JP4385406B2 - リニアヘッドモジュール - Google Patents
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Description
従来のリニアヘッドモジュールの一例を、図を用いて説明する。
図14および図15は、従来のリニアヘッドモジュールの構成を示す図で、図14は平面図、図15は図14におけるE−E線による側断面図である。
(1)複数のリニアモータを組み合わせて構成しているため、各リニアモータごとに位置決め、固定が必要になり、装置への設置が複雑で、組立作業に長時間かかる。
(2)フレーム下面に対して、リニアモータを並べた列の段数を増やす場合、装置への設置がさらに複雑で長時間になり、部品数も多くなる。
(3)リニアモータの温度上昇を抑えるためにファンなどで空冷を行う場合、内側に囲まれたリニアモータにはファンの風が当たらないため、空冷を行うことができず、各リニアモータに温度差が生じる。同様に、各リニアモータが互いに接触していないため、各リニアモータの動作時の温度が異なる。つまり、各出力軸の熱変形量が異なるため、1つのリニアヘッドモジュール内で軸毎に温度変化に対する位置補正を行わなければならず、作業性が悪い。
(4)軸数を増やす場合、単純にリニアモータの数を増やすため、部品の一体化によるコストダウンや質量低減ができない。
(5)さらに、直動ガイドとして樹脂製スリーブを使用する場合、熱変形や弾性変形を起こすため、寿命が短く、制御性も悪く、さらに、リニアモータの外部に別に出力軸の回転止め機構を設けなければならない。
請求項1に記載のリニアヘッドモジュールの発明は、複数の直動動作を行うヘッドを備えた表面実装装置などのリニアヘッドモジュールにおいて、前記各ヘッドをリニアモータで構成し、前記リニアモータが、フレームとカバーで挟んで一体化した複数のパイプと、前記複数のパイプの内面に固定したコイルと、前記パイプ内を軸方向に摺動可能に配置された出力軸に、前記コイルと径方向の空隙を介して対向するように取付られたマグネットと、前記出力軸のスラスト方向を支持する直動ガイドと、前記フレームまたはカバーに取り付けられるとともに、前記直動ガイドを出力側と反出力側に固定するガイドホルダと、を有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記複数のパイプを並列させて下段列とするとともに、その上面に中間座を置き、さらにその上に複数のパイプを同様に並列させて上段列とし、前記下段列と上段列をフレームとカバーで挟んで一体化したことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前記フレームと前記カバーと前記中間座を、アルミなどの熱伝導性の良好な材料で構成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、前記パイプを磁性材料で構成したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、前記中間座を出力側と反出力側に2分割し、前記2つの中間座の間に空間を設け、前記空間に通じる抜き部を前記フレームの両側面に設けたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、前記直動ガイドの一方をボールスプラインで構成し、他方をリニアブシュで構成したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、前記フレームの出力側と反出力側に配置した前記ガイドホルダの少なくとも一方のガイドホルダどおしを一体化したことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、前記複数のパイプを、前記フレームまたは前記カバーに直接固定し、フレームとカバーを締結することにより一体化したことを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、前記複数のパイプを、前記フレームまたは前記カバーに直接固定することにより生じるパイプとカバーまたはフレームとの隙間に熱伝導性グリースを塗布したことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、前記複数のパイプを、前記フレームに並列させて直接固定して下段列とし、同様に複数のパイプを、前記カバーに並列させて直接固定して上段列とし、フレームとカバーを締結することにより一体化したことを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、前記複数のパイプの下段列と上段列の間に、前記フレームに固定した中間座を設置し、中間座とパイプとの隙間に熱伝導性グリースを塗布したことを特徴とするものである。
請求項1、2、4、7に記載の発明によると、リニアヘッドモジュールの装置への取り付けは、フレームの位置決め、固定を行うのみのため、容易に短時間で行うことができる。また、主な熱源であるコイルを固定したパイプが共通のフレーム、カバーおよび中間座を介して取り付けられているため、各出力軸の温度はほぼ均一になる。そのため、各軸に対する位置補正は容易に行うことができる。さらに、軸数を増やした場合、フレーム、カバーおよび中間座の軸が増えた部分のみを増やせばよいため、従来に比べてコストも抑えられ、質量低減もできる。
請求項3に記載の発明によると、フレーム、カバーおよび中間座が熱伝導性の良好な材料で製作するため、各出力軸の温度を均一にする効果を大きくすることができる。
請求項5に記載の発明によると、ファンなどでフレーム側面から風を送ると、抜き部を通って、全てのパイプに風を当てることができる。主な熱源であるコイルを固定したパイプを直接空冷できるため、全てのリニアモータの均一な温度低減が可能である。
請求項6に記載の発明によると、直動ガイドは2つとも金属製の球による支持のため、長寿命で制御性も良好となる。さらに、ボールスプラインを使用するため、出力軸の回転止めができるため、リニアモータ外部に別に回転止め機構を設ける必要もなくなる。
請求項8、10に記載の発明によると、リニアヘッドモジュールの装置への取り付けは、フレームの位置決め、固定を行うのみのため、容易に短時間で行うことができる。また、主な熱源であるコイルを固定したパイプが共通のフレームまたはカバーを介して取り付けられているため、各出力軸の温度はほぼ均一になる。そのため、各軸に対する位置補正は容易に行うことができる。さらに、各パイプが個々直接にフレームまたはカバーに固定されているため、がたを抑制することができる。ここで、請求項1、2に記載の発明の場合、フレームとカバーの締結部に隙間があるため、締結用ボルトを締めすぎてパイプを潰さないように精密なトルク管理が必要であることに対し、請求項8、10に記載の発明の場合、フレームとカバーの締結部が接触しているため、通常のトルク管理でよく、組立が容易になる。
請求項9、11に記載の発明によると、各パイプが熱伝導性グリースにより共通部品を介して接触するため、各出力軸の温度を均一にする効果を大きくすることができる。
図において、Sは表面実装装置、Lはリニアヘッドモジュール、2は出力軸、3はモータ、3aはマグネット、3bはコイル、4、5はガイド部、4a、5aは直動ガイド、4b、5bはガイドホルダ、8はフレーム、9、10はカバー、11はパイプである。
本発明の第1の実施例によるリニアヘッドモジュールLの構成が従来のリニアヘッドモジュールと異なる点は、コイル3bをパイプ11の内面に固定し、各パイプ11をフレーム8とカバー9、10で挟んで一体化したことである。
図において、8aは抜き部、12、13は中間座である。
本発明の第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、フレーム8に並べたパイプ11の上面に中間座12、13を置き、その上にもう1列パイプ11を並べ、カバー9、10で挟んで固定し、さらに、出力側と反出力側に2分割した中間座12、13の間に空間を設け、フレーム8の両側面に中間座12、13の間の空間に通じる抜き部8aを設けたことである。なお、図5の反対面の対称位置にも抜き部があるが、省略している。
図において、14は固定ねじ、15はナット、16は熱伝導性グリースである。
本発明の第3の実施例が第1の実施例と異なる点は、パイプ11を固定ネジ14とナット15でカバー9、10に個々直接固定し、フレーム8とカバー9、10を締結したことである。さらに、パイプ11とフレーム8との隙間に、熱伝導性グリース16を塗布したことである。なお、パイプ11をフレーム8に直接固定し、パイプ11とカバー9、10との隙間に熱伝導性グリース16を塗布しても良い。
図12において、17はボルトである。
本発明の第4の実施例が第2、第3の実施例と異なる点は、パイプ11を固定ネジ14とナット15でフレーム8およびカバー9、10に直接固定し、フレーム8に固定したパイプ11の上側にボルト17で固定した中間座12、13を配置し、中間座12、13の上側にカバー9、10に固定したパイプ11を配置して、フレーム8とカバー9、10を締結したことである。さらに、パイプ11とフレーム8およびカバー9、10との隙間に、熱伝導性グリース16を塗布したことである。
L リニアヘッドモジュール
1 ハウジング
2 出力軸
3 モータ
3a マグネット
3b コイル
4、5 ガイド部
4a、5a 直動ガイド
4b、5b ガイドホルダ
6、7 固定用タップ穴
8 フレーム
8a 抜き部
9、10 カバー
11 パイプ
12、13 中間座
14 固定ねじ
15 ナット
16 熱伝導性グリース
17 ボルト
Claims (11)
- 複数の直動動作を行うヘッドを備えた表面実装装置などのリニアヘッドモジュールにおいて、
前記各ヘッドをリニアモータで構成し、
前記リニアモータが、
フレームとカバーで挟んで一体化した複数のパイプと、
前記複数のパイプの内面に固定したコイルと、
前記パイプ内を軸方向に摺動可能に配置された出力軸に、前記コイルと径方向の空隙を介して対向するように取り付けられたマグネットと、
前記出力軸のスラスト方向を支持する直動ガイドと、
前記フレームまたはカバーに取り付けられるとともに、前記直動ガイドを出力側と反出力側に固定するガイドホルダと、
を有することを特徴とするリニアヘッドモジュール。 - 前記複数のパイプを並列させて下段列とするとともに、その上面に中間座を置き、さらにその上に複数のパイプを同様に並列させて上段列とし、前記下段列と上段列をフレームとカバーで挟んで一体化したことを特徴とする請求項1に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記フレームと前記カバーと前記中間座を、アルミなどの熱伝導性の良好な材料で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記パイプを磁性材料で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記中間座を出力側と反出力側に2分割し、前記2つの中間座の間に空間を設け、前記空間に通じる抜き部を前記フレームの両側面に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記直動ガイドの一方をボールスプラインで構成し、他方をリニアブシュで構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記フレームの出力側と反出力側に配置した前記ガイドホルダの少なくとも一方のガイドホルダどおしを一体化したことを特徴とする請求項1または2に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記複数のパイプを、前記フレームまたは前記カバーに直接固定し、フレームとカバーを締結することにより一体化したことを特徴とする請求項1に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記複数のパイプを、前記フレームまたは前記カバーに直接固定することにより生じるパイプとカバーまたはフレームとの隙間に熱伝導性グリースを塗布したことを特徴とする請求項8に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記複数のパイプを、前記フレームに並列させて直接固定して下段列とし、同様に複数のパイプを、前記カバーに並列させて直接固定して上段列とし、フレームとカバーを締結することにより一体化したことを特徴とする請求項8に記載のリニアヘッドモジュール。
- 前記複数のパイプの下段列と上段列の間に、前記フレームに固定した中間座を設置し、中間座とパイプとの隙間に熱伝導性グリースを塗布したことを特徴とする請求項10に記載のリニアヘッドモジュール。
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