カメラ等に利用される撮像装置は、半導体回路を含んで構成され、一次元または二次元に画素(単位セル)が配列されて構成された画素領域を有する。このような半導体撮像装置には、画素領域の画素毎に画素信号の読み出しが行われる構成、すなわちマルチプレクサを形成する構成の装置がある(例えば、特許文献1〜4参照。)。
かかるマルチプレクサを用いた構成、すなわち一画素毎に画素信号の読み出しを行う構成の撮像装置として、具体的に、金属−酸化物半導体型の電界効果型トランジスタ(以下、これをMOSFETと表す)によって画素信号の読み出し回路(以下、単に信号読み出し回路と呼ぶ)が構成されるものがある。
例えば、図5は、マルチプレクサを用いた従来の撮像装置の信号読み出し回路の構成の一例を示す模式図である。図5に示すように、撮像装置の信号読み出し回路は、画素領域501と、垂直アドレス選択部540と、水平アドレス選択部530とを含んで構成される。
ここでは、便宜上、二行四列のマトリクス状に画素500a〜500hが配列されて画素領域501が構成される場合を図示しているが、実際には、数百〜数百万の画素がマトリクス状に配列されて画素領域501が構成されている。
この場合には、垂直アドレス選択部540からの出力により、垂直方向いずれの行の画素500a〜500hの信号読み出しを行うかが選択され、一方、水平アドレス選択部530からの出力により、水平方向いずれの列の画素500a〜500hの信号読み出しを行うかが選択される。そして、かかる垂直アドレス選択部540における行選択と水平アドレス選択部530における列選択とを組み合わせることにより、所望の画素500a〜500hの信号読み出しを行うことが可能となり、マルチプレクサが形成される。具体的に、ここでは、垂直アドレス選択部540からの出力と水平アドレス選択部530からの出力との交点に位置する画素500a〜500hの信号が読み出されて外部に取り出される。
画素領域501は、複数のドライブトランジスタ(以下、ドライブTrと略す)581〜588と、複数の垂直選択スイッチトランジスタ(以下、垂直選択スイッチTrと略す)5411〜5414,5421〜5424とを備える。ここでは、各ドライブTr581〜588と各垂直選択スイッチTr5421〜5424,5411〜5414とがそれぞれ対になって並列に接続された単位ユニットを含んで各画素(単位セル)500a〜500hが構成される。そして、画素500a〜500hは、画素領域501において、垂直方向に延設され等間隔で水平方向に配設された第一列目から第四列目の垂直バスライン521〜524に接続されている。
具体的に、ドライブTr581と垂直選択スイッチTr5421とで画素500aが構成され、ドライブTr582と垂直選択スイッチTr5422とで画素500bが構成され、ドライブTr583と垂直選択スイッチTr5423とで画素500cが構成され、ドライブTr584と垂直選択スイッチTr5424とで画素500dが構成され、ドライブTr585と垂直選択スイッチTr5411とで画素500eが構成され、ドライブTr586と垂直選択スイッチTr5412とで画素500fが構成され、ドライブTr587と垂直選択スイッチTr5413とで画素500gが構成され、ドライブTr588と垂直選択スイッチTr5414とで画素500hが構成される。ドライブTr581〜588のドレインは、電源端子58に接続されている。
そして、画素500aおよび画素500eが第一列目の垂直バスライン521に接続され、画素500bおよび画素500fが第二列目の垂直バスライン522に接続され、画素500cおよび画素500gが第三列目の垂直バスライン523に接続され、画素500dおよび画素500hが第四列目の垂直バスライン524に接続されている。
垂直バスライン521〜524は、それぞれ水平選択スイッチトランジスタ(以下、水平選択スイッチTrと表す)561〜564を介して、出力ライン53に接続されている。出力ライン53は、ゲートがバイアス55に接続された負荷トランジスタ(以下、負荷Trと表す)51を介してアナロググランド(以下、GNDと表す)50に接続されるとともに、この負荷Tr51の上流側で一部が分岐し、外部または二段目の出力アンプ(図示せず)に出力可能な出力端子56にさらに接続される。
垂直アドレス選択部540は、第一行目選択部541と第二行目選択部542とを備える。第一行目選択部541は、第一行選択信号出力ライン5410を介して、垂直選択スイッチTr5411〜5414のゲートにそれぞれ接続されている。第二行目選択部542は、第二行選択信号出力ライン5420を介して、垂直選択スイッチTr5421〜5424のゲートにそれぞれ接続されている。
一方、水平アドレス選択部530は、第一列目選択部531、第二列目選択部532、第三列目選択部533、および第四列目選択部534を備える。第一列目選択部531は、第一列選択信号出力ライン521aを介して水平選択スイッチTr561のゲートに接続されている。第二列目選択部532は、第二列選択信号出力ライン522aを介して水平選択スイッチTr562のゲートに接続されている。第三列目選択部533は、第三列選択信号出力ライン523aを介して水平選択スイッチTr563のゲートに接続されている。第四列目選択部534は、第四列選択信号出力ライン524aを介して水平選択スイッチTr564のゲートに接続されている。
以上のように、かかる構成の信号読み出し回路では、ドライブTr581〜588と負荷Tr51とによってソースフォロワアンプが出力アンプとして構成される。
また、図6は、マルチプレクサを用いた従来の撮像装置の信号読み出し回路の構成の他の例を示す模式図である。図6に示す信号読み出し回路は、図5の信号読み出し回路と同様の構成を有するが、画素領域501と水平選択スイッチTr561〜564との間に、垂直バスライン521〜524の各々に対応して負荷Tr511〜514が配設された点が、図5の信号読み出し回路とは異なっている。
この場合には、各垂直バスライン521〜524の一端がそれぞれ負荷Tr511〜514のドレインに接続される。この負荷Tr511〜514の各ソースは、それぞれGND50に接続されている。また、この場合には、各垂直バスライン521〜524の負荷Tr511〜514上流側において分岐したバスラインが、水平選択スイッチTr561〜564を介して出力ライン53に接続されている。
なお、図5および図6に示す信号読み出し回路は、画素500a〜500hが二次元に配列された構成を有するが、撮像装置の信号読み出し回路には、画素が一次元に配列された構成がある。かかる一次元構成の信号読み出し回路では、例えば、一本の垂直バスラインが配設され、この垂直バスラインに、ドライブTrおよび垂直選択スイッチTrを含んで構成される画素が一または数個接続される。
次に、図5および図6に示す信号読み出し回路における信号読み出し動作について説明する。図5および図6に示す信号読み出し回路では、各画素500a〜500hの信号読み出しが順次行われる。例えば、ここではまず一行目の画素500e〜500hにおいて、第一列目から第四列目まで水平方向に画素500e〜500hの信号読み出しが順次行われる。その後、第二行目の画素500a〜500dの読み出しに移行し、第二行目の第一列目から第四列目まで水平方向に画素500a〜500dの信号読み出しが順次行われる。
すなわち、信号読み出し時には、画素領域501において、まず、第一行目の画素500e〜500hが選択され当該行において水平方向に画素500e〜500hの走査が順次行われ、その後、第二行目の画素500a〜500dが選択されて当該行において水平方向に画素500a〜500dの走査が順次行われる。それにより、画素領域501の全ての画素500a〜500hについて、画素毎に順次信号読み出しが行われる。
上記の信号読み出しにおいて、信号読み出し対象となる行の選択は、垂直アドレス選択部540からの信号出力により実現される。具体的に、垂直アドレス選択部540の第一行目選択部541からの出力により、第一行選択信号出力ライン5410を介してゲートに信号が入力される第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第二行目の垂直選択スイッチTr5421〜5424はOFF状態となる。したがって、第一行目が選択された状態が実現される。
また、垂直アドレス選択部540の第二行目選択部542からの出力により、第二行選択信号出力ライン5420を介してゲートに信号が入力される第二行目の垂直選択スイッチTr5421〜5424がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414はOFF状態となる。したがって、第二行目が選択された状態が実現される。
一方、信号読み出し対象となる列の選択は、水平アドレス選択部530からの信号出力により実現される。具体的に、水平アドレス選択部530の第一列目選択部531からの出力により、第一列選択信号出力ライン521aを介してゲートに信号が入力される第一列目の水平選択スイッチTr561がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第二列目から第四列目の水平選択スイッチTr562〜564はOFF状態となり、よって、第一列目の垂直バスライン521が選択された状態が実現される。以下同様にして、第二列目選択部532からの信号出力によって第二列目が選択された状態が実現され、第三列目選択部533からの信号出力によって第三列目が選択された状態が実現され、第四列目選択部534からの信号出力によって第四列目が選択された状態が実現さる。
上記のような行および列の選択を組み合わせることにより、画素領域501の中で一つの画素500a〜500hの信号を選択的に読み出すことが可能となる。例えば、垂直アドレス選択部540の第一行目選択部541から信号が出力されて第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414がON状態となった状態で、水平アドレス選択部530の第一列目選択部531から信号が出力されて第一列目の水平選択スイッチTr561がON状態となると、垂直および水平の両方のスイッチTrがON状態となった画素500eのみが出力ライン53へ画素信号を出力することが可能となる。それにより、画素500eの画素信号が出力ライン53を通じて外部に出力され、画素500eの信号読み出しが行われる。
そして、引き続き第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414をON状態としたままで、水平アドレス選択部530における出力を第一列目選択部531から第二列目選択部532に切り替える。それにより、ON状態となる水平選択スイッチTrが第一列目の水平選択スイッチTr561から第二列目の水平選択スイッチTr562に切り替わる。したがって、垂直選択スイッチTr5411〜5414と水平選択スイッチTr562とがON状態となった状態が実現され、その結果、垂直および水平の両方のスイッチTrがON状態となった画素500fのみが出力ライン53へ画素信号を出力することが可能となる。それにより、画素500fの画素信号が出力ライン53を通じて外部に出力され、画素500fの信号読み出しが行われる。
以下同様にして、第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414をON状態としたままで水平アドレス選択部530における出力を、第二列目選択部532から第三列目選択部533、および第三列目選択部533から第四列目選択部534に順次切り替える。それにより、画素500gおよび画素500hの信号読み出しが行われる。
さらにその後、垂直アドレス選択部540における出力を第一行目選択部541から第二行目選択部542に切り替えることにより、第一行目の垂直選択スイッチTr5411〜5414をOFF状態とするとともに第二行目の垂直選択スイッチTr5421〜5424をON状態とする。そして、かかる状態において、上記と同様にして、水平アドレス選択部530において第一列目選択部531から第四列目選択部534まで順次出力が行われる。それにより、画素500a〜500dの信号読み出しが行われる。
以上のように、垂直アドレス選択部540による行選択と水平アドレス選択部530による列選択とを組み合わせることでマトリクス状に配列された複数の画素500a〜500hのうちから一つを選択することができ、その画素の信号を外部に取り出すことが可能となる。そして、この選択される画素500a〜500hの位置を順次ずらしていくことにより、全画素500a〜500hの画素信号を外部に出力することが可能となる。
特開平9−247537号公報
特開2000−59691号公報
特開2004−23097号公報
国際公開第99/33259号パンフレット
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる半導体撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態の信号読み出し回路は、画素領域1と、垂直アドレス選択部140と、水平アドレス選択部130とを含んで構成される。
ここでは、二行四列のマトリクス状に画素100a〜100hが配列されて画素領域1が構成された場合を図示しているが、画素領域1を構成する画素数はこれに限定されるものではない。実際には、数百〜数百万の画素がマトリクス状に配列されて画素領域1が構成されている。ここで、画素100a〜100hとは、信号が入力される単位セル(すなわち信号入力部)のことである。
この場合には、垂直アドレス選択部140からの出力により、垂直方向いずれの行の画素100a〜100hの信号読み出しを行うかが選択され、一方、水平アドレス選択部130からの出力により、水平方向いずれの列の画素100a〜100hの信号読み出しを行うかが選択される。そして、かかる垂直アドレス選択部140における行選択と水平アドレス選択部130における列選択とを組み合わせることにより、所望の画素100a〜100hの信号読み出しを行うことが可能となり、マルチプレクサが形成される。具体的に、ここでは、垂直アドレス選択部140からの出力と水平アドレス選択部130からの出力との交点に位置する画素100a〜100hの信号が読み出されて外部に取り出される。
画素領域1は、複数のドライブトランジスタ(以下、ドライブTrと表す)181〜188と、複数の垂直選択スイッチトランジスタ(以下、垂直選択スイッチTrと表す)1411〜1414,1421〜1424とを備える。ここでは、各ドライブTr181〜188と各垂直選択スイッチTr1411〜1414,1421〜1424とがそれぞれ対になって並列に接続された単位ユニットを含んで各画素100a〜100hが構成される。そして、画素100a〜100hは、画素領域1において、垂直方向に延設され等間隔で水平方向に配設された第一列目から第四列目の垂直バスライン121〜124に接続されている。
具体的に、ドライブTr181と垂直選択スイッチTr1421とで画素100aが構成され、ドライブTr182と垂直選択スイッチTr1422とで画素100bが構成され、ドライブTr183と垂直選択スイッチTr1423とで画素100cが構成され、ドライブTr184と垂直選択スイッチTr1424とで画素100dが構成され、ドライブTr185と垂直選択スイッチTr1411とで画素100eが構成され、ドライブTr186と垂直選択スイッチTr1412とで画素100fが構成され、ドライブTr187と垂直選択スイッチTr1413とで画素100gが構成され、ドライブTr188と垂直選択スイッチTr1414とで画素100hが構成される。
そして、画素100aおよび画素100eが第一列目の垂直バスライン121に接続され、画素100bおよび画素100fが第二列目の垂直バスライン122に接続され、画素100cおよび画素100gが第三列目の垂直バスライン123に接続され、画素100dおよび画素100hが第四列目の垂直バスライン124に接続されている。
各画素100a〜100hのドライブTr181〜188は、ドレインがそれぞれ電源端子Vcc18に接続され、ゲートがそれぞれ画素信号入力ライン151〜158に接続され、ソースが垂直選択スイッチTr1421〜1424,1411〜1414のドレインにそれぞれ接続されている。
垂直バスライン121〜124は、それぞれ水平選択第二スイッチトランジスタ(以下、水平選択第二スイッチTrと表す)171〜174のドレインに接続され、この水平選択第二スイッチTr171〜174を介してダミーライン14に共通に接続されている。ダミーライン14は、ゲートがバイアス16に接続された負荷トランジスタ(以下、負荷Trと表す)12のドレインに接続され、この負荷Tr12のソースはアナロググランド(以下、GNDと表す)10に接続される。
ここでは、負荷Tr12の電流量を決めるために、バイアス16を用いている。このバイアス16により、後述の負荷Tr11と同じ電圧が負荷Tr12のゲートに印加される。
また、各垂直バスライン121〜124は、それぞれ水平選択第二スイッチTr171〜174の上流側で一部が分岐し、各分岐バスライン121a〜124aは、水平選択第一スイッチトランジスタ(以下、水平選択第一スイッチTrと表す)161〜164のドレインに接続されている。そして、分岐バスライン121a〜124aは、この水平選択第一スイッチTr161〜164をそれぞれ介して、出力ライン13に共通に接続されている。
出力ライン13は、ゲートがダミーライン14と共通のバイアス16に接続された負荷トランジスタ(以下、負荷Trと表す)11のドレインに接続される。この負荷Tr11のソースはGND10に接続されている。また、出力ライン13は、負荷Tr11の上流側で分岐して外部または二段目の出力アンプ(図示せず)に出力可能な出力端子6にさらに接続される。この出力アンプは、接地されている。
ここでは、ダミーアンプの負荷Tr12と出力アンプの負荷Tr11とが、同一のゲート長Lおよびゲート幅Wを有している。それにより、後述するダミーライン14を介した出力において、出力ライン13を介した出力と同じ状態を実現することが可能となり、その結果、信号読み出し動作の1周期前において垂直バスライン121〜124を予め動作状態とさせる際に、信号読み出し動作時と同じ動作状態とすることが可能となる。
なお、負荷Tr12および負荷Tr11において、ゲート幅Wとゲート長L(W/L)が異なる場合には、予め動作状態となった垂直バスライン121〜124の状態と信号読み出し動作時の垂直バスライン121〜124の状態とが異なる状態となるため、後述する出力ライン13からの出力における電圧レベル変動の抑制効果が小さくなる可能性がある。したがって、負荷Tr12および負荷Tr11とは、同一のゲート長Lおよびゲート幅Wとすることが好ましい。
垂直アドレス選択部140は、第一行目選択部141と第二行目選択部142とを備える。第一行目選択部141は、第一行選択信号出力ライン1410を介して、垂直選択スイッチTr1411〜1414のゲートにそれぞれ接続されている。第二行目選択部142は、第二行選択信号出力ライン1420を介して、垂直選択スイッチTr1421〜1424のゲートにそれぞれ接続されている。
一方、水平アドレス選択部130は、第一列目選択部131、第二列目選択部132、第三列目選択部133、および第四列目選択部134を備える。第一列目選択部131は、第一列選択信号出力ライン121bを介して水平選択第一スイッチTr161のゲートに接続される。また、水平選択第一スイッチTr161の上流側で第一列選択信号出力ライン121bから分岐した分岐ライン121cが、水平選択第二スイッチTr172のゲートに接続される。
また、第二列目選択部132は、第二列選択信号出力ライン122bを介して水平選択第一スイッチTr162のゲートに接続される。また、水平選択第一スイッチTr162の上流側で第二列選択信号出力ライン122bから分岐した分岐ライン122cが、水平選択第二スイッチTr173のゲートに接続される。
また、第三列目選択部133は、第三列選択信号出力ライン123bを介して水平選択第一スイッチTr163のゲートに接続される。また、水平選択第一スイッチTr163の上流側で第三列選択信号出力ライン123bから分岐した分岐ライン123cが、水平選択第二スイッチTr174のゲートに接続される。
さらに、第四列目選択部134は、第四列選択信号出力ライン124bを介して水平選択第一スイッチTr164のゲートに接続される。また、水平選択第一スイッチTr164の上流側で第四列選択信号出力ライン124bから分岐した分岐ライン124cが、図示を省略した隣接の水平選択第二スイッチTrのゲートに接続される。
以上のように、かかる構成の信号読み出し回路では、ドライブTr181〜188と負荷Tr11または負荷Tr12とによってソースフォロワアンプが構成されている。そして、ここでは、各ドライブTr181〜188と各水平第一選択スイッチ161〜164と負荷Tr11と負荷Tr11に接続されたGND10とによって出力アンプが構成されるとともに、各ドライブTr181〜188と各水平第二選択スイッチ171〜174と負荷Tr12と負荷Tr12に接続されたGND10とによってダミーアンプが構成される。すなわち、共通のドライブTr181〜188を用いて出力アンプとダミーアンプとが構成されている。
かかる構成の信号読み出し回路では、回路を構成するドライブTr181〜188、垂直選択スイッチTr1421〜1424,1411〜1414、水平選択第二スイッチTr171〜174、水平選択第一スイッチTr161〜164、出力アンプの負荷Tr11およびダミーアンプの負荷Tr12が、n型のMOSFETで構成されている。そして、ここでは、水平選択第一スイッチTr161〜164が出力ライン接続スイッチ手段に相当し、水平選択第二スイッチTr171〜174がダミーライン接続スイッチ手段に相当する。また、水平アドレス選択部130の各部131〜134から出力される信号が、第一方向選択信号に相当する。
次に、本実施の形態の信号読み出し回路の信号読み出し動作について説明する。当該動作の概要を説明すると、信号読み出し回路では、各画素100a〜100hの信号読み出しが順次行われ、ここではまず、一行目の画素100e〜100fにおいて、第一列目から第四列目まで水平方向に画素100e〜100fの信号読み出しが順次行われる。その後、第二行目の画素100aから100dの読み出しに移行し、第二行目の画素100a〜100dにおいて、第一列目から第四列目まで水平方向に画素100a〜100dの信号読み出しが順次行われる。
具体的に、信号読み出し回路では、画素領域1において、まず、第一行目の画素100e〜100hが選択されて当該行において水平方向に画素100e〜100hの走査が行われ、その後、第二行目の画素100a〜100dが選択されて当該行において水平方向に画素100a〜100dの走査が順次行われる。それにより、画素領域1の全ての画素100a〜100hについて、画素毎に順次信号読み出しが行われる。
上記の信号読み出しにおいて、信号読み出し対象となる行の選択は、垂直アドレス選択部140からの信号出力により実現される。具体的に、垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141からの出力により、第一行選択信号出力ライン1410を介して第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414のゲートに信号が入力され、その結果、垂直選択スイッチTr1411〜1414がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第二行目の垂直選択スイッチTr1421〜1424はOFF状態となる。したがって、第一行目が選択された状態が実現される。
また、垂直アドレス選択部140の第二行目選択部142からの出力により、第二行選択信号出力ライン1420を介して第二行目の垂直選択スイッチTr1421〜1424のゲートに信号が入力され、その結果、垂直選択スイッチTr1421〜1424がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414はOFF状態となる。したがって、第二行目が選択された状態が実現される。
一方、信号読み出し対象となる列の選択は、水平アドレス選択部130からの信号出力により実現される。具体的に、水平アドレス選択部130の第一列目選択部131からの出力により、第一列選択信号出力ライン121bを介して第一列目の水平選択第一スイッチTr161のゲートに信号が入力され、その結果、水平選択第一スイッチTr161がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第二列目から第三列目の水平選択第一スイッチTr162〜164はOFF状態となる。それにより、後述するように、第一列目の画素100a,100eから選択的に信号読み出しを行うことが可能となる。
ここで、水平アドレス選択部130において第一列目選択部131が選択されてここから出力が行われると、上記のように第一列選択信号出力ライン121bを介して第一列目の水平選択第一スイッチTr161のゲートに信号が入力されると同時に、第一列選択信号出力ライン121cを介して第二列目の水平選択第二スイッチTr172のゲートに信号が入力される。
その結果、上記のように水平選択第一スイッチTr161がON状態となると同時に、水平選択第二スイッチTr172がON状態となる。なお、水平選択第二スイッチTr172以外の水平選択第二スイッチTr171,173,174では、ゲートに信号が入力されないので、これらはOFF状態となる。それにより、後述するように、第二列目の画素100b,100fからダミーライン14を通じて信号の出力が可能な構成が実現される。
一方、水平アドレス選択部130の第二列目選択部132からの出力により、第二列選択信号出力ライン122bを介して第二列目の水平選択第一スイッチTr162のゲートに信号が入力され、その結果、水平選択第一スイッチTr162がON状態となる。この時、ゲートに信号が入力されない第一列目、第三列目、および第四列目の水平選択第一スイッチTr161,163,164はOFF状態となる。それにより、後述するように、第二列目の画素100b,100fから選択的に信号読み出しを行うことが可能な構成が実現される。
ここで、水平アドレス選択部130において第二列目選択部132が選択されてここから出力が行われると、上記のように第二列選択信号出力ライン122bを介して第二列目の水平選択第一スイッチTr162のゲートに信号が入力されると同時に、第二列選択信号出力ライン122cを介して第三列目の水平選択第二スイッチTr173のゲートに信号が入力される。
その結果、上記のように水平選択第一スイッチTr162がON状態となると同時に、水平選択第二スイッチTr173がON状態となる。なお、水平選択第二スイッチTr173以外の水平選択第二スイッチTr171,172,174では、ゲートに信号が入力されないので、これらはOFF状態となる。それにより、後述するように、第三列目の画素100c,100gからダミーライン14を通じて信号の出力が可能な構成が実現される。
以下同様にして、水平アドレス選択部130の第三列目選択部133が選択されてここから出力が行われると、第三列選択信号出力ライン123bを介して第三列目の水平選択第一スイッチTr163のゲートに信号が入力されて水平選択第一スイッチTr163がON状態となると同時に、第三列選択信号出力ライン123cを介して第四列目の水平選択第二スイッチTr174のゲートに信号が入力されて水平選択第二スイッチTr174がON状態となる。それにより、後述するように、第三列目の画素100c,100gから選択的に信号読み出しを行うとともに、第四列目の画素100d,100hからダミーライン14を通じて信号の出力が可能な構成が実現される。
また、水平アドレス選択部130の第四列目選択部134が選択されてここから出力が行われると、第四列選択信号出力ライン124bを介して第四列目の水平選択第一スイッチTr164のゲートに信号が入力されて水平選択第一スイッチTr164がON状態となると同時に、第四列選択信号出力ライン124cを介して図示しない隣接の水平選択第二スイッチTrのゲートに信号が入力されて当該水平選択第二スイッチTrがON状態となる。それにより、後述するように、第四列目の画素100d,100hから選択的に信号読み出しを行うとともに、図示しないその他の隣接する画素からダミーライン14を通じて信号の出力を行うことが可能な構成が実現される。
信号読み出し回路では、上記のような行および列の選択を組み合わせることにより、画素領域1の中で一つの画素100a〜100hの信号を選択的に読み出すことが可能となる。例えば、垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141から信号が出力されて第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414がON状態となった状態で、水平アドレス選択部130の第一列目選択部131から信号が出力されて第一列目の水平選択第一スイッチTr161がON状態となると、垂直および水平の両方のスイッチTrがON状態となった画素100eのみが出力ライン13へ画素信号を出力することが可能となる。それにより、画素100eの画素信号が出力ライン13を通じて外部に出力され、画素100eの信号読み出しが行われる。
ここで、水平アドレス選択部130の第一列目選択部131からの出力が行われると、上記のように、水平選択第一スイッチTr161がON状態となると同時に水平選択第二スイッチTr172がON状態となるため、画素100fの画素信号が、水平選択第二スイッチTr172を介してダミーライン14に出力される。
それゆえ、このように垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141と水平アドレス選択部130の第一列目選択部131とから出力が行われる場合には、画素100eの画素信号が出力ライン13から出力されて第一列目の垂直バスライン121が動作状態となるとともに、画素100fの画素信号がダミーライン14から出力されて第二列目の垂直バスライン122が動作状態となる。
続いて、上記のように垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141からの出力により第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414をON状態としたままで、水平アドレス選択部130における出力を第一列目選択部131から第二列目選択部132に切り替える。それにより、ON状態となるスイッチTrが第一列目の水平選択第一スイッチTr161から第二列目の水平選択第一スイッチTr162に切り替わる。また、このように水平選択第一スイッチTr162がON状態となると同時に、水平選択第二スイッチTr173がON状態となる。
したがって、垂直選択スイッチTr1411〜1414と水平選択第一スイッチTr162とがON状態となった状態が実現され、その結果、垂直および水平の両方のスイッチTrがON状態となった画素100fのみが出力ライン13へ画素信号を出力することが可能となる。それにより、画素100fの画素信号が出力ライン13を通じて外部に出力され、画素100fの信号読み出しが行われる。また、水平選択第二スイッチTr173がON状態となることから、画素100gの画素信号が、水平選択第二スイッチTr173を介してダミーライン14に出力される。
このように、垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141と水平アドレス選択部130の第二列目選択部132とから出力が行われる場合には、画素100fの画素信号が出力ライン13から出力されて第二列目の垂直バスライン122が動作状態となるとともに、画素100gの画素信号がダミーライン14から出力されて第三列目の垂直バスライン123が動作状態となる。
ここで、上記のような水平アドレス選択部130における出力の切り替え、すなわち第一列目選択部131から第二列目選択部132への出力の切り替えの際には、ダミーライン14を配設した本発明の特徴的構成により、以下のような有効な効果が奏される。
すなわち、本実施の形態では、前述したように、水平アドレス選択部130の第一列目選択部131から出力を行って画素100eの画素信号の読み出しを行う際に、画素信号の読み出しに直接的に関与する第一列目の垂直バスライン121の他に、この垂直バスライン121と隣接する第二列目の垂直バスライン122が、ダミーライン14を介した画素100bの画素信号の出力によって動作状態となっている。
したがって、水平アドレス選択部130の第二列目選択部132からの出力に切り替えて画素100fの画素信号の読み出しを行う際には、予め動作状態となっている垂直バスライン122から画素信号の読み出しが行われる。したがって、画素100fの信号読み出しでは、出力ライン13から出力される読み出し信号の電圧波形において、従来のような垂直バスライン122の動作状態の移行に伴う電圧レベルの変動が抑制され、滑らかな波形が実現される。
特に、この場合には、前述のようにダミーアンプを構成する負荷Tr12と出力アンプを構成する負荷Tr11とが同一のゲート長Lおよびゲート幅Wを有するので、ダミーライン14を介した画素100fの画素信号の出力においては、出力ライン13を介した画素100eの画素信号の出力と同じ状態を実現することが可能となる。
それゆえ、垂直バスライン122では、信号読み出し動作の1周期前において予め動作状態となる際に、信号読み出し動作時と同じ動作状態が実現され、よって、第二列目選択部132からの出力に切り替わっても、垂直バスライン122では状態変化が抑制される。このため、垂直バスライン122の動作状態の移行に伴う出力ライン13からの出力の電圧レベル変動が、より有効に抑制される。
以下同様にして、第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414をON状態としたままで水平アドレス選択部130における出力を、第二列目選択部132から第三列目選択部133、および第三列目選択部133から第四列目選択部134に順次切り替える。それにより、画素100gおよび画素100hの信号読み出しが行われる。
ここで、画素100gの読み出しの際には、ダミーライン14を介した出力により、垂直バスライン124の動作状態が実現される。また、画素100hの読み出しの際には、ダミーライン14を介した出力により、図示を省略した隣接の垂直バスラインの動作状態が実現される。したがって、水平アドレス選択部130における出力が第二列目選択部132から第三列目選択部133に切り替わっても、また、第三列目選択部133から第四列目選択部134に切り替わっても、上記の第一列目選択部131から第二列目選択部132への切り替えの場合と同様、出力ライン13から出力される読み出し信号の電圧波形は、電圧レベルの変動が抑制された滑らかな波形となる。
さらにその後、垂直アドレス選択部140における出力を第一行目選択部141から第二列目選択部142に切り替えることにより、第一行目の垂直選択スイッチTr1411〜1414をOFF状態とするとともに第二行目の垂直選択スイッチTr1421〜1424をON状態とする。そして、かかる状態において、上記と同様にして、水平アドレス選択部130において第一列目選択部131から第四列目選択部134まで順次出力を行う。それにより、画素100a〜100dの信号読み出しが行われる。
このような画素100a〜100dの信号読み出しでは、上記の画素100e〜100hの場合と同様、画素100aの読み出しの際にダミーライン14を介した画素100bからの出力により垂直バスライン122の動作状態が実現され、画素100bの読み出しの際にはダミーライン14を介した画素100cからの出力により垂直バスライン123の動作状態が実現され、画素100cの読み出しの際にはダミーライン14を介した画素100dからの出力により垂直バスライン124の動作状態が実現され、画素100dの読み出しの際にはダミーライン14を介した図示しない隣接の画素からの出力により図示しない隣接の垂直バスラインの動作状態が実現される。
このように、第二行目の画素100a〜100dの読み出しの際には、第一行目の画素100e〜100hの場合と同様、本動作である信号読み出し動作の前に、予め、垂直バスライン121〜124が非動作状態から動作状態に移行する。したがって、出力ライン13から出力される各画素100a〜100dからの読み出し信号の電圧波形は、電圧レベルの変動が抑制された滑らかな波形となる。
図2(a)〜(c),(f)〜(i)は、本実施の形態の効果を説明するための図である。具体的に、図2(a)〜(c),図2(f)〜(i)は、図1の水平アドレス選択部130での選択列切り替え時における各部の電圧を示しており、図2(a)は、図1の出力ライン13の出力電圧を示しており、図2(b)は、図1のダミーライン14の出力電圧を示しており、図2(c)は、図1の垂直バスライン123の電圧を示しており、図2(f)〜(i)は、図1の水平アドレス選択部130の第四列目選択部134、第三列目選択部133、第二列目選択部132、および第一列目選択部131の電圧をそれぞれ示している。図2(a)〜(c),(f)〜(i)では、縦軸が電圧を示しており、横軸が時間を示している。
図2(a)〜(c),(f)〜(i)から明らかなように、水平アドレス選択部130の第一列目選択部131から第四列目選択部134まで順次出力が切り替わって垂直バスライン121〜124が非動作状態から動作状態に移行する際には、本動作である信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン121〜124に隣接する垂直バスライン121〜124、すなわち、当該信号読み出し動作の次の信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン121〜124が、ダミーライン14を介した出力により、信号読み出し動作の前に予め非動作状態から動作状態となる。
それゆえ、図2(b)に示すように、ダミーライン14からの出力では、垂直バスライン121〜124の非動作状態から動作状態への移行に伴って電圧レベルの変動が生じることから、図2(d)に示す従来の出力ラインからの出力のように、水平アドレス選択部130における出力の切り替えに伴って電圧レベルの変動ピークP11〜P14が生じる電圧波形となる。
しかしながら、ここでは、読み出し信号として出力されるのが出力ライン13を介した出力であり、ダミーライン14を介した出力は読み出し信号には影響しない。したがって、このようなダミーライン14における電圧レベルの変動は、読み出し信号には影響しない。
一方、図2(a)に示すように、出力ライン13から得られる出力、すなわち、出力ライン13から出力される読み出し信号では、前述のように信号読み出しに寄与するダミーライン14を当該信号読み出し動作の前に予め非動作状態から動作状態としておくことが可能であることから、図2(d)に示す従来の出力ラインからの出力のような電圧レベルの変動ピークP1〜P4が抑制され、オーバーシュートが抑制された滑らかな電圧波形の実現が図られる。したがって、ノイズの発生等が抑制された良好な特性の半導体撮像装置を実現することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路では、水平アドレス選択部130における出力の切り替え周期(すなわち、列の選択周期)が、図5の従来例の場合のように出力ライン53における電圧レベルの変動が安定するまでの時間を要することがなく、よって、水平アドレス選択部130における出力の切り替えが速やかに行われて水平方向の画素100a〜100hの切り替えが高速で行われる。その結果、各画素100a〜100hの信号読み出し周期の短縮化が図られ、高速応答が可能となる。
また、この場合、出力アンプの負荷Tr11に流す電流量を増やすことなく上記のように出力ライン13からの出力において電圧変動を抑制することが可能であるため、出力のリニアリティの低下や出力振幅の減少を招くことがなく、よって、感度の低下を防止することが可能となる。
また、かかる構成の本実施の形態では、ダミーライン14と、かかるダミーライン14への出力制御を行う水平選択第二スイッチTr171〜174とをさらに配設する簡単な構成によって上記効果が奏されるので、図6に示す従来例のようにトランジスタの配設数が増加して回路構成が複雑になるのを防止できる。したがって、かかる本実施の形態の半導体撮像装置では、消費電力の低減化が図られる。その結果、消費電力の低減化が望まれる携帯機器に利用するのにより有効であり、また、装置内を低温に保持した状態での使用が望まれる装置により有効である。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路の構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施の形態の半導体撮像装置における信号読み出し回路は、図1の実施の形態1と同様の構成を有するが、以下の点が実施の形態1とは異なっている。
実施の形態1では、ドライブTr181〜188のドレインが電源端子Vcc18に接続されるとともに出力アンプを構成する負荷Tr11およびダミーアンプを構成する負荷Tr12のソースがGND10に接続されて接地された構成であるのに対して、本実施の形態は、実施の形態1における電源配設側と接地側との位置関係を反対にした構成とし、かつ、ドライブTr181〜188、垂直選択スイッチTr1411〜1414,1421〜1424、水平選択第一スイッチTr161〜164、水平選択第二スイッチTr171〜174、および負荷Tr11,12を全て実施の形態1のようなnMOSFETではなくpMOSFETで構成した点が実施の形態1とは異なっている。
具体的に、本実施の形態の信号読み出し回路では、図3に示すように、ドライブTr181〜188のドレインがGND10に接続されて接地されており、負荷Tr12および負荷Tr11のソースが電源端子Vcc18に接続されている。かかる構成の本実施の形態においても、実施の形態1において前述した効果が奏される。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路の構成を示す模式図である。図4に示すように、本実施の形態にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路は、図1に示す実施の形態1の信号読み出し回路と同様の構成を有するが、実施の形態1ではダミーライン14(図1参照)が一本配設された構成であるのに対して、本実施の形態では、複数のダミーライン14,414が配設されている。
具体的に、本実施の形態の信号読み出し回路では、二本のダミーライン、すなわち第一ダミーライン14と第二ダミーライン414とが配設されている。第一ダミーライン14への出力を制御する構成は実施の形態1と同様であり、具体的には、水平選択第二スイッチTr171〜174によって第一ダミーライン14への出力が制御される。
また、第二ダミーライン414は、各画素100a〜100hからの出力を水平選択第二スイッチTr171〜174の上流側において取り出し可能に構成されている。そして、この第二ダミーライン414への出力は、水平選択第三スイッチTr4171〜4174によって制御されている。
水平選択第三スイッチTr4171は、ゲートが第一列選択信号出力ライン121dよりも2周期前に動作状態になる信号出力ラインに接続され、ドレインが垂直バスライン121に接続され、ソースが第二ダミーライン414に接続されている。水平選択第三スイッチTr4172は、ゲートが第一列選択信号出力ライン121dよりも1周期前に動作状態になる信号出力ラインに接続され、ドレインが垂直バスライン122に接続され、ソースが第二ダミーライン414に接続されている。水平選択第三スイッチTr4173は、ゲートが第一列選択信号出力ライン121dに接続され、ドレインが垂直バスライン123に接続され、ソースが第二ダミーライン414に接続されている。水平選択第三スイッチTr4174は、ゲートが、第二列選択信号出力ライン122dに接続され、ドレインが垂直バスライン124に接続され、ソースが第二ダミーライン414に接続されている。
第二ダミーライン14の下流端は、ダミーアンプの負荷Tr412のドレインに接続されている。負荷Tr412は、ソースがGND10に接続されており、ゲートが、第一ダミーライン14と共通のバイアス16に接続されている。第一ダミーライン14の構成は、実施の形態1のダミーライン14と同様である。
かかる構成の本実施の形態の信号読み出し回路では、本動作である信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン121〜124に隣接した複数の垂直バスライン121〜124が、信号読み出し動作の前に、予め複数本同時に非動作状態から動作状態に移行する。
ここでは、垂直バスライン121を介した信号読み出し動作が行われる際に、垂直バスライン122と垂直バスライン123とが同時に動作状態となる。また、垂直バスライン122を介した信号読み出し動作が行われる際に、垂直バスライン123と垂直バスライン124とが同時に動作状態となる。また、垂直バスライン123を介した信号読み出し動作が行われる際に、垂直バスライン124と図示しない隣接する垂直バスラインとが同時に動作状態となる。また、垂直バスライン124を介した信号読み出し動作が行われる際に、図示しない隣接する垂直バスラインとが同時に動作状態となる。
以下、本実施の形態の信号読み出し回路における信号読み出し動作について詳細に説明する。ここでは、図1の実施の形態1の信号読み出し回路と同様の点については説明を省略し、本実施の形態の特徴点について説明する。
例えば、垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141と水平アドレス選択部130の第一列目選択部131とから出力された場合には、第一行選択信号出力ライン1410を介して出力された信号によって垂直選択スイッチTr1411〜1414がON状態となる。また、この際、第一列目選択部131から第一列選択信号出力ライン121bを介して出力された信号によって水平選択第一スイッチTr161がON状態となるとともに、第一列選択信号出力ライン121cを介して出力された信号によって水平選択第二スイッチTr172がON状態となり、さらに、第一列選択信号出力ライン121dを介して出力された信号によって水平選択第三スイッチTr4173がON状態となる。
かかる状態では、画素100eから垂直バスライン121を介して出力された画素信号が、分岐バスライン121aおよび水平選択第一スイッチTr161を介して出力ライン13に出力され、読み出し信号として外部に取り出される。そして、これと同時に、画素100fの画素信号が、垂直バスライン122および水平選択第二スイッチTr172を介して第一ダミーライン14に出力されるとともに、画素100gの画素信号が、垂直バスライン123および水平選択第三スイッチTr4173を介して第二ダミーライン414に出力される。
このように、本実施の形態の信号読み出し回路では、画素100eの信号読み出し動作の際に、垂直バスライン122から第一ダミーライン14に出力が行われるとともに、垂直バスライン123から第二ダミーライン414に出力が行われる。したがって、信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン121だけが動作状態となると同時に、続いて順次信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン122および垂直バスライン123が、予め非動作状態から動作状態に移行する。したがって、実施の形態1と同様の効果が奏される。
上記のように垂直アドレス選択部140の第一行目選択部141からの出力が保持された状態で、水平アドレス選択部130における出力を第一列目選択部131から第二列目選択部132に切り替えると、垂直選択スイッチTr1411〜1414がON状態に保持された状態で、以下の状態が実現される。
すなわち、この場合には、水平アドレス選択部130の第二列目選択部132から第二列選択信号出力ライン122bを介して出力された信号によって水平選択第一スイッチTr162がON状態となるとともに、第二列選択信号出力ライン122cを介して出力された信号によって水平選択第二スイッチTr173がON状態となり、さらに、第二列選択信号出力ライン122dを介して出力された信号によって水平選択第三スイッチTr4174がON状態となる。
かかる状態では、画素100fから垂直バスライン122を介して出力された画素信号が、分岐バスライン122aおよび水平選択第一スイッチTr162を介して出力ライン13に出力され、読み出し信号として外部に取り出される。そして、これと同時に、画素100gの画素信号が、垂直バスライン123および水平選択第二スイッチTr173を介して第一ダミーライン14に出力されるとともに、画素100hの画素信号が、垂直バスライン124および水平選択第三スイッチTr4174を介して第二ダミーライン414に出力される。
このように、本実施の形態の信号読み出し回路では、画素100fの信号読み出し動作の際に、垂直バスライン123から第一ダミーライン14に出力が行われるとともに、垂直バスライン124から第二ダミーライン414に出力が行われる。したがって、信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン122が動作状態となると同時に、続いて順次信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン123および垂直バスライン124において、予め動作状態を実現することが可能となる。
以下同様にして、水平アドレス選択部130の出力が第二列目選択部132から第三列目選択部133に切り替わった際には、第三列目選択部133から第三列選択信号出力ライン123bを介して出力された信号によって水平選択第一スイッチTr163がON状態となるとともに、第三列選択信号出力ライン123cを介して出力された信号によって水平選択第二スイッチTr174がON状態となり、さらに、第三列選択信号出力ライン123dを介して出力された信号によって図示しない隣接の水平選択第三スイッチTrがON状態となる。
かかる状態では、画素100gから垂直バスライン123を介して出力された画素信号が、分岐バスライン123aおよび水平選択第一スイッチTr163を介して出力ライン13に出力され、読み出し信号として外部に取り出される。
そして、これと同時に、画素100hの画素信号が、垂直バスライン124および水平選択第二スイッチ174を介して第一ダミーライン14に出力されるとともに、図示しない隣接の画素の画素信号が、図示しない隣接の垂直バスラインおよび水平選択第三スイッチTrを介して第二ダミーライン414に出力される。
このように、この場合には、信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン123が動作状態となると同時に、続いて順次信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン124および当該垂直バスライン124に隣接する図示を省略した垂直バスラインにおいて、予め動作状態を実現することが可能となる。
ここでは図示および詳細な説明を省略するが、水平アドレス選択部130の出力が第三列目選択部133から第四列目選択部134に切り替わった際にも、上記のような本動作の垂直バスラインによる出力ライン13を介した読み出し信号の出力と同時に、当該本動作の垂直バスラインに隣接する垂直バスラインにより、第一および第二ダミーライン14,414を介した出力が行われるので、本動作の前に予め動作状態を実現することが可能となる。
さらに、垂直アドレス選択部140からの出力が第一行目選択部141から第二行目選択部142に切り替わった際にも、水平アドレス選択部130における第一列目選択部131から第四列目選択部134までの出力切り替えの際には、上記の第一行目選択部141が選択された場合と同様の動作が行われる。
以上のように、本実施の形態では、本動作である信号読み出し動作に寄与する垂直バスライン121〜124と信号読み出し方向において順次隣接する二本の垂直バスライン121〜124において、予め動作状態を実現することができる。したがって、このような本実施の形態の信号読み出し回路を備えた半導体撮像装置では、実施の形態1において前述した効果が奏される。
特に、この場合には、垂直バスライン121〜124が、信号読み出し動作に寄与する2周期前において予め非動作状態から動作状態に移行するため、実施の形態1のように垂直バスライン121〜124が信号読み出し動作に寄与する1周期前において予め移行する場合よりも、より確実に出力ライン13からの出力の電圧レベル変動を抑制することが可能となる。
例えば、信号の読み出し周期がより短くなった際には、実施の形態1のように信号読み出し動作の1周期前に垂直バスライン121〜124を予め動作状態に移行させると当該移行に十分な時間をとれないおそれがある。これに対して、本実施の形態では、信号読み出し動作の2周期前に垂直バスライン121〜124を予め動作状態に移行させるので、短い信号読み出し周期にも対応可能である。
本発明にかかる半導体撮像装置の信号読み出し回路における画素100a〜100hの信号読み出し順序は、上記の実施の形態1〜3の順序に限定されるものではない。例えば、実施の形態1〜3では画素領域1の一端の画素100eから順に信号読み出し動作が行われる場合を例示したが、これ以外に位置する画素から順に信号読み出し動作を行ってもよい。
また、上記の実施の形態1〜3においては、通常は隣接する画素100a〜100hを順次走査して信号読み出しが行われることに対応して、信号読み出し方向において隣接する画素100a〜100hが同時に動作状態となる構成としたが、隣接する画素100a〜100hの順に信号読み出し動作が行われない構成である場合には、信号読み出しの順序に応じてダミーライン14,414への接続が形成される。
また、上記の実施の形態1〜3においては、画素100a〜100hが二次元に配列された構成の信号読み出し回路について説明したが、本発明にかかる信号読み出し回路は、画素が一次元に配列された構成であってもよい。かかる一次元構成の信号読み出し回路は、例えば、各垂直バスラインに接続された複数の画素が一行に配列された構成であってもよい。さらに、上記の実施の形態3においては第一および第二ダミーライン14,414を配設する場合について説明したが、ダミーラインの配設数は、これに限定されるものではなく、画素の配設数等に応じて適宜設定される。
(付記1)複数の画素から出力される画素信号を出力ラインから順次読み出す読み出し回路を備えた半導体撮像装置において、
前記複数の画素信号が出力され、かつ、前記出力ラインと出力ライン接続スイッチ手段を介して接続される複数のバスラインと、
前記複数のバスラインと単数または複数のダミーライン接続スイッチ手段を介して接続される単数または複数のダミーラインとを備え、
1の前記バスラインに接続されている前記出力ライン接続スイッチ手段を動作状態として、該1のバスラインに出力されている前記画素信号を前記出力ラインから読み出す動作の前に、予め該1のバスラインに接続されている前記ダミーライン接続スイッチ手段を動作状態にすることを特徴とする半導体撮像装置。
(付記2)読み出し対象となる前記画素信号が出力されている前記バスラインに接続されている前記出力ライン接続スイッチ手段を動作状態にするために該出力ライン接続スイッチ手段に入力する第一方向選択信号を、前記読み出し対象となる前記画素信号の次以降に読み出し対象となる前記画素信号が出力されている前記バスラインに接続されている前記ダミーライン接続スイッチ手段にも入力する構成を有することを特徴とする付記1に記載の半導体撮像装置。
(付記3)複数の画素から出力される画素信号を出力ラインから順次読み出す読み出し回路を備えた半導体撮像装置において、
前記複数の画素信号が出力され、かつ、前記出力ラインと第一スイッチ手段を介して接続される複数のバスラインと、
前記複数のバスラインと第二スイッチ手段を介して接続されるダミーラインとを備え、
1の前記バスラインに接続されている前記第一スイッチ手段を動作状態として、該1のバスラインに出力されている前記画素信号を前記出力ラインから読み出す動作の前に、予め該1のバスラインに接続されている前記第二スイッチ手段を動作状態にすることを特徴とする半導体撮像装置。
(付記4)前記1のバスラインに接続されている前記第一スイッチ手段を動作状態にするために、該第一スイッチ手段に入力する第一方向選択信号を、前記1のバスラインに出力されている前記画素信号の次に読み出し対象となる前記画素信号が出力されている前記バスラインに接続されている前記第二スイッチ手段にも入力する構成を有することを特徴とする付記3に記載の半導体撮像装置。
(付記5)各前記第一スイッチに入力される前記第一方向選択信号は、1周期毎に順次切り替わることで、前記第一スイッチ手段を動作状態にする1周期前に、前記第二スイッチ手段を動作状態にすることを特徴とする付記4に記載の半導体撮像装置。
(付記6)前記出力ラインには出力アンプを構成するための出力アンプ用負荷トランジスタが接続されており、前記ダミーラインにはダミーアンプを構成するためのダミーアンプ用負荷トランジスタが接続されており、
前記ダミーアンプ用負荷トランジスタは、前記出力アンプ用負荷トランジスタと同一のゲート長および同一のゲート幅を有することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の半導体撮像装置。
(付記7)前記読み出し回路を構成する前記スイッチ手段は、トランジスタにより構成されたことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の半導体撮像装置。
(付記8)前記負荷トランジスタおよび前記スイッチ手段を構成するトランジスタは、nMOSFETであることを特徴とする付記7に記載の半導体撮像装置。
(付記9)前記負荷トランジスタおよび前記スイッチ手段を構成するトランジスタは、pMOSFETであることを特徴とする付記7に記載の半導体撮像装置。