JP4383397B2 - 潤滑構造及び変速機構 - Google Patents
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Description
近来、出願人らは、特許文献1において、過酷な走行条件においてもピニオンシャフトに摩耗が発生しない自動変速機の潤滑構造を提案している。
この特許文献1に開示の技術では、プラネタリギヤP1に備えられるピニオンシャフトの摩耗が問題とされる。この問題を解決するために、プラネタリギヤP1のキャリアCR1に第1の油孔63を、ピニオンシャフト64に第2の油孔66を設け、さらに、ピニオンシャフト64内に設けられた油孔66からその外周に接続する第3の油孔67を設ける。そして、この第3の油孔67の周方向位置を、ピニオンシャフト64の支持構造等に関係するニードルローラへの負荷状態を考慮して周方向で適切な位相位置に設定することで、良好な潤滑状態を達成する(図2)。
開示の技術では、ピニオンシャフトとピニオンとの間には、複数のニードルローラ及び保持器からなるベアリングが備えられるが、前記第3の油孔67は、ピニオンシャフトの軸方向で、そのほぼ中央位置に単一設けられる。また、ピニオンシャフトの軸方向で中央位置における保持器の断面形状は、ピニオンシャフトに近接されている(図1)。
この文献2に開示の技術にあっては、入力回転は、変速後、第3プラネタリギヤ5の、出力軸105と一体構成されているキャリアCR3の回転として、出力が取り出される。ここで、この第3プラネタリギヤに備えられるピニオンの回転数は5000rpm以上となる場合がある。
リングギヤと、サンギヤと、前記リングギヤとサンギヤ間に配設され、リングギヤ及びサンギヤとともにプラネタリ機構を構成するピニオンと、キャリアに固定されたピニオンシャフトと、該ピニオンシャフトの外周とピニオンの内周間に配設され、ピニオンを回転自在に支持するローラ及び前記ローラを保持する保持器とからなるベアリングを備え、前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記保持器とピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造の第一の特徴構成は、
前記ピニオンシャフトの軸方向に、前記ベアリングを複数備え、
前記保持器が、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有し、
前記導出油孔が、前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに開口されていることにある。
さらに本願にあっては、導出油孔からピニオンシャフトとピニオンとの間に形成される空間であって、保持器がピニオン側に位置している部位(本願においてポケットと呼んでいる)に潤滑油が供給される。結果、ピニオンシャフト、ローラ及び保持器、さらにピニオン外へ、ピニオンの公転及び自転により導かれる潤滑油の油量を従来より多くすることが可能となり、良好な潤滑を実現できる。
即ち、リングギヤとサンギヤ間に配設され、前記リングギヤとサンギヤとともにプラネタリ機構を構成するピニオンと、キャリアに固定されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの外周とピニオンの内周間に配設され、ピニオンを回転自在に支持するローラ及び前記ローラを保持する保持器とからなるベアリングを備え、前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記ピニオンとピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造の第二の特徴構成は、
前記ベアリングの前記保持器は、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有するとともに、ピニオンシャフトの軸方向において異なる位置に前記シャフト離間部を複数有し、前記複数のシャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成される複数のポケットにそれぞれ開口する前記導出油孔を設けることにある。
このような保持器構造を採用することにより、ピニオンシャフト、ピニオン間におけるローラの位置保持を従来通り適切に行いながら、導入・導出される潤滑油の量を増加させて、高速回転に対応することができる。
この構成の場合、ローラ及び保持器が、軸方向で複数に設けられることとなるが、異なった保持器に対して、それぞれ、中央側に位置するポケットに潤滑油をスムーズに導入することができる。
また、軸方向中央側とすることで、例えば一対とした場合、導出油孔から導出される油量のバランスがとれ、さらに、ピニオンの中央側から両端側への潤滑油の流れを形成して、ピニオンシャフト周り、ローラ部等を充分に潤滑できる。
本願が対象とするようなプラネタリギヤにあっては、キャリアを介して出力回転を得る場合もあり、ピニオンシャフトは片持ち構造となるとともに、ギヤの使用条件に従って、ピニオン内に収納されるローラへの負荷分布も変わってくる。そして、本願の場合、ピニオンシャフトの軸方向の異なる位置に、その径方向に延びる導出油孔を設けることとなる。結果、潤滑に適した、潤滑油をローラに導き易い油孔の周方向での位置は、その軸方向位置に従って異なることとなる。そこで、先に説明したように周方向位置を異ならせることで、良好な潤滑を実現できることとなる。この位置は、ピニオンの回転方向、ローラの負荷圏、非負荷圏との関係によって決まる。
これまで説明してきたように、本願における潤滑油の移動はピニオンの公転と自転に従ったものとなる。一方、ピニオンシャフトの軸方向においては、それぞれの導出油孔の位置が異なるため、これら導出油孔から導出される潤滑油の量的バランスを取る必要が生じる。よって、例えば、導入油孔に近い導出油孔に対して、遠い油孔の場合は、その孔径を大きく取る等することにより、油量のバランスを位置に応じて取ることができる。
このような構成の提案が、以下に説明する第三の特徴構成である。
前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記ピニオンとピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造の第三の特徴構成として、
前記ベアリングの前記保持器が、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有し、
前記導出油孔を構成するに、油路中心が前記シャフト近接部に向けられ、油路壁側部位が前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに向けられているものとする。
また、保持器の軸方向の断面形状において、シャフト近接部とシャフト離間部とをつなぐリブによって、保持器の強度が高まり、ピニオンの回転数が比較的高回転でも、ピニオンを支持することができる。
前記ピニオンシャフトの軸方向において、前記ベアリングを隣接して複数備え、隣接される前記保持器の前記両端部位に前記導出油孔の油路中心が向けられていることが好ましい。
導出油孔の口径を、前記両端部位のピニオンシャフトの軸方向における厚みに対して、2.6〜5.2倍とすることで、例えば、導出油孔の油路中心が隣接する両端部位間に向けられた状態でも、必ず保持器両端部を導出油孔がまたぐことで、良好な潤滑に寄与できる。ここで、2.6より小さいと、潤滑油量の増加はえられるものの、その効果が限定されたものとなることがある。一方、5.2より大きくしてもさらなる潤滑油量の増加を期待し難い。
説明に際しては、まず、本願に係る潤滑構造が採用される自動変速機の全体構成の概略を説明するとともに、導出油孔の全体がポケットに向けて開口している主実施形態を説明し、次に別実施形態としての、導出油孔の油路壁側部位がポケットに向けられて開口している実施形態に関して主に説明する。
図1に示すように、自動変速機1は、トルクコンバータTCと、3個のプラネタリギヤ(第1プラネタリギヤPG1,第2プラネタリギヤPG2,第3プラネタリギヤPG3)を有する多段変速機構2とを備えており、これらトルクコンバータTC及び多段変速機構2が1軸上に直列的に配置されている。そして、その全体がコンバータハウジングCH及びミッションケースMCからなる一体ケーシング3に収納されている。
クラッチ部CPには、3個のクラッチ、すなわち第1クラッチC1,第2クラッチC2,第3クラッチC3が、これらの油圧アクチュエータ(図示省略)とともにまとめて配置されている。
これら3個のクラッチのうち第2,第3クラッチC2,C3は、外径側において第2クラッチC2が前面側に、また第3クラッチC3がその背面側に配置されている。すなわち、第2,第3クラッチC2,C3は、外径側において第2クラッチC2の背面側と第3クラッチC3の前面側とが対面するように、軸方向に略々整列されて配置されている。
これら第2,第3クラッチC2,C3の内径側に第1クラッチC1が配置されている。
自動変速機構1の多段変速状態の概略を、その作動表である図2及び同じく速度線図である図3に沿って説明する。
結果、第3ワンウェイクラッチF3の作動に基づき停止状態にあるリングギヤR3により、図2の速度線図において、線図L1に示す状態となり、出力軸Oが接続されたキャリアCR3からは、正回転の1速が取り出される。なお、第2プラネタリギヤPG2は、サンギヤS2が回転するが、空転状態となっている。
この状態では、入力軸Iの回転は、第2クラッチC2を介してリヤギヤユニットRGUである第2プラネタリギヤPG2のキャリアCR2及び第3プラネタリギヤPG3のリングギヤR3に入力される。一方、リングギヤR2が第2ブレーキB2により係止されているので、上述のキャリアCR2の回転により、サンギヤS2,S3が上述の5速のときよりも高速で正回転する。上述のリングギヤR3の回転とこのサンギヤS3の高速回転とにより、キャリアCR3から出力軸Oには、5速よりもさらに高速の6速回転が取り出される。
この6速は、図3の速度線図のL7に対応する。この際、第1,第3ブレーキB1,B3は、図2に示すように、解放状態となっているので、何ら変速に関与しない。また、第3クラッチC3は係合状態を維持するが、第2ワンウェイクラッチF2の作動が解除されており、また第1プラネタリギヤPG1のキャリアCR1がフリー状態となっているので、変速には何等寄与しない。
図2に示すパーキング(P)、ニュートラル(N)及び逆転状態(REV)に関しては、説明を省略する。図3において、REVは逆転速度を示している。
以下、本願の潤滑構造が好適に適応されている第3プラネタリギヤPG3のピニオンP3周りの構成に関して、詳細に説明する。
出力軸Oは、中間軸Mの後端突出部Maと出力軸Oの前端中空部Oaとが嵌合して回転自在にかつ軸方向移動不能に支持されている。なお、中間軸Mは、その両端部位をそれぞれ入力軸I及び出力軸Oを介してミッションケースMCに間接支持されており、入力軸I及び出力軸Oは、ミッションケースMCに支持されている(図示省略)。
さらに、ピニオンシャフトps内には、その軸方向に穿たれた軸方向油孔haを設け、軸方向油孔haから径方向に、本願にいう導出油孔hoが設けられている。従って、これらの油孔h1,h2,hi,ha,hoを介して、回転に伴って発生する遠心力により、潤滑油がニードルローラn、保持器r側へ導かれる。
図5に示されるように、保持器rは、ピニオンシャフトpsの径方向の断面形状がM型形状とされ、ピニオンシャフトpsの軸方向において、シャフト近接部rnが両端部位e及び中央部位mに設けられ、シャフト離間部rrが前記両端部位eと前記中央部位mとの間に設けられる構造が採用されている。シャフト離間部rr及び、これらシャフト離間部rr間に設けられる中央側のシャフト近接部rnは、それぞれ、シャフト軸方向に平行に延びる一定幅の部位として構成されている。従って、シャフト離間部rrと、ピニオンシャフトpsの表面との間には、一定の容量の空間であるポケットpが形成されている。本願構造にあっては、このポケットpに向けて、潤滑油が流れ込むこととなる。
即ち、ピニオンシャフトpsの片持ち構造、伝導トルク、回転数等を考慮すると、シャフトps周りで、どの位相に位置するニードルローラnに負荷が掛かるかが判明する。そこで、負荷圏と非負荷圏とのほぼ境界に導出油孔ho1,ho2が設けられている。図6(ロ)には、導出油孔ho2に関して、実線で、その負荷圏と非負荷圏とを示している。
従って、本願構成のように、出力軸O側から異なった距離にある導出油孔ho1,ho2の配置構成にあっては、出力軸O側に位置する導出油孔ho1、ho2の位相が、図4の上下方向である図6(ロ)にVで示す方向から,反時計周り(キャリアのDレンジ回転方向に対して逆方向)に、夫々、90±3度、40±3度と、異ならせてある。このようにすることで、導出油孔ho1,ho2の軸方向開口位置に対応した好ましい潤滑が実行できる。
この実施形態にあっては、導出油孔ho1,ho2の径はそれぞれ同一とされている。
本願の別実施の形態に関して、以下説明する。
(1) 以上説明した構成は、本願にいうポケットに向けて導出油孔を設ける例であるが、先に説明したように、導出油孔hoの一部が前記ポケットに接続して開口している構成としてもよい。
図7に示す別実施の形態は、その代表例であり、導出油孔hoの油路中心hocは、保持器rのシャフト近接部rnに向けられるものでありながら、その開口径を大きくすることで、油路hoの一部壁面側部位howが、ポケットpに開口している例である。
この例にあっては、ニードルローラnとこれを保持する保持器rとからなるケージローラベアリングを2列に備え、ピニオンシャフトpsの周方向に複数配設されるニードルローラnは、断面がM型をした保持器rに保持されている。
図示する例において、この保持器rは、2列のニードルローラnに対応して、それぞれ備えられており、そのシャフトpsに近接する近接部rnが両端部位e及び中央部位mに設けられ、そのシャフトpsから離間する離間部rrが両端部位eと中央部位mとの間に、一対形成されている。
この様な例を図7(ロ)に示した。この例は、軸方向に3配設されるローラn及び保持器rに対して、それぞれ隣接することとなる保持器rの隣接境界位置に油中心hocを備え、保持器rの両端部位eの厚みより大きな孔径を有する導出油孔hoを一対設けた例である。
この場合は、保持器rをこれまで説明してきたようにM型とする場合は、図8(イ)に示すように、ピニオンシャフトpsの軸方向において異なる位置に設けられたシャフト離間部rrに向けて、導出油孔ho3,ho4を設け、それぞれ潤滑油を導く構造を採用できる。
この構成の場合も、図8(ロ)に示すように、出力軸Oからの距離等に応じて、その周方向形成位相を異ならせることとなる。
さらに、この構成の場合は、導入油孔hiからのピニオン軸方向における離間距離が比較的大きくなるため、その距離に応じて、導出油孔ho3,ho4の径を異ならせることが、好ましい。
図8に示す例では、導入油孔hiに近接する導出油孔ho3を、導入油孔hiから離間する導出油孔ho4に対して小径としている。
2 多段変速機構
CR キャリア
PG プラネタリギヤ
P ピニオン
S サンギヤ
R リングギヤ
f1 中間軸内の油路
h1 第1油孔
h2 第2油孔
hi 導入油孔
ha 軸方向油孔
ho 導出油孔
n ニードルローラ
r 保持器
rn シャフト近接部
rr シャフト離間部
p ポケット
Claims (10)
- リングギヤとサンギヤ間に配設され、前記リングギヤとサンギヤとともにプラネタリ機構を構成するピニオンと、キャリアに固定されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの外周とピニオンの内周間に配設され、ピニオンを回転自在に支持するローラ及び前記ローラを保持する保持器とからなるベアリングを備え、前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記ピニオンとピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造であって、
前記ピニオンシャフトの軸方向に、前記ベアリングを複数備え、
前記保持器が、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有し、
前記導出油孔が、前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに開口されている潤滑構造。 - リングギヤとサンギヤ間に配設され、前記リングギヤとサンギヤとともにプラネタリ機構を構成するピニオンと、キャリアに固定されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの外周とピニオンの内周間に配設され、ピニオンを回転自在に支持するローラ及び前記ローラを保持する保持器とからなるベアリングを備え、前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記ピニオンとピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造であって、
前記ベアリングの前記保持器は、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有するとともに、ピニオンシャフトの軸方向において異なる位置に前記シャフト離間部を複数有し、
前記複数のシャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成される複数のポケットにそれぞれ開口する導出油孔が設けられている潤滑構造。 - 前記保持器のピニオンシャフト径方向の断面形状に関して、ピニオンシャフトの軸方向において、前記シャフト近接部が両端部位及び当該両端部位間の少なくとも一の中間部位に設けられ、前記シャフト離間部が前記両端部位と前記中間部位との間に設けられている請求項1又は2記載の潤滑構造。
- ピニオンシャフトの軸方向に複数備えられる各保持器のそれぞれについて、ピニオンシャフトの軸方向中央側に設けた前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに潤滑油を導く請求項1記載の潤滑構造。
- ピニオンシャフトの軸方向の異なる位置に設けた前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに潤滑油を供給する前記導出油孔を格別に備え、
ピニオンシャフトの周方向に関して、前記導出油孔の周方向位置が導出油孔間で異ならせてある請求項1〜4のいずれか1項記載の潤滑構造。 - ピニオンシャフト内に形成された油孔に前記潤滑油を導く導入油孔を備え、
前記導入油孔と前記導出油孔とのピニオンシャフト軸方向離間距離に従って、前記導出油孔の径を設定してある請求項1〜5のいずれか1項記載の潤滑構造。 - リングギヤとサンギヤ間に配設され、前記リングギヤとサンギヤとともにプラネタリ機構を構成するピニオンと、キャリアに固定されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの外周とピニオンの内周間に配設され、ピニオンを回転自在に支持するローラ及び前記ローラを保持する保持器とからなるベアリングを備え、前記ピニオンシャフト内から導出油孔を介して前記ピニオンとピニオンシャフトとの間に潤滑油を導く潤滑構造であって、
前記保持器が、前記ピニオンシャフト側に位置されるシャフト近接部と、前記ピニオンシャフトから離間して位置されるシャフト離間部とを有し、
前記導出油孔を構成するに、油路中心が前記シャフト近接部に向けられ、油路壁側部位が前記シャフト離間部と前記ピニオンシャフトの表面との間に形成されるポケットに向けられている潤滑構造。 - 前記保持器のピニオンシャフト径方向の断面形状に関して、ピニオンシャフトの軸方向において、前記シャフト近接部が少なくとも両端部位に設けられ、前記シャフト離間部が前記両端部位間に設けられる構成で、
前記ピニオンシャフトの軸方向に、前記ベアリングを隣接して複数備え、隣接される前記保持器の前記両端部位に前記導出油孔の油路中心が向けられている請求項7記載の潤滑構造。 - 前記導出油孔の口径を、前記両端部位のピニオンシャフトの軸方向における厚みに対して、2.6〜5.2倍の範囲内とする請求項8記載の潤滑構造。
- リングギヤ、サンギヤ及びピニオンを備えたプラネタリギヤを複数備え、入力回転を変速可能な変速機構であって、
請求項1から9のいずれか一項記載の潤滑構造を少なくとも1の前記プラネタリギヤに備えた変速機構。
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