JP4487483B2 - 光変調素子ユニット及び投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光変調素子ユニット及び投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号に基づいて光源からの光を透過型光変調素子を用いて光変調し、該光変調された光をスクリーンなどに投射することで画像を形成する投射型表示装置が提供されている(特許文献1)。
前記透過型光変調素子は、例えば石英ガラスなどからなる透明基板の間に液晶が封入されて構成されており、前記液晶が前記映像信号に基づいて駆動されることによって映像の表示を行ない、前記映像が表示されている液晶に光源からの光を透過させることによって前記光変調を行なって映像の像を形成するものである。
前記透過型光変調素子は接着剤によって、例えばアルミ材料から構成されるフレームに固定され、該フレームを介して前記投射型表示装置の光学部材あるいは筐体側に固定されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−180958号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように透過型光変調素子がフレームに固定されている場合、投射型表示装置が設置された環境の温度に応じて、前記透過型光変調素子とフレームとの間に熱膨張差が生じると、透過型光変調素子が応力を受けて変形してしまうおそれがある。このような透過型光変調素子の変形が生じると、該透過型光変調素子によって形成される映像に濃淡ムラが生じる不具合が発生する。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、その目的とするところは、透過型光変調素子がフレームとの熱膨張差による応力を受けて変形することが防止され、透過型光変調素子に表示される映像に濃淡ムラが生じることがなく映像の品質を確保する上で有利な光変調ユニット及び投射型表示装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、本発明の光変調素子ユニットは、板状の透過型光変調素子と、熱伝導性を有する材料から形成されたフレームとを備えた光変調素子ユニットであって、前記透過型光変調素子は、厚さ方向の一方に位置し光が入射する光入射面と、厚さ方向の他方に位置し前記入射した光が出射する光出射面とを有し、前記フレームは、前記透過型光変調素子が収容される大きさの底壁と、前記底壁に形成された窓と、前記底壁の周囲から起立すると共に前記透過型光変調素子を仮止めするための接着剤を塗布するための開口が設けられた起立壁とを有し、前記窓の周囲の前記底壁箇所には、少なくとも3個の半球状の突起が形成され、前記透過型光変調素子の光出射面が前記窓に臨ませた状態でかつ前記透過型光変調素子の周囲全域と前記起立壁との間に環状の空間が確保された状態で、該光出射面の周囲の箇所は少なくとも3個の前記半球状の突起に載置され、仮止め用の前記接着剤が前記開口を介して前記透過型光変調素子の周囲の複数箇所と前記各半球状の突起の近傍箇所とにわたってそれぞれ塗布されて該半球状の突起上で点接触された状態で、前記透過型光変調素子が前記底壁に設けられた少なくとも3個の前記半球状の突起上に仮止めされ、前記環状の空間に弾性および熱伝導性を有するシーリング材が充填され、仮止め用の前記接着剤は、前記透過型光変調素子と前記フレームとの熱膨張差により破断され、前記透過型光変調素子は、前記シーリング材により前記底壁の少なくとも3個の前記半球状の突起上において弾性支持されて取り付けられた状態となり、前記透過型光変調素子の熱は前記シーリング材を介して前記フレームに放熱されることを特徴とする。
また、本発明の投射型表示装置は、 光源からの光を光変調素子ユニットにより映像信号に基づいて光変調することにより映像を形成し、前記光変調素子ユニットにより形成された前記映像を投射する投射型表示装置において、前記光変調素子ユニットは、板状の透過型光変調素子と、熱伝導性を有する材料から形成されたフレームとを備え、前記透過型光変調素子は、厚さ方向の一方に位置し光が入射する光入射面と、厚さ方向の他方に位置し前記入射した光が出射する光出射面とを有し、前記フレームは、前記透過型光変調素子が収容される大きさの底壁と、前記底壁に形成された窓と、前記底壁の周囲から起立すると共に前記透過型光変調素子を仮止めするための接着剤を塗布するための開口が設けられた起立壁とを有し、前記窓の周囲の前記底壁箇所には少なくとも3個の半球状の突起が形成され、前記透過型光変調素子の光出射面が前記窓に臨ませた状態でかつ前記透過型光変調素子の周囲全域と前記起立壁との間に環状の空間が確保された状態で、該光出射面の周囲の箇所は少なくとも3個の前記半球状の突起に載置され、仮止め用の前記接着剤が前記開口を介して前記透過型光変調素子の周囲の複数箇所と前記各半球状の突起の近傍箇所とにわたってそれぞれ塗布されて該半球状の突起上で点接触された状態で、前記透過型光変調素子が前記底壁に設けられた少なくとも3個の前記半球状の突起上に仮止めされ、仮止め用の前記接着剤は、前記透過型光変調素子と前記フレームとの熱膨張差により破断され、前記透過型光変調素子は、前記シーリング材により前記底壁の少なくとも3個の前記半球状の突起上において弾性支持されて取り付けられた状態となり、前記透過型光変調素子の熱は前記シーリング材を介して前記フレームに放熱されることを特徴とする。
そのため、本発明の光変調素子ユニットおよび投射型表示装置によれば、透過型光変調素子は、透過型光変調素子の周囲と起立壁との間の環状の空間に充填されたシーリング材により底壁上において弾性支持されて取り付けられた状態となることから、透過型光変調素子と底壁とは相対的に変位可能な状態となる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態の投射型表示装置の構成を示す構成図である。
投射型表示装置100は筐体102を有し、該筐体102内に本発明に係る3つの光変調素子ユニット10A、10B、10Cが配設されている。
前記各光変調素子ユニット10A、10B、10Cの光入射側には、それぞれ入射側偏光板12が配設され、前記各光変調素子ユニット10A、10B、10Cの光出射側には、それぞれ出射側偏光板14が配設されている。
これら3つの光変調素子ユニット10A、10B、10Cは、図外の映像信号供給器、例えば、テレビジョンチューナ装置、ビデオテーププレーヤ装置、ビデオディスクプレーヤ装置などから制御回路を介して映像信号が供給され、この映像信号に基づいて映像を表示するように構成されている。
前記各光変調素子ユニット10A、10B、10Cは、透過型の光変調素子を有し、透過率の変化(濃淡)によって映像を表示する。前記3つの光変調素子ユニットのうち、光変調素子ユニット10Aは前記映像信号に対応する映像の赤色成分を表示し、光変調素子ユニット10Bは前記映像信号に対応する映像の緑成分を表示し、光変調素子ユニット10Cは前記映像信号に対応する映像の青色成分を表示する。
【0007】
さらに、前記筐体102内には、光源104、UVフィルタ106、マルチレンズアレイ108、110、コンデンサレンズ112、第1のダイクロイックミラー114A、第2のダイクロイックミラー114B、第1乃至第3のコンデンサーレンズ116A、116B、116C、第1、第2の集光レンズ118、120、クロスダイクロイックプリズム122、投射レンズ124などが配設されている。
前記光源104はハロゲンランプのような高輝度の白色ランプで構成され、該光源104から出射された光束は、前記UVフィルタ106、マルチレンズアレイ108、110を順次透過し、該光束に対して45度傾斜して配設された前記第1のダイクロイックミラー114Aに入射する。
前記第1のダイクロイックミラー114Aは、前記光束のうち赤色成分光Rのみを反射して90度偏向させ、前記光束のうち緑色成分光Gと青色成分光Bを透過させる。
前記第1のダイクロイックミラー114Aにより反射された赤色成分光Rは、第1のミラー126Aによって反射され90度偏向され、第1のコンデンサーレンズ116A、入射側偏光板12、前記光変調ユニット10A、出射側偏光板14を順次透過してクロスダイクロイックプリズム122の一側面部122Aに入射する。
【0008】
前記第1のダイクロイックミラー114Aを透過した緑色成分光Gおよび青色成分光Bは、これら緑色成分光Gおよび青色成分光Bの光束に対して45度傾斜して配設された前記第2のダイクロイックミラー114Bに入射する。この第2のダイクロイックミラー114Bは、前記緑色成分光Gおよび青色成分光Bのうち、緑色成分光Gのみを反射して90度偏向させ、残りの青色成分光Bを透過させる。
前記第2のダイクロイックミラー114Bによって反射された緑色成分光Gは、前記第2のコンデンサーレンズ116B、入射側偏光板12、前記光変調ユニット10B、出射側偏光板14を順次透過してクロスダイクロイックプリズム122の後面部122Bに入射する。
【0009】
前記第2のダイクロイックミラー114Aを透過した青色成分光Bは、第1の集光レンズ118を透過し、該青色成分光Bの光束に対して45度傾斜して配設された第2のミラー126Bに入射されて反射され90度偏向される。
前記第2のミラー126Bによって反射された青色成分光Bは、第2の集光レンズ120を透過し、第3のミラー126Cにより反射され90度偏向されコンデンサーレンズ116C、入射側偏光板12、前記光変調ユニット10C、出射側偏光板14を順次透過してクロスダイクロイックプリズム122の他側面部122Cに入射する。
なお、前記第1、第2の集光レンズ118、120は、前記光源10から前記各光変調素子ユニット10A、10B、10Cに至る赤色成分光R、緑色成分光Gおよび青色成分光Bのそれぞれの光路長のうち、前記青色成分光Bの光路長が前記赤色成分光R、緑色成分光Gの光路長に比較して長いことにより青色成分光Bが拡散しやすいため、青色成分光Bを集束させるためのものである。
【0010】
前記クロスダイクロイックプリズム122は、前記一側面部122Aから入射された赤色成分光R、前記後面部122Bから入射された緑色成分光G、前記他側面部122Cから入射された青色成分光Bを合成して前面部122Dから出射するものであり、色合成光学系を構成している。
前記クロスダイクロイックプリズム122の前面部122Dから出射された光束は、前記投射レンズ124に入射される。該投射レンズ124は、入射された光束を前記筐体102の前方に投射する。
すなわち、前記投射レンズ124は、前記各光変調素子ユニット10A、10B、10Cにより表示され前記光源104によって照明された映像の像を、前記筐体102の前方に設置されたスクリーン上に結像させる。
【0011】
図1は光変調素子ユニットの構成を示す分解斜視図、図3はフレームの要部拡大図、図4は光変調素子ユニットの断面図、図5は光変調素子ユニットの取付状態を示す図である。
図1に示すように、各光変調素子ユニット10A、10B、10Cは、それぞれ透過型光変調素子16とフレーム30とを備え、光変調素子ユニット10A、10B、10Cの構成はほぼ同様であるので以後光変調素子ユニット10として説明する。
図4に示すように、前記透過型光変調素子16は、TFT基板18、対向基板20、第1防塵ガラス22、第2防塵ガラス24などが重ね合わせて構成され、透過型光変調素子16にはフレキシブル基板26が連結されている。
前記TFT基板18は、矩形板状に形成された透明基板から構成され、該透明基板の上面中央には透明電極が矩形状の領域に形成され、前記上面の透明電極の周囲には液晶駆動用回路が形成されている。
【0012】
前記対向基板20は、前記TFT基板18よりも縦横の寸法が若干小さい透明基板から構成されている。前記対向基板20は、該対向基板20の四辺と前記TFT基板18の四辺をそれぞれ平行させ、かつ、前記TFT基板18の透明電極に対向して配設され、前記対向基板20と前記TFT基板18との間に液晶が封止されている。
そして、前記液晶によって矩形状の輪郭を有した映像表示領域が形成されるように構成されている。
【0013】
前記第1防塵ガラス22は前記対向基板20よりも縦横の寸法が若干小さい透明基板から構成されている。前記第1防塵ガラス22は、該第1防塵ガラス22の四辺と前記対向基板20の四辺をそれぞれ平行させ、かつ、前記対向基板20の上面に重ね合わせて配設され、接着剤によって接着されている。
【0014】
前記第2防塵ガラス24は前記TFT基板18よりも縦横の寸法が若干小さい透明基板から構成されている。前記第2防塵ガラス24は、該第2防塵ガラス24の四辺と前記TFT基板18の四辺をそれぞれ平行させ、かつ、前記TFT基板18の下面に重ね合わせて配設され、接着剤によって接着されている。
【0015】
したがって、本実施の形態では、前記第1防塵ガラス22の上面が、前記透過型光変調素子16の厚さ方向の一方に位置し前記光源104からの光を入射する光入射面1602を構成している。
また、前記第2防塵ガラス24の下面が、前記透過型光変調素子16の厚さ方向の他方に位置し前記光入射面1602に入射した光が出射する光出射面1604を構成している。
なお、本実施の形態では、前記TFT基板18、対向基板20、第1、第2防塵ガラス22、24は石英ガラスで構成されている。
【0016】
前記フレキシブル基板26は、帯状に形成されその長手方向の両端に複数の接続端子が設けられている。フレキシブル基板26の一端側の接続端子は前記TFT基板18に設けられた前記液晶駆動用回路の接続端子に接続され、フレキシブル基板26の他端側の接続端子は外部回路に接続されている。そして、前記外部回路から液晶駆動信号が前記フレキシブル基板26を介して前記液晶駆動用回路に供給される。
そして、前記液晶駆動信号に基づいて前記TFT基板18と対向基板20の間に封止された液晶が駆動されることにより映像が表示されることになる。
【0017】
前記フレーム30は、図1に示すように、前記透過型光変調素子16が収容される大きさの矩形状に形成された底壁32と、前記底壁32に形成され前記光出射面1604の中央部を臨ませる矩形状の窓36と、前記底壁32の周囲から起立し前記透過型光変調素子16の周囲に臨む起立壁38とを有し、本実施の形態では前記フレーム30は熱伝導性に優れたアルミ材料で構成されている。
前記起立壁38は、前記光出射面の中央部を窓36に臨ませ、かつ、前記底壁32に前記光変調素子16が載置された状態で、前記透過型光変調素子16の周囲全域と前記起立壁38との間に環状の空間37が形成されるように構成されている。
本実施の形態では、図4に示すように、前記窓36の周囲の底壁32箇所に同一の高さを有する複数の突起34が突設されており、前記光出射面の中央部を窓36に臨ませ、かつ、前記突起34に前記光変調素子16が載置された状態で、前記透過型光変調素子16の周囲全域と前記起立壁38との間に環状の空間37が形成されるように構成されている。
前記突起34はそれぞれ半球状に突設されて合計3個設けられ、前記窓36を囲む底壁32の4つの辺のうち3つの辺にそれぞれ設けられている。
また、前記起立壁38の4つの角部と、起立壁38の一辺の中間部にはねじ挿通孔40が貫通して設けられている。
【0018】
次に、前記光変調素子ユニット10の組立てについて説明する。
まず、前記透過型光変調素子16の映像表示領域の輪郭と、前記窓36の輪郭とに基づいて透過型光変調素子16のフレーム30への位置決めを行ないつつ、前記透過型光変調素子16の光出射面1604の周囲の箇所を前記フレーム30の各突起34に載置するとともに、前記透過型光変調素子16の周囲全域と前記起立壁38との間に環状の空間37を確保する。
この際、前記透過型光変調素子16の光出射面1604と前記フレーム30の底壁32との間には前記3つの突起34の高さと等しい寸法の空隙が形成されている。
この状態で、前記透過型光変調素子16と前記フレーム30との熱膨張差により破断される程度の強度で前記透過型光変調素子16を前記底壁32上に仮固定(仮止め)する。この仮固定(仮止め)は、位置決めされたこれら透過型光変調素子16とフレーム30の位置がずれることを防止するためになされるものである。本実施の形態では、この仮固定(仮止め)を接着剤42を用いて行なっている。すなわち、前記透過型光変調素子16の周囲の複数箇所(第2防塵ガラス24の端面の複数箇所)と前記フレーム30の底壁32の複数箇所とにわたり仮止め用の接着剤42を塗布する。より具体的には、前記第2防塵ガラス24の端面の複数箇所と、前記3つの突起34の近傍の底壁32の複数箇所とにわたりUV硬化型の接着剤42を塗布している。
前記接着剤42の塗布は、接着剤塗布用のディスペンサ装置のシリンジの先端を前記環状の空間37に挿入し該シリンジ先端の吐出口から接着剤42を吐出させることによって行なわれる。
前記接着剤42は、前記透過型光変調素子16と前記フレームとの熱膨張差により破断されるように構成されている。
より詳細には、前記透過型光変調素子16を構成する石英ガラスの線膨張係数は5.4×10−7(1/K)であり、前記フレームを構成するアルミの線膨張係数は2.1×10−5(1/K)であり、したがって熱による膨張時あるいは収縮時にこれら石英ガラスとアルミとの間に熱膨張の差が生じ、この熱膨張差により破断されるように構成されている。
【0019】
次いで、前記透過型光変調素子16の周囲と前記起立壁38との間に形成された環状の空間37に弾性および熱伝導を有するシーリング材44を充填する。
本実施の形態では、シーリング材44を前記透過型光変調素子16の周囲全域に充填している。
このシーリング材44により前記透過型光変調素子16は底壁32上において弾性支持された状態で取着されることになり、したがってシーリング材44が接着剤として機能している。
本実施の形態では、前記シーリング材44としてシリコンゴムが用いられている。
前記シリコンゴムは、充填時には液状あるいはペースト状を呈し、空気に触れて時間経過とともに硬化し、やがて弾性を有する弾性ゴム状となる。このようなシリコンゴムは、例えば充填後1時間程度である程度硬化し、充填後2日乃至3日程度で完全に硬化し、完全に硬化した状態で弾性を有する弾性ゴム状となる。
【0020】
そして、前記フレーム30の上部に前記見切り板28が取り付けられ、前記見切り板28は光を透過しない例えば金属などの材料で構成されている。
前記見切り板28は、矩形板状の枠部2802と、該枠部2802の中央に形成された矩形状の開口2804と、枠部2802の外縁から起立された4つの係合爪2806とを有している。
前記見切り板28は、前記開口2804によって光変調素子ユニット16の光入射面1602を透過する光束の透過領域を制限することで不要な光が光変調素子ユニット16の光入射面1602に入射したり、該光入射面1602から反射したりすることを防止するものである。
前記見切り板28のフレーム30への取付は、前記透過型光変調素子16の光入射面1602が前記見切り板28の開口2804に臨んだ状態で前記4つの係合爪2806をフレーム30の起立壁38の係合凹部39に係合させることによってなされる。
以上のようにして前記光変調素子ユニット10が簡単に組み立てられる。
【0021】
次に、前記光変調素子ユニット10の筐体102への取付について説明する。
図5に示すように、前記フレーム30は、まず、薄板状の第1の取付部材50に取り付けられる。
前記第1の取付部材50の中央には前記透過型光変調素子16の光出射面1604を臨ませる窓が形成され、また、四隅にはそれぞれ取付孔5002が設けられている。
前記フレーム30の第1の取付部材50への取付は、不図示のねじを前記5つのねじ挿通孔40を介して第1の取付部材50のねじ孔に螺合することでなされる。
一方、前記クロスダイクロイックプリズム122は不図示の固定部材により筐体102に取り付けられており、該クロスダイクロイックプリズム122の一側面部122A、後面部122B、他側面部122Cの両側にはそれぞれ第2の取付部材52が設けられ、これら第2の取付部材52にはそれぞれ2つの取付突片5202が設けられている。前記各取付突片5202は、前記一側面部122A、後面部122B、他側面部122Cのそれぞれの四隅近傍箇所に位置している。
前記光変調素子ユニット10は、前記出射側偏光板14をクロスダイクロイックプリズム122の一側面部122A(後面部122B、他側面部122C)に対面させ、前記各取付孔5002に前記取付突片5202を挿入し、光変調素子ユニット10と一側面部122A(後面部122B、他側面部122C)との位置決めを行なった状態で、前記各取付孔5002と前記取付突片5202の間の隙間に接着剤を充填して硬化させることで前記クロスダイクロイックプリズム122に取り付けられる。
【0022】
次に、光変調素子ユニット10および投射型表示装置100の作用、効果について説明する。
前記投射型表示装置100が設置された環境の温度に応じて、前記透過型光変調素子16とフレーム30との間に熱膨張差が生じ、この熱膨張差により前記接着剤42が破断される。
すなわち、前記透過型光変調素子16は、当初仮止めの接着剤42により底壁32上に固定的に取り付けられているが、該接着剤42が破断されることで、前記透過型光変調素子16は、前記透過型光変調素子16の周囲と前記起立壁38との間の環状の空間37に充填されたシーリング材44により前記底壁32上において弾性支持されて取り付けられた状態となる。
したがって、熱膨張差が生じた場合、前記透過型光変調素子16と底壁32とは相対的に変位可能であり、前記熱膨張差がシーリング材44によって吸収される。
これにより、透過型光変調素子16が前記熱膨張差によるフレーム30から応力を受けて変形することが防止され、前記透過型光変調素子16に表示される映像に濃淡ムラが生じることがなく映像の品質を確保する上で有利となる。
また、前記第1の固定部材50と前記フレーム30との間に熱膨張差が生じた場合には該熱膨張差によってフレーム30が変形することも想定されるが、このような場合でも、前記フレーム30の変形は前記シーリング材44によって吸収され透過型光変調素子16に伝達されないので、透過型光変調素子16の変形を防止する上で有利となる。
【0023】
また、前記透過型光変調素子16の光出射面1604は、前記底壁32の3つの突起34の上に載置されているので、光出射面1604と底壁32との接触面積は小さく、前記透過型光変調素子16と底壁32とは相対的に変位し易くなり、したがって、前記熱膨張差をシーリング材44により吸収する上で有利となり、透過型光変調素子16の変形を防止する上で有利となる。
また、前記透過型光変調素子16は、光源104からの光束が入射されることにより温度が上昇するが、前記シーリング材44は熱伝導性を有していることから、透過型光変調素子16の熱は前記シーリング材44を介して前記フレーム30に速やかに伝導され放熱される。
したがって、透過型光変調素子16の温度上昇を抑える上で有利となり、映像の品質を確保する上で有利となる。
また、接着剤42を用いて仮止めするので、前記シーリング材44が熱膨張差を吸収する機能を確保しつつ該シーリング材44の充填作業を効率よく行なえ、前記透過型光変調素子16のコストダウンを図る上で有利となる。
【0024】
図6はフレーム30の変形例を示す説明図である。
この変形例では、前記起立壁38に、前記仮止め用の接着剤42を塗布するための開口41を設けたものである。
更に詳しくは、前記3つの突起34のうち2つの突起34に臨む前記起立壁38の2箇所にそれぞれ開口41を設けている。
このように構成した場合には、接着剤塗布用のディスペンサ装置のシリンジ50の先端52を前記開口41から挿入することによって接着剤42を塗布することが容易となり、作業性を向上させる上で有利となる。
【0023】
なお、前記突起34の個数は3個に限定されるものではなく、4個あるいはそれ以上であってもよい。また、突起34を省略することもできるが、突起34を設けると、透過型光変調素子16と底壁32とは相対的に変位し易くなり、したがって、透過型光変調素子16の変形を防止する上で有利となる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、透過型光変調素子が熱膨張差による応力を受けて変形することが防止され、透過型光変調素子に表示される映像に濃淡ムラが生じることがなく映像の品質を確保する上で有利な光変調ユニット、投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光変調素子ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の投射型表示装置の構成を示す構成図である。
【図3】 フレームの要部拡大図である。
【図4】 光変調素子ユニットの断面図である。
【図5】 光変調素子ユニットの取付状態を示す図である。
【図6】 フレームの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
100……投射型表示装置、10……光変調素子ユニット、16……透過型光変調素子、1602……光入射面、1604……光出射面、30……フレーム、32……底壁、34……突起、36……窓、37……環状の空間、38……起立壁、44……シーリング材。
Claims (4)
- 板状の透過型光変調素子と、熱伝導性を有する材料から形成されたフレームとを備えた光変調素子ユニットであって、
前記透過型光変調素子は、厚さ方向の一方に位置し光が入射する光入射面と、厚さ方向の他方に位置し前記入射した光が出射する光出射面とを有し、
前記フレームは、前記透過型光変調素子が収容される大きさの底壁と、前記底壁に形成された窓と、前記底壁の周囲から起立すると共に前記透過型光変調素子を仮止めするための接着剤を塗布するための開口が設けられた起立壁とを有し、
前記窓の周囲の前記底壁箇所には、少なくとも3個の半球状の突起が形成され、
前記透過型光変調素子の光出射面が前記窓に臨ませた状態でかつ前記透過型光変調素子の周囲全域と前記起立壁との間に環状の空間が確保された状態で、該光出射面の周囲の箇所は少なくとも3個の前記半球状の突起に載置され、
仮止め用の前記接着剤が前記開口を介して前記透過型光変調素子の周囲の複数箇所と前記各半球状の突起の近傍箇所とにわたってそれぞれ塗布されて該半球状の突起上で点接触された状態で、前記透過型光変調素子が前記底壁に設けられた少なくとも3個の前記半球状の突起上に仮止めされ、
前記環状の空間に弾性および熱伝導性を有するシーリング材が充填され、
仮止め用の前記接着剤は、前記透過型光変調素子と前記フレームとの熱膨張差により破断され、前記透過型光変調素子は、前記シーリング材により前記底壁の少なくとも3個の前記半球状の突起上において弾性支持されて取り付けられた状態となり、前記透過型光変調素子の熱は前記シーリング材を介して前記フレームに放熱される
ことを特徴とする光変調素子ユニット。 - 光源からの光を光変調素子ユニットにより映像信号に基づいて光変調することにより映像を形成し、前記光変調素子ユニットにより形成された前記映像を投射する投射型表示装置において、
前記光変調素子ユニットは、板状の透過型光変調素子と、熱伝導性を有する材料から形成されたフレームとを備え、
前記透過型光変調素子は、厚さ方向の一方に位置し光が入射する光入射面と、厚さ方向の他方に位置し前記入射した光が出射する光出射面とを有し、
前記フレームは、前記透過型光変調素子が収容される大きさの底壁と、前記底壁に形成された窓と、前記底壁の周囲から起立すると共に前記透過型光変調素子を仮止めするための接着剤を塗布するための開口が設けられた起立壁とを有し、
前記窓の周囲の前記底壁箇所には少なくとも3個の半球状の突起が形成され、
前記透過型光変調素子の光出射面が前記窓に臨ませた状態でかつ前記透過型光変調素子の周囲全域と前記起立壁との間に環状の空間が確保された状態で、該光出射面の周囲の箇所は少なくとも3個の前記半球状の突起に載置され、
仮止め用の前記接着剤が前記開口を介して前記透過型光変調素子の周囲の複数箇所と前記各半球状の突起の近傍箇所とにわたってそれぞれ塗布されて該半球状の突起上で点接触された状態で、前記透過型光変調素子が前記底壁に設けられた少なくとも3個の前記半球状の突起上に仮止めされ、
前記環状の空間に弾性および熱伝導性を有するシーリング材が充填され、
仮止め用の前記接着剤は、前記透過型光変調素子と前記フレームとの熱膨張差により破断され、前記透過型光変調素子は、前記シーリング材により前記底壁の少なくとも3個の前記半球状の突起上において弾性支持されて取り付けられた状態となり、前記透過型光変調素子の熱は前記シーリング材を介して前記フレームに放熱される
ことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記シーリング材は、前記環状の空間の全周全域にわたって充填されていることを特徴とする請求項1記載の光変調素子ユニットまたは請求項2記載の投射型表示装置。
- 前記弾性および熱伝導性を有するシーリング材としてシリコンゴムが用いられることを特徴とする請求項1記載の光変調素子ユニットまたは請求項2記載の投射型表示装置。
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