JP4386178B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵補助力をモータによって付与する電動パワーステアリング装置に関する。
操舵補助力発生用モータを備える電動パワーステアリング装置においては、操舵トルクや車速等の運転条件に応じて操舵補助力を変化させている。さらに、操舵補助力を付与するモータの出力を、そのモータやステアリングホイールの回転角速度または回転角加速度、操舵トルク、操舵トルクの変化速度、車輪の舵角変化速度等に応じて補正することで、操舵に対する応答性を向上してモータの慣性の影響を補償したり、操舵系に粘性を付与することで外乱の影響を低減することが図られている(特許文献1〜14参照)。
特許第2773325号公報 特許第2767637号公報 特許第2694213号公報 特開平5−238409号公報 特許第3050036号公報 特許第2782254号公報 特許第2546673号公報 特公平7−84178号公報 特公平7−75986号公報 特開2002−302057号公報 特開2002−29435号公報 特開2002−29429号公報 特開2001−106108号公報 特開平6−99836号公報
しかし、従来技術によれば、操舵に対する応答性を低下させることなく外乱の影響を低減することができなかった。例えば、ステアリングホイールの回転をトーションバーを介してピニオンに伝達するラックピニオン式電動パワーステアリング装置において、操舵補助力発生用モータの回転角速度に応じてモータ出力を補正する場合、図15、図16に示す周波数応答特性を表すボード線図を得ることができる。図15は、横軸がステアリングホイールの単位時間当たり往復操作数に対応する操舵周波数(Hz)、縦軸がステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比(dB)を表す。図16は、横軸が車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの入力周波数(Hz)、縦軸が外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比(dB)を表す。
ここで、そのモータによる操舵系への投入トルクTiを、操舵トルクに比例する基本アシストトルクToからモータの回転角速度に比例する補正トルクT′を差し引いた以下の式のように求めるものとする。
Ti=To−T′
To=Ka・Ks(θh −θp
T′=Kdo・dθm /dt
θh はステアリングホイールの操舵角度、θm はモータの回転角度、Kaは基本アシスト制御ゲイン、Kdoはモータの回転角速度dθm /dtに応じてモータ出力を補正する際の回転角速度dθm /dtの制御ゲイン、Ksはトーションバーのバネ定数である。
図15に示す操舵周波数と、操舵角度に対する操舵トルクの振幅比との関係において、周波数ω1 と減衰比ζ1 は以下の式により求められる。
ω1 =(K/Jp)1/2 …(A)
ζ1 =(Cp+Kdo)/{2・(Jp・α1/α2)1/2 }…(B)
図16に示す外乱トルクの入力周波数(Hz)と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比との関係における周波数ω2 、減衰比ζ2 は以下の式により求められる。
ω2 =[{Ks・(1+Ka)+K}/Jp]1/2 …(C)
ζ2 =(Cp+Kdo)/{2・{(Jp・Ks/α1)1/2 }…(D)
α1は周波数が零の時の操舵の重さのパラメータであり、α2は周波数が零の時の外乱の伝達割合であり、以下の式により表される。
α1=Ks・K/{Ks・(1+Ka)+K}
α2=1/{(1+Ka)+K/Ks}
Kは操舵系が有する弾性係数、Jpは操舵系におけるピニオン軸換算の慣性、Cpはトーションバーよりも下方の操舵系におけるピニオン軸換算粘性係数である。
図16において、モータの回転角速度dθm /dtに応じてモータの出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。モータの回転角速度dθm /dtのゲインはKdoであるから、その補正を行うと上記式(D)より減衰比ζ2 が大きくなる。すなわち、図16における補正前の実線に対し補正後の破線は、共振周波数(操舵系において一般的に10〜30Hz程度の範囲に存する)で振幅比のピーク値が小さくなる方向にシフトする。よって、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
一方、図15において、モータの出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。モータの回転角速度dθm /dtのゲインはKdoであるから、その補正を行うと上記式(B)より減衰比ζ1 が大きくなる。すなわち、図15における補正前の実線に対し補正後の破線は、人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲(急操舵時でも通常は2Hzを超えることはないので、一般的には2Hz以下の範囲)において、振幅比が大きくなることから操舵に対する応答性が低下して操舵フィーリングが悪化する。
本発明は上記課題を解決することのできる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、操舵補助力を発生するモータと、ステアリングホイールの操舵トルクを求める手段と、求めた操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する手段とを備える電動パワーステアリング装置に適用される。
本発明の一つの特徴は、前記ステアリングホイールの回転角速度に対応する回転角速度対応値を求める手段と、前記操舵トルクの変化速度に対応する変化速度対応値を求める手段と、前記回転角速度対応値と、この回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、前記変化速度対応値と、この変化速度対応値に正相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、前記モータの出力を、求めた回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた変化速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されている点にある。
これにより、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。さらに、外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比が共振周波数で小さくなるので、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
本発明の別の一つの特徴は、前記モータの回転角速度に対応する回転角速度対応値を求める手段と、前記操舵トルクの変化速度に対応する変化速度対応値を求める手段と、前記回転角速度対応値と、この回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、前記変化速度対応値と、この変化速度対応値に正相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、前記モータの出力を、求めた回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた変化速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されている点にある。
これにより、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。さらに、外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比が共振周波数で小さくなるので、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
本発明のさらに別の一つの特徴は、前記ステアリングホイールの回転角速度に対応する第1回転角速度対応値を求める手段と、前記モータの回転角速度に対応する第2回転角速度対応値を求める手段と、前記第1回転角速度対応値と、この第1回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、前記第2回転角速度対応値と、この第2回転角速度対応値に逆相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、前記モータの出力を、求めた第1回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた第2回転角速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されている点にある。
これにより、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。さらに、外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比が共振周波数で小さくなるので、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、操舵フィーリングを悪化させることなく外乱の影響を低減することができる。
図1に示す第1実施形態の車両用電動パワーステアリング装置1は、操舵によるステアリングホイール2の回転を舵角が変化するように車輪3に伝達する機構を備える。本実施形態では、ステアリングホイール2の回転がステアリングシャフト4を介してピニオン5に伝達されることで、ピニオン5に噛み合うラック6が移動し、そのラック6の動きがタイロッド7やナックルアーム8を介して車輪3に伝達されることで舵角が変化する。
ステアリングホイール2の回転を車輪3に伝達する経路に作用する操舵補助力の発生用モータ10が設けられている。本実施形態では、モータ10の出力シャフトの回転を減速ギヤ機構11を介してステアリングシャフト4に伝達することで操舵補助力を付与する。
モータ10は駆動回路21を介してコンピュータにより構成される制御装置20に接続される。制御装置20に、ステアリングホイール2の操舵トルクTを求めるトルクセンサ22、ステアリングホイール2の回転角度に対応する操舵角度θh を求める舵角センサ23、車速Vを求める車速センサ24、モータ10の駆動電流iを求める電流センサ26が接続される。なお、本実施形態のステアリングシャフト4は、ステアリングホイール2側とピニオン5側とに分割されると共にトーションバー29により連結され、操舵角度θh とピニオン5の回転角度θp の差であるトーションバー29の捩れ角(θh −θp )に、トーションバー29のバネ定数Ksを乗じて得られた操舵トルクTがトルクセンサ22により検出される。
制御装置20は、求めた操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生するようにモータ10を制御し、また、その操舵補助力を求めた車速Vに応じて変化させ、さらに、ステアリングホイール2の回転角速度と操舵トルクTの変化速度とに応じて補正する。
図2〜図4は制御装置20によるモータ10の制御ブロック線図を示す。図2に示すように、制御装置20は、モータ10の目標駆動電流i* を、基本アシスト電流ioと第1補正電流i1と第2補正電流i2との和に基本車速ゲインGvを乗じることで求める。目標駆動電流i* と求めた駆動電流iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御することで、ピニオン5の回転角度θp を変化させ、これにより操舵補助力を付与する。
図3に示すように、舵角センサ23により求めた操舵角度θh の微分によりステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtが回転角速度対応値として求められる。回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流iaとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として制御装置20に記憶される。求めた回転角速度dθh /dtに対応する第1補正基準電流iaが記憶された対応関係に基づき演算部31において演算される。回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流iaとの対応関係は、例えば図3の演算部31に示すように、回転角速度dθh /dtに第1補正基準電流iaが逆相関するものとされる。回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流iaの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtaとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第1トルクゲインGtaが演算部32において演算される。操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtaとの対応関係は、例えば図3の演算部32に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第1トルクゲインGtaが大きくなるものとされる。
さらに、車速Vと第1車速ゲインGvaとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する第1車速ゲインGvaが演算部33において演算される。車速Vと第1車速ゲインGvaとの対応関係は、例えば図3の演算部33に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも第1車速ゲインGvaが大きくなるものとされる。
乗算部34、35において第1補正基準電流iaに第1トルクゲインGtaと第1車速ゲインGvaを乗じることで第1補正電流i1が求められる。これにより、図3の演算部31、32、33に示されるように設定された関係が、回転角速度dθh /dtと第1補正電流i1との間の第1の対応関係として制御装置20に記憶され、回転角速度dθh /dtに逆相関する第1モータ出力補正値として第1補正電流i1が、その第1の対応関係から制御装置20により求められる。
図4に示すように、トルクセンサ22により求めた操舵トルクTの微分により操舵トルクTの変化速度dT/dtが変化速度対応値として求められる。変化速度dT/dtと第2補正基準電流ibとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶される。求めた変化速度dT/dtに対応する第2補正基準電流ibが記憶された対応関係に基づき演算部36において演算される。変化速度dT/dtと第2補正基準電流ibとの対応関係は、例えば図4の演算部36に示すように、変化速度dT/dtに第2補正基準電流ibが正相関するものとされる。変化速度dT/dtと第2補正基準電流ibの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
操舵トルクTの大きさと第2トルクゲインGtbとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第2トルクゲインGtbが演算部37において演算される。操舵トルクTの大きさと第2トルクゲインGtbとの対応関係は、例えば図4の演算部37に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第2トルクゲインGtbが大きくなるものとされる。
さらに、車速Vと第2車速ゲインGvbとの対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する第2車速ゲインGvbが演算部38において演算される。車速Vと第2車速ゲインGvbとの対応関係は、例えば図4の演算部38に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも第2車速ゲインGvbが大きくなるものとされる。
乗算部39、40において第2補正基準電流ibに第2トルクゲインGtbと第2車速ゲインGvbを乗じることで第2補正電流i2が求められる。これにより、図4の演算部36、37、38に示されるように設定された関係が、変化速度dT/dtと第2補正電流i2との間の第2の対応関係として制御装置20に記憶され、変化速度dT/dtに正相関する第2モータ出力補正値として第2補正電流i2が、その第2の対応関係から制御装置20により求められる。
図2に示すように、操舵トルクTと基本アシスト電流ioとの対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する基本アシスト電流ioが演算部41において演算される。操舵トルクTと基本アシスト電流ioとの対応関係は、例えば図2の演算部41に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に基本アシスト電流ioの大きさが大きくなるものとされる。操舵トルクTと基本アシスト電流ioの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
車速Vと基本車速ゲインGvとの対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する基本車速ゲインGvが演算部42において演算される。車速Vと基本車速ゲインGvとの対応関係は、例えば図2の演算部42に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも基本車速ゲインGvが大きくなるものとされる。
第1補正電流i1と第2補正電流i2と基本アシスト電流ioの和が加算部43において演算され、その和に基本車速ゲインGvを乗算部44において乗じることで目標駆動電流i* が求められる。これにより、操舵トルクに応じた基本アシスト電流ioに対応するモータ10の出力が、第1補正電流i1と第2補正電流i2の和に対応して補正される。
図5のフローチャートは制御装置20によるモータ10の制御手順を示す。まず、各センサによる検出値V、θh 、T、iを読み込み(ステップS1)、次に、時系列に求めた操舵角度θh を時間微分することで回転角速度dθh /dtを求め、また、時系列に求めた操舵トルクTを時間微分することで変化速度dT/dtを求める(ステップS2)。なお、制御開始当初においては回転角速度dθh /dtと変化速度dT/dtとして予め定めた初期値を用いればよい。次に、回転角速度dθh /dtに応じた第1補正電流i1=Gta・Gva・iaと、変化速度dT/dtに応じた第2補正電流i2=Gtb・Gvb・ibとを求め(ステップS3)、目標駆動電流i* =Gv・(io+i1+i2)を求め(ステップS4)、その目標駆動電流i* と検出駆動電流iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御する(ステップS5)。しかる後に制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチがオンかオフかにより判断し(ステップS6)、制御を終了しない場合はステップS1に戻る。
上記第1実施形態によれば、図6、図7に示す周波数応答特性を表すボード線図が得られる。図6は、横軸がステアリングホイール2の単位時間当たり往復操作数に対応する操舵周波数(Hz)、縦軸がステアリングホイール2の操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比(dB)を表す。図7は、横軸が車輪3を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの入力周波数(Hz)、縦軸が外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比(dB)を表す。モータ10の出力を補正することで、図6に示される操舵周波数と、操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲(例えば2Hz以下の範囲)で、その振幅比が大きくならないように上記第1の対応関係が設定されている。また、モータ10の出力を第2補正電流i2に対応して補正することで、図7に示される外乱トルクの周波数と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、その振幅比が共振周波数で小さくなるように上記第2の対応関係が設定されている。
例えば、モータ10による操舵系への投入トルクTiを、操舵トルクに比例する基本アシストトルクToと、ステアリングホイール2の回転角速度に反比例する第1補正トルクTaと、操舵トルクの変化速度に比例する第2補正トルクTbの和として、以下の式により求めるものとする。
Ti=To+Ta+Tb
To=Ka・Ks(θh −θp
Ta=−Kdi・dθh /dt
Tb=Kd・d{Ks(θh −θp )}/dt
Kaは基本アシスト制御ゲイン、Kdiは操舵角速度(操舵角微分)制御ゲイン、Kdはトルク微分制御ゲインである。
図6に示す周波数応答特性において、周波数ω1 と減衰比ζ1 は以下の式により求められる。
ω1 =(K/Jp)1/2 …(1)
ζ1 =(Cp+Kdi)/{2・(Jp・α1/α2)1/2 }…(2)
図7に示す周波数応答特性において、周波数ω2 、減衰比ζ2 は以下の式により求められる。
ω2 =[{Ks・(1+Ka)+K}/Jp]1/2 …(3)
ζ2 =(Cp+Kd)/{2・(Jp・Ks/α1)1/2 }…(4)
α1は周波数が零の時の操舵の重さのパラメータであり、α2は周波数が零の時の外乱の伝達割合であり、以下の式により表される。
α1=Ks・K/{Ks・(1+Ka)+K}
α2=1/{(1+Ka)+K/Ks}
Kは操舵系が有する弾性係数、Jpは操舵系におけるピニオン軸換算の慣性、Cpはトーションバー29よりも下方の操舵系におけるピニオン軸換算粘性係数である。
図6において、モータ10の出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに逆相関し、その回転角速度dθh /dtのゲインはKdiであるから、モータ出力を補正すると、上記式(2)より減衰比ζ1 が大きくなる。しかし、ゲインKdiは式(4)より減衰比ζ2 に影響しない。よって、ゲインKdiをそれ程大きな値にしないことで、図6における補正前の実線に対し補正後の破線で示すように、人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲(例えば周波数2Hz以下の範囲)で、その補正によりその振幅比を任意の設定範囲にできる。これにより、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。なお、第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに正相関するものであってもよく、要は人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比を操舵フィーリングが悪化することがないように、ゲインKdiを設定できればよい。
図7において、モータ10の出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。第2補正電流i2は操舵トルクTの変化速度dT/dtに正相関し、その変化速度dT/dtのゲインはKdであるから、モータ出力を補正すると上記式(4)より減衰比ζ2 が大きくなる。すなわち、図7における補正前の実線に対し補正後の破線は共振周波数で振幅比のピーク値が小さくなる方向にシフトする(図7において振幅比のピーク点Pの振幅比は補正により小さくなっている)。よって、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
図8〜図10は第2実施形態を示し、以下第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と同様部分は同一符号で示すと共に説明を省略する。第1実施形態との相違は、まず、制御装置20は、操舵補助力をステアリングホイール2の回転角速度に代えてモータ10の回転角速度と、操舵トルクTの変化速度とに応じて補正する。そのため、ステアリングホイール2の回転角度に対応する操舵角度θh を求める舵角センサ23に代えて、モータ10の回転角度θm を検出する角度センサ27が制御装置20に接続されている。
図9に示すように、角度センサ27により求めた回転角度θm の微分により回転角速度dθm /dtが回転角速度対応値として求められる。その回転角速度dθm /dtと第1補正基準電流icとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶される。求めた回転角速度dθm /dtに対応する第1補正基準電流icが記憶された対応関係に基づき演算部31′において演算される。回転角速度dθm /dtと第1補正基準電流icとの対応関係は、例えば図9の演算部31′に示すように、回転角速度dθm /dtに第1補正基準電流icが逆相関するものとされる。回転角速度dθm /dtと第1補正基準電流icの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtcとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第1トルクゲインGtcが演算部32′において演算される。操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtcとの対応関係は、例えば図9の演算部32′に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第1トルクゲインGtcが大きくなるものとされる。
さらに、車速Vと第1車速ゲインGvcとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する第1車速ゲインGvcが演算部33′において演算される。車速Vと第1車速ゲインGvcとの対応関係は、例えば図9の演算部33′に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも第1車速ゲインGvcが大きくなるものとされる。
乗算部34、35において第1補正基準電流icに第1トルクゲインGtcと第1車速ゲインGvcを乗じることで第1補正電流i1が求められる。これにより、図9の演算部31′、32′、33′に示されるように設定された関係が、回転角速度dθm /dtと第1補正電流i1との間の第1の対応関係として制御装置20に記憶され、回転角速度dθm /dtに逆相関する第1モータ出力補正値として第1補正電流i1が、その第1の対応関係から制御装置20により求められる。
変化速度dT/dtに正相関する第2補正電流i2は第1実施形態と同様にして求められる。
図10のフローチャートは制御装置20によるモータ10の制御手順を示す。まず、各センサによる検出値V、θm 、T、iを読み込み(ステップS1)、次に、時系列に求めた回転角度θm を時間微分することで回転角速度dθm /dtを求め、また、時系列に求めた操舵トルクTを時間微分することで変化速度dT/dtを求める(ステップS2)。なお、制御開始当初においては回転角速度dθm /dtと変化速度dT/dtとして予め定めた初期値を用いればよい。次に、回転角速度dθm /dtに応じた第1補正電流i1=Gtc・Gvc・icと、変化速度dT/dtに応じた第2補正電流i2=Gtb・Gvb・ibとを求め(ステップS3)、目標駆動電流i* =Gv・(io+i1+i2)を求め(ステップS4)、その目標駆動電流i* と検出駆動電流iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御する(ステップS5)。しかる後に制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチがオンかオフかにより判断し(ステップS6)、制御を終了しない場合はステップS1に戻る。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態において図6、図7に示す周波数応答特性を表すボード線図と同様のボード線図が得られる。
例えば、投入トルクTiを以下の式により求めるものとする。
Ti=To+Ta+Tb
To=Ka・Ks(θh −θp
Ta=−Kdo・dθm /dt
Tb=Kd・d{Ks(θh −θp )}/dt
Kdoはモータ回転角速度(モータ回転角微分)制御ゲインである。
操舵周波数と、操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω1 と減衰比ζ1 は以下の式により求められる。
ω1 =(K/Jp)1/2 …(5)
ζ1 =(Cp+Kdo)/{2・(Jp・α1/α2)1/2 }…(6)
外乱トルクの入力周波数(Hz)と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω2 、減衰比ζ2 は以下の式により求められる。
ω2 =[{Ks・(1+Ka)+K}/Jp]1/2 …(7)
ζ2 =(Cp+Kdo+Kd)/{2・(Jp・Ks/α1)1/2 }…(8)
第1補正電流i1はモータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関し、その回転角速度dθm /dtのゲインはKdoであるから、モータ出力を補正すると上記式(6)より減衰比ζ1 が大きくなる。しかし、ゲインKdoをそれ程大きな値にしないことで、図6における補正前の実線に対し補正後の破線で示すように、人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲(例えば周波数2Hz以下の範囲)で、その振幅比をその補正により任意の設定範囲にできる。これにより、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。なお、第1補正電流i1はモータ10の回転角速度dθm /dtに正相関するものであってもよく、要は人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比を操舵フィーリングが悪化することがないように、ゲインKdoを設定できればよい。
第2補正電流i2は操舵トルクTの変化速度dT/dtに正相関し、その変化速度dT/dtのゲインはKdであるから、モータ出力を補正すると上記式(8)より減衰比ζ2 が大きくなる。すなわち、図7における補正前の実線に対し補正後の破線は共振周波数で振幅比のピーク値が小さくなる方向にシフトする(図7において振幅比のピーク点Pの振幅比は補正により小さくなっている)。よって、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。なお、上記式(8)はゲインKdoを含むが、ゲインKdを大きくすることで、ゲインKdoをそれ程大きくすることなく、共振周波数で振幅比のピーク値を小さくできる。モータ10の回転角速度dθm /dtと第1補正電流i1との間の第1の対応関係と、変化速度dT/dtと第2補正電流i2との間の第2の対応関係は、そのように共振周波数で振幅比のピーク値を小さくできるように設定される。この場合、上記式(6)はゲインKdを含まないので、そのように第1、第2の対応関係を設定しても減衰比ζ1 に影響はない。
図11〜図13は第3実施形態を示し、以下第1実施形態との相違点を説明し、第1実施形態と同様部分は同一符号で示すと共に説明を省略する。第1実施形態との相違は、まず、制御装置20は、操舵補助力をステアリングホイール2の回転角速度と、操舵トルクTの変化速度に代えてモータ10の回転角速度に応じて補正する。そのため、モータ10の回転角度θm を検出する角度センサ27が制御装置20に接続されている。第1実施形態における回転角速度対応値、すなわち舵角センサ23により求めた操舵角度θh の微分により求められるステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtは、第3実施形態では第1回転角速度対応値とされる。角度センサ27により求めた回転角度θm の微分によりモータ10の回転角速度dθm /dtが第2回転角速度対応値として求められる。
図12に示すように、舵角センサ23により求めた操舵角度θh の微分によりステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtが第1回転角速度対応値として求められる。その回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流idとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶される。求めた回転角速度dθh /dtに対応する第1補正基準電流idが記憶された対応関係に基づき演算部31″において演算される。回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流idとの対応関係は、例えば図12の演算部31″に示すように、回転角速度dθh /dtに第1補正基準電流idが正相関するものとされる。回転角速度dθh /dtと第1補正基準電流idの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtdとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第1トルクゲインGtdが演算部32″において演算される。操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtdとの対応関係は、例えば図12の演算部32″に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第1トルクゲインGtdが大きくなるものとされる。
さらに、車速Vと第1車速ゲインGvdとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する第1車速ゲインGvdが演算部33″において演算される。車速Vと第1車速ゲインGvdとの対応関係は、例えば図12の演算部33″に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも第1車速ゲインGvdが大きくなるものとされる。
乗算部34、35において第1補正基準電流idに第1トルクゲインGtdと第1車速ゲインGvdを乗じることで第1補正電流i1が求められる。これにより、図12の演算部31″、32″、33″に示されるように設定された関係が、回転角速度dθh /dtと第1補正電流i1との間の第1の対応関係として制御装置20に記憶され、回転角速度dθh /dtに正相関する第1モータ出力補正値として第1補正電流i1が、その第1の対応関係から制御装置20により求められる。
図13に示すように、モータ10の回転角速度dθm /dtと第2補正基準電流ieとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶される。求めた回転角速度dθm /dtに対応する第2補正基準電流ieが記憶された対応関係に基づき演算部36′において演算される。モータ10の回転角速度dθm /dtと第2補正基準電流ieとの対応関係は、例えば図13の演算部36′に示すように、回転角速度dθm /dtに対して第2補正基準電流ieが逆相関するものとされる。回転角速度dθm /dtと第2補正基準電流ieの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
操舵トルクTと第2トルクゲインGteとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第2トルクゲインGteが演算部37′において演算される。操舵トルクTの大きさと第2トルクゲインGteとの対応関係は、例えば図13の演算部37′に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第2トルクゲインGteが大きくなるものとされる。
さらに、車速Vと第2車速ゲインGveとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する第2車速ゲインGveが演算部38′において演算される。車速Vと第2車速ゲインGveとの対応関係は、例えば図13の演算部38′に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも第2車速ゲインGveが大きくなるものとされる。
乗算部39、40において第2補正基準電流ieに第2トルクゲインGteと第2車速ゲインGveを乗じることで第2補正電流i2が求められる。これにより、図13の演算部36′、37′、38′に示されるように設定された関係が、モータ10の回転角速度dθm /dtと第2補正電流i2との間の第2の対応関係として制御装置20に記憶され、モータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関する第2モータ出力補正値として第2補正電流i2が、その第2の対応関係から制御装置20により求められる。
図14のフローチャートは制御装置20によるモータ10の制御手順を示す。まず、各センサによる検出値V、θh 、θm 、T、iを読み込み(ステップS1)、次に、時系列に求めた操舵角度θh を時間微分することでステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtを求め、また、時系列に求めた回転角度θm を時間微分することでモータ10の回転角速度dθm /dtを求める(ステップS2)。なお、制御開始当初においてはステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtとモータ10の回転角速度dθm /dtとして予め定めた初期値を用いればよい。次に、ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに応じた第1補正電流i1=Gtd・Gvd・idと、モータ10の回転角速度dθm /dtに応じた第2補正電流i2=Gte・Gve・ieとを求め(ステップS3)、目標駆動電流i* =Gv・(io+i1+i2)を求め(ステップS4)、その目標駆動電流i* と検出駆動電流iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御する(ステップS5)。しかる後に制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチがオンかオフかにより判断し(ステップS6)、制御を終了しない場合はステップS1に戻る。
上記第3実施形態によれば、第1実施形態において図6、図7に示す周波数応答特性を表すボード線図と同様のボード線図が得られる。
例えば、投入トルクTiを以下の式により求めるものとする。
Ti=To+Ta+Tb
To=Ka・Ks(θh −θp
Ta=Kdi・dθh /dt
Tb=−Kdo・dθm /dt
操舵周波数と、操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω1 と減衰比ζ1 は以下の式により求められる。
ω1 =(K/Jp)1/2 …(9)
ζ1 =(Cp+Kdi+Kdo)/{2・(Jp・α1/α2)1/2 }…(10)
外乱トルクの入力周波数(Hz)と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω2 、減衰比ζ2 は以下の式により求められる。
ω2 =[{Ks・(1+Ka)+K}/Jp]1/2 …(11)
ζ2 =(Cp+Kdo)/{2・(Jp・Ks/α1)1/2 }…(12)
第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに正相関し、その回転角速度dθh /dtのゲインはKdiであるから、モータ出力を補正すると、ゲインKdiのみに着目すれば上記式(10)より減衰比ζ1 が大きくなる。また、上記式(10)はモータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関するゲインKdoを含み、ゲインKdoのみに着目すればモータ出力を補正すると減衰比ζ1 が大きくなる。しかし、ゲインKdiは式(12)より減衰比ζ2 に影響しない。よって、ゲインKdiを適当な値に設定することで、図6における補正前の実線に対し補正後の破線で示すように、人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲(例えば周波数2Hz以下の範囲)で、その補正によりその振幅比を適正値にできる。これにより、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。なお、第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに逆相関するものであってもよく、要は人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比を操舵フィーリングが悪化することがないように、ゲインKdiを設定できればよい。
第2補正電流i2はモータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関し、その回転角速度dθm /dtのゲインはKdoであるから、モータ出力を補正すると上記式(12)より減衰比ζ2 が大きくなる。すなわち、図7における補正前の実線に対し補正後の破線は共振周波数で振幅比のピーク値が小さくなる方向にシフトする(図7において振幅比のピーク点Pの振幅比は補正により小さくなっている)。よって、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、モータ10の回転角速度に対応する回転角速度対応値として、ピニオン5の回転角度θp を検出するセンサを設け、そのピニオン5の回転角速度を求めてもよい。また、モータ10の端子間電圧とモータ電流の検出センサを設け、その検出値と公知の演算式からモータ10の単位時間当たりの回転角度を求めてもよい。ステアリングホイールの回転を舵角が変化するように車輪に伝達する機構は実施形態に限定されず、例えばステアリングホイールの回転をステアリングシャフトからラックピニオン以外のリンク機構を介して車輪に伝達するものでもよい。さらに、操舵補助力発生用モータの出力の操舵系への伝達機構は操舵補助力を付与することができれば実施形態に限定されず、例えばラックと一体のボールスクリューにねじ合わされるボールナットをモータの出力により駆動することで操舵補助力を付与してもよい。
本発明の第1実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の制御ブロック線図 本発明の第1実施形態の電動パワーステアリング装置における第1補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の第1実施形態の電動パワーステアリング装置における第2補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の第1実施形態の電動パワーステアリング装置における制御手順を示すフローチャート 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における操舵特性を示す周波数応答特性を表すボード線図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における外乱の影響を示す周波数応答特性を表すボード線図 本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図 本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置における第1補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の第2実施形態の電動パワーステアリング装置における制御手順を示すフローチャート 本発明の第3実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図 本発明の第3実施形態の電動パワーステアリング装置における第1補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の第3実施形態の電動パワーステアリング装置における第2補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の第3実施形態の電動パワーステアリング装置における制御手順を示すフローチャート 従来の電動パワーステアリング装置における操舵特性を示す周波数応答特性を表すボード線図 従来の電動パワーステアリング装置における外乱の影響を示す周波数応答特性を表すボード線図
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
10 モータ
20 制御装置
22 トルクセンサ
23 舵角センサ
27 角度センサ

Claims (3)

  1. 操舵補助力を発生するモータと、
    ステアリングホイールの操舵トルクを求める手段と、
    求めた操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する手段とを備える電動パワーステアリング装置において、
    前記ステアリングホイールの回転角速度に対応する回転角速度対応値を求める手段と、
    前記操舵トルクの変化速度に対応する変化速度対応値を求める手段と、
    前記回転角速度対応値と、この回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、
    前記変化速度対応値と、この変化速度対応値に正相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの出力を、求めた回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた変化速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、
    前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、
    車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 操舵補助力を発生するモータと、
    ステアリングホイールの操舵トルクを求める手段と、
    求めた操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する手段とを備える電動パワーステアリング装置において、
    前記モータの回転角速度に対応する回転角速度対応値を求める手段と、
    前記操舵トルクの変化速度に対応する変化速度対応値を求める手段と、
    前記回転角速度対応値と、この回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、
    前記変化速度対応値と、この変化速度対応値に正相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの出力を、求めた回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた変化速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、
    前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、
    車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 操舵補助力を発生するモータと、
    ステアリングホイールの操舵トルクを求める手段と、
    求めた操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する手段とを備える電動パワーステアリング装置において、
    前記ステアリングホイールの回転角速度に対応する第1回転角速度対応値を求める手段と、
    前記モータの回転角速度に対応する第2回転角速度対応値を求める手段と、
    前記第1回転角速度対応値と、この第1回転角速度対応値に相関する第1モータ出力補正値との間の設定された第1の対応関係を記憶する手段と、
    前記第2回転角速度対応値と、この第2回転角速度対応値に逆相関する第2モータ出力補正値との間の設定された第2の対応関係を記憶する手段と、
    前記モータの出力を、求めた第1回転角速度対応値に対応する前記第1モータ出力補正値と、求めた第2回転角速度対応値に対応する前記第2モータ出力補正値の和に対応して補正する手段とが設けられ、
    前記ステアリングホイールの操舵周波数と、前記ステアリングホイールの操舵角度に対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲で、前記モータの出力の補正によりその振幅比が設定範囲となるように前記第1の対応関係が設定され、
    車輪を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの周波数と、その外乱トルクに対する操舵トルクの振幅比とにより表される周波数応答特性において、前記モータの出力の補正によりその振幅比が共振周波数で小さくなるように前記第2の対応関係が設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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