JP4382588B2 - 可変動弁機構を有する内燃機関 - Google Patents

可変動弁機構を有する内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP4382588B2
JP4382588B2 JP2004186914A JP2004186914A JP4382588B2 JP 4382588 B2 JP4382588 B2 JP 4382588B2 JP 2004186914 A JP2004186914 A JP 2004186914A JP 2004186914 A JP2004186914 A JP 2004186914A JP 4382588 B2 JP4382588 B2 JP 4382588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
intake
internal combustion
combustion engine
throttle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004186914A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004301129A (ja
Inventor
誠人 小木曽
満 斉藤
功 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004186914A priority Critical patent/JP4382588B2/ja
Publication of JP2004301129A publication Critical patent/JP2004301129A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4382588B2 publication Critical patent/JP4382588B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02T10/146
    • Y02T10/18

Description

本発明は、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を任意に変更可能とする可変動弁機構を具備した内燃機関に関する。
近年、自動車等に搭載される内燃機関では、正味熱効率の向上、排気エミッションの向上、あるいは燃料消費量の低減等を目的として、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を任意に変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の開発が進められている。
可変動弁機構としては、例えば、電磁力によって開閉駆動される吸排気弁、いわゆる電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関が知られている。このような電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関では、機関出力軸の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要がないため、吸排気弁の駆動に起因した機械損失が防止される。更に、電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関では、吸排気弁の開弁時間及び開閉時期を任意に変更することが可能となるため、スロットル弁を用いることなく各気筒の吸入空気量を制御する、いわゆるノンスロットル運転制御を実現することが可能となり、その結果、スロットル弁に起因した内燃機関のポンプ損失を抑制することが可能となる。
ところで、ノンスロットル運転制御される内燃機関では、内燃機関のポンプ損失が殆ど発生しないため、車両の減速時に内燃機関の燃焼室が負圧とならず、エンジンブレーキの効きが弱くなるという問題がある。
これに対し、従来では、特許文献1に記載されたような内燃機関の制御方法が提案されている。この公報に記載された内燃機関の制御方法は、吸気弁及び排気弁が電磁駆動弁で構成され、それら電磁駆動弁を利用してノンスロットル運転制御される内燃機関において、内燃機関のポンプ損失を大きくすべく電磁駆動弁を制御することにより、内燃機関の気筒内に負圧を発生させ、以てエンジンブレーキの効きを強めようとするものである。
特開平10−331671号公報
内燃機関においてノンスロットル運転制御が実行されているときであっても、スロットル弁を閉弁方向に制御することが必要となる場合がある。しかしながら、ノンスロットル運転制御が実行されているときにスロットル弁が閉弁方向に制御されると、内燃機関のトルク変動を誘発する虞がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を任意に変更可能とする可変動弁機構を備えた内燃機関において、ノンスロットル運転制御が実行されているときにスロットル弁を閉弁方向に制御する場合における内燃機関のトルク変動を抑制することが出来る技術を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関は、内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を調整可能な可変動弁機構を有する内燃機関であって
前記内燃機関の吸気通路内を流れる吸気の流量を調節するスロットル弁と、前記内燃機関の運転状態が所定の運転領域にあるときはノンスロットル運転制御を実行するノンスロットル運転制御実行手段と、前記ノンスロットル運転制御実行手段によってノンスロットル運転制御が実行されているときに所定の条件が成立した場合に前記スロットル弁を該所定の条件に応じて定まる所定量閉弁させるスロットル弁制御手段と、前記スロットル弁制御手段が前記スロットル弁を前記所定量閉弁させるときに、その際に生じる前記内燃機関の吸入空気量の変化を抑制すべく前記可変動弁機構を制御する動弁機構制御手段と、を備えることを特徴とする。
このように構成された可変動弁機構を有する内燃機関では、ノンスロットル運転制御実行手段によってノンスロットル運転制御が実行されているときに所定条件が成立すると、スロットル弁制御手段はスロットル弁を該所定の条件に応じて定まる所定量だけ閉弁させるとともに、動弁機構制御手段は内燃機関の吸入空気量が変化しないように可変動弁機構を制御することになる。この場合、内燃機関の吸入空気量を変化させることがないため、内燃機関のトルク変動が発生することを抑制することが出来る
本発明においては、動弁機構制御手段によって可変動弁機構を制御するときは、内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の目標開閉時期およびまたは目標開弁量を所定量に基づいて設定してもよい。
これによれば、スロットル弁が所定量閉弁される場合は、内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量は、スロットル弁の開度変更に対応して、各気筒の吸入効率が高くなるように変更される。そのため、内燃機関の吸入空気量の変化を抑制することが出来る。
本発明において、内燃機関の吸気通路で発生する吸気管負圧を利用して作動する負圧機構をさらに備える場合、所定の条件は、負圧機構の作動に係る吸気管負圧を発生させるときであってもよい。
この場合、ノンスロットル運転制御実行手段によってノンスロットル運転制御が実行されているときであっても、内燃機関の吸入空気量を変化させることなく吸気管負圧を発生させることが可能となり、その結果、内燃機関のトルク変動等を防止しつつ負圧機構の作動に係る吸気管負圧を確保することが可能となる。
また、本発明に係る負圧機構としては、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を内燃機関の吸気通路へ還流させる蒸発燃料還流機構を例示することができる。この場合、所定条件は、蒸発燃料還流機構を作動させる必要が生じたときであってもよい。このように構成された可変動弁機構を有する内燃機関では、ノンスロットル運転制御が実行されているときであっても、蒸発燃料還流機構の作動に係る吸気管負圧を確保することが可能となる。更に、内燃機関の吸入空気量を変化させることなく、蒸発燃料還流機構の作動に係る吸気管負圧を確保することが可能となる。
また、本発明に係る可変動弁機構としては、電磁力を利用して吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構、油圧を利用して吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動する油圧駆動式動弁機構、クランクシャフトの回転力を利用して吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動するカムシャフトを備えた内燃機関においてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更する機械式の可変動弁機構、若しくは、上記した機構を適宜組み合わせてなる可変動弁機構等を例示することができる。
本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関によれば、ノンスロットル運転制御が実行されているときにスロットル弁が所定量閉弁された場合における内燃機関のトルク変動を抑制することが出来る。
以下、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
内燃機関が搭載された車両には、制動装置の制動力を増幅させるためのブレーキブースタや燃料タンクで発生した蒸発燃料を内燃機関で燃焼及び処理するための蒸発燃料処理装置等のように、内燃機関の吸気通路で発生する吸気管負圧を利用して作動する負圧機構が設けられているものがある。
しかしながら、上記した従来の内燃機関の制御方法のようにスロットル弁を利用せずに内燃機関のポンプ損失を増大させる方法では、吸気通路に吸気管負圧を発生させることは困難であり、負圧機構の作動に係る吸気管負圧を確保することができないという問題がある。
そこで、以下では、吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を任意に変更可能とする可変動弁機構と、内燃機関の吸気通路に発生する吸気管負圧を利用して作動する負圧機構とを備えた内燃機関において、負圧機構の作動に係る吸気管負圧を確保することを目的とする場合について例示的に説明する。
<参考例1>
先ず、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関の第1の参考例について図1〜図4に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る可変動弁機構として電磁力を利用して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例に挙げるとともに、本発明に係る負圧機構として車両用制動装置のブレーキブースタを例に挙げて説明する。
図1は、本参考例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒21を備えた水冷式の4ストローク・サイクル・ガソリンエンジンである。
内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備えている。
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、このクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装填されたピストン22と連結されている。
各気筒21のピストン22上方には、ピストン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、各気筒21の燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続されている。
前記シリンダヘッド1aにおいて各気筒21の燃焼室24に臨む部位には、吸気ポート26の開口端が2つ形成されるとともに、排気ポート27の開口端が2つ形成されている。そして、前記シリンダヘッド1aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気弁28と、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排気弁29とが進退自在に設けられている。
前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電磁駆動機構30と称する)が吸気弁28と同数設けられている。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁駆動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a(以下、吸気側駆動回路30aと称する)が電気的に接続されている。
前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電磁駆動機構31と称する)が排気弁29と同数設けられている。各排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁駆動機構31に励磁電流を印加するための駆動回路31a(以下、排気側駆動回路31aと称する)が電気的に接続されている。
上記した吸気側電磁駆動機構30、吸気側駆動回路30a、排気側電磁駆動機構31、及び排気側駆動回路31aは、本発明に係る可変動弁機構の一実施態様である。
ここで、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べる。尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31とは同様の構成であるため、吸気側電磁駆動機構30のみを例に挙げて説明する。
図2は、吸気側電磁駆動機構30の構成を示す断面図である。吸気側電磁駆動機構30は、図2に示すように、円筒状に形成された非磁性体からなる筐体300を備えている。前記筐体300には、該筐体300の内径と略同一の外径を有する環状の軟磁性体からなる第1コア301と第2コア302とが所定の間隙を介して直列に配置されている。
前記第1コア301において前記所定の間隙に臨む部位には、第1の電磁コイル308が把持されており、前記第2コア302において前記第1の電磁コイル308と対向する部位には第2の電磁コイル309が把持されている。第1及び第2の電磁コイル308、309は、前述した吸気側駆動回路30aと電気的に接続されている。
前記した所定の間隙には、前記筐体300の内径と略同一の外径を有する円板状の軟磁性体からなるアーマチャ311が設けられている。このアーマチャ311は、前記第1コア301の中空部に保持されたアッパスプリング314と、前記第2コア302の中空部に保持されたロアスプリング316とによって軸方向へ進退自在に支持されている。
尚、前記アッパスプリング314と前記ロアスプリング316の付勢力は、前記アーマチャ311が前記所定の間隙において前記第1コア301と前記第2コア302との中間の位置にあるときに釣り合うよう設定されるものとする。
一方、吸気弁28は、燃焼室24における吸気ポート26の開口端に設けられた弁座12に着座もしくは離座することによって前記吸気ポート26を開閉する弁体28aと、その先端部が前記弁体28aに固定された円柱状の弁軸28bとから形成されている。
前記弁軸28bは、前記シリンダヘッド1aに設けられた筒状のバルブガイド13によって進退自在に支持されている。そして、前記弁軸28bの基端部は、前記吸気側電磁駆動機構30の筐体300内に延出し、前記第2コア302の中空部を経て前記アーマチャ311に固定されている。
尚、前記弁軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ311が前記所定の間隙において前記第1コア301と前記第2コア302との中間位置に保持されているとき、すなわ
ち前記アーマチャ311が中立状態にあるときに、前記弁体28aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位置(以下、中開位置と称する)に保持されるよう設定されるものとする。
このように構成された吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対して励磁電流が印加されていない場合は、前記アーマチャ311が中立状態となり、それに伴って弁体28aが中開位置に保持される。
前記吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308に対して励磁電流が印加されると、第1コア301と第1の電磁コイル308とアーマチャ311との間にアーマチャ311を第1コア301側へ変位させる方向の電磁力が発生し、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル309に対して励磁電流が印加されると、第2コア302と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間にアーマチャ311を第2コア302側へ変位させる方向の電磁力が発生する。
従って、吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aからの例示電流が第1の電磁コイル308と第2の電磁コイル309とに交互に印加されることにより、アーマチャ311が進退動作し、それに伴って弁軸28bが進退駆動されると同時に弁体28aが開閉駆動されることになる。
その際、第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対する励磁電流の印加タイミングと励磁電流の大きさを変更することにより、吸気弁28の開閉タイミングと開弁量とを制御することが可能となる。
ここで、図1に戻り、内燃機関1のシリンダヘッド1aには、4本の枝管で形成された吸気枝管33が接続され、その吸気枝管33の各枝管が各気筒21の吸気ポート26と連通している。前記シリンダヘッド1aにおいて前記吸気枝管33との接続部位の近傍には、その噴孔が吸気ポート26内に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク34に接続されている。前記サージタンク34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス36と接続されている。
前記吸気管35には、該吸気管35内を流れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が取り付けられている。前記吸気管35において前記エアフローメータ44より下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁39が設けられている。
前記スロットル弁39には、ステッパモータ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ41とが取り付けられている。
前記サージタンク34には、第1の負圧通路101が接続されている。第1の負圧通路101は、内燃機関1を搭載した車両を制動する機構の倍力源となるブレーキブースタ100に接続されている。前記ブレーキブースタ100は、本発明に係る負圧機構に相当するものである。
前記第1の負圧通路101の途中には、前記ブレーキブースタ100側から前記サージ
タンク34側への空気の流れを許容し、前記サージタンク34側から前記ブレーキブースタ100側への空気の流れを遮断する一方向弁102が設けられている。
前記第1の負圧通路101において前記一方向弁102より前記ブレーキブースタ100側の部位には、第2の負圧通路103が接続されている。第2の負圧通路103は、バキュームポンプ105に接続されている。
前記第2の負圧通路103の途中には、前記第1の負圧通路101側から前記バキュームポンプ105側への空気の流れを許容し、前記バキュームポンプ105側から第1の負圧通路101側への空気の流れを遮断する一方向弁104が設けられている。
前記ブレーキブースタ100には、該ブレーキブースタ100内の圧力に対応した電気信号を出力するバキュームセンサ106が取り付けられている。
一方、前記内燃機関1のシリンダヘッド1aには、4本の枝管が内燃機関1の直下流において1本の集合管に合流するよう形成された排気枝管45が接続され、その排気枝管45の各枝管が各気筒21の排気ポート27と連通している。
前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。前記排気枝管45には、該排気枝管45内を流れる排気、言い換えれば、排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられている。
上記した排気浄化触媒46としては、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触媒46に
流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx
)を吸蔵するとともに該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化す
る吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が酸素過剰状態に
あり且つ所定の還元剤が存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・浄化する
選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である
また、内燃機関1は、クランクシャフト23の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52とを備えている。
このように構成された内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU、以下ECUと称する)20が併設さ
れている。
前記ECU20には、スロットルポジションセンサ41、エアフローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジションセンサ51、水温センサ52、バキュームセンサ106等の各種センサが電気配線を介して接続されるとともに、車室内に取り付けられたアクセルペダル42の操作量に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサ43が電気配線を介して接続され、各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
前記ECU20には、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、バキュームポンプ105等が電気配線を介して接続され、ECU20が各種センサの出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、バキュームポンプ105を制御することが可能になっている。
ここで、ECU20は、図3に示すように、双方向性バス400によって相互に接続されたCPU401とROM402とRAM403とバックアップRAM404と入力ポート405と出力ポート406とを備えるとともに、前記入力ポート405に接続されたA/Dコンバータ(A/D)407を備えている。
前記A/D407には、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ52、バキュームセンサ106等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続されている。A/D407は、上記した各センサの出力信号をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換した後に前記入力ポート405へ送信する。
前記入力ポート405は、前述したスロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ52、バキュームセンサ106等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセンサと前記A/D407を介して接続されるとともに、クランクポジションセンサ51のようにデジタル信号形式の信号を出力するセンサと接続されている。
前記入力ポート405は、各種センサの出力信号を直接又はA/D407を介して入力し、それらの出力信号を双方向性バス400を介してCPU401やRAM403へ送信する。
前記出力ポート406は、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、バキュームポンプ105等と電気配線を介して接続されている。前記出力ポート406は、CPU401から出力された制御信号を双方向性バス400を介して入力し、その制御信号をイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、又はバキュームポンプ105へ送信する。
前記ROM402は、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、吸気弁28の開閉時期を決定するための吸気弁開閉時期制御ルーチン、吸気弁28の開弁量を決定するための吸気弁開弁量制御ルーチン、排気弁29の開閉時期を決定するための排気弁開閉時期制御ルーチン、排気弁29の開弁量を決定するための排気弁開弁量制御ルーチン、点火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、スロットル弁39の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン等のアプリケーションプログラムに加え、ブレーキブースタ100に作動負圧を蓄圧するためのブレーキブースタ負圧制御ルーチンを記憶している。
前記ROM402は、前記したアプリケーションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。前記した制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開閉時期との関係を示す吸気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開弁量との関係を示
す吸気弁開弁量制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の開閉時期との関係を示す排気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の開弁量との関係を示す排気弁開弁量制御マップと、内燃機関1の運転状態と点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態とスロットル弁39の開度との関係を示すスロットル開度制御マップ等である。
前記RAM403は、各種センサの出力信号やCPU401の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号に基づいて算出される機関回転数等である。RAM403に記憶されるデータ(各センサの出力信号やCPU401の演算結果等のデータ)は、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度に最新のデータに更新される。
前記バックアップRAM404は、内燃機関1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであり、各種制御に係る学習値等を記憶する。
前記CPU401は、ROM402に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作して、燃料噴射制御、吸気弁開閉制御、排気弁開閉制御、点火制御等に加え、ブレーキブースタ負圧制御を実行する。
以下、本参考例に係るブレーキブースタ負圧制御について述べる。ブレーキブースタ負圧制御では、CPU401は、所定の条件が成立しているときに、バキュームポンプ105を作動させてブレーキブースタ100へ負圧を供給することになる。前記した所定条件としては、バキュームポンプ105からブレーキブースタ100に対して最後に負圧が供給された時点から所定時間以上経過している、バキュームポンプ105からブレーキブースタ100に対して最後に負圧が供給された時点から車両が所定距離以上走行している、ブレーキブースタ100内の負圧が不足している、等の条件を例示することができるが、ここではブレーキブースタ100内の負圧が不足している場合に、バキュームポンプ105を作動させてブレーキブースタ100へ負圧を供給する例について述べる。
CPU401は、ブレーキブースタ負圧制御を実行するにあたり、図4に示すようなブレーキブースタ負圧制御ルーチンを実行する。このブレーキブースタ負圧制御ルーチンは、予めROM402に記憶されているルーチンであり、CPU401によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
ブレーキブースタ負圧制御ルーチンでは、CPU401は、先ず、S401において、RAM403からバキュームセンサ106の出力信号値:Vaを読み出す。
S402では、CPU401は、前記S401で読み出された出力信号値:Vaがブレ
ーキブースタ100の作動に要する負圧の最高値:Vs以上(すなわち、Vaの負圧度合がVsの負圧度合以下である)か否かを判別する。
前記S402において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs未満であると判定した場合は、CPU401は、ブレーキブースタ100内には該ブレーキブースタ100の作動に要する負圧が確保されているとみなし、本ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、前記S402において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs以上であると判定した場合は、CPU401は、ブレーキブースタ100内には該ブレーキブースタ100の作動に要する負圧が不足しているとみなし、S403へ進む。
S403では、CPU401は、バキュームポンプ105に駆動電流を印加して、バキュームポンプ105を作動させる。この場合、バキュームポンプ105は、ブレーキブースタ100内の空気を吸い出すことになり、その結果、ブレーキブースタ100内の負圧度合が高まることになる。
S404では、CPU401は、バキュームセンサ106の出力信号値:Vaを新たに
入力する。
S405では、CPU401は、前記S404で入力した出力信号値:Vaが前記ブレ
ーキブースタ100の作動に要する負圧の最高値:Vs未満まで低下したか否かを判別す
る。
前記S405において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs未満まで低下していないと判定した場合は、CPU401は、前述したS403以降の処理を再度実行する。
一方、前記S405において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs未満まで低下していると判定した場合は、CPU401は、S406へ進み、バキュームポンプ105に対する駆動電流の印加を停止し、バキュームポンプ105の作動を停止させる。このS406の処理を実行し終えたCPU401は、本ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、CPU401がブレーキブースタ負圧制御ルーチンに従ってバキュームポンプ105を制御することにより、本発明に係る負圧供給手段が実現される。従って、本参考例に係る内燃機関によれば、電磁駆動機構に依存することなくブレーキブースタ100へ作動負圧を供給することができるため、内燃機関1の運転状態に影響を与えることなくブレーキブースタ100の作動に要する負圧を確保することが可能となる。
尚、本参考例では、所定時間毎にブレーキブースタ100内の負圧を検出する例について述べたが、サージタンク34内に吸気管負圧が発生しないような機関運転状態が継続された場合に限り、ブレーキブースタ100内の負圧を検出するようにしてもよい。
また、本参考例では、本発明に係る可変動弁機構として、吸気弁と排気弁との双方が電磁力によって開閉駆動される電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、吸気弁と排気弁との何れか一方のみが電磁駆動式動弁機構で構成されるようにしてもよい。
また、本参考例では、本発明に係る可変動弁機構として、電磁力によって吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、電磁力の代わりに油圧を用いる油圧駆動式可変動弁機構、クランクシャフトの回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動するカムシャフトを備えた内燃機関においてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更することにより吸気弁及び排気弁の開閉時期を調整する機械式可変動弁機構、あるいは、それらの可変動弁機構を適宜組み合わせてなる可変動弁機構であってもよい。
<参考例2>
次に本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関の第2の参考例について図5〜図7に基づいて説明する。ここでは、前述の第1の参考例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述の第1の参考例では、本発明に係る負圧供給手段としてのバキュームポンプを用いて負圧機構たるブレーキブースタへ作動負圧を供給する例について述べたが、本参考例では、スロットル弁と可変動弁機構とを用いてブレーキブースタの作動に係る負圧を発生させる例について述べる。
図5は、本参考例に係る可変動弁機構を有する内燃機関の概略構成を示す図である。本参考例に係る内燃機関1では、サージタンク34とブレーキブースタ100とを接続する負圧通路101には、ブレーキブースタ100側からサージタンク34側への空気の流れを許容し、サージタンク34側からブレーキブースタ100側への空気の流れを遮断する一方向弁102のみが設けられている。
このように構成された内燃機関1に併設されるECU20には、図6に示すように、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジションセンサ51、水温センサ52、バキュームセンサ106が電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
前記ECU20には、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40が電気配線を介して接続され、ECU20が各種センサの出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40を制御することが可能になっている。
前記ROM402は、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、吸気弁28の開閉時期を決定するための吸気弁開閉時期制御ルーチン、吸気弁28の開弁量を決定するための吸気弁開弁量制御ルーチン、排気弁29の開閉時期を決定するための排気弁開閉時期制御ルーチン、排気弁29の開弁量を決定するための排気弁開弁量制御ルーチン、点火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、スロットル弁39の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン等のアプリケーションプログラムに加え、ブレーキブースタ100に作動負圧を蓄圧するためのブレーキブースタ負圧制御ルーチンを記憶している。
前記ROM402は、前記したアプリケーションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶している。前記した制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と点火時期と関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開閉時期との関係を示す吸気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開弁量との関係を示す吸気弁開弁量制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の開閉時期との関係を示す排気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の開弁量との関係を示す排気弁開弁量制御マップと、内燃機関1の運転状態とスロットル弁39の開度との関係を示すスロットル開度制御マップ等である。
この場合、CPU401は、前記ROM402に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作して、燃料噴射制御、吸気弁開閉制御、排気弁開閉制御、点火制御、スロットル制御に加え、ブレーキブースタ負圧制御を実行する。
以下、本参考例に係るブレーキブースタ負圧制御について述べる。本参考例に係るブレーキブースタ負圧制御では、CPU401は、所定の条件が成立したときに、サージタンク34内に吸気管負圧を発生させるべく、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、及びスロットル弁39を制御する。前記した所定条件としては、サージタンク34内に最後に吸気管負圧を発生させた時点から所定時間以上経過している、サージタンク34内に最後に吸気管負圧を発生させた時点から車両が所定距離以上走行している、車両が減速走行状態にある、等の条件を例示することができるが、本参考例では、車両が減速走
行状態にあるときに、サージタンク34内に吸気管負圧を発生させる場合について説明する。
CPU401は、ブレーキブースタ負圧制御を実行するにあたり、図7に示すようなブレーキブースタ負圧制御ルーチンを実行する。このブレーキブースタ負圧制御ルーチンは、予めROM402に記憶されているルーチンであり、CPU401によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
ブレーキブースタ負圧制御ルーチンでは、CPU401は、先ず、S701において、内燃機関1を搭載した車両が減速走行状態にあるか否かを判別する。車両が減速走行状態にあるか否かを判別する方法としては、例えば、アクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)が閉弁方向に変化している場合に車両が減速走行状態にあると判定する方法、車両の走行速度が減速方向に変化している場合に車両が減速走行状態にあると判定する方法、機関回転数が低下方向に変化している場合に車両が減速走行状態にあると判定する方法、ブレーキペダルが操作状態にあるときに車両が減速走行状態にあると判定する方法等を例示することができる。
前記S701において車両が減速走行状態にないと判定した場合は、CPU401は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、前記S701において車両が減速走行状態にあると判定した場合は、CPU401は、S702へ進み、アクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度):ACCPを入力する。
S703では、CPU401は、前記S701で入力されたアクセル開度:ACCPに対応した減速トルク、言い換えればエンジンブレーキ力の大きさを算出する。
尚、内燃機関1に関するアクセル開度と減速トルクとの関係を予め実験的に求めておき、それらアクセル開度と減速トルクとの関係をマップ化してROM402に記憶しておくようにしてもよい。その場合、CPU401は、アクセル開度:ACCPをパラメータとして前記マップへアクセスし、前記アクセル開度:ACCPに対応した減速トルクを算出する。
S704では、CPU401は、前記S703で算出された減速トルクに対応したスロットル開度:Taを算出する。この場合も、内燃機関1に関する減速トルクとスロットル
開度:Taとの関係を予め実験的に求め、それら減速トルクとスロットル開度:Taとの関係をマップ化してROM402に記憶しておくようにしてもよい。
S705では、CPU401は、内燃機関1の吸気に係るポンプ効率が最大となるように吸気側駆動回路30aおよびまたは排気側駆動回路31aを制御する。すなわち、CPU401は、吸気弁28と排気弁29との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を内燃機関1がサージタンク34内の新気を汲み出すのに最も適した開閉時期およびまたは開弁量とすべく吸気側駆動回路30aおよびまたは排気側駆動回路31aを制御する。
その際、内燃機関1の吸気に係るポンプ効率は、機関回転数によって異なるため、CPU401は、機関回転数をパラメータとして吸気弁28およびまたは排気弁29の開閉時期およびまたは開弁量を算出するようにしてもよい。
S706では、CPU401は、スロットル弁39が前記S704で算出されたスロットル開度:Taまで閉弁するようスロットル用アクチュエータ40を制御する。この場合
、内燃機関1では、運転者によるアクセルペダル42の操作量(アクセル開度)に応じた
最適な減速トルク(エンジンブレーキ力)が発生することになる。更に、内燃機関1の吸気に係るポンプ効率が最大になるとともに、スロットル弁39が閉弁方向へ駆動されるため、サージタンク34内に吸気管負圧が発生することになり、その結果、サージタンク34内の吸気管負圧が負圧通路101を介してブレーキブースタ100に印加され、ブレーキブースタ100の作動に係る負圧が十分に確保されることになる。
尚、ブレーキブースタ負圧制御ルーチンにおいて、アクセル開度が全閉である場合は、CPU401は、スロットル開度:Taを全閉に設定するとともに、燃料噴射の実行を停
止して減速トルクが最大となるようにしてもよい。
このようにCPU401がブレーキブースタ負圧制御ルーチンに従って、吸気側電磁駆動機構30、排気側電磁駆動機構31、及びスロットル弁39を制御することにより、本発明に係る負圧発生手段が実現されることになる。従って、本参考例に係る可変動弁機構を有する内燃機関によれば、運転者が要求する減速トルクを満たしつつブレーキブースタ100の作動に係る負圧を確保することが可能となる。
尚、本参考例では、本発明に係る可変動弁機構として、吸気弁と排気弁との双方が電磁力によって開閉駆動される電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、吸気弁と排気弁との何れか一方のみが電磁駆動式動弁機構で構成されるようにしてもよい。
また、本参考例では、本発明に係る可変動弁機構として、電磁力によって吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、電磁力の代わりに油圧を用いる油圧駆動式可変動弁機構、クランクシャフトの回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動するカムシャフトを備えた内燃機関においてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更することにより吸気弁及び排気弁の開閉時期を調整する機械式可変動弁機構、あるいは、それらの可変動弁機構を適宜組み合わせてなる可変動弁機構であってもよい。
<参考例3>
次に本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関の第3の参考例について図8に基づいて説明する。ここでは、前述の第2の参考例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述の第2の参考例では、車両が減速走行状態にあるときに、スロットル弁39と電磁駆動式動弁機構とを併用してブレーキブースタの作動に係る負圧を確保する例について述べたが、本参考例では、ブレーキブースタ内の負圧が不足しているときに、電磁駆動式動弁機構とスロットル弁とを併用してブレーキブースタの作動に係る負圧を確保する例について述べる。
参考例では、ブレーキブースタ100の作動に係る負圧を確保するにあたり、ECU20のCPU401が図8に示すようなブレーキブースタ負圧制御ルーチンを実行する。このブレーキブースタ負圧制御ルーチンは、予めROM402に記憶されているルーチンであり、CPU401によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
ブレーキブースタ負圧制御ルーチンでは、CPU401は、先ず、S801において、RAM403からバキュームセンサ106の出力信号値:Vaを読み出す。
S802では、CPU401は、前記S801で入力した出力信号値:Vaがブレーキ
ブースタ100の作動に要する負圧の最高値:Vs以上(すなわち、Vaの負圧度合がVs
の負圧度合以下である)か否かを判別する。
前記S802において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs未満であると判定した場合は、CPU401は、ブレーキブースタ100内には該ブレーキブースタ100の作動に要する負圧が確保されているとみなし、本ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、前記S802において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs以上であると判定した場合は、CPU401は、ブレーキブースタ100内には該ブレーキブースタ100の作動に要する負圧が不足しているとみなし、S803へ進む。
S803では、CPU401は、現時点において内燃機関1が発生しているトルクと同一のトルクを発生するための最低スロットル開度:Taと、吸排気弁28、29の開閉時
期:Vtiming及び開弁量:Vliftとを算出する。すなわち、現時点における内燃機関1の吸入空気量と実質的に同量の吸入空気量を確保することができるスロットル弁39の最低開度:Taと、吸排気弁28、29の開閉時期:Vtiming及び開弁量:Vliftとを算出す
る。
S804では、CPU401は、前記S803で算出されたスロットル開度:Taと現
時点における機関回転数とによって発生し得る吸気管負圧:Pnを算出する。
S805では、CPU401は、前記S804で算出された吸気管負圧:Pnが前記S
801で入力された出力信号値:Vaより低いか否かを判別する。
前記S805において前記吸気管負圧:Pnが前記出力信号値:Vaより低いと判定した場合は、CPU401は、S806へ進み、スロットル弁39を前記スロットル開度:Taまで閉弁すべくスロットル用アクチュエータ40を制御し、吸排気弁28、29の実際
の開閉時期及び開弁量を前記開閉時期:Vtiming及び前記開弁量:Vliftとすべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
続いて、CPU401は、S807へ進み、バキュームセンサ106の出力信号値:Vaを新たに入力する。
S808では、CPU401は、前記S807で入力した出力信号値:Vaが前記吸気
管負圧:Pn以下まで低下したか否かを判別する。
前記S808において前記出力信号値:Vaが前記吸気管負圧:Pn以下まで低下していないと判定した場合は、CPU401は、前述したS806以降の処理を再度実行する。
一方、前記S808において前記出力信号値:Vaが前記吸気管負圧:Pn以下まで低下していると判定した場合は、CPU401は、S809へ進み、スロットル弁39を通常の開度まで開弁させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御するとともに、吸排気弁28、29の実際の開閉時期及び開弁量を通常の開閉時期及び開弁量に戻すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
CPU401は、前記S809の処理を実行し終えると、本ルーチンの実行を一旦終了する。
尚、前記S802において前記出力信号値:Vaが前記最高値:Vs以上であると判定された場合は、CPU401は、本ルーチンの実行を一旦終了し、車両が減速走行状態となった時点で前述の第2の参考例で述べたようなブレーキブースタ負圧制御を実行するようにしてもよい。
上記したようにCPU401がブレーキブースタ負圧制御ルーチンを実行することにより、内燃機関1のトルク変動を誘発することなく、ブレーキブースタ100の作動に係る吸気管負圧を発生させることが可能となる。
次に、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関1の実施例について図9〜図12に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る可変動弁機構として電磁力を利用して吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例に挙げるとともに、本発明に係る負圧機構として蒸発燃料処理装置を例に挙げて説明する。
図9は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図9に示す内燃機関1は、4つの気筒21を備えた水冷式の4ストローク・サイクル・ガソリンエンジンである。
内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1aとを備えている。
前記シリンダブロック1bには、機関出力軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、このクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に装填されたピストン22とコネクティングロッドを介して連結されている。
各気筒21のピストン22上方には、ピストン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1aには、各気筒21の燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続されている。
前記シリンダヘッド1aにおいて各気筒21の燃焼室24に臨む部位には、吸気ポート26の開口端が2つ形成されるとともに、排気ポート27の開口端が2つ形成されている。そして、前記シリンダヘッド1aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気弁28と、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排気弁29とが進退自在に設けられている。
前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電磁駆動機構30と称する)が吸気弁28と同数設けられている。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁駆動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a(以下、吸気側駆動回路30aと称する)が電気的に接続されている。
前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電磁駆動機構31と称する)が排気弁29と同数設けられている。各排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁駆動機構31に励磁電流を印加するための駆動回路31a(以下、排気側駆動回路31aと称する)が電気的に接続されている。
上記した吸気側電磁駆動機構30、吸気側駆動回路30a、排気側電磁駆動機構31、及び排気側駆動回路31aは、本発明に係る可変動弁機構に相当するものである。
ここで、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べる。尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31とは同様の構成であるため
、吸気側電磁駆動機構30のみを例に挙げて説明する。
図10は、吸気側電磁駆動機構30の構成を示す断面図である。図10において内燃機関1のシリンダヘッド1aは、シリンダブロック1bの上面に固定されるロアヘッド10と、このロアヘッド10の上部に設けられたアッパヘッド11とを備えている。
前記ロアヘッド10には、各気筒21毎に2つの吸気ポート26が形成され、各吸気ポート26の燃焼室24側の開口端には、吸気弁28の弁体28aが着座するための弁座12が設けられている。
前記ロアヘッド10には、各吸気ポート26の内壁面から該ロアヘッド10の上面にかけて断面円形の貫通孔が形成され、その貫通孔には筒状のバルブガイド13が挿入されている。前記バルブガイド13の内孔には、吸気弁28の弁軸28bが貫通し、前記弁軸28bが軸方向へ進退自在となっている。
前記アッパヘッド11において前記バルブガイド13と軸心が同一となる部位には、断面円形のコア取付孔14が設けられている。前記コア取付孔14の下部14bは、その上部14aに比して径大に形成されている。以下では、前記コア取付孔14の下部14bを径大部14bと称し、前記コア取付孔14の上部14aを径小部14aと称する。
前記径小部14aには、軟磁性体からなる環状の第1コア301と第2コア302とが所定の間隙303を介して軸方向に直列に嵌挿されている。これらの第1コア301の上端と第2コア302の下端には、それぞれフランジ301aとフランジ302aが形成されており、第1コア301は上方から、また第2コア302は下方からそれぞれコア取付孔14に嵌挿され、フランジ301aとフランジ302aがコア取付孔14の縁部に当接することにより第1コア301と第2コア302の位置決めがされて、前記間隙303が所定の距離に保持されるようになっている。
第1コア301の上方には、筒状のアッパキャップ305が設けられている。このアッパキャップ305は、その下端に形成されたフランジ部305aにボルト304を貫通させてアッパヘッド11上面に固定されている。この場合、フランジ部305aを含むアッパキャップ305の下端が第1コア301の上面周縁部に当接した状態で固定されることになり、その結果、第1コア301がアッパヘッド11に固定されることになる。
一方、第2コア302の下部には、コア取付孔14の径大部14bと略同径の外径を有する環状体からなるロアキャップ307が設けられている。このロアキャップ307にはボルト307が貫通し、そのボルト307により前記径小部14aと径大部14bの段部における下向きの段差面に固定されている。この場合、ロアキャップ307が第2コア302の下面周縁部に当接した状態で固定されることになり、その結果、第2コア302がアッパヘッド11に固定されることになる。
前記第1コア301の前記間隙303側の面に形成された溝部には、第1の電磁コイル308が把持されており、前記第2コア302の間隙303側の面に形成された溝部には第2の電磁コイル309が把持されている。その際、第1の電磁コイル308と第2の電磁コイル309とは、前記間隙303を介して向き合う位置に配置されるものとする。そして、第1及び第2の電磁コイル308、309は、前述した吸気側駆動回路30aと電気的に接続されている。
前記間隙303には、該間隙303の内径より径小な外径を有する環状の軟磁性体からなるアーマチャ311が配置されている。このアーマチャ311の中空部には、該アーマ
チャ311の軸心に沿って上下方向に延出した円柱状のアーマチャシャフト310が固定されている。このアーマチャシャフト310は、その上端が前記第1コア301の中空部を通ってその上方のアッパキャップ305内まで至るとともに、その下端が第2コア302の中空部を通ってその下方の径大部14b内に至るよう形成され、前記第1コア301及び前記第2コア302によって軸方向へ進退自在に保持されている。
前記アッパキャップ305内に延出したアーマチャシャフト310の上端部には、円板状のアッパリテーナ312が接合されるとともに、前記アッパキャップ305の上部開口部にはアジャストボルト313が螺着され、これらアッパリテーナ312とアジャストボルト313との間には、アッパスプリング314が介在している。また、前記アジャストボルト313と前記アッパスプリング314との当接面には、前記アッパキャップ305の内径と略同径の外径を有するスプリングシート315が介装されている。
一方、前記径大部14b内に延出したアーマチャシャフト310の下端部には、吸気弁28の弁軸28bの上端部が当接している。前記弁軸28bの上端部の外周には、円盤状のロアリテーナ28cが接合されており、そのロアリテーナ28cの下面とロアヘッド10の上面との間には、ロアスプリング316が介在している。
このように構成された吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対して励磁電流が印加されていないときは、アッパスプリング314からアーマチャシャフト310に対して下方向(すなわち、吸気弁28を開弁させる方向)への付勢力が作用するとともに、ロアスプリング316から吸気弁28に対して上方向(すなわち、吸気弁28を閉弁させる方向)への付勢力が作用し、その結果、アーマチャシャフト310及び吸気弁28が互いに当接して所定の位置に弾性支持された状態、いわゆる中立状態に保持されることになる。
尚、アッパスプリング314とロアスプリング316の付勢力は、前記アーマチャ311の中立位置が前記間隙303において前記第1コア301と前記第2コア302との中間の位置に一致するよう設定されており、構成部品の初期公差や経年変化等によってアーマチャ311の中立位置が前記した中間位置からずれた場合には、アーマチャ311の中立位置が前記した中間位置と一致するようアジャストボルト313によって調整することが可能になっている。
また、前記アーマチャシャフト310及び前記弁軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ311が前記間隙303の中間位置に位置するときに、前記弁体28aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位置(以下、中開位置と称する)となるように設定されている。
前記した吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308に対して励磁電流が印加されると、第1コア301と第1の電磁コイル308とアーマチャ311との間に、アーマチャ311を第1コア301側へ変位させる方向の電磁力が発生し、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル309に対して励磁電流が印加されると、第2コア302と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間にアーマチャ311を前記第2コア302側へ変位させる方向の電磁力が発生する。
従って、上記した吸気側電磁駆動機構30では、吸気側駆動回路30aからの励磁電流が第1の電磁コイル308と第2の電磁コイル309とに交互に印加されることにより、アーマチャ311が進退動作し、それに伴って弁軸28bが進退駆動されると同時に弁体28aが開閉駆動されることになる。その際、第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対する励磁電流の印加タイミングと励磁電流の大きさを変更することにより
、吸気弁28の開閉時期を制御することが可能となる。
また、上記した吸気側電磁駆動機構30には、吸気弁28の変位を検出するバルブリフトセンサ317が取り付けられている。このバルブリフトセンサ317は、アッパリテーナ312の上面に取り付けられた円板状のターゲット317aと、アジャストボルト313における前記アッパリテーナ312と対向する部位に取り付けられたギャップセンサ317bとから構成されている。
このように構成されたバルブリフトセンサ317では、前記ターゲット317aが前記吸気側電磁駆動機構30のアーマチャ311と一体的に変位し、前記ギャップセンサ317bが該ギャップセンサ317bと前記ターゲット317aとの距離に対応した電気信号を出力することになる。その際、アーマチャ311が中立状態にあるときのギャップセンサ317bの出力信号値を予め記憶しておき、その出力信号値と現時点におけるギャップセンサ317bの出力信号値との偏差を算出することにより、アーマチャ311及び吸気弁28の変位を特定することが可能となる。
ここで、図9に戻り、内燃機関1のシリンダヘッド1aには、4本の枝管で形成された吸気枝管33が接続され、その吸気枝管33の各枝管が各気筒21の吸気ポート26と連通している。前記シリンダヘッド1aにおいて前記吸気枝管33との接続部位の近傍には、その噴孔が吸気ポート26内に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられている。
前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するためのサージタンク34に接続されている。前記サージタンク34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス36と接続されている。
前記吸気管35には、該吸気管35内を流れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ44が取り付けられている。前記吸気管35において前記エアフローメータ44より下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を調整するスロットル弁39が設けられている。
前記スロットル弁39には、ステッパモータ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポジションセンサ41とが取り付けられている。
一方、前記内燃機関1のシリンダヘッド1aには、4本の枝管が内燃機関1の直下流において1本の集合管に合流するよう形成された排気枝管45が接続され、その排気枝管45の各枝管が各気筒21の排気ポート27と連通している。
前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて図示しないマフラーと接続されている。前記排気枝管45には、該排気枝管45内を流れる排気、言い換えれば、排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられている。
ここで、上記した排気浄化触媒46としては、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触
媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵するとともに該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比
もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元
・浄化する吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が酸素過
剰状態にあり且つ所定の還元剤が存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・
浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種の触媒を適宜組み合わせてなる触
媒である。
次に、内燃機関1には、本発明に係る負圧機構としての蒸発燃料処理機構が併設されている。この蒸発燃料処理機構は、燃料タンク60と、この燃料タンク60内で発生した蒸発燃料を一旦貯留するチャコールキャニスタ61と、チャコールキャニスタ61に貯留された蒸発燃料を吸気管35においてスロットル弁39より下流の部位へ導く負圧導入通路65と、を備えている。
前記燃料タンク60と前記チャコールキャニスタ61とは、蒸発燃料通路62を介して接続され、その蒸発燃料通路62の途中には、燃料タンク60内の圧力に応じて前記蒸発燃料通路62内の流路を開閉するタンク内圧制御弁63が取り付けられている。タンク内圧制御弁63は、正圧弁と負圧弁とを組み合わせて構成され、前記正圧弁は、蒸発燃料の増加により燃料タンク60内の圧力が第1の所定値以上になると開弁し、前記負圧弁は、燃料の減少により燃料タンク60内の圧力が第2の所定値(<第1の所定値)以下になると開弁する。
前記チャコールキャニスタ61には、前記した蒸発燃料通路62及び負圧導入通路65に加え、大気導入通路64が接続されている。この大気導入通路64の終端は、大気中に開放されている。
前記負圧導入通路65の途中には、ステッピングモータなどからなり、該負圧導入通路65内の流量を調節する電磁弁67が取り付けられている。
前記チャコールキャニスタ61を介して連通する大気導入通路64及び負圧導入通路65は、パージ通路を形成する(以下、チャコールキャニスタ61、大気導入通路64、及び負圧導入通路65を総称してパージ通路66と称する)。このパージ通路66と電磁弁67は、本発明に係る蒸発燃料還流手段に相当する。
次に、内燃機関1は、クランクシャフト23の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタイミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクランクポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成された冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52とを備えている。
上記したように構成された内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20が併設されている。
前記ECU20には、スロットルポジションセンサ41、エアフローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジションセンサ51、水温センサ52、バルブリフトセンサ317が電気配線を介して接続されるとともに、車室内に取り付けられたアクセルペダル42の操作量に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサ43が電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。
前記ECU20には、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、電磁弁67等が電気配線を介して接続され、ECU20が各種センサの出力信号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチ
ュエータ40、電磁弁67を制御することが可能になっている。
ここで、ECU20は、図11に示すように、双方向性バス400によって相互に接続されたCPU401とROM402とRAM403とバックアップRAM404と入力ポート405と出力ポート406とを備えるとともに、前記入力ポート405に接続されたA/Dコンバータ(A/D)407を備えている。
前記A/D407には、スロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ52、バルブリフトセンサ317等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続されている。A/D407は、上記した各センサの出力信号をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換した後に前記入力ポート405へ送信する。
前記入力ポート405は、前述したスロットルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ52、バルブリフトセンサ317等のようにアナログ信号形式の信号を出力するセンサと前記A/D407を介して接続されるとともに、クランクポジションセンサ51のようにデジタル信号形式の信号を出力するセンサと接続されている。入力ポート405は、各種センサの出力信号を直接又はA/D407を介して入力し、それらの出力信号を双方向性バス400を介してCPU401やRAM403へ送信する。
前記出力ポート406は、イグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、電磁弁67等と電気配線を介して接続されている。出力ポート406は、CPU401から出力された制御信号を双方向性バス400を介して入力し、その制御信号をイグナイタ25a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、又は電磁弁67へ送信する。
前記ROM402は、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、点火時期を決定するための点火時期制御ルーチン、吸気弁28の開閉時期を決定するための吸気弁開閉時期制御ルーチン、排気弁29の開閉時期を決定するための排気弁開閉時期制御ルーチン、吸気側電磁駆動機構30に印加すべき励磁電流量を決定するための吸気側励磁電流制御ルーチン、排気側電磁駆動機構31に印加すべき励磁電流量を決定するための排気側励磁電流量制御ルーチン、スロットル弁39の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン等のアプリケーションプログラムに加え、蒸発燃料のパージを実行するためのパージ制御ルーチン等のアプリケーションプログラムを記憶している。また、ROM402は、上記したようなアプリケーションプログラムの加え、各種の制御マップを記憶している。制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開閉時期との関係を示す吸気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁29の開閉時期との関係を示す排気弁開閉時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機構31に印加すべき励磁電流量との関係を示す励磁電流量制御マップ、内燃機関1の運転状態とスロットル弁39の開度との関係を示すスロットル開度制御マップ、内燃機関1、燃料タンク33、あるいはチャコールキャニスタ31の状態とパージすべき蒸発燃料の量(要求蒸発燃料量)との関係を示す要求蒸発燃料量制御マップ、あるいは要求蒸発燃料量とその要求蒸発燃料量をパージするために必要な電磁弁34の開度(要求デューティ比)との関係を示す要求デューティ比制御マップ等である。
前記RAM403は、各センサの出力信号やCPU401の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号に基づいて算出される機関回転数等である。RAM403に記憶されるデータ(各センサの出力信号やCPU401の演算結果等のデータ)は、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度に最新のデータに更新される。
前記バックアップRAM404は、内燃機関1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであり、各種制御に係る学習値等を記憶する。
前記CPU401は、ROM402に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、各センサの出力信号より内燃機関1の運転状態やチャコールキャニスタ61の状態を判定し、判定された運転状態やチャコールキャニスタ61の状態と各制御マップとから燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度、点火時期、吸気弁28の開閉時期、排気弁29の開閉時期、電磁弁67制御用のデューティ比、パージ実行時における燃料噴射量の補正量等を算出する。そして、CPU42は、算出結果に基づいてイグナイタ25a、燃料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、又は電磁弁67に対する制御信号を出力する。
例えば、CPU42は、アクセルポジションセンサ43、クランクポジションセンサ51、もしくはエアフローメータ44の出力信号値より、内燃機関1の運転状態を判別する。
内燃機関1の運転状態が低中負荷領域にあると判定された場合は、CPU401は、スロットル弁39の開度を実質的に全開となる開度に保持すべくスロットル用アクチュエータ40を制御するとともに、内燃機関1の吸入空気量が所望の量となるように吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する、いわゆるノンスロットル制御を実行する。このようにCPU401がノンスロットル制御を実行することにより、本発明に係るノンスロットル運転制御実行手段が実現される。
内燃機関1の運転状態が高負荷運転領域にあると判定された場合は、CPU401は、スロットル弁39の開度をアクセルポジションセンサ43の出力信号値(アクセル開度)に対応した開度とすべくスロットル用アクチュエータ40を制御するとともに、内燃機関1のトルクが所望の目標トルクとなるように吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
内燃機関1の運転状態がアイドル運転領域にあると判定された場合は、CPU401は、内燃機関1の実際の回転数が所望の目標回転数に収束させる上で必要となる吸入空気量を確保すべくスロットル弁39の開度を制御する、いわゆるアイドルスピードコントロール(ISC)のフィードバック制御を行う。
次に、CPU401は、蒸発燃料のパージを実行するにあたり、通常は電磁弁67を全閉状態に制御する。この状態で燃料タンク60内の蒸発燃料が増加して燃料タンク60内の圧力が第1の所定値を越えると、タンク内圧制御弁63の正圧弁が開弁し、蒸発燃料通路62が導通状態となる。蒸発燃料通路62が導通状態になると、燃料タンク60内の蒸発燃料は、蒸発燃料通路62を通ってチャコールキャニスタ61内に流れ込み、チャコールキャニスタ61に内装された活性炭等の吸着剤に一旦吸着される。
また、CPU401は、所定の条件が成立しているか否かを判別する。この所定条件としては、蒸発燃料のパージ実行条件を例示することができ、このパージ実行条件としては
、燃料タンク60内の圧力が所定値以上である、チャコールキャニスタ61や蒸発燃料通路62内の燃料濃度が所定濃度以上である、チャコールキャニスタ61の重量が所定値以上である、前回のパージが実行された時点からの経過時間が所定時間以上である、前回のパージが実行された時点からの車両の走行距離が所定距離以上である、又は、外気温が所定温度以上となる状況下での内燃機関1の運転時間が所定時間以上である等の条件を例示することができる。
CPU401は、パージ実行条件が成立していると判定した場合は、燃料タンク60の圧力やチャコールキャニスタ61内の燃料濃度と、内燃機関1の運転状態(機関回転数、燃料噴射量、吸入空気量)とをパラメータとして、パージすべき蒸発燃料量(要求蒸発燃料量)を決定し、次いで要求蒸発燃料量に基づいて電磁弁67制御用のデューティ比(要求デューティ比)を特定する。
CPU401は、前記要求デューティ比に対応するパルス信号を電磁弁67に印加するとともに、要求蒸発燃料量に基づいて燃料噴射量を減量補正する。CPU401から電磁弁67にパルス信号が印加されると、負圧導入通路65が導通状態となり、それに応じてパージ通路66も導通状態となる。
この場合、パージ通路66の上流にあたる大気導入通路64の大気開放端の圧力が大気圧となるとともに、パージ通路66の下流にあたるスロットル弁39下流の吸気管35内が吸気管負圧の発生によって負圧となるため、パージ通路49の上流と下流との間に圧力差が生じる。
上記した圧力差により、パージ通路66の大気開放端から該パージ通路66内へ大気が流れ込み、次いでパージ通路66内の大気がスロットル弁39下流の吸気管35内へ導かれることになる。つまり、パージ通路66では、チャコールキャニスタ61を貫流する大気の流れが生じる。
この結果、チャコールキャニスタ61内の吸着剤に吸着されていた蒸発燃料は、上記したような大気の流れを受けて吸着剤から脱離し、大気とともにスロットル弁39下流の吸気管35内へ導入される。このように吸気管35内に導入された蒸発燃料(パージガス)は、吸気管35の上流から流れてきた新気及び燃料噴射弁32から噴射される燃料と混ざり合いながら燃焼室24内に導入されて燃焼及び処理される。
ところで、内燃機関1の運転状態が低中負荷運転領域にあって、ノンスロットル制御が実行されている場合は、スロットル弁39が実質的に全開状態となるため、スロットル弁39下流の吸気管35内に吸気管負圧が殆ど発生せず、パージ通路66の上流と下流との圧力差が極僅かとなるため、所望量の蒸発燃料をパージすることが困難になる。
そこで、本実施例では、CPU401は、内燃機関1がノンスロットル制御されているときに蒸発燃料のパージ実行条件が成立すると、スロットル弁39を所定量閉弁させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御することにより、スロットル弁39下流の吸気管35内に吸気管負圧を発生させ、以てパージ通路66の上流と下流との間に圧力差を発生させるようにした。このようにCPU401がスロットル弁39を制御することにより本発明に係るスロットル弁制御手段が実現されることになる。尚、上記した所定量は、要求蒸発燃料量や機関回転数などをパラメータとして、必要最小限の負圧が確保されるように設定されることが好ましい。これは、スロットル弁39が過剰に閉弁されると吸気のポンピングロスが不要に大きくなり、燃料消費量が増加してしまう虞があるからである。
また、単にスロットル弁39を所定量閉弁させるだけでは、内燃機関1の吸入空気量が
減少してトルク変動を誘発する虞があるため、本実施例では、内燃機関1がノンスロットル制御されている状況下でパージ制御が実行される場合には、CPU401は、スロットル弁39を所定量閉弁させるべくスロットル用アクチュエータ40を制御すると同時に、吸気弁28及び排気弁29の開閉時期を各気筒21の吸気効率が高くなるタイミングへ変更すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御するようにした。この場合、パージ通路66の上流と下流との間に圧力差を発生させるべくスロットル弁39が所定量閉弁されても、各気筒21の吸入空気量が減少することがなく、トルク変動等の不具合が発生することがなくなる。このようにCPU401が吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機構31を制御することにより本発明に係る動弁機構制御手段が実現されることになる。
以下、本実施例に係るパージ制御について具体的に説明する。CPU401は、パージ制御を実行するにあたり、図12に示すようなパージ制御ルーチンを実行する。このパージ制御ルーチンは、予めROM402に記憶されているルーチンであり、CPU401によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
パージ制御ルーチンでは、CPU401は、先ずS1201において蒸発燃料のパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
CPU401は、前記S1201において蒸発燃料のパージ実行条件が成立していると判定した場合は、S1202へ進み、内燃機関1の運転状態がノンスロットル制御実行領域にあるか否かを判別する。
前記S1202において内燃機関1の運転状態がノンスロットル制御実行領域にないと判定した場合は、CPU401は、S1211へ進み、通常のパージ制御を実行する。
一方、前記S1202において内燃機関1の運転状態がノンスロットル制御実行領域にあると判定した場合は、CPU401は、S1203へ進み、燃料タンク60内の圧力やチャコールキャニスタ61内の燃料濃度等をパラメータとしてパージすべき蒸発燃料量(要求蒸発燃料量)を算出する。
S1204では、CPU401は、前記S1204で算出された要求蒸発燃料量の蒸発燃料をパージする上で必要となる最小限の吸気管負圧(目標吸気管負圧)を算出する。
S1205では、CPU401は、前記S1204で算出された目標吸気管負圧に基づいてスロットル弁39の目標スロットル開度を決定する。
S1206では、CPU401は、エアフローメータ44の出力信号を入力して現時点における吸入空気量を検出し、検出された吸入空気量を目標吸入空気量として設定する。
S1207では、CPU401は、前記目標スロットル開度と前記目標吸入空気量とをパラメータとして、吸気弁28及び排気弁29の目標開閉時期を決定する。
S1208では、CPU401は、スロットル弁39の実際の開度を前記S1205で決定された目標スロットル開度まで徐々に変更すべくスロットル用アクチュエータ40を制御すると同時に、吸気弁28及び排気弁29の開閉時期を前記S1207で決定された目標開閉時期まで徐々に変更すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
S1209では、CPU401は、実際の吸気管負圧が前記要求吸気管負圧まで低下したか否かを判別する。ここで、実際の吸気管負圧は、スロットル弁39の開度(目標スロットル開度)やエアフローメータ44の出力信号値(吸入空気量)等をパラメータとして推定されるようにしてもよく、サージタンク34内の圧力を検出する圧力センサを設けることにより直接検出されるようにしてもよい。
前記S1209において実際の吸気管負圧が前記要求吸気管負圧まで低下していないと判定された場合は、CPU401は、本ルーチンの実行を一旦終了する。そして、CPU401は、所定時間経過後に本ルーチンを再度実行した際に、S1209において実際の吸気管負圧が前記要求吸気管負圧まで低下していると判定すると、S1210へ進むことになる。
S1210では、CPU401は、蒸発燃料のパージを実行する。すなわち、CPU401は、前記S1203で算出された要求蒸発燃料量に基づいて電磁弁67制御用のデューティ比(要求デューティ比)を特定し、その要求デューティ比に対応するパルス信号を電磁弁67に印加するとともに、要求蒸発燃料量に基づいて燃料噴射量を減量する。この場合、スロットル弁39が所定量閉弁されることにより、該スロットル弁39を通過する吸気量が減少し、スロットル弁39下流の吸気管35内に吸気管負圧が発生することになる。この結果、パージ通路66の上流が大気圧になるとともに、パージ通路66の下流にあたるスロットル弁39下流の吸気管35内が負圧となるため、パージ通路49の上流と下流との間に圧力差が生じる。
上記した圧力差により、パージ通路66の大気開放端から該パージ通路66内へ大気が流れ込み、次いでパージ通路66内の大気がスロットル弁39下流の吸気管35内へ導かれることになる。つまり、パージ通路66では、チャコールキャニスタ61を貫流する大気の流れが生じる。チャコールキャニスタ61を貫流する大気の流れが発生すると、チャコールキャニスタ61内の吸着剤に吸着されていた蒸発燃料は、大気の流れを受けて吸着剤から脱離し、大気とともにスロットル弁39下流の吸気管35内へ導入される。吸気管35内に導入された蒸発燃料(パージガス)は、吸気管35の上流から流れてきた新気及び燃料噴射弁32から噴射される燃料と混ざり合いながら燃焼室24内に導入されて燃焼及び処理される。
一方、スロットル弁39の開度が目標スロットル開度に変更される場合には、吸気弁28及び排気弁29の開閉時期は、スロットル弁39の開度変更に対応して、各気筒21の吸入効率が高くなるタイミングへ変更されるため、各気筒21の吸入空気量が減少することがなく、その結果、内燃機関1のトルク変動が発生することもない。
ここで、図12に戻り、CPU401は、前記したS1210の処理を実行し終えると本ルーチンの実行を一旦終了する。CPU401は、本ルーチンの実行を終了した時点から所定時間経過後に本ルーチンを再度実行することになるが、その際に要求蒸発燃料量のパージが完了してれば、S1201においてパージ実行条件が成立していないと判定し、S1212へ進むことになる。
S1212では、CPU401は、蒸発燃料のパージを終了すべく電磁弁67を閉弁させる。
S1213では、CPU401は、スロットル弁39の開度を通常の開度に戻すべくスロットル用アクチュエータ40を制御するとともに、吸気弁28及び排気弁29の開閉時期を通常の開閉時期に戻すべく吸気側駆動回路30a及び排気側駆動回路31aを制御する。
このようにCPU401がパージ制御ルーチンを実行することにより、本発明に係るスロットル弁制御手段と動弁機構制御手段とが実現されることになる。従って、本実施例に係る可変動弁機構を有する内燃機関によれば、内燃機関1の運転状態がノンスロットル制御実行領域にあるときに、蒸発燃料のパージ実行条件が成立すると、内燃機関1の吸入空気量を変化させることなく吸気管負圧を発生させることができ、以て内燃機関1のトルク変動等を誘発することなく、蒸発燃料のパージを実行することが可能となる。
尚、本実施例では、本発明に係る可変動弁機構として、吸気弁と排気弁との双方が電磁力によって開閉駆動される電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、吸気弁と排気弁との何れか一方のみが電磁駆動式動弁機構で構成されるようにしてもよい。
また、本実施例では、本発明に係る可変動弁機構として、電磁力によって吸気弁及び排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例に挙げたが、電磁力の代わりに油圧を用いる油圧駆動式可変動弁機構、クランクシャフトの回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動するカムシャフトを備えた内燃機関においてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更することにより吸気弁及び排気弁の開閉時期を調整する機械式可変動弁機構、あるいは、それらの可変動弁機構を適宜組み合わせてなる可変動弁機構であってもよい。
また、本実施例では、パージ通路66の下流側の端部がスロットル弁39下流の吸気管35に接続される構成について述べたが、図13、図14に示すように、パージ通路66が該パージ通路66の途中で4本の枝管66A、66B、66C、66Dに分岐され、各枝管66A、66B、66C、66Dが各気筒21の吸気ポート26に接続されるよう形成されるようにしてもよい。
本実施例における内燃機関1は、一気筒当たりに2つの吸気ポート26を有しているため、パージ通路66の各枝管66A、66B、66C、66Dは、各気筒21の2つの吸気ポート26の中の少なくとも一方に接続されるようにしてもよく、あるいは各枝管66A、66B、66C、66Dを更に2本の枝管に分岐させて各気筒21の2つの吸気ポート26の双方へ接続されるようにしてもよい。また、パージ通路66を8本の枝管に分岐させて、それらの枝管と内燃機関1の吸気ポート26とが一対一で接続されるようにしてもよい。
次に、パージ通路66内の流路を開閉する電磁弁67は、図14に示すように、パージ通路66において4つの枝管66A、66B、66C、66Dに分岐される部位より上流の部位に1つ設けるようにしてもよく、あるいは図15に示すように個々の枝管66A、66B、66C、66Dに独立して電磁弁67A、67B、67C、67Dを設けるようにしてもよい。その際、各電磁弁67A、67B、67C、67Dは、各枝管66A、66B、66C、66Dにおいて吸気ポート26に近接した部位に配置されることが好ましい。これは、電磁弁67A、67B、67C、67Dから吸気ポート26までの距離が長くなると、電磁弁67が開弁された時点から実際に蒸発燃料が吸気ポート26に到達する時点までに応答遅れ時間が生じるため、その応答遅れ時間を考慮してパージ制御(例えば、燃料噴射量の減量補正など)を実行する必要が生じ、パージ制御が煩雑になるからである。
また、各枝管66A、66B、66C、66Dは、図13に示すように、各吸気ポート26の上方から吸気ポート26へ臨むように形成されることが好ましい。これは、各枝管66A、66B、66C、66D内に液化した燃料や水などが付着することに起因した枝管66A、66B、66C、66D内の詰まりを防止するためである。
上記したようにパージ通路66の下流側端部が内燃機関1の吸気ポート26に接続された場合には、吸気ポート26の断面積が吸気管35の断面積より小さく、吸気ポート26内を流れる吸気の流速が吸気管35内を流れる吸気の流速より速くなるため、パージ通路66内の蒸発燃料を吸気の流速を利用して吸気ポート26内へ引き込むことが可能となる。この結果、内燃機関1の運転状態がノンスロットル制御実行領域にある場合に、スロットル開度を殆ど変更することなく、蒸発燃料をパージすることが可能となる。
第1の参考例に係る可変動弁機構を有する内燃機関の概略構成を示す図。 吸気側電磁駆動機構の構成を示す図。 第1の参考例に係るECUの内部構成を示すブロック図。 第1の参考例に係るブレーキブースタ負圧制御ルーチンを示すフローチャート図。 第2の参考例に係る可変動弁機構を有する内燃機関の概略構成を示す図。 第2の参考例に係るECUの内部構成を示すブロック図。 第2の参考例に係るブレーキブースタ負圧制御ルーチンを示すフローチャート図。 第3の参考例に係るブレーキブースタ負圧制御ルーチンを示すフローチャート図。 実施例における可変動弁機構を有する内燃機関の概略構成を示す図。 実施例における吸気側電磁駆動機構の内部構成を示す図。 実施例におけるECUの内部構成を示すブロック図。 実施例におけるパージ制御ルーチンを示すフローチャート図。 内燃機関における吸気ポート近傍の他の実施態様を示す図。 パージ通路の他の実施態様を示す図(1)。 パージ通路の他の実施態様を示す図(2)。
符号の説明
1・・・・内燃機関
20・・・ECU
26・・・吸気ポート
27・・・排気ポート
28・・・吸気弁
29・・・排気弁
30・・・吸気側電磁駆動機構
30a・・吸気側駆動回路
31・・・排気側電磁駆動機構
31a・・排気側駆動回路
33・・・吸気枝管
34・・・サージタンク
35・・・吸気管
36・・・エアクリーナボックス
39・・・スロットル弁
40・・・スロットル用アクチュエータ
41・・・スロットルポジションセンサ
42・・・アクセルペダル
43・・・アクセルポジションセンサ
60・・・燃料タンク
61・・・チャコールキャニスタ
62・・・蒸発燃料通路
63・・・タンク内圧制御弁
64・・・大気導入通路
65・・・負圧導入通路
66・・・パージ通路
100・・ブレーキブースタ
101・・第1の負圧通路(負圧通路)
102・・一方向弁
103・・第2の負圧通路
104・・一方向弁
105・・バキュームポンプ
106・・バキュームセンサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたは開弁量を調整可能な可変動弁機構を有する内燃機関であって、
    前記内燃機関の吸気通路内を流れる吸気の流量を調節するスロットル弁と、
    前記内燃機関の運転状態が所定の運転領域にあるときはノンスロットル運転制御を実行するノンスロットル運転制御実行手段と、
    前記ノンスロットル運転制御実行手段によってノンスロットル運転制御が実行されているときに所定の条件が成立した場合に前記スロットル弁を該所定の条件に応じて定まる所定量閉弁させるスロットル弁制御手段と、
    前記スロットル弁制御手段が前記スロットル弁を前記所定量閉弁させるときに、その際に生じる前記内燃機関の吸入空気量の変化を抑制すべく前記可変動弁機構を制御する動弁機構制御手段と、を備え
    前記動弁機構制御手段によって前記可変動弁機構を制御するときは、前記内燃機関の吸気弁と排気弁との少なくとも一方の目標開閉時期およびまたは目標開弁量を前記所定量に基づいて設定することを特徴とする可変動弁機構を有する内燃機関。
  2. 前記内燃機関の吸気通路で発生する吸気管負圧を利用して作動する負圧機構をさらに備え、
    前記所定の条件が、前記負圧機構の作動に係る吸気管負圧を発生させるときであることを特徴とする請求項記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  3. 前記負圧機構は、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を前記吸気通路へ還流させる蒸発燃料還流機構であり、前記所定条件が、前記蒸発燃料還流機構を作動させる必要が生じたときであることを特徴とする請求項記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
JP2004186914A 1999-11-25 2004-06-24 可変動弁機構を有する内燃機関 Expired - Fee Related JP4382588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004186914A JP4382588B2 (ja) 1999-11-25 2004-06-24 可変動弁機構を有する内燃機関

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33452699 1999-11-25
JP2000089771 2000-03-28
JP2004186914A JP4382588B2 (ja) 1999-11-25 2004-06-24 可変動弁機構を有する内燃機関

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000316425A Division JP3967536B2 (ja) 1999-11-25 2000-10-17 可変動弁機構を有する内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004301129A JP2004301129A (ja) 2004-10-28
JP4382588B2 true JP4382588B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=33424633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004186914A Expired - Fee Related JP4382588B2 (ja) 1999-11-25 2004-06-24 可変動弁機構を有する内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4382588B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009085145A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Hitachi Ltd 車両用エンジンの制御装置
US8818686B2 (en) 2010-06-24 2014-08-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine, hybrid vehicle including the same, and method for controlling internal combustion engine
CN108825326A (zh) * 2018-09-10 2018-11-16 浙江黎明发动机零部件有限公司 一种电磁控制式发动机制动装置及其启闭控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004301129A (ja) 2004-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3967536B2 (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
KR100404773B1 (ko) 전자구동밸브를 가지는 내연기관
JP2001336431A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2002227630A (ja) 内燃機関の排気微粒子除去装置
JP4382588B2 (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP2001329874A (ja) 内燃機関
JP4214659B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001303995A (ja) 内燃機関
JP2001234769A (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP4281192B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP3975683B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP4218169B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001182564A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP4258955B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP4232320B2 (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001289078A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001271666A (ja) 可変動弁機構を有する内燃機関
JP2006194252A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2001193504A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP4258089B2 (ja) 内燃機関
JP2001289091A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001355461A (ja) 内燃機関の電磁駆動式動弁機構
JP2001234766A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001193508A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関
JP2001263011A (ja) 電磁駆動弁を有する内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070827

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080416

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080502

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080704

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees