JP4387046B2 - 回動位置センサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回動軸に取り付けたカムと、渦電流式変位計とを用いて、回動軸の回動位置を検出する回動位置センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回動位置センサーとしては、回動軸に取り付けたカムと、カムの側周面に対向する位置に配置された渦電流式変位計とを備えたものがある。また、回転位置センサーは、変換機器を通して、回動軸の回動位置を制御する制御機器に接続されている。この回動位置センサーは、渦電流式変位計によって回動されるカムの側周面との距離を測定し、回動軸の回動位置信号として変換機器に出力する。変換機器は、回動位置信号を制御機器に応じた出力となるように変換し、該変換した信号を該制御機器に出力する。そして、制御機器では、入力された信号に基づいてアクチュエータ等を駆動し、回動軸の回動位置を制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回動位置センサーでは、回動軸の回動位置信号を制御機器の出力に応じた信号に変換するための変換機器が必要であり、この変換機器がコストアップになっていた。
また、回動位置センサーでは、カムの加工誤差、渦電流式変位計及びカムの取付誤差により、渦電流式変位計で測定する回動位置信号に若干の誤差が生じる。このため、回動軸の回動位置を高精度で制御するときには、カムの加工誤差、渦電流式変位計及びカムの取付誤差を極力少なくする必要があり、コストアップになっていた。
【0004】
本発明の目的は、コストを低減することのできる回動位置センサーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1の発明は、回動軸に取り付けされるカムと、このカムの側周面と対向する位置に配置された渦電流式変位計とを備え、渦電流式変位計がカムの側周面との距離を測定して回動軸の回動位置信号として出力する回動位置センサーである。そして、回動位置センサーは、回動位置信号が入力される制御機器に応じた出力になるように、カムの側周面の形状を加工したものである。渦電流式変位計の回動位置信号は、カムの側周面の形状により制御機器に応じた出力となるため、変換機器によって制御機器に応じた信号に変換することなく、そのまま制御機器に入力できる。
【0006】
第2の発明は、回動軸に取り付けされるカムと、このカムの側周面と対向する位置に配置された渦電流式変位計とを備え、渦電流式変位計がカムの側周面との距離を測定して回動軸の回動位置信号として出力する回動位置センサーである。そして、回動位置センサーは、渦電流式変位計の出力が回動角度に応じてほぼ比例して増減するように、カムの形状を加工したものである。渦電流式変位計の回動位置信号は、カムの側周面の形状により回動角度に応じてほぼ比例して増減する出力となる。そして、制御機器が、回動角度に応じてほぼ比例して増減する回動位置信号に対応するものであるとき、渦電流式変位計の出力をそのまま制御機器に入力して、回動位置信号をして用いることができる。
【0007】
第3の発明は、回動位置センサーの製造誤差を修正可能な補正部を備える第2の回動位置センサーである。カムの加工などの製造誤差により、回動位置センサーの回動位置信号に誤差が生じても、該回動位置信号の誤差を補正部によって修正することができる。
【0008】
第4の発明は、補正部が、複数の回動位置で製造誤差を増減して修正し、修正した各回動位置間は、該回動位置の修正した値から回動位置に応じて比例的に修正値を演算して補正する第3の回動位置センサーである。補正部では、複数の回動位置で製造誤差による回動位置信号を増減し、各回動位置間で比例的な修正値を演算して補正するため、簡便な方法で回動位置信号の誤差を補正できる。
【0009】
第5の発明は、回動軸に取り付けされるカムと、このカムの側周面と対向する位置に配置された渦電流式変位計とを備え、渦電流式変位計がカムの側周面との距離を測定して回動軸の回動位置信号を出力する回動位置センサーである。そして、回動位置センサーは、回動位置センサーの製造誤差を修正可能な補正部を備えるものである。カムの加工などの製造誤差により、回動位置センサーの回動位置信号に誤差が生じても、該回動位置信号の誤差を補正部によって修正することができる。
【0010】
第6の発明は、補正部が、複数の回動位置で製造誤差を増減して修正し、修正した各回動位置間は、該回動位置の修正した値から回動位置に応じて比例的に修正値を演算して補正する第5の回動位置センサーである。補正部では、複数の回動位置で製造誤差による回動位置信号を増減し、各回動位置間で比例的な修正値を演算して補正するため、簡便な方法で回動位置信号の誤差を補正できる。
【0011】
第7の発明は、渦電流式変位計が対向するカムの被検出部を、該カムの中心とする左右に各1箇所づつ形成されている第1乃至第6のいずれかの発明に係る回動位置センサーである。カムの被検出部を、カムの中心とする左右に各1箇所づつ形成するため、渦電流式変位計をカムの左右どちらからでも対向させて配置することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の回動位置センサーについて、図面を参照して説明する。図1は、回動位置センサーの正面図であり、制御機器との接続状態を示す。
【0013】
図1において、回動位置センサー1は、回転平面カム2と、渦電流式変位計3とを備えて構成される。
【0014】
回転平面カム2は、ACサーボモータ72の回動出力軸62に取り付けられている。ACサーボモータ72は制御機器51に接続されている。この回転平面カム2は、ACサーボモータ72によって回動出力軸62と共に回動される。
【0015】
渦電流式変位計3は、コイルやコンデンサからなる検出ヘッド5を備え、該検出ヘッド5を回転平面カム2の側周面6と対向する位置に非接触で配置している。この検出ヘッド5は制御機器51に接続されている。この渦電流式変位計3は、検出ヘッド5により高周波の磁界を発生し、回動される回転平面カム2の側周面6に渦電流を発生させる。そして、渦電流式変位計3は、渦電流の磁界によって変化する上記コイルのインピーダンスにより、回転平面カム2の側周面6との距離dを測定し、回動出力軸62の回動位置を検出する。また、渦電流式変位計3は、回動出力軸62の回動位置信号fを制御機器51に出力する。
【0016】
制御機器51は、入力部52及びドライバ54を備えて構成される。ドライバ54は、外部指令機器からの指令値pを入力し、ACサーボモータ72の起動及び回転を制御する。なお、指令値pとは、回動出力軸62に対する回動角度、回動方向及び回動速度等の指令信号である。この制御機器51は、渦電流式変位計3からフィードバックされる回動位置信号fと指令値pとの偏差を信号としてドライバ54に出力する。ドライバ54は、偏差の信号に基づきACサーボモータ72の回転を制御し、回動出力軸62を指令値pの回動角度まで回動させる。
【0017】
また、回転平面カム2の具体的な形状例は、図1及び図2に示される。図2は、渦電流式変位計3の出力(回動位置信号f)と回転平面カム2の回動角度θとの関係を示すグラフ図である。
図1において、回転平面カム2は、渦電流を発生できる円形部材から形成され、回動出力軸62の軸芯aと直交する中心線bに対して左右対称な形状である。この回転平面カム2には、円形部材の外周を加工することで、中心線bの左右に各1箇所づつ被検出部となる側周面6が形成されている。各側周面6の形状は、中心線bを基準とする回転平面カム2の下端点cから角度を増すにつれて、回動出力軸62の軸芯aからの半径Rが徐々に小さくされている。
この半径Rを小さくする程度は、図2に示す如く、
(1)渦電流式変位計3の出力(回動位置信号f)が回転平面カム5の回動角度θに応じてほぼ比例して増減できるものであり、
(2)制御機器51が渦電流式変位計3の出力に対応できる、ものに設定される。
すなわち、各側周6の形状は、渦電流式変位計3の回動位置信号fが制御機器51に応じた出力となるように設定されている。具体的には、カム側周を、図2に示す円周から距離(ギャップg)になるように形成する。
なお、各側周面6の形状は、上記(1)及び(2)記載に適用するものに限定されず、制御機器51の仕様により、渦電流式変位計3の回動位置信号fが各仕様の制御機器51に応じた出力となるようすればよい。
【0018】
次に、回動位置センサー1による回動位置の検出を、図1により説明する。
なお、回転平面カム2は、図1の状態にあるものとする。
【0019】
回動出力軸62を所定角度だけ回動するため、オペレータは上記外部指令機器により回動出力軸62に対する指令値pを制御機器51へ入力する。制御機器51のドライバ54は、指令値pを入力すると、ACサーボモータ72の起動を開始して、回動出力軸62を回動させる。これにより、回転平面カム2は、例えば時計周りに回動される。
【0020】
渦電流式変位計3は、回転平面カム2の側周面6との距離dを測定しており、回転位置信号fとして制御機器51の入力部52にフィードバックする。このとき、回転平面カム2は、回動角度θが増すにつれて検出ヘッド18に近づき、上記距離dを小さくする。これにより、渦電流式変位計3から出力される回動位置信号fもほぼ比例して減少する。
【0021】
回動位置信号fと指令値pとの偏差を信号としてドライバ54に出力する。ドライバ54は、偏差の信号に基づきACサーボモータ72の回転を制御し、回動出力軸62を指令値pの回動角度まで回動させる。
【0022】
本発明の回動位置センサー1では、回転平面カム2の形状を、回動位置信号fが制御機器51に応じた出力となるよう形成したので、渦電流式変位計3の回動位置信号fをそのまま制御機器51に入力できる。すなわち、回転平面カム2の形状を、回動位置信号fが制御機器51に対応しない出力となるもの(ギャップgが回転角度に対して均等に増加するもの)にすると、図2示すように、渦電流式変位計3の出力は、回転平面カム2の回動角度にほぼ比例しない回動位置信号f’となる。このとき、回動位置信号f’を制御機器51に応じた出力とするためには、変換機器によってほぼ比例して増減する回動位置信号fに変換する必要がある。
カム2の形状を制御機器51に応じた出力となるように形成したので、本発明の回動位置センサー1では、回動位置信号を制御機器51に応じた信号に変換する変換機器を設ける必要がなく、コストを低減することが可能となる。
【0023】
また、回転平面カム2を中心線bに対して左右対称な形状とし、左右に1箇所づつ被検出部となる側周面6を形成するため、渦電流式変位計3を回転平面カム2の左右いづれからも配置できる。
【0024】
そして、本発明の回動位置センサー1では、回転平面カム2の加工誤差、回転平面カム2及び渦電流式変位計3の取付誤差等の製造誤差に起因する、回動位置信号の誤差を補正する補正部53を備える構成も採用できる。図3は、回動位置信号の誤差を補正する手順を示すグラフ図である。
【0025】
図1において、補正部53は、制御機器51に備えられている。
【0026】
補正部53による補正は、回転平面カム2を回動し、渦電流式変位計3によって回転平面カム2の回動位置信号を補正部53に出力する。このとき、回転平面カム2に加工誤差が生じていると、上記距離dも変動することから、渦電流式変位計3の出力する回動位置信号は、図3に示すように、理想の回動位置信号fと異なるものとなる。例えば、回動角度θ=50°となる回動位置では、理想の回動位置信号f2より低い回動位置信号g2となり、回動角度θ=130°となる回動位置では、理想の回動位置信号f5より高い回動位置信号g5となる。
【0027】
補正部53は、誤差のある回動角度θ=50°,130°の回動位置の各回動位置信号g2,g5を修正する。この修正は、各回動位置信号g2,g5と理想の回動位置信号f2,f5との製造誤差h2,h5を増減して、各回動位置信号g2,g5を理想の回動位置信号f2,f5にする。
【0028】
続いて、補正部53は、回動角度θ=50°の回動位置と回動角度θ=25°の回動位置間にある、任意の回動位置の回動位置信号を補正する。この補正は、回動角度θ=25°,50°の各回動位置信号f1,g2により一次関数Y1を演算する。また、任意の回動位置に対する、修正値gnを算出する。この修正値gnは、回動角度θ=50°の回動位置に対する、製造誤差h2から比例的に算出されるもので、回動角度θ=25°の回動位置からの各回動位置の距離L1,L2、一次関数Y1及び製造誤差h2とすると、修正値gn=(L1×h2)/L2で算出される。そして、任意の回動位置の回動位置信号に対して、修正値gnを増加することにより補正する。
なお、回動角度θ=50°,75°の各回動位置の間、及び回動角度θ=130°,100°の各回動位置の間にある、任意の回動位置も同様に、修正値を算出し、該修正値を増減することにより補正する。
【0029】
本発明の回動位置センサー1では、回転平面カム2の加工などの製造誤差により、渦電流式変位計3の回動位置信号に誤差が生じても、該回動位置信号の誤差を補正部53によって補正することができる。この結果、回転平面カム2の加工精度、回転平面カム2及び渦電流式変位計3の取付精度を上げることなく、回動位置信号を制御機器51に応じた出力とほぼ同等に補正するができ、コストを低減することが可能となる。
また、補正部53では、誤差のある回動位置の回動位置信号g2,g5に製造誤差g2,g5を増減して修正し、各回動位置間で、比例的な修正値gnを演算して補正するため、簡便な方法で回動位置信号の誤差を補正できる。
【0030】
次に、回動位置センサー1の適用例を、図4及び図5により説明する。図4は、アクチュエータの一部を断面とした側面図であり、図5は、図4のA−Aから見た一部断面とした正面図である。なお、図4及び図5において、図1と同一符号は同一部材を示す。
【0031】
図4及び図5において、アクチュエータ71は、船舶などの内燃機関の燃料ポンプを制御するもので、ACサーボモータ72、減速機73、ブラシレスレゾルバ74及び出力レバー75を備えてなる。そして、回動位置センサー1は、出力レバー75の回動位置を検出するために用いられる。
【0032】
ACサーボモータ72は、例えば、同期形ACサーボモータで構成され、回動出力軸に設けたロータ(永久磁石)と、ロータを覆うステータ76に設けたステータコイルとを備えている。このACサーボモータ72は、図1に示す制御機器51のドライバ54により起動及び回転が制御される。
【0033】
減速機3は、本体ケース77内に配置した遊星歯車機構で構成され、ACサーボモータ72の回動出力軸の一端に連結されている。また、減速機73の出力軸78は、ACサーボモータ72の反対側に突出している。この出力軸78は、本体ケース77に外嵌されるケーシング79内に回動自在に収納されている。本体ケース77は、複数のボルトによってACサーボモータ72のステータ76に一体に取付けられる。ケーシング79は、複数のボルトによって本体ケース77に一体にされている。このケーシング79には、ケーシング79内に開口する装着穴部79Aが形成されている。また、ケーシング79には、径外側に突出するフランジ80が形成され、該フランジ80にはボルト・ナットによりブラケット81が設けられている。このブラケット81は、アクチュエータ71を内燃機関の周辺に配置するためのものである。
【0034】
ブラシレスレゾルバ74は、ACサーボモータ72の回動出力軸の回動位置を検出するもので、ACサーボモータ72の回動出力軸の他端側(減速機3と反対側)に設けられている。また、ブラシレスレゾルバ74は、筒形ケース82内に配置した検出部及びロータリートランスとで構成される。レゾルバ74の検出部は、筒形ケース82内周に設けた検出ステータコイルと、該コイルに対峙して回動出力軸に設けた検出ロータコイルとでなる。レゾルバ74のロータリートランスは、検出ステータコイルに並列して筒形ケース82の内部に設けたステータトランスと、該トランスに対峙して回動出力軸に設けたロータトランスとでなる。このブラシレスレゾルバ74は、ロータトランスからの交流電流によって検出ロータコイルを励磁し、検出ステータコイルに出力電圧を誘起させることにより、ACサーボモータ72の回動出力軸の回動位置を検出する。
【0035】
回動位置センサー1は、減速機73と出力レバー75との間に配置されている。回転平面カム2は、ケーシング79内に回動自在に配置され、複数のボルトによって減速機73の出力軸78に連結されている。また、回転平面カム2には、減速機73の出力軸78と同芯としてケーシング79内を延びる揺動軸83が形成されている。この揺動軸83は、ケーシング79の開口端を閉鎖する蓋板体84を挿通して、該ケーシング79外に突出している。渦電流式変位計5は、ケーシング79の装着穴部79A周りに配置され、ボルトや溶接等によってケーシング79に固定されている。検出ヘッド5は、装着穴部79Aを通してケーシング79内に突出され、回転平面カム2の側周面6に対向して非接触で配置されている。なお、検出ヘッド5は、図1に示す制御機器51の入力部52に接続されている。
【0036】
出力レバー75は、揺動軸83の先端側に外嵌されて、該揺動軸83の外周回りに設けられた複数のボルト・締付け材により締付け固定されている。また、出力レバー75は、揺動軸83の軸芯に直交して上端側へ延びている。この出力レバー75は、リンク機構により内燃機関の燃料ポンプに連結されている。
【0037】
アクチュエータ71では、図1の制御機器51のドライバ54によりACサーボモータ72が起動及び回転される。ACサーボモータ72の回転は、減速機73により減速されて、出力軸78から回転平面カム2及び出力レバー75に伝達される。これにより、回転平面カム2及び出力レバー75は、例えば、時計周りに回動される。回転平面カム2等が回動されると、図1と同様にして、ACサーボモータ72の回転を制御することにより、出力レバー75を指令値の回動角度まで回動させる。この出力レバー75の回動により、燃料ポンプから吐出される燃料量を制御する。
【0038】
この様に、本発明の回動位置センサー1をアクチュエータ71に適用しても、図1と同様、渦電流式変位計3の回動位置信号fをそのまま制御機器51に入力でき、変換機器を要しない。このため、回動位置センサー1を含めたアクチュエータ71のコストを低減できることになる。また、制御機器51の補正部53により、渦電流式変位計3の回動位置信号の誤差を補正すると、回転平面カム2の加工精度、回転平面カム2及び渦電流式変位計3の取付精度を上げることなく、回動位置信号を制御機器51に応じた出力とほぼ同等に補正するができ、アクチュエータ71のコストを低減することが可能となる。
【0039】
また、本発明の回動位置センサー1では、図1〜図5に示すものに限定されず、例えば、次のような形態をとることができる。
(1)回転平面カム2は、左右対称な形状にする必要はなく、渦電流式変位計3の検出ヘッド5を配置する側のみを被検出部となる側周面6の形状としてもよい。
(2)回動位置センサー1の適用例としては、船舶などの燃料ポンプを制御するアクチュエータに適用するものに限定されず、その他、回動軸の回動角度を制御する各種の機器にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
第1の発明によると、カムの側周面の形状を、回動位置信号が制御機器に応じた出力となるよう形成したので、渦電流式変位計の回動位置信号をそのまま制御機器に入力できる。この結果、回動位置センサーでは、回動位置信号を制御機器に応じた信号に変換する変換機器を設ける必要がなくなることから、コストを低減することが可能となる。
【0041】
第2の発明によると、カムの側周面の形状を、渦電流式変位計の出力が回動角度に応じてほぼ比例して増減するよう形成したので、該渦電流式変位計の出力に対応する制御機器に対しては、渦電流式変位計の出力をそのまま回動位置信号として制御機器に入力して用いることができる。この結果、回動位置センサーでは、回動位置信号を制御機器に応じた信号に変換する変換機器を設ける必要がなくなることから、コストを低減することが可能となる。
【0042】
第3の発明によると、カムの加工などの製造誤差により、回動位置センサーの回動位置信号に誤差が生じても、該回動位置信号の誤差を補正部によって修正することができる。この結果、カムの加工精度、カム及び渦電流式変位計の取付精度を上げることなく、回動位置信号を制御機器に応じた出力とほぼ同等に補正するができ、コストを低減することが可能となる。
【0043】
第4の発明によると、補正部では、複数の回動位置で製造誤差による回動位置信号を増減し、各回動位置間で比例的な修正値を演算して補正するため、簡便な方法で回動位置信号の誤差を補正できる。
【0044】
第5の発明によると、カムの加工などの製造誤差により、回動位置センサーの回動位置信号に誤差が生じても、該回動位置信号の誤差を補正部によって修正することができる。この結果、カムの加工精度、カム及び渦電流式変位計の取付精度を上げることなく、回動位置信号を制御機器に応じた出力とほぼ同等にでき、コストを低減することが可能となる。
【0045】
第6の発明によると、補正部では、複数の回動位置で製造誤差による回動位置信号を増減し、各回動位置間で比例的な修正値を演算して補正するため、簡便な方法で回動位置信号の誤差を補正できる。
【0046】
第7の発明によると、カムの被検出部を、カムの中心とする左右に各1箇所づつ形成するため、渦電流式変位計をカムの左右どちらからでも対向させて配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回動位置センサーを示す正面図である。
【図2】図1の回動位置センサーを構成する回転平面カムの形状を設定するための、回動位置信号と回動角度との関係を示すグラフ図である。
【図3】回動位置センサーを構成する補正部の補正を説明するための、グラフ図である。
【図4】回動位置センサーをアクチュエータに適用した例で、アクチュエータの一部を断面にした側面図である。
【図5】図4のA−Aから見た一部を断面にした正面図である。
【符号の説明】
1 回動位置センサー
2 回転平面カム
3 渦電流式変位計
5 検出ヘッド
6 側周面(被検出部)
51 制御機器
52 検出部
53 補正部
54 ドライバ
62 回動出力軸
72 ACサーボモータ
Claims (4)
- 回動軸に取り付けされるカムと、
このカムの側周面と対向する位置に配置された検出ヘッドを有する渦電流式変位計と、を備え、
前記渦電流式変位計が前記カムの側周面との距離を測定して前記回動軸の回動位置信号として出力する回動位置センサーにおいて、
前記回動位置信号が入力される制御機器に応じた出力になるように、前記検出ヘッドと前記カムの側周面との距離が回転角度に応じて非直線で増加するように前記カムの側周面の形状を加工したことを特徴とする回動位置センサー。 - 請求項1に記載の回動位置センサーにおいて、
前記距離が回転角度に対して均等に増加するものよりも前記距離が小さいことを特徴とする回動位置センサー。 - 請求項1または2に記載の回動位置センサーにおいて、
前記渦電流式変位計の出力が回動角度に応じてほぼ比例して増加するように、前記カムの側周面の形状を加工したことを特徴とする回動位置センサー。 - 請求項3に記載の回動位置センサーにおいて、前記渦電流式変位計が対向する前記カムの被検出部が、前記カムの中心とする左右に各1か所づつ形成されていることを特徴とする回動位置センサー。
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