JP2005225401A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵補助力発生用モータの制御系に大きな記憶容量を要することなく低コストで制御の最適化を図ることができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵により変化する変量と最大補正率との関係、その変量と最小補正率との関係、補正率の補間係数と車速との関係、および車速と標準補正量との関係を記憶する。最大補正率と最小補正率の中の一方をα、他方をβ、補間係数をR、標準補正量をI、基本補正量をic として、求めた変量、求めた車速、記憶した関係、およびic =I・{α・(1−R)+β・R}の関係から基本補正量を求める。操舵補助力発生用モータの設定された基本出力量を求めた基本補正量に対応して補正した値に応じて操舵補助力が発生するように、そのモータを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、操舵補助力をモータによって付与する電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置においては、操舵トルクや車速に応じて操舵補助力発生用モータの基本出力量を設定し、その基本出力量をモータやステアリングホイールの回転角速度や回転角加速度、操舵トルクの変化速度、車輪の舵角変化速度等に応じて補正し、その補正した値に応じた操舵補助力を付与するようにモータを制御することで、操舵に対する応答性を向上してモータの慣性の影響を補償したり、操舵系に粘性を付与することで外乱の影響を低減することが図られている。
例えば、ステアリングホイールの回転角速度に応じて操舵補助力発生用モータの出力を制御する場合、ステアリングホイールの回転角速度と補正電流との関係をマップとして制御装置に記憶し、センサにより求めたステアリングホイールの回転角速度に対応する補正電流をそのマップに基づき求め、操舵トルクに基づき求めた基本アシスト電流を求めた補正電流だけ補正し、その補正した電流値に応じた操舵補助力が発生するようにモータを制御している。さらに、車速に応じて操舵補助力を変化させる場合は、その補正電流および基本アシスト電流を求めた車速に応じて変化させている(特許文献1参照)。
特許第2782254号公報
ステアリングホイールの回転角速度と補正電流との関係は、制御の最適化を図る上では車速に応じて変化させる必要がある。そのため、補正電流を車速とは無関係に単一のマップに基づき求め、しかる後に求めた補正電流を車速に応じて変化させた場合、車速の相違に応じた最適制御を行うことができない。そこで、ステアリングホイールの回転角速度と補正電流との関係を表すマップを車速の相違に応じた数だけ作成し、制御装置に記憶させ、求めた車速に応じたマップを用いて補正電流を求めることが考えられる。しかし、多数のマップを記憶しなければならないために制御系の記憶容量が大きくなりコストが増大する。
本発明は上記課題を解決することのできる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、操舵補助力発生用モータと、前記モータの基本出力量を設定する手段と、操舵により変化する変量を求める手段と、前記変量と最大補正率との関係を最大補正率特性として記憶する手段と、前記変量と最小補正率との関係を最小補正率特性として記憶する手段と、補正率の補間係数と車速との関係を補間特性として記憶する手段と、車速と標準補正量との関係を標準補正量特性として記憶する手段と、前記最大補正率と前記最小補正率の中の一方をα、他方をβ、前記補間係数をR、前記標準補正量をI、基本補正量をic として、求めた変量および車速、記憶した最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性および標準補正量特性、およびic =I・{α・(1−R)+β・R}の関係から基本補正量を求める手段と、設定された前記基本出力量を求めた基本補正量に対応して補正した値に応じて操舵補助力が発生するように、前記モータを制御する手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性、および標準補正量特性を定めて記憶するだけで、操舵補助力発生用モータの基本出力量の補正量として車速の相違に応じた最適な基本補正量を求めることができる。
前記変量が複数求められ、前記最大補正率特性、前記最小補正率特性、前記補間特性、および前記標準補正量特性がそれぞれ複数記憶され、前記基本補正量が複数求められ、求めた複数の基本補正量の和に対応して前記基本出力量が補正されるのが好ましい。これにより多様な制御に対応できる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、操舵補助力発生用モータの制御系に大きな記憶容量を要することなく低コストで制御の最適化を図ることができる。
図1に示す本発明の実施形態の車両用電動パワーステアリング装置1は、操舵によるステアリングホイール2の回転を舵角が変化するように車輪3に伝達する機構を備える。本実施形態では、ステアリングホイール2の回転がステアリングシャフト4を介してピニオン5に伝達されることで、ピニオン5に噛み合うラック6が移動し、そのラック6の動きがタイロッド7やナックルアーム8を介して車輪3に伝達されることで舵角が変化する。
ステアリングホイール2の回転を車輪3に伝達する経路に作用する操舵補助力の発生用モータ10が設けられている。本実施形態においては、モータ10の出力シャフトの回転を減速ギヤ機構11を介してステアリングシャフト4に伝達することで操舵補助力を付与する。
モータ10は駆動回路21を介してコンピュータにより構成される制御装置20に接続される。制御装置20に、ステアリングホイール2の操舵トルクTを求めるトルクセンサ22、ステアリングホイール2の回転角度に対応する操舵角度θh を求める舵角センサ23、車速Vを求める車速センサ24、モータ10の駆動電流iを求める電流センサ26、モータ10の回転角度θm を検出する角度センサ27が接続される。なお、本実施形態のステアリングシャフト4は、ステアリングホイール2側とピニオン5側とに分割されると共にトーションバー29により連結され、操舵角度θh とピニオン5の回転角度θp の差であるトーションバー29の捩れ角(θh −θp )に、トーションバー29のバネ定数Ksを乗じて得られた操舵トルクTがトルクセンサ22により検出される。
制御装置20は、求めた操舵トルクTに応じた操舵補助力を発生するようにモータ10を制御し、また、その操舵補助力を求めた車速Vに応じて変化させ、さらに、ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtとモータ10の回転角速度dθm /dtとに応じて補正する。
図2〜図4は制御装置20によるモータ10の制御ブロック線図を示す。図2に示すように、制御装置20は、モータ10の目標駆動電流値i* を、基本アシスト電流ioと第1補正電流i1と第2補正電流i2との和に基本車速ゲインGvを乗じることで設定する。本実施形態においては基本アシスト電流ioがモータ10の基本出力量とされる。
図3に示すように、舵角センサ23により求めた操舵角度θh の微分によりステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtが求められる。本実施形態ではステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtが第1の変量とされる。
ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtと第1の最大補正率αh との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第1の最大補正率特性として制御装置20に記憶される。求めた回転角速度dθh /dtに対応する第1の最大補正率αh が記憶された対応関係に基づき演算部31において演算される。第1の最大補正率αh は、基本アシスト電流ioの最大補正率であり、ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtと第1の最大補正率αh との対応関係は、例えば図3の演算部31に示すように、回転角速度dθh /dtに第1の最大補正率αh が相関するものとされる。回転角速度dθh /dtと第1の最大補正率αh の正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtと第1の最小補正率βh との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第1の最小補正率特性として制御装置20に記憶される。求めた回転角速度dθh /dtに対応する第1の最小補正率βh が記憶された対応関係に基づき演算部32において演算される。第1の最小補正率βh は、基本アシスト電流ioの最小補正率であり、ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtと第1の最小補正率βh との対応関係は、例えば図3の演算部32に示すように、回転角速度dθh /dtに第1の最小補正率βh が相関するものとされる。回転角速度dθh /dtと第1の最小補正率βh の正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
第1の補間係数Rh と車速Vとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第1の補間特性として制御装置20に記憶される。求めた車速Vに対応する第1の補間係数Rh が記憶された対応関係に基づき演算部33において演算される。第1の補間係数Rh は、第1の最大補正率αh と第1の最小補正率βh の間の補正率を求めるための係数であり、求める第1の補正率Ch はCh =αh ・(1−Rh )+βh ・Rh で表される。第1の補間係数Rh は車速Vに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。なお、Ch =αh ・Rh +βh ・(1−Rh )としてもよい。第1の補間係数Rh と車速Vとの対応関係は、例えば図3の演算部33に示すように、車速Vに第1の補間係数Rh が相関するものとされる。
車速Vと第1の標準補正電流Ih (標準補正量)との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第1の標準補正量特性として制御装置20に記憶される。求めた車速Vに対応する第1の標準補正電流Ih が記憶された対応関係に基づき演算部34において演算される。第1の標準補正電流Ih は、補正率Ch が1の時の第1の基本補正電流(基本補正量)であり、車速Vに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。第1の標準補正電流Ih と車速Vとの対応関係は、例えば図3の演算部34に示すように、車速Vに第1の標準補正電流Ih が相関するものとされる。
偏差演算部35において1から第1の補間係数Rh を差し引いた値(1−Rh )が求められ、これに第1の最大補正率αh を乗じた値αh ・(1−Rh )が乗算部36において求められ、第1の補間係数Rh に第1の最小補正率βh を乗じた値βh ・Rh が乗算部37において求められ、加算部38において第1の補正率Ch =αh ・(1−Rh )+βh ・Rh が求められ、乗算部39において第1の補正率Ch に第1の標準補正電流Ih を乗じることで第1の基本補正電流ic1(基本補正量)=Ih ・{αh ・(1−Rh )+βh ・Rh }が求められる。
操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtaとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第1トルクゲインGtaが演算部40において演算される。操舵トルクTの大きさと第1トルクゲインGtaとの対応関係は、例えば図3の演算部40に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第1トルクゲインGtaが大きくなるものとされる。乗算部41において第1の基本補正電流ic1に第1トルクゲインGtaを乗じることで第1補正電流i1が求められる。
図4に示すように、角度センサ27により求めた回転角度θm の微分によりモータ10の回転角速度dθm /dtが求められる。本実施形態ではモータ10の回転角速度dθm /dtが第2の変量とされる。なお、モータ10の回転角度θm に代えて、モータ10の端子間電圧とモータ電流の検出センサを設け、その検出値と公知の演算式からモータ10の単位時間当たりの回転角度を求めてもよいし、ピニオン5の回転角度を検出するセンサを設けて、モータ10の回転角速度dθm /dtでなくピニオン5の回転角速度を第2の変量としてもよい。
モータ10の回転角速度dθm /dtと第2の最大補正率αm との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第2の最大補正率特性として制御装置20に記憶される。求めた回転角速度dθm /dtに対応する第2の最大補正率αm が記憶された対応関係に基づき演算部51において演算される。第2の最大補正率αm は、基本アシスト電流ioの最大補正率であり、モータ10の回転角速度dθm /dtに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。モータ10の回転角速度dθm /dtと第2の最大補正率αm との対応関係は、例えば図4の演算部51に示すように、回転角速度dθm /dtに第2の最大補正率αm が逆相関するものとされる。回転角速度dθm /dtと第2の最大補正率αm の正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
モータ10の回転角速度dθm /dtと第2の最小補正率βm との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第2の最小補正率特性として制御装置20に記憶される。求めた回転角速度dθm /dtに対応する第2の最小補正率βm が記憶された対応関係に基づき演算部52において演算される。第2の最小補正率βm は、基本アシスト電流ioの最小補正率であり、モータ10の回転角速度dθm /dtに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。モータ10の回転角速度dθm /dtと第2の最小補正率βm との対応関係は、例えば図4の演算部52に示すように、回転角速度dθm /dtに第2の最小補正率βm が逆相関するものとされる。回転角速度dθm /dtと第2の最小補正率βm の正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
第2の補間係数Rm と車速Vとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第2の補間特性として制御装置20に記憶される。求めた車速Vに対応する第2の補間係数Rm が記憶された対応関係に基づき演算部53において演算される。第2の補間係数Rm は、第2の最大補正率αm と第2の最小補正率βm の間の補正率を求めるための係数であり、求める第2の補正率Cm はCm =αm ・(1−Rm )+βm ・Rm で表される。第2の補間係数Rm は車速Vに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。なお、Cm =αm ・Rm +βm ・(1−Rm )としてもよい。第2の補間係数Rm と車速Vとの対応関係は、例えば図4の演算部53に示すように、車速Vに第2の補間係数Rm が相関するものとされる。
車速Vと第2の標準補正電流Im (標準補正量)との間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式の形式で第2の標準補正量特性として制御装置20に記憶される。求めた車速Vに対応する第2の標準補正電流Im が記憶された対応関係に基づき演算部54において演算される。第2の標準補正電流Im は、補正率Cm が1である時の第2の基本補正電流(基本補正量)であり、車速Vに応じて変化し、例えば実験的に予め求められる。第2の標準補正電流Im と車速Vとの対応関係は、例えば図4の演算部54に示すように、車速Vに第2の標準補正電流Im が相関するものとされる。
偏差演算部55において1から第2の補間係数Rm を差し引いた値(1−Rm )が求められ、これに第2の最大補正率αm を乗じた値αm ・(1−Rm )が乗算部56において求められ、第2の補間係数Rm に第2の最小補正率βm を乗じた値βm ・Rm が乗算部57において求められ、加算部58において第2の補正率Cm =αm ・(1−Rm )+βm ・Rm が求められ、乗算部59において第2の補正率Cm に第2の標準補正電流Im を乗じることで第2の基本補正電流ic2(基本補正量)=Im ・{αm ・(1−Rm )+βm ・Rm }が求められる。
操舵トルクTの大きさと第2トルクゲインGtbとの間の設定された対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する第2トルクゲインGtbが演算部60において演算される。操舵トルクTの大きさと第2トルクゲインGtbとの対応関係は、例えば図4の演算部60に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に第2トルクゲインGtbが大きくなるものとされる。乗算部61において第2の基本補正電流ic2に第2トルクゲインGtbを乗じることで第2補正電流i2が求められる。
図2に示すように、操舵トルクTと基本アシスト電流ioとの対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた操舵トルクTに対応する基本アシスト電流ioが演算部71において演算される。操舵トルクTと基本アシスト電流ioとの対応関係は、例えば図2の演算部71に示すように、操舵トルクTの大きさが大きくなる程に基本アシスト電流ioの大きさが大きくなるものとされる。操舵トルクTと基本アシスト電流ioの正負の符号は、右操舵時と左操舵時とで逆とされる。
車速Vと基本車速ゲインGvとの対応関係が例えばテーブルや演算式として記憶され、求めた車速Vに対応する基本車速ゲインGvが演算部72において演算される。車速Vと基本車速ゲインGvとの対応関係は、例えば図2の演算部72に示すように、車速Vが小さい時は大きい時よりも基本車速ゲインGvが大きくなるものとされる。
第1補正電流i1と第2補正電流i2と基本アシスト電流ioの和が加算部73において演算され、その和に基本車速ゲインGvを乗算部74において乗じることで目標駆動電流値i* が求められる。目標駆動電流値i* と求めた駆動電流iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御することで、ピニオン5の回転角度θp を変化させ、これにより操舵補助力を付与する。これにより、設定された基本アシスト電流ioを、第1の基本補正電流ic1に対応する第1補正電流i1と第2の基本補正電流ic2に対応する第2補正電流i2に応じて補正した目標駆動電流値i* に応じて操舵補助力が発生するように、モータ10が制御装置20により制御される。
図5のフローチャートは制御装置20によるモータ10の制御手順を示す。まず、各センサによる検出値V、θh 、θm 、T、iを読み込み(ステップS1)、次に、時系列に求めた操舵角度θh を時間微分することでステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtを求め、また、時系列に求めた回転角度θm を時間微分することでモータ10の回転角速度dθm /dtを求める(ステップS2)。なお、制御開始当初においてはステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtとモータ10の回転角速度dθm /dtとして予め定めた初期値を用いればよい。次に、ステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに応じた第1補正電流i1=Gta・Ih ・{αh ・(1−Rh )+βh ・Rh }と、モータ10の回転角速度dθm /dtに応じた第2補正電流i2=Gtb・Im ・{αm ・(1−Rm )+βm ・Rm }とを求め(ステップS3)、目標駆動電流値i* =Gv・(io+i1+i2)を求め(ステップS4)、その目標駆動電流値i* と検出駆動電流値iとの偏差を低減するようにモータ10をフィードバック制御する(ステップS5)。しかる後に制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチがオンかオフかにより判断し(ステップS6)、制御を終了しない場合はステップS1に戻る。
上記実施形態によれば、図6、図7に示す周波数応答特性を表すボード線図が得られる。図6は、横軸がステアリングホイール2の単位時間当たりの往復操作数に対応する操舵周波数(Hz)、縦軸がステアリングホイール2の操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比(dB)を表す。図7は、横軸が車輪3を介して接地面から操舵系に入力される外乱トルクの入力周波数(Hz)、縦軸が外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比(dB)を表す。モータ10の出力を補正することで、図6に示される操舵周波数と、操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、少なくとも人間がステアリングホイールを操舵する際の操舵周波数範囲(例えば2Hz以下の範囲)で、その振幅比が大きくならないように、また、モータ10の出力を補正することで、図7に示される外乱トルクの周波数と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、その振幅比が共振周波数で小さくなるように、上記演算部31、32、33、34、40、51、52、53、54、60における対応関係が設定されている。
例えば、モータ10による操舵系への投入トルクTiを以下の式により求めるものとする。
Ti=To+Ta+Tb
To=Ka・Ks(θh −θp
Ta=−Kdi・dθh /dt
Tb=−Kdo・dθm /dt
Kaは基本アシスト制御ゲイン、Kdiは操舵角速度(操舵角微分)制御ゲイン、Kdoはモータ回転角速度(モータ回転角微分)制御ゲインである。
図6に示す操舵周波数と、操舵角度θh に対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω1 と減衰比ζ1 は以下の式により求められる。
ω1 =(K/Jp)1/2 …(1)
ζ1 =(Cp+Kdi+Kdo)/{2・(Jp・α1/α2)1/2 }…(2)
図7に示す外乱トルクの入力周波数(Hz)と、外乱トルクに対する操舵トルクTの振幅比とにより表される周波数応答特性において、周波数ω2 、減衰比ζ2 は以下の式により求められる。
ω2 =[{Ks・(1+Ka)+K}/Jp]1/2 …(3)
ζ2 =(Cp+Kdo)/{2・(Jp・Ks/α1)1/2 }…(4)
α1は周波数が零の時の操舵の重さのパラメータであり、α2は周波数が零の時の外乱の伝達割合であり、以下の式により表される。
α1=Ks・K/{Ks・(1+Ka)+K}
α2=1/{(1+Ka)+K/Ks}
Kは操舵系が有する弾性係数、Jpは操舵系におけるピニオン軸換算の慣性、Cpはトーションバー29よりも下方の操舵系におけるピニオン軸換算粘性係数である。
図6において、モータ10の出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに正相関し、その回転角速度dθh /dtのゲインはKdiであるから、モータ出力を補正すると、ゲインKdiのみに着目すれば上記式(2)より減衰比ζ1 が小さくなる。また、上記式(2)はモータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関するゲインKdoを含み、ゲインKdoのみに着目すればモータ出力を補正すると減衰比ζ1 が大きくなる。しかし、ゲインKdiは式(4)より減衰比ζ2 に影響しない。よって、ゲインKdiを適当な値に設定することで、図6における補正前の実線に対し補正後の破線で示すように、人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲(例えば周波数2Hz以下の範囲)で、その補正によりその振幅比を適正値にできる。これにより、その振幅比が大きくなり過ぎたり小さくなり過ぎることはないので、操舵フィーリングが悪化することはない。なお、第1補正電流i1はステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtに逆相関するものであってもよく、要は人間がステアリングホイール2を操舵する際の操舵周波数範囲で、その振幅比を操舵フィーリングが悪化することがないように、ゲインKdiを設定できればよい。
図7において、モータ10の出力を補正する前の状態を実線で示し、補正した後の状態を破線で示す。第2補正電流i2はモータ10の回転角速度dθm /dtに逆相関し、その回転角速度dθm /dtのゲインはKdoであるから、モータ出力を補正すると上記式(4)より減衰比ζ2 が大きくなる。すなわち、図7における補正前の実線に対し補正後の破線は共振周波数で振幅比のピーク値が小さくなる方向にシフトする(図7において振幅比のピーク点Pの振幅比は補正により小さくなっている)。よって、操舵に対する外乱の影響を抑制できる。
上記実施形態によれば、第1、第2の最大補正率特性、第1、第2の最小補正率特性、第1、第2の補間特性、および標準補正量特性を定めて記憶するだけで、操舵補助力発生用モータ10の基本アシスト電流ioの補正量として車速Vの相違に応じた最適な基本補正電流ic1、ic2を求めることができる。よって、モータ10の制御系に大きな記憶容量を要することなく低コストで制御の最適化を図ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態ではステアリングホイール2の回転角速度dθh /dtとモータ10の回転角速度dθm /dtを変量としたが、変量を3以上求め、最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性、および標準補正量特性を3以上記憶し、基本補正量を3以上求め、求めた3以上の基本補正量の和に対応する値に応じてモータ10の基本アシスト電流ioを補正してもよい。あるいは、その求める変量、記憶する最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性、標準補正量特性、求める基本補正量を単一とし、その基本補正量に対応する値に応じてモータ10の基本アシスト電流ioを補正してもよい。また、変量も上記実施形態に限定されず、例えばステアリングホイール2の回転角加速度d2 θh /dt2 、モータ10の回転角加速度d2 θm /dt2 、操舵トルクの変化速度dT/dt等を変量とし、それに応じた最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性、標準補正量特性を設定してもよい。モータ10の基本出力量や補正量は電流に限定されず、出力に対応していれば電流に限定されず、例えば電力量であってもよい。ステアリングホイールの回転を舵角が変化するように車輪に伝達する機構は実施形態に限定されず、例えばステアリングホイールの回転をステアリングシャフトからラックピニオン以外のリンク機構を介して車輪に伝達するものでもよい。さらに、操舵補助力発生用モータの出力の操舵系への伝達機構は操舵補助力を付与することができれば実施形態に限定されず、例えばラックと一体のボールスクリューにねじ合わされるボールナットをモータの出力により駆動することで操舵補助力を付与してもよい。
本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の構成説明図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置の制御ブロック線図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における第1補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における第2補正電流を求めるための制御ブロック線図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における制御手順を示すフローチャート 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における操舵特性を示す周波数応答特性を表すボード線図 本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置における外乱の影響を示す周波数応答特性を表すボード線図
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
10 操舵補助力発生用モータ
20 制御装置
22 トルクセンサ
23 舵角センサ
24 車速センサ
27 角度センサ

Claims (2)

  1. 操舵補助力発生用モータと、
    前記モータの基本出力量を設定する手段と、
    操舵により変化する変量を求める手段と、
    前記変量と最大補正率との関係を最大補正率特性として記憶する手段と、
    前記変量と最小補正率との関係を最小補正率特性として記憶する手段と、
    補正率の補間係数と車速との関係を補間特性として記憶する手段と、
    車速と標準補正量との関係を標準補正量特性として記憶する手段と、
    前記最大補正率と前記最小補正率の中の一方をα、他方をβ、前記補間係数をR、前記標準補正量をI、基本補正量をic として、求めた変量および車速、記憶した最大補正率特性、最小補正率特性、補間特性および標準補正量特性、およびic =I・{α・(1−R)+β・R}の関係から基本補正量を求める手段と、
    設定された前記基本出力量を求めた基本補正量に対応して補正した値に応じて操舵補助力が発生するように、前記モータを制御する手段とを備える電動パワーステアリング装置。
  2. 前記変量が複数求められ、前記最大補正率特性、前記最小補正率特性、前記補間特性、および前記標準補正量特性がそれぞれ複数記憶され、前記基本補正量が複数求められ、求めた複数の基本補正量の和に対応して前記基本出力量が補正される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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