JP4388826B2 - 自動2輪車用車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、自動2輪車車体構造に係り、特にヘッドパイプを短縮化したものに関する。
自動2輪車における従来のヘッドパイプは、ステアリング軸を回転自在にベアリング支持するための筒状をなす部材であってメインフレームの前端部へ取付けられている。このヘッドパイプは高さ(軸線方向の寸法)に比較的大きな所定の寸法が必要であった。すなわち、メインフレームはヘッドパイプから後方に延び、車体の剛性を確保するとともにエンジンを支持する部材であることから、メインフレームの上下方向の高さ寸法を長くすることによって強度を持たせていた。したがってこのメインフレームに接続されるヘッドパイプの高さ寸法も長くされることになった。また、ヘッドパイプの上下端部にはそれぞれ略同径のベアリングを受けるベアリング支持部を備え、これら上下のベアリング支持部間隔を比較的大きくする必要からもヘッドパイプの高さ寸法を長くすることになり、その結果、ヘッドパイプの高さとヘッドパイプのベアリング支持部内径との比率が5:1以上となっていた(特許文献1参照)。
特開2002−347684号公報
上記従来例のようにヘッドパイプの高さ方向寸法が長いと、ヘッドパイプ上部近傍に配置されるメータ類の視認性を確保するために、メータ類の位置を上方に上げるなどの措置が必要であった。また、ヘッドパイプ回りの空間にはハンドル操作によって連れ回りされるスロットルワイヤやクラッチケーブル等が配置される。したがってヘッドパイプが高ければそれだけ上下方向へ長く上記空間を占拠し、これら部品の配置における自由度が制限される。
このため、ヘッドパイプを短縮化することが望まれるが、前記メインフレームやベアリング支持部間隔からの制約がある。このうちメインフレームの制約はヘッドパイプを取付ける車体フレームの構造の工夫により解消できるがベアリング支持部間隔による制約が残る。
そこで本願発明は、このような制約を解消してヘッドパイプの短縮化を実現させることを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に係る自動2輪車用車体構造は、ブリッジ部材を介してフロントフォークと連結されたステアリング軸をベアリングを介して支持するヘッドパイプを備えた自動2輪車において、
前記ヘッドパイプの一端側外径よりも他端側内径の方を大きくしたことを特徴とする。
また、前記ヘッドパイプの高さHと、大径側である前記他端側内径D2との比率(H/D2)を2以下とする以下とする。

請求項は上記請求項1において、前記ヘッドパイプの長さ方向両端にそれぞれベアリング支持部を設けるとともに、これらベアリング支持部における径方向の肉厚を、一端側と他端側で異ならせたことを特徴とする。
請求項は上記請求項1において、 前記ステアリング軸の大径側端部を前記ブリッジ部材と連続させて前記ステアリング軸と前記ブリッジ部材を一体に形成したことを特徴とする。
請求項は上記請求項1において、前記ヘッドパイプの下部側に前記大径部を配置したことを特徴とする請求項1の自動2輪車用車体構造。
請求項1によれば、ヘッドパイプの上下端部において、一端側の外径よりも他端側の内径を大きくすることにより、上下のベアリング支持部径を異ならせ、上下のベアリングを径の異なる組合せで使用する。これにより、大径のベアリングを支持するヘッドパイプの大径側端部におけるベアリング支持部が大径となることにより、ベアリングの保持剛性を向上できる。このため、保持剛性の増加分だけベアリング支持部間隔を短くしてヘッドパイプを高さ方向で短縮化することができる。その結果、ヘッドパイプ上部近傍に配置されるメータ類に対して特別な対応措置を講じなくても視認性を向上させることができる。
また、ヘッドパイプ上方の空間を拡大し、かつヘッドパイプ回りの上下方向空間を短縮するので、これらの空間に対する部品の配置における自由度を大きくすることができる。
そのうえ、ヘッドパイプの高さと大径側である他端側内径との比率を以下とすることにより、剛性を維持しながらもヘッドパイプの高さを抑えることができる。
請求項によれば、ヘッドパイプの他端側は外径が大きいため剛性が高い。そこでこの部分に形成されたベアリング支持部の径方向における肉厚を、反対側の小径端部側よりも薄くすることができ、それだけ、剛性を維持しながらも軽量にできる。
請求項によれば、ヘッドパイプの上下端部に設けられたベアリングを異なる径を有するものの組合せとしたことに対応して、ステアリング軸の径を上下で異ならせ、その大径側端部をブリッジ部材と連続させたので、ステアリング軸とブリッジ部材の接続部に大きな荷重がかかるにもかかわらず十分な剛性の確保が容易になる。その結果、ステアリング軸とブリッジ部材を一体に形成することによる強度の向上並びに軽量化及び製造コストの低減が可能になった。
請求項によれば、ヘッドパイプの大径側をヘッドパイプの下部に配置したので、前輪から来る下方の荷重を、ヘッドパイプが大径部にて有効に支承するとともに、車体の低重心化に寄与できる。
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。図1は本実施形態の適用された自動2輪車の全体側面図であり、1は前輪、2はフロントフォーク、3はヘッドパイプ、4はハンドルである。ヘッドパイプ3にはステー5が前方へ突出して設けられ、ここにハンドルロック6及びメータ6aが支持される。符号6bはキーである。
ステー5の前端部にはフロントカウル7が支持される。フロントカウル7は車体前部から左右両側まで延び、前傾したエンジン8の両側を覆う。エンジン8は並列4気筒であり、シリンダ9の前側をセンターフレーム10、上側をサイドフレーム11で支持される。エンジン8の後部側にはリヤフレーム12が取付けられる。センターフレーム10、左右のサイドフレーム11及びリヤフレーム12の4パーツによって車体フレームが構成される。
リヤフレーム12にシートレール13及びバックステー14の各前端部が取付けられ、これらは斜め上がり後方へ延びている。15はシートレール13とバックステー14の各前端部を連結するブラケットであり、リヤフレーム12へ取付けられる。
サイドフレーム11とリヤフレーム12によりエンジン8の上方に燃料タンク16が支持され、この燃料タンク16の前部内へ入り込んでエアクリーナ17がサイドフレーム11の上方へ配置される。燃料タンク16の底部とサイドフレーム11の間には側面視で間隙18があり、この間隙18内に気化器19
が配設される。シートレール13にはリヤカウル20及びシート21が配設される。小型・軽量化されたサイドフレーム11をシリンダ9の側面に沿って配置することにより、燃料タンク16の配置に関する自由度が大きくなった。
リヤフレーム12にはリヤスイングアーム22の前端がピボット23で揺動自在に支持される。リヤスイングアーム22の後端には後輪24が支持される。リヤスイングアーム22の中間部とリヤフレーム12の上端部間には後輪サスペンション用のリヤクッション25が支持される。エンジン8の出力スプロケット8aと後輪24と同軸の後輪スプロケット24a間にはチェーン26が巻き掛けられる。
符号2aはトップブリッジ、2bはボトムブリッジ、27はラジエタ、28は排気管である。ラジエタ27は高剛性のセンターフレーム10を後述するように車幅方向を狭くしてかつシリンダ9の前面へ沿って配置することにより、その前側周囲に形成されたスペースを利用して比較的大型のものを自由度高く配置できる。排気管28はシリンダ9から前方へ出てセンターフレーム10を貫通してからエンジン8の下方へ回り込んで後方へ延び、マフラー29へ連続する。マフラー29は後輪24と重なって斜め上方へ延びる。
図2はエンジン8と一体化された車体フレーム構成を示す側面図、図3はその斜め後ろ上方から示す斜視図、図4は斜め前下方から示す斜視図である。
まず図2において、エンジン8は前傾のシリンダ9を備え、このシリンダ9は前傾したシリンダ軸線C1を有する。
車体フレームを構成する、センターフレーム10,サイドフレーム11及びリヤフレーム12はアルミ合金のような軽合金等の適宜金属材料からなる開放断面の鍛造品であり、自由度の高い製法を採用できる。但し、鍛造に限らず、鋳造等の種々な製法によっても成形できる。またこれらを開放断面としたことにより、強度及び剛性を確保する最適形状にできる。これにより高剛性、軽量化、重量マスの集中化を達成できる。さらに、これらの取付を容易にして車両の組立工数を削減できる。そのうえフレーム部品のモジュール化が容易になり、車両の組立時間を大幅に短縮できる。
また、ヘッドパイプ3から車体フレーム側へ加わる力は、上下方向と左右方向に分かれて伝達され、上下方向の力は主にセンターフレーム10で受け止められ、左右方向の力は主に左右のサイドフレーム11で受け止められる。
センターフレーム10は上端(前端)にヘッドパイプ3を一体に鍛造してあり、側面視でシリンダ9の前面に当接する取付面はシリンダ軸線C1と略平行に前傾して上下方向へ延びている。下部側の輪郭線は側面視で略くの字形をなし、中間部が最も肉厚となっている。
中間部を挟んで上下を上部10aと下部10bとしたとき、下部10bには上方から下端部へ、ボス30、31及び32が設けられ、これらのボスにて車体前方からシリンダ9の前面へボルト止めされる。このうち上部のボス30はシリンダ9のヘッドカバー9a上端前部へボルト止めされる。中間部のボス31はシリンダヘッド9bの上端前部へボルト止めされる。下端部はボス32にてシリンダヘッド9b下方のクランクケース8a近傍部へボルト止めされる。
サイドフレーム11は側面視で略菱形状をなし、その上端(前端)部40はボルト40aでヘッドパイプ3の後側上部へ側方からボルト止めされる。上端部40の上面にはタンクステー41が上方へ突出して一体に設けられ、ここに燃料タンク底部前端を支持するブラケット16a(図1)の下部をボルト止めする。サイドフレーム11はこれを取り外してもセンターフレーム10がフロントフォーク2とエンジン8を連結しているため車両が姿勢を維持できる。このため着脱自在になり、これを取り外してシリンダ9の側部等をメンテナンスすることが簡単になる。
中間部の最も側面視幅が広い部分において前側のボス42でヘッドカバー9aの上部前側へボルト42aで側方からボルト止めされる。この位置はボス30のボルト止め部に近接している。また、シリンダ軸線C1を挟んで後側となるのボス43がボルト43aでヘッドカバー9aの後側上端部へ側方からボルト止めされる。このようにすると、最も剛性の高い部分でヘッドカバー9aを支持できる。
サイドフレーム11の下端部はボス44にて側方からボルト44aでクランクケース8aの前側上部でシリンダヘッド9が取付けられる部分の背面側へボルト止めされる。この部分にはラジエタからの給水パイプ8bが設けられている。サイドフレーム11の周囲はリブ45で囲まれ、中間部のボス42、43間もリブ46で連結されている。
リヤフレーム12は側面視略アーチ状をなし、上部12aと下部12bを備える。上部12aの前端(上端)はボス50が設けられ、ボルトでクランクケースの前側上部でサイドフレーム11の下端部が取付けられている部分近傍へ取付けられている。上部12aの中央部には突部52が設けられ、その頂部近傍部分側面に左右方向へ通し穴52aが設けられ、ここに通したボルトによりリヤクッション25の上端部を支持する。
図示の側面視で、中間部はボルト51でクランクケース後部8cの後端上部へ側方からボルト止めされている。ボルト51を挟んで前上方及び後下方へ突出する突部52,53が形成される。突部53にも通し穴53aが設けられ、、ここでバックステー14の前端部がボルトにより連結される。
下部12bにはピボット23が設けられている。さらにその下方には、リヤステップブラケットを取付けるためのステー54,55が設けられている。
図3に示すように、サイドフレーム11の前(上)半部11a側は、ヘッドカバー9aの上端部左右側面から斜め上方へ車体中心側へ延びてヘッドパイプ3の左右へ当接する。サイドフレーム11の後(下)半部側11bはシリンダ9の左右両側面に沿って斜め下方へ延び、エンジン8の車幅方向(左右方向)の荷重を支持するようになっていている。
サイドフレーム11はエンジン8の上面を覆わないように配置され、エンジン上面側に対する良好なメンテナンス性を確保している。ヘッドカバー9aの上端前部には複数の突部60が横一列に設けられ、それぞれにはナット61が一体化され、ここにセンターフレーム10のボス30(図2)がそれぞれボルト止めされる。
リヤフレーム12はクランクケース後部8cの上面を上部12a側がほぼ車幅方向全体に広がって覆うクロス部をなし、その前端左右両コーナー部にボス50が設けられ、ボルト50aにて後上方からクランクケース8aの前部上面における前上がりに傾斜する壁面へボルト止めされる。上部12aの中央は山形に隆起する突部52をなし、その頂部にナット部52bが設けられ、ここへブラケット15(図1)の上端部が取付けられる。上部12aの左右両側には肉抜き穴56が設けられている。
リヤフレーム12の下部12bは左右へ分かれてクランクケース後部8cの後部側面に沿って上下方向へ延びるピボットプレートをなし、それぞれに設けられたピボット穴23a内にはピボット軸57の両端部が通されて固定される。ピボット軸57はクランクケース後部8cの後端部中央から後方へ突出する軸受部62及びその左右でへ下部12bの内側に位置するリヤスイングアーム22(図示省略、図1参照)を左右へ貫通する。
図4に示すように、センターフレーム10はシリンダ9の前面中央側に沿って斜め上下方向へ設けられる部材である。上部10aはヘッドパイプ3の下方へ連続する略台形をなす部分であり、ヘッドカバー9aの前方に位置し、ボス30に相当する部分には横一列に複数(本例では3つ)の凹部30bが設けられ、ここにボルトを入れてヘッドカバー9aへボルト止めするようになっている。
符号33はラジエタ取付用のボスであり、上部10aの左右へ一体に設けられる。ボス30より下方の下部10bには、上下方向へ延びる複数列(本例では3列)のリブ34が形成され、各リブ34間に下向きに開放された凹部35が形成され、この凹部35を通して排気管28の前端部が配管され、排気口63へ接続される。
リブ34の中間部にはボス31が形成され、下端部にも同じくボス32が形成され、それぞれに凹部31b、32bが設けられ、ここへ入れたボルトによりシリンダヘッド9b及びクランクケース8aの各前面に前方へ突出して設けられたボス64、65へ取付けられる。
センターフレーム10の車幅方向幅は、シリンダ9の幅の略半分の幅となっており、左右の各ボス30,31及び32は少なくとも一部が正面視でセンターフレーム10の車幅方向内側に位置する。中央列の各ボスは当然に車幅方向内側となる。
図5は、ヘッドパイプ3の部分の断面を示し、ヘッドパイプ3は上部が狭く、下部が広い略円錐台状をなし、内側にドーム状をなす空間70が設けられる。この空間70に臨み、ヘッドパイプ3の上端に設けられた上側軸受部71に小径ベアリング72が嵌合されている。ヘッドパイプ3の下端にも下側軸受部73が設けられ、ここに大径ベアリング74が設けられている。
空間70にはステアリング軸80が貫通して収容されている。ステアリング軸80も中空で上端に小径部81、下端部に大径部82を設けた略円錐台状である。小径部81は小径ベアリング72で軸受けされる部分である。大径部82は大径ベアリング74で軸受けされる部分である。
ステアリング軸80の上端部は小径部81よりさらに上方へ突出してネジ部83をなし、ここでトップブリッジ2aとナット84により締結一体化される。トップブリッジ2aの前端にはロックプレート66が一体に形成され、ここをハンドルロック6によりロックしてステアリング軸80の回動を不能にするようになっている。ステアリング軸80の外周は上方へ向かって小径化するテーパー面になっている。大径部82より下方もさらに大径をなしてヘッドパイプ3の下方へ延出する基部85をなし、ここでボトムブリッジ2bと連結される。
図6は、センターフレーム10の上面視図であり、上面にもその左右及び中央に長さ方向へ上下にリブ36が設けられ、上端はヘッドパイプ3へ達している。隣り合うリブ36間には上方へ開放された凹部37をなす。下部10bには凹部35の上面35aに上下2段に左右2個ずつの穴38、39が形成され、上側2つの穴38は丸穴の肉抜き部をなし、下側2つの穴39は角穴をなし、ここに中央2気筒分の排気管28が通るようになっている。左右両側の2気筒分の排気管28は、それぞれセンターフレーム10の左右両側外方へ配設されている(図4参照)。C2はセンターフレーム10の軸線であり、車幅方向中央を通り、車体組立時には車体中心線と略一致する。
図7は図6の7−7線断面図であり、上部10aにはリブ36と上向きに開放された肉抜き部である凹部37が設けられ、凹部37の底部37aは、下部10bにおける上面35aよりも厚い所定の肉厚を有する。符号75はステー5の取付用突部、76はサイドフレーム11の前端部40を取付けるための取付ボスであり、それぞれヘッドパイプ3と一体に形成される。取付ボス76にはボルト通し穴76aが設けられ、ここにサイドフレーム11の上端部40を取付けるためのボルト40aが通されてサイドフレーム10と結合される(図5参照)。
各ボス30、31,及び32のシリンダ側へ当接する上面は、それぞれシリンダ取付面を構成し、各シリンダ取付面と互いに略平行である。図中のC2はセンターフレーム10の側面視における軸線であり、長さ方向両端の連結部における厚みの中間点を結んだ線である。このセンターフレーム軸線C2もシリンダ軸線C1と略平行であり、センターフレーム10がより一層効率よくエンジン8の上下方向荷重を受け止めることができる。
センターフレーム10におけるボス30部分は、ヘッドパイプ3を除く部分で最も前方へ突出して側面視幅が広い部分であり、剛性が最も高くなっている。
また、符号Lで示すようにボルト30aの締結線は後上がりの斜めになっており、エンジン8の荷重はボルト締結線L方向すなわちボルト30aの軸方向に対する圧縮力として作用するようになっている。ボス31及び32も同様であり、31a及び32aはボルトである。
また、側面視でセンターフレームの軸線C2と直交する方向に幅広く形成されるリブ34を3列で上下方向へ略平行に設けたので、凹部35及び穴38、39を設けても十分な剛性を確保できる。したがって、隣り合うリブ34の間を通って排気管28を配設するためのスペースを確保するとともに、大きな肉抜きにより軽量化できる。
そのうえ、この車体構成を有する自動2輪車にて走行するとき、ブレーキをかけるとエンジン8の荷重は前下方にかかるが、この荷重をシリンダ9と略平行に配置されたセンターフレーム10によりエンジン8の前方を支える。したがって、センターフレーム10により、ブレーキ作動時におけるエンジン8の荷重をしっかりと受けることができる。
図8はヘッドパイプ3の側面外観及びその一部を切り欠いた図であり、上部10aの側部先端はヘッドパイプ3の側面へ一体化している。ヘッドパイプ3の外表面における軸方向中間部にはくびれ部77が形成され、この部分は最も薄肉になっている(図5参照)。また、大径部の剛性が大きくなるため、上端部側のベアリング支持部である小径部71の径方向における肉厚T1に対して、下端部側のベアリング支持部である大径部73径方向における肉厚T2の方を薄くし(T1>T2)、上下で肉厚を異ならせて軽量化を図っている。
上端である小径部71の外径D1に対して、下端部である大径部73の内径D2の方が大きくなっている(D1<D2)。また、小径部71の外周面3aと、大径部73近傍の内周面3bは互いの延長上にあり、内周面3bの内径は外周面3aの外径D1と略一致する。したがって、内径D2は大径部73のために内周面3bから径方向外方へ入り込む段部3cの分だけ大きくなっているている。
さらに、ヘッドパイプ3の高さHと大径部73の内径D2との比、H/D2が2以下となっており、ヘッドパイプ3の長さ方向寸法が短縮している。このような短縮化は、上下のベアリングを大小に相違させ、下方の大径部73で大径ベアリング74を受けることにより保持剛性を向上させ、その結果、上下のベアリング間距離を短縮化したことにより実現できた。
しかも、大径ベアリング74がヘッドパイプ3の下方に位置することになるので、前輪1から来る下方の荷重を、ヘッドパイプ3が大径ベアリング74を介して有効に支承するとともに、車体の低重心化に寄与できる。
次に、本例の作用を説明する。図8に示すように、ヘッドパイプ3の上下端部において、上端側の小径部71における外径D1よりも下端側の大径部73の内径D2を大きくすることにより、上下のベアリング支持部である小径部71と大径部73の径を異ならせ、上下のベアリング72と74を径が大小に異なる組合せで使用する。
このため、大径のベアリング74を支持する大径部73が大径となることにより、ベアリングの保持剛性を向上でき、この保持剛性の増加分だけベアリング支持部間隔を短くしてヘッドパイプの高さHを短縮化することができる。
その結果、ヘッドパイプ3の上部近傍に配置されるメータ類に対して特別な対応措置を講じなくても視認性を向上させることができる。
また、ヘッドパイプ上方の空間を拡大し、かつヘッドパイプ回りの上下方向空間を短縮するので、これらの空間に対する部品の配置における自由度を大きくすることができる。
また、ヘッドパイプ3の高さHと大径部73の内径D2との比率(H/D2)以下とすることにより、剛性を維持しながらもヘッドパイプ3の高さを抑えることができる。しかも、ヘッドパイプ3の上端部位置を従来のものより低くすることができるので、図1に仮想線で示すように、ハンドル4をヘッドパイプ3の上端部位置まで下げることができる。このようにすると車体を低重心させることができる。
さらに、ヘッドパイプ3の大径部73側は外径が大きいため剛性が高い。そこでこの部分に形成されたベアリング支持部の径方向における肉厚T2を、反対側の小径端部71側におけるベアリング支持部の径方向における肉厚T1よりも薄くすることができ、それだけ、剛性を維持しながらも軽量にできる。
そのうえ、ヘッドパイプ3の大径部73をヘッドパイプ3の下部に配置したので、前輪1から来る下方の荷重を、ヘッドパイプ3が大径部73にて有効に支承するとともに、車体の低重心化に寄与できる。
図9及び図10はステアリング軸の別実施例であり、図9はステアリング軸の上面視図、図10は図9のA矢示方向図である。この例ではステアリング軸90の下部にボトムブリッジを一体化した点に特徴がある。すなわち、軸部91の下端部はボトムブリッジ部92と一体化され、アルミ合金の鍛造により全体が一体に形成される。なお、この例によらず軽合金等の適宜金属を鋳造や鍛造等の適宜方法でも形成できる。
ステアリング軸90のボトムブリッジ部92を除く部分である軸部91は図5に示した前の例におけるステアリング軸80とほぼ同じであり、大きなテーパー状をなして形成される。そこで共通部に共通符号を示して細部の説明を省略する。
ボトムブリッジ部92は、別体部品である前の例におけるボトムブリッジ2bと同様の機能と構造を備え、図9に示すように、軸部91を中心に左右両側へ腕部93が対称に延び、その先端にリング部94を設けてある。リング部94の一部にスリット95を設け、ボス96へ通したボルト(図示省略)をナット部97へ締結することによりリング部94内へ通したフロントフォーク2を固定する。
このように、軸部91を大小の組合せからなるベアリングを支持するよう大きなテーパー状に形成し、その下端部の大径部分でボトムブリッジ部92へ接続一体化してあるので、鍛造により一体に形成することができ、容易に高剛性にすることができる。また軽量かつ低コストで製造できる。
なお、従来はステアリング軸とボトムブリッジが別体に形成され、それぞれの製法や材質も異なっていることがある。すなわち、ステアリング軸は細長い円筒状であり、細いことにより要求強度を満足するため一般に鋼製となっている。またボトムブリッジはアルミ合金や鋼材を鍛造等して形成される。これらを一体化する場合、共に鋼製の場合は溶接、異種材料の場合は圧入により結合している。
ところで、上記のように別体のステアリング軸とボトムブリッジを結合するには、相互に高精度の機械加工と、溶接等による結合工程が必要となる。
また、この結合部分は大きな力を伝達必要から、二重のはめ合い構造にする等の配慮が必要であって重量増加を招き、しかもステアリング軸は鋼製でそれ自体重い部材である。しかし各部材が従来のままでは、ステアリング軸をアルミ合金等の軽量材料へ変換することは困難であった。本例によりこのような課題を解決可能になった。
なお、軸部91と一体化される部材は必ずしも上記ボトムブリッジ部材92に限定されない。例えば、スクータ型車両のようにトップブリッジを使用しない形式では、軸部下端部とフロントフォークの間を連結するブリッジ部材に代えることができる。
本実施形態の適用された自動2輪車の全体側面図 エンジンと車体フレームの一体化構造の側面図 上記一体化構造を斜め後ろ上方から示す斜視図 一体化構造を斜め前下方から示す斜視図 ヘッドパイプ部分の拡大断面図図 センターフレームの上面視図 図6の7−7線断面図 ヘッドパイプの一部切り欠き側面外観図 別実施例に係るステアリング軸の上面視図 図9のA矢示方向図
符号の説明
2a:トップブリッジ、2b:ボトムブリッジ、3:ヘッドパイプ、8:エンジン、9:シリンダ、10:センターフレーム、11:サイドフレーム、12:リヤフレーム、23:ピボット部、28:排気管、34:リブ、38:穴、39:穴、、71:小径部、73:大径部、80:ステアリング軸、90:ステアリング軸、91:軸部、92:ボトムブリッジ部

Claims (4)

  1. ブリッジ部材を介してフロントフォークと連結されたステアリング軸をベアリングを介して支持するヘッドパイプを備えた自動2輪車において、
    前記ヘッドパイプの一端側外径よりも他端側内径の方を大きくするとともに、前記ヘッドパイプの高さHと、大径側である前記他端側内径D2との比率(H/D2)を2以下とすることを特徴とする自動2輪車用車体構造。
  2. 前記ヘッドパイプの長さ方向両端にそれぞれベアリング支持部を設けるとともに、これらベアリング支持部における径方向の肉厚を、一端側と他端側で異ならせたことを特徴とする請求項1の自動2輪車用車体構造。
  3. 前記ステアリング軸の大径側端部を前記ブリッジ部材と連続させて前記ステアリング軸と前記ブリッジ部材を一体に形成したことを特徴とする請求項1の自動2輪車用車体構造。
  4. 前記ヘッドパイプの下部に前記大径側を配置したことを特徴とする請求項1の自動2輪車用車体構造。
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