JP4384815B2 - フィッシャー−トロプシュワックスの水素異性化油をPt/H−モルデナイトにより脱ロウして製造されるイソパラフィン基油 - Google Patents

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Description

【0001】
開示の背景
発明の分野
本発明は、ワックス質フィッシャー−トロプシュ合成炭化水素から製造されるプレミアム合成潤滑油基油を製造する方法に関する。より詳しくは、本発明は、ワックス質パラフィンフィッシャー−トロプシュ合成炭化水素留分を水素異性化し、次いで水素異性化油をPt/H−モルデナイト脱ロウ触媒を用いて接触脱ロウすることによって製造されるイソパラフィン潤滑油基油に関する。
【0002】
発明の背景
自動車エンジンの設計における最近の傾向から、高い粘度指数(VI)と低い流動点とを有する高品質のクランクケースおよびトランスミッション用潤滑油が求められている。高粘度指数のものは、典型的には粘度指数向上剤を添加剤として油に用いて達成されるものの、添加剤は高価なものであり、また高いエンジン温度とせん断速度により劣化する傾向がある。石油誘導原料から低流動点の潤滑油を製造する方法には、典型的には原油を常圧および/または減圧蒸留して潤滑油範囲で沸騰する留分を回収し、潤滑油留分を溶剤抽出して芳香族を除去し、そしてラフィネートを形成し、ラフィネートを水素化してヘテロ原子化合物および芳香族を除去し、続いて水素化ラフィネートを溶剤または接触脱ロウのいずれかをして油の流動点を低減することが含まれる。より最近では、優れた品質の潤滑油は、水素化スラックワックスおよびフィッシャー−トロプシュワックスから製造できることが見出された。
【0003】
フィッシャー−トロプシュワックスは、フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成プロセスによって製造されるワックス質炭化水素を表すのに用いられる用語であり、その際HとCOとの混合物からなる合成ガス原料が、フィッシャー−トロプシュ触媒の存在下に炭化水素を形成するのに効果的な条件下で反応する。米国特許第4,963,672号には、連続的して水素化、水素異性化および溶剤脱ロウを行うことにより、ワックス質フィッシャー−トロプシュ炭化水素を高粘度指数および低流動点を有する潤滑油基油に転化するプロセスが開示される。好ましい実施形態には、連続的に(i)ワックスを過酷に水素化して不純物を除去し、かつ部分的に1050゜F+ワックスを転化し、(ii)水素化ワックスを、フッ化アルミナ触媒に担時した貴金属を用いて水素異性化し、(iii)水素異性化油を水素精製し、(iv)水素異性化油を分留して潤滑油留分を回収し、そして(v)潤滑油留分を溶剤脱ロウして基油を製造することが含まれる。ヨーロッパ特許公報EP0668342A1号には、ワックス質フィッシャー−トロプシュラフィネートを水素添加し、そして次に水素異性化し、次いで脱ロウすることにより、潤滑油基油を製造する方法が提案されている。水素添加は、分解が起こることなく行われて、水素異性化温度が低下され、そして触媒寿命が伸ばされる。このいずれも、当業者に知られていることであるが、ワックス質原料中に含酸素化合物およびヘテロ原子が存在することによって悪影響される。EP0776959A2号には、狭沸点範囲のフィッシャー−トロプシュ炭化水素を水素転化し、水素転化流出物を重質および軽質留分に分留し、次いで重質留分を脱ロウして、少なくとも150の粘度指数を有する潤滑油基油を形成することが記載されている。
【0004】
発明の概要
高粘度指数および低流動点を有するプレミアム合成イソパラフィン潤滑油基油が、650−750゜Fの範囲の初留点を有する高純度パラフィンワックス質フィッシャー−トロプシュ合成炭化水素原料(650−750゜F+)から、該原料を水素異性化し、そして650−750゜F+水素異性化油を、触媒白金成分および水素型モルデナイト(以下Pt/H−モルデナイトという)からなる脱ロウ触媒を用いて接触脱ロウすることによって製造される。潤滑油とは、配合潤滑油、グリースおよびその類似物を意味する。完全配合潤滑油は、一種以上の潤滑油添加剤と本発明の基油との混合物を形成することによって製造されるが、石油またはPAO(ポリアルファオレフィン)誘導の基油のいずれかを用いる配合潤滑油と少なくとも同等の性能、また多くの場合優れた性能を発揮することが見出されている。650−750゜F+とは、フィッシャー−トロプシュプロセスにより合成された炭化水素の留分が、650−750゜Fの範囲の初留点を有し、好ましくは少なくとも1050゜Fの終点まで連続的に沸騰し、より好ましくは1050゜Fを超える終点まで連続的に沸騰することを意味する。フィッシャー−トロプシュ合成炭化水素原料は、この650−750゜F+物質を含むものであるが、以下“ワックス質原料”として引用されよう。ワックス質とは、室内の温度および圧力の標準条件で凝固する物質が含まれることを意味する。ワックス質原料は、また少なくとも350゜FのT90−T10温度幅を有する。温度幅とは、ワックス質原料について90重量%および10重量%における沸点間の温度差(゜F)をいう。Pt/H−モルデナイトからなる脱ロウ触媒を本発明の方法で用いることにより、典型的には石油誘導物質(例えば水素化スラックワックス)を用いて得られるが、同じ流動点で基油が高い収率で製造されることが見出された。
【0005】
したがって、本発明は、フィッシャー−トロプシュ合成ワックス質原料から高粘度指数低流動点潤滑油基油を製造する方法に関する。その際、先ず(i)ワックス質原料を水素異性化して水素異性化油が形成され、次いで(ii)水素異性化油をPt/H−モルデナイトからなる脱ロウ触媒の存在下に水素と反応させることにより、これを接触脱ロウして流動点が低減され、そして基油を含む脱ロウ油が製造される。水素異性化は、適切な水素異性化触媒、好ましくは少なくとも一種の触媒金属成分(触媒に水素添加/脱水素機能を付与する)と、酸性金属酸化物成分(触媒に酸水素異性化機能を付与する)とを含む二元機能触媒の存在下に、ワックス質原料を水素と反応させることによって達成される。好ましくは、水素異性化触媒には、第VIB族金属成分、第VIII族非貴金属成分および非晶質アルミナ−シリカ成分からなる触媒金属成分が含まれる。水素異性化および脱ロウのいずれも、650−750゜F+炭化水素のいくらかを650−750゜F範囲以下で沸騰する炭化水素(650−750゜F−)に転化する。この低沸点物質は、脱ロウ前の水素異性化油中に残留するであろうが、脱ロウ油から除去される。除去は、フラッシングまたは分留によって達成される。全水素異性化油を脱ロウすることは、それが脱ロウ前に除去される場合より、大きな脱ロウ反応器を必要とし、またより多くの低沸点物質が650−750゜F+脱ロウ油から除去されねばならないことを意味する。残りの650−750゜F+脱ロウ油は、典型的には狭いカットに分留されて、異なる粘度の基油が製造され、一方全脱ロウ油は、所望により基油として用いられるであろう。高粘度指数および低流動点とは、全650−750゜F+脱ロウ油が、流動点が−10℃未満、好ましくは−20℃未満において、少なくとも110、好ましくは少なくとも120の粘度指数を有することを意味する。したがって、潤滑油基油とは、本発明の方法によって製造された650−750゜F+脱ロウ油のすべてまたは一部分を意味する。
【0006】
脱ロウは、650−750゜F+水素異性化油の40重量%以下、好ましくは30重量%以下が、650−750゜F−物質に転化されるように実施される。上に引用された米国特許第4,963,672号に開示される方法と対照的に、ワックス質原料中の窒素および硫黄化合物の非常に低い濃度またはゼロ濃度、ならびに非常に低い含酸素化合物レベルに起因して、水素添加または水素化は、水素異性化に先立って必要とされず、また好ましくは、本発明を実施する際には、ワックス質原料は水素異性化に先立って水素化されない。フィッシャー−トロプシュワックスを水素化する必要性をなくすことは、比較的純粋のワックス質原料(例えばコバルト触媒成分を含む触媒を用いてスラリーフィッシャー−トロプシュプロセスで製造される)を用いることによって達成される。また、好ましい実施形態においては、存在するであろういかなる含酸素化合物によっても被毒および失活に対する耐性のある水素異性化触媒を用いて達成される。
【0007】
詳細な説明
ワックス質原料は、好ましくは炭化水素合成プロセスによって形成される全650−750゜F+留分からなり、また実務者により測定される650゜Fと750゜Fの間の正確なカットポイントと、合成に用いられる触媒とプロセス変数によって決定される好ましくは1050゜Fを超える正確な終点とを有する。ワックス質原料は、また所望により低沸点物質(650−750゜F−)を含むであろう。この低沸点物質は、潤滑油基油として有用ではないものの、本発明の方法にしたがって処理される場合には、燃料油として有用である。ワックス質原料は、また90%超、典型的には95%超、好ましくは98重量%超のパラフィン炭化水素からなり、その殆どはノルマルパラフィンである。そして、このことは、本発明に文脈の“パラフィン”が意味するところである。それは、極微量の硫黄および窒素化合物(例えば1wppm未満)を有し、また2,000wppm未満、好ましくは1,000wppm未満、より好ましくは500wppm未満の酸素を含酸素化合物の形状で有する。芳香族含有量は、たとえあるにしても0.5重量%未満、より好ましくは0.3重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満である。ワックス質原料は、このような特性を持ち、また本発明の方法において有効であるが、触媒コバルト成分を有する触媒を用いるスラリーフィッシャー−トロプシュプロセスを採用して製造された。本発明を実施する際には、スラリーフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成プロセスが、ワックス質原料を合成するのに用いられるのが好ましい。特に、触媒コバルト成分を含むフィッシャー−トロプシュ触媒を用いて、より多くの望ましい高分子量パラフィンを製造するための高いアルファをもたらすプロセスである。
【0008】
ワックス質原料の(T90−T10)温度幅は、少なくとも350゜Fであるが、好ましくは少なくとも400゜F、より好ましくは少なくとも450゜Fであり、そして350゜Fから700゜F以上の範囲であろう。ワックス質原料は、触媒コバルト成分およびチタニアの組成物からなる触媒を用いてスラリーフィッシャー−トロプシュプロセスから得られるが、上記のパラフィン性、純度、沸点範囲(490゜Fおよび600゜FのT10とT90との温度幅を有する)を満足するように製造され、また10重量%超の1050゜F+物質および15重量%超の1050°F+物質を有し、さらに初留点および終点がそれぞれ500゜F〜1245゜Fおよび350゜F〜1220゜Fを有した。これらの試料は、いずれもその全沸騰範囲に亘って連続的に沸騰した。350゜Fの低沸点は、反応器からの凝縮された炭化水素塔頂蒸気いくらかを、反応器から除去される炭化水素濾液に加えることによって得られた。これらのワックス質原料は、いずれも本発明の方法で用いるのに適切なものであり、その際それらは、650〜750゜Fの範囲(連続的に沸騰する)の初留点、1050゜F以上の終点、および350゜Fを超えるT90−T10温度幅を有する物質を含むものであった。
【0009】
モルデナイトの水素形態、すなわちよく知られているH−モルデナイトは、アルカリ金属形態をアンモニアなどの水素前駆体とイオン交換し、次いで焼成することによって調製されるであろうし、またはそれはHClなどの酸を用いて、H−モルデナイトに直接転化されるであろう。H−モルデナイト自体、および白金などの一種以上の貴金属との複合物は、商業的に入手可能である。白金は好ましい貴金属であり、したがって特に白金およびH−モルデナイトからなる脱ロウ触媒が好ましい。触媒金属成分およびH−モルデナイト成分に加えて、触媒には、また一種以上の金属酸化物成分(例えば一種以上のモレキュラーシーブを含めて、触媒担体物質として通常用いられるもの)が含まれよう。これらの物質には、例えばいかなる酸化物または酸化物の混合物も含まれるであろう。例えば、触媒的に酸性でないシリカ、ならびにシリカ−アルミナ、他のゼオライト、シリカ−アルミナ−フォスフェート、チタニア、ジルコニア、バナジアおよび他の第IIIB、IV、VまたはVI族酸化物などの酸性酸化物である。ここに引用される族は、Sargent−Welch Periodic Table of the Elements(Sargent−Welch Scientific Companyによって1968年に著作権が所有された)に見られる族をいう。貴金属成分は、H−モルデナイトを含む一種以上の他の触媒成分に対して、それらが全て一緒に混合されて押出し成形されるかまたはピル化される前か後かのいずれかで、複合化または混合され、析出され、内部または表面に含浸され、吸蔵され、またはさもなければ添加されるであろう。貴金属は、よく知られるように、またモルデナイトのイオン交換点で水素とイオン交換されるであろう。一種以上の触媒貴金属成分が、モルデナイト自身と複合化されるか、担持されるか、またはイオン交換されるのが好ましい。貴金属充填量は、H−モルデナイトと貴金属の総重量を基準にして、好ましくはPtからなる貴金属について、約0.1〜1.0重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%の範囲であろう。別の貴金属Pdは、Ptとの組合わせで用いられよう。脱ロウは、固定、流動またはスラリー床の触媒を用いて達成されるであろう。典型的な脱ロウ条件には、約400〜600゜Fの範囲の温度、500〜900psigの圧力、貫流反応器に対して1500〜3500SCF/BのH2処理速度、および0.1〜10、好ましくは0.2〜2.0のLHSVが含まれる。以下の実施例3に示されるように、Pt/H−モルデナイト脱ロウ触媒と本発明の水素異性化されたワックス質原料との組合わせにより、所定の転化レベルにおいて、同じ触媒と石油誘導ワックス質原料との組合わせより、低い流動点がもたらされた。これは予測されないところである。
【0010】
ワックス質原料、および本発明の方法によりワックス質原料から製造される潤滑油基油のいずれにおいても、ヘテロ原子、含酸素化合物、ナフテンおよび芳香族化合物の含有量が、石油系の油およびスラックワックスから誘導される潤滑油基油より少ない。石油系の油およびスラックワックスから誘導される基油(ナフテンおよび芳香族化合物などのかなりの量(例えば少なくとも10重量%)の環式炭化水素を含む)とは異なり、本発明の方法によって製造される基油には、少なくとも95重量%の非環式イソパラフィンが、残りのノルマルパラフィンと共に含まれる。本発明の基油は、脂肪族の非環式イソパラフィンが主としてメチル分枝を含み、また5個を超える炭素原子の分枝を殆ど含まない(例えば1重量%未満)という点でPAO基油とは異なる。したがって、本発明の基油組成は、通常の石油系の油またはスラックワックス、もしくはPAOから誘導されるものとは相違する。本発明の基油は、実質的(≧99+重量%)に完全飽和のパラフィンかつ非環式炭化水素からなる。硫黄、窒素および金属は、1wppm未満の量で存在し、またX線やAntek窒素試験により検知されない。ごく少量の飽和および不飽和の環構造が存在するであろうが、それらは、濃度が非常に低いために現在知られている分析方法によって、基油中に確認されないであろう。本発明の基油は、種々の分子量をもつ炭化水素の混合物であるが、水素異性化および脱ロウ後に残っている残留ノルマルパラフィンの含有量は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満であり、また油分子は、少なくとも50%は少なくともひとつの分枝(その少なくとも半分はメチル分枝)を含むであろう。残りの分枝の少なくとも半分、より好ましくは少なくとも75%は、エチル基であり、また分枝の総数の25%未満、好ましくは15%未満は、3以上の炭素原子を有する。分枝炭素原子の総数は、炭化水素分子を構成する全炭素原子に対して、典型的には25%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%以下(例えば10〜15%)である。PAO油は、アルファオレフィン、典型的には1−デセンの反応生成物であり、また分子の混合物からなる。しかし、本発明の基油の分子(短い分枝の比較的長い骨格鎖からなるより線状の構造を有する)と対比すると、PAO基油の伝統的教科書の記述は、星型分子であり、また特にトリデカン(中心部に結合した3つのデカン分子として説明される)である。PAO分子は、本発明の基油を組成する炭化水素分子より、少なくまた長い分枝を有している。したがって、本発明の基油を組成する分子には、少なくとも95重量%の非環式イソパラフィン(比較的線状の分子構造を有する)が含まれ、また分枝中に存在する全炭素原子数に対して、分枝の半分未満、また25%未満は2個以上の炭素原子を有する。本発明の基油、およびこれらの基油に基づく潤滑油は、他の基油から形成される潤滑油とは異なり、また多くの場合優れたものであることから、実務者においては、他の基油が本発明の基油の少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも60重量%と混合されることにより、たとえ本発明の基油のみが用いられる場合より少ないとしても、多くの殆どの場合に優れた特性が依然としてもたらされることが明らかであろう。これらの追加される基油は、(i)炭化水素質基油、(ii)合成基油およびその混合油からなる群れから選択されるであろう。炭化水素質基油とは、通常の鉱油、シェール油、タール、石炭液化油、鉱油誘導のスラックワックスから誘導される主として炭化水素タイプの基油を意味し、一方合成基油には、PAO、ポリエステルタイプおよび他の合成油が含まれよう。
【0011】
当業者に知られているように、潤滑油基油は、一般的な潤滑油範囲で沸騰する潤滑品質をもつ油であり、また潤滑油およびグリースなどの種々の潤滑剤を調製するのに有用である。完全配合潤滑油(以下“潤滑油”)は、基油に有効量の少なくとも一種の添加剤、またはより典型的には一種以上の添加剤を含む添加剤パッケージを添加することにより調製される。その際、添加剤は、下記のの少なくとも一種である。すなわち、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、摩擦調整剤、抗乳化剤、消泡剤、腐食防止剤、およびシール膨潤防止剤である。これらのうち、殆どの配合潤滑油に共通の添加剤には、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗添加剤および粘度指数向上剤が含まれ、さらに油の目的とする用途に応じて、任意の他の添加剤が含まれる。一種以上の添加剤、または一種以上のこれらの添加剤を含む添加剤パッケージの有効量を、基油に混和するか、添加するかまたは混合して、一種以上の規格が満足される。例えば、内燃機関のクランクケース、自動変速装置、タービンまたはジェット、作動油などのよく知られる用途の潤滑油に関する規格である。様々な製造業者により、これらの添加剤パッケージが販売されるが、添加剤パッケージは、基油または基油の混合油に添加されて、異なる応用または所望の用途に必要な性能規格を満足するための完全配合潤滑油が製造される。また、添加剤パッケージに存在する種々の添加剤の正確な素性は、典型的には製造業者の企業秘密として保持されている。したがって、添加剤パッケージには、多くの異なる化学タイプの添加剤が含まれるであろうし、また多くの場合に含まれる。そして、特定の添加剤または添加剤パッケージを用いる本発明の基油の性能は、演繹的に予測できないであろう。その性能が、同じ添加剤を同レベルで用いる通常の油およびPAO油のそれと異なることは、それ自体、本発明の基油の化学が先行技術の基油のそれと異なることの証明である。本発明の基油から製造される完全配合潤滑油は、PAOまたは通常の石油誘導基油のいずれかに基づく配合油と少なくとも同等の性能、また多くの場合優れた性能を発揮することが見出されている。用途によっては、本発明の基油を使用することにより、低濃度の添加剤が所定の性能レベルに対して必要とされるか、または性能を改善した潤滑油が同様の添加剤レベルで製造されるということが意味されよう。
【0012】
ワックス質原料の水素異性化を通して、650−750゜F+留分のこの範囲以下で沸騰する物質(650−750゜F−の低沸点物質)への転化率は、反応域を通る原料のワンススルーを基準にして、約20〜80重量%、好ましくは30〜70%、より好ましくは約30〜60%の範囲であろう。ワックス質原料には、典型的には水素異性化の前に650−750゜F−物質が含まれ、そしてこの低沸点物質の少なくとも一部分は、また低沸点成分に転化されるであろう。原料に存在するいかなるオレフィンや含酸素化合物も、水素異性化の間に水素添加される。水素異性化反応器における温度および圧力は、典型的には300〜900゜F(149〜482℃)および300〜2500psigの範囲であり、また好ましい範囲は、それぞれ550〜750゜F(288〜400℃)および300〜1200psigであろう。水素処理速度は、500〜5000SCF/Bの範囲であり、また好ましい範囲は、2000〜4000SCF/Bであろう。水素異性化触媒には、一種以上の第VIII族金属触媒成分、好ましくは非貴金属触媒成分、ならびに酸性金属酸化物成分が含まれ、触媒に水素添加/脱水素機能および酸水素化分解機能の両方を付与して炭化水素が水素異性化される。触媒は、また一種以上の第VIB族金属酸化物助触媒、および一種以上の第IB族金属成分を水素化分解抑制剤として有するであろう。好ましい実施形態においては、触媒的に活性な金属には、コバルトおよびモリブデンが含まれる。より好ましい実施形態においては、触媒には、また銅成分が含まれて、水素化分解が低減されるであろう。酸性酸化物成分、すなわち担体には、X、Yおよびベータシーブなどの種々のモレキュラーシーブと同様、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−フォスフェート、チタニア、ジルコニア、バナジア、および他の第II、IV、VまたはVI族酸化物が含まれるであろう。酸性金属酸化物成分には、シリカ−アルミナおよび特に非晶質シリカ−アルミナ(バルク担体におけるシリカ濃度(表面シリカに対する)が約50重量%未満、好ましくは35重量%未満である)が含まれるのが好ましい。特に好ましい酸性酸化物成分には、シリカ含有量が10〜30重量%の範囲である非晶質シリカ−アルミナが含まれる。シリカ、粘土および他の物質などの追加成分は、結合剤としてまた利用もされるであろう。触媒の表面積は、約180〜400m/g、好ましくは230〜350m/gの範囲であり、また細孔容積、かさ密度および側面粉砕強度は、それぞれ0.3〜1.0mL/g(好ましくは0.35〜0.75mL/g)、0.5〜1.0g/mL、および0.8〜3.5kg/mmの範囲である。特に好ましい水素異性化触媒には、約20〜30重量%のシリカからなる非晶質シリカ−アルミナ成分と共に、コバルト、モリブデンおよび任意に銅成分が含まれる。これらの触媒の調製法は、よく知られており、また文書化されている。例証であるが、制限されない調製法の実施例およびこのタイプの触媒の使用については、例えば米国特許第5,370,788号および同第5,378,348号に見出されよう。上述されるように、水素異性化触媒は、最も好ましくは失活およびイソパラフィン形成の選択性の変化に対して耐性があるものである。硫黄および窒素化合物、そしてまた含酸素化合物の存在によって、ワックス質原料におけるこれら物質のレベルにおいてさえ、多くのさもなければ有効な水素異性化触媒の選択性は変化し、さらに触媒は非常に急速に失活するであろうことが見出された。このような例の一つには、フッ化アルミナなどのハロゲン化アルミナに担時した白金、または他の貴金属が含まれ、その際ハロゲン化アルミナからフッ素が、ワックス質原料中の含酸素化合物の存在によって剥ぎ取られる。本発明を実施する際に特に好ましい水素異性化触媒には、コバルトおよびモリブデンの両触媒成分ならびに非晶質アルミナ−シリカ成分の組成物が含まれるが、最も好ましくはモリブデン成分が添加される前に、コバルト成分が非晶質シリカ−アルミナ上に析出され、そして焼成されるものである。この触媒には、非晶質アルミナ−シリカ担体成分上に担持した10〜20重量%のMoO3および2〜5重量%のCoOが含まれ、その際担体成分のシリカ含有量は、この担体成分に対して10〜30重量%、好ましくは20〜30重量%の範囲である。この触媒は、良好な選択性保持力と、フィッシャー−トロプシュにより製造されるワックス質原料中に見出される含酸素化合物、硫黄および窒素化合物による失活に対する良好な耐性とを有することが見出された。この触媒の調整法は、米国特許第5,756,420号および同第5,750,819号に開示されており、その開示内容は、引用して本明細書に含まれる。この触媒は、また水素化分解を低減する第IB族金属成分を含むことが一層さらに好ましい。ワックス質原料の水素異性化によって形成される全水素異性化油は脱ロウされるか、または低沸点の650−750゜F−成分が、脱ロウに先立ってラフフラッシングまたは分留によって除去されて、650−750゜F+成分のみが脱ロウされるであろう。この選択は実務者によって決定される。低沸点成分は燃料油として用いられよう。
【0013】
適切なフィッシャー−トロプシュ反応タイプの触媒には、例えば一種以上の第VIII族触媒金属(Fe、Ni、Co、RuおよびReなど)が含まれるものの、本発明の方法においては、触媒にはコバルト触媒成分が含まれることが好ましい。一実施形態においては、触媒には、触媒的有効量のCo、ならびにRe、Ru、Fe、Ni、Th、Zr、Hf、U、MgおよびLaの一種以上が適切な無機担体物質、好ましくは一種以上の耐火性金属酸化物からなるものに担時されて含まれる。Co含有触媒の好ましい担体には特にチタニアが含まれる。有用な触媒およびその調整方法は、よく知られたものであり、また例証的かつ限定しない実施例は、例えば米国特許第4,568,663号、同第4,663,305号、同第4,542,122号、同第4,621,072号および同第5,545,674号に見出されよう。スラリー炭化水素合成プロセスにおいては、これは本発明を実施する際には好ましいプロセスであるが、HおよびCOの混合物からなる合成ガスは、第三相として反応器中のスラリーを通って上方にバブリングされるが、その際反応器には、粒状のフィッシャー−トロプシュタイプの炭化水素合成触媒がスラリー液体(反応条件において液体である合成反応の炭化水素生成物を含む)中に分散懸濁されて含まれる。水素対一酸化炭素のモル比は、約0.5〜4の広範囲に亘るであろうが、より典型的には約0.7〜2.75、好ましくは約0.7〜2.5の範囲内にあろう。フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成反応の化学量論的モル比は、一般に約2.0であるが、スラリー炭化水素合成プロセスにおいては、典型的には約2.1/1であり、また合成反応以外のものの場合には、所望とする水素の量が合成ガスから得られるように増加されるであろう。スラリープロセスの条件は、触媒および所望とする生成物によって幾分変動するであろう。本発明を実施する際には、炭化水素合成反応は、水性ガスシフト反応が殆どまたは全く起こらない条件下で実施されるのが好ましいが、より好ましくは炭化水素の合成中に、水性ガスシフト反応が全く起こることなく実施される。また、反応は、少なくともアルファ0.85、好ましくは少なくとも0.9、より好ましくは少なくとも0.92が達成されて、望ましいより高分子量の炭化水素を多く合成する条件下で行われるのが好ましい。このことは、触媒コバルト成分を含む触媒を用いるスラリープロセスにより達成された。当業者においては、アルファとはSchultz−Floryの動力学アルファを意味することが知られている。担時コバルト成分からなる触媒を用いるスラリー炭化水素合成プロセスにおいて、大部分がC5+パラフィン(例えばC5+−C200)、好ましくはC10+パラフィン(より好ましくはC20+)からなる炭化水素を形成するのに有効な典型的な条件には、例えば温度、圧力およびガス空間速度が、それぞれ約320〜600゜F、80〜600psiおよび100〜40,000V/hr/V(触媒の単位容積当り単位時間当りのCOとHとのガス状混合物の標準容積(0℃、1気圧)として表される)の範囲にあることが含まれる。反応条件において液体である炭化水素は、濾過手段を用いて反応器から除去される。
【0014】
図面は、統合炭化水素合成プロセスの流れ概略図であり、そこには本発明を実施する際に有用な、ワックス質原料の水素異性化および脱ロウが含まれる。図面を参照すると、内部に三相スラリー12を含むスラリー炭化水素合成反応器10は、合成ガスを下部のプレナム域から注入するためのスラリー底部のガス分配板14、およびボックス16として示される液体濾過手段(スラリー中に浸漬される)を有する。合成ガスは、スラリー液体(反応条件において液体である合成炭化水素を含む)と共に、ライン18を経て反応器中に通され、また合成炭化水素は、濾液としてライン20を経て連続的に除去され、そしてガス状の反応器流出物は、テールガスとしてライン22を経て塔頂から除去される。濾液は水素異性化装置38に通される。反応器において、合成ガスのHとCOとは、粒状触媒の存在下に反応して、所望の炭化水素(その大部分はスラリー液体からなる)、およびガス反応生成物(その大部分は水蒸気とCOとからなる)が形成される。12中の白マルは、合成ガスとガス生成物との気泡を表し、一方黒マルは、粒状のフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成触媒を表す。ガス状の塔頂流出物には、水蒸気、CO、ガス状の炭化水素生成物、未反応合成ガスおよび少量の含酸素化合物が含まれる。塔頂流出物は、それぞれホットおよびコールド熱交換器(24および26)を通され、そこで冷却されて水および炭化水素の一部分が凝縮され、そしてそれぞれホットおよびコールドセパレータ(28および30)に通されて、凝縮炭化水素液体が回収される。したがって、ガス塔頂流出物は、ライン22を経てホット熱交換器24を通されて、水蒸気およびより重質の炭化水素のいくらかが液体として凝縮され、次いでガスと液体との混合物がライン32を経てセパレータ28に通され、そこで水と液体炭化水素とが、残りのガスから分離液体相として分離される。水相はライン34を経て除去され、また炭化水素液体はライン36を経て除去され、そして濾過手段16からの濾液と共に、水素異性化装置38に通される。ホットセパレータ28から分離された炭化水素液体には、室内の温度および圧力の標準条件において凝固する炭化水素が含まれるが、これは水素異性化装置38へのワックス質原料の一部分として有用である。未凝縮ガスは、セパレータ28からjyされ、そしてライン40を経てコールド熱交換器26を通されて、さらなる水蒸気とより軽質の炭化水素とが液体として凝縮され、次いでガスと液体との混合物がライン42を経てコールドセパレータ30に通され、そこで液体が未凝縮ガスから二つの分離相として分離される。水はライン44を経て除去され、また炭化水素液体はライン46を経て除去されてライン48に通される。未凝縮ガスはライン50を経て除去される。水素または水素含有処理ガスは、水素異性化装置の底部にライン52を経て通される。水素異性化装置には、二元機能水素異性化触媒の固定床54が含まれる。流下する炭化水素は、水素異性化されて、水素異性化炭化水素とガスとの混合物が、反応器からライン48を経て除去され、そしてライン46からの軽質炭化水素と共に分留装置56の通され、そこで軽質成分が、燃料油留分(例えばライン58を経て除去されるナフサ留分、およびライン60を経て除去されるジェット/ディーゼル燃料油留分)として分離され、また38からの未反応水素および軽質炭化水素ガスが、ライン62を経てテールガスとして除去される。重質の水素異性化油は、潤滑油範囲で沸騰する所望の炭化水素(650−750゜Fの範囲の初留点を有する)からなるが、分留装置の底部からライン64を経て除去される。したがって、この実施形態においては、水素異性化油の軽質部分は、脱ロウの前に潤滑油物質から分離される。このことによって、脱ロウ装置およびこれに続く減圧パイプスチルの両方に対する負荷が大幅に低減される。潤滑油留分は、ライン64を経て接触脱ロウ装置66に通されるが、そこにはPt/H−モルデナイトからなる脱ロウ触媒の固定床68が含まれる。水素または水素含有処理ガスは、ライン70を経て66に通され、そして水素異性化油と反応してその流動点が低減され、またプレミアム潤滑油基油を含む脱ロウ油が製造される。該脱ロウ油は、脱ロウ反応における未反応水素およびガス生成物と共に、ライン72を経て除去され、そして減圧パイプスチル74にライン72を経て通される。水素異性化における場合と同様に、接触脱ロウにより、また基油物質のいくらかの低沸点物質への分解が起こって、軽質留分が形成される。減圧パイプスチルにおいては、軽質留分は脱ロウ基油から分離され、そしてライン76を経て装置から除去され、また脱ロウ潤滑油基油がライン78を経て装置から除去される。便宜上単一の基油流れのみが示されるが、より典型的には異なる粘度の複数個の基油が減圧分留により製造される。未反応水素および軽質炭化水素ガスは、ライン80を経て塔頂から除去される。
【0015】
本発明は、以下の実施例を引用してさらに説明されるであろう。これらの実施例のすべてにおいて、T90−T10温度幅は350゜Fを超える。
【0016】
【実施例】
実施例1
フィッシャー−トロプシュ合成ワックス質炭化水素を、スラリー反応器において、HおよびCOの混合物(2.11〜2.16のH対COモル比を有する)からなる合成ガス原料から形成した。スラリーには、チタニアに担持されたコバルトおよびレニウムを含むフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成触媒粒子が、炭化水素スラリー液体中に分散して含まれ、また合成ガスが、スラリーを流上してバブリングされた。スラリー液体には、合成反応の炭化水素生成物(反応条件において液体である)が含まれた。これらの反応条件には、温度425゜F、圧力290psigおよびガス原料線速度12〜18cm/秒が含まれた。ワックス質原料は、反応条件では液体でありまたスラリーであるが、濾過によって反応器から排出された。ワックス質原料の沸点分布を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0004384815
【0018】
実施例2
実施例1で製造されたワックス質原料を、分留することなく水素異性化したが、その結果、表1に示す700゜F以下で沸騰する物質が29重量%含まれた。ワックス質原料は、二元機能水素異性化触媒の存在下に、水素と反応させて水素異性化されたが、その際該触媒には、コバルト(CoO、3.2重量%)およびモリブデン(MoO、15.2重量%)が、非晶質シリカ−アルミナコゲル酸性成分(その15.5重量%はシリカであった)に担時して含まれた。触媒は、266m/gの表面積および0.64mL/gの細孔容積(P.V.H2O)を有した。この触媒は、コバルト成分を担体上に析出および焼成し、次いでモリブデン成分を析出および焼成して調製された。水素異性化の条件は、表2に示され、また700゜F+留分の原料転化率(次に定義される)として50重量%が目標として選択された。
700゜F+転化率=[1−(生成物中の重量%700゜F+)/(原料中の重量%700゜F+)]×100
【0019】
【表2】
Figure 0004384815
【0020】
表に示されるように、700゜F+ワックス質原料の50重量%が700゜F−沸点の生成物に転化された。700゜F−水素異性化油を分留して、曇り点と凝固点とを低減した燃料油生成物が回収された。
【0021】
表3には700゜F+水素異性化油の性状が示される。
【0022】
【表3】
Figure 0004384815
【0023】
比較例
アラビアンライト常圧残渣を、分留して重質後端部を除去し、表4に示す性状の700−1026゜F原料を残した。この原料を、流上反応器において実施例3のPt/H−モルデナイト触媒を用いて、しかもより過酷な条件により接触脱ロウして流動点を低減した。H圧は、0.5LHSVおよび温度570゜Fにおける名目処理ガス速度5000SCF/Bで、1350psigであった。脱ロウ結果もまた表4に示す。
【0024】
【表4】
Figure 0004384815
【0025】
脱ロウ油を分留して、反応器中に生成された軽質燃料油留分がアラビアンライト700゜F+脱ロウ基油から分離された。その低温特性を表6に示したが、併せて本発明の方法にしたがって、下記実施例3から調製されたF−Tワックス基油の性状を示した。
【0026】
実施例3
表3に示す700゜F+水素異性化油を、0.5重量%Pt/H−モルデナイト触媒を用いて接触脱ロウして、流動点を低減し、そして高粘度指数潤滑油基油を形成した。この実験では、小さな流上パイロットプラント装置を用いた。脱ロウ条件には、1LHSVおよび温度550゜Fにおける名目処理ガス速度2500SCF/Bで、750psigのH圧が含まれた。反応器から出る脱ロウ油生成物を、標準15/5蒸留を用いて分留して、脱ロウで製造された低沸点燃料油留分を除去し、そして700゜F+生成物をハイバック蒸留に附して、狭カット留分を得、さらに低温特性を730−950゜Fおよび950゜F+部分について測定した。結果を表5に要約する。
【0027】
【表5】
Figure 0004384815
【0028】
表6において、本発明にしたがって調製されたフィッシャー−トロプシュ基油の性状を、アラビアンライト原料から誘導された潤滑油基油のものと比較する。
【0029】
【表6】
Figure 0004384815
【0030】
上記の二つの基油の性状から次のことが明確に示される。すなわち、水素化することなしに、フィッシャー−トロプシュワックスの水素異性化油を、本発明の方法にしたがってPt/H−モルデナイト脱ロウ触媒を用いて接触脱ロウすることにより、高粘度指数かつ低流動点の基油(すなわち、ほぼ同じ原料転化率レベルにおいて、通常の石油誘導潤滑油留分より低い流動点および高い粘度指数を有する)が得られる。さらに、石油基の基油は、通常650−750゜F物質について多数個の特定狭沸点留分すなわちカットとして脱ロウされて、各特定カットの基油収率が最適化される。ここに示されるデータにより、この手順は、フィッシャー−トロプシュワックス質原料を用いる本発明の方法を使用する場合には、必要でないことが明らかにされている。
【0031】
本発明を実施する際には、種々の他の実施形態および変更形態は、上記した本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に自明であろうしまた当業者により容易に実施できるであろうと考えられる。したがって、本明細書に添付される請求の範囲は、上述された正確な内容に限定されるものではなく、むしろこれら請求は、本発明が関連する分野の当業者によりそれらの等価物として扱われるすべての特徴および実施形態を含めて、本発明に帰属する特許を受けることができる新規性の特徴をすべて包含するものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を実施する際に有用なプロセスの流れ概略図である。

Claims (17)

  1. イソパラフィン潤滑油基油を製造するための製造方法であって、該基油は、
    (i)フィッシャー−トロプシュ炭化水素合成プロセスから得られ、かつ650−750゜F(343〜399℃)範囲に初留点を有するノルマルパラフィン炭化水素留分を含むワックス質原料を、水素異性化して水素異性化油を形成する工程と、
    (ii)該水素異性化油を、触媒白金成分および水素型モルデナイト成分を含む触媒の存在下に水素と反応させることによって接触脱ロウして、その流動点を下げ、650−750゜F(343〜399℃)範囲以上および以下で沸騰する炭化水素を含む脱ロウ油を形成する工程と、
    (iii)650−750゜F(343〜399℃)範囲以下で沸騰する炭化水素を該脱ロウ油から除去して、該基油を形成する工程と、
    によって得られることを特徴とする製造方法。
  2. 前記ワックス質原料は、スラリーフィッシャー−トロプシュプロセスから得られることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記ワックス質原料は、少なくとも95重量%のノルマルパラフィンを含み、該基油は少なくとも95重量%の非環式イソパラフィンを含むことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 前記スラリーフィッシャー−トロプシュプロセスは、触媒コバルト成分を含む炭化水素合成触媒を用いることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 前記水素異性化は、前記ワックス質原料を、触媒金属成分および酸性金属酸化物成分ならびに水素異性化機能および水素添加/脱水素機能の両方を有する水素異性化触媒の存在下に、水素と反応させることを含む請求項4記載の製造方法。
  6. 前記ワックス質原料は、650−750゜F(343〜399℃)範囲以下の初留点を有する炭化水素を含むことを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 前記ワックス質原料は、少なくとも1050゜F(566℃)の終点を有し、650−750゜F(343〜399℃)から該終点にかけて連続的に留出することを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 前記ワックス質原料は、1wppm未満の窒素化合物、1wppm未満の硫黄および1,000wppm未満の酸素を含酸素化合物の形態で有することを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  9. 前記ワックス質原料は、少なくとも350゜F(177℃)のT90−T10温度幅を有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  10. イソパラフィン潤滑油基油を、HとCOとの混合物からなる合成ガスから製造するための製造方法であって、
    (a)HとCOとの該混合物を、炭化水素スラリー液体、触媒およびガス気泡からなるスラリーにおいて、触媒コバルト成分を含むフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成触媒の存在下に、高純度かつ大部分がノルマルパラフィンのワックス質炭化水素を形成するのに効果的な反応条件で反応させ、その際その反応条件で液体である該炭化水素の少なくとも一部分は、該スラリー液体を構成し、650−750゜F(343〜399℃)範囲の初留点、および少なくとも350゜F(177℃)のT90−T10温度幅を有し、該パラフィンは大部分がノルマルパラフィンからなる工程と、
    (b)650−750゜F(343〜399℃)範囲に初留点を有する該ワックス質合成炭化水素の少なくともその留分を、二元機能水素異性化触媒の存在下に水素と反応させ、該650−750゜F(343〜399℃)範囲以上と該650−750゜F(343〜399℃)範囲以下とに初留点を有する炭化水素を含む水素異性化油を形成する工程と、
    (c)前記650−750゜F(343〜399℃)範囲以上に初留点を有する前記水素異性化油の少なくともその部分を、水素型モルデナイト成分および触媒白金成分からなる触媒の存在下に水素と反応させることによって接触脱ロウしてその流動点を下げ、前記650−750゜F(343〜399℃)範囲以上および以下の初留点を有する炭化水素を含む脱ロウ油を形成する工程と、
    (d)650−750゜F(343〜399℃)範囲以上に初留点を有する該脱ロウ油の少なくとも一部分を、該基油として回収する工程と、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  11. 前記650−750゜F(343〜399℃)範囲に初留点を有し、工程(b)において水素と反応される前記ワックス質合成炭化水素留分は、少なくとも1050゜F(566℃)の終点を有することを特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. 前記650−750゜F(343〜399℃)範囲に初留点を有する該水素異性化油の40重量%以下は、前記脱ロウによって、該範囲以下の初留点を有する炭化水素に転化されることを特徴とする請求項11記載の製造方法。
  13. 前記水素異性化触媒は、第VIII族非貴金属触媒成分および酸性担体からなることを特徴とする請求項12記載の製造方法。
  14. 前記水素異性化触媒は、また第VIB族触媒金属成分を含むことを特徴とする請求項13記載の製造方法。
  15. 前記水素異性化触媒は、コバルトおよびモリブデン触媒金属成分を含み、前記担体は、30重量%以下のシリカを有するアルミナ−シリカを含むことを特徴とする請求項14記載の製造方法。
  16. 前記水素異性化触媒は、前記モリブデン成分を添加する前に、前記コバルト成分を添加して焼成することによって調製されることを特徴とする請求項15記載の製造方法。
  17. 前記水素異性化油は、前記脱ロウの前に、分留されて前記650−750゜F範囲(343〜399℃)以下の初留点を有する水素異性化油の少なくとも一部分が除去され、該650−750゜F(343〜399℃)範囲以下の初留点を有する脱ロウ油は、全脱ロウ油から除去されて、少なくとも120の粘度指数と−10℃未満の流動点とを有する基油が形成されることを特徴とする請求項10記載の製造方法。
JP2000568933A 1998-09-04 1999-08-27 フィッシャー−トロプシュワックスの水素異性化油をPt/H−モルデナイトにより脱ロウして製造されるイソパラフィン基油 Expired - Lifetime JP4384815B2 (ja)

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