なパラ系芳香族ポリアミドであり、かつ、該耐熱樹脂層が該双極性非プロトン溶媒に溶解された耐熱樹脂を結晶配向完了前のポリエステルフィルムに塗布し、その後延伸することにより設けられたものであり、両面それぞれの該耐熱樹脂層の厚みが該二軸配向ポリエステルフィルム厚みの0.2%以上3%以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の積層ポリエステルフィルムにおけるポリエステルとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどであって、これらの2種以上が混合されたものであってもよい。またこれらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたものであってもよい。また内層と表層の2層以上の複合体フィルムであってもよい。
【0008】
例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた積層体フィルム、内層部が微細な気泡を含有した層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合体フィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポリマーであってもよい。上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gであるのがより好ましい。
【0009】
また、本発明において、ポリエステルフィルムは、積層膜が設けられた状態で二軸配向されたものが、機械的強度や寸法安定性などの点で望ましい。二軸配向しているとは、例えば、未延伸、すなわち結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ2.5〜5.0倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムが二軸配向していない場合には、積層ポリエステルフィルムの寸法安定性、特に、高温、高湿下での寸法安定性や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものとなるので好ましくない。
【0010】
本発明のポリエステルフィルム中には、本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などが含有されているものでもよい。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、難燃剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。
【0011】
これらの中でも無機の粒子、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末などを添加した場合には易滑性、耐傷性などが向上するので好ましい。無機粒子の平均粒子径は0.005〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜1μm程度である。また、その添加量は、0.05〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0012】
また、ポリエステルフィルム中に各種難燃性化合物を添加したり、あるいは、リン系化合物とポリエステルとの共重合体を用いることは、本発明の効果をより効果的に発現させることができるので特に好ましい。添加する難燃剤としては特に限定されないが、その一例を挙げれば、フッ素、臭素、塩素などのハロゲン元素を含有したもの、三酸化アンチモン、酸化スズ、酸化モリブデン、ホウ酸亜鉛、各種金属水酸化物などが好適である。
【0013】
本発明の積層ポリエステルフィルムのドリップ率は10%以下である。ドリップ率が10%を超える場合には燃焼しつつ落下するポリマーにより延焼が起こるので好ましくない。ここでドリップ率とは、UL94V−0規格に基づき燃焼テストを行うことで、炎を当てている間、および離炎後1分以内に燃焼しつつ落下したポリマーの重量Bを測定し、燃焼前の重量Aとの比からドリップ率(%)=B/A×100により求められるものである。
【0014】
このようなドリップ率の小さい積層ポリエステルフィルムは以下の方法によって得ることができるものである。すなわち、ポリエステルフィルムの両面に耐熱樹脂層を積層することによって得られるものである。片面積層のみでは難燃効果が不十分であり、また、積層フィルムがカールしやすいなどの問題が生じるので好ましくない。積層される耐熱性樹脂は、双極性非プロトン溶媒に溶解可能なパラ系芳香族ポリアミド樹脂であることが重要である。かかる耐熱性樹脂としては、その耐熱性からガラス転移点が170℃以上および/または300℃以下に融点または分解点を持たないものが好ましい。前記双極性非プロトン溶媒の一例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどを挙げることができる。
【0015】
本発明においては、耐熱樹脂がこれら双極性非プロトン溶媒に溶解することがポリエステルフィルムと耐熱樹脂層との接着において極めて重要な意味をもち、これ以外の溶媒では目的とする界面接着性を得ることが困難である。すなわち、耐熱樹脂を溶解し、かつ結晶配向完了前のポリエステルフィルムを白化あるいは膨潤させる溶媒が特に好ましく、上記の中でもN−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。本発明において、パラ系芳香族ポリアミドとは次の一般式化1および/または一般式化2で表される繰り返し単位を単独あるいは共重合の形で50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むものであるのが望ましい。
【0016】
【化1】
Figure 0004389291
【0017】
【化2】
Figure 0004389291
【0018】
ここで、Ar1、Ar2,Ar3は、例えば、一般式化3に示すようなものが用いられ、X,Yは、−O−、−CH2 −、−CO−、−SO2 −、−S−、−C(CH3 2 −などから選ばれるが、これらに限定されるものではない。更にこれらの芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含むものである。
【0019】
【化3】
Figure 0004389291
【0020】
特に、上記一般式化2の芳香環がパラ位で結合されたものが全芳香環の50モル%以上、より好ましくは70モル%以上を占める重合体が、積層フィルムとした際における燃焼粒の落下防止効果発現の点で好ましい。また芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換された芳香環が全体の30モル%以上、好ましくは50モル%以上であると、難燃効果や燃焼粒の落下防止効果などがより改善されるので好ましい。本発明においては一般式化1および/または一般式化2で表される繰り返し単位が50モル%以上、好ましくは70モル%以上であるのが望ましく、これ未満の他の化合物の共重合や他のポリマーが混合されてもよい。
【0021】
耐熱樹脂層中には、本発明の効果が阻害されない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有してもよい。例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
【0022】
これらの中でも、無機の粒子、例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末などを添加した場合には易滑性、耐傷性などが向上するので特に好ましい。無機粒子の平均粒子径は0.005〜5μm、好ましくは0.05〜1μm程度が好ましい。またその添加量は、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部であるのが望ましい。
【0023】
上記耐熱樹脂層をポリエステルフィルム上に積層する方法は、前記の如く、双極性非プロトン溶媒に溶解された耐熱樹脂を結晶配向完了前のポリエステルフィルムに塗布して、その後延伸されることにより接着・積層させる方法、つまり、二軸配向ポリエステルフィルムの両面に上記耐熱樹脂層が実質的に接着層を介さずして積層させる方法を採用することが、本発明の効果をより効果的に発現させるために重要である
【0024】
ここで、実質的に接着層を介さないとは、ポリエステルフィルム上に耐熱樹脂層が積層された状態において基材と積層膜界面に基材および積層膜形成物質以外の物質による層が形成されていないことを意味するものである。ただし、その界面において基材と耐熱樹脂層との混在層が形成された場合には、より接着性が向上するので特に好ましく、その層は接着層の定義から外れるものである。
【0025】
このようにして得られる積層フィルムの積層膜と基材との接着性はT字剥離において「100g/25mm幅」以上、好ましくは「200g/25mm幅」以上となるように積層されるのが好ましい。「100g/25mm幅」未満では、積層膜が剥離する問題が生じる場合がある。
【0026】
本発明の積層ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されず、用途に応じた厚みとすることができる。ドリップ率を10%以下とするための積層膜の厚みは基材ポリエステルフィルムの厚みに応じても変わってくるが、本発明者らの知見によれば、少なくとも一方の積層膜の厚みが基材ポリエステルフィルム厚みの0.2%〜10%であることが好ましく、より好ましくは0.4%〜5%、更に好ましくは0.5%〜3%である。
【0027】
0.2%未満の場合には燃焼粒の落下防止効果や難燃効果が不十分となる場合があり、10%を越える場合には、透明性などの特性が低下し用途によっては採用できない場合があり、またそれ以上の積層厚みは、本発明の効果を著しく向上させるものではない。
【0028】
次に、本発明の積層ポリエステルフィルムを得る好ましい製造方法について以下に例示するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0029】
充分に乾燥させたポリエステルチップを押し出し機に供給し、280〜300℃で溶融押し出しし、20〜70℃鏡面冷却ドラム上でシート化する。このシートを長手方向に80〜120℃の温度で2.5〜4.5倍延伸する。その一軸配向ポリエステルフィルムの両面に積層する溶媒に溶解させた耐熱樹脂を塗布し、その後、フィルムの両端をクリップで把持して80〜120℃の予熱工程を経て80〜120℃で幅方向に2.5〜4.5倍の延伸を行う。更に連続的に180〜250℃で熱処理を行い基材ポリエステルフィルムの結晶配向を完了させる。ここで幅方向に延伸する場合、溶媒が完全乾燥する前に基材と共に延伸し、その後溶媒を蒸発揮散させて基材の結晶配向を完了させるのが好ましく、使用する溶媒は塗布後であって延伸前の予熱工程、延伸工程ではその殆どが残存し、延伸後の熱処理工程で蒸発揮散するようにするのが基材との接着性や積層状態での透明性の点で好ましいものである。
【0030】
また、積層ポリエステルフィルムは、幅方向の延伸後熱処理前あるいは熱処理後に更に長手方向、幅方向に延伸することでより積層ポリエステルフィルムの強度や剛性を向上させることができるのでより好ましい。
【0031】
長手方向や幅方向に再延伸する場合には、延伸温度は好ましくは150〜260℃、より好ましくは200〜250℃であり、延伸倍率は幅方向、長手方向それぞれに1.1〜2.0倍程度が好ましい。また再延伸後に更に好ましくは210〜280℃、より好ましくは220℃〜260℃の温度で熱処理するのが望ましい。
【0032】
このようにして得られた積層ポリエステルフィルムは、燃焼しつつ落下するポリマーにより延焼を起こすことがなく、難燃性に優れ、かつ界面接着性に優れたものであり、電気絶縁材料、フレキシブルプリントサーキット基盤用、電子部品、ラベル感熱転写材料などの各種工業材料に好適に使用することができる。
【0033】
【特性の測定方法および効果の評価方法】
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)積層膜の厚み
積層ポリエステルフィルムから断面を切り出し、その断面を透過型電子顕微鏡で観察し、積層膜の厚みを測定した。なお混在相がある場合は混在相を含めた厚みを積層厚みとした。
(2)接着力−1
積層ポリエステルフィルムの積層膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープを貼り付けた後、ゴムローラーで圧着(19Nで3往復)し、その後セロハンテープを90度方向に急激に剥離し、積層フィルム側に残存した積層膜の個数を測定した。100個中90個以上を接着性良好とした。
(3)接着力−2
積層ポリエステルフィルムの積層面にポリウレタン(タケラックA−385/タケネートA−50(重量比で6/1に混合して使用):武田薬品工業(株)製)の酢酸エチル溶液を乾燥後の厚みで3μm塗布し、110℃で1分間乾燥した後、コロナ放電処理を施した50μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを張り合わせ、90℃で熱ラミネートした。その後45℃で70時間熱処理を行い、25mm幅の短冊状にサンプリングし、テンシロン型引っ張り試験機にて100mm/分の速度でT字剥離を行い、界面接着力を求めた。剥離応力が300g/25mm以上で積層膜が全く剥離しない場合は、測定不可とした。
(4)透明性
JIS−K−6714−58に準じてSEP−H−2系濁度計(日本精密光学(株)で求めた。
(5)ドリップ率、難燃性
UL94V−0規格に基づき燃焼テストを行い、下記の評価を行った。
【0034】
(a)ドリップ率
炎を当てている間、および離炎後1分以内に燃焼しつつ落下したポリマーの重量Bを測定し、燃焼前の重量Aとの比から
ドリップ率(%)=B/A×100により求めた。
【0035】
(b)離炎後、消火までの燃焼時間(秒)
(c)延焼試験
試験片の305mm下の綿が燃焼粒により発火した場合は×、発火しなかった場合は○とした。
【0036】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
<積層膜形成塗布液>
実質的にガラス転移点および融点を有しないパラ系芳香族ポリアミド二軸延伸フィルム(登録商標:ミクトロン(東レ(株)製))N−メチル−2−ピロリドンに固形分濃度5重量%となるように60℃で溶解した後、常温まで冷却し、粘度55ポイズの塗布液を作製した。また積層膜の厚みに応じてこの塗布液をN−メチル−2−ピロリドンで適宜希釈して用いた。
実施例1
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下、PETと言う)(極限粘度0.63dl/g)チップを180℃で充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、285℃で溶融後、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化した。この未延伸シートを95℃に加熱したロール群で長手方向に3.5倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。このフィルムの両面に積層膜形成塗布液(5重量%液)をダイコート方式で片面当たりの最終積層厚みで0.8μmになるように塗布した。塗布されたフィルムの両端をクリップで把持しつつ100℃の予熱ゾーンに導き、引き続き110℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸した。更に連続的に230℃の熱処理ソーンで5秒間の熱処理を施し、基材フィルムの結晶配向を完了させた。この積層フィルムは厚みが50μm、積層厚みが0.8μmの透明性および難燃性に優れ、ドリップ率は0%であった。
比較例1
厚み50μmの二軸配向PETフィルムの片面に実施例1と同様の積層膜形成塗布液を、片面当たりの最終積層厚みが0.8μmとなるように塗布した後、150℃で20分間乾燥し積層フィルムを得た。このフィルムは接着性に劣り、ドリップ率が24%であった。
実施例2〜4、比較例2〜3
実施例1において基材フィルムの厚みを100μmとし、積層厚みを片面あたり0.01μm(比較例2)、0.1μm(比較例3)、0.25μm(実施例2)、1.25μm(実施例3)、3.0μm(実施例4)とし、両面に同じ厚みを積層した積層ポリエステルフィルムを作製した。
【0037】
積層厚みが薄すぎる場合には難燃性が不十分でドリップ率も悪いものであったが、特定の厚み以上においてはいずれの特性も良好であった。実施例4は積層厚みが大きいためにやや透明性が低下した。
比較例4
実施例1の方法で片面のみ0.8μm積層した積層ポリエステルフィルムを作製した。この積層フィルムは燃焼粒の滴下による延焼はないものの、難燃性に劣るものであった。
実施例5
実施例1と同様の方法で一方の面に1.0μm、他方の面に0.5μmの厚みで積層膜を設けた以外は同様にして積層ポリエステルフィルムを作製した。
この積層フィルムは、難燃性に優れ、燃焼粒の滴下による延焼のないものであった。
【0038】
以上の各実施例・比較例の結果をまとめて、表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004389291
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、難燃性に優れ、燃焼しつつ落下するポリマーにより延焼を起こすことがなく、耐熱樹脂層と基材フィルムとの接着性にも優れた積層ポリエステルフィルムを提供することができるものである。

Claims (2)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルムの両面に耐熱樹脂層が設けられ、燃焼時のドリップ率が10%以下であり、該耐熱樹脂が双極性非プロトン溶媒に溶解可能なパラ系芳香族ポリアミドであり、かつ、該耐熱樹脂層が該双極性非プロトン溶媒に溶解された耐熱樹脂を結晶配向完了前のポリエステルフィルムに塗布し、その後延伸することにより設けられたものであり、両面それぞれの該耐熱樹脂層の厚みが該二軸配向ポリエステルフィルム厚みの0.2%以上3%以下であることを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
  2. 該二軸配向ポリエステルフィルムが難燃性組成物を含有することを特徴とする請求項に記載の積層ポリエステルフィルム。
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