JP4386510B2 - 鉄道車両用空気ばね装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体と台車の間に配置されて車体の荷重を支える鉄道車両用空気ばね装置に関する。特には、空気ばね本体内の急激な圧力変動を抑制することのできる鉄道車両用空気ばね装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の鉄道車両(客車)は、乗り心地を向上できる空気ばね装置を備えるものが多い。この鉄道車両用空気ばね装置は、台車の左右に配置された空気ばね本体を中心に構成されている。この空気ばね本体は、内部に空気を封入するための空間を有し、封入空気の圧力で車体の荷重を支え、空気の圧縮性からばね作用を得る。
【0003】
空気ばね本体(以下、単に空気ばねとも言う。)には、空気ばねと絞りを介して連通された補助空気室が接続されている。空気ばねと補助空気室を絞りを介して空気が流動することにより、空気ばねに減衰を与えている。
【0004】
空気ばね装置は、空気ばねの高さを自動的に調整する高さ調整機構を備える。この高さ調整機構はリンクと高さ調整弁等を組み合わせて構成されている。このリンクは一端が車体に連結される一方、他端が台車に連結される。高さ調整弁は、空気ばね内の空気を抜き入れして空気ばねの高さを調整する。
【0005】
鉄道車両用空気ばね装置を備える車両が、線路の曲線上を通過する際や、急に乗客が左右に移動すると、車体の左右の高さが変わって、高さ調整機構が作動する。このとき、高くなった方の空気ばねから空気を抜くので内圧が急激に低下して、その空気ばねの荷重を受けていた車輪の輪重が瞬間的に減少する。極端な場合には脱線を引き起こすおそれがあった。
【0006】
そこで、上記高さ調整弁の代わりに電磁弁を採用し、この電磁弁をマイクロコンピュータ等を用いて制御して空気ばねの高さを調整する技術が提案されている。この提案技術では、空気ばねの高さに加えて、空気ばねの内圧等も勘案して電磁弁を制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電磁弁を用いる技術は、制御系が複雑となるとともにアクティブな系であるため誤動作の可能性がある。また、空気ばねそのものの減衰特性を抜本的に変えるものではない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電気制御系等の複雑な機構を新たに設けることなく、空気ばね本体を改良して空気ばねの急激な内圧変動の緩和を実現することのできる鉄道車両用空気ばね装置を低コストで提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のベースとなる鉄道車両用空気ばね装置は、鉄道車両台車の左右に配置された車体を支える空気ばね本体と、空気ばね本体の高さを自動的に調整する機構とを備える鉄道車両用空気ばね装置であって、上記空気ばね本体内に、空気ばね本体内の空間を2つに分割し、分割された空間間の空気流動に抵抗を与える仕切り板が設けられていることを特徴とする。
【0010】
空気ばね本体そのものの中に、空気ばね内部の大きな圧力変動を緩和あるいはダンピングする部材を有するので、空気ばね本体を改良して空気ばねの急激な内圧変動の緩和を実現することのできる鉄道車両用空気ばね装置を提供することができる。また、基本的にパッシブな系であるので、誤動作の可能性が低い。さらに、車体の動揺に対して減衰を付加するという利点もある。
【0011】
本発明の鉄道車両用空気ばね装置においては、上記仕切り板として孔開きゴムを用いることができる。この場合仕切り板として採用可能な他の弾性部材に比べて安価である。また、仕切り板が柔らかいゴム製であるので、空気ばね本体に上下方向に対して準静的な特性変化を与える一方、上下及び左右方向への動特性変化を好適な範囲内に抑える。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の鉄道車両用空気ばね装置の概略構成を説明する模式的断面図である。図2は、図1の空気ばね装置を搭載する鉄道車両の概略構成を説明する模式的断面図である。
【0013】
図2に示すように、鉄道車両の車体1は、台車2の左右に配置された空気ばね装置3に支えられている。なお、現在日本の旅客鉄道で使用されている通常の車体は、同車体の前後(鉄道車両の進行方向)に1台ずつ台車を有する。
鉄道車両用空気ばね装置3は空気ばね本体4を中心に構成されている。図1に示すように、この空気ばね本体4は円錐台状の外筒5と、その下にリング状に貼られたダイヤフラム状のゴム膜6等から構成される。空気ばね本体4の内部には、空気の封入される空間7が形成されている。この封入空間7の上下方向の中間にはゴム膜8が張り渡されている。このゴム膜8により、封入空間7が上封入空間7Aと下封入空間7Bに分割される。ゴム膜8には複数の空気孔9が設けられている。この空気孔9を介して空気が上封入空間7Aと下封入空間7Bの間を流動する。空気孔9を通過する際の抵抗により、空気ばね本体4内の大きな圧力変動が緩和・ダンピングされる。
【0014】
なお、本発明の仕切り板としては上記ゴム膜8以外の弾性変形材も採用可能である。しかしながら、ゴム膜8を仕切り板として用いる場合には比較的安価で本発明が実現される。また、空気ばね本体4に上下方向に対して準静的な特性変化を与える一方、上下及び左右方向への動特性変化を好適な範囲内に抑える。ゴム膜8を空気ばね本体のゴム膜6に貼り付ける方法としては、接着や圧着等を用いることができる。
【0015】
空気ばね本体4の直下にはリング状の弾性部材10が積層して配置されている。この弾性部材10の中央部には上下方向の貫通孔11が形成されている。弾性部材10の直下には補助空気室12が配置されている。上記貫通孔11の上端は絞り13を介して空気ばね本体4と連通されている。一方、貫通孔11の下端は空気補助室12に開放されている。貫通孔11と絞り13を介して空気ばね本体4と補助空気室12の間を空気が流入・流出することにより、空気ばね装置全体の減衰が得られる。なお、図2では弾性部材10は省略されている。
【0016】
図2に示すように、上記空気ばね本体4の傍には、空気ばね本体4の高さを自動的に調整する高さ調整機構14が設けられている。この高さ調整機構14はリンク15と高さ調整弁16等から構成されている。このリンク15は、一端が車体1に連結される一方、他端が台車2に連結される。
図1に示すように、高さ調整弁16は、空気ばね本体4と元空気溜め31との間に介在して配置されており、空気ばね本体4の空気の抜き入れが可能となっている。高さ調整弁16は、リンク15の基準の長さと現時点でのリンク15の長さとの比較情報に応じて空気ばね本体4の高さを調整する。
【0017】
図1に示すように、台車2下部には、車輪17と車軸18から構成された輪軸19が設けられている。この輪軸19は、軸ばね21等によって、前後及び左右の方向に対して適度に弾性支持されている。車輪17は車軸18に圧入固定されており、車軸18の両端部は軸受(図示せず)を収めた軸箱20で支持されている。軸箱20と台車2の間には軸ばね21が配置されている。詳細には、この軸ばね21の一端が台車2下部に接続される一方、軸ばね21の他端が軸箱20上部に接続されている。
【0018】
次に、本実施例の鉄道車両用空気ばね装置3の動作を説明する。
車体1の高さが標準の高さより低い場合には、現時点でのリンク15の長さがリンク15の基準の長さより短い旨の比較情報が得られる。この場合には、高さ調整弁16を介して上記元空気溜めから空気ばね本体4に空気が供給されて、車体1の高さを標準の高さに調整する。一方、車体1の高さが標準の高さより高い場合には、現時点でのリンク15の長さがリンク15の基準の長さより長い旨の比較情報が得られる。この場合には、高さ調整弁16を介して空気ばね本体4から大気に空気が排気されて、車体1の高さを標準の高さに調整する。
【0019】
したがって、線路の緩和曲線上に停車したり同曲線上を低速で通過する、あるいは、急に乗客が左右に移動する際には、車体1の外軌側が上方に変位するため、対応の高さ調整機構14が作動して車体1の上方変位部位の高さを標準の高さに調整する。このとき、上記上方変位部位に対応の空気ばね本体4の上封入空間7Aと下封入空間7Bの間の空気流動がゴム膜8の各空気孔9を介して行われる。このため、空気ばね本体4の急激な内圧低下が緩和されて、車輪18の外軌側の輪重減少が低減されることとなる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電気制御系等の複雑な機構を新たに設けることなく、空気ばね本体を改良して空気ばねの急激な内圧変動の緩和を実現することのできる鉄道車両用空気ばね装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両用空気ばね装置の概略構成を説明する模式的断面図である。
【図2】図1の空気ばね装置を搭載する鉄道車両の概略構成を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
1 車体 2 台車
3 空気ばね装置 4 空気ばね本体
5 外筒 6、8 ゴム膜
7 封入空間 9 空気孔
10 弾性部材 11 貫通孔
12 補助空気室 13 絞り
14 高さ調整機構 15 リンク
16 高さ調整弁 31 元空気溜め
7A 上封入空間 7B 下封入空間
Claims (2)
- 鉄道車両台車(2)の左右に配置された、車体(1)を支える空気ばね本体(4)と、
該空気ばね本体(4)の高さを自動的に調整する高さ調整機構(14)と、
を備える鉄道車両用空気ばね装置であって;
前記高さ調整機構(14)は、前記空気ばね本体(4)と元空気溜め(31)との間に介在して配置された、前記空気ばね本体(4)の空気の抜き入れをする高さ調整弁(16)を有し、
前記空気ばね本体(4)の下には、上下方向の貫通孔(11)が形成されているリング状の弾性部材(10)、及び、その下の補助空気室(12)が配置されており、
前記貫通孔(11)は、絞り(13)を介して前記空気ばね本体(4)と連通されているとともに、前記貫通孔(11)の下端は前記補助空気室(12)に開放されており、
上記空気ばね本体(4)内に、該空気ばね本体(4)内の空間(7)を2つに分割し、分割された空間(7A,7B)相互の間の空気流動に抵抗を与える仕切り板(8)が設けられており、
上記空気ばね本体(4)は、円錐台状の外筒(5)と、その下にリング状に貼られたダイヤフラム状のゴム膜(6)と、を有するとともに、該空気ばね本体(4)の内部には、空気の封入される空間(7)が形成されており、
上記仕切り板(8)として、上記空間(7)の上下方向の中間に、複数の空気孔(9)が設けられているゴム膜(8)が張り渡されており、該ゴム膜(8)の空気孔(9)を介して空気が上封入空間(7A)と下封入空間(7B)の間を流動する際の抵抗により、上記空気ばね本体(4)内の大きな圧力変動が緩和・ダンピングされ、
前記高さ調整機構(14)が作動して前記車体(1)の高さを標準の高さに調整する際に、前記空気ばね本体(4)の急激な内圧低下が緩和されて、前記車体(1)の車輪(18)の輪重減少が低減されることを特徴とする鉄道車両用空気ばね装置。 - 前記複数の空気孔(9)が、前記仕切り版としてのゴム膜(8)に分散されて多数形成されていることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用空気ばね装置。
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JP32075599A JP4386510B2 (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 鉄道車両用空気ばね装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001138912A JP2001138912A (ja) | 2001-05-22 |
JP4386510B2 true JP4386510B2 (ja) | 2009-12-16 |
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ID=18124919
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32075599A Expired - Lifetime JP4386510B2 (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | 鉄道車両用空気ばね装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4386510B2 (ja) |
-
1999
- 1999-11-11 JP JP32075599A patent/JP4386510B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001138912A (ja) | 2001-05-22 |
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