JP4385980B2 - 電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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本発明は、電気光学パネルが保持枠に収容された電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関する。
電気光学パネルが保持枠に収容された電気光学装置としては、光が入射する側と出射する側の表面に防塵用基板を備えた電気光学パネルと、プレートとカバーとからなる実装ケースとを備え、電気光学パネルの画像表示領域の周辺領域の少なくとも一部を、プレートおよびカバーの少なくとも一方で保持して、電気光学パネルが実装ケース(保持枠)に収容された電気光学装置が知られている(特許文献1)。
このような電気光学装置は、プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられ、光源からの投射光が入射して加熱されると共に、ファン等の冷却装置を用いて冷却される。したがって、実装ケースは、電気光学パネルの画像表示領域以外を覆って、電気光学パネルが接着固定されることが求められている。
上記電気光学装置の製造方法では、プレートおよびカバーの上記画像表示領域の周辺領域の少なくとも一部を保持する額縁領域に、額縁状に両面テープを配置して、電気光学パネルの防塵用基板の表面とプレートおよびカバーとを両面テープを介して接着固定している。そして電気光学パネルと実装ケースとの隙間にモールド材を充填して接着固定している。すなわち、実装ケースに電気光学パネルを確実に接着固定して、実装ケースに対する電気光学パネルの位置ずれの発生を極力防止しようとするものである。
特開2004−198933号公報
しかしながら、上記電気光学装置の製造方法では、異なる接着材料である両面テープとモールド材とを用いることから、製造工程が煩雑であった。この製造工程の煩雑さを改善するために、両面テープを用いずに、モールド材をプレートおよびカバーの上記額縁領域に額縁状に塗布し、防塵用基板の表面とプレートおよびカバーとを接着固定する方法がある。図10は、モールド材を用いた電気光学装置の製造方法を示す概略図である。同図(a)は、モールド材をプレートに塗布した状態を示し、同図(b)は、モールド材が塗布されたプレートに電気光学パネルを挿着した状態を示す概略図である。
図10(a)に示すように、モールド材(接着剤)50は、開口部41aを有するプレート41の額縁領域41bに、開口部41aに沿って額縁状に塗布されている。また、電気光学パネルが接着固定される領域42の内側に塗布されている。
図10(b)に示すように、モールド材50が塗布されたプレート41に電気光学パネルを押圧して挿着すると、塗布されたモールド材50は額縁領域41bと電気光学パネルの一方の表面との間で拡がってゆく。すると電気光学パネルの一方の表面の各角部42aにおいて、拡がったモールド材50が集中しやすく、その一部50aが開口部41aから画像表示領域側にはみ出てしまうことがあった。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、保持枠から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることを低減して、電気光学パネルを保持枠に接着固定することができる電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学パネルと、電気光学パネルの一方の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する額縁領域を有する保持枠とを備えた電気光学装置の製造方法であって、電気光学パネルの一方の表面と額縁領域とが、接着剤を介して当接するように額縁領域に接着剤を塗布すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の塗布軌跡が電気光学パネルが額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように接着剤を額縁状に塗布する塗布工程と、接着剤が塗布された保持枠に電気光学パネルを挿着して収容する収容工程と、塗布された接着剤を硬化する硬化工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、塗布工程では、電気光学パネルの一方の表面と額縁領域とが、接着剤を介して当接するように額縁領域に接着剤を塗布すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の塗布軌跡が電気光学パネルが額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように接着剤を額縁状に塗布する。したがって、収容工程では、額縁領域の各角部の電気光学パネルが当接した領域において、塗布された接着剤の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネルが保持枠に収容される。ゆえに、収容された電気光学パネルにより塗布された接着剤が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができるので、接着剤が額縁領域から画像表示領域側にはみ出ることを低減することができる。特に該角部からの接着剤のはみ出しを低減することができる。すなわち、保持枠の額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることを低減して、電気光学パネルを保持枠に接着固定することができる電気光学装置を製造することができる。
本発明の他の電気光学装置の製造方法は、光が入射する側の表面と出射する側の表面のうち少なくとも一方の表面に、透明基板を有する電気光学パネルと、電気光学パネルの光の入射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第1の額縁領域を有する第1の保持枠と、電気光学パネルの光の出射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第2の額縁領域を有する第2の保持枠とを備えた電気光学装置の製造方法であって、電気光学パネルの光の入射側もしくは出射側の表面と、第1の保持枠と第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接するように少なくとも一方の額縁領域に接着剤を塗布すると共に、少なくとも一方の額縁領域の各角部では、接着剤の塗布軌跡が電気光学パネルが少なくとも一方の額縁領域に当接する領域から外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように接着剤を額縁状に塗布する塗布工程と、接着剤が塗布された第1の保持枠と第2の保持枠のいずれか一方に電気光学パネルを挿着すると共に、第1の保持枠と第2の保持枠とで挟持して、電気光学パネルを収容する収容工程と、塗布された接着剤を硬化する硬化工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、塗布工程では、電気光学パネルの光の入射側もしくは出射側の表面と、第1の保持枠と第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接するように少なくとも一方の額縁領域に接着剤を塗布すると共に、少なくとも一方の額縁領域の各角部では、接着剤の塗布軌跡が電気光学パネルが少なくとも一方の額縁領域に当接する領域から外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように接着剤を額縁状に塗布する。したがって、収容工程では、少なくとも一方の額縁領域の各角部の電気光学パネルが当接した領域において、塗布された接着剤の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネルが第1の保持枠と第2の保持枠とで挟持されて収容される。ゆえに、収容された電気光学パネルにより塗布された接着剤が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができるので、少なくとも一方の額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることを低減することができる。特に該角部からの接着剤のはみ出しを低減することができる。すなわち、少なくとも一方の額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることを低減して、電気光学パネルを少なくとも一方の保持枠に接着固定することができる電気光学装置を製造することができる。また、透明基板を有する電気光学パネルが、第1の保持枠と第2の保持枠とで挟持されて、画像表示領域を除く部分が略密閉状態となった電気光学装置を製造することができる。
また、上記塗布工程では、接着剤を一筆書き状に塗布することが好ましい。
この方法によれば、接着剤は、額縁領域に一筆書き状に塗布される。したがって、例えば、接着剤を吐出可能な定量吐出器を用いる場合、途中で接着剤の吐出を停止させることなく塗布することができる。すなわち、効率よく接着剤を塗布することができる。
また、上記塗布工程では、接着剤の塗布軌跡が少なくとも一部に折り返した部分を含むように、前記接着剤を一筆書き状に塗布してもよい。
この方法によれば、接着剤は、接着剤の塗布軌跡が少なくとも一部に折り返した部分を含むように塗布される。よって、接着剤の塗布軌跡の折り返した部分では、電気光学パネルの入射側もしくは出射側の表面が保持枠の額縁領域と接着剤を介して当接する面積を増やすことができる。すなわち、保持枠と電気光学パネルとを接着固定する際に、接着強度を増やしたい個所があれば、その部分で接着剤を折り返して塗布し、接着面積を増やして接着強度を増加させることができる。
また、上記収容工程は、電気光学パネルの外周側面と保持枠の内壁との間、または電気光学パネルの外周側面と、第1の保持枠と第2の保持枠のいずれか一方の内壁との間に、UV接着剤を塗布してUV照射し、電気光学パネルの外周側面を内壁に仮固定する工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、収容工程では、UV接着剤を塗布してUV照射し、電気光学パネルを電気光学パネルが挿着される保持枠の内壁、あるいは第1の保持枠と第2の保持枠のいずれか一方の内壁に仮固定するため、硬化工程で塗布された接着剤が硬化する前に、電気光学パネルの収容位置が相対的にズレてしまうことを低減することができる。すなわち、より精度よく電気光学パネルを保持枠に収容する、あるいは、より精度よく電気光学パネルを第1の保持枠と第2の保持枠とで挟持して収容することができる。
本発明の電気光学装置は、電気光学パネルと、電気光学パネルの一方の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する額縁領域を有する保持枠とを備え、電気光学パネルの一方の表面と額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の配置が電気光学パネルが額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、電気光学パネルが保持枠に収容されていることを特徴とする。
この構成によれば、電気光学パネルは、電気光学パネルの一方の表面と額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の配置が電気光学パネルが額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、電気光学パネルが保持枠に収容されている。したがって、額縁領域の各角部の電気光学パネルが当接した領域において、塗布された接着剤の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネルが保持枠に収容される。ゆえに、電気光学パネルにより接着剤が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができ、接着剤が額縁領域から画像表示領域側にはみ出ることを低減することができる。特に該角部からの接着剤のはみ出しを低減することができる。すなわち、保持枠の額縁領域から接着剤がはみ出ることを低減して、電気光学パネルが保持枠に接着固定された電気光学装置を提供することができる。
本発明の他の電気光学装置は、光が入射する側の表面と出射する側の表面のうち少なくとも一方の表面に、透明基板を有する電気光学パネルと、電気光学パネルの光の入射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第1の額縁領域を有する第1の保持枠と、電気光学パネルの光の出射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第2の額縁領域を有する第2の保持枠とを備え、電気光学パネルの光の入射側と出射側の表面のうち少なくとも一方の表面と、第1の保持枠と第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の配置が電気光学パネルが少なくとも一方の額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、電気光学パネルが第1の保持枠と第2の保持枠とに挟持されて収容されていることを特徴とする。
この構成によれば、電気光学パネルは、電気光学パネルの光の入射側と出射側の表面のうち少なくとも一方の表面と、第1の保持枠と第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、額縁領域の各角部では、接着剤の配置が電気光学パネルが少なくとも一方の額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、電気光学パネルが第1の保持枠と第2の保持枠とに挟持されて収容されている。したがって、少なくとも一方の額縁領域の各角部の電気光学パネルが当接した領域において、塗布された接着剤の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネルが保持枠に収容される。ゆえに、電気光学パネルにより接着剤が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができ、接着剤が額縁領域から画像表示領域側にはみ出ることを低減することができる。特に該角部からの接着剤のはみ出しを低減することができる。すなわち、少なくとも一方の額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることを低減して、電気光学パネルを少なくとも一方の保持枠に接着固定することができる電気光学装置を提供することができる。また、透明基板を有する電気光学パネルが、第1の保持枠と第2の保持枠とで挟持されて、画像表示領域を除く部分が略密閉状態となった電気光学装置を提供することができる。
また、上記額縁領域には、額縁領域の内側周縁部に沿って、少なくとも一部に溝部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、電気光学パネルが接着剤を介して当接する額縁領域には、額縁領域の内側周縁部に沿って、少なくとも一部に溝部が設けられているため、接着剤が過剰に配置されても、過剰な接着剤の少なくとも一部を溝部に逃がすことができる。ゆえに、額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることをより低減することができる。
本発明の電子機器は、上記発明の電気光学装置を備えたことを特徴とする。これによれば、額縁領域から画像表示領域側に接着剤がはみ出ることが低減され、電気光学パネルが保持枠に接着固定された、あるいは、額縁領域から接着剤がはみ出ることが低減され、電気光学パネルが第1の保持枠と第2の保持枠とで画像表示領域を除く部分が略密閉状態に挟持され接着固定された電気光学装置を備えている。したがって、画像表示領域に表示された文字や画像等の情報を、額縁領域から画像表示領域側にはみ出た接着剤によって遮られることなく、確認することができる電子機器を提供することができる。
本実施形態は、電子機器としての投射型表示装置(液晶プロジェクタ)と、この投射型表示装置に用いられる電気光学装置としての液晶表示装置(液晶ライトバルブ)と、その製造方法とを例として説明する。
(液晶表示装置)
図1は、液晶表示装置を示す概略斜視図である。図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置20は、第1の保持枠としてのプレート11と第2の保持枠としてのカバー12とからなるケース(保持枠)10と、プレート11とカバー12とで挟持された電気光学パネル1とを備えている。また、プレート11とカバー12とが係合した状態で固定される金具としての治具フック13を備えている。電気光学パネル1は、中継基板としてのフレキシブル配線基板(FPC)7を有し、FPC7は、ケース10から突出している。また電気光学パネル1は、プレート11とカバー12とに接着固定されて、画像表示領域を除く部分が略密閉状態となりケース10に収容されている。
図2は、液晶表示装置を示す分解斜視図である。図2に示すように、電気光学パネル1は、TFT素子を備えた画素電極を有する素子基板2と、画素電極に対向する共通電極を備えた対向基板3とを有する液晶表示パネル6を備えている。液晶表示パネル6は、素子基板2と対向基板3との間に電気光学材料としての液晶が狭持されている。対向基板3の外周よりも外側に突出した素子基板2の外部接続用の端子部にFPC7が電気的に接続されている。また、電気光学パネル1には、外部からの光が入射する側の対向基板3の表面3aと、入射した光が液晶を通過して光変調され出射する側の素子基板2の表面2aとに、透明基板としての防塵ガラス4,5がそれぞれ接着固定され一体となっている。また、防塵ガラス4,5は、後述する投射型表示装置において液晶表示装置20に表示された画像を投射する際に、電気光学パネル1の表面に付着した異物等が映像として映し出されないように焦点をずらすため、およそ1.0〜2.0mmの厚みを有している。尚、TFT素子、画素電極、共通電極、液晶等の配置については、公知の構成に基づいており、図2においては図示を省略した。
プレート11は、蓋が無い筐体であり、電気光学パネル1(防塵ガラス4の出射面4a)の画像表示領域8の周辺領域を支持する第1の額縁領域としての額縁領域11bを有している。額縁領域11bには、電気光学パネル1の画像表示領域8に対応した大きさの開口部11aを有すると共に、開口部11aに沿って内側周縁部に溝部11dが設けられている。プレート11には、額縁領域11bを囲うように側壁11e,11h,11i,11jが設けられている。側壁11g,11hの隅には、液晶表示装置20を投射型表示装置に取り付けるための孔11iが設けられている。また、一方の側壁11gには、収容される電気光学パネル1のFPC7を支持する切り欠き部11cが設けられている。また他方の側壁11hには、円柱状の突起11jが設けられている。
カバー12は、蓋が無い筐体の四隅が切り欠かれたものであり、電気光学パネル1(防塵ガラス5の入射面5a)の画像表示領域8の周辺領域を支持する第2の額縁領域としての額縁領域12bを有している。額縁領域12bには、電気光学パネル1の画像表示領域8に対応した大きさの開口部12aを有すると共に、開口部12aに沿った内側周縁部に溝部12dが設けられている。カバー12には、額縁領域12bを囲うように側壁12e,12f,12g,12hが設けられている。側壁12e,12fの側面には、略三角柱状に突起したフック部12cが設けられている。
治具フック13は、C方向から見るとコの字型の形状をしており、プレート11と当接する面に、電気光学パネル1の画像表示領域8に対応した大きさの開口部13aを有している。また折り曲げられた両端の側壁13bの突出部に、カバー12のフック部12cに対応した大きさの開口部13cを有している。
図3は、液晶表示装置の構造を示す概略図である。同図(a)は、図1のA−A線で切った概略断面図、同図(b)は、図1のB−B線で切った概略断面図、同図(c)は、液晶表示装置を透視した要部平面図である。詳しくは、同図(c)は、プレートに電気光学パネルを挿着した状態を透視した平面図である。
図3(a)に示すように、液晶表示装置20は、電気光学パネル1の出射面4a(出射側の表面)とプレート11の額縁領域11bとが、接着剤9を介して当接すると共に、接着剤9により接着固定されている。また、電気光学パネル1の入射面5a(入射側の表面)とカバー12の額縁領域12bの表面とが、接着剤9を介して当接すると共に、接着剤9により接着固定されている。そして、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とに挟持されて、プレート11とカバー12とが係合したケース10に収容されている。さらに、プレート11とカバー12とが係合した状態で、カバー12のフック部12cと治具フック13の開口部13cとが係合して固定されている。尚、符号14は、UV接着剤を示しており、接着剤9が塗布されたプレート11に電気光学パネル1を挿着して位置決めした後に、電気光学パネル1をプレート11の側壁11e,11fに仮固定するために用いたものである。
図3(b)に示すように、電気光学パネル1の素子基板2の外部接続用の端子部に接続されたFPC7は、プレート11の切り欠き部11cで一方の面が支持されると共に、他方の面が、カバー12の側壁12gに当接している。また、プレート11の側壁11hに設けられた突起11jは、カバー12の側壁12hに設けられた凹部12iに係合している。
図3(c)に示すように、プレート11の額縁領域11bの各角部において、接着剤9は、電気光学パネル1の出射面4aが額縁領域11bに当接する領域4bから一部が外側に配置されると共に、開口部11aに沿った内周側に入り江状の隙間15を有している。したがって、額縁領域11bの各角部の領域4bでは、隙間15によって接着剤9が一部途切れた状態となっている。同様にして、図示しないが、カバー12の額縁領域12bの各角部において、接着剤9は、電気光学パネル1の入射面5aが額縁領域12bに当接する領域から一部が外側に配置されると共に、開口部12aに沿った内周側に入り江状の隙間を有している。したがって、額縁領域12bの各角部の当該領域では、隙間によって接着剤9が一部途切れた状態となっている。尚、上記隙間15は、ケース10に収容された電気光学パネル1が接着剤9を押圧して拡がった後に形成されるため、拡がった接着剤9の量によっては、各角部のうちいくつかの角部で隙間15が非常に小さくなるか、消滅することもある。あるいは、隙間15が分断された状態になることもある。
ケース10を構成するプレート11およびカバー12、治具フック13は、熱伝導性を有する材料、より具体的には、アルミニウム、マグネシウム、銅またはこれらの金属の合金等から構成されることが望ましい。
接着剤9は、ケース10と同様に硬化後に熱伝導性を有することが望ましく、適度な粘度を与えるためのフィラーを含んだシリコン系接着剤である。初期的には適度な流動性を有し、空気中の湿度(水分)を吸収して耐熱・耐寒性、耐候性、優れた電気絶縁性を有するゴム状弾性体となって硬化する。硬化後は、熱伝導性を有し、金属、プラスチックと優れた接着性を示す。この場合、接着剤9の熱伝導率は、およそ0.8W/m・Kである。
本実施形態の液晶表示装置20は、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とに挟持され、プレート11とカバー12とが係合したケース10に収容されている。また、出射面4aとプレート11の額縁領域11bとの間、および入射面5aとカバー12の額縁領域12bとの間が額縁状に配置された接着剤9で接着固定されている。そして、接着剤9が所望の接着範囲を確保できるようにやや過剰に配置されても、各額縁領域11b,12bの表面に設けられた溝部11d,12dに過剰な接着剤9の一部を逃がすことが可能となっている。また、各額縁領域11b,12bの各角部において、各角部の電気光学パネル1が当接した領域では、接着剤9が一部途切れるように配置されている。ゆえに、電気光学パネル1をケース10に収容した際に、電気光学パネル1で押圧された接着剤9が拡がっても、途切れた部分を埋めるように拡がるか、途切れた接着剤9の先端側に押し拡がる。よって、各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側に接着剤9がはみ出しにくい構造となっている。特に、各額縁領域11b,12bの各角部で接着剤9がはみ出しにくい構造となっている。
尚、本実施形態の液晶表示装置20には、偏光素子としての偏光板が備えられていないが、後述する投射型表示装置100(図8参照)に液晶表示装置20に対応して偏光板(図示省略)が配置される。これにより液晶表示装置20は、入射光を光変調して出射可能となる。
(液晶表示装置の製造方法)
次に本実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置の製造方法について、図4〜図7に基づいて説明する。図4は、液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート、図5(a)〜(d)と図6(e)〜(h)および図7(i)、(j)は、液晶表示装置の製造方法を示す概略図である。
図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置20の製造方法は、電気光学パネル1の入射面5aとカバー12の額縁領域12bとが、また出射面4aとプレート11の額縁領域11bとが接着剤9を介して当接するように、且つ各額縁領域11b,12bの各角部では、接着剤9の塗布軌跡が電気光学パネル1が各額縁領域11b,12bに当接する領域から外側に一旦出てから、少なくとも一部が該領域の内側に戻るように、各額縁領域11b,12bの表面に額縁状に接着剤9を塗布する塗布工程を備えている。そして、接着剤9が塗布されたプレート11に電気光学パネル1を挿着するパネル挿着工程と、挿着された電気光学パネル1をUV接着剤を用いて仮固定するパネルUV接着工程とを備えている。また、電気光学パネル1をプレート11とカバー12とで挟持して収容するパネル収容工程と、プレート11とカバー12とが係合したケース10に金具としての治具フック13を取り付ける工程と、塗布された接着剤を硬化する硬化工程とを備えている。
図4のステップS1は、プレート11を治具21にセットする工程である。ステップS1では、図5(a)に示すように、作業用の治具21に額縁領域11bが確認できるようにプレート11をセットする。治具21には、プレート11がセットされたときに容易に動かないように度当たり21aが設けられている。また、セットされたプレート11の額縁領域11bに付着した異物等は、この時点でクリーニングされる。そしてステップS2へ進む。
図4のステップS2は、プレート11の額縁領域11bに接着剤9を塗布する塗布工程である。ステップS2では、図5(b)および(c)に示すように、開口部11aに沿って額縁領域11bに額縁状に接着剤9を塗布する。この場合、塗布方法は、定量吐出器30に接着剤9を充填し、定量吐出器30をプレート11に対して相対的に移動させて接着剤9を吐出描画できる描画装置(図示省略)を用いている。そして、例えば、点d1を始点とし、額縁領域11bの各角部に向かって、点d2〜d4を通過し、辺部d5から一旦点d1に戻った後に、辺部d6から終点である点d7に至るように一筆書き状に接着剤9を塗布する。また、額縁領域11bの各角部では、接着剤9の塗布軌跡が、電気光学パネル1が額縁領域11bに当接する領域4bの外側に一旦出てから、領域4bの内側に戻るように接着剤9を塗布する。すなわち、点d1〜d4は、領域4bの外側に位置している。また、点d4から辺部d5を描いて点d1に戻り、折り返して辺部d6を描くように塗布するのは、辺部d5,d6側にFPC7が接続された外部接続用の端子部の背面が当接するためである。これにより接着面積を増やして端子部の背面側をより強固に額縁領域11bに接着しようとするものである。そして、電気光学パネル1が挿着されて接着剤9の辺部d5,d6が押圧されたときに、辺部d5,d6と電気光学パネル1の出射面4aとで区切られた空間の空気が抜け出るように、終点である点d7と点d4との間には、隙間を設けている。このような塗布軌跡の設定であれば、点d1〜d4、点d7のいずれを始点としても一筆書き状に接着剤9を塗布可能である。接着剤9の吐出量は、所定の接着領域が確保できるようにやや多めに吐出している。そして、ステップS3へ進む。
図4のステップS3は、接着剤9が塗布されたプレート11に電気光学パネル1を挿着するパネル挿着工程である。ステップS3では、図5(d)に示すように、電気光学パネル1の出射面4aをプレート11の額縁領域11bに押し付けるようにして、電気光学パネル1を挿着する。また、プレート11に対して電気光学パネル1が所定の位置に挿着されるように位置決めする。位置決め方法としては、例えば、画像処理装置を用いる方法が挙げられる。これにより塗布された接着剤9は、出射面4aと額縁領域11bとの間で押圧されて拡がる。額縁領域11bには、溝部11dが設けられているので、先のステップS2で接着剤9がやや多めに吐出されても、過剰な接着剤9を溝部11dに逃がすことが可能である。また、図5(c)に示すように、角部4cの面内では、接着剤9が連続せず一部途切れた状態となっているため、角部4cで拡がった接着剤9の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことが可能である。そして、ステップS4へ進む。
図4のステップS4は、電気光学パネル1を仮固定する工程である。ステップS4では、図6(e)に示すように、挿着された電気光学パネル1の外周側面1aとプレート11の側壁の内壁との間に、UV接着剤14を塗布し、UV照射してUV接着剤14を硬化させる。これによりプレート11に電気光学パネル1を仮固定する。UV接着剤14の塗布方法は、先のステップS2と同様にして定量吐出器30を用いることができる。また塗布位置は、電気光学パネル1の外周側面1aに対して4箇所程度が仮固定できれば、外周側面1aのどの位置でもよい。そして、ステップS5へ進む。
図4のステップS5は、カバー12を治具22にセットする工程である。ステップS5では、図6(f)に示すように、作業用の治具22に額縁領域12bが確認できるようにカバー12をセットする。治具22には、カバー12がセットされたときに容易に動かないように度当たり22aが設けられている。また、セットされたカバー12の額縁領域12bに付着した異物等は、この時点でクリーニングされる。そしてステップS6へ進む。
図4のステップS6は、カバー12の額縁領域12bに接着剤9を塗布する塗布工程である。ステップS6では、図6(g)および(h)に示すように、開口部12aに沿って額縁領域12bに額縁状に接着剤9を塗布する。塗布方法は、先のステップS2と同様である。そして、例えば、点e1を始点として、額縁領域12bの各角部に向かって、点e2〜e4を経由して点e1に戻るように一筆書き状に接着剤9を塗布する。また、額縁領域12bの各角部では、接着剤9の塗布軌跡が、電気光学パネル1が額縁領域12bに当接する領域5bの外側に一旦出てから、領域5bの内側に戻るように接着剤9を塗布する。すなわち、点e1〜e4は、領域5bの外側で側壁12e,12fに近い側に位置している。このような塗布軌跡の設定であれば、点e1〜e4のいずれを始点としても一筆書き状に接着剤9を塗布可能である。接着剤9の吐出量は、所定の接着領域が確保できるようにやや多めに吐出している。そして、ステップS7へ進む。
図4のステップS7は、プレート11とカバー12とで電気光学パネル1を挟持して収容するパネル収容工程である。ステップS7では、図7(i)に示すように、電気光学パネル1が挿着され仮固定されたプレート11に対して、電気光学パネル1の入射面5aがカバー12の額縁領域12bとが接着剤9を介して当接するように、プレート11とカバー12とで電気光学パネル1を挟持して収容する。これにより塗布された接着剤9は、入射面5aと額縁領域12bとの間で押圧されて拡がる。額縁領域12bには、溝部12dが設けられているので、先のステップS6で接着剤9がやや多めに吐出されても、過剰な接着剤9を溝部12dに逃がすことが可能である。また、額縁領域12bの角部の面内では、接着剤9が連続せず一部途切れた状態となっているため、角部で拡がった接着剤9の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことが可能である。そして、ステップS8へ進む。
図4のステップS8は、治具フック13を取り付ける工程である。ステップS8では、図7(j)に示すように、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とで挟持され収容された状態に組み立てられたものに、金具としての治具フック13を取り付ける。治具フック13は、側壁13bに設けられた開口部13cとカバー12の側壁に設けられたフック部12cとが係合することにより、プレート11とカバー12とが係合したものをズレないように固定する。このとき、接着剤9はまだ硬化していないが、電気光学パネル1はプレート11にUV接着剤14によって仮固定されているので、電気光学パネル1が相対的に位置ズレを起こすことに注意を払わなくても、治具フック13を取り付けることが可能である。そして、ステップS9に進む。
図4のステップS9は、塗布された接着剤9を硬化する硬化工程である。ステップS9では、治具フック13が取り付けられた状態の液晶表示装置20を、室温でおよそ24時間放置することによって、接着剤9を硬化する。尚、実際には、電気光学パネル1が所定の許容範囲の位置に収容されているか否か、また外観等に不具合がないか否か等の検査工程を経過する間に接着剤9の硬化が進むため、硬化のため特別に放置するような設備等は不要である。また、50〜90℃で加温しながら放置すれば、30〜60分程度の時間で硬化させることも可能である。
以上の工程を経て液晶表示装置20が完成する。このような液晶表示装置20の製造方法は、防塵ガラス4,5と液晶表示パネル6とを一体とした電気光学パネル1を、プレート11とカバー12とで挟持して、1種類の接着剤9で接着固定するため、複数種の接着材料を用いて、電気光学パネル1を保持枠としてのケース10に接着固定する場合に比べて、効率的に液晶表示装置20を製造することが可能である。
(投射型表示装置)
次に本発明の電子機器の一実施形態である投射型表示装置について、図8を基に説明する。図8は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。
図8に示すように、投射型表示装置100は、光源110と、2つのダイクロイックミラー113,114と、3つの反射ミラー115,116,117と、入射レンズ118と、リレーレンズ119と、出射レンズ120と、3つの液晶光変調装置122,123,124と、クロスダイクロイックプリズム125と、投射レンズ126とを備えている。光源110はメタルハライド等のランプ111とランプの光を反射するリフレクタ112とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー113は、光源110からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー117で反射されて、赤色光用液晶光変調装置122に入射される。一方、ダイクロイックミラー113で反射された光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー114によって反射され、緑色光用液晶光変調装置123に入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー114も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ118、リレーレンズ119、出射レンズ120を含むリレーレンズ系からなる導光手段121が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置124に入射される。各液晶光変調装置122,123,124により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム125に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ126によってスクリーン127上に投射され、画像が拡大されて表示される。
各液晶光変調装置122,123,124は、上記実施形態の液晶表示装置20と、液晶表示装置20の光の入射側と出射側とにそれぞれ配設された偏光素子としての偏光板(図示省略)とを備えたものである。
投射型表示装置100は、保持枠としてのケース10から画像表示領域8側に接着剤9がはみ出すことを低減して、電気光学パネル1がケース10に接着固定された液晶表示装置20が備えられているので、画像表示領域8に表示された画像を投射する際に、はみ出した接着剤9が投影されることを低減した投射型表示装置100を提供することが可能である。
本実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)本実施形態の液晶表示装置20の製造方法は、塗布工程では、電気光学パネル1の入射面5aとカバー12の額縁領域12bとが、および出射面4aとプレート11の額縁領域11bとが接着剤9を介して当接するように、各額縁領域11b,12bに接着剤9を塗布すると共に、各額縁領域11b,12bの各角部では、接着剤9の塗布軌跡が電気光学パネル1が各額縁領域11b,12bに当接する領域から外側に一旦出てから、該領域の内側に戻るように接着剤9を額縁状に塗布する。したがって、パネル挿着および収容工程では、各額縁領域11b,12bの各角部の電気光学パネル1が当接した領域において、塗布された接着剤9の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とで挟持されて収容される。ゆえに、収容された電気光学パネル1により塗布された接着剤9が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤9の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができるので、各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側に接着剤9がはみ出ることを低減することができる。特に上記角部からの接着剤9のはみ出しを低減することができる。すなわち、各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側に接着剤9がはみ出ることを低減して、電気光学パネル1を保持枠としてのケース10に接着固定することができる液晶表示装置20を製造することができる。また、防塵ガラス4,5を有する電気光学パネル1が、プレート11とカバー12とで挟持されて、画像表示領域8を除く部分が略密閉状態となった電気光学装置を製造することができる。
(2)本実施形態の液晶表示装置20の製造方法において、プレート11の額縁領域11bに接着剤9を塗布する塗布工程では、額縁領域11bの点d1を始点として、各点d2〜d4を経由するように一筆書き状に接着剤9を塗布する。したがって、定量吐出器30からの接着剤9の吐出を途中で止めることなく塗布することができる。すなわち、効率よく接着剤9の塗布を行うことができる。カバー12の額縁領域12bに接着剤9を塗布する塗布工程でも、同様にして一筆書き状に接着剤9が塗布されるので、同様な効果が得られる。よって、効率よく液晶表示装置20の製造を行うことができる。また、プレート11の額縁領域11bに接着剤を塗布する塗布工程では、塗布軌跡が折り返した部分(辺部d6)を含むように接着剤9を塗布する。よって、FPC7が接続された電気光学パネル1の外部接続用の端子部の背面側に対応する額縁領域11bの部分に接着剤9をより広い面積で配置して、プレート11と接着させることができる。すなわち、完成後の液晶表示装置20のFPC7の部分を保持して取り扱っても、FPC7が接続された端子部の背面側は、より高い接着強度でプレート11に接着固定されているので、プレート11に対して電気光学パネル1が位置ズレを起こしたり、FPC7側から剥離してしまうことを低減することができる。
(3)本実施形態の液晶表示装置20の製造方法は、接着剤9が塗布されたプレート11に電気光学パネル1が位置決めされ挿着された後に、電気光学パネル1の外周側面とプレート11の側壁とをUV接着剤14で仮固定する。したがって、硬化工程で接着剤9が硬化する前に、電気光学パネル1の相対的な位置がズレてしまうことを低減することができる。
(4)本実施形態の液晶表示装置20において、電気光学パネル1は、電気光学パネル1の入射面5aとカバー12の額縁領域12bとが、および出射面4aとプレート11の額縁領域11bとが接着剤9を介して当接すると共に、各額縁領域11b,12bの各角部では、接着剤9の配置が電気光学パネル1が各額縁領域11b,12bに当接する領域の外側に一旦出てから、該領域の内側に戻るように各額縁領域11b,12bに額縁状に配置された接着剤9により接着固定されている。また、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とに挟持されて、プレート11とカバー12が係合したケース10に収容されている。したがって、各額縁領域11b,12bの各角部の電気光学パネル1が当接した領域において、塗布された接着剤9の一部が途切れて隙間が生じた状態で、電気光学パネル1が保持枠としてのケース10に収容される。ゆえに、電気光学パネル1により接着剤9が押圧されて拡がっても、拡がった接着剤9の一部を途切れた部分の隙間に逃がすことができ、接着剤9が各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側にはみ出ることを低減することができる。特に該角部からの接着剤9のはみ出しを低減することができる。すなわち、各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側に接着剤9がはみ出ることを低減して、電気光学パネル1がケース10に接着固定された液晶表示装置20を提供することができる。また、透明基板としての防塵ガラス4,5を有する電気光学パネル1が、プレート11とカバー12とで挟持されて、画像表示領域8を除く部分が略密閉状態となった液晶表示装置20を提供することができる。
(5)本実施形態の液晶表示装置20において、各額縁領域11b,12bには、各開口部11a,12aに沿って溝部11d,12dが設けられているため、各額縁領域11b,12bに過剰な接着剤9が配置されていても、過剰な接着剤9の一部を溝部11d,12dに逃がすことができる。すなわち、過剰な接着剤9の各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側へのはみ出しを、より低減することができる。
(6)本実施形態の投射型表示装置100は、各額縁領域11b,12bから接着剤9がはみ出ることが低減され、電気光学パネル1がプレート11とカバー12とで画像表示領域8を除く部分を略密閉状態に挟持され接着固定された液晶表示装置20を備えている。したがって、画像表示領域8に表示された文字や画像等の情報を、各額縁領域11b,12bから画像表示領域8側にはみ出た接着剤9によって遮られることなく、確認することができる電子機器としての投射型表示装置100を提供することができる。
前記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)液晶表示装置20の製造方法は、前記実施形態に限定されない。図9は、変形例の液晶表示装置の製造方法を示す概略図である。詳しくは、同図(a)、(b)は、接着剤の塗布方法を示す要部概略図である。接着剤9の塗布方法は、例えば、同図(a)に示すように、額縁領域11bの各角部では、接着剤9の塗布軌跡が、電気光学パネル1が額縁領域11bに当接する領域4bの外側に一旦出てから、一部が該領域4bの外側に出たまま、残りが内側に戻るように接着剤9を額縁状に塗布すれば、該領域4bの角部4cにおいて、接着剤9が途切れて生じる隙間は広がるが、前記実施形態と同様な効果が得られる。すなわち、接着剤9の一部を該領域4bの外側に配置して、電気光学パネル1の外周側面とプレート11の側壁とを接着固定することも可能となる。また、同図(b)に示すように、該領域4bの角部4cを外側に円弧状に迂回するように接着剤9の塗布軌跡を描いてもよい。このようにすれば、より確実に角部4cにおいて、接着剤9が途切れて生じる隙間を大きくすることができ、過剰に接着剤9が拡がっても、画像表示領域側へのはみ出しを低減することができる。
(変形例2)液晶表示装置20の製造方法は、前記実施形態に限定されない。例えば、カバー12側に先に接着剤9を塗布してから、電気光学パネル1を挿着し、その後にプレート11に接着剤9を塗布して、プレート11とカバー12とで電気光学パネル1を挟持して収容してもよい。
(変形例3)液晶表示装置20の構造は、前記実施形態に限定されない。例えば、金具としての治具フック13は、必ずしも必要としない。カバー12のフック部12cに係合するようにプレート11側に開口部を有するアーム部を形成してもよい。また、各額縁領域11b,12bに溝部11d,12dを設けなくてもよい。例えば、接着剤9の塗布量と、塗布位置とを管理して過剰な接着剤9の塗布を抑えるようにすれば、溝部11d,12dを設けなくても、はみ出しを低減することが可能である。
(変形例4)液晶表示装置20およびその製造方法は、前記実施形態に限定されない。例えば、前記実施形態では、プレート11とカバー12とで電気光学パネル1を挟持して収容したが、電気光学パネル1がほとんど収容される深さとなるようにプレート11の側壁11e,11f,11g,11hをさらに高くする。そして、プレート11の額縁領域11bに塗布工程で前述したように接着剤9を塗布して、挿着工程で電気光学パネル1を挿着する。この状態で接着剤9を硬化させれば、プレート11に電気光学パネル1の一方の表面が接着固定されて収容された液晶表示装置を提供することができる。すなわち、額縁領域11bから画像表示領域8側に接着剤9がはみ出ることを低減して、電気光学パネル1がプレート11に接着固定されたより簡単な構造の液晶表示装置を提供することができる。
(変形例5)液晶表示装置20において透明基板としての防塵ガラス4,5は、必ずしも液晶表示パネル6の光の入射側の表面3aと出射側の表面2aの両方に配設しなくともよい。例えば、入射側の表面3aに防塵ガラス5を配設すれば、少なくとも防塵ガラス5の入射面5aに付着した異物は、投射型表示装置100の投射によって投影されない。また、液晶表示パネルの構造として反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式を用いた場合は、光の入射側と出射側の表面とは同一面となるため、この同一面に防塵ガラスを配設すれば、十分その機能を発揮する。
(変形例6)液晶表示装置20を適用できる電子機器は、投射型表示装置100に限定されない。例えば、液晶表示パネルの光の入射側にバックライト等の光源を有する液晶テレビやカーナビゲーションシステムなどの情報端末装置などにも適用可能である。
液晶表示装置を示す概略斜視図。 液晶表示装置を示す概略分解斜視図。 (a)〜(c)は、液晶表示装置の構造を示す概略図。 液晶表示装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(d)は、液晶表示装置の製造方法を示す概略図。 (e)〜(h)は、液晶表示装置の製造方法を示す概略図。 (i)、(j)は、液晶表示装置の製造方法を示す概略図。 投射型表示装置の構成を示す概略図。 変形例の液晶表示装置の製造方法を示す要部概略図。 モールド材を用いた電気光学装置の製造方法を示す概略図。
符号の説明
1…電気光学パネル、4,5…透明基板としての防塵ガラス、4b,5b…電気光学パネルが額縁領域に当接する領域、6…液晶表示パネル、8…画像表示領域、9…接着剤、10…保持枠としてのケース、11…第1の保持枠としてのプレート、11a…額縁領域、11d…溝部、12…第2の保持枠としてのカバー、12b…額縁領域、14…UV接着剤、20…電気光学装置としての液晶表示装置、100…電子機器としての投射型表示装置、d6…接着剤の塗布軌跡が折り返した部分としての辺部。

Claims (9)

  1. 電気光学パネルと、前記電気光学パネルの一方の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する額縁領域を有する保持枠とを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記電気光学パネルの一方の表面と前記額縁領域とが、接着剤を介して当接するように前記額縁領域に接着剤を塗布すると共に、前記額縁領域の各角部では、前記接着剤の塗布軌跡が前記電気光学パネルが前記額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が前記領域の内側に戻るように前記接着剤を額縁状に塗布する塗布工程と、
    前記接着剤が塗布された前記保持枠に前記電気光学パネルを挿着して収容する収容工程と、
    塗布された前記接着剤を硬化する硬化工程と、を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 光が入射する側の表面と出射する側の表面のうち少なくとも一方の表面に、透明基板を有する電気光学パネルと、前記電気光学パネルの前記光の入射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第1の額縁領域を有する第1の保持枠と、前記電気光学パネルの前記光の出射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第2の額縁領域を有する第2の保持枠とを備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記電気光学パネルの前記光の入射側もしくは出射側の表面と、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接するように前記少なくとも一方の額縁領域に接着剤を塗布すると共に、前記少なくとも一方の額縁領域の各角部では、前記接着剤の塗布軌跡が前記電気光学パネルが前記少なくとも一方の額縁領域に当接する領域から外側に一旦出てから、少なくとも一部が前記領域の内側に戻るように前記接着剤を額縁状に塗布する塗布工程と、
    前記接着剤が塗布された前記第1の保持枠と前記第2の保持枠のいずれか一方に前記電気光学パネルを挿着すると共に、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠とで挟持して、前記電気光学パネルを収容する収容工程と、
    塗布された前記接着剤を硬化する硬化工程と、を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 前記塗布工程では、前記接着剤を一筆書き状に塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 前記塗布工程では、前記接着剤の塗布軌跡が少なくとも一部に折り返した部分を含むように、前記接着剤を一筆書き状に塗布することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の製造方法。
  5. 前記収容工程は、前記電気光学パネルの外周側面と前記保持枠の内壁との間、または前記電気光学パネルの外周側面と、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠のいずれか一方の内壁との間に、UV接着剤を塗布してUV照射し、前記電気光学パネルの外周側面を前記内壁に仮固定する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  6. 電気光学パネルと、
    前記電気光学パネルの一方の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する額縁領域を有する保持枠とを備え、
    前記電気光学パネルの一方の表面と前記額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、前記額縁領域の各角部では、前記接着剤の配置が前記電気光学パネルが前記額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が前記領域の内側に戻るように前記額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、前記電気光学パネルが前記保持枠に収容されていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 光が入射する側の表面と出射する側の表面のうち少なくとも一方の表面に、透明基板を有する電気光学パネルと、
    前記電気光学パネルの前記光の入射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第1の額縁領域を有する第1の保持枠と、
    前記電気光学パネルの前記光の出射側の表面の画像表示領域の周辺領域を支持する第2の額縁領域を有する第2の保持枠とを備え、
    前記電気光学パネルの前記光の入射側と出射側の表面のうち少なくとも一方の表面と、前記第1の保持枠と前記第2の保持枠のうち少なくとも一方の額縁領域とが、接着剤を介して当接すると共に、前記額縁領域の各角部では、前記接着剤の配置が前記電気光学パネルが前記少なくとも一方の額縁領域に当接する領域の外側に一旦出てから、少なくとも一部が前記領域の内側に戻るように前記額縁領域に額縁状に配置された接着剤により接着固定され、前記電気光学パネルが前記第1の保持枠と前記第2の保持枠とに挟持されて収容されていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 前記額縁領域には、前記額縁領域の内側周縁部に沿って、少なくとも一部に溝部が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の電気光学装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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