JP4387677B2 - 水蒸気改質器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原料ガスを水蒸気と酸素の存在下に自己酸化および改質を行って、水素リッチな改質ガスを生成する水蒸気改質器に関する。
【0002】
【従来の技術】
メタン等の炭化水素、メタノール等の脂肪族アルコール類、ジメチルエーテル等のエーテル類、天然ガスや都市ガス等の原料ガスと水蒸気の混合物(以下、原料―水蒸気混合物という)を水蒸気改質触媒の存在下に水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを生成する水蒸気改質器が知られている。このような水蒸気改質器としては、水蒸気改質触媒に酸化触媒を共存させ、原料ガスを水蒸気と酸素の存在下に該触媒で自己酸化および改質を行い、水素リッチな改質ガスを生成する自己酸化型の水蒸気改質器が特許文献1で提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−192201号公報
【0004】
特許文献1に提案された技術では、酸化反応による発熱と水蒸気改質反応をそれぞれ酸化触媒と水蒸気改質触媒からなる混合触媒層で同時に行っている。すなわち、酸化発熱層と水蒸気改質反応(吸熱反応)層が共存することにより、加熱部の温度と吸熱部の温度を同等に維持することが可能となり、触媒等の構成部材の温度を所定の改質反応温度以下、例えば700℃近傍に抑制でき、それによって構成部材の寿命短縮も防止でき得るとしている。また水蒸気改質器内部の熱を有効に回収する機能を併せ持っているので高い改質効率を得られるとされている。
【0005】
図9は自己酸化型の水蒸気改質器の1例を示す模式的な断面図である。水蒸気改質器1は内筒2とその周囲に配置された外筒3を備え、内筒2の内部における最上部に水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層4および酸素含有ガス導入部5を設けた高温反応部6が配置され、その下側に伝熱層からなる隣接層7が配置され、更にその隣接層7の下側に高温シフト触媒層8と低温シフト触媒層9が順に配置される。
【0006】
水蒸気改質触媒は原料ガスを水蒸気改質する触媒層であり、例えばNiS−SiO2 ・Al2 3 などのNi系改質反応触媒や、WS2 −SiO2 ・Al2 3 やNiS−WS2 ・SiO2 ・Al2 3 などの改質反応触媒が使用される。
【0007】
酸化触媒は原料ー水蒸気混合物中の原料ガスを酸化発熱させて、水蒸気改質反応に必要な温度を得るものであり、例えば白金(Pt)やパラジウム(Pd)が使用される。水蒸気改質触媒に対する酸化触媒の混合割合は、水蒸気改質すべき原料ガスの種類に応じて1〜5%程度の範囲で選択する。例えば原料ガスとしてメタンを使用する場合は3%±2%程度、メタノールの場合は2%±1%程度の混合割合とされる。
【0008】
高温シフト触媒層7や低温シフト触媒層9を形成するシフト触媒としては、CuO−ZnO2 、Fe2 3 、Fe3 4 または酸化銅の混合物等が使用されるが、700℃以上で反応を行う場合にはCr2 3 を使用することもある。隣接層7を構成する伝熱層は、高温反応部6から流出する改質ガスから熱を吸収して冷却するもので、セラミック粒子などの伝熱性のよい粒子を充填して形成する。なお伝熱粒子を充填する代りに上下にガス流路を形成した耐熱性のセラミック構造体や伝熱フィンで伝熱層を形成することもできる。
【0009】
内筒2に配置した混合触媒層4、隣接層7、高温シフト触媒層8および低温シフト触媒層9の各底部は、通気性の支持体10,11,12,13でそれぞれ支持される。酸素含有ガス導入部5は導入管14と噴出孔15により構成され、例えば図示しない空気圧縮装置から供給される加圧空気を酸素含有ガスとして導入管14に供給し、噴出孔15から混合触媒層4内に吹き込むようになっている。
【0010】
外筒3の内部における最上部には水蒸気改質触媒層16が配置され、その下側に伝熱層17が配置される。そして水蒸気改質触媒層16および伝熱層17の底部はそれぞれ通気性の支持体18,19で支持される。伝熱層17の下方に原料ガス―水蒸気混合物の供給部20が連通し、水蒸気触媒層16の上側に排出部21が連通し、その排出部21は内筒2の高温反応部6の上側に連通する供給部22に連通する。さらに内筒2の最下側に配置した前記低温シフト触媒層9の下方に改質ガスを排出する排出部23が連通する。
【0011】
高温反応部6の内部温度は水蒸気改質反応を促進する高温領域に維持する必要がある。そのためには可能な限り不要な熱拡散を抑制することが重要になる。そこで従来、図9に示す如く、高温反応部6を配置した内筒2部分と水蒸気触媒層16を配置した外筒3部分の間に中空部を有する断熱部24が設けられる。なお、図10は断熱部24を含む部分拡大図である。断熱部24は環状の内壁部25と環状の外壁部26を有し、それらの上下は側壁部27で一体化されており、内部に中空部28が形成される。なお内壁部25は内筒2の一部(上側部分)により構成されている。
【0012】
次に、上記した従来の水蒸気改質器1の動作を説明する。先ず原料ガス―水蒸気混合物を供給部20に供給すると、その原料ガス―水蒸気混合物は高温シフト触媒層8および低温シフト触媒層9からの伝熱で温度上昇している伝熱層17を通過する間に温度上昇し、次いで水蒸気改質触媒層16に流入して原料ガスの一部が水蒸気改質される。外筒3の排出部21から改質ガスと残りの原料ガス―水蒸気混合物が排出し、内筒2の供給部22から高温反応部6に流入する。
【0013】
高温反応部6では原料ガス―水蒸気混合物に含まれる原料ガスの一部が、混合触媒層4を構成する酸化触媒の存在下に、酸素含有ガス導入部5から供給される酸素含有ガスの酸素により酸化反応し、原料―水蒸気混合物を改質反応に必要な温度範囲、例えば650℃〜750℃程度、標準的には700℃前後まで昇温する。すなわち自己酸化加熱が行われる。それによって原料ガス―水蒸気混合物の水蒸気改質反応が促進され、水素リッチな改質ガスが効率よく生成する。なお前記外筒3の水蒸気改質触媒層16は高温反応部6の予備改質部として機能する。
【0014】
高温反応部6で生成した改質ガスはその下側の隣接層7に流出し、そこで熱交換により温度低下してからその下側の高温シフト触媒層8、低温シフト触媒層9に順に通過し、その間に残留する一酸化炭素の殆どが水素に変換される。そして高純度の改質ガスが低温シフト触媒層9から排出部23を経て図示しない負荷設備、例えば車両搭載用や家庭用の燃料電池に供給される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように高温反応部6の熱は断熱部24により外筒3側に拡散しないように考慮されている。しかし図10に矢印Aで示すように、高温反応部6の熱は断熱部24の内壁部25から内筒2の下流側、すなわち隣接層7を配置した部分に伝熱すると共に、一部は該部分から側壁部27を通って断熱部24の外壁部26側にも伝熱する。
【0016】
したがって図10のような断熱部24を設けただけでは、高温反応部6からの熱拡散抑制効果が十分であるとは言い難い。そこで本発明は高温反応部の熱拡散、特に下流側の隣接層への熱拡散をより効果的に抑制できる水蒸気改質器を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層および酸素含有ガス導入部を設けた高温反応部を有する内筒と、内筒の周囲に水蒸気改質触媒層を設けた外筒を配置してなる二重筒構造の水蒸気改質器である。そして前記高温反応部を設けた内筒部分とそれに対向する外筒部分の間に中空部を有する断熱部を設け、その中空部を構成する内壁部に少なくとも高温反応部に隣接する隣接層側への熱伝導を抑制する間隙部を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0018】
このように中空部を構成する内壁部に少なくとも高温反応部に隣接する隣接層側への熱伝導を抑制する間隙部を設けることにより、高温反応部の熱が内壁部を経て隣接層を配置した内筒部分へ拡散することを抑制できる。そのため高温反応部における加熱に要する熱エネルギー節約できるので、改質反応における熱効率を向上することができる。
【0019】
上記水蒸気改質器において、前記間隙部を内壁部に設けたスリットにより形成することができる(請求項2)。
【0020】
前記課題を解決する別の本発明は、水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層(4)および酸素含有ガス導入部(5)を設けた高温反応部(6)を有する内筒(2)と、内筒(2)の周囲に水蒸気改質触媒層(16)を設けた外筒(3)を配置してなる二重筒構造の水蒸気改質器(1)において、
前記内筒(2)における、高温反応部(6)と、その下流側に隣接する隣接層(7)を所定間隔で離反する空隙層(40)を設け
前記酸素含有ガス導入部(5)は、内筒(2)の横断面の中心部にその軸方向に延長した導入管(14)と、その外周に設けた噴出孔(15)を有し、
前記隣接層(7)との境に、通気性の環状の支持体(43)で支持し、その支持体(43)と前記隣接層(7)との間に環状の前記空隙層(40)を配置したことを特徴とする水蒸気改質器である(請求項3)。
このような環状の空隙層を設けることにより、高温反応部の熱が、その下流側に接触する隣接層に熱伝導で拡散することを防止でき、それによって高温反応部6における加熱に要する熱エネルギーを抑制することができる。
【0021】
上記水蒸気改質器において、前記酸素含有ガス導入部は内筒の軸方向に沿って延長した導入管とそれに設けた噴出孔を有し、中空部を構成する内壁部には内側へ突起する支持片を設けると共に、それに対向した酸素含有ガス導入部(5) の壁部には外側へ突起する支持片を設け、前記混合触媒層の底部をそれら支持片の上側に配置した通気性の支持体で支持し、その支持体と前記隣接層との間に前記空隙層を形成することができる(請求項4)。
【0022】
空隙層を設けた上記いずれかの水蒸気改質器において、さらに、前記高温反応部を設けた内筒部分とそれに対向する外筒部分の間に中空部を有する断熱部を設け、中空部を構成する内壁部に少なくとも高温反応部に隣接する隣接層側への熱伝導を抑制する間隙部を設けることができる(請求項5)。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る水蒸気改質器における断熱部付近の部分拡大図である。本実施形態の水蒸気改質器の主要部分、および使用する各種触媒層は図9に示したものと同じであるので、その全体構成およびそれに関連する説明は重複するので省略する。
【0024】
水蒸気改質器1は、水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層4および酸素含有ガス導入部5を設けた高温反応部6を有する内筒2と、内筒2の周囲に水蒸気改質触媒層16を設けた外筒3(鎖線)と、を配置した二重筒構造を有する。高温反応部6の混合触媒層4の底部はパンチングメタル等からなる円板状で通気性の支持体10により支持され、その下流側(図1の下側)に伝熱層からなる隣接層7が配置される。なお支持体10は導入管14に設けた支持片10aと内壁部25に設けた支持片10bの上に配置される。
【0025】
高温反応部6から外筒側への熱拡散を抑制するため、部分の外側には図1と同様な断熱部24が設けられる。断熱部24は内壁部25と外壁部26およびそれらの上下を互いに連結する側壁部27により中空環状に構成され、内部に中空部28が形成される。なお内壁部25は内筒2の一部により形成されている。
【0026】
内壁部25の下部、すなわち隣接層7に近い部分に間隙部30が形成される。この間隙部30は高温反応部6の熱が内壁部25、すなわちそれを形成する内筒2の一部から隣接層7を配置した部分へ拡散することを抑制すると共に、熱の一部が下側の側壁部27から外壁部26側に拡散することも有効に抑制するものであり、それによって高温反応部6における加熱に要する熱エネルギーを節約することができる。
【0027】
図2,図3に間隙部30の例を示す。間隙部30は内壁部25の周方向に断続的に設けた複数の比較的短いスリット31により形成され、図2はスリット31を1段だけ配列した例で、図3はそれを千鳥型に2段配列した例である。なお各スリット31の間隔は熱拡散の抑制の面からできるだけ小さいことが望ましいが、強度的な面からその下限が定まる。
【0028】
なお、図1の実施形態では前記間隙部30のほかに、内壁部25の上部に他の間隙部32を設けている。間隙部32は図2,図3に示すスリット31と同様なもので構成でき、これを設けることにより内壁部25から上側の側壁部27を経て外壁部26側への熱拡散を抑制することができる。しかしこの間隙部32は場合によっては省略される。また、間隙部30,32を同時に構成する場合は、ガスが中空部28をバイパスしないように中空部28に断熱材等を充填する必要がある。
【0029】
図4は本発明に係る水蒸気改質器における別形態の断熱部付近の部分拡大図である。この例は内筒2に配置した高温反応部6の底部とそれに隣接する隣接層7を所定間隔で離反する空隙層40を形成したことに特徴がある。このようにすると高温反応部6の熱が熱伝導により隣接層7に拡散することを抑制できる。したがって本実施形態は、高温反応部6から隣接層7への熱拡散抑制の面から、高温反応部6の熱エネルギーを節約して改質反応における熱効率を向上するものである。
【0030】
断熱部24における内壁部25の下部には内側に突起した支持片41が設けられ、それに対向する酸素含有ガス導入部5を構成する導入管14部分には外側に突起する支持片42が設けられる。それら支持片41,42は周方向に連続する環状としてもよいが、周方向に断続的に設けることもできる。そしてこれら支持片42,42の上に通気性の支持体43が配置される。
【0031】
支持体43は全体が環状に形成され、パンチングメタルなどで作られた多孔性で円板状の支持板44と、支持板44から下方に延長する脚部45により構成され、脚部45の底が前記支持片42,42上に支持される。そして支持体43によって前記空隙層40が形成され、脚部45の長さにより空隙層40の上下方向の最小間隔が設定される。なおこの上下方向の間隔は下流側に配置する隣接層7の高さ調整によっても若干は調整できる。
【0032】
図5は図4の変形例である。この実施形態では空隙層40を形成する支持体43がパンチングメタルなどで作られた多孔性で円板状の支持板44だけで構成され、図4の例のような脚部45を有していない。その代わりに断熱部24の内壁部25の下部から内側に突起する支持片41と、それに対向して導入管14部分から外側に突起する支持片42の位置が図4の脚部45の長さ分だけ上方になっている。
【0033】
図6は図4の更に別の変形例である。この実施形態では空隙層40を形成する支持体43がパンチングメタルなどで作られた多孔性で円板状の支持板44と、複数の脚部45により構成される。しかし脚部45は図4の例のように支持板44に一体的に連結されず、支持板44と別体となっている。そして短冊状に形成された複数の脚部45はその面を垂直にして導入管14の外面に固定され、それら脚部45の上に支持板44が配置される。そして脚部45の上下方向の長さにより空隙層40の上下方向の最小間隔が設定される。
【0034】
図7は本発明に係る水蒸気改質器の更に別形態であって、その断熱部付近を分解して示す部分拡大斜視図であり、図8は断熱部付近を組み合わせた状態の断面図である。この実施形態は図1の例に示す間隙部30と図4に示す空隙層40を備えており、それら両者により高温反応部6の熱が隣接層7側などに拡散することをより効果的に抑制する。
【0035】
この実施形態では内筒2の上部断面が拡大され、その拡大部分に断熱部24を図7の矢印のように挿入して組み合わせると図8のようになる。そして内筒2の拡大部分の縦壁が断熱部24の外壁部26を形成し、拡大部分の横壁が断熱部24の下側における側壁部27を形成し、その側壁部27と断熱部24の内壁部25の下側先端との間に間隙部30が形成される。そして所望により内壁部25の上部に別の間隙部(スリット)32を設けることもできる。その場合には、中空部28に断熱材を充填する必要がある。
【0036】
空隙層40は図6の例と同様に、パンチングメタルなどで作られた多孔性で円板状の支持板44だけで構成した支持体43により形成される。そして断熱部24の内壁部25の下部から内側に突起する支持片41と、それに対向して導入管14部分から外側に突起する支持片42の位置を図4の脚部45の長さ分だけ上方にし、それら支持片41、42の上に支持板43が配置される。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明の水蒸気改質器は、高温反応部を設けた内筒部分とそれに対向する外筒部分の間に中空部を有する断熱部を設け、その中空部を構成する内壁部に少なくとも高温反応部に隣接する隣接層側への熱伝導を抑制する間隙部を設けたことを特徴とする。そのため高温反応部の熱が内壁部を経て隣接層を配置した内筒部分へ拡散することを抑制でき、それによって高温反応部の加熱に要する熱エネルギーを節約できるので、改質反応の熱効率を向上することができる。
【0038】
上記水蒸気改質器において、前記間隙部を内壁部に設けたスリットにより形成することができる。間隙部をこのようなスリットで形成することにより、簡単な構造で容易に間隙部を形成できる。
【0039】
また別の本発明は、内筒における高温反応部とその下流側に隣接する隣接層との境に、通気性の環状の支持体(43)を設け、その支持体(43)と前記隣接層(7)との間に環状の前記空隙層(40)を配置することにより、高温反応部の熱がそれに接触する隣接層に熱伝導で拡散することを抑制でき、それによって高温反応部における加熱に要する熱エネルギーを節約することができる。
【0040】
上記水蒸気改質器において、前記酸素含有ガス導入部は内筒の軸方向に沿って延長した導入管とそれに設けた噴出孔を有し、中空部を構成する内壁部には内側へ突起する支持片を設けると共に、それに対向した酸素含有ガス導入部(5) の壁部には外側へ突起する支持片を設け、前記混合触媒層の底部をそれら支持片の上側に配置した通気性の支持体で支持し、その支持体と前記隣接層との間に前記空隙層を形成することができる。このように構成すると、簡単な構造で容易に空隙層を形成できる。
【0041】
空隙層を設けた上記いずれかの水蒸気改質器において、さらに、前記高温反応部を設けた内筒部分とそれに対向する外筒部分の間に中空部を有する断熱部を設け、その中空部を構成する内壁部に少なくとも高温反応部に隣接する隣接層側への熱伝導を抑制する間隙部を設けることができる。このように間隙部と空隙層の両方を設けることによって、それら両者の相乗効果により、高温反応部の熱が断熱部や混合触媒層と隣接層との接触部分などから隣接層側等へ拡散することを大幅に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水蒸気改質器における断熱部付近の部分拡大断面図。
【図2】図1における間隙部30の例を示す部分拡大斜視図。
【図3】図1における間隙部30の他の例を示す部分拡大断面図。
【図4】本発明に係る水蒸気改質器における別形態の断熱部付近の部分拡大断面図。
【図5】図4の変形例を示す部分拡大断面図。
【図6】図4の他の変形例を示す部分拡大斜視図。
【図7】本発明に係る水蒸気改質器における更に別形態であって、その断熱部付近を分解して示す部分拡大斜視図。
【図8】図7の組み立て後における部分拡大断面図。
【図9】自己酸化型の水蒸気改質器の1例を示す模式的な断面図。
【図10】図9における断熱部24付近の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 水蒸気改質器
2 内筒
3 外筒
4 混合触媒層
5 酸素含有ガス導入部
6 高温反応部
7 隣接層
8 高温シフト触媒層
9 低温シフト触媒層
10〜13 支持体
10a,10b 支持片
14 導入管
15 噴出孔
16 水蒸気改質触媒層
17 伝熱層
18,19 支持体
20 供給部
21 排出部
22 供給部
23 排出部
24 断熱部
25 内壁部
26 外壁部
27 側壁部
28 中空部
30 間隙部
31 スリット
32 間隙部
40 空隙層
41,42 支持片
43 支持体
44 支持板
45 脚部

Claims (5)

  1. 水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層(4) および酸素含有ガス導入部(5) を設けた高温反応部(6) を有する内筒(2) と、内筒(2) の周囲に水蒸気改質触媒層(16)を設けた外筒(3) を配置してなる二重筒構造の水蒸気改質器(1) において、
    前記高温反応部(6) を設けた内筒(2) 部分とそれに対向する外筒(3) 部分の間に中空部(28)を有する断熱部(24)を設け、その中空部(28)を構成する内壁部(25)に少なくとも高温反応部(6) に隣接する隣接層(7) 側への熱伝導を抑制する間隙部(30)を設けたことを特徴とする水蒸気改質器。
  2. 請求項1において、
    前記間隙部(30)が内壁部(25)に設けたスリット(31)により形成されることを特徴とする水蒸気改質器。
  3. 水蒸気改質触媒と酸化触媒を混合した混合触媒層(4)および酸素含有ガス導入部(5)を設けた高温反応部(6)を有する内筒(2)と、内筒(2)の周囲に水蒸気改質触媒層(16)を設けた外筒(3)を配置してなる二重筒構造の水蒸気改質器(1) において、
    前記内筒(2)における、高温反応部(6)と、その下流側に隣接する隣接層(7)を所定間隔で離反する空隙層(40)を設け
    前記酸素含有ガス導入部(5)は、内筒(2)の横断面の中心部にその軸方向に延長した導入管(14)と、その外周に設けた噴出孔(15)を有し、
    前記隣接層(7)との境に、通気性の環状の支持体(43)で支持し、その支持体(43)と前記隣接層(7)との間に環状の前記空隙層(40)を配置したことを特徴とする水蒸気改質器。
  4. 請求項3において、
    前記酸素含有ガス導入部(5) は内筒(2) の軸方向に延長した導入管(14)とそれに設けた噴出孔15を有し、中空部(28)を構成する内壁部(25)には内側へ突起する支持片(41)を設けると共に、それに対向した酸素含有ガス導入部(5) の壁部には外側へ突起する支持片(42)を設け、前記混合触媒層(4) の底部をそれら支持片(41),(42)の上側に配置した通気性の支持体(43)で支持し、その支持体(43)と前記隣接層(7) との間に前記空隙層(40)を形成したことを特徴とする水蒸気改質器。
  5. 請求項3または請求項4において、
    前記高温反応部(6) を設けた内筒(2) 部分とそれに対向する外筒部分の間に中空部(28)を有する断熱部(24)を設け、中空部(28)を構成する内壁部(21)に少なくとも高温反応部(6) に隣接する隣接層(7) 側への熱伝導を抑制する間隙部(30)が設けられた水蒸気改質器。
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