JP4389015B1 - 高純度Siの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高純度物質の製造方法は、B、C、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、S、Se、Te、Po、Mo、W、Tc、Re、RuおよびOsからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素と少なくとも一種の不純物とからなる原料物質を、自己解離定数pKapが14より大きい有機溶媒に強塩基を溶解した溶液中に浸漬することにより溶解する工程を有する。有機溶媒としてはメタノールやエタノールなど、強塩基としてはKOHやNaOHなどを用いる。例えば、原料物質としてPやBなどを不純物として含有するSi、有機溶媒としてメタノール、強塩基としてKOHを用いてSi(OH)4 を製造する。
【選択図】図3
Description
従来、太陽電池としては、主として、シリコン系の材料を用いたものと化合物半導体系の材料を用いたものとが開発されている。そのうち前者のシリコン系太陽電池の生産量は太陽電池総生産量の約8割を占めている。
B(ホウ素)、C(炭素)、Si(シリコン(ケイ素))、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、S(イオウ)、Se(セレン)、Te(テルル)、Po(ポロニウム)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Tc(テクネチウム)、Re(レニウム)、Ru(ルテニウム)およびOs(オスミウム)からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素と少なくとも一種の不純物とからなる原料物質を、自己解離定数pKapが14より大きい有機溶媒に強塩基を溶解した溶液中に浸漬することにより溶解する工程を有することを特徴とする高純度物質の製造方法である。
メタノール 16.7 32.6
エタノール 19.1 24.3
エチレングリコール 〜11 37.7
n−プロパノール 19.4 20.1
イソプロパノール 20.8 18.3
ホルムアミド 16.8 109.5
アセトニトリル 28.5 36.0
液体アンモニウム 32.5 22.4
上述のように自己解離定数pKapが14より大きい有機溶媒に強塩基を溶解した溶液中に上記の原料物質を浸漬することにより、この原料物質を構成する元素をこの元素を含む酸化物イオンとして溶解することができる。この場合、強塩基の構成元素を含む沈澱が発生することもある。
一つの方法は、イオン交換樹脂や合成吸着剤などを用いてこの酸化物イオンを溶液から分離収集し、これを固化させる方法である。こうして得られる酸化物は、原料物質中の不純物をほとんど含まず、高純度化されている。この酸化物を従来公知の方法を用いて精製することにより、所要の元素からなる高純度物質を容易に製造することができる。
この一実施の形態による高純度物質の製造方法においては、B、C、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、S、Se、Te、Po、Mo、W、Tc、Re、RuおよびOsからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素と少なくとも一種の不純物とからなる原料物質を用いる。この原料物質としては粉末状のものを用いる。
この後、この水酸化物あるいは酸化物を出発物質として、従来公知の方法により、所要の元素からなる高純度物質を製造する。
〈実施例1〉
実施例1では高純度Si(OH)4 を製造し、このSi(OH)4 を用いて高純度Siを製造する。
原料物質として、市販の純度98%のSi(MG−Si)の粉末(粒度#600)を用いた。このSi粉末中の不純物はFe:3200〜3800ppm、Al:1800〜2000ppm、Ca:1300〜1400ppm、Ti:250〜270ppm、B:92ppm、P:26ppmである。ここで、原料物質中の不純物のうちのBの測定はJIS−3105の13.2の手法を用いて行い、同じくPの測定はJIS−3225の5.3の手法を用いて測定した。有機溶媒としてはメタノール(MeOH)、強塩基としては水酸化カリウム(KOH)、強酸としては四塩化ケイ素(SiCl4 )、弱酸としては酢酸(CH3 COOH)を用いる。メタノールとしては、市販の脱水メタノール(99.5%CH3 OH、和光純薬製)を用いた。同様に、水酸化カリウム、四塩化ケイ素および酢酸としては市販のものを用いた。
(1)約65℃で加熱攪拌した50mlのメタノール(MeOH)中に水酸化カリウム(KOH)を飽和溶解量(約47g)溶解した。以下、この溶液をMeOH(KOH)溶液と称する。
(2)約65℃で50mlのMeOH(KOH)溶液中にSi粉末を少量ずつ投入した。
(3)上記(2)の溶液中にはSiが溶解するが、白灰色の固体が生成するまで、上記の(2)の操作を繰り返す。
(4)白灰色の固体が生成された場合にはこの固体とMeOH(KOH)溶液とを分離する。
(5)分離した30〜40mlのMeOH(KOH)溶液中に水を総量が500mlとなるように注入して水溶液とした。
(6)上記(5)の500mlの水溶液に酢酸(CH3 COOH)を数ml滴下した。
(7)上記(6)の水溶液に四塩化ケイ素(SiCl4 )を十数ml滴下し、水溶液のpHを約7〜10にした。このとき、水溶液中に白色の懸濁物が生じた。
(8)上記(7)の水溶液を加温し、数時間放置する。
(9)上記(8)の水溶液を濾過し、あるいは遠心分離器にかけることにより、溶液と白色沈殿物とを分離する。
(10)分離した白色沈殿物にpH10にした純水を加えて加温、攪拌・洗浄する。
(11)(10)により得られる、白色沈殿物にpH10にした純水を加えたものを濾過し、あるいは遠心分離器にかけることにより、溶液と白色沈殿物とを分離する。
(12)操作(10)と(11)とを必要に応じて複数回繰り返す。
上記の操作(10)で得られた溶液を市販のイオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンCRB05、三菱化学)で処理したところ、Bの濃度は18ppm、Pの濃度は1ppmと大幅に低減した。
Si粉末を溶解する有機溶媒として用いたMeOHの自己解離定数pKapは16.7であるため、pH>14の環境を得ることができる。このMeOHに溶解した強塩基のKOHはほぼ完全にK+ とOH- とに解離している。したがって、KOHを限界まで溶解したMeOH(KOH)溶液は強塩基性を示す。
この強塩基性のMeOH(KOH)溶液中にSi粉末を投入すれば、水素の発生とともにSiは溶解する。
この時の反応は下式で表される。
(3)式のカソード反応および(2)式のアノード反応はともに早い系(fast system)であり、液温やOH- 濃度が高ければ高い程、反応は右方向に進むことになる。
一方、液中のK+ は(3)式で生成されるメチラートイオンMeO- と反応し、下式のようにカリウムメチラートの沈殿を生成する。
したがって、MeOH(KOH)溶液中にSi粉末を溶解させた直後に灰白色の沈殿物が生成された場合の沈殿反応は(4)、(7)、(8)式によるものと考えられる。
シリコンでは下式のようになる。
実施例2では実施例1と同様に高純度Si(OH)4 を製造し、このSi(OH)4 を用いて高純度Siを製造する。
実施例1と同様に、原料物質として、市販の純度98%のSi(MG−Si)の粉末(粒度#600)を用いた。有機溶媒としてはエタノール(EtOH)、強塩基としてはナトリウムメトキシド(NaOMe)、強酸としては四塩化ケイ素(SiCl4 )、弱酸としては酢酸(CH3 COOH)を用いる。エタノールとしては、市販の脱水エタノール(99.5%CH3 OH、和光純薬製)を用いた。同様に、ナトリウムメトキシド、四塩化ケイ素および酢酸としては市販のものを用いた。
(1)約78℃で加熱攪拌した50mlのエタノール(EtOH)中にナトリウムメトキシド(NaOMe)を20g溶解した。以下、この溶液をEtOH(NaOMe)溶液と称する。
(2)約78℃で50mlのEtOH(NaOMe)溶液中にSi粉末を少量ずつ投入した。
(3)上記(2)の溶液中にはSiが溶解するが、白灰色の固体が生成するまで、上記の(2)の操作を繰り返す。
(4)白灰色の固体とEtOH(NaOMe)溶液とを分離する。
(5)分離した30〜40mlのEtOH(NaOMe)溶液中に水を総量が500mlとなるように注入して水溶液とした。
(6)上記(5)の500mlの水溶液に酢酸(CH3 COOH)を数ml滴下した。
(7)上記(6)の水溶液に四塩化ケイ素(SiCl4 )を十数ml滴下し、水溶液のpHを約7〜10にした。このとき、水溶液中に白色の懸濁物が生じた。
(8)上記(7)の水溶液を加温し、数時間放置する。
(9)上記(8)の水溶液を濾過し、あるいは遠心分離器にかけることにより、溶液と白色沈殿物とを分離する。
(10)分離した白色沈殿物にpH10の純水を加えて加温、攪拌・洗浄する。
(11)(10)により得られる、白色沈殿物にpH10の純水を加えたものを濾過し、あるいは遠心分離器にかけることにより、溶液と白色沈殿物とを分離する。
(12)操作(10)と(11)とを必要に応じて複数回繰り返す。
例えば、上述の実施の形態および実施例において挙げた数値、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
Claims (10)
- Fe、Al、Ca、Ti、BおよびPからなる群より選ばれた少なくとも一種の不純物を含むSiからなる原料物質を、自己解離定数pKapが14より大きい有機溶媒に強塩基を溶解した溶液中に浸漬することにより、上記原料物質を構成する元素をこの元素を含む酸化物イオンとして溶解する工程と、
上記酸化物イオンが溶解した上記溶液から、上記酸化物イオンが溶解する際に生成される沈殿物を除去した後、上記溶液に水を添加して水溶液とする工程と、
上記水溶液に強酸を添加することによりSiの水酸化物または酸化物を沈澱させる工程とを有することを特徴とする高純度Siの製造方法。 - 上記水溶液に強酸を添加することによりpHを7以上10以下とすることを特徴とする請求項1記載の高純度Siの製造方法。
- 上記水溶液から上記Siの水酸化物または酸化物を分離収集し、固化させる工程を有することを特徴とする請求項1または2記載の高純度Siの製造方法。
- 上記酸化物イオンはSiO 3 2- を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
- 上記Siの水酸化物または酸化物はSi(OH) 4 であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
- 上記強塩基が水酸化物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
- 上記水酸化物がKOHまたはNaOHであることを特徴とする請求項6記載の高純度Siの製造方法。
- 上記強塩基がカリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシドまたはナトリウムエトキシドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
- 上記有機溶媒がメタノール、エタノール、n−プロパノール、ホルムアミド、アセトニトリルまたは液体アンモニアであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
- 上記原料物質として粉末状のものを用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の高純度Siの製造方法。
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