JP4384854B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は水中に分散した、油を含有するマイクロカプセルの製造方法に関する。
水中に分散した、油を含有するマイクロカプセルは知られている。このマイクロカプセルは、例えば徐放性製剤として、或いは、使用者とカプセル化された物質との物理的接触を減少させるための重合体バリアーを提供するために広い商業的な適用性を有する。
これらのマイクロカプセルは、典型的には、油を表面活性剤の存在下、高剪断分散機により水中に分散させることにより油滴が水中に分散させれている分散体を形成させる工程を行い、ついで、典型的には、2種叉はそれ以上の重合体先駆物質を反応させて油滴の周囲に重合体カプセルを形成させるカプセル化工程を行う方法により製造されている。
この既知の方法の問題の一つは、高剪断分散機の使用は比較的強力なエネルギーを必要とし、また、特に大規模の製造については、やや特殊な装置を必要とすることである。別の問題は、過剰な量の表面活性剤を使用することなしに、例えば約1μ叉はそれ以下の小さいマイクロカプセルを製造することが困難なことである。より多量の表面活性剤を使用することにより所要の剪断力を減少させること、或いは、より高い剪断力を使用することによってより少量の表面活性剤を使用することもある程度可能であるが、いずれの方法も望ましいものではない。更に別の問題はマイクロカプセルの粒度分布が比較的広く、特に、非常に微細な粒子が望ましくない水準で存在し、このことが毒性の問題を招来し得ることである。
本発明によれば、所定のマイクロカプセルの大きさについて、比較的低い剪断力下での混合と比較的低い表面活性剤の水準とのバランスが改善されている方法により、水に分散したマイクロカプセルを製造することが可能である。本発明の方法は、また、多数の既知の方法より狭い粒度分布を与えることができ、かつ、例えばナノメーターの範囲の小さいマイクロカプセルを製造することが可能である。
JP 11188257号には水不溶性熱可塑性物質からなるコアがポリ尿素シェルによって被覆されているマイクロカプセルの製造が記載されている。このマイクロカプセルは、最初、特定の非イオン表面活性剤を使用して油中水型エマルジョンを形成させついで水を添加して転相(phase inversion)を行わせて水中油型エマルジョンを形成させることにより製造されている。
WO 97/03657号には、同号明細書中に“相転ナノカプセル化法”(“phase inversion nanoencapsulation”)叉は“PIN”と記載されている方法によってマイクロカプセル化(microencapsulated)製品を製造する薬剤のマイクロカプセル化方法が記載されている。PINは実質的に一工程法であり、ほぼ瞬間的でありそして溶剤の乳化を必要としないという点で、従来のカプセル化と相違すると云われている。適当な条件下では、適当な非溶剤を添加したとき、低粘度重合体溶液を転相させて、断片化された(fragmented)球状重合体粒子とすることができると述べられている。
今般、本発明者は温度誘導転相法(temperature-induced phase inversion)を使用してマイクロカプセル化系を形成させた場合には重大な利点を得ることができることを発見した。
本発明によれば、
i)表面活性剤の存在下、水中に油が分散している初期分散体(initial dispersion)を形成させ、
ii)上記初期分散体をその転相温度(phase inversion temperature)以上に加熱して共連続相組成物(bicontinuous phase composition)を形成させ、
iii)上記共連続相組成物を転相温度以下に冷却して、水中油滴型のエマルジョンを形成させ、ついで
iv)油滴をカプセル化する(encapsulate)工程からなる、水に分散した、油のマイクロカプセルの製造方法が提供される。
“油”という用語は、本発明の方法の条件下で水と混和しない液体を意味するのに使用される。油として使用するのに適当な多種の物質が当業者によって想起されるであろう。その例としてはジーゼル油、イソパラフィン、芳香族溶剤、特に、キシレン叉はプロピルベンゼンフラクションのごときアルキル置換ベンゼン及び混合ナフタレン及びアルキルナフタレンフラクション;鉱油、ホワイトオイル、ヒマシ油、ヒマワリ油、ケロシン、脂肪酸のジアルキルアミド、特に、カプリン酸のごとき脂肪酸のジアルキルアミド;1,1,1-トリクロロエタン及びクロロベンゼンのごとき塩素化脂肪族及び芳香族炭化水素、ジエチレングリコールのn-ブチル、エチル叉はメチルエーテルのアセテート、ジプロピレングリコールのメチルエーテルのアセテートのごときグリコール誘導体のエステル、イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)のごときケトン及び酢酸ヘキシル叉はヘプチル、オレイン酸メチル叉は桂皮酸オクチルメチルのごときエステルが挙げられる。好ましい油はシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、キシレン、ジーゼル油、イソパラフィン及びMultisol社からソルベッソ(SOLVESSO)の商標名で販売されているもののごときアルキル置換ベンゼン及びナフタレンである;特に好ましいものはデカヒドロナフタレンとソルベッソ200の混合物である。芳香族油と脂肪族油の混合物は活性成分の溶解と、同時に、小さいマイクロカプセルを形成させるための表面活性剤の量を最小にすることとの間に特に良好なバランスを与える。
油はその中に溶解した油溶性活性成分叉はその中に分散した油分散性活性成分を担持していることが好ましい。油溶性叉は油分散性活性成分は水不溶性であることが好ましい。本明細書において使用される“水不溶性”という用語は、痕跡の活性成分も水性相に移行しないことを意味するものと解釈すべきではない。活性成分が、極めて小割合の活性成分が油性相から移行し、それによって、水性相に溶解するような十分に低い水溶解性を有していれば十分である。当然、水性相に移行する活性成分はカプセル化されず、水性相への活性成分の過剰な移行はカプセル化工程を阻害することさえあり得る。活性成分の25℃での水への溶解度は10mg/ml以下、例えば1mg/ml以下、特に、0.1mg/ml以下であることが好ましい。油分散性活性成分は、通常、カプセル化及び転相中、油性相中に保持されるであろう。従って、油分散性活性成分は、水性相より油性相に対してより大きな親和性を有しており、乳化時に油性相から分散体としての水性相に移行しないか叉は極めて小割合が油性相から移行するようなものであることが適当である。
本発明の方法は、通常、転相中に油中に保持される活性成分及び最終カプセル製品の油中に保持される活性成分の種類によって大きく変動することがないことは理解されるであろう。同様に、活性成分の利用性(utility)は臨界的ではなく、本明細書で使用される
“活性成分”という用語は、マイクロカプセル化された形での提供と適合する利用性を有する任意の物質であり得る。特に適当な活性成分は油溶性農薬(agrochemicals)、化粧料、香料、遮光剤、インク-ジェット染料(ink-jet dye)、顔料、トナー、殺生物剤及びドラッグデリバリーシステム(drug delivery system)を包含する医薬叉は獣医薬製品である。適当な農薬としては1種叉はそれ以上の除草剤、植物生長調節剤、殺菌剤、殺虫剤及び殺線虫剤が挙げられる。適当な農薬の例としては殺虫剤のテフルトリン、アバメクチン、ランバダ、シハロトリン及びその成分異性体、例えば、ガンマシハロトリン及びストロビルリン系の殺菌剤が挙げられる。当業者であれば本発明の方法でカプセル化するのに適当な多数の農薬を十分に知悉しているであろう。適当な農薬はBritish Crop Protection Councilによって発行されたPesticide Manualのごとき標準的参考文献に列挙されている。適当な医薬製品としては抗癌剤、ステロイド、降圧剤、ベータ-遮断剤、低脂質血剤(hypolipidaemic agent)、抗凝固剤、抗トロンビン剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、抗生物質、抗バクテリア剤、抗精神病薬、抗うつ剤、沈静薬、麻酔薬、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ホルモン、免疫変性剤叉は避妊薬のごとき薬理学的に活性な化合物が挙げられる。本発明の方法は現在知られている活性成分に限定されるものではなく、今後開発される適当な活性成分にも適用することができるであろう。
液状活性成分を溶剤で更に稀釈することなしに油として使用することもできる。油として使用し得る適当な液状活性成分としては除草剤の2,4-D、除草剤のフルアジフォプ叉はフルアジフォプ-Pの液状エステルである。関連する転相温度以下の融点を有する水不溶性活性成分は溶融物の形で分散させ得る。適当な低融点水不溶性活性成分の例は殺菌剤ピコキシストロビンである。
ある場合には、活性物質の放出速度は油性相の種類によって著しく影響を受けることがあり得る。油性相は補助剤効果(adjuvancy effect)も発揮し、製剤に含まれている活性成分の生物学的効果を増大させることがあり得る。補助剤効果を発揮し得る油の例としては鉱油、パラフィン油、ジーゼル油、植物油、特に、オレイン酸メチル叉はメチルラペート
(methyl rapate )のごときエステル化植物油が挙げられる。
油と水の容積比は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは15:85〜60:40、最も好ましくは20:80〜50:50である。
初期分散体は櫂型撹拌機のごとき慣用の撹拌機叉はウルトラトゥラックス
(Ultraturrax;IKA Labortechnikの商標)分散機叉はシルバーソン(Silverson)分散機のごとき高速攪拌機を使用して製造し得る。初期分散体の粒度は、最終カプセル化粒子の粒度が工程(ii)及び(iii)及び表面活性剤の水準によって決定されるので、本発明にとって臨界的ではない。例えば、初期分散体は約100μmまで叉はそれ以上の任意の粒度を有し得るが、1〜10μmの粒度の初期分散体が好ましい。初期分散体は長時間に亘って安定であることは必要ではなく、工程(ii)を行うのに十分な間、安定であることが要求されるに過ぎない。
本発明の方法を行うのにバッチ方式叉はイン-ライン方式を使用し得る。イン-ライン方式はイン-ライン混合機を経て油性相と水性相を供給することによりエマルジョンを製造することを可能にする。かく形成されたエマルジョンを加熱チューブを経て適当な速度でポンプ輸送して、この組成物をその転相温度以上に上昇させることができる。ついで、共連続相組成物を転相温度以下の温度の攪拌されている容器に供給しついでカプセル化反応を行う。
表面活性剤は親水性部分と疎水性部分とからなる。親水性部分は、初期分散体が転相温度を有するような高い温度で水中への低い溶解度を有する水溶性部分からなることが必要である。
高い温度で水中への低い溶解度を有する水溶性部分の例は、エチレングリコール単位、即ち、式:
RO-(CH2CH2O)n-
(式中、RはH叉はC1-4アルキル、好ましくはH叉はメチルであり、nは2〜100、好ましくは5〜50、より好ましくは8〜40であり得る)の単位からなる重合体である。この単位は一般的にポリ(エチレンオキシド)基と呼ばれている。親水性部分は、エチレングリコールが親水性部分の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは全部を構成する限り、プロピレングリコールのごとき他のグリコールからなり得る。
存在させ得る他の水溶性部分の例は、カルボキシル基叉はサルフェート基のごときアニオン性基叉は第4級化アミン基のごときカチオン性基である。
ポリ(エチレンオキシド)系表面活性剤は周知であり、広く市販されている。その例は、
Uniqema社からシンペロニック(SYNPERONIC)の商標名で販売されているノニルフェノール ポリエトキシレート及びオクチルフェノール ポリエトキシレートのごとき、アルキルフェノールとエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物、BASF社からプルロニック(PLURONIC)の商標名で入手されるポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)とのブロック共重合体、トゥイーン(TWEEEN)の商標名で入手されるソルビタンエステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、C8-C30アルカノールと20-80モルの割合のエチレンオキシド及び場合によりプロピレンオキシドとの縮合物及びポリ(エチレングリコール)アクリレート叉はメタクリレートと、メチルメタクリレート及びブチルアクリレートのごとき疎水性単量体とのアクリル及びビニル共重合体のごとき重合体表面活性剤である。
表面活性剤の疎水性部分は油に可溶性の部分である。従って、表面活性剤は使用される油に応じて適当な疎水性部分を有するように選択されそして適当な疎水性部分は当業者によって容易に想起されるであろう。例えば、アルキル基は、通常、脂肪族炭化水素溶剤に可溶性であり、芳香族基は、通常、芳香族溶剤に可溶性であろう。アルキルフェノール、特に、ノニル叉はオクチルフェノールのごときC4〜C20アルキルフェノールのごとき混合脂肪族及び芳香族基も使用し得る。
特に有用な表面活性剤は2〜100個のエチレンオキシド単位を有するアルキルフェノールエトキシレートである。
表面活性剤の混合物も使用し得る。初期分散体が転相温度を有する限り、例えば、エチレンオキシド系表面活性剤の混合物叉はエチレンオキシド系表面活性剤とイオン性表面活性剤の混合物を使用し得る。
表面活性剤の量は、油の重量に基づいて、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%、最も好ましくは7〜20重量%、特に、8〜18重量%である。
工程(ii)において、転相温度は相の各々についての表面活性剤の親和性が同一の温度である。この温度においては、相間での界面張力が最小である。その結果、表面活性剤によって分離された油性相の領域と水性相との領域は存在するが、これらの領域は所定の形状を有せず、特に、これらの領域が連続相中での液滴の典型的な分散構造を有していない共連続相組成物が形成される。この混合物を後に冷却したとき、非常に小さい液滴が形成されるのは、この共連続相構造が破壊されたことによるものである。
従って、本発明の方法は転相温度の範囲において共連続相の形成を行うが、工程(i)で形成される初期分散体と工程(iv)でカプセル化される分散体は、転相温度以下に冷却した後では、両者とも、水中油型分散体であることに注目すべきである。水性相と有機相の比率を変化させることを本発明の範囲から排除するものではないが、転相温度の範囲内で温度を変化させることによって転相を生起させることが本発明の特徴であり、本発明の大部分の態様では水性相と有機相の比率を変化させることはないであろう。
転相温度は工程(i)で製造された分散体を加熱ステージを備えた顕微鏡下で観察することにより測定し得る。温度が上昇し、転相温度を通過したとき、初期水中油型エマルジョンが破壊されて連続相になることが明らかに認められる。この変化は約0.5℃の比較的小さい温度範囲で生起し、その上限値が転相温度とみなされる。温度を更に上昇させた場合、例えば、更に2〜10℃上昇させた場合、連続相がもう一度破壊されて、複合(complex)油中水型エマルジョンになる。工程(ii)においては、転相温度より非常に高い温度まで加熱することに利益はなく、このことはより多くのエネルギーを使用するという不利益を有し、加熱とその後の冷却に多くの時間を要する。典型的には、混合物を転相温度より約5〜10℃高い温度まで加熱する。典型的な転相温度は30〜90℃である。
初期分散体混合物は、転相温度より高い場合には攪拌することが好ましい。攪拌は簡単な低剪断攪拌機、例えば低速の、例えば約300rpmの櫂型撹拌機を使用して行い得る。高速撹拌機を使用し得るが、撹拌機は組成物を混合するのに必要であるに過ぎず、液滴を物理的に破壊することを必要としないので、高速撹拌機の使用は必ずしも必要ではない。
本発明の一つに態様においては、工程(i)と(ii)を結合し、その結果、初期エマルジョンを転相温度叉はそれ以上で製造することができる。例えば、油を転相温度以上の温度で水に注入しかつ攪拌することができる;この際、温度を転相温度以上に保持するために、必要に応じて加熱する。
工程(iii)においては、攪拌は、通常、混合物が転相温度以下に冷却されているときに行われる。油滴がカプセル化(包封)されるまで攪拌を継続することが好ましい。工程(iii)においては、混合物を迅速に冷却することが好ましいが、これは、このことによってカプセル化の前のエマルジョンの凝集が最小になるという理由からである。混合物は、例えば、1分当たり、1℃叉はそれより速い速度で冷却し得る。本発明の一つの態様においては、冷水を分散体に添加することにより迅速な冷却を達成し、それによって、水性相と油性相の比率を同時に変化させることができる。
所望ならば、工程(iv)で油滴を包封する前に、工程(ii)及び(iii)を1回叉はそれ以上反復することができる。ある場合には、この方法で転相温度を経ての循環を行うことにより最終製品を製造し得る。
カプセル化工程(iv)は油滴の周囲に重合体壁を形成させることにより行われる。重合体壁は2種叉はそれ以上の重合体先駆体の反応により形成させることが好ましい。かかる重合体先駆体は多数知られており、容易に破壊され得る比較的に一時的な重合体壁から、かなりの時間に亘って遅い放出を行わせる比較的耐久性の重合体壁までの範囲の重合体壁の厚さと耐久性を提供するために、当業者は適当な重合体先駆体と反応条件を選択し得る。外部要因によって劣化する重合体壁物質を提供する重合体先駆体も知られている。即ち、例えば、農薬製剤を標的作物に施用するために水で稀釈したとき、重合体壁物質をカプセル化された液滴中での浸透圧の変化によって破壊するか叉は、例えば、日光の作用下で劣化させることができる。
別の例は、適当な薬剤によって化学的に開裂され得る基を重合体壁中に組み込むことである。かかる塩基性開裂性基をアミノプラスト壁中に組み込むことはWO 00/05951号に記載されている。
重合体先駆体は、通常、反応して架橋重合体壁を形成する2種叉はそれ以上の成分からなる。カプセル化に使用するための広い範囲の重合体先駆体が知られている。ポリイソシアネートをポリアミン、ポリオール叉はポリチオールと反応させ得る。多官能酸クロライドをポリオール叉はポリアミドと反応させ得る。メラミンホルムアルデヒド及びフェノールホルムアルデヒドのごときアミノプラスト樹脂をポリオール叉はポリアミドと反応させ得る。
重合体壁形成性分の油中及び水中での溶解性に応じて、一方の成分を油中に溶解させ、他方の成分を水中に溶解させ、カプセル壁を形成させるための2種の成分を両成分の界面で生起させる。
別法として、好ましい方法においては、触媒の不存在下では重合体壁を形成する成分間の反応が比較的遅い場合には、該成分を初期分散体を形成させる前の油中に溶解させ、工程(iv)において水溶性相間移動触媒を水に添加して、上記成分間の反応を生起させて油滴表面でカプセル壁を形成させることができる。
この形式の方法は、例えば、米国特許第4956129号及び米国特許第5332584号明細書に記載されるごとく、ポリチオールのごとき架橋剤と反応し得るアミノプラストによって例示される。触媒の不存在下では2種の成分の反応は遅く、両成分を油中に一緒に溶解させることができる。重合体壁形成反応は水溶性相間移動触媒を水に添加することによって開始させ得る。例えば、工程(i)の前に、ビートル(Beetle)80(エーテル化尿素ホルムアルデヒド;American Cyanamid社の商標)のごときアミノプラスト樹脂を架橋剤、例えばペンタエリスルトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)のごときポリチオールと共に油中に溶解させ、ついで、工程(iii)の後に、アルキルナフタレンナトリウムスルホネートのごとき相間移動触媒をエマルジョンに添加して、油/水界面で重合体壁を生じさせ、かくして、油性相液滴をカプセル化することができる。
アミノプラスト壁を形成させ得る別の方法はWO 01/19509号に記載されている。
これらの製剤について良好な効果を得るためにコアセルベート技術を使用し得る。コアセルベートを製造する多数の技術が知られている。かかる技術としてはゼラチン/アラビアゴム系及び重合体アニオン/カチオン系の合成ペアリング系が挙げられる。
本発明によれば、場合により油溶性活性物質を含有する油を含有するマイクロカプセルと、マイクロカプセル壁によって上記マイクロカプセルから分離されている別個の水性連続相とが提供されることは理解されるであろう。従って、連続相中に水溶性活性物質を包含させることが可能である。かかる水溶性活性物質は、存在する油溶性活性物質と非相溶性の物質、例えば第2の農薬叉は農薬補助剤であり得る。別法として、第2の活性物質を連続水性相中に包含させて迅速に作用させ、その後に、カプセル化物質の徐放効果を発揮させることは望ましいことであり得る。
本発明の方法によって製造されたマイクロカプセルは、活性成分に応じて、広い適用範囲で使用し得る。例えば、本発明に従って製造されたカプセル化された農薬は、活性成分が除草剤である場合には望ましくない植物を撲滅するか叉は抑制するために、また、活性成分が殺虫剤、殺菌剤叉は殺線虫剤である場合には、それぞれ、害虫、菌叉は線虫のごとき有害生物を殺すために、植物叉は土壌に施すことができる。
実施例1
この実施例はテフルトリンマイクロカプセルの調製を例示する。ソルベッソ200(英国、ナントウイッチ、Multisol社製、アルキルナフタレン:6.37g)、デカヒドロナフタレン(Aldrich社製、cis及びtransの混合物:6.37g)、ビートル80(Cyanamid社製、エーテル化尿素-ホルムアルデヒド樹脂:1.59g)、Q43(Aldrich社製、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート):0.68g)及びテフルトリン (Syngenta Agrochemicals社製、殺虫剤:1.5g)の混合物である油性相を、ウルトラトゥラックス分散機(IKA Labortechnik社製)を使用して、9500rpmで1分間、シンペロニックNP11(平均で11個のエチレンオキシド単位を有するノニルフェノールポリエトキシレート表面活性剤、英国、Uniqema社製:2.0g)を脱イオン水(35g)中に溶解させた溶液中に分散させた。表面活性剤の量は、油性相の重量に基づいて12.1重量%であった。初期分散体は2.9μmのメジアン粒度(median particle size)を有していた[マルバーン マスターサイザー(Malvern Mastersizer)を使用してレーザー光線散乱により測定]。
この初期分散体の1滴を毛管により顕微鏡のカバースリップに移し、このサンプルを第2のカバースリップで覆い、2枚のスリップの端部を‘スーパーグルー’(‘superglue’)
(迅速に作用するシアノアクリレート接着剤)でシールした。シールされたサンプルを顕微鏡の加熱ステージ上に載せ、温度をゆっくり上昇させた(1分当り約4℃)。顕微鏡(倍率
2000倍)でサンプルを観察すると、67℃叉はそれ以上で分散体の液滴が生長し、融合して明瞭でない領域(indistinct region)を形成し、この温度より低い温度では、再び、分散体を形成することが明らかに認められた。転移は0.5℃で生起した。従って、この分散体の転相温度は67℃であると測定された。
上記初期分散体の全体について、ウルトラトゥラックス分散機を9500rpmで作動させながら、温度を約2℃/分の速度で77℃まで上昇させ、ついで、分散機をそのまま作動させながら、温度を約2℃/分の速度で57℃まで低下させた。最後に、エマルジョンを40℃まで冷却した。このエマルジョンは377nmのメジアン粒度を有していた(マルバーンマスターサイザーを使用してレーザー光線散乱により測定)。
ウルトラトゥラックス分散機を除去し、エマルジョンを櫂型攪拌機を使用して100rpmで攪拌した。濃硫酸を添加してpHを1.9に低下させた。ペトロバフ(petrobaf)(Witco社製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム系相間移動触媒:0.5g)を添加し、混合物を40℃で一夜攪拌して、カプセル化工程を行った。0.5%炭酸水素ナトリウム溶液を添加してpHを7まで上昇させた。
かく得られたソルベッソ200/デカヒドロナフタレン中のテフルトリンのカプセルは、走査電子顕微鏡で測定して、100nm〜1000nmの直径を有していた。
実施例2
この実施例は低剪断を使用して初期分散体を形成させることを例示する。ソルベッソ200(英国、ナントウイッチ、Multisol社製、アルキルナフタレン:6.37g)、デカヒドロナフタレン(Aldrich社製、cis及びtransの混合物:6.37g)、ビートル8(Cyanamid社製、エーテル化尿素-ホルムアルデヒド樹脂:1.59g)及びQ43(Aldrich社製、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート):0.68g)の混合物である油性相を、櫂型攪拌機を使用して、150rpmで1分間、シンペロニックNP11(平均で11個のエチレンオキシド単位を有するノニルフェノールポリエトキシレート表面活性剤、英国、Uniqema社製:2.0g)を脱イオン水(35g)中に溶解させた溶液中に分散させて初期分散体を形成させた。表面活性剤の量は、油性相の重量に基づいて12.1重量%であった。初期分散体は6.7μmのメジアン粒度を有していた(マルバーン マスターサイザーを使用して、レーザー光線散乱により測定)。
この初期分散体の1滴を毛管により顕微鏡のカバースリップに移し、このサンプルを第2のカバースリップで覆い、2枚のスリップの端部を‘スーパーグルー’(迅速に作用するシアノアクリレート接着剤)でシールした。シールされたサンプルを顕微鏡の加熱ステージ上に載せ、温度をゆっくり上昇させた(1分当り約4℃)。顕微鏡(倍率2000倍)でサンプルを観察すると、67℃叉はそれ以上で分散体の液滴が生長し、融合して明瞭でない領域
を形成し、この温度より低い温度では、再び、分散体を形成することが明らかに認められた。転移は0.5℃で生起した。従って、この分散体の転相温度は、67℃であると測定された。
上記初期分散体の全体について、櫂型撹拌機を150rpmで作動させながら、温度を約2℃/分の速度で77℃まで上昇させ、ついで、攪拌機をそのまま作動させながら、温度を約2℃/分の速度で57℃まで低下させた。最後に、エマルジョンを40℃まで冷却した。このエマルジョンは626nmのメジアン粒度を有していた(マルバーンマスターサイザーを使用してレーザー光線散乱により測定)。
150rpmで攪拌を継続した。濃硫酸を添加してpHを1.9に低下させた。ペトロバフ(Witco社製、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム相間移動触媒:0.5g)を添加し、混合物を40℃で一夜攪拌して、カプセル化工程を行った。0.5%炭酸水素ナトリウム溶液を添加してpHを7まで上昇させた。
かく得られたソルベッソ200/デカヒドロナフタレン中のカプセルは、走査電子顕微鏡で測定して、100nm〜1000nmの直径を有していた。
実施例3
この実施例では本発明に従って温度誘導転相を使用した場合と、油/水相の比を変化させることにより誘導される転相を使用した場合とを比較する。
温度誘導転相は下記のごとくして行った:
乳化系は、12.2重量%のアルキルナフタレン系溶剤(ソルベッソ200)、12.2重量%のデカヒドロナフタレン(デカリン)及びカプセル化成分、即ち、3.1重量%の尿素-ホルムアルデヒド樹脂(ベートル80)及び1.3重量%のペンタエリスリトール テトラキス(3-メルカプトプロピオネート)架橋剤(Q43)からなる油性相を28.8重量%含有していた;水性相は3.8重量%のオクチルフェニルエトキシレート表面活性剤(OP11)を含有していた。低剪断下での直接乳化(櫂型撹拌機,300rpm)により広い液滴粒度分布を有する分散体が形成された。
直接乳化後、攪拌を停止し、エマルジョンをその転相温度(55℃)以上に加熱しついで攪拌しながら急速に冷却した。濃硫酸(pHを1.9に調節するため)とアルキルナフタレンスルホネート系相間移動触媒[ペトロBAF(Petro BAF)(1重量%)]を添加した後、1時間混合することにより界面重合を促進した。かく得られたカプセル化分散体は、90容量%が1.9μm以下であり、大部分が200nmに近い粒子から構成されており、走査電子顕微鏡(SEM)により一次カプセル直径は約200nmであることが確認された。
同一の化学的条件下での比較においては、水性相と油性相の比を変化させることにより転相を行った[突発的転相(catastrophic phase inversion)]。油(ソルベッソ12.2重量%/デカリン12.2重量%)と表面活性剤(OP11,3.8重量%)の混合物に1時間に亘って水(35g)を添加することにより、10μの液滴を含有し、サブ-ミクロンの液滴を含まない水中油型分散体を形成させた。この液滴の粒度は低エネルギー攪拌系(前記した櫂型攪拌機)について典型的なものである。20℃でのカプセル化後のサンプルは、粒子の90%が250μ以下であり、一次ピーク(primary peak)が約15-20μである粒度を有しており、200μの粒子が若干存在することを示した。
粒子寸法を減少させるために水を1分間に亘って添加したこと以外、同様の乳化を繰返した。水を急速に添加した場合にも、実質的に同様の結果が得られた。
粒度分布を比較した結果、温度誘導転相を行うことにより、突発的転相を行った場合より、非常に小さい粒子が生じることが示された。
実施例4
この実施例は転相を行う際に高剪断を使用する必要のないことを例示する。乳化系は、12.2重量%のソルベッソ200、12.2重量%のデカリン及びカプセル化成分、即ち、3.1重量%のビートル80及び1.3重量%のQ43からなる油性相を28.8重量%含有していた;水性相は3.8重量%のOP11表面活性剤を含有していた。直接乳化により2μの液滴の微細な分散体が生成した。この系を高剪断混合機(9500rpm)で攪拌しながら、加熱し(65℃)ついで急速に冷却した(40℃)。濃硫酸を添加してpHを1.9に調節し、同時に、ペトロBAFを添加して界面重合を促進した(反応20時間)。最終カプセル直径はSEMで測定して約200nmであった。
乳化系を加熱時、攪拌しなかったこと及び冷却時、低剪断を適用したこと以外、上記の方法を繰返した。転相温度以上に加熱したとき、混合物の相が分離し、2つの別個の層が形成された。温度が65℃に到達したとき、穏やかに攪拌を行い(300rpm、櫂型攪拌機)、反応の冷却工程及びカプセル化工程中、攪拌を継続した。カプセル化を行う前の粒度分布は高剪断についてと同じであり、カプセル化分散体は同一の粒度の一次粒子から構成されていた。カプセル化中、これらの粒子の若干が凝集して、容積粒度分布(volume size
distribution)において約1.5umのピークを生じた。かくして、微細な粒子が生成し、高剪断を必要とせずにカプセル化された。
実施例5
加熱と冷却を行う際に高剪断を使用したこと及び油性相中でソルベッソの代わりに桂皮酸オクチルメチルを使用したことを除いて、実施例3の最初の部分の一般的手順(温度誘導転相によるカプセル化)を繰返した。乳化系を転相温度(67℃)以上に加熱し、急速に40℃に冷却しついでこの温度で20時間保持した。かく得られたカプセル分散体は非常に安定であり、200nmの粒子径を有していた。
実施例6
30重量%のエクゼート(Exxate)900(C-9アセテートエステル)と9重量%のOP11表面活性剤を含有する乳化系を使用したことを除いて、実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。混合物の直接乳化により7μの液滴が得られた。乳化系を攪拌を行うことなしにその転相温度(65℃)以上に加熱した。混合物を攪拌しながら(300rpm、櫂型攪拌機)、急速に冷却した;最終のカプセル化液滴の直径は3μであった。
実施例7
実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は10重量%の桂皮酸オクチルメチル、10重量%の殺虫剤、ピコキシストロビン及びカプセル化成分である、2.2重量%のビートル80及び1重量%のQ43からなる油性相を23.2重量%含有していた;水性相は2種のノニルフェノールエトキシレート系表面活性剤の混合物、24重量%のNP30及び6重量%のNP8を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系は75℃で転相した。SEMは一次カプセル直径が約200nmであることを示した。
実施例8
乳化系が24.3重量%のエクゼート1000(C-10アセテートエステル)、1重量%のピコキシストロビン及びカプセル化成分である、3.2重量%のビートル-80及び1.4重量%のQ43からなる油性相を29.9重量%含有していたこと;水性相がアルコールエトキシレート(14.8重量%、シンペロニックA9)とドデシル硫酸ナトリウム系表面活性剤(0.16重量%)の混合物を含有していたことを除いて、実施例7の手順を繰返した。櫂型攪拌機(300rpm)を使用して2つの相を直接乳化することにより、2μの液滴の微細な分散体が生成した。この系は74℃に冷却したとき、転相を生じた。SEMは一次カプセル直径が約200nmであることを示した。
実施例9
実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は12.7重量%のソルベッソ200及び12.7重量%デカリンからなる油性相を30.5重量%含有していた;水性相は0.4重量%のオクタデカノールと3.8重量%のオクチルフェノールエトキシレート(OP10)系表面活性剤を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系を櫂型攪拌機(300rpm)で攪拌しながら加熱し(90℃)ついでゆっくり冷却した(40℃)。200nmのカプセルの微細な分散体が生成した。
実施例10
実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は0.6重量%のアゾキシストロビン、12.2重量%のソルベッソ200及び12.2重量%のデカリンからなる油性相を28.8重量%含有していた;水性相は3.8重量%のOP11表面活性剤を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系を高剪断混合機(9500rpm)で攪拌しながら加熱し(70℃)ついでゆっくり冷却した(20℃)。200nmのカプセルの微細な分散体が生成した。
実施例11
乳化系は2.8重量%のテフルトリン、11.9重量%のソルベッソ200、11.9重量%のデカリン及びカプセル化成分である3.0重量%のビートル-80と1.3重量%のQ43からなる油性相を30.9重量%含有していた;水性相は3.7重量%のOP11表面活性剤を含有していた。直接乳化により2-10μの液滴の分散体が生成した。この系を高剪断混合機(9500rpm)で攪拌しながらその転相温度(67℃)以上(75℃)に加熱しついで急速に冷却した(20℃)。濃硫酸を添加してpHを1.9に低下させ、同時に、ペトロBAFを添加して界面重合を促進させた。カプセル分散体は180nmと1.5μにピークを有する二頂型粒度分布(bimodal size distribution)を有していた。SEMにより液滴粒度を確認した;SEMは粒子の大部分がサブ-ミクロンの粒度であることを明らかに示した。
実施例12
実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は24.5重量%のオレイン酸メチル、1重量%のピコキシストロビン及びカプセル化成分である3.2重量%のビートル-80と1.4重量%のQ43からなる油性相を30.1重量%含有していた;水性相は14.9重量%のシンペロノックA9表面活性剤を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系は78℃で転相した。SEMは一次カプセル直径が約200nmであることを示した。
実施例13
実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は18.7重量%のソルベッソ、4.7重量%のデカリン、2重量%のアバメクチン及びカプセル化成分である3.2重量%のビートル-80と1.4重量%のQ43からなる油性相を30重量%含有していた;水性相は14.9重量%のシンペロニック OP11表面活性剤を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系は41℃で転相した。カプセル分散体は200nmと25μにピークを有する二頂型粒度分布を有していた。SEMは粒子の大部分がサブ-ミクロンの粒度であることを明らかに示した。より大きな粒子は一次粒子の融合凝集物であった。
実施例14
殺菌剤のピコキシストロビンを溶融させて活性成分として及び油性相として使用したこと以外、実施例3の最初の部分の一般的手順を繰返した。乳化系は10重量%のピコキシストロビン及びカプセル化成分である1重量%のビートル-80と0.4重量%のQ43からなる油性相を11.4重量%含有していた;水性相は2種のノニルフェノールエトキシレート系表面活性剤、即ち、21重量%のNP30及び9重量%のNP8を含有していた。直接乳化により2-10μの粒度範囲を有する液滴が生成した。この系は67℃で転相した。この系は重合中に結晶化したが、SEMにより最終スラリー中にカプセル化されたサブ-ミクロン粒子が含有されていることが確認された。

Claims (10)

  1. i)式:
    RO-(CH 2 CH 2 0)n-
    (式中、RはH叉はC1-4アルキルであり、nは2〜100である)で表されるポリ(エチレングリコール)鎖からなる親水性部分と、アルキル基、芳香族基、又は混合脂肪族及び芳香族基からなる疎水性部分とからなる表面活性剤の存在下、水中に油が分散している初期分散体を形成させ、
    ii)上記初期分散体をその転相温度以上に加熱して共連続相組成物を形成させ、
    iii)上記共連続相組成物を転相温度以下に冷却して、水中油滴型のエマルジョンを形成させ、ついで
    iv)2種叉はそれ以上の重合体先駆体を反応させて重合体壁を形成させることによって油滴の周囲に重合体壁を形成させることにより油滴をカプセル化する工程からなる、水中に分散した、油のマイクロカプセルの製造方法。
  2. 油はシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、キシレン、ジーゼル油、イソパラフィン叉はアルキル基が1〜20個の炭素原子を含有しているアルキル置換ベンゼン叉はナフタレンの1種叉はそれ以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 油はデカヒドロナフタレンと、アルキル基が1〜20個の炭素原子を含有しているアルキルナフタレンとの混合物である、請求項2に記載の方法。
  4. 油はその中に溶解叉は分散している水不溶性活性成分を含有している、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 活性成分は油溶性叉は油分散性の農薬、化粧料、香料、遮光剤、インク-ジェット染料、顔料、トナー、殺生物剤及び医薬デリバリーシステムを包含する医薬叉は獣医薬製品から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 油と水の比は10:90〜90:10である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 表面活性剤は、全エマルジョンの重量に基づいて0.5〜30重量%の量で存在させる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 初期分散体を転相温度以上で製造することにより工程(i)と(ii)を結合する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 反応させてカプセル壁を形成させるための重合体先駆体を初期分散体を製造する前の油性相中に溶解させそして工程(iv)において水溶性相間移動触媒を水性相に添加して両者を反応させる、前記請求項のいずれか一つに記載の方法。
  10. カプセル壁を形成させるための成分は、アミノプラスト樹脂と架橋剤である、請求項1〜のいずれか一つに記載の方法。
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