JP4388018B2 - 光ファイバおよび光ファイバの偏波モード分散測定方法 - Google Patents

光ファイバおよび光ファイバの偏波モード分散測定方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバおよび光ファイバの偏波モード分散測定方法に関するものである。
本願は、2003年10月22日に出願された日本国特許出願第2003−361812号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
近年、光通信の伝送速度の高速化、伝送距離の長距離化が進むにつれて、伝送路である光ファイバには、偏波モード分散(以下、「PMD」と略す。)の低減が求められている。
光ファイバのPMDは、光ファイバのコア形状の非真円性や、コアに生じる応力の非対称性などに起因して、光ファイバ内を伝搬する、直交する2つの固有偏波成分に群速度差が生じることによって起こるモード分散である。
【0003】
PMDを決定するパラメータとしては、2つのものが挙げられる。一方は光ファイバの局所的な複屈折の大きさであり、他方は光ファイバの複屈折軸の方向が光ファイバの長手方向にどのように変化しているかを表す偏波モード結合である。
【0004】
光ファイバの局所的な複屈折の大きさは、ビート長(以下、「L」と略す。)を用いて定量化することができる。このLは、光ファイバ内に入射した任意の偏光状態が再び入射時の偏光状態に戻るまでの伝搬距離のことである。
また、光ファイバの局所的な複屈折を表すもう1つのパラメータとしては、モード複屈折率Bが挙げられる。このモード複屈折率BとLとの間には、下記の式(1)で表される関係が成り立っている。
【0005】
【数1】
Figure 0004388018
【0006】
上記の式(1)において、λは光の波長である。
光ファイバの長さが短い場合には、偏波モード結合は存在しないとみなすことができ、PMDは光速Cと光ファイバの長さLの関数として、下記の式(2)で表される。
【0007】
【数2】
Figure 0004388018
【0008】
上記の式(2)から、PMDは光ファイバの長さLに比例して増加することが分かる。一方、光ファイバの長さLが長い場合には、PMDは下記の式(3)で表される。
【0009】
【数3】
Figure 0004388018
【0010】
上記の式(3)から、PMDは光ファイバの長さLの平方根に比例して増加することが分かる。
上記の式(3)において、Lは平均結合長と呼ばれ、偏波モード結合の大きさを表すパラメータであり、偏波モード結合が大きいほど小さくなるものである。偏波モード結合の大きさは、主に光ファイバの捻じれや外部から加わる力などによって決定される。
光ファイバの長さLがLよりも短い場合には、上記の式(2)を用いてPMDを表すことができる。一方、光ファイバの長さLがLよりも長い場合には、上記の式(3)を用いてPMDを表すことができる。
【0011】
上記の式(2)、(3)よりLが短いほど、また、Lが長いほど、PMDが大きくなることが分かる。
【0012】
通常、光ファイバは、ボビンに巻き付けられた状態で、光ケーブル化工程に移送されるか、または、光ファイバ単体として出荷、輸送されたりする。そのため、光ファイバは、ボビンに巻き付けられた状態でPMDを測定できることが望ましい。
【0013】
しかしながら、光ファイバをボビンに巻き付けることにより、光ファイバには曲げや側圧、捻じれなどの外乱が生じ、LやLが変化するため、PMDは変動する。したがって、同一の光ファイバにおいて、輸送用のボビンに巻き付けられた光ファイバのPMDと、光ケーブル化後の光ファイバのPMDとでは、全く異なる値を示す(例えば、非特許文献1参照。)。これにより、光ケーブル化後の光ファイバのPMDが増加し、規格によって定められたPMDの上限を超えてしまうことがあり、問題となっていた。
【0014】
また、光ファイバは20km〜100km程度の長さで光ケーブル化工程に出荷されるが、光ケーブル化時には、1km〜10km程度の長さとなる。そのため、局所的にPMDの大きい箇所があると、光ケーブル化前の全長のPMDは小さくとも、分割されてケーブルとなった後、PMDが大きい箇所が発生する場合があり、問題となっていた。
【非特許文献1】
Scott Grindstaff,Joseph Hill,Omid Daneshvar,“Extransic Stress Effects on Polarization Mode Dispersion in Optical Fiber Cables”,International Wire & Cable Symposium Proceedings,1993,pp.647−654
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバを輸送用のボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる光ファイバの偏波モード分散測定方法、光ファイバ、および光ファイバケーブルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、光ファイバをボビンに巻き付けた場合のビート長と、該光ファイバを光ケーブル化した場合の平均結合長とから、該光ファイバを光ケーブル化した場合の偏波モード分散を推定する光ファイバの偏波モード分散測定方法を提供する。
【0017】
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、P−OTDRを用いて前記光ファイバのレーリー散乱光強度を測定し、該レーリー散乱光強度の波形を取得した区間長Lの中に、波形の極値がN個あるとき、下記の式(4)を用いて前記ビート長(L )を算出することが好ましい。
【0018】
【数4】
Figure 0004388018
【0019】
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、P−OTDRの分解能を、ボビンに巻き付けられる光ファイバにおいて想定される最短のビート長よりも短くすることが好ましい。
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、ボビンに巻き付けたことにより誘起される光ファイバの複屈折の大きさが、光ファイバが本来有している内部の複屈折の大きさよりも小さくなるように、ボビンの半径Rと、ボビンに光ファイバを巻き付ける際の張力とを設定して光ファイバをボビンに巻き付けることが好ましい。
[0020]
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、ボビンに巻き付けたことにより誘起される光ファイバの複屈折の大きさが、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさよりも小さくなるように、ボビンの半径Rと、ボビンに光ファイバを巻き付ける際の張力とを設定して光ファイバをボビンに巻き付けることが好ましい。
【0021】
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、ボビンの半径Rと、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさBとが、下記の式()を満たすようにボビンの半径Rを設定して、光ファイバをボビンに巻き付けることが好ましい。
【0022】
【数5】
Figure 0004388018
[0023]
(式中、nは光ファイバを構成しているガラス材料(通常は石英ガラス)の屈折率、p11とp12は光ファイバを構成しているガラス材料のポッケルス係数、νは光ファイバを構成しているガラス材料のポアソン比、rは光ファイバのガラス部の半径をそれぞれ表す。)
【0024】
上記の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、光ファイバ長手方向のPMDを測定することが望ましい。
【0031】
本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、光ファイバをボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる。
【0032】
本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、光ファイバをボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後に光ファイバのPMDが規格内であるかどうかを判定することができる。
【0033】
本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、自由な状態での測定のための光ファイバを準備する必要がないため、光ファイバを有効に利用できる。
【0034】
本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、付近の光ファイバの偏波モード分散の測定結果によって、測定結果を代用することなく、出荷される光ファイバそのものの偏波モード分散が測定されるため、よりよい品質の光ファイバを提供できる。
【0035】
本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、光ファイバ長手方向のPMDの値を測定することができるため、局所的にPMDの大きな部分を発見、除去することができる。そのため、よりよい品質の光ファイバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】異なる大きさの内部の複屈折を有する2つの光ファイバに、外部から力を加えて、大きさの異なる複屈折を誘起した際に、平均複屈折の大きさを計算した結果を示すグラフである。
【図2】光ファイバのPMDの計算結果を示すグラフである。
【図3】P−OTDRを用いて実際に測定されたレーリー散乱光強度の波形の一例を示すグラフである。
【図4】光ファイバの、ボビンに巻いた状態でのビート長と、その光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの関係を示すグラフである。
【図5】光ファイバの、ボビンに巻いた状態でのPMDと、その光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの関係を示すグラフである。
【図6】光ファイバの構造の一例を示す断面図である。
【図7】光ファイバ芯線の構造の一例を示す断面図である。
【図8】光ファイバケーブルの構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1…光ファイバ、2…コア部、3…クラッド部、4…1次被覆(保護層)、5…2次被覆(保護層)、10…光ファイバ芯線、11…テンションメンバ、12…ルースチューブ、13…ジェリー、14…ジェリー、15…押え巻き、16…引き裂き紐、17…シース、20…光ファイバケーブル
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の光ファイバの偏波モード分散測定方法について詳細に説明する。
【0039】
まず、光ファイバをボビンに巻き付けることにより、ビート長Lと平均結合長Lがどのように変化するかを個別に検討する。
は、光ファイバをボビンに巻き付けるときの曲げ半径、張力や側圧の影響により、ほぼボビンの半径方向に外部から複屈折が誘起されることにより変化する。
は、光ファイバをボビンに巻き付けたときに、光ファイバが捻じれたり、光ファイバ同士が触れ合ったりすることにより変化する。
【0040】
ここで、光ファイバをボビンに巻き付けた後のLの変化について、光ファイバ内部の複屈折と、外部から誘起された光ファイバの複屈折との関係から検討する。
光ファイバをボビンに巻き付けることにより、外部から誘起される複屈折の向きは、ほぼボビンの半径方向であるのに対して、光ファイバ内部の複屈折軸の角度はあらゆる角度を取り得る。
【0041】
そのため、側圧が加えられた際の光ファイバの平均複屈折は、様々な角度から側圧が加えられた際の平均と考えられる。
図1は、異なる大きさの内部の複屈折を有する2つの光ファイバに、外部から力を加えて、大きさの異なる複屈折を誘起した際に、平均複屈折の大きさを計算した結果を示すグラフである。
【0042】
図1の結果から、内部の複屈折の大きさよりも外部から誘起される複屈折の大きさが小さい場合には、平均複屈折の大きさはほとんど変化せず、内部の複屈折よりも外部から誘起される複屈折の大きさの方が大きくなると、平均複屈折の大きさは外部から誘起される複屈折の大きさとほぼ等しくなり、終には、平均複屈折の大きさは外部から誘起される複屈折の大きさよりも大きくなる。しかしながら、側圧が加わることにより、外部から複屈折が誘起された後の平均複屈折の大きさは、内部の複屈折の大きさよりも小さくなることはない。したがって、光ファイバをボビンに巻き付けることにより、平均のLは必ず短くなり、これは、PMDを大きくする方向に働く。
【0043】
一方、光ファイバをボビンに巻き付けた後のLは、ボビンに巻き付けられた際の光ファイバの捻じれや、光ファイバ同士が触れ合うことにより、非常に短くなる。したがって、光ファイバをボビンに巻き付けることによるLの変化は、PMDを小さくする方向に働く。
【0044】
したがって、Lの変化の影響よりもLの変化の影響が大きい場合には、光ファイバをボビンに巻き付けたときにPMDが低下することになり、光ファイバを光ケーブル化して自由な状態に置くと、PMDが大きくなって問題となる。
【0045】
以下に、PMDの計算例を示す。
例えば、光ファイバの長さを1000m、この光ファイバを0.1mmの微小区間に分割したときに、この微小区間では直線複屈折のみを有すると仮定し、ジョーンズマトリクス法(IEEE Photonics Technology Letters、1992年9月、4巻、9号、p.1066−1069参照)を用いてシミュレーションにより、光ファイバのPMDの変化を計算した。
【0046】
自由な状態に置かれた場合に、Lが10mと20m、Lが30mの光ファイバをボビンに巻き付けた際に、Lが短くなるとともに、ボビンの径方向に複屈折が誘起されることにより、光ファイバのPMDがどのように変化するかを計算した。
【0047】
いずれの光ファイバも、ボビンに巻き付けることにより、Lが3mになるようにした。計算に用いた平均結合長は、光ファイバを自由な状態に置いた場合と、ボビンに巻き付けた場合の典型的な値である。光ファイバのPMDの計算結果を図2に示す。
【0048】
図2の結果から、光ファイバをボビンに巻き付けることによって、外部から誘起される複屈折の大きさが小さい場合には、ボビンに巻き付けられた状態の光ファイバのPMDは、自由な状態に置かれた場合よりも小さくなることが分かる。
【0049】
また、自由な状態に置かれた場合の光ファイバのLが異なると、外部から誘起される複屈折の大きさに対するPMDの変化の大きさが異なることも分かる。そのため、光ファイバが自由な状態に置かれた場合には、PMDが異なる値であるにもかかわらず、外部から誘起される複屈折の大きさによっては、両者のPMDが同じ値となることがある。そして、これよりも大きな複屈折が誘起された場合には、両者のPMDの大小関係は、自由な状態に置かれた場合と逆転する。つまり、ボビンに巻き付けた光ファイバのPMDを測定することのみで、自由な状態に置かれた光ファイバのPMDを推定することは不可能である。
【0050】
ここで、発明者らが知りたいのは、光ケーブル化後の光ファイバのPMDの大きさであるが、光ファイバケーブルは、光ファイバにかかる外力を極力小さくするような構造となっているため、光ケーブル化後の光ファイバのPMDは、自由な状態に置かれた光ファイバのPMDとほぼ同等である。
よって、ボビンに巻き付けたPMDを測定するのみで、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することは不可能である。
【0051】
しかしながら、ボビンに巻き付けた状態で光ファイバのLが分かれば、光ケーブル化後の光ファイバのLがそれよりも短くならないことが分かった。そのため、光ケーブル化後の光ファイバのLが分かれば、下記の式(2)を用いて、光ケーブル化後のPMDを推定することができる。
【0052】
【数6】
Figure 0004388018
【0053】
光ケーブル化後の光ファイバのLは、光ファイバケーブルの構造、光ファイバや光ファイバケーブルに用いられる樹脂の材質や表面性といった主に外的要因によって決まる。したがって、別途、L測定用の光ファイバを用いることなく、前もって、同じ構造、同じ材質、同じ表面性の樹脂からなる他の光ファイバケーブル内の同種光ファイバを用いて、Lを測定しておくことで、光ケーブル化後の光ファイバのLを知ることができる。
【0054】
次に、具体的な光ケーブル化後の光ファイバのLの測定方法の例を以下に述べる。
最初に光ファイバケーブル全長の光ファイバのPMDを測定し、続いて5m程度の区間を取り出して再び光ファイバのPMDを測定する。
5m程度の短い光ファイバケーブルでは、偏波モード結合は存在しないとみなすことができ、上記の式(2)を用いて、Lを求めることができる。
ここで求めたLと、光ファイバケーブル全長の光ファイバのPMDから、下記の式(3)を用いて、Lを求めることができる。
【0055】
【数7】
Figure 0004388018
【0056】
よって、上記の式(2)、(3)から、光ファイバをボビンに巻き付けた状態でLと、先に算出したLより、光ケーブル化後のPMDを推定することができる。
【0057】
次に、P−OTDR(Polarization Optical Time Domain Refrectometry)を用いて、被測定光ファイバを光ケーブル化した後のPMDを推定する方法について説明する。
【0058】
この方法では、P−OTDRを用いることで、被測定光ファイバがボビンに巻き付けられている状態でLとLとを独立に測定することが可能である。具体的には、文献A(F.Corsi,A Galtarossa,and L.Palmieri,“Polarization Mode Dispersion Characterization of Single−Mode Optical Fiber Using Backscattering Technique”,Journal of Lightwave Technology,Vol.16,No.10,Oct.1998,pp.1832−1843)や、文献B(M.Wuilpart,G.Ravet,P.Megret,and M.blondel,“PMD measurement with a polarization−OTDR”,ECOC2002)に記載されているような手法を用いることができる。
【0059】
図3は、P−OTDRを用いて実際に測定されたレーリー散乱光強度の波形の一例を示すグラフである。
上記の文献A、文献Bによれば、Lの算出方法の一つに、P−OTDRを用いて測定されたレーリー散乱光強度の波形を取得した区間長Lの中に、波形の極値がN個あるとき、下記の式()を用いてLを算出する方法がある。
【0060】
【数8】
Figure 0004388018
【0061】
図3に示すような波形を有する光ファイバの場合、100mの区間において極値が19個あるため、Lは21mであることが分かる。このように、P−OTDRを用いてボビンに巻き付けられた光ファイバのLを測定し、別途、自由な状態における光ファイバケーブルのLを測定しておくことで、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる。
なお、ここではLを算出する方法として上記の式()を用いたが、Lの算出方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いることもできる。
[0062]
ここで、上記の文献A、文献Bでは、P−OTDRを用いて、自由な状態における被測定光ファイバのLとLを測定していた。一方、本発明にあっては、光ファイバをボビンに巻き付けてLを測定し、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定しているという点で、従来の方法とは異なっている。
[0063]
次に、被測定光ファイバのLと、PMDの測定に使用するOTDRの分解能との関係について説明する。
偏波保持ファイバを除くシングルモードファイバでは、Lは通常10cm以上であるため、OTDRの分解能が10cmよりも短ければ、どのようなシングルモードファイバであっても、LとLとを独立に測定することができる。
【0064】
このような用途においては、例えば、フォトンカウンティングOTDRといった技術を用いれば、1cm以下の分解能を得ることができるため、偏波保持ファイバ以外のいかなるシングルモードファイバにも適用することができる。
なお、測定の対象となるモードのみを選択的に励振および受光する手段を用いることで、P−OTDRを用いたPMDの測定方法をマルチモードファイバにも適用することができる。
【0065】
次に、ボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる光ファイバについて説明する。
ボビンに巻き付けたことにより誘起される光ファイバの複屈折の大きさが、内部の複屈折の大きさより小さい場合には、前述のように、ボビンに巻き付けた時の光ファイバの複屈折の大きさは、光ケーブル化後の光ファイバの複屈折の大きさとほとんど変わらない。
したがって、ボビンに巻き付けた状態で測定した光ファイバのLは、光ケーブル化後の光ファイバのLとほぼ等しい。よって、先に同種の光ファイバを用いて光ファイバケーブルのLを測定しておけば、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる光ファイバを提供することができる。
【0066】
光ケーブル化後のLは、主に、光ファイバ内部の複屈折と、光ファイバケーブルの構造によって発生する外力とによって決定される。多くの場合、LによらずLは一定と考えて問題ない。しかし、Lが短い場合、つまり光ファイバ内部の複屈折が大きい場合、光ファイバに外力がかかっても偏波モード結合が誘起されにくくなり、Lが一定と見なせない場合が存在する。しかしその場合も、LをLの関数として取得しておけば、本方法を適用することが可能である。
【0067】
特開平11−208998号公報では、ボビンに巻き付けた光ファイバのPMDと、自由な状態に置かれた光ファイバのPMDとが一致するように、光ファイバを巻き取る方法が開示されている。しかしながら、上述したように、自由な状態に置かれた光ファイバの内部の複屈折より、ボビンに巻き付けた光ファイバのPMDの変化の仕方は変わるため、この方法においては、前もって自由な状態に置かれた光ファイバの内部の複屈折を知らなければ巻き取り方法を決定できない。
[0068]
そのため、光ファイバ毎にLが異なる場合、すなわち、実際の製造工程においては、その効果は、本発明で得られる効果よりも小さい。
[0069]
次に、ボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後に光ケーブルのPMDの規格を満たすかどうかを判定できる光ファイバについて説明する。
光ファイバをボビンに巻き付けたことにより、誘起される複屈折の大きさが、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさよりも小さいことが分かれば、光ケーブル化後の複屈折が光ファイバの規格上許容される内部の複屈折より小さいことが分かる。
[0070]
よって、光ファイバをボビンに巻き付けた状態で、誘起される複屈折の大きさと、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさとを測定することにより、この光ファイバが、光ケーブル化後にPMDの規格を満たすかどうかを判定することができる。
なお、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の最大値は、定められたPMDの上限値と、光ファイバケーブルの平均結合長から、上記の式(1)、(3)を用いて算出することができる。
[0071]
次に、光ファイバをボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後に光ファイバケーブルにおける光ファイバのPMDの規格を満たすかどうかを判定できるボビンの半径について説明する。
文献C(R.Ulrich,S.C.Rashleigh,and W.Eickhoff,“Bending−induced birefringence in single−mode fibers”,Optics letters,Vol.5,No.6,June 1980,pp.273−275)によれば、光ファイバをボビンに巻き付けた際の曲げにより誘起される複屈折Bは、光ファイバの屈折率n、ポッケルス係数p11、p12、ポアソン比ν、光ファイバの半径rおよびボビンの半径Rから、下記の式(6)で表される。
【0072】
【数9】
Figure 0004388018
【0073】
上記の式(6)から、光ファイバの曲げにより誘起される複屈折の大きさBが、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさより小さければ、光ファイバをボビンに巻き付けた状態における測定で、その光ファイバが光ケーブル化後にPMDの規格を満たすかどうかを判定することができる。
よって、ボビンの半径Rは、下記の式()の関係を満たすことが好ましい。
【0074】
【数10】
Figure 0004388018
[0075]
ここで、B’は光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさの最大値であり、定められたPMDの上限値と、光ファイバケーブルの平均結合長から、上記の式(1)、(3)を用いて算出することができる。
[0076]
ここで、ボビンが、光ファイバへの張力を一時的に緩めることが可能な構造になっていれば、張力により光ファイバ内部に発生する複屈折の影響を除去することができて好ましい。
[0077]
ここで、光ファイバ長手方向のPMDの分布を推定すると好ましい。
[0078]
本発明以前には、光ファイバを切断することなくビート長の測定を行う測定方法が存在しなかった。そのため、本発明の方法を用いることで初めて、光ケーブル化工程以前に、光ケーブル化後のPMDを知ることができるファイバを提供することができる。
[0079]
また、本方法は、光ファイバの長手方向にビート長の測定が可能であるため、部分的にビート長が短い個所が存在する場合でも、特定することができる。そして、本発明の方法を用い、光ファイバのビート長が部分的に短くなる個所を特定することで初めて、その原因の特定および製造工程の改善を行うことができる。その結果、光ケーブル化工程で光ファイバが分割された後でも、全ての光ファイバケーブルにおいて良好なPMDを得ることができる光ファイバを提供することができる。
[0080]
40Gb/s伝送においては、光ファイバのPMDは0.1ps/√km以下であることが好ましい。また、伝送路は複数本の光ファイバによって構成されるため、少なくとも、伝送路全体としては、PMDが0.1ps/√km以下であることが求められる。発明者が、さまざまな構造の光ファイバ、光ファイバケーブルの組み合わせを用いて調査を行ったところ、光ケーブル化後のビート長が15m以上の光ファイバを連結して1つの伝送路とした場合には、伝送路全体として、PMDを0.1ps/√km以下とすることが出来た。また、光ケーブル化後のビート長が30m以上の光ファイバについては、個別の光ファイバで、すべてPMDが0.1ps/√km以下であった。よって、本発明の方法を用いて測定したビート長は15m以上であることが好ましく、30m以上であることがより好ましい。
【0081】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0082】
ケーブル化前の被測定光ファイバを、直径300mmのボビンに張力20gfで3000m巻き付けた。この被測定光ファイバの内部の複屈折の大きさを測定したところ、Lは30mであった。
一方、被測定光ファイバとは別に、同種の光ファイバを3000mの光ファイバケーブルとしたところ、この光ファイバケーブルを構成する光ファイバのPMDは0.05ps/√kmであり、Lは30mであった。したがって、この被測定光ファイバを光ファイバケーブルとした後のLは上記の式(3)より、約85mであると推定できた。
【0083】
以上の結果から、被測定光ファイバをケーブル化した後のPMDは0.05ps/√kmと推定することができた。被測定光ファイバを実際に光ファイバケーブルとしたところ、PMDは0.05ps/√kmであった。
【実施例2】
【0084】
ケーブル化前の被測定光ファイバを、直径300mmのボビンに張力20gfで3000m巻き付けた。P−OTDRの測定によって、Lを測定したところ、Lは25mであった。
一方、被測定光ファイバとは別に、同種の光ファイバを3000mの光ファイバケーブルとしたところ、PMDは0.07ps/√kmであり、Lは20mであった。したがって、この被測定光ファイバを光ファイバケーブルとした後のLは上記の式(3)より、約73mであることが分かった。
【0085】
以上の結果から、被測定光ファイバをケーブル化した後のPMDは0.06ps/√kmと推定することができた。被測定光ファイバを実際に光ファイバケーブルとしたところ、PMDは0.06ps/√kmであった。
【実施例3】
【0086】
被測定光ファイバを、直径300mmのボビンに張力20gfで3000m巻き付け、分解能2mのOTDRを用いてP−OTDR測定したところ、Lを測定するために必要な、図3に示すような波形を観測することができなかった。
一方、分解能1cmのOTDRを用いてP−OTDR測定を行ったところ、図3のような波形を観測することができ、Lは1.2mであることが分かった。
【0087】
他方、被測定光ファイバとは別に、同種の光ファイバを3000mの光ファイバケーブルとしたところ、PMDは1.0ps/√kmであり、Lは2.0mであった。したがって、この被測定光ファイバを光ファイバケーブルとした後のLは上記の式(3)より、約150mであることが分かった。
以上の結果から、被測定光ファイバをケーブル化した後のPMDは1.67ps/√kmと推定することができた。被測定光ファイバを実際に光ファイバケーブルとしたところ、PMDは1.60ps/√kmであり、正しく推定できていることが分かった。
【実施例4】
【0088】
実施例1で用いたものと同種で、外力により複屈折が誘起されていない状態でLが30mの3000mの光ファイバを用意し、この光ファイバを直径300mmのボビンに張力20gfで巻き付けた。
この光ファイバをボビンに巻き付けた後に、P−OTDRによりLを測定したところ、30mであった。次に、この光ファイバを張力70gfで同じボビンに巻き付けたところ、Lは16mと、外力により複屈折が誘起されていない状態よりも短かった。
【0089】
この光ファイバを実施例1と同様の光ファイバケーブルとした場合のLは85mであるから、張力20gfでボビンに巻き付けた場合には、この光ファイバの光ケーブル化後のPMDは0.05ps/√kmと推定できた。また、張力70gfでボビンに巻き付けた場合には、この光ファイバの光ケーブル化後のPMDは0.1ps/√kmと推定することができた。
【0090】
これら2つの光ファイバをケーブル化した後のPMDはいずれも0.05ps/√kmであり、張力20gfでボビンに巻き付けた場合のビート長からは、PMDを正確に推定することができたが、張力70gfでボビンに巻き付けた場合のビート長からはPMDを推定することができなかった。
【実施例5】
【0091】
40Gb/s伝送において、光ファイバケーブルの光ファイバのPMDは0.1ps/√km以下であることが望ましい。実施例1と同種の光ファイバを、実施例1と同種の光ファイバケーブルとする場合、光ファイバケーブルのLは約85mであるため、上記の式(3)によると、光ケーブル化時のLが15mよりも長ければ、0.1ps/√km以下のPMDを達成することができる。
【0092】
実施例1に挙げた光ファイバと同種で、長さ3000mの光ファイバを用意し、この光ファイバを、直径300mmのボビンに張力20gfで巻き付け、P−OTDRを用いてLを測定したところ、Lは20mであった。次に、この光ファイバを、直径150mmのボビンに張力70gfで巻き付け、P−OTDRでLを測定したところ、Lは10mであった。
【0093】
さらに、この光ファイバを光ファイバケーブルにしたところ、PMDはともに0.06ps/√kmであり、0.1ps/√km以下であった。
すなわち、この光ファイバを、直径300mmのボビンに張力20gfで巻き付けた場合には、ボビンに巻き付けたことにより誘起される複屈折の大きさが、ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさよりも小さかったため、この光ファイバがボビンに巻き付けられた状態で、光ケーブル化後にPMDの規格を満たすことが確認できた。しかしながら、この光ファイバを直径150mmのボビンに張力70gfで巻き付けた場合には、この光ファイバがボビンに巻き付けられた状態で、光ケーブル化後にPMDの規格を満たすことが確認できなかった。
【実施例6】
【0094】
実施例1と同種の光ファイバを、実施例1と同種の光ファイバケーブルとする場合、光ファイバケーブルのLは約85mであるため、上記の式(3)によると、この光ファイバをボビンに巻き付けた際のLが15mよりも長ければ、光ケーブル化時に、0.1ps/√km以下のPMDを達成することができることが分かった。ここで、上記の式(1)、(6)によると、Lが15mとなるボビンの半径は、波長1.55μmにおいては、約0.07mであった。
【0095】
この値を算出するのに、波長1.55μmにおける値として、n=1.444、p11=0.1486、p12=0.2959、ν=0.186を用いた。これは、波長1.55μmにおける合成石英の値であり、光ファイバを構成する部材はほとんどが合成石英であるため、この値を用いることができる。また、r=62.5×10−6mとし、ファイバ被覆の影響を考慮しなかった。
【0096】
よって、この光ファイバを半径0.07m以上のボビンに巻き、そのときのLが15m以上であれば、光ケーブル化後に光ファイバのPMDが0.1ps/√km以下となることを確認できた。
【0097】
一方、この光ファイバを半径0.07m以下のボビンに巻き付けてしまうと、曲げにより誘起された複屈折の影響では、Lは15m以下となってしまうため、ボビンに巻き付けた状態では、光ケーブル化後にPMDが0.1ps/√km以下となるかどうかを確認することができなかった。
【0098】
実施例1に挙げた光ファイバと同種で長さ3000mの光ファイバを用意し、この光ファイバを直径300mmのボビンに張力20gfで巻き付け、P−OTDRでLを測定したところ、20mであった。
次に、この光ファイバを直径100mmのボビンに張力20gfで巻き付け、P−OTDRでLを測定したところ、7mであった。
さらに、この光ファイバを光ファイバケーブルにしたところ、PMDはともに0.06ps/√kmであり、0.1ps/√km以下であった。
【0099】
すなわち、この光ファイバを直径300mmのボビンに巻き付けた場合には、ボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後にPMDの規格を満たすことが確認できたが、直径100mmのボビンに巻き付けた場合には、確認できなかった。
【0100】
実施例1に挙げた光ファイバと同種で長さ10000mの光ファイバを用意し、この光ファイバを直径300mmのボビンに張力100gfで巻き付け、P−OTDRでLを測定したところ、10mであった。
【0101】
この光ファイバを巻き付けたボビンは、張力を緩めることができる構造となっている。そこで、一時的に張力を緩め、同様の測定を行ったところ、0m〜9000mの区間ではLは25mであった。しかし、9000m〜10000mの間では、Lが10mであった。
【0102】
さらに、この光ファイバを1000mずつ10芯の光ファイバケーブルにしたところ、0m〜9000mの区間を用いた光ケーブル芯線のPMDは0.03〜0.06ps/√kmの範囲であったが、9000〜10000mの区間を用いた芯線は0.1ps/√kmを超えてしまった。
【0103】
すなわち、一時的に張力を緩める構造にすることで、光ケーブル化後にPMDの規格を満たすかどうかを確認できたが、該構造がない場合には、確認できなかった。また、測定後には、測定前と同じ張力に戻したため、その後の製造工程で、光ファイバの繰り出しが困難になることもなかった。
【0104】
また、P−OTDRを用いることで、光ファイバ長手方向のPMDを測定することもできた。
【実施例7】
【0105】
発明者は、さまざまな構造の光ファイバ、光ファイバケーブルの組み合わせを用いて、伝送路全体として0.1ps/√km以下のPMDを達成するために必要なビート長、また、個別の光ファイバケーブルで0.1ps/√km以下のPMDを達成するために必要なビート長を調査した。その結果、光ケーブル化後のビート長が15m以上の光ファイバを連結した場合には、伝送路全体として0.1ps/√km以下のPMDとすることが出来た。また、光ファイバケーブルとしたときのビート長が30m以上の光ファイバについては、個別の光ファイバすべてで、PMDが0.1ps/√km以下であった。
【0106】
すなわち、ボビンに巻かれた状態でのビート長は15m以上であることが好ましく、さらに、ボビンに巻かれた状態でのビート長が30m以上であれば、光ファイバケーブルの種類によらず、光ケーブル化後のPMDを0.1ps/√km以下とすることができる。
【0107】
そこで、さまざまな複屈折をもつ光ファイバを作製し、張力40gfで、直径300mmのボビンに、3000mの長さで巻きつけた。そして、ボビンに巻いた状態でのビート長と、その光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの関係を測定した。その結果を図4に示す。図4から、ボビンに巻いた状態でのビート長と、該光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの間には、明確な関係を見出すことができる。
【0108】
ボビンに巻いた状態でのビート長が15m以上の光ファイバの、光ケーブル化後のPMDの平均値は、0.05ps/√kmであった。
【0109】
また、ボビンに巻いた状態でのビート長が15m以上の光ファイバを、光ケーブル化後に全て接続し、1本の伝送路としてからPMDを測定したところ、伝送路のPMDは0.06ps/√kmであり、0.1ps/√kmよりも小さかった。
【実施例8】
【0110】
実施例7で使用した光ファイバのうち、ボビンに巻いた状態でのビート長が30m以上の光ファイバの、光ケーブル化後のPMDの平均値は、0.015ps/√kmであり、ケーブル化後にPMDが0.1ps/√kmを超える光ファイバケーブルはなかった。
【0111】
また、ボビンに巻いた状態でのビート長が30m以上の光ファイバを、光ケーブル化後に全て接続し、1本の伝送路としてからPMDを測定したところ、伝送路のPMDは0.016ps/√kmであり、0.1ps/√kmよりも十分に小さかった。
比較例
【0112】
実施例7で使用した光ファイバのPMDを、ボビンに巻かれた状態で測定し、ボビンに巻いた状態でのPMDと、その光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの関係を測定した。その結果を図5に示す。図5から、ボビンに巻いた状態でのPMDと、該光ファイバを光ファイバケーブルとした後のPMDとの間に、明確な関係を見出すことはできない。
【0113】
ボビンに巻いた状態でのPMDが0.1ps/√km以下の光ファイバの、光ケーブル化後のPMDの平均値は、0.09ps/√kmであり、実施例7よりも悪く、0.1ps/√kmよりも十分小さくはならなかった。
【0114】
また、ボビンに巻いた状態でのPMDが0.1ps/√km以下の光ファイバを、光ケーブル化後に全て接続し、1本の伝送路としてからPMDを測定したところ、伝送路のPMDは0.11ps/√kmであり、0.1ps/√km以上であった。
【0115】
図6は、本発明による光ファイバの構造の一例を示す断面図である。図中、符号1は光ファイバ、符号2はコア部、符号3はクラッド部を示す。
図7は、光ファイバ芯線の構造の一例を示す断面図である。図中、符号1は光ファイバ、符号4は1次被覆、符号5は2次被覆を示す。1次被覆4、及び2次被覆5は、光ファイバ1を保護する保護層を構成する。
図8は、本発明による光ファイバケーブルの構造の一例を示す断面図である。図中、符号20は光ファイバケーブル(ルースチューブタイプ)、符号10は光ファイバ芯線、符号11はテンションメンバ、符号12はルースチューブ、符号13,14はジェリー、符号15は押え巻き、符号17はシースを示す。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の、光ファイバの偏波モード分散測定方法によれば、光ファイバを輸送用のボビンに巻き付けた状態で、光ケーブル化後の光ファイバのPMDを推定することができる。

Claims (7)

  1. 光ファイバをボビンに巻き付けられた場合のビート長と、該光ファイバを光ケーブル化した場合の平均結合長とから、該光ファイバを光ケーブル化した場合の偏波モード分散を推定することを特徴とする光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  2. P−OTDRを用いて前記光ファイバのレーリー散乱光強度を測定し、該レーリー散乱光強度の波形を取得した区間長Lの中に、波形の極値がN個あるとき、下記の式を用いて前記ビート長(L )を算出することを特徴とする請求項1に記載の、光ファイバの偏波モード分散測定方法。
    Figure 0004388018
  3. 前記P−OTDRの分解能を、ボビンに巻き付けられる光ファイバにおいて想定される最短のビート長よりも短く設定することを特徴とする請求項2に記載の、光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  4. ボビンに巻き付けたことにより誘起される光ファイバの複屈折の大きさが、光ファイバが本来有している内部の複屈折の大きさよりも小さくなるように、ボビンの半径Rと、ボビンに光ファイバを巻き付ける際の張力とを設定して光ファイバをボビンに巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の、光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  5. ボビンに巻き付けたことにより誘起される光ファイバの複屈折の大きさが、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさよりも小さくなるように、ボビンの半径Rとボビンに光ファイバを巻き付ける際の張力とを設定して光ファイバをボビンに巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の、光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  6. ボビンの半径Rと、光ファイバの規格上許容される内部の複屈折の大きさの最大値B’とが、下記の式を満たすようにボビンの半径Rを設定して、光ファイバをボビンに巻き付けることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの、偏波モード分散測定方法。
    Figure 0004388018
    (式中、nは光ファイバの屈折率、p11とp12はポッケルス係数、νはポアソン比、rは光ファイバの半径をそれぞれ表す。)
  7. 偏波モード分散の長手方向の分布を測定することを特徴とする請求項1に記載の、光ファイバの偏波モード分散測定方法。
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