JP4383756B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関内への燃料の噴射のための燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁及び燃料分配管路を備えており、燃料分配管路が、各燃料噴射弁に対して該燃料噴射弁の流入区分に結合可能な1つの供給部を有しており、この場合に燃料分配管路の供給部と燃料噴射弁の流入区分との間の結合部が、分配接続管片の中央の流入孔内に挿入可能な案内区分を有していてかつシール部材によってシールされており、案内区分が段部を有しており、流入孔内に挿入された保持部材が、案内区分によって取り囲まれており、かつ保持部材の肩部が案内区分の段部を分配接続管片の面に押圧している形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19735665A1号明細書により、内燃機関の少なくとも1つの燃焼室内へ燃料を直接に噴射するための燃料噴射装置が公知である。該燃料噴射装置は各燃焼室に対してそれぞれ1つの燃料噴射弁を有しており、該燃料噴射弁が噴射区分で以て、内燃機関のシリンダヘッドに形成された所属の受容孔内に挿入されるようになっていて、かつ流入区分に燃料入口を有している。さらに該燃料噴射装置は燃料分配管路(燃料分配導管)を有しており、燃料分配管路が各燃料噴射弁に対して該燃料噴射弁の燃料入口に接続可能なそれぞれ1つの燃料供給部を有している。各燃料噴射弁の燃料入口と、これに対応して配置された燃料供給部との間に、管状の中間部材を配置してあり、該中間部材が、対応する燃料噴射弁の燃料入口及び燃料分配管路の燃料供給部に密接に、かつ規定された限度内で運動可能に結合されるようになっている。該燃料噴射装置では管状の中間部材の案内区分が、燃料分配管路の燃料供給部の分配接続管片内に差しはめられている。クリップが、管状の中間部材の相対する少なくとも2つの側で該中間部材の外周に係合して、燃料分配管路の燃料供給部に結合されている。該クリップによって、取り外しの際に管状の中間部材の紛失が防止されるようになっている。
【0003】
前述の公知技術においては欠点として、クリップが、管状の中間部材の案内区分を燃料供給路の分配接続管片内に差しはめた後に別個に組付けられなければならない。さらに欠点として、管状の中間部材の外周に係合する該構成部分は、付加的な組込みスペースを必要とするものである。さらに該公知技術の手段では、管状の中間部材を介して押し付け力を伝達することが不可能である。
【0004】
【特許文献1】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19735665A1号明細書
【0005】
【発明の効果】
請求項1又は請求項5に記載の本発明に基づく構成によって前述の公知技術に対して利点として、燃料噴射装置の構成部分の紛失防止が、組込み容積の増大なしに可能である。さらに、この紛失防止手段を別個に組付ける必要がない。
【0006】
従属請求項に記載の手段により、請求項1及び請求項5に記載の燃料噴射装置の有利な改善及び実施態様が可能である。
【0007】
保持部材がプレスばめ(圧入)によって流入孔内へはめ込まれていてよい。有利には保持部材がねじ山を介して流入孔内にはめ込まれている。特に段部と分配接続管片の面との間にシール部材(シール手段)を配置すると、シール面に対する応力が容易に形成され、かつ分配接続管片内での案内区分の確実なシールが達成される。
【0008】
保持部材が中央の燃料流入孔を有していてよい。該燃料流入孔を通して燃料供給を行う場合には、該燃料流入孔の直径を適切に選ぶことによって所望の絞り作用が得られる。
【0009】
請求項5に記載の燃料噴射装置の有利な実施態様では、案内区分のエンボス加工成形部が分配接続管片の成形部、例えば凹設部若しくは凸設部内に形状接続的に、即ち形状による束縛(拘束)を伴って係合している。
【0010】
エンボス加工成形部が、案内区分の材料の固有弾性に基づき分配接続管片に弾性的に圧着されていて、従って案内区分を摩擦接続的に、即ち摩擦力による束縛(拘束)で分配接続管片内に保持している。このような手段は、差し込みによる迅速な組付けを可能にする。
【0011】
案内区分が中間部材に形成されていてよく、該中間部材が誤差補償のために燃料分配導管の供給部と燃料噴射弁の流入区分との間に配置されている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に基づく燃料噴射装置の一部分の断面図である。該部分は、燃料分配管路及び該燃料分配管路に結合された燃料噴射弁の領域内の結合部1である。案内区分2が分配接続管片3内に挿入されている。保持部材4が肩部5で以て案内区分2の段部6を分配接続管片3の面7に圧着している。段部6が案内区分2の足部端部9の縁曲げ部8として形成されている。案内区分2の足部端部9の縁曲げ部8と分配接続管片3の面7との間に、シール部材10が配置されている。保持部材4がピン状部分11で以て分配接続管片3の中央の流入孔12内に挿入されている。ピン状部分11がプレスばめによって流入孔12内に差し込まれており、従って保持部材4が摩擦接続的に保持されている。保持部材4がさらに中央の燃料流入孔13を有している。
【0013】
組付けに際して、保持部材4のピン状部分11が流入孔12内に深く押し込まれて、シール部材10への十分に大きな面圧が生ぜしめられ、これによって分配接続管片3と案内区分2との間の確実なシール(密閉)が達成される。さらに、案内区分2、ひいては該案内区分に結合されている構成部分、例えば中間部材若しくは製作誤差補償部材が、分配接続管片3の組み込み若しくは取り外しに際して紛失を防止されている。
【0014】
図2は、本発明に基づく燃料噴射装置の別の実施例の結合部1の断面図である。互いに同じ機能を有する構成部分には、同じ符号が付けてある。該実施例では保持部材4のピン状部分11が、図1の実施例と異なってねじ山14を有している。保持部材4のねじ山14が分配接続管片3の流入孔12内にねじ込まれている。これによって、保持部材4の肩部5が案内区分2の段部6を押圧しており、該段部が図1の段部6と異なって案内区分2の頭部端部15に配置されている。案内区分の段部6が、例えばシールリングとして形成されたシール部材10を押圧し、即ちシール部材を介して分配接続管片3の面7に支持されている。
【0015】
選択的に、段部6の、図1に示す配置とピン状部分11に設けられたねじ山14とを組み合わせることも可能である。
【0016】
図2に示す実施例(ねじ山)によって、特に、シール部材に対して有効なシールにとって必要な面圧が正確に調整できる。
【0017】
図3は本発明に基づく燃料噴射装置のさらに別の実施形の結合部1の断面図である。互いに同じ機能を有する構成部分には、やはり同じ符が付けてある。案内区分2が分配接続管片3内に挿入されていて、案内区分2の足部端部9に溝16を有しており、該溝16内にシールリング17が支持リング18と一緒にはめ込まれている。シールリング17が案内区分2を分配接続管片3に対してシールしている。図3には、本発明の互いにわずかに異なる2つの実施例が示してある。図面の左側の実施例では足端部9が分配接続管片3に当接していて、従って、軸方向の押し付け力若しくは押圧力を伝達できるようになっている。図面の右側に示す実施例では、案内区分2の頭部端部15が支持面19を有しており、該支持面が分配接続管片3に支持されていて、同じく軸方向の押し付け力若しくは押圧力を伝達できるようになっている。左側の実施例は、半径方向内側へ突出成形されたエンボス加工成形部20aを有しており、該エンボス加工成形部が、分配接続管片3の対応する成形部(凸設部)に係合している。右側の実施例は、選択的に半径方向外側へ突出成形されたエンボス加工成形部20bを有しており、該エンボス加工成形部が同様に分配接続管片3の成形部(凹設部)内に係合している。
【0018】
エンボス加工成形部20a,20bによって、案内区分2に接続していて該案内区分に一体成形された構成部分が、分配接続管片3の取り外しの際の該構成部分の紛失を防止されており、それというのは前記案内区分2、ひいては該案内区分に一体成形された構成部分が、前記分配接続管片からの軸方向の滑り落ちを阻止されているからである。
【0019】
図4は本発明に基づく燃料噴射装置の結合部のさらに別の実施例の断面図である。案内区分2の足部端部9に溝16を設けてあり、該溝内にシールリング17が支持リング18と一緒にはめ込まれている。案内区分2が分配接続管片3内に挿入されて、シールリング17によって分配接続管片3に対してシールされる。該実施例では、半径方向外側へ向けて形成されたエンボス加工成形部20cが周方向の一部分にわたってのみ、即ち全周にわたってではなく部分的に設けられていて、案内区分2自体の材料の弾力性に基づき弾性的に分配接続管片3に圧着されている。
【0020】
ばね弾性的なエンボス加工成形部20cから分配接続管片3に対して生ぜしめられる締付け力によって、分配接続管片3からの案内区分2の滑り落ちが防止される。案内区分2の足部端部9が分配接続管片3に当接しているので、軸方向の強い押圧力、即ち押さえ止め力が燃料噴射弁(図示せず)へ伝達され得る。
【0021】
図示の実施例によって、本発明は、分配接続管片3を燃料分配管路の側に配置した構成に限定されるものではない。分配接続管片3が燃料噴射弁側の中間部材に配置され、若しくは燃料噴射弁自体に配置され、かつ案内区分2が燃料分配導管の側に配置されてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく燃料噴射装置の結合部の実施例の断面図。
【図2】本発明に基づく燃料噴射装置の結合部の別の実施例の断面図。
【図3】本発明に基づく燃料噴射装置の結合部のさらに別の2つの実施例の断面図。
【図4】本発明に基づく燃料噴射装置の結合部のさらに別の実施例の断面図。
【符号の説明】
1 結合部、 2 案内区分、 3 分配接続管片、 4 保持部材、 5 肩部、 6 段部、 7 面、 8 縁曲げ部、 9 足部端部、 10 シール部材、 11 ピン状部分、 12 流入孔、 13 燃料流入孔、 14 ねじ山、 15 頭部端部、 16 溝、 17 シールリング、 18 支持リング、 19 支持面、 20a,20b,20c エンボス加工成形部
Claims (8)
- 内燃機関内への燃料の噴射のための燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁及び燃料分配管路を備えており、燃料分配管路が、燃料噴射弁に対して燃料噴射弁の流入区分に結合可能な供給部を有しており、この場合に燃料分配管路の供給部と燃料噴射弁の流入区分との間の結合部(1)が、分配接続管片(3)の中央の流入孔(12)内に挿入可能な案内区分(2)を有していてかつシール部材(10)によってシールされており、案内区分(2)が段部(6)を有しており、流入孔(12)内に挿入された保持部材(4)が、案内区分(2)によって取り囲まれており、かつ保持部材の肩部(5)が案内区分の段部(6)を分配接続管片(3)の面(7)に押圧している形式のものにおいて、保持部材(4)がプレスばめによって流入孔(12)にはめ込まれていることを特徴とする燃料噴射装置。
- 段部(6)が案内区分(2)の頭部端部(15)の縁曲げ部として成形されている請求項1記載の燃料噴射装置。
- 段部(6)が案内区分(2)の足部端部(9)に成形されている請求項1記載の燃料噴射装置。
- 保持部材(4)が中央の燃料流入孔(13)を有している請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料噴射装置。
- 内燃機関内への燃料の噴射のための燃料噴射装置であって、少なくとも1つの燃料噴射弁及び燃料分配管路を有しており、燃料分配管路が、燃料噴射弁に対して燃料噴射弁の流入区分に結合可能な供給部を有しており、この場合に燃料分配導管の供給部と燃料噴射弁の流入区分との間の結合部(1)が、分配接続管片(3)内に挿入可能な薄肉の案内区分(2)を有していてかつシール部材(17)によってシールされている形式のものにおいて、
案内区分(2)が周方向の少なくとも一部分にエンボス加工成形部(20a,20b,20c)を有しており、エンボス加工成形部が案内区分(2)を軸方向で分配接続管片(3)内に保持していることを特徴とする燃料噴射装置。 - 案内区分(2)のエンボス加工成形部(20a,20b,20c)が、分配接続管片(3)の成形部内に形状接続的に係合している請求項5記載の燃料噴射装置。
- エンボス加工成形部(20c)が分配接続管片(3)に弾性的に圧着されていて、案内区分(2)を摩擦接続的に保持している請求項5記載の燃料噴射装置。
- 案内区分(2)が、誤差補償のために燃料分配管路の供給部と燃料噴射弁の流入区分との間に配置された中間部材に形成されている請求項1から7までのいずれか1項記載の燃料噴射装置。
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