図1は、本発明の一実施例である通信カラオケシステム10を説明する図である。この図1に示すように、本実施例の通信カラオケシステム10において、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗、或いは一般家庭等にそれぞれ設置された複数の通信カラオケ装置12は、公衆電話回線等による通信回線14を介してカラオケサービス提供会社のセンタ装置16に接続されており、そのセンタ装置16と複数の通信カラオケ装置12の相互間で情報の通信が可能とされている。このセンタ装置16は、カラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Content)の保管や入出力管理等を行うサーバであり、上記通信回線14を介して複数の通信カラオケ装置12に定期的にコンテンツの配信を行うものである。また、複数の携帯電話機18は、複数の中継基地局20を介して無線の通信チャンネルに接続され、その複数の中継基地局20に接続された中央演算処理装置22によりそれぞれの接続が制御されるようになっている。この中央演算処理装置22は、プロトコルを翻訳することによりチェックする機能を有するゲートウェイ24を介して上記通信回線14に接続されている。これにより、上記複数の携帯電話機18においても、上記通信回線14を介して上記センタ装置16からカラオケ情報をはじめとするコンテンツの配信を受けられるようになっている。
図2は、上記通信カラオケ装置12の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記通信カラオケ装置12は、CRT等の映像表示装置26と、映像情報デコーダ28と、ビデオミキサ30と、アンプミキサ32と、スピーカ34と、マイクロフォン36と、A/Dコンバータ37と、操作パネル38と、中央演算処理装置であるCPU40と、ROM42と、RAM44と、記憶装置であるハードディスク46と、モデム48と、CRTコントローラ50と、上記操作パネル38等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス52と、音源であるシンセサイザ54と、リモコン装置60や電子早見本装置62等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部56と、その電子早見本装置62等との間で無線LAN通信を行うための無線LAN通信部58とを、備えて構成されている。
上記CPU40は、上記RAM44の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM42に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン装置60や電子早見本装置62等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM44に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク46から上記RAM44に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM44から上記シンセサイザ54へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ50へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記CRTコントローラ50へ送ったり、上記映像情報デコーダ28を制御して所定の背景映像を再生させたり、前記通信回線14を介して前記センタ装置16との間で情報の送受信を行う等の基本的な制御に加えて、後述する演奏評価制御及びその評価結果を反映する映像表示制御等、カラオケ演奏に付随する諸々の制御を実行する。
前記操作パネル38は、前記通信カラオケ装置12の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記通信カラオケ装置12には、前記操作パネル38の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置60及び電子早見本装置62が備えられており、前記リモコン受信部56は、それら入力装置から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU40へ供給する。また、前記無線LAN通信部58は、前記電子早見本装置62との間で無線LAN通信を行うことによりその電子早見本装置62からの選曲入力を受け付けたり、前記通信カラオケ装置12から電子早見本装置62へ所定の処理を実行させるための指令を送信したりというように、電波を介して前記通信カラオケ装置12と電子早見本装置62との間における相互の情報のやりとりを行う。
前記映像情報デコーダ28は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク46に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ28により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記CRTコントローラ50は、前記CPU40において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置であり、前記ビデオミキサ30は、前記CPU40において生成され且つ前記CRTコントローラ50から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ28により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置26に表示させる映像合成装置である。
前記シンセサイザ54は、前記ハードディスク46から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ54により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ32へ送られる。そのアンプミキサ32では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン36を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ34から出力される。前記A/Dコンバータ37は、後述するカラオケ演奏評価処理のために、前記マイクロフォン36から入力される音声をディジタル信号に変換して前記CPU40に供給する。
前記モデム48は、前記通信カラオケ装置12を前記通信回線14に接続するための装置であり、前記CPU40から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線14に送り出すと共に、その通信回線14を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU40に供給する処理を行う。
前記ハードディスク46には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース55等の各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数の通信カラオケ装置12は、前記モデム48を介して前記通信回線14に接続されており、例えば前記通信カラオケ装置12によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、随時新たなカラオケ情報が前記センタ装置16から前記通信回線14を介して配信され、前記ハードディスク46のカラオケデータベース55に記憶される。また、後述する演奏評価手段132、140による評価結果を適宜前記センタ装置16へ送信(アップロード)できるようになっている。
図3は、前記携帯電話機18の操作部64を説明する図である。この図3に示すように、前記携帯電話機18における折り畳まれることで相対向する1対の面には、入力ボタン(スイッチ)として機能する12個の文字入力ボタン66、開始ボタン68、電源ボタン70、左右上下の移動ボタン72、メールボタン74、クリアボタン76、決定ボタン78、及び映像表示装置として機能する表示部80が設けられている。
上記文字入力ボタン66は、所望する文字を入力するためのボタン(スイッチ)であり、その文字入力ボタン66が押されることにより、また必要に応じて所定の文字変換操作が行われることにより、所望する文字が上記表示部80に表示される。上記開始ボタン68は、電話をかけたりメールを送信したりするためのボタンであり、上記表示部80に所定の電話番号が表示されている際にその開始ボタン68が押されることにより、その電話番号に電話をかけられる。また、その表示部80に所定のメールアドレスが表示されている際にその開始ボタン68が押されることにより、そのメールアドレスにメールが送信される。上記電源ボタン70は、通話を中止したり電源を入れたりするためのボタンであり、通話中にその電源ボタン70が押されることにより、その通話が中止される。また、電源がオフである際にその電源ボタン70が一定時間押されることにより、電源がオンの状態となる一方、電源がオンである際にその電源ボタン70が一定時間押されることにより、電源がオフの状態となる。上記移動ボタン72は、上記表示部80に表示されるカーソルを左右上下に移動させるため等に押されるボタンである。上記メールボタン74は、メール管理モードに入るため等に押されるボタンである。上記クリアボタン76は、上記表示部80に表示された文字を消すため等に押されるボタンである。上記決定ボタン78は、上記表示部80に表示された内容で各種設定の項目を決定したり、文字変換を決定したりするため等に押されるボタンである。
図4は、前記携帯電話機18の構成を説明するブロック線図である。この図4に示す制御部82は、予めROM84に記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、前記操作部64からの入力に従って文字入力が実行されるように制御したり、前記操作部64から入力された電話番号に従って通信或いは通話チャンネルを成立させると共に相互の通信或いは通話が可能となるように制御したり、メールの作成及び送受信の制御を実行したりする。通話状態においては、アンテナ86を介して送受信部88に受けた通話信号等がモデム部90を介して音声コーディック部92においてデジタルコード信号から音声信号に変換され、アナログフロントエンド94により音声出力器(スピーカ)90が駆動されて音声が出力される。同時に、マイクロフォン98により音声から変換された音声信号が上記アナログフロントエンド94を介して上記音声コーディック部92に送られてそこでデジタル信号に変換され、上記モデム部90、送受信部88、及びアンテナ86を介して送信される。また、通信状態において、上記制御部82は、前記操作部64から入力された信号を通信先へ送信すると同時に、通信先から受信された信号を前記表示部80に表示させる。また、他の通信端末からの着信があったと判定される場合には、予め記憶部(フラッシュROM)100に記憶された呼出音情報に基づいて所定の呼出音を上記スピーカ90から出力させるようにメロディー発生器104を駆動させる。また、上記記憶部100には、前記センタ装置16からダウンロードされたカラオケ情報を記憶するためのカラオケデータベース102が設けられている。
図5は、前記センタ装置16の構成を説明するブロック線図である。この図5に示すように、前記センタ装置16は、中央演算処理装置であるCPU106によりRAM110の一時記憶機能を利用しつつROM108に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムを備えており、前記複数の通信カラオケ装置12や携帯電話機18へのコンテンツ配信等の通信制御を実行する。また、CRTコントローラ112により制御されるCRT(Cathode-ray Tube)等の映像表示装置114と、インターフェイス116を介して接続されるキーボード等の入力装置118と、上記CPU106を前記通信回線14に接続するための装置であるモデム120と、ハードディスク等の記憶装置122とを、備えて構成されている。
上記記憶装置122には、前記通信カラオケ装置12や携帯電話機18に配信するための前記カラオケ情報を記憶するカラオケデータベース124と、前記通信カラオケ装置12等の演奏評価手段132、140による評価結果を記憶する演奏評価データベース126とが設けられている。この評価結果は、好適には、カラオケ演奏を行った利用者のID等の識別情報及びカラオケ演奏曲の選曲番号と関連付けられて上記演奏評価データベース126に記憶される。上記演奏評価データベース126は、例えば、利用者のID等により識別される利用者毎に個別の記憶領域を有するものであり、斯かる記憶領域にカラオケ演奏曲毎に評価結果を記憶できるように構成されている。
図6は、前記通信カラオケ装置12のCPU40、携帯電話機18の制御部82、及びセンタ装置16のCPU106に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図6に示す演奏手段128、歌詞文字映像表示手段130、演奏評価手段132、及び評価反映映像表示手段134は、前記通信カラオケ装置12のCPU40に機能的に備えられたものである。また、演奏手段136、歌詞文字映像表示手段138、演奏評価手段140、及び評価反映映像表示手段142は、前記携帯電話機18の制御部82に機能的に備えられたものである。
演奏手段128、136は、前記カラオケデータベース55、102に記憶されたカラオケ情報の演奏情報に基づいて所定の音楽情報(演奏音)を出力させる。具体的には、前記通信カラオケ装置12の演奏手段128は、前記カラオケデータベース55に記憶されたカラオケ情報の演奏情報を読み出して前記シンセサイザ54に送り、そのシンセサイザ54により楽器の演奏信号等の音楽信号を生成させ、前記スピーカ34を介して出力させる。また、前記携帯電話機18の演奏手段136は、前記カラオケデータベース102に記憶されたカラオケ情報の演奏情報を読み出して前記メロディ発生器104に送り、そのメロディ発生器104により楽器の演奏信号等の音楽信号を生成させ、前記スピーカ96を介して出力させる。
歌詞文字映像表示手段130、138は、前記カラオケデータベース55、102に記憶されたカラオケ情報の歌詞情報に基づいて所定の歌詞文字映像(歌詞テロップ)を表示させる。例えば、カラオケ演奏曲における所定のフレーズ(歌詞における意味上の区切りや旋律に応じた区分単位)毎に歌詞文字映像を表示させ、その歌詞文字映像を随時色変わりさせる。具体的には、前記通信カラオケ装置12の歌詞文字映像表示手段130は、前記カラオケデータベース55に記憶されたカラオケ情報の歌詞情報を読み出し、その歌詞情報に対応する歌詞文字映像を生成して前記CRTコントローラ50に送り、そのCRTコントローラ50により前記ビデオミキサ30等を介して前記映像表示装置26に表示させる。この際、対象であるカラオケ演奏曲に対応する背景映像情報が読み出され、前記映像情報デコーダ28により再生されて上記歌詞文字映像の背景側レイヤーに合成される。また、前記携帯電話機18の歌詞文字映像表示手段138は、前記カラオケデータベース102に記憶されたカラオケ情報の歌詞情報を読み出し、その歌詞情報に対応する歌詞文字映像を生成して前記表示部80に表示させる。この際、対象であるカラオケ演奏曲に対応する背景映像情報が読み出され、図示しない映像情報デコーダにより再生されて上記歌詞文字映像の背景側レイヤーに合成される。
演奏評価手段132、140は、前記演奏手段128、136によるカラオケ演奏曲の出力に伴って入力される音声情報に応じてカラオケ演奏の評価を行う。具体的には、前記通信カラオケ装置12の演奏評価手段132は、カラオケ演奏曲の出力に伴って音声入力装置である前記マイクロフォン36から入力される利用者の音声に応じてその利用者によるカラオケ演奏の内容を評価する。例えば、前記マイクロフォン36により入力されて前記A/Dコンバータ37によりディジタル信号に変換された音声情報と、前記シンセサイザ54により出力される音楽情報とを比較し、メロディなどの基本音程と入力される音声から抽出される音程との相対的なずれやその音声の絶対的な声量などを基準として採点を行う。また、前記携帯電話機18の演奏評価手段140は、カラオケ演奏曲の出力に伴って音声入力装置である前記マイクロフォン98、アナログフロントエンド94、及び音声コーディック部92等を介して入力される利用者の音声に応じて上記と同様にその利用者によるカラオケ演奏の内容を評価する。なお、図6では、前記通信カラオケ装置12、携帯電話機18共に演奏評価手段132、140を備えているが、少なくとも通信カラオケ装置12が演奏評価手段132を備えていればよく、前記携帯電話機18は必ずしも演奏評価手段140を備えていなくともよい。
図7は、上記演奏評価手段132、140による評価結果を例示する図である。上記演奏評価手段132、140は、好適には、対象となるカラオケ演奏曲における所定のフレーズ毎に前記評価を行う。これにより、例えば、図7に示すように、歌詞F1「気がついたら」のフレーズ「1001」に関して「GOOD(75)」、フレーズ「1105」に関して「NG(40)」、フレーズ「1107」に関して「GOOD(65)」の評価結果がそれぞれ与えられ、その歌詞F1に関する小計として「GOOD(60)」の小括評価が与えられる。また、歌詞F2「心の中やさしい」のフレーズ「1001」に関して「NG(30)」、フレーズ「1105」に関して「NG(40)」、フレーズ「1107」に関して「GOOD(65)」の評価結果がそれぞれ与えられ、その歌詞F2に関する小計として「NG(45)」の小括評価が与えられる。そして、上記演奏評価手段132、140による評価結果は、カラオケ演奏を行った利用者のID及びカラオケ演奏曲の選曲番号と関連付けられ、前記通信回線14を介して適宜前記センタ装置16に送られてそのセンタ装置16の記憶装置122に設けられた演奏評価データベース126に各利用者毎に、更には各カラオケ演奏曲毎に記憶される。ここで、上記演奏評価手段132、140による評価結果は共通の形式で作成されるものであり、以下に詳述する評価反映映像表示手段134、142は、前記通信カラオケ装置12による評価結果であると前記携帯電話機18による評価結果であるとを問わず、上記演奏評価データベース126に記憶された評価結果に基づいて表示を行うことができる。
評価反映映像表示手段134、142は、前記演奏評価手段132、140による評価結果を反映する所定の評価反映映像を表示させる。具体的には、前記通信カラオケ装置12の評価反映英映像表示手段134は、前記センタ装置16の記憶装置122に設けられた演奏評価データベース126におけるカラオケ演奏を行っている利用者に対応する記憶領域から、演奏されているカラオケ演奏曲に対応する評価結果を読み出して前記RAM44に記憶し、その評価結果を随時読み出して、例えば上記演奏評価手段132、140による評価結果が比較的低かった部分を指摘する映像を生成して前記CRTコントローラ50に送り、そのCRTコントローラ50により前記ビデオミキサ30等を介して前記歌詞文字映像と共に前記映像表示装置26に表示させる。また、前記携帯電話機18の評価反映映像表示手段142は、前記センタ装置16の記憶装置122に設けられた演奏評価データベース126におけるカラオケ演奏を行っている利用者に対応する記憶領域から、演奏されているカラオケ演奏曲に対応する評価結果を読み出して前記記憶部100に記憶し、その評価結果を随時読み出して、例えば上記演奏評価手段132、140による評価結果が比較的低かった部分を指摘する映像を生成して前記表示部80に表示させる。なお、図6では、前記通信カラオケ装置12、携帯電話機18共に評価反映映像表示手段134、142を備えているが、少なくとも携帯電話機18が評価反映映像表示手段142を備えていればよく、前記通信カラオケ装置12は必ずしも評価反映映像表示手段134を備えていなくともよい。
図8は、前記評価反映映像表示手段134により前記通信カラオケ装置12の映像表示装置26に表示される評価結果を反映した映像を例示する図であり、図9は、前記評価反映映像表示手段142により前記携帯電話機18の表示部80に表示される評価結果を反映した映像を例示する図である。これら図8及び図9は、図7に例示する評価結果を反映した映像であり、歌詞F2「心の中やさしい」に関して比較的低い評価結果である「NG(30)」を与えられたフレーズ「1001」に対応する歌詞「心」及び同じく比較的低い評価結果である「NG(40)」を与えられたフレーズ「1105」に対応する歌詞「の中」にアンダーラインが引かれ、その部分の歌唱に注意することを促す文字映像(テロップ)が表示されている。このように、前記評価反映映像表示手段134、142は、好適には、対象となるカラオケ演奏曲における所定のフレーズ毎に前記表示を行うものであり、更に好適には、前記演奏評価手段132、140による評価単位と同じ単位で前記表示を行うものである。
図10は、前記通信カラオケ装置12のCPU40によるカラオケ演奏制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、このフローチャートでは、前記評価反映映像表示手段134による表示を行わない態様を説明するが、後述する図11に示すのと同様の制御により、前記通信カラオケ装置12においても評価結果を反映する映像の表示を行い得ることは前記の通りである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記電子早見本装置62等を用いて利用者の識別情報である顧客IDが入力されたか否かが判断される。このSA1の判断が否定されるうちは、SA1の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、入力された顧客IDが前記RAM44に記憶される。次に、SA3において、前記電子早見本装置62等を用いた所定の入力操作に応じて所定の演奏曲のカラオケ演奏が開始されたか否かが判断される。このSA3の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA3の判断が肯定される場合には、SA4において、カラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等に基づいてカラオケ演奏制御が行われる。次に、前記演奏評価手段132の動作に対応するSA5において、前記マイクロフォン36により入力されて前記A/Dコンバータ37によりディジタル信号に変換された音声情報と、前記シンセサイザ54により出力される音楽情報とがフレーズ毎に比較され、メロディなどの基本音程と入力される音声から抽出される音程との相対的なずれやその音声の絶対的な声量などを基準として演奏評価が実行される。次に、SA6において、カラオケ演奏曲の全フレーズの演奏が終了したか否かが判断される。このSA6の判断が否定される場合には、SA4以下の処理が再び実行されるが、SA6の判断が肯定される場合には、SA7において、カラオケ演奏が終了させられる。次に、SA8において、SA5にて評価された評価結果がカラオケ演奏を行った利用者のID及びカラオケ演奏曲の選曲番号と関連付けられて前記ハードディスク46等に一時的に記憶される。次に、SA9において、前記センタ装置16との情報通信タイミングであるか否かが判断される。このSA9の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA9の判断が肯定される場合には、SA10において、SA8にて前記ハードディスク46等に記憶された評価結果が読み出され、前記通信回線14を介して前記センタ装置16に送られ、そのセンタ装置16の記憶装置122に設けられた演奏評価データベース124に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA3、SA4、SA6、及びSA7が前記演奏手段128及び歌詞文字映像表示手段130の動作に対応する。
図11は、前記携帯電話機18の制御部82によるカラオケ演奏制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、このフローチャートでは、前記演奏評価手段140による評価を行わない態様を説明するが、前述した図10に示すのと同様の制御により、前記携帯電話機18においてもカラオケ演奏の評価を行い得ることは前記の通りである。
先ず、SB1において、前記操作部64による所定の操作に応じて所定の演奏曲のカラオケ演奏が開始されたか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、前記センタ装置16の記憶装置122に設けられた演奏評価データベース126にアクセスが行われ、前記携帯電話機18の電話番号或いはuid等を識別情報として、その識別情報に対応する(すなわちカラオケ演奏を行っている利用者に対応する)記憶領域から、演奏されているカラオケ演奏曲に対応する評価結果が読み出されて前記記憶部100に記憶される。次に、SB3において、カラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等に基づいてカラオケ演奏制御が行われる。次に、前記評価反映映像表示手段142の動作に対応するSB4において、SB2にて読み出された評価結果を反映して、評価結果が比較的低かった部分を指摘する映像が生成されて前記表示部80に表示される。次に、SB5において、カラオケ演奏曲の全フレーズの演奏が終了したか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB2以下の処理が再び実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、SB6において、カラオケ演奏が終了させられた後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB1、SB3、SB5、及びSB6が前記演奏手段136及び歌詞文字映像表示手段138の動作に対応する。
このように、本実施例によれば、前記通信カラオケ装置12は、入力される音声情報に応じてカラオケ演奏の評価を行う演奏評価手段128(SA5)を有するものであり、前記携帯電話機18は、その演奏評価手段128による評価結果を反映する所定の評価反映映像を表示させる評価反映映像表示手段142(SB4)を有するものであることから、前記携帯電話機18を用いたカラオケ演奏において、前記通信カラオケ装置12を用いてカラオケ演奏を行った際の演奏評価結果を参照しつつ歌唱することができ、効果的な歌唱技能の向上が期待できる。すなわち、利用価値の高い新たな演奏評価機能を備えた通信カラオケシステム10を提供することができる。
また、前記携帯電話機18は、入力される音声情報に応じてカラオケ演奏の評価を行う演奏評価手段136を有するものであり、前記評価反映映像表示手段142は、その演奏評価手段136による評価結果に基づいて前記表示を行い得るものであるため、前記通信カラオケ装置12を用いてカラオケ演奏を行った際の演奏評価結果のみならず、前記携帯電話機18を用いてカラオケ演奏を行った際の演奏評価結果をも参照しつつ歌唱することができ、更に効果的な歌唱技能の向上が期待できる。
また、前記通信カラオケ装置12は、そのカラオケ装置12の演奏評価手段128又は携帯電話機18の演奏評価手段136による評価結果を反映する所定の評価反映映像を表示させる評価反映映像表示手段134を有するものであるため、前記携帯電話機18を用いたカラオケ演奏のみならず、前記通信カラオケ装置12を用いたカラオケ演奏においても前記演奏評価結果を参照しつつ歌唱することができ、更に効果的な歌唱技能の向上が期待できる。
また、前記センタ装置16は、前記演奏評価手段132、140による評価結果を記憶する記憶装置122を有するものであり、前記評価反映映像表示手段134、142は、その記憶装置122から読み出される評価結果に基づいて前記表示を行うものであるため、実用的な態様で前記通信カラオケシステム10を実現できるという利点がある。
また、前記演奏評価手段132、140は、対象となるカラオケ演奏曲における所定のフレーズ毎に前記評価を行うものであるため、所定のカラオケ演奏曲の中で上手く歌唱できる部分と不得意な部分とを浮き彫りにすることができ、更に効果的な歌唱技能の向上が期待できる。
また、前記評価反映映像表示手段134、142は、対象となるカラオケ演奏曲における所定のフレーズ毎に前記表示を行うものであるため、所定のカラオケ演奏曲の中で上手く歌唱できる部分と不得意な部分とを明確に認識することができ、更に効果的な歌唱技能の向上が期待できる。
また、前記記憶装置122は、前記演奏評価手段132、140による評価結果を利用者の識別情報と関連付けて記憶するものであるため、個別に記憶された評価結果に基づいて利用者毎に前記評価反映映像を表示させる、実用的な通信カラオケシステム10を実現できる。
また、前記評価反映映像表示手段134、142は、前記記憶装置122から読み出される利用者の識別情報と関連付けられた評価結果に基づいて前記表示を行うものであるため、個別に記憶された評価結果に基づいて利用者毎に前記評価反映映像を表示させる、実用的な通信カラオケシステム10を実現できる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述した実施例において、前記通信カラオケ装置12は、カラオケボックス等に設置された据置式のカラオケ装置であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、家庭用テレビジョンに接続されて用いられるハンディカラオケ装置等に本発明が適用されても構わない。そのようにすれば、斯かるハンディカラオケ装置等を用いたカラオケ演奏においても前記演奏評価結果を参照しつつ歌唱することができ、更に効果的な歌唱技能の向上が期待できる。
また、前述した実施例において、前記通信カラオケ装置12におけるカラオケ演奏に用いられるカラオケ情報と、前記携帯電話機18におけるカラオケ演奏に用いられるカラオケ情報とを特に区別していないが、これらは共通の形式による互換性ある情報であってもよいし、互換性のない異なる形式による情報であっても構わない。
また、前述した実施例において、前記評価結果を記憶する記憶装置122は前記センタ装置16に設けられていたが、そのセンタ装置16とは異なるデータベースサーバを設け、そのデータベースサーバに前記評価結果を記憶してもよい。また、前記通信カラオケ装置12のハードディスク46に前記評価結果を記憶しても構わない。
また、前述した実施例において、前記評価反映映像表示手段134、142は、評価結果が比較的低かった部分を指摘する映像を表示させるものであったが、斯かる映像と共に評価結果が比較的高かった部分を指摘する映像を表示させてもよい。また、採点結果を棒グラフ化して各フレーズに対応させて表示させるなど、様々な表示の態様が考えられる。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。