JP2001234769A - 可変動弁機構を有する内燃機関 - Google Patents

可変動弁機構を有する内燃機関

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JP2001234769A
JP2001234769A JP2000050140A JP2000050140A JP2001234769A JP 2001234769 A JP2001234769 A JP 2001234769A JP 2000050140 A JP2000050140 A JP 2000050140A JP 2000050140 A JP2000050140 A JP 2000050140A JP 2001234769 A JP2001234769 A JP 2001234769A
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intake
valve
internal combustion
combustion engine
cylinder
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JP2000050140A
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English (en)
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Isao Matsumoto
功 松本
Masaji Katsumata
正司 勝間田
Masaaki Tanaka
正明 田中
Keiji Yotsueda
啓二 四重田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、可変動弁機構を備えた内燃機関に
おいて、ポンプ損失を不要に増大させることなく吸気の
充填効率を高めることができる技術を提供することによ
り、内燃機関のトルクを向上させることを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る可変動弁機構を有する内燃
機関は、各気筒の吸気行程において所定の時期に吸気弁
の開度を一時的に絞るべく可変動弁機構を制御すること
により、吸気行程途中の気筒内に必要最小限の負圧を発
生させて、吸気の流速を高めるとともに吸気の慣性効果
が得られるようにし、以て不要なポンプ損失を増大させ
ることなく吸気の充填効率を高め、内燃機関のトルクを
向上させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などに搭載
される内燃機関に関し、特に、吸気弁と排気弁とのうち
すくなくとも吸気弁の開閉タイミングおよびまたはリフ
ト量を変更可能な可変動弁機構を有する内燃機関に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等に搭載される内燃機関で
は、正味燃焼効率の向上、排気エミッションの向上、あ
るいは燃料消費量の低減等を目的として、吸気弁と排気
弁との少なくとも一方の開閉時期およびまたはリフト量
を任意に変更可能な可変動弁機構を備えた内燃機関の開
発が進められている。
【0003】可変動弁機構としては、例えば、内燃機関
の吸気弁及び排気弁を電磁力によって開閉駆動する電磁
駆動式の動弁機構が提案されており、電磁駆動式動弁機
構としては、例えば、磁性体からなり吸気排気弁に連動
して進退動作するアーマチャと、励磁電流が印加された
ときに前記アーマチャを閉弁方向へ吸引する閉弁用電磁
石と、励磁電流が印加されたときに前記アーマチャを開
弁方向へ吸引する開弁用電磁石と、前記アーマチャを閉
弁方向へ付勢する閉弁側戻しばねと、前記アーマチャを
開弁方向へ付勢する開弁側戻しばねとを備えた電磁駆動
式動弁機構が提案されている。
【0004】このような電磁駆動式動弁機構によれば、
従来の動弁機構のように機関出力軸(クランクシャフ
ト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要
がないため、機関出力軸による吸排気弁の駆動に起因し
た機関出力の損失が防止される。
【0005】更に、上記したような電磁駆動式動弁機構
によれば、従来の動弁機構のように機関出力軸の回転と
連動して吸排気弁を開閉駆動する必要がなく、開弁用電
磁石と閉弁用電磁石に対する励磁電流の印加タイミング
を変更することによって吸排気弁を任意の時期に開閉さ
せることが可能となるため、吸気絞り弁(スロットル
弁)を用いることなく各気筒の吸入空気量を制御する、
いわゆるノンスロットル運転制御を実現することが可能
となる。この結果、スロットル弁に起因した吸気のポン
ピングロスが抑制される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常の内燃
機関では、吸気弁の開閉タイミングは、基本的に各気筒
の吸気行程上死点で吸気弁を開弁させるとともに吸気行
程下死点で吸気弁を閉弁させるよう設定されるが、内燃
機関の運転状態が低回転運転領域にあるときは、吸気の
流速が低く、吸気の慣性効果を十分に得ることができな
いため、各気筒における吸気の充填効率を高めることが
困難であった。
【0007】これに対し、可変動弁機構を利用して吸気
弁の開弁時期を吸気行程上死点より遅角させることによ
り、吸気行程上死点から吸気弁が開弁されるまでの期間
において気筒内の負圧度合いを高め、吸気弁開弁時にお
ける吸気の流速を高めることが考えられる。
【0008】但し、内燃機関の吸気系では、吸気弁開弁
時に吸気弁近傍において発生した負圧波が吸気通路の大
気開放端へ伝播し、次いで大気開放端において逆位相の
正圧波として反射されて気筒内に戻ってくる、いわゆる
圧力振動が発生するため、吸気の慣性効果を得るために
は、吸気の流速を高めると同時に、吸気弁の閉弁時期と
圧力振動による正圧波が気筒内に到達する時期とを同期
させる必要がある。
【0009】上記した圧力振動の周期、言い換えれば吸
気弁が開弁した時点から正圧波が気筒内に到達する時点
までの所要時間は、気筒内から大気開放端までの距離に
応じて変化する。気筒内から大気開放端までの距離は、
通常、内燃機関が高回転運転状態にあるとき、言い換え
れば吸気行程の期間が短くなるときに、吸気弁の閉弁時
期と正圧波の到達時期とが同期するよう設定される。
【0010】このため、内燃機関が低回転運転状態にあ
るとき、言い換えれば、吸気行程の期間が長くなるとき
に、吸気弁の閉弁時期と正圧波の到達時期とを同期させ
るには、吸気弁の開弁時期を過剰に遅角させる必要が生
じる。
【0011】しかしながら、吸気弁の開弁時期が吸気行
程上死点より遅角された場合には、吸気行程上死点から
吸気弁が開弁するまでの期間において、気筒内のピスト
ンが負圧に抗して下降動作することになり、内燃機関の
ポンプ損失が生じるため、吸気弁の開弁時期が過剰に遅
角されると、内燃機関のポンプ損失が過剰に増大してし
まい、たとえ吸気の慣性効果によって吸気の充填効率が
向上しても内燃機関のトルクが向上せず、却ってトルク
が低下してしまう虞がある。
【0012】本発明は、上記したような種々の事情に鑑
みてなされたものであり、可変動弁機構を備えた内燃機
関において、ポンプ損失を不要に増大させることなく吸
気の充填効率を高めることができる技術、特に内燃機関
が低回転運転状態にあるときの吸気の充填効率を高める
ことができる技術を提供することにより、内燃機関のト
ルクを向上させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関は、吸
気弁及び排気弁が設けられた気筒と、前記吸気弁と前記
排気弁とのうち少なくとも吸気弁の開閉タイミングおよ
びまたはリフト量を変更可能な可変動弁機構と、前記気
筒の吸気行程において前記吸気弁の開度を一時的に絞る
べく前記可変動弁機構を制御する吸気弁開度制御手段
と、を備えることを特徴としている。
【0014】このように構成された可変動弁機構を有す
る内燃機関では、吸気弁開度制御手段は、各気筒の吸気
行程において吸気弁の開度を一時的に絞るべく可変動弁
機構を制御することになる。
【0015】吸気行程の途中で吸気弁の開度が一旦絞ら
れると、気筒内へ流入する吸気量が一時的に制限される
ため、気筒内の負圧度合いが高められ、気筒内へ流入す
る吸気の流速が高くなる。
【0016】更に、吸気行程の途中で吸気弁の開度が絞
られると、吸気弁の開度が絞られた際に発生する負圧波
が気筒内から吸気系の大気開放端へ伝播し、次いで大気
開放端において正圧波として反射されて気筒内に戻って
くる圧力振動が発生するため、圧力振動による正圧波が
気筒内に到達する時期と吸気弁が閉弁する時期とを同期
させるべく吸気弁の絞り時期を設定すれば、吸気の慣性
効果を十分に得ることが可能となる。
【0017】従って、各気筒の吸気行程において所定の
時期に吸気弁の開度が絞られると、各気筒内に流入する
吸気の流速が高くなるとともに、吸気の慣性効果が得ら
れることになるため、各気筒における吸気の充填効率が
向上する。尚、吸気弁の開度は、吸気行程途中で一時的
に絞られるのみであるため、過剰なポンプ損失が発生す
ることもない。
【0018】次に、本発明に係る可変動弁機構として
は、例えば、電磁力を利用して吸気弁および排気弁を開
閉駆動する電磁駆動式動弁機構を例示することができ
る。その際、吸気弁開度制御手段は、内燃機関の運転状
態が低回転運転領域にあるときに、各気筒の吸気行程に
おいて吸気弁の開度を一時的に絞るべく電磁駆動式動弁
機構を制御するようにしてもよい。
【0019】これは、内燃機関の運転状態が高回転運転
状態にあるときは、吸気の流速が高く、吸気の慣性効果
を得ることが容易となるが、内燃機関の運転状態が低回
転運転領域にあるときは、吸気の流速が遅く、吸気の慣
性効果を得ることが困難となるためである。
【0020】また、本発明に係る可変動弁機構を有する
内燃機関において、内燃機関の運転状態が所定の運転領
域にあるときに該内燃機関の吸入空気量を所望の目標吸
入空気量とすべく電磁駆動式動弁機構を制御する吸気量
制御手段を更に備えている場合は、吸気弁開度制御手段
は、内燃機関の運転状態が前記した所定の運転領域にあ
るときに、各気筒の吸気行程において吸気弁の開度を一
時的に絞るべく電磁駆動式動弁機構を制御するようにし
てもよい。
【0021】これは、吸気弁及び排気弁の開閉タイミン
グおよびまたはリフト量を制御することによって内燃機
関の吸入空気量を調整する、所謂ノンスロットル運転制
御が実現可能な内燃機関を想定したものであり、そのよ
うな内燃機関においてノンスロットル運転制御が実行さ
れている場合は、気筒内に流入する際の吸気の流速が低
くなり易いため、吸気の流速を高めて吸気の充填効率向
上と燃料の微粒化を図る必要があるからである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る可変動弁機構
を有する内燃機関の具体的な実施態様について図面に基
づいて説明する。
【0023】図1は、本実施の形態に係る内燃機関とそ
の吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃
機関1は、複数の気筒21を備えた4サイクルの水冷式
ガソリンエンジンである。
【0024】内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水
路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリ
ンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1
aとを備えている。
【0025】前記シリンダブロック1bには、機関出力
軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、こ
のクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に
装填されたピストン22と連結されている。
【0026】各気筒21のピストン22上方には、ピス
トン22の頂面とシリンダヘッド1aの壁面とに囲まれ
た燃焼室24が形成されている。前記シリンダヘッド1
aには、各気筒21の燃焼室24に臨むよう点火栓25
が取り付けられ、この点火栓25には、該点火栓25に
駆動電流を印加するためのイグナイタ25aが接続され
ている。
【0027】前記シリンダヘッド1aにおいて各気筒2
1の燃焼室24に臨む部位には、吸気ポート26の開口
端が2つ形成されるとともに、排気ポート27の開口端
が2つ形成されている。そして、前記シリンダヘッド1
aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気
弁28と、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排
気弁29とが進退自在に設けられている。
【0028】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁
28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電
磁駆動機構30と記す)が吸気弁28と同数設けられて
いる。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁駆
動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a(以
下、吸気側駆動回路30aと記す)が電気的に接続され
ている。
【0029】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁
29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電
磁駆動機構31と記す)が排気弁29と同数設けられて
いる。各排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁駆
動機構31に励磁電流を印加するための駆動回路31a
(以下、排気側電磁駆動機構31と記す)が電気的に接
続されている。
【0030】上記した吸気側電磁駆動機構30と排気側
電磁駆動機構31とは、本発明に係る可変動弁機構を実
現するものである。ここで、吸気側電磁駆動機構30と
排気側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べ
る。尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構
31とは同様の構成であるため、吸気側電磁駆動機構3
0のみを例に挙げて説明する。
【0031】図2は、吸気側電磁駆動機構30の構成を
示す断面図である。図2において内燃機関1のシリンダ
ヘッド1aは、シリンダブロック1bの上面に固定され
るロアヘッド10と、このロアヘッド10の上部に設け
られたアッパヘッド11とを備えている。
【0032】前記ロアヘッド10には、各気筒21毎に
2つの吸気ポート26が形成され、各吸気ポート26の
燃焼室24側の開口端には、吸気弁28の弁体28aが
着座するための弁座12が設けられている。
【0033】ロアヘッド10には、各吸気ポート26の
内壁面からこのロアヘッド10の上面にかけて断面円形
の貫通孔が形成され、この貫通孔には、この貫通孔に挿
通される吸気弁28の弁軸28bを進退自在に保持する
筒状のバルブガイド13が挿入されている。
【0034】アッパヘッド11において前記バルブガイ
ド13と軸心が同一となる部位には、第1コア301及
び第2コア302が嵌入される断面円形のコア取付孔1
4が設けられている。前記コア取付孔14の下部14b
は、その上部14aに比して径大に形成されている。以
下では、前記コア取付孔14の下部14bを径大部14
bと称し、前記コア取付孔14の上部14aを径小部1
4aと記す。
【0035】前記径小部14aには、軟磁性体からなる
環状の第1コア301と第2コア302とが所定の間隙
303を介して軸方向に直列に嵌挿されている。これら
の第1コア301の上端と第2コア302の下端には、
それぞれフランジ301aとフランジ302aが形成さ
れており、第1コア301は上方から、また第2コア3
02は下方からそれぞれコア取付孔14に嵌挿され、フ
ランジ301aとフランジ302aがコア取付孔14の
縁部に当接することにより第1コア301と第2コア3
02の位置決めがされて、前記間隙303が所定の距離
に保持されるようになっている。
【0036】第1コア301の上方には、筒状のアッパ
キャップ305が設けられている。このアッパキャップ
305は、その下端に形成されたフランジ部305aに
ボルト304を貫通させてアッパヘッド11上面に固定
されている。この場合、フランジ部305aを含むアッ
パキャップ305の下端が第1コア301の上面周縁部
に当接した状態で固定されることになり、その結果、第
1コア301がアッパヘッド11に固定されることにな
る。
【0037】一方、第2コア302の下部には、コア取
付孔14の径大部14bと略同径の外径を有する環状体
からなるロアキャップ307が設けられている。このロ
アキャップ307にはボルト307が貫通し、そのボル
ト307により前記径小部14aと径大部14bの段部
における下向きの段差面に固定されている。この場合、
ロアキャップ307が第1コア302の下面周縁部に当
接した状態で固定されることになり、その結果、第2コ
ア302がアッパヘッド11に固定されることになる。
【0038】前記第1コア301の前記間隙303側の
面に形成された溝部には、第1の電磁コイル308が把
持されており、前記第2コア302の間隙303側の面
に形成された溝部には第2の電磁コイル309が把持さ
れている。その際、第1の電磁コイル308と第2の電
磁コイル309とは、前記間隙303を介して向き合う
位置に配置されるものとする。そして、第1及び第2の
電磁コイル308、309は、前述した吸気側駆動回路
30aと電気的に接続されている。
【0039】前記間隙303には、該間隙303の内径
より径小な外径を有する環状の軟磁性体からなるアーマ
チャ311が配置されている。このアーマチャ311の
中空部には、該アーマチャ311の軸心に沿って上下方
向に延出した円柱状のアーマチャシャフト310が固定
されている。このアーマチャシャフト311は、その上
端が前記第1コア301の中空部を通ってその上方のア
ッパキャップ305内まで至るとともに、その下端が第
2コア302の中空部を通ってその下方の径大部14b
内に至るよう形成され、前記第1コア301及び前記第
2コア302によって軸方向へ進退自在に保持されてい
る。
【0040】前記アッパキャップ305内に延出したア
ーマチャシャフト310の上端部には、円板状のアッパ
リテーナ312が接合されるとともに、前記アッパキャ
ップ305の上部開口部にはアジャストボルト313が
螺着され、これらアッパリテーナ312とアジャストボ
ルト313との間には、アッパスプリング314が介在
している。また、前記アジャストボルト313と前記ア
ッパスプリング314との当接面には、前記アッパキャ
ップ305の内径と略同径の外径を有するスプリングシ
ート315が介装されている。
【0041】一方、前記大径部12b内に延出したアー
マチャシャフト310の下端部には、吸気弁28の弁軸
28bの上端部が当接している。前記弁軸28bの上端
部の外周には、円盤状のロアリテーナ28cが接合され
ており、そのロアリテーナ28cの下面とロアヘッド1
0の上面との間には、ロアスプリング316が介在して
いる。
【0042】このように構成された吸気側電磁駆動機構
30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル
308及び第2の電磁コイル309に対して励磁電流が
印加されていないときは、アッパスプリング314から
アーマチャシャフト310に対して下方向(すなわち、
吸気弁28を開弁させる方向)への付勢力が作用すると
ともに、ロアスプリング316から吸気弁28に対して
上方向(すなわち、吸気弁28を閉弁させる方向)への
付勢力が作用し、その結果、アーマチャシャフト310
及び吸気弁28が互いに当接して所定の位置に弾性支持
された状態、いわゆる中立状態に保持されることにな
る。
【0043】尚、アッパスプリング314とロアスプリ
ング316の付勢力は、前記アーマチャ311の中立位
置が前記間隙303において前記第1コア301と前記
第2コア302との中間の位置に一致するよう設定され
ており、構成部品の初期公差や経年変化等によってアー
マチャ311の中立位置が前記した中間位置からずれた
場合には、アーマチャ311の中立位置が前記した中間
位置と一致するようアジャストボルト313によって調
整することが可能になっている。
【0044】また、前記アーマチャシャフト310及び
前記弁軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ31
1が前記間隙303の中間位置に位置するときに、前記
弁体28aが全開側変位端と全閉側変位端との中間の位
置(以下、中開位置と称する)となるように設定されて
いる。
【0045】前記した吸気側電磁駆動機構30では、吸
気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308に対し
て励磁電流が印加されると、第1コア301と第1の電
磁コイル308とアーマチャ311との間に、アーマチ
ャ311を第1コア301側へ変位させる方向の電磁力
が発生し、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル
309に対して励磁電流が印加されると、第2コア30
2と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間
にアーマチャ311を前記第2コア302側へ変位させ
る方向の電磁力が発生する。
【0046】従って、上記した吸気側電磁駆動機構30
では、吸気側駆動回路30aからの励磁電流が第1の電
磁コイル308と第2の電磁コイル309とに交互に印
加されることにより、アーマチャ311が進退動作し、
以て弁体28aが開閉駆動されることになる。その際、
第1の電磁コイル308及び第2の電磁コイル309に
対する励磁電流の印加タイミングと励磁電流の大きさを
変更することにより、吸気弁28の開閉タイミングを制
御することが可能となる。
【0047】また、上記した吸気側電磁駆動機構30に
は、吸気弁28の変位を検出するバルブリフトセンサ3
17が取り付けられている。このバルブリフトセンサ3
17は、アッパリテーナ312の上面に取り付けられた
円板状のターゲット317aと、アジャストボルト31
3における前記アッパリテーナ312と対向する部位に
取り付けられたギャップセンサ317bとから構成され
ている。
【0048】このように構成されたバルブリフトセンサ
317では、前記ターゲット317aが前記吸気側電磁
駆動機構30のアーマチャ311と一体的に変位し、前
記ギャップセンサ317bが該ギャップセンサ317b
と前記ターゲット317aとの距離に対応した電気信号
を出力することになる。
【0049】その際、アーマチャ311が中立状態にあ
るときのギャップセンサ317bの出力信号値を予め記
憶しておき、その出力信号値と現時点におけるギャップ
センサ317bの出力信号値との偏差を算出することに
より、アーマチャ311及び吸気弁28の変位を特定す
ることが可能となる。
【0050】ここで、図1に戻り、内燃機関1のシリン
ダヘッド1aには、4つの枝管からなる吸気枝管33が
接続され、各気筒21の吸気ポート26が前記吸気枝管
33の各枝管と連通している。前記シリンダヘッド1a
において前記吸気枝管33との接続部位の近傍には、そ
の噴孔が吸気ポート26内に臨むよう燃料噴射弁32が
取り付けられている。
【0051】前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制す
るためのサージタンク34に接続されている。前記サー
ジタンク34には、吸気管35が接続されている。前記
吸気管35は、吸気中の塵や埃等を取り除くためのエア
クリーナボックス36と接続されている。
【0052】前記吸気管35には、該吸気管35内を流
れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を
出力するエアフローメータ44が取り付けられている。
前記吸気管35において前記エアフローメータ44より
下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を
調整するスロットル弁39が設けられている。
【0053】前記スロットル弁39には、ステッパモー
タ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル
弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40
と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を
出力するスロットルポジションセンサ41と、アクセル
ペダル42に機械的に接続され該アクセルペダル42の
操作量に対応した電気信号を出力するアクセルポジショ
ンセンサ43とが取り付けられている。
【0054】一方、前記内燃機関1のシリンダヘッド1
aには、4本の枝管が内燃機関1の直下流において1本
の集合管に合流するよう形成された排気枝管45が接続
され、各気筒21の排気ポート27が前記排気枝管45
の各枝管と連通している。
【0055】前記した排気枝管45の集合管は、排気浄
化触媒46と接続されている。排気浄化触媒46は、排
気管47と接続され、排気管47は、下流にて図示しな
いマフラーと接続されている。
【0056】前記排気枝管45の集合管には、該排気枝
管45内を流れる排気の空燃比、言い換えれば、前記排
気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応した電気
信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられてい
る。
【0057】前記排気浄化触媒46は、例えば、該排気
浄化触媒46に流入する排気の空燃比が理論空燃比近傍
の所定の空燃比であるときに排気中に含まれる炭化水素
(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)
を浄化する三元触媒、該排気浄化触媒46に流入する排
気の空燃比がリーン空燃比であるときは排気中に含まれ
る窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、流入排気の空燃比が
理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵して
いた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する
吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する
排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が
存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・
浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種
の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0058】また、内燃機関1は、クランクシャフト2
3の端部に取り付けられたタイミングロータ51aとタ
イミングロータ51a近傍のシリンダブロック1bに取
り付けられた電磁ピックアップ51bとからなるクラン
クポジションセンサ51と、内燃機関1の内部に形成さ
れた冷却水路1cを流れる冷却水の温度を検出すべくシ
リンダブロック1bに取り付けられた水温センサ52と
を備えている。
【0059】このように構成された内燃機関1には、該
内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御ユニッ
ト(Electronic Control Unit:ECU)20が併設さ
れている。
【0060】前記ECU20には、スロットルポジショ
ンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフ
ローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジショ
ンセンサ51、水温センサ52、バルブリフトセンサ3
17等の各種センサが電気配線を介して接続され、各セ
ンサの出力信号がECU20に入力されるようになって
いる。
【0061】前記ECU20には、イグナイタ25a、
吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴
射弁32、スロットル用アクチュエータ40等が電気配
線を介して接続され、ECU20が各種センサの出力信
号値をパラメータとしてイグナイタ25a、吸気側駆動
回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴射弁32、
スロットル用アクチュエータ40を制御することが可能
になっている。
【0062】ここで、ECU20は、図3に示すよう
に、双方向性バス400によって相互に接続されたCP
U401とROM402とRAM403とバックアップ
RAM404と入力ポート405と出力ポート406と
を備えるとともに、前記入力ポート405に接続された
A/Dコンバータ(A/D)407を備えている。
【0063】前記A/D407には、スロットルポジシ
ョンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エア
フローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ5
2、バルブリフトセンサ317等のようにアナログ信号
形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続さ
れ、各センサの出力信号をアナログ信号形式からデジタ
ル信号形式に変換した後に前記入力ポート405へ送信
する。
【0064】前記入力ポート405は、前述したスロッ
トルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ
43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温
センサ52等のようにアナログ信号形式の信号を出力す
るセンサと前記A/D407を介して接続されるととも
に、クランクポジションセンサ51のようにデジタル信
号形式の信号を出力するセンサと直接接続されている。
【0065】前記入力ポート405は、各種センサの出
力信号を直接又はA/D407を介して入力し、それら
の出力信号を双方向性バス400を介してCPU401
やRAM403へ送信する。
【0066】前記出力ポート406は、イグナイタ25
a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃
料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40等と電
気配線を介して接続されている。前記出力ポート406
は、CPU401から出力された制御信号を双方向性バ
ス400を介して入力し、その制御信号をイグナイタ2
5a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、
燃料噴射弁32、又はスロットル用アクチュエータ40
へ送信する。
【0067】前記ROM402は、燃料噴射量を決定す
るための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定
するための燃料噴射時期制御ルーチン、吸気弁28の開
閉タイミングを決定するための吸気弁開閉タイミング制
御ルーチン、排気弁29の開閉タイミングを決定するた
めの排気弁開閉タイミング制御ルーチン、吸気側電磁駆
動機構30に印加すべき励磁電流量を決定するための吸
気側励磁電流制御ルーチン、排気側電磁駆動機構31に
印加すべき励磁電流量を決定するための排気側励磁電流
量制御ルーチン、各気筒21の点火栓25の点火時期を
決定するための点火時期制御ルーチン、スロットル弁3
9の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン
等のアプリケーションプログラムに加え、吸気弁28の
開度を所望の開度とすべく吸気側駆動回路30aを制御
するための吸気弁開度制御ルーチンを記憶している。
【0068】前記ROM402は、前記したアプリケー
ションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶して
いる。前記した制御マップは、例えば、内燃機関1の運
転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マッ
プ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示
す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸
気弁28の開閉タイミングとの関係を示す吸気弁開閉タ
イミング制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁2
9の開閉タイミングとの関係を示す排気弁開閉タイミン
グ制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気側電磁駆動
機構30及び排気側電磁駆動機構31に印加すべき励磁
電流量との関係を示す励磁電流量制御マップ、内燃機関
1の運転状態と各点火栓25の点火時期との関係を示す
点火時期制御マップ、内燃機関1の運転状態とスロット
ル弁39の開度との関係を示すスロットル開度制御マッ
プ、内燃機関1の運転状態と吸気弁28の開度との関係
を示す吸気弁開度制御マップ等である。
【0069】前記RAM403は、各センサの出力信号
やCPU401の演算結果等を記憶する。前記演算結果
は、例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号
に基づいて算出される機関回転数等である。前記RAM
403に記憶される各種のデータは、クランクポジショ
ンセンサ51が信号を出力する度に最新のデータに書き
換えられる。
【0070】前記バックアップRAM45は、内燃機関
1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリで
あり、各種制御に係る学習値等を記憶する。前記CPU
401は、前記ROM402に記憶されたアプリケーシ
ョンプログラムに従って動作し、燃料噴射制御、点火制
御を実行すると共に、本発明の要旨となる吸気弁開度制
御を実行する。
【0071】以下、本実施の形態にかかる吸気弁開度制
御について述べる。内燃機関1の運転状態が低回転運転
領域にあるときの吸気弁28の開閉タイミングは、通
常、図4に示すように、吸気行程上死点で吸気弁28が
開弁するとともに吸気行程下死点で吸気弁28が閉弁す
るよう設定されるが、機関回転数が低いときは吸気の流
速が低く、吸気の慣性効果を十分に得ることができない
ため、吸気弁28の閉弁時における気筒内の圧力を大気
圧より高くすることができない。
【0072】これに対して、図5に示すように、吸気弁
28の開弁時期を吸気行程上死点より遅角させ、吸気行
程上死点から吸気弁28が開弁するまでの期間において
気筒21内に負圧を発生させることにより、吸気弁28
の開弁時における吸気の流速を高め、吸気の慣性効果を
得ることが考えられる。
【0073】しかしながら、内燃機関1の吸気系は、内
燃機関1の運転状態が高回転運転領域にあるとき、つま
り吸気行程期間が短くなるときに、吸気の慣性効果が得
られるように設計されている。このため、内燃機関1の
運転状態が低回転運転領域にあるとき、つまり吸気行程
期間が長くなるときに吸気の慣性効果を得るためには、
吸気弁28の開弁時期と閉弁時期との時間的な間隔が短
くすべく吸気弁28の開弁時期を多量に遅角させなけれ
ばならず、内燃機関1のポンプ損失が不要に増大してし
まう。
【0074】そこで、本実施の形態に係る吸気弁開度制
御では、CPU401は、各気筒21の吸気行程の途中
で吸気弁28の開度を一時的に全閉位置まで絞るように
した。つまり、本実施の形態に係る吸気弁開度制御で
は、CPU401は、各気筒21の吸気行程において、
吸気弁28を2回開閉駆動するようにした。
【0075】以下では、各気筒21の吸気行程で吸気弁
28が2回開閉駆動される場合の1回目の開弁時期を第
1の開弁時期:VO1、1回目の閉弁時期を第1の閉弁
時期:VC1、2回目の開弁時期を第2の開弁時期:V
O2、2回目の閉弁時期を第2の閉弁時期:VC2と称す
るものとする。
【0076】このように各気筒21の吸気行程において
吸気弁28が2回開閉駆動されると、図6に示すよう
に、第1の開弁時期:VO1から第1の閉弁時期:VC1
までの開弁期間では、ピストン22の下降動作に応じて
気筒21内に吸気が流入することになるため、気筒21
内の圧力は、略大気圧となっている。
【0077】続いて、第1の閉弁時期:VC1から第2
の開弁時期:VO2までの閉弁期間では、ピストン22
の下降動作に応じて気筒21内に吸気が流入しなくなる
ため、気筒21内に負圧が発生し、その結果、吸気弁2
8の上流(吸気系)と下流(気筒21内)との間に圧力
差が生じることになる。
【0078】第2の開弁時期:VO2から第2の閉弁時
期:VC2までの開弁期間では、吸気弁28の上流と下
流との圧力差によって気筒21内に流入する吸気の流速
が高められることになる。
【0079】更に、前記の圧力差によって吸気弁28近
傍に負圧波が発生し、その負圧波が吸気系へ伝播し、次
いで前記負圧波が吸気系の大気開放端にて正圧波として
反射されて前記吸気弁28近傍に戻ってくる、いわゆる
圧力振動が発生することになるため、圧力振動による正
圧波が気筒21内に到達する時期と第2の閉弁時期:V
C2とが同期するように第2の開弁時期:VO2を設定す
ることにより、吸気の慣性効果を得ることが可能とな
り、その結果、第2の閉弁時期:VC2における気筒2
1内の圧力を大気圧より高くすることが可能となる。
【0080】一方、気筒21内へ流入する吸気の流速
は、吸気弁28の上流と下流との圧力差の大きさに応じ
て変化し、前記の圧力差は、第1の閉弁時期:VC1と
第2の開弁時期:VO2との間隔に応じて変化するた
め、第1の閉弁時期:VC1と第2の開弁時期:VO2と
の間隔を長くして吸気の流速を高めることが考えられ
る。
【0081】しかしながら、吸気の流速は音速で最大と
なるため、第1の閉弁時期:VC1と第2の開弁時期:
VO2との間隔を過剰に長くしても、吸気の流速を高め
ることは不可能となり、内燃機関1のポンプ損失を増大
させるだけとなる。
【0082】そこで、本実施の形態では、第1の閉弁時
期:VC1と第2の開弁時期:VO2との間隔は、吸気の
流速を音速とする上で必要最小限の間隔(以下、一時閉
弁間隔と記す)となるように設定されるものとする。こ
の一時閉弁間隔は、予め実験的に求められてROM40
2の所定領域に記憶されているものとする。
【0083】次に、本実施の形態に係る吸気弁開度制御
について具体的に説明する。CPU401は、吸気弁開
度制御を実行するにあたり、図7に示すような吸気弁開
度制御ルーチンを実行することになる。この吸気弁開度
制御ルーチンは、ROM402に予め記憶されているル
ーチンであって、CPU401によって所定時間毎(例
えば、クランクポジションセンサ51がパルス信号を出
力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0084】前記吸気弁開度制御ルーチンでは、CPU
401は、先ず、S701において、RAM403の所
定領域へアクセスし、最新の機関回転数(Ne)を読み
出す。
【0085】S702では、CPU401は、前記S7
01で読み出された機関回転数(Ne)が所定回転数
(Nes)以下であるか否かを判別する。ここで、前記
した所定回転数(Nes)は、吸気弁28が通常の開閉
タイミングで開閉駆動された場合において、所望の慣性
効果を得ることができる最低の機関回転数である。この
所定回転数(Nes)は、予め実験的に求められた値で
あり、ROM402の所定領域に記憶されている。
【0086】前記S702において前記機関回転数(N
e)が前記所定回転数(Nes)以上であると判定した
場合は、CPU401は、吸気弁28を通常の開閉タイ
ミングで開閉駆動しても所望の慣性効果を得ることが可
能であるとみなし、S707へ進む。
【0087】S707では、CPU401は、通常の開
閉タイミングで吸気弁28を開閉駆動すべく吸気側駆動
回路30aを制御する。一方、前記S702において前
記機関回転数(Ne)が前記所定回転数(Nes)より
低いと判定した場合は、CPU401は、吸気弁28を
通常の開閉タイミングで開閉駆動しても所望の慣性効果
を得ることができないとみなし、S703へ進む。
【0088】S703では、CPU401は、第1の開
弁時期:VO1、第1の閉弁時期:VC1、第2の開弁時
期:VO2、及び第2の閉弁時期:VC2を算出する。具
体的には、CPU401は、先ず、第1の開弁時期:V
O1を吸気行程上死点に設定するとともに、第2の閉弁
時期:VC2を吸気行程下死点に設定する。
【0089】続いて、CPU401は、第2の開弁時
期:VO2に発生する圧力振動の正圧波が気筒21内に
到達する時期と第2の閉弁時期:VC2とが同期するよ
うに第2の開弁時期:VO2を決定する。
【0090】すなわち、第2の開弁時期:VO2から第
2の閉弁時期:VC2までの所要時間(以下、第2の開
弁時間:TOと記す)と、第2の開弁時期:VO2から正
圧波が気筒21に到達する時点までの所要時間(以下、
正圧波伝播時間:TSと記す)とが一致するように第2
の開弁時期:VO2を決定する。
【0091】その際、正圧波の伝播速度が音速で略一定
となるため前記正圧波伝播時間:TSは略一定値となる
が、第2の開弁時間:TOは機関回転数(Ne)に応じ
て変化するため、機関回転数(Ne)と正圧波伝播時
間:TSと第2の開弁時期:VO2との関係を予め実験的
に求めておき、それらの関係をマップ化してROM40
2に記憶しておくようにしてもよい。
【0092】上記したように第2の開弁時期:VO2が
算出されると、CPU401は、ROM402に記憶さ
れている一時閉弁間隔を読み出し、前記第2の開弁時
期:VO2から前記一時閉弁間隔を減算して、第1の閉
弁時期:VC1を算出する。
【0093】このようにS702の処理を実行し終える
と、CPU401は、S704へ進み、前記S703で
算出された第1の開弁時期:VO1、第1の閉弁時期:
VC1、第2の開弁時期:VO2、及び第2の閉弁時期:
VC2に従って各気筒21の吸気弁28を開閉駆動すべ
く、吸気側駆動回路30aを制御する。
【0094】この場合、各気筒21の吸気弁28は、先
ず、第1の開弁時期:VO1で開弁された後に、第1の
閉弁時期:VC1で一旦閉弁される。次いで、各気筒2
1の吸気弁28は、前記第1の閉弁時期:VC1で閉弁
された後の第2の開弁時期:VO2で再び開弁され、第
2の閉弁時期:VC2で再度閉弁されることになる。つ
まり、各気筒21の吸気弁28は、前述した図6の説明
で述べたように、各気筒21の吸気行程において2回開
閉駆動されることになる。
【0095】この結果、気筒21内に流入する吸気の流
速が高められるとともに、第2の開弁時期:VO2に発
生する圧力振動の正圧波が第2の閉弁時期:VC2と同
期することになるため、各気筒21における吸気の充填
効率を高めることが可能となる。
【0096】更に、本実施の形態では、第1の閉弁時
期:VC1と第2の開弁時期:VO2との間隔(一時閉弁
間隔)は、気筒21内に流入する吸気の流速を音速とす
る上で最低限の長さに設定されるため、内燃機関1のポ
ンプ損失が不要に増大することがない。
【0097】このようにCPU401が吸気弁開度制御
ルーチンを実行することにより、本発明に係る吸気弁開
度制御手段が実現されることになる。従って、本実施の
形態に係る可変動弁機構を有する内燃機関によれば、内
燃機関1の運転状態が低回転運転領域にあるときに、内
燃機関1のポンプ損失を不要に増大させることなく各気
筒21内に流入する吸気の流速を高めることができると
ともに、吸気の慣性効果を得ることができるため、各気
筒21における吸気の充填効率を高め、以て内燃機関1
のトルクを向上させることが可能となる。
【0098】尚、電磁駆動式動弁機構を備えた内燃機関
1において、吸気管負圧の発生に伴うポンプ損失を防止
すべく、スロットル弁39を実質的に全開となる開度に
保持しつつ、吸気弁28及び排気弁29の開閉タイミン
グを制御して吸入空気量を制御する、所謂ノンスロット
ル運転制御が実行される場合には、吸気通路内の圧力が
略大気圧となり、吸気行程中の気筒21内においても負
圧が発生し難くなるため、吸気の流速が低く、燃料噴射
弁32から噴射された燃料を気化することが困難となる
ことが想定される。
【0099】そこで、本実施の形態では、内燃機関1が
ノンスロットル運転される場合には、CPU401は、
図8に示すように、吸気弁28の開弁時期を吸気行程上
死点から所定量遅角させることにより、吸気弁28開弁
時における吸気弁28の上流と下流との圧力差を増大さ
せ、以て気筒21内に流入する吸気の流速を高めて燃料
の微粒化及び霧化を促進させるようにしてもよい。
【0100】この場合、吸気行程中の気筒21内には、
新気と燃料とが均質に混合された良好な可燃混合気が形
成されることになる。この結果、必要最小限の燃料によ
って所望の可燃混合気を形成することが可能となり、燃
料消費量が低減されることになる。
【0101】
【発明の効果】本発明に係る可変動弁機構を有する内燃
機関では、各気筒の吸気行程途中で吸気弁の開度を一時
的に絞ることにより、気筒内へ流入する吸気の流速を高
くすることが可能となる。
【0102】更に、本発明に係る可変動弁機構を有する
内燃機関では、吸気弁の開度が絞られると、気筒内で発
生した負圧波が内燃機関の吸気系へ伝播し、次いで吸気
系の大気開放端にて正圧波として反射されて気筒内に戻
ってくる、いわゆる圧力振動が発生することになるた
め、圧力振動による正圧波が気筒内に到達する時期と吸
気弁が閉弁する時期とを同期させるべく吸気弁の絞り時
期を設定することにより、吸気の慣性効果を得ることが
可能となる。
【0103】その際、吸気弁の開度は、吸気行程途中で
一時的に絞られるのみであるため、内燃機関のポンプ損
失が不要に増大することもない。従って、本発明に係る
可変動弁機構を有する内燃機関によれば、内燃機関のポ
ンプ損失を不要に増大させることなく、気筒内に流入す
る吸気の流速を高めることができるとともに吸気の慣性
効果を得ることが可能となるため、各気筒における吸気
の充填効率が向上し、以て内燃機関のトルクを向上させ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変動弁機構を有する内燃機関
の概略構成を示す図
【図2】 吸気側電磁駆動機構の内部構成を示す図
【図3】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図4】 従来の吸気弁開閉タイミングと筒内圧力との
関係を示す図(1)
【図5】 従来の吸気弁開閉タイミングと筒内圧力との
関係を示す図(2)
【図6】 本実施の形態に係る吸気弁開閉タイミングと
筒内圧力との関係を示す図
【図7】 本実施の形態に係る吸気弁開度制御ルーチン
を示すフローチャート図
【図8】 他の実施の形態に係る吸気弁開閉タイミング
と筒内圧力との関係を示す図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 20・・・ECU 26・・・吸気ポート 27・・・排気ポート 28・・・吸気弁 29・・・排気弁 30・・・吸気側電磁駆動機構 30a・・吸気側駆動回路 31・・・排気側電磁駆動機構 31a・・排気側駆動回路 51・・・クランクポジションセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 BA38 CA12 DA37 DA70 EA02 EA03 EA11 EA16 EA17 EA19 EA22 EA24 EA32 FA01 FA08 GA06 GA07 3G092 AA01 AA11 BA01 DA01 DA07 DF01 DG09 EA02 EA04 EA28 FA02 GA17 HA01X HA01Z HA06X HA06Z HA13X HA13Z HE01X HE01Z HE04X HE04Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁及び排気弁が設けられた気筒と、 前記吸気弁と前記排気弁とのうち少なくとも吸気弁の開
    閉タイミングおよびまたはリフト量を変更可能な可変動
    弁機構と、 前記気筒の吸気行程において前記吸気弁の開度を一時的
    に絞るべく前記可変動弁機構を制御する吸気弁開度制御
    手段と、 を備えることを特徴とする可変動弁機構を有する内燃機
    関。
  2. 【請求項2】 前記可変動弁機構は、電磁力を利用して
    吸気弁および排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動弁機構
    であることを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構
    を有する内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記吸気弁開度制御手段は、前記内燃機
    関の運転状態が低回転運転領域にあるときに、前記気筒
    の吸気行程において前記吸気弁の開度を一時的に絞るべ
    く前記電磁駆動式動弁機構を制御することを特徴とする
    請求項2に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関の運転状態が所定の運転領
    域にあるときに該内燃機関の吸入空気量を所望の目標吸
    入空気量とすべく前記電磁駆動式動弁機構を制御する吸
    気量制御手段を更に備え、 前記吸気弁開度制御手段は、前記内燃機関の運転状態が
    前記した所定の運転領域にあるときに、前記気筒の吸気
    行程において前記吸気弁の開度を一時的に絞るべく前記
    電磁駆動式動弁機構を制御することを特徴とする請求項
    2に記載の可変動弁機構を有する内燃機関。
JP2000050140A 2000-02-25 2000-02-25 可変動弁機構を有する内燃機関 Pending JP2001234769A (ja)

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