JP4950613B2 - 光ファイバの偏波モード分散測定装置および測定方法 - Google Patents

光ファイバの偏波モード分散測定装置および測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバの偏波モード分散を測定するための技術に関し、簡単な構成で短時間に且つ距離が長い光ファイバであっても精度よく測定できるようにするための技術に関する。
情報を高速に伝送するための媒体として光ファイバが用いられているが、近年では、インターネット利用者等の急増により、通信速度の高速化がさらに要求されている。
このような高速化の要求に対して、光ファイバの偏波モード分散(以下、PMDと記す)が無視できなくなっている。
PMDは、光ファイバの光を伝送するためのコア部の断面形状が製造時に完全な真円になっていないことや、外部からの圧力を受けて歪むことに起因して生じ、内部を伝搬する光の偏波方向に対して屈折率が異なってしまい、偏波成分毎に伝搬時間に差が生じる現象である。
このPMDの影響によって、例えば、図12に示すように、光ファイバ1の一端に光パルスPを入射したときに、光ファイバ1の他端から出射される光パルスP′の波形が双峰形となりパルス幅が広くなってしまい、このパルス幅の広がり広がりによって、通信速度の上限が決定されてしまう。
このため、光ファイバの製造時や敷設済みの光ファイバのメンテナンスを行う際には、その光ファイバのPMDの測定が必要となる。
PMDの測定方法はこれまで多くの方法が提案されているが、その中でも、測定精度が高く、測定の自動化が可能なものとして、ジョーンズマトリクス法によるものがよく知られている。
ジョーンズマトリクス法は、任意の波長に対する直交2偏波成分の群遅延の平均値Δτを光デバイスのPMDとして求める測定方法であり、被測定デバイスの一端側に所定波長の直線偏波光を入射し、被測定デバイスの他端側から出射された光の異なる偏波方向の強度を求めるという処理を、入射光の波長を変え、さらに偏波方向を0度(基準)、45度、90度に変化させて行い、得られた強度のデータから光ファイバの両端間の入出力特性を表すジョーンズマトリクスを2つの波長について計算し、PMD演算子を用いてPMDを算出する(例えば、非特許文献1参照)。
Teruhiko Kudo, Midori Iguchi, Masaru Masuda, andTakeshi Ozeki "Theoretical Basis ofPolarization Mode Dispersion Equalization up to the Second Order."Journal ofLIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL.18 NO.4 APRIL 2000 pp.614-617.
しかし、このように、光ファイバの一端側に測定用の光を入射し、光ファイバの他端側から出射された光の偏波成分の強度を測定してPMDを求める方法では、例えば、敷設済みの光ファイバを測定対象とする場合にその両端に測定のための機器を設置しなければならず不便である。
また、光ファイバの一端側から他端側までの全長についてのPMDの値しか求めることができず、その間のPMDを知ることができない。
これを解決するために、本願出願人は、光ファイバの一端側に直線偏波の光パルスを入射し、その入射された光パルスに対する光ファイバの後方散乱光を光ファイバの一端側で受け、その後方散乱光の各偏波成分の強度変化特性から、光ファイバの任意の区間毎のPMD、即ちPMD分布を測定する方法および装置を次の特許文献1で提案している。
特開2002−48680号公報
この方法によれば、被測定光ファイバの片端からの測定で、光ファイバのPMDの分布を求めることができ、例えば敷設済みの光ファイバに対する位置毎のPMDを正確に把握することができる。
また、本願出願人は、さらに次の特許文献2において、散乱体のデポーラリゼーションを考慮に入れ、従来の3つの入射直線偏光を1つの入射直線偏光にし、ファイバのモデルに波長成分を考慮にいれて、従来の2波長以上の測定から1波長で容易に、且つより正確な測定ができるようにした光ファイバのPMD測定装置および測定方法を提案している。
特開2004−333336号公報
しかし、上記特許文献2の技術で実際に種々の光ファイバの測定を行った結果、光ファイバの種類によってはその距離が長くなる程、測定誤差が大きくなるという新たな問題を見出した。
本発明は、この点を改善し、距離の長い光ファイバであっても、偏波モード分散を精度よく測定できる偏波モード分散測定装置および測定方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光ファイバの偏波モード分散測定装置は、
所定波長で直線偏光の光パルスを出射する光パルス発生部(21)と、
前記光パルスを被測定光ファイバの一端側に入射し、該入射した光パルスに対して前記被測定光ファイバの一端側から出射される後方散乱光を前記光パルスの入射光路と異なる光路から出射させる方向性結合器(25)と、
前記方向性結合器から出射された後方散乱光を受けて、前記被測定光ファイバの区間毎の4つのストークスパラメータを測定するストークスパラメータ測定手段(26、31)と、
波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列を用いて定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、少なくとも前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータを区間毎に算出するパラメータ算出手段(32、32′)と、
前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータに基づいて、区間毎の第1のジョーンズマトリクスを求める第1のジョーンズマトリクス算出手段(33、33′)と、
前記第1のジョーンズマトリクス算出手段によって算出された各区間の第1のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第1のジョーンズマトリクスと相関係数を用いて補正する第1の補正手段(40)と、
前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータに基づいて、前記所定波長と異なる波長における区間毎の第2のジョーンズマトリクスを求める第2のジョーンズマトリクス算出手段(34、34′)と、
前記第2のジョーンズマトリクス算出手段によって算出された各区間の第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第2のジョーンズマトリクスと相関係数を用いて補正する第2の補正手段(41)と、
前記第1の補正手段によって補正された第1のジョーンズマトリクスと前記第2の補正手段によって補正された第2のジョーンズマトリクスとに基づいて、前記被測定光ファイバの任意の区間の偏波モード分散を算出する偏波モード分散算出手段(35)とを備えている。
また、本発明の請求項2の光ファイバの偏波モード分散測定装置は、請求項1記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置において、
前記パラメータ算出手段は、
前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と少なくとも1つのパラメータからなる散乱ミュラー行列とで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記散乱ミュラー行列の要素に含まれる少なくとも1つのパラメータを区間毎に算出することを特徴としている。
また、本発明の請求項3の光ファイバの偏波モード分散測定装置は、請求項1記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置において、
前記パラメータ算出手段は、
前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを区間毎に算出することを特徴としている。
また、本発明の請求項4の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、
所定波長で直線偏波の光パルスを被測定光ファイバの一端側に入射し、該光パルスに対して前記被測定光ファイバが前記一端側から出射する後方散乱光から区間毎の4つのストークスパラメータを測定する段階(S1)と、
波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列を用いて定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、少なくとも前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータを区間毎に算出する段階(S2)と、
前記算出されたパラメータに基づいて、区間毎の第1のジョーンズマトリクスを求める段階(S3)と、
前記算出されたパラメータに基づいて、前記所定波長と異なる波長における区間毎の第2のジョーンズマトリクスを求める段階(S4)と、
前記求めた各区間の第1のジョーンズマトリクスおよび第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間のジョーンズマトリクスと相関係数とを用いて補正する段階(S5)と、
前記補正された第1のジョーンズマトリクスおよび第2のジョーンズマトリクスに基づいて、前記被測定光ファイバの任意の区間の偏波モード分散を算出する段階(S6)とを含んでいる。
また、本発明の請求項5の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、請求項4記載の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、
前記パラメータを算出する段階は、
前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と少なくとも1つのパラメータからなる散乱ミュラー行列とで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記散乱ミュラー行列の要素に含まれる少なくとも1つのパラメータを区間毎に算出することを特徴としている。
また、本発明の請求項6の光ファイバの偏波モード分散測定方法は、請求項4記載の光ファイバの偏波モード分散測定方法において、
前記パラメータを算出する段階は、
前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを区間毎に算出することを特徴としている。
以上説明したように、本発明の偏波モード分散測定装置および測定方法では、単一波長で且つ単一の入射偏光に対する後方散乱光からストークスパラメータを求め、そのストークスパラメータと散乱体のデポーラリゼーションを考慮したモデル式とに基づいて、所定周波数における光ファイバの伝達関数行列を決定するパラメータを区間毎に算出し、その算出されたパラメータに基づいて、所定周波数における第1のジョーンズマトリクスと所定周波数と異なる周波数における第2のジョーンズマトリクスとをそれぞれ区間毎に求め、求めた第1のジョーンズマトリクスおよび第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間のジョーンズマトリクスと相関係数とを用いて補正し、これらの補正により得られた2つのジョーンズマトリクスから光ファイバの任意の区間のPMDを算出している。
このように散乱体のデポーラリゼーションを考慮して光ファイバを正確にモデル化しているので単一波長で且つ単一の入射偏光のみで必要なパラメータを算出することができ、さらに、各区間のジョーンズマトリクスを近隣の区間のジョーンズマトリクスと相関係数により補正しているので、長い光ファイバであってもその任意の区間の偏波モード分散を短時間に且つ精度よく測定することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
始めに、図1にしたがって本発明の実施形態のPMD測定方法を説明する。
図1のフローチャートは、前記した特許文献1と同様に、光パルスを用いた片端測定で、被測定光ファイバのPMDを測定するための手順を示したものであり、始めに、所定波長λで直線偏波の光パルスPを被測定光ファイバの一端側に入射し、その光パルスに対して被測定光ファイバが一端側から出射する後方散乱光に含まれる偏波成分から、被測定光ファイバの区間毎の4つのストークスパラメータを求める(S1)。
ここで、各区間毎のストークスパラメータは、後方散乱光から基準となる0度の偏波成分I、Iに対して90度の角度をもつ偏波成分I90、Iに対して45度の角度をもつ偏波成分I45および円偏波成分Iを、被測定光ファイバに光パルスPが入射されたタイミングから、例えば、その光パルスが被測定光ファイバの遠端に到達して、その遠端からの後方散乱光が入射端に戻るのに必要に時間が経過するまで観測し、その観測結果に基づいて算出する。
そして、求めた区間毎のストークスパラメータと、波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と少なくとも1つのパラメータからなる散乱ミュラー行列とで定義される光ファイバのモデル式とに基づいて、被測定光ファイバの任意の区間の所定波長λにおける伝達関数行列の3つのパラメータおよび散乱ミュラー行列の少なくとも1つのパラメータを算出する(S2)。
なお、この散乱ミュラー行列のパラメータは、上記ストークスパラメータの精度を上げることにより、複数のパラメータを算出することが可能である。ここでは、パラメータが1つの場合について説明するが、複数のパラメータを算出して使用してもよい。
以下、上記処理S1、S2について説明する。
図2のように、被測定光ファイバ1のある長さZの区間1′を仮定し、その入射端(図2では左端)から散乱点(右端)までの片道の伝達関数行列をTzとすると、これをミュラー(muller)行列に変換した行列をMz、転置行列Tzに対応するミュラー行列をMz′とし、さらに散乱行列をRzとおけば、往復のミュラー行列Fzは、次のように表すことができる。
Fz=Mz′・Rz・Mz ……(1)
ここで、光の角周波数ωにおける伝達関数行列T(ω)は、3つのパラメータΦ、Θ、Ψを用いて次式(2)のように表す。
Figure 0004950613
即ち、伝達関数行列T(ω)は、3つのパラメータΦ、Θ、Ψの自由度をもつ伝達関数で表現される。
ここで、パラメータΦは伝搬する光の直交2偏波間の初期位相差を表し、パラメータΘは伝搬する光の直交2偏波の主軸に対する回転角を表し、パラメータΨは、伝搬する光の直交2偏波間の位相差を表している。
また、レーリー散乱行列Rは、散乱体が対称面を持った粒子の集合体であると仮定すると、次式(3)のミュラー行列で表される。
Figure 0004950613
したがって、散乱行列(ミュラー)は、2つのパラメータa、aの自由度を持っている(ただし、後述するようにパラメータaは、測定データから既知となる)。
散乱行列は、入射光の4つのストークスパラメータ(I,Q,U,V)と出射光のストークスパラメータ(I′,Q′,U′,V′)で表現され、観測によって得られた波形と比較することができる。そのときの関係式は次式(4)となる。
Figure 0004950613
また、ストークスパラメータ(I,Q,U,V)と、各偏波成分の強度I〜Iとは、次式(5)のように関係付けられる。ただし、Ex、Eyは直交成分の振幅、記号*は共役を示す。
Figure 0004950613
また、式(4)により、次式(6)、(7)が得られる。
I′=a・I, Q′=a・Q ……(6)
′+I90′=a(I+I90
′−I90′=a(I−I90
……(7)
上記式(7)の関係から、前記式(4)は、次式(8)のように表すことができる(R′は散乱行列)。
Figure 0004950613
ここで、入射光は直線偏光なので、I=1、I90=I45=I=0となり、式(7)から、a=I′+I90′で測定データから既知となり、散乱行列R′は、結局aの自由度となる。
以上により、4種類の偏波成分の測定データのうち、入射端から距離Zだけ離れた地点から戻る散乱光についての測定データに対して、伝達関数行列Tの3つのパラメータ(Φ,Θ,Ψ)と散乱ミュラー行列Mの1つのパラメータaが決定できれば、前記した伝達関数行列T(ω)を計算できる。
ただし、伝達関数行列T(ω)は2行2列であるのに対し、散乱行列R′は4行4列であるため、このままの形では計算できない。
そこで、次式(9)のように、伝達関数行列Tを4行4列のミュラー行列Mに置き換える。
Figure 0004950613
このように置き換えた場合、伝達関数行列Tと散乱ミュラー行列Mの要素は、次の各式(10−1)〜(10−16)の関係を満たす。
M11
=(|T11|+|T12|+|T21|+|T22|)/2
……(10−1)
M12
=(|T11|−|T12|+|T21|−|T22|)/2
……(10−2)
M13
=−Re(T11・T12+T22・T21) ……(10−3)
M14
=−Im(T11・T12−T22・T21) ……(10−4)
M21
=(|T11|+|T12|−|T21|−|T22|)/2
……(10−5)
M22
=(|T11|−|T12|−|T21|+|T22|)/2
……(10−6)
M23
=−Re(T11・T12−T22・T21) ……(10−7)
M24
=−Im(T11・T12+T22・T21) ……(10−8)
M31
=−Re(T11・T21+T22・T12) ……(10−9)
M32
=−Re(T11・T21−T22・T12) ……(10−10)
M33
=Re(T11・T22+T12・T21) ……(10−11)
M34
=−Im(T11・T22+T21・T21) ……(10−12)
M41
=−Im(T21・T11+T22・T12) ……(10−13)
M42
=−Im(T21・T11−T22・T12) ……(10−14)
M43
=Im(T22・T11−T12・T12) ……(10−15)
M44
=Re(T22・T11−T12・T21) ……(10−16)
この行列Mを用いて前記式(1)を表せば、次式(11)のようになる。
Fz=Mz′・Rz′・Mz ……(11)
この式(11)を、前記式(8)、(9)を用いて書き直すと、以下の式(12)となる。
Figure 0004950613
上記式(12)が、被測定光ファイバ1について定義されたモデル式となり、これを計算することで、4つの未知のパラメータ(Φ,Θ,Ψ,a)を算出することができる。なお、詳述しないが、このパラメータの算出にはマーカット(marquatd)法を用いている。
これにより、被測定光ファイバ1の区間1′における片道の伝達関数行列Tの3つのパラメータと散乱行列R′の1つのパラメータが決定する。
また、図3に示すように、被測定光ファイバ1の全長を単位長区間に分け、入力端からm−1番目の区間までの伝達関数行列をTm−1、m番目の区間までの伝達関数行列をTとし、m番目の区間の伝達関数行列をtとすれば、次の関係が成り立つ。
=t・Tm−1, t=T・Tm−1 −1 ……(13)
つまり、m−1番目までの伝達関数行列Tm−1と、m番目までの伝達関数行列Tとが求まれば、上記式(13)からm番目の区間の伝達関数行列tを算出できる。
m番目の区間のパラーメータをΦ、Θ、Ψを用いて伝達関数行列tを表すと以下の式(14)となる。
Figure 0004950613
したがって、任意のn番目の区間までの伝達関数行列Tは、次式(15)で表すことができる。
Figure 0004950613
次に、波長が異なる光に対する伝達関数行列の要素に含まれるパラメータを演算によって求める。
即ち、伝達関数行列Tの要素を決定する3種類のパラメータΦ、Ψ、Θのうち、Θ以外の2つのパラメータΦ、Ψは波長依存性を持っており、入射光の角周波数ωについて、それぞれ以下のように表されることが知られている。
Φ=k1,m・ω, Ψ=k2,m・ω ……(16)
ただし、k、kは、位相と角周波数とを関係付ける係数
したがって、m番目の第1ジョーンズマトリクスTm(ω)は、以下の式(17)のように表される(S3)。
Figure 0004950613
また、ωをΔω変化させたω+Δωを用いて式(17)により、第2ジョーンズマトリクスT(ω+Δω)を各区間毎に算出する(S4)。
上記演算により、被測定ファイバ1の任意の区間の伝達関数行列および任意の区画までの伝達関数行列を計算することができ、これらを用いて任意の区間の偏波モード分散を算出することができる。
ただし、本願出願人は、種々の光ファイバに対して実際に測定した結果、距離が長い光ファイバに対して得られた測定結果に比較的大きな誤差が生じるという新たな問題を見出した。
この誤差は、隣接する区間の伝達関数行列の相関性を考慮していない結果によるものと予想され、本発明ではその相関性を考慮した補正演算を行うことで、距離の長い光ファイバであっても高い精度で偏波モード分散を算出できるようにしている(S5)。
前記演算で区間毎に得られたパラメータΦ、Ψ、Θから求められるジョーンズマトリクスT(ω)に対して、Θは符号の違いによる解が2つ存在する。このとき、m+1、m、m−1、m−2番目の区間までのジョーンズマトリクスと相関の強さを表す相関係数gとを用いて、次の補正モデル式(18)において、εが最小となるΘ′を定める。
ε=|T(ω)−t(ω)Tm−1(ω)|
+g|Tm+1(ω)−t(ω)T(ω)|
+g|Tm−1(ω)−t(ω)Tm−2(ω)| ……(18)
このようにして定めたパラメータΘ′と、前述のパラメータΦ、Ψ とを前記式(17)に用いて、次式(17′)のように、補正された第1ジョーンズマトリクスT(ω)′を求めている。
Figure 0004950613
また、第2のジョーンズマトリクスT(ω+Δω)に対しても同様に、次の補正モデル式(19)により、εが最小となるΘ′を定める。
ε=|T(ω+Δω)−t(ω+Δω)Tm−1(ω+Δω)|
+g|Tm+1(ω+Δω)−t(ω+Δω)T(ω+Δω)|
+g|Tm−1(ω+Δω)−t(ω+Δω)Tm−2(ω+Δω)|
……(19)
このようにして定めたパラメータΘ′と、前述のパラメータΦ、Ψとを前記式(17)に用いて、次式(17″)のように、補正された第2ジョーンズマトリクスT(ω+Δω)′を求めている。
Figure 0004950613
ここで、相関係数gは、偏波モード分散の値が既知の長い光ファイバを測定して決められた値であり、この補正モデル式を用いて各区間のジョーンズマトリクスを補正することで、偏波モード分散の値が未知の長い光ファイバを精度よく測定できることを確認している。
そして、PMDを前記非特許文献1と同様に、次式(20)で示すPMD演算子D(ω)を用いて算出する(S6)。
Figure 0004950613
なお、被測定光ファイバ1の全長にわたるPMDの分布を求める場合には、全ての区間毎のPMDを求める。
次に、上記方法に基づくPMD測定装置の実施形態について説明する。
図4は、本発明を適用したPMD測定装置20の構成を示している。
図4において、光パルス発生部21は、半導体レーザ22をパルス発生器23から出力されるパルス信号Epによって励起して、波長および幅が一定の光パルスPを出射させ、その光パルスPを偏光子24に入射して、偏波方向が一定の直線偏光の光パルスP′を出射する。
方向生結合器25は、光パルス発生部21から出射された光パルスP′を端子20aを介して被測定光ファイバ1の一端側に入射し、その入射した光パルスP′に対して被測定光ファイバ1の一端側から出射される後方散乱光Psを光パルスP′の入射光路と異なる光路から出射させる。
この後方散乱光Psは、例えば、図5に示すように、時間(光パルスの進行距離)の経過とともに減衰(一部で反射して強度が増大する場合もある)し、光ファイバの遠端で大きく減衰する。
偏波受光部26は、後述するストークスパラメータ取得手段31とともにこの実施形態のストークスパラメータ測定手段を構成するものであり、方向性結合器25から出射された後方散乱光Psを受けて、その後方散乱光Psに含まれる異なる複数の偏波成分を抽出し、各偏波成分の時間毎の強度をそれぞれ測定する。
この偏波受光部26は、例えば図6に示しているように、方向性結合器22から出射された後方散乱光Psを偏波分離器27で受けて前記した4種類の偏波成分I〜Iを光学的に分離抽出し、その各偏波成分I〜Iをそれぞれ受光器28a〜28dで受光して、その受光信号をそれぞれA/D変換器29a〜29dによって所定周期でサンプリングしてディジタル値に変換し、これを各偏波成分の強度を表す信号I(k)〜I(k)(都合上偏波成分と同一記号を用いる)として演算処理部30に時系列に出力する(k=1,2,…)。
コンピュータ構成の演算処理部30は、ストークスパラメータ取得手段31、、パラメータ算出手段32、第1のジョーンズマトリクス算出手段33、第2のジョーンズマトリクス算出手段34、第1の補正手段40、第2の補正手段41およびPMD算出手段35を有している。
ストークスパラメータ取得手段31は、光パルス発生部21が光パルスP′を出射したタイミングから所定時間が経過するまでの間に、偏波受光部26から出力される偏波成分毎の強度信号I(k)〜I(k)を取得して、取得した信号から、前記式(5)にしたがって、被測定光ファイバ1の各区間(前記サンプリング周期に対応した長さを最小とする区間)毎のストークスパラメータ(I,Q,U,V)を求める。
なお、実際の演算で必要なパラメータは、前記式(8)、(12)で示しているように、測定値I、I90を含む4つのパラメータ(I,I90,U,V)であり、ここでは、この測定値を含む4つのパラメータもストークスパラメータと呼ぶ。
また、この信号取得時間は測定対象区間に応じて任意であるが、被測定光ファイバ1の全長にわたるPMDを測定する場合には、被測定光ファイバ1に入射された光パルスが遠端に到達し、その遠端からの後方散乱光が入射端に到達するのに必要な時間までとする。
パラメータ算出手段32は、波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータ(Φ,Ψ,Θ)からなる伝達関数行列Mと少なくとも1つのパラメータ(a)からなる散乱ミュラー行列R′とで定義される被測定光ファイバの前記モデル式(12)と、ストークスパラメータ取得手段31によって取得された4つのストークスパラメータとに基づいて、伝達関数行列Tの3つのパラメータと散乱ミュラー行列の少なくとも1つのパラメータとを区間毎に算出する。
即ち、前記したPMDの測定方法で示したモデル式(12)に関わる計算を行なって、4つのパラメータ(Φ,Ψ,Θ,a)を各区間毎に求める。
第1のジョーンズマトリクス算出手段33は、パラメータ算出手段32によって得られたパラメータに基づいて、所定波長λ、つまり角周波数ωについての第1ジョーンズマトリクスTm(ω)を前記式(17)にしたがって、区間毎に算出する。
また、第2のジョーンズマトリクス算出手段34は、パラメータ算出手段32によって算出されたパラメータのうち、前記式(16)で示した波長依存性をもつパラメータの角周波数ω+Δωにおける値を求めて、そのパラメータについての第2ジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)を前記式(17)にしたがって区間毎に算出する。
そして、第1の補正手段40は、第1のジョーンズマトリクス算出手段33によって算出された各区間の第1のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第1のジョーンズマトリクスと相関係数gを用いてパラメータΘ′を定め、改めて算出することで補正し、第2の補正手段41は、第2のジョーンズマトリクス算出手段34によって算出された各区間の第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第2のジョーンズマトリクスと相関係数gを用いてパラメータΘ′を定めて改めて算出することで補正する。
PMD算出手段35は、第1の補正手段40および第2の補正手段41によって補正された第1のジョーンズマトリクスTm(ω)′と第2ジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)′について、例えば、前記非特許文献1と同様に、前記式(20)で示したPMD演算子D(ω)を用いて、被測定光ファイバの任意の区間あるいは任意の区間までの偏波モード分散PMD(Δτ)を算出する。なお、このPMDの算出方法は上記のようにPMD演算子D(ω)を用いた方法以外に他の周知の方法を用いることもできる。
次に、測定結果の一例を説明する。図7は、長さ500m、PMD値0.05psの光ファイバA、長さ500m、PMD値0.07psの光ファイバBおよび長さ1000m、PMD値0.02psの光ファイバCを繋いで測定対象とし、光ファイバA側から上記演算により求めたPMDの測定結果を示している。なお、このとき用いた相関係数gの値は、10−19.5(=3.162×10−20)である。
図中の点線は理論値、破線は上記補正処理を行わないときの演算結果であり、この図から上記補正処理を用いた測定結果が十分な精度を有していることが判る。
また、図8は、図7の測定対象にさらに長さ2000m、PMD値0.12psの光ファイバDを追加したときの測定結果であり、距離がさらに長くなっても測定結果の精度が十分高いことがわかる。
このように、第1の実施形態のPMD測定装置および測定方法では、光ファイバについて散乱体のデポーラリゼーションを考慮するとともに、単一波長で且つ単一の入射偏光に対する後方散乱光から得られる4種類のストークスパラメータと関連付けされたモデル式を定義し、そのモデル式と測定データから得られたストークスパラメータとに基づいて、光の角周波数ωにおける光ファイバ1の伝達関数行列を決定するパラメータを算出し、その算出されたパラメータに基づいて角周波数ωにおける第1のジョーンズマトリクスTm(ω)を求め、光の角周波数ω+Δωについてのパラメータを演算で求めて、それについての第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)を求め、さらに近隣の区間の相関を考慮して各ジョーンズマトリクスを補正し、その補正されたジョーンズマトリクスから光ファイバのPMDを算出している。
つまり、光ファイバ1を、散乱体のデポーラリゼーションを考慮して正確にモデル化しているので、単一波長で且つ単一の入射偏光で必要なパラメータを算出することができ、測定のための時間が従来(特許文献1)の1/6で済み、さらに近隣の区間の相関を考慮してジョーンズマトリクスを補正しているので、光ファイバの任意の区間のPMDを、その長さによらずに短時間に且つ精度よく測定することができる。
(第2の実施形態)
前述の実施の形態においては、散乱体が対称面を持った粒子の集合体であると仮定したが、散乱体が球面を持った粒子の集合体と考えることもできる。このとき、前述の式(3)で表した散乱行列においてa=aとなり、次式(21)のミュラー行列で表すことができる。
Figure 0004950613
ここで、前述のように入射光は直線偏光なので、aは測定データから既知となる。従って、上記式(21)のミュラー行列R″は既知となる。
そこで、上記式(21)を前述の式(12)に当てはめると、出射光のストークスパラメータ(I′,I90′,U′,V′)は、入射光の4つのストークスパラメータ(I,I90,U,V)で表現され、観測によって得られた波形と比較することができる。そのときの関係式は、次式(22)となる。
Figure 0004950613
上記式(22)において、出射光のストークスパラメータは、DOP(Degree of Polarization、偏光度)の抑圧を表すパラメータδを用いて次式(23)で計算できる(*は共役複素数を示す)。
Figure 0004950613
上記式(23)のA1、A2、A3、A4はジョーンズマトリクスJの各要素であり、次式(24)に示すとおり、伝達関数行列T(ω)として表される。
Figure 0004950613
従って、散乱体が球面を持った粒子の集合体と考えた場合、DOPの抑圧を表すパラメータδを含む4つのパラメータ(Φ、Θ、Ψ、δ)を、前述の式(22)からマーカット(Marquatd)法を適応して算出することができる。
ここで、前述の第1の実施形態で、前述の式(13)、(14)、(15)、(16)、(17)について説明したように、被測定光ファイバ1の全長を単位長区間に分けたとき、入力端からm番目の区間のパラメータΦm、Θm、Ψmを用いて、m番目の第1のジョーンズマトリクスTm(ω)と第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)とを算出できる。
そこで、前述の式(22)により、入力端からm番目の区間のパラメータΦm、Θm、Ψmを求める。そして、前述の第1の実施形態と同様に、m番目の第1のジョーンズマトリクスTm(ω)と第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)とを算出し、補正された第1のジョーンズマトリクスTm(ω)′と補正された第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)′とを求め、PMDを算出する。この部分は、前述の第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図9のフローチャートは、本発明の第2の実施形態における、被測定光ファイバのPMDを測定するための手順を示したものである。図1のフローチャートと同一の手順の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
ステップS1で区間毎のストークスパラメータが求まると、このストークスパラメータと、波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータ(Φ、Ψ、Θ)からなる伝達関数行列および偏光度の抑圧を表す1つのパラメータδで定義される前記被測定光ファイバのモデル式(22)とに基づいて、被測定光ファイバの任意の区間の伝達関数行列Tの3つのパラメータと偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを算出する(S2′)。
そして、算出されたこれらのパラメータに基づいて、所定波長λ、つまり角周波数ωについての第1のジョーンズマトリクスT(ω)を前記式(17)にしたがって、区間毎に算出する(S3′)。
また、算出されたこれらのパラメータに基づいて、ωをΔω変化させたω+Δωを用いて、第2のジョーンズマトリクスT(ω+Δω)を前記式(17)にしたがって、区間毎に算出する(S4′)。以後の手順は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図10は、本発明の第2の実施形態を適用したPMD測定装置20′の構成を示している。図4で示したPMD測定装置20と同一の機能の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
パラメータ算出手段32′は、波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータ(Φ、Ψ、Θ)からなる伝達関数行列と偏光度の抑圧を表す1つのパラメータδとで定義される前記被測定光ファイバのモデル式(22)と、ストークスパラメータ取得手段31によって取得された4つのストークスパラメータとに基づいて、伝達関数行列Tの3つのパラメータと偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを区間毎に算出する。
第1のジョーンズマトリクス算出手段33′は、パラメータ算出手段32′によって得られたパラメータに基づいて、所定波長λ、つまり角周波数ωについての第1のジョーンズマトリクスTm(ω)を前記式(17)にしたがって、区間毎に算出する。
第2のジョーンズマトリクス算出手段34′は、パラメータ算出手段32′によって得られたパラメータのうち、前記式(16)で示した波長依存性をもつパラメータの角周波数ω+Δωにおける値を求めて、そのパラメータについての第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)を前記式(17)にしたがって、区間毎に算出する。その他の部分の構成は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
図11に、第2の実施形態の測定結果の例を示す。図11は、長さ2000m、PMD値0.16psの光ファイバE、長さ2000m、PMD値0.12psの光ファイバD、長さ500m、PMD値0.14psの光ファイバA、長さ500m、PMD値0.1psの光ファイバB、長さ1000m、PMD値0.02psの光ファイバCを繋いで測定対象とし、光ファイバE側から上記演算により求めたPMDの測定結果を示している。
図中の点線は理論値であり、この図から第2の実施形態の測定結果が十分な精度を有していることがわかる。
このように、第2の実施形態のPMD測定装置および測定方法では、散乱体が球面を持った粒子の集合体と考え、DOPの抑圧を表すパラメータδを含む4つのパラメータを算出し、入力端からm番目の区間のパラメータを求め、m番目の第1のジョーンズマトリクスTm(ω)と第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)とを算出し、補正された第1のジョーンズマトリクスTm(ω)′と補正された第2のジョーンズマトリクスTm(ω+Δω)′とを求め、PMDを算出している。
このため、単一波長で且つ単一の入射偏光で必要なパラメータを算出することができ、測定のための時間が従来よりも短くて済み、さらに近隣の区間の相関を考慮してジョーンズマトリクスを補正しているので、光ファイバの任意の区間のPMDを、その長さによらずに短時間に且つ精度よく測定することができる。
なお、上記実施形態の補正モデル式(18)、(19)は一例であり、本発明を限定するものではない。
また、上記各実施形態では、前一つと後ろ二つの区間を補正に用いていたが、前後2つ以上の近隣の区間を用いて補正することも可能と思われる。その場合には、求めようとする区間から離間する区間ほど小さな相関係数を用いればよい。
本発明の第1の実施形態の偏波モード分散測定方法の手順を示すフローチャート 光ファイバをモデル化した図 任意区間の偏波モード分散を求める方法を説明するための図 本発明の実施形態の偏波モード分散測定装置の構成を示す図 後方散乱光の時間に対する強度変化の一例を示す図 実施形態の要部の構成例を示す図 実施形態の測定結果の一例を示す図 実施形態の測定結果の別の例を示す図 別の実施形態の偏波モード分散測定方法の手順を示すフローチャート 別の実施形態の偏波モード分散測定装置の構成を示す図 別の実施形態の測定結果の一例を示す図 偏波モード分散の影響を説明するための図
符号の説明
1……被測定光ファイバ、20、20′……偏波モード分散(PMD)測定装置、21……光パルス発生部、25……方向性結合器、26……偏波受光部、30……演算処理部、31……ストークスパラメータ取得手段、32、32′……パラメータ算出手段、33、33′……第1のジョーンズマトリクス算出手段、34、34′……第2のジョーンズマトリクス算出手段、35……偏波モード分散(PMD)算出手段、40……第1の補正手段、41……第2の補正手段

Claims (6)

  1. 所定波長で直線偏光の光パルスを出射する光パルス発生部(21)と、
    前記光パルスを被測定光ファイバの一端側に入射し、該入射した光パルスに対して前記被測定光ファイバの一端側から出射される後方散乱光を前記光パルスの入射光路と異なる光路から出射させる方向性結合器(25)と、
    前記方向性結合器から出射された後方散乱光を受けて、前記被測定光ファイバの区間毎の4つのストークスパラメータを測定するストークスパラメータ測定手段(26、31)と、
    波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列を用いて定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、少なくとも前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータを区間毎に算出するパラメータ算出手段(32、32′)と、
    前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータに基づいて、区間毎の第1のジョーンズマトリクスを求める第1のジョーンズマトリクス算出手段(33、33′)と、
    前記第1のジョーンズマトリクス算出手段によって算出された各区間の第1のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第1のジョーンズマトリクスと相関係数を用いて補正する第1の補正手段(40)と、
    前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータに基づいて、前記所定波長と異なる波長における区間毎の第2のジョーンズマトリクスを求める第2のジョーンズマトリクス算出手段(34、34′)と、
    前記第2のジョーンズマトリクス算出手段によって算出された各区間の第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間の第2のジョーンズマトリクスと相関係数を用いて補正する第2の補正手段(41)と、
    前記第1の補正手段によって補正された第1のジョーンズマトリクスと前記第2の補正手段によって補正された第2のジョーンズマトリクスとに基づいて、前記被測定光ファイバの任意の区間の偏波モード分散を算出する偏波モード分散算出手段(35)とを備えた光ファイバの偏波モード分散測定装置。
  2. 前記パラメータ算出手段は、
    前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と少なくとも1つのパラメータからなる散乱ミュラー行列とで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記散乱ミュラー行列の要素に含まれる少なくとも1つのパラメータを区間毎に算出することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置。
  3. 前記パラメータ算出手段は、
    前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを区間毎に算出することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの偏波モード分散測定装置。
  4. 所定波長で直線偏波の光パルスを被測定光ファイバの一端側に入射し、該光パルスに対して前記被測定光ファイバが前記一端側から出射する後方散乱光から区間毎の4つのストークスパラメータを測定する段階(S1)と、
    波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列を用いて定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、少なくとも前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータを区間毎に算出する段階(S2)と、
    前記算出されたパラメータに基づいて、区間毎の第1のジョーンズマトリクスを求める段階(S3)と、
    前記算出されたパラメータに基づいて、前記所定波長と異なる波長における区間毎の第2のジョーンズマトリクスを求める段階(S4)と、
    前記求めた各区間の第1のジョーンズマトリクスおよび第2のジョーンズマトリクスを、近隣の区間のジョーンズマトリクスと相関係数とを用いて補正する段階(S5)と、
    前記補正された第1のジョーンズマトリクスおよび第2のジョーンズマトリクスに基づいて、前記被測定光ファイバの任意の区間の偏波モード分散を算出する段階(S6)とを含む光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  5. 前記パラメータを算出する段階は、
    前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と少なくとも1つのパラメータからなる散乱ミュラー行列とで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記散乱ミュラー行列の要素に含まれる少なくとも1つのパラメータを区間毎に算出することを特徴とする請求項4記載の光ファイバの偏波モード分散測定方法。
  6. 前記パラメータを算出する段階は、
    前記波長依存性を有するパラメータを含み3つのパラメータからなる伝達関数行列と偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとで定義される前記被測定光ファイバのモデル式と、前記4つのストークスパラメータとに基づいて、前記伝達関数行列の要素に含まれる3つのパラメータと前記偏光度の抑圧を表す1つのパラメータとを区間毎に算出することを特徴とする請求項4記載の光ファイバの偏波モード分散測定方法。
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