JP2001355461A - 内燃機関の電磁駆動式動弁機構 - Google Patents

内燃機関の電磁駆動式動弁機構

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JP2001355461A
JP2001355461A JP2000174292A JP2000174292A JP2001355461A JP 2001355461 A JP2001355461 A JP 2001355461A JP 2000174292 A JP2000174292 A JP 2000174292A JP 2000174292 A JP2000174292 A JP 2000174292A JP 2001355461 A JP2001355461 A JP 2001355461A
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intake
opening
closing
exhaust
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Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Yoshihiro Iwashita
義博 岩下
Isao Matsumoto
功 松本
Masaji Katsumata
正司 勝間田
Keiji Yotsueda
啓二 四重田
Masato Ogiso
誠人 小木曽
Hideyuki Nishida
秀之 西田
Tomoumi Yamada
智海 山田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、開弁用の電磁石と閉弁用の電磁石
との2つの電磁石を備えた内燃機関の電磁駆動式動弁機
構において、吸排気弁の開閉駆動にかかる不要な消費電
力を削減することを課題とする。 【解決手段】 本発明にかかる内燃機関の電磁駆動式動
弁機構は、吸排気弁を開弁させるにあたり、開弁用付勢
バネの付勢力のみで吸排気弁を開弁側変位端まで変位さ
せることが可能である場合は、開弁用電磁石の電磁力を
利用せずに開弁用付勢バネの付勢力のみで吸気弁を開弁
駆動し、開弁用付勢バネの付勢力のみで吸排気弁を開弁
側変位端まで変位させることが不可能である場合は、開
弁側付勢バネの付勢力に加えて開弁用電磁石の電磁力を
利用して吸排気弁を開弁駆動することを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力を利用して
内燃機関の吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動する電
磁駆動式動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などに搭載される内燃機関
では、吸排気弁の開閉駆動に起因した機械損失の低減、
吸気のポンピング損失の低減、正味熱効率の向上等を目
的として、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを任意に
変更可能な電磁駆動式動弁機構の開発が進められてい
る。
【0003】電磁駆動式動弁機構としては、例えば、特
開平11−257036号公報に記載されているよう
に、吸排気弁と連動して変位可能な可動子と、励磁電流
が印加されたときに前記可動子を閉弁方向へ変位させる
電磁力を発生する閉弁用電磁石と、励磁電流が印加され
たときに前記可動子を開弁方向へ変位させる電磁力を発
生する開弁用電磁石と、前記可動子を開弁側へ付勢する
開弁用付勢バネと、前記可動子を閉弁側へ付勢する閉弁
用付勢バネと、を備えたものが提案されている。
【0004】このような電磁駆動式動弁機構では、閉弁
用電磁石に励磁電流が印加されると、閉弁用電磁石の電
磁力により可動子が閉弁側変位端に保持され、以て吸排
気弁が閉弁状態に保持される。
【0005】前記電磁駆動式動弁機構において、閉弁状
態にある吸排気弁を開弁させる場合は、閉弁用電磁石に
対する励磁電流の印加が停止された後に開弁用電磁石に
励磁電流が印加され、開弁用付勢バネの付勢力と開弁用
電磁石の電磁力とを利用して可動子を開弁側へ変位さ
せ、以て吸排気弁を開弁させる。
【0006】前記電磁駆動式動弁機構において、開弁状
態にある吸排気弁を閉弁させる場合には、開弁用電磁石
に対する励磁電流の印加が停止された後に閉弁用電磁石
に励磁電流が印加され、閉弁用付勢バネの付勢力と閉弁
用電磁石の電磁力とを利用して可動子を閉弁側変位端ま
で変位させ、前記可動子を閉弁側変位端に保持する。
【0007】上記したような電磁駆動式動弁機構によれ
ば、従来の動弁機構のように機関出力軸(クランクシャ
フト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必
要がないため、吸排気弁の駆動に起因した機械損失が低
減される。
【0008】更に、上記した電磁駆動式動弁機構によれ
ば、機関出力軸の回転動作と独立して吸排気弁を開閉駆
動させることが可能となるため、吸排気弁の開閉時期や
開度を制御する場合の自由度が高い等、種々の利点があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな電磁駆動式動弁機構では、閉弁状態にある吸排気弁
を開弁させる際に必ず開弁用電磁石に励磁電流が印加さ
れるため、吸排気弁を開弁側変位端に保持する必要がな
い場合にも開弁用電磁石に対して励磁電流が印加される
ことになり、吸排気弁の開閉駆動にかかる消費電力が不
要に多くなるという問題がある。
【0010】本発明は、上記したような問題点に鑑みて
なされたものであり、開弁用の電磁石と閉弁用の電磁石
との2つの電磁石を備えた内燃機関の電磁駆動式動弁機
構において、電磁石の消費電力を必要最小限に抑制する
ことができる技術を提供することにより、電磁駆動式動
弁機構の消費電力を低減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る内燃機関の電磁駆動式動弁機構は、内
燃機関の吸気弁又は排気弁と一体的に変位可能な可動子
と、前記可動子を吸気弁又は排気弁の開弁側へ付勢する
開弁用付勢バネと、前記可動子を吸気弁又は排気弁の閉
弁側へ付勢する閉弁用付勢バネと、励磁電流が印加され
たときに前記可動子を吸気弁又は排気弁の開弁側へ変位
させる電磁力を発生する開弁用電磁石と、励磁電流が印
加されたときに前記可動子を吸気弁又は排気弁の閉弁側
へ変位させる電磁力を発生する閉弁用電磁石と、前記開
弁用電磁石に対する励磁電流の印加を停止するとともに
前記閉弁用電磁石へ励磁電流を印加して前記可動子を閉
弁側変位端に保持する閉弁保持手段と、閉弁側変位端に
保持されている前記可動子を開弁側へ変位させるとき
に、所定の条件が不成立であると、前記閉弁用電磁石に
対する励磁電流の印加を停止させるとともに前記開弁用
電磁石へ励磁電流を印加することにより、前記開弁用付
勢バネの付勢力及び前記開弁用電磁石の電磁力を利用し
て前記可動子を開弁側へ変位させる第1の開弁手段と、
閉弁側変位端に保持されている前記可動子を開弁側へ変
位させるときに、所定の条件が成立していると、前記閉
弁用電磁石に対する励磁電流の印加を停止することによ
り、前記開弁用付勢バネの付勢力を利用して前記可動子
を開弁側へ変位させる第2の開弁手段と、を備えること
を特徴としている。
【0012】このように構成された内燃機関の電磁駆動
式動弁機構では、吸排気弁を閉弁状態に保持する場合
は、閉弁保持手段が開弁用電磁石に対する励磁電流の印
加を停止するとともに閉弁用電磁石へ励磁電流を印加す
る。
【0013】この場合、可動子は、閉弁用電磁石の電磁
力によって閉弁側変位端に保持され、それに対応して吸
排気弁が全閉位置に保持されることになる。全閉位置に
保持されている吸排気弁を開弁させる場合は、第1の開
弁手段もしくは第2の開弁手段によって吸排気弁が開弁
駆動されることになる。
【0014】その際、所定の条件が不成立であると、第
1の開弁手段が起動されて、閉弁用電磁石に対する励磁
電流の印加が停止された後に開弁用電磁石へ励磁電流が
印加される。
【0015】この場合、可動子は、開弁用付勢バネの付
勢力と開弁用電磁石の電磁力とを受けて開弁側変位端ま
で変位し、それに応じて吸排気弁が開弁することにな
る。一方、全閉位置に保持されている吸排気弁を開弁さ
せる際に、所定の条件が成立していると、第2の開弁手
段が起動されて、閉弁用電磁石に対する励磁電流の印加
が停止される。
【0016】この場合、可動子は、開弁用付勢バネの付
勢力のみで開弁側へ変位し、それに応じて吸排気弁が開
弁することになる。尚、可動子が開弁側へ変位した後
は、閉弁保持手段が閉弁用電磁石へ励磁電流を印加する
ことにより、閉弁用付勢バネの付勢力と閉弁用電磁石の
電磁力とを利用して可動子を閉弁側変位端まで変位させ
るとともに、閉弁用電磁石の電磁力を利用して可動子を
閉弁側変位端に保持することになる。
【0017】ここで、本発明に係る内燃機関の電磁駆動
式動弁機構において、所定の条件としては、吸排気弁を
開弁側変位端に保持する必要がない、吸排気弁が開弁用
電磁石の電磁力を利用しなくとも開弁側変位端まで変位
可能である、等の条件を例示することができる。
【0018】吸排気弁を開弁側変位端に保持する必要が
ない場合としては、例えば、内燃機関の燃焼室へ吸入す
べき空気の量が少ない場合や、内燃機関の燃焼室から排
出すべき排気の量が少ない場合等を例示することができ
る。
【0019】吸排気弁が開弁用電磁石の電磁力を利用せ
ずに開弁側変位端まで変位可能な場合としては、例え
ば、吸排気ポート内の圧力が燃焼室内の圧力より高い場
合を例示することができる。これは、吸排気弁を開弁さ
せる際に吸排気ポート内の圧力が燃焼室内の圧力より高
ければ、それらの圧力差が吸排気弁の開閉動作を助勢す
べく作用するため、開弁用電磁石の電磁力を利用せずと
も吸排気弁を開弁側変位端まで変位させることが可能と
なるからである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の電
磁駆動式動弁機構の具体的な実施態様について図面に基
づいて説明する。
【0021】図1及び図2は、本実施の形態に係る内燃
機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1及
び図2に示す内燃機関1は、4つの気筒21を備えた4
ストローク・サイクルの水冷式ガソリンエンジンであ
る。
【0022】内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水
路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリ
ンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1
aとを備えている。
【0023】前記シリンダブロック1bには、機関出力
軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、こ
のクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に
装填されたピストン22とコネクティングロッド19を
介して連結されている。
【0024】前記クランクシャフト23の端部には周縁
に複数の歯が形成されたタイミングロータ51aが取り
付けられ、そのタイミングロータ51a近傍のシリンダ
ブロック1bには電磁ピックアップ51bが取り付けら
れている。これらタイミングロータ51aと電磁ピック
アップ51bは、クランクポジションセンサ51を構成
する。
【0025】前記シリンダブロック1bには、前記冷却
水路1c内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を
出力する水温センサ52が取り付けられている。各気筒
21のピストン22上方には、ピストン22の頂面とシ
リンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成
されている。前記シリンダヘッド1aには、各気筒21
の燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、こ
の点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加する
ためのイグナイタ25aが電気的に接続されている。
【0026】前記シリンダヘッド1aにおいて各気筒2
1の燃焼室24に臨む部位には、吸気ポート26の開口
端が2つ形成されるとともに、排気ポート27の開口端
が2つ形成されている。そして、前記シリンダヘッド1
aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気
弁28と、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排
気弁29とが進退自在に設けられている。
【0027】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁
28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電
磁駆動機構30と称する)が吸気弁28と同数設けられ
ている。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁
駆動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a
(以下、吸気側駆動回路30aと称する)が電気的に接
続されている。
【0028】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁
29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電
磁駆動機構31と称する)が排気弁29と同数設けられ
ている。各排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁
駆動機構31に励磁電流を印加するための駆動回路31
a(以下、排気側駆動回路31aと称する)が電気的に
接続されている。
【0029】ここで、吸気側電磁駆動機構30及び排気
側電磁駆動機構31の具体的な構成について述べる。
尚、吸気側電磁駆動機構30と排気側電磁駆動機構31
とは同様の構成であるため、吸気側電磁駆動機構30の
みを例に挙げて説明する。
【0030】図3は、吸気側電磁駆動機構30の構成を
示す断面図である。図3において内燃機関1のシリンダ
ヘッド1aは、シリンダブロック1bの上面に固定され
るロアヘッド10と、このロアヘッド10の上部に設け
られたアッパヘッド11とを備えている。
【0031】前記ロアヘッド10には、各気筒21毎に
2つの吸気ポート26が形成され、各吸気ポート26の
燃焼室24側の開口端には、吸気弁28の弁体28aが
着座するための弁座12が設けられている。
【0032】前記ロアヘッド10には、各吸気ポート2
6の内壁面から該ロアヘッド10の上面にかけて断面円
形の貫通孔が形成され、その貫通孔には筒状のバルブガ
イド13が挿入されている。前記バルブガイド13の内
孔には、吸気弁28の弁軸28bが貫通し、前記弁軸2
8bが軸方向へ摺動自在となっている。
【0033】前記アッパヘッド11において前記バルブ
ガイド13と軸心が同一となる部位には、第1コア30
1及び第2コア302が嵌入される断面円形のコア取付
孔14が設けられている。前記コア取付孔14の下部1
4bは、その上部14aに比して径大に形成されてい
る。以下では、前記コア取付孔14の下部14bを径大
部14bと称し、前記コア取付孔14の上部14aを径
小部14aと称する。
【0034】前記径小部14aには、軟磁性体からなる
環状の第1コア301と第2コア302とが所定の間隙
303を介して軸方向に直列に嵌挿されている。これら
の第1コア301の上端と第2コア302の下端には、
それぞれフランジ301aとフランジ302aが形成さ
れており、第1コア301は上方から、また第2コア3
02は下方からそれぞれコア取付孔14に嵌挿され、フ
ランジ301aとフランジ302aがコア取付孔14の
縁部に当接することにより第1コア301と第2コア3
02の位置決めがされて、前記間隙303が所定の距離
に保持されるようになっている。
【0035】前記第1コア301の上部には、環状のア
ッパプレート318が配置され、そのアッパプレート3
18の上部には、筒状体の下端に前記アッパプレート3
18と略同径の外径を有するフランジ305aが形成さ
れた形成されたアッパキャップ305が配置されてい
る。
【0036】前記したアッパキャップ305及びアッパ
プレート318は、アッパキャップ305のフランジ3
05a上面からアッパプレート318を介してアッパヘ
ッド11の内部へ貫通するボルト304によりアッパヘ
ッド11の上面に固定されている。
【0037】この場合、アッパキャップ305及びアッ
パプレート318は、フランジ部305aを含むアッパ
キャップ305の下端がアッパプレート318の上面に
当接すると同時に、アッパプレート318の下面が第1
コア301の上面周縁部に当接した状態でアッパヘッド
11に固定されることになり、その結果、第1コア30
1がアッパヘッド11に固定されることになる。
【0038】前記第2コア302の下部には、コア取付
孔14の径大部14bと略同径の外径を有する環状体か
らなるロアプレート307が設けられている。このロア
プレート307は、該ロアプレート307の下面からア
ッパヘッド11へ貫通するボルト306により、前記径
小部14aと径大部14bの段部における下向きの段差
面に固定されている。この場合、ロアプレート307が
第2コア302の下面周縁部に当接した状態で固定され
ることになり、その結果、第2コア302がアッパヘッ
ド11に固定されることになる。
【0039】前記第1コア301の前記間隙303側の
面に形成された溝部には、第1の電磁コイル308が把
持されており、前記第2コア302の間隙303側の面
に形成された溝部には第2の電磁コイル309が把持さ
れている。その際、第1の電磁コイル308と第2の電
磁コイル309とは、前記間隙303を介して向き合う
位置に配置されるものとする。そして、第1及び第2の
電磁コイル308、309は、前述した吸気側駆動回路
30aと電気的に接続されている。
【0040】前記した第1コア301と第1の電磁コイ
ル308は、本発明に係る閉弁用電磁石を実現するもの
であり、前記した第2コア302と第2の電磁コイル3
09は、本発明に係る開弁用電磁石を実現するものであ
る。
【0041】前記間隙303には、該間隙303の内径
より径小な外径を有する環状体からなるアーマチャ31
1が配置されている。このアーマチャ311は、例え
ば、軟磁性体で形成されている。
【0042】前記アーマチャ311の中空部には、前記
第1コア301及び前記第2コア302の中空部より径
小な外径を有する円柱状の非磁性体からなるアーマチャ
シャフト310が前記アーマチャ311の軸心に沿って
上下方向に延出するよう固定されている。これらアーマ
チャ311とアーマチャシャフト310は、本発明に係
る可動子に相当する。
【0043】その際、前記アーマチャシャフト310
は、その上端が前記第1コア301の中空部を通ってそ
の上方のアッパキャップ305内まで至るとともに、そ
の下端が第2コア302の中空部を通ってその下方の径
大部14b内に至るよう形成されるものとする。
【0044】これに対応して、前記第1コア301の中
空部の上端と前記第2コア302の中空部の下端との各
々には、前記アーマチャシャフト310の外径と略同径
の内径を有する環状のアッパブッシュ319とロアブッ
シュ320とが設けられ、これらアッパブッシュ319
とロアブッシュ320とにより前記アーマチャシャフト
310が軸方向へ摺動自在に保持されている。
【0045】前記アッパキャップ305内に延出したア
ーマチャシャフト310の上端部には、円板状のアッパ
リテーナ312が接合されるとともに、前記アッパキャ
ップ305の上部開口部にはアジャストボルト313が
螺着され、これらアッパリテーナ312とアジャストボ
ルト313との間には、アッパスプリング314が介在
している。また、前記アジャストボルト313と前記ア
ッパスプリング314との当接面には、前記アッパキャ
ップ305の内径と略同径の外径を有するスプリングシ
ート315が介装されている。
【0046】前記径大部14b内に延出したアーマチャ
シャフト310の下端部には、吸気弁28の弁軸28b
の上端部が当接している。前記弁軸28bの上端部の外
周には、円盤状のロアリテーナ28cが接合されてお
り、そのロアリテーナ28cの下面とロアヘッド10の
上面との間には、ロアスプリング316が介在してい
る。
【0047】前記したアッパスプリング314は、本発
明に係る開弁用付勢バネを実現するものであり、前記し
たロアスプリング316は、本発明に係る閉弁用付勢バ
ネを実現するものである。
【0048】このように構成された吸気側電磁駆動機構
30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル
308及び第2の電磁コイル309に対して励磁電流が
印加されていないときは、アッパスプリング314から
アーマチャシャフト310に対して下方向(すなわち、
吸気弁28を開弁させる方向)への付勢力が作用すると
ともに、ロアスプリング316から吸気弁28に対して
上方向(すなわち、吸気弁28を閉弁させる方向)への
付勢力が作用し、その結果、アーマチャシャフト310
及び吸気弁28が互いに当接しつつ所定の位置に弾性支
持された状態、いわゆる中立状態に保持されることにな
る。
【0049】尚、アッパスプリング314とロアスプリ
ング316の付勢力は、前記アーマチャ311の中立位
置が前記間隙303において前記第1コア301と前記
第2コア302との中間の位置となるよう設定されてお
り、構成部品の初期公差や経年変化等によってアーマチ
ャ311の中立位置が前記した中間位置からずれた場合
には、アーマチャ311の中立位置が前記した中間位置
と一致するようアジャストボルト313によって調整す
ることが可能になっている。
【0050】前記アーマチャシャフト310及び前記弁
軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ311が前
記間隙303の中間位置に位置するときに前記弁体28
aが開弁側変位端と閉弁側変位端との中間の位置(以
下、中開位置と称する)となり、且つ、前記アーマチャ
311が第1コア301に当接したときに前記弁体28
aが弁座12に着座するように設定されている。
【0051】前記した吸気側電磁駆動機構30では、吸
気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308に対し
て励磁電流が印加されている時は、第1コア301と第
1の電磁コイル308とアーマチャ311との間に、ア
ーマチャ311を第1コア301側へ変位させる方向の
電磁力が発生するため、アーマチャ311がアッパスプ
リング314の付勢力に抗して第1コア301に当接し
た状態となる。
【0052】アーマチャ311が第1コア301に当接
した状態にあると、吸気弁28は、ロアスプリング31
6の付勢力を受けて退行し、該吸気弁28の弁体28a
が弁座12に着座した状態、すなわち全閉状態となる。
【0053】また、前記した吸気側電磁駆動機構30で
は、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル309
に対して励磁電流が印加されている時は、第2コア30
2と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間
に、アーマチャ311を第2コア302側へ変位させる
方向の電磁力が発生するため、アーマチャ311がロア
スプリング316の付勢力に抗して第2コア302に当
接した状態となる。
【0054】アーマチャ311が第2コア302に当接
した状態にあると、アーマチャシャフト310がロアス
プリング316の付勢力に抗して弁軸28bを開弁方向
へ押圧することになり、その押圧力によって吸気弁28
が全開状態に保持される。
【0055】また、上記した吸気側電磁駆動機構30で
は、全閉状態にある吸気弁28を開弁させる場合は、先
ず吸気側駆動回路30aが第1の電磁コイル308に対
する励磁電流の印加を停止する。
【0056】このとき、第1コア301と第1の電磁コ
イル308とアーマチャシャフト310との間でアーマ
チャ311を第1コア301に引き付ける電磁力が消滅
するため、アーマチャ311及び吸気弁28がアッパス
プリング314の付勢力を受けて開弁方向へ変位する。
【0057】吸気側駆動回路30aは、アーマチャ31
1がアッパスプリング314の付勢力を受けて第2コア
302の近傍まで変位した時点で、第2の電磁コイル3
09に対して励磁電流を印加することにより、第2コア
302と第2の電磁コイル309とアーマチャ311と
の間にアーマチャ311を第2コア302に引き付ける
電磁力を発生させる。この電磁力によりアーマチャ31
1が第2コア302と当接する位置(開弁側変位端)ま
で変位し、その結果、吸気弁28が全開状態となる。
【0058】一方、上記した吸気側電磁駆動機構30で
は、全開状態にある吸気弁28を閉弁させる場合は、先
ず吸気側駆動回路30aが第2の電磁コイル309に対
する励磁電流の印加を停止する。
【0059】このとき、第2コア302と第2の電磁コ
イル309とアーマチャシャフト310との間でアーマ
チャ311を第2コア302に引き付ける電磁力が消滅
するため、アーマチャ311及び吸気弁28がロアスプ
リング316の付勢力を受けて閉弁方向へ変位する。
【0060】吸気側駆動回路30aは、アーマチャ31
1がロアスプリング316の付勢力を受けて第1コア3
01の近傍まで変位した時点で、第1の電磁コイル30
8に対して励磁電流を印加することにより、第1コア3
01と第1の電磁コイル308とアーマチャ311との
間に、アーマチャ311を第1コア301へ引き付ける
電磁力を発生させる。この電磁力によりアーマチャ31
1が第1コア301と当接する位置(閉弁側変位端)ま
で変位し、その結果、吸気弁28の弁体28aが弁座1
2に着座する。
【0061】このように吸気側駆動回路30aが第1の
電磁コイル308と第2の電磁コイル309とに対して
所定のタイミングで交互に励磁電流を印加することによ
り、アーマチャ311が閉弁側変位端と開弁側変位端と
の間で進退動作し、それに伴って弁軸28bが進退駆動
されると同時に弁体28aが開閉駆動されることにな
る。
【0062】従って、吸気側駆動回路30aが第1の電
磁コイル308及び第2の電磁コイル309に対する励
磁電流の印加タイミングを変更することにより、吸気弁
28の開閉タイミングを任意に制御することが可能とな
る。
【0063】また、上記した吸気側電磁駆動機構30に
は、吸気弁28の変位を検出するバルブリフトセンサ3
17が取り付けられている。このバルブリフトセンサ3
17は、アッパリテーナ312の上面に取り付けられた
円板状のターゲット317aと、アジャストボルト31
3における前記アッパリテーナ312と対向する部位に
取り付けられたギャップセンサ317bとから構成され
ている。
【0064】このように構成されたバルブリフトセンサ
317では、前記ターゲット317aが前記吸気側電磁
駆動機構30のアーマチャ311と一体的に変位し、前
記ギャップセンサ317bが該ギャップセンサ317b
と前記ターゲット317aとの距離に対応した電気信号
を出力することになる。
【0065】その際、アーマチャ311が中立状態にあ
るときのギャップセンサ317bの出力信号値を予め記
憶しておき、その出力信号値と現時点におけるギャップ
センサ317bの出力信号値との偏差を算出することに
より、アーマチャ311及び吸気弁28の変位を特定す
ることが可能となる。
【0066】ここで図1及び図2に戻り、内燃機関1の
シリンダヘッド1aには、4つの枝管からなる吸気枝管
33が接続され、前記吸気枝管33の各枝管は、各気筒
21の吸気ポート26と連通している。
【0067】前記シリンダヘッド1aにおいて前記吸気
枝管33との接続部位の近傍には、その噴孔が吸気ポー
ト26内に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられてい
る。前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するための
サージタンク34に接続されている。前記サージタンク
34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気
中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス3
6と接続されている。
【0068】前記吸気管35には、該吸気管35内を流
れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を
出力するエアフローメータ44が取り付けられている。
前記吸気管35において前記エアフローメータ44より
下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を
調整するスロットル弁39が設けられている。
【0069】前記スロットル弁39には、ステッパモー
タ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル
弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40
と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を
出力するスロットルポジションセンサ41とが取り付け
られている。
【0070】前記スロットル弁39には、該スロットル
弁39と独立に回動自在であり、且つアクセルペダル4
2に連動して回動する図示しないアクセルレバーが取り
付けられ、そのアクセルレバーには、該アクセルレバー
の回動量に対応した電気信号を出力するアクセルポジシ
ョンセンサ43が取り付けられている。
【0071】一方、前記内燃機関1のシリンダヘッド1
aには、4本の枝管が内燃機関1の直下流において1本
の集合管に合流するよう形成された排気枝管45が接続
され、前記排気枝管45の各枝管が各気筒21の排気ポ
ート27と連通している。
【0072】前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を
介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて
図示しないマフラーと接続されている。前記排気枝管4
5には、該排気枝管45内を流れる排気、言い換えれ
ば、排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応し
た電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられ
ている。
【0073】ここで、上記した排気浄化触媒46として
は、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃
比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中
に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒
素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触
媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であると
きは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵する
とともに該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が
理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵して
いた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する
吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する
排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が
存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・
浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種
の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0074】上記したように構成された内燃機関1に
は、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御
ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20が
併設されている。
【0075】前記ECU20には、スロットルポジショ
ンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフ
ローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジショ
ンセンサ51、水温センサ52、バルブリフトセンサ3
17等の各種センサが電気配線を介して接続され、各セ
ンサの出力信号がECU20に入力されるようになって
いる。
【0076】前記ECU20には、イグナイタ25a、
吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴
射弁32、スロットル用アクチュエータ40等が電気配
線を介して接続され、ECU20は、上記した各種セン
サの出力信号値をパラメータとして、イグナイタ25
a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃
料噴射弁32、或いはスロットル用アクチュエータ40
を制御することが可能になっている。
【0077】ここで、ECU20は、図4に示すよう
に、双方向性バス400によって相互に接続されたCP
U401とROM402とRAM403とバックアップ
RAM404と入力ポート405と出力ポート406と
を備えるとともに、前記入力ポート405に接続された
A/Dコンバータ(A/D)407を備えている。
【0078】前記A/D407には、スロットルポジシ
ョンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エア
フローメータ44、空燃比センサ48、水温センサ5
2、バルブリフトセンサ317等のようにアナログ信号
形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続さ
れている。このA/D407は、上記した各センサの出
力信号をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換
した後に前記入力ポート405へ送信する。
【0079】前記入力ポート405は、前述したスロッ
トルポジションセンサ41、アクセルポジションセンサ
43、エアフローメータ44、空燃比センサ48、水温
センサ52、バルブリフトセンサ317等のようにアナ
ログ信号形式の信号を出力するセンサと前記A/D40
7を介して接続されるとともに、クランクポジションセ
ンサ51のようにデジタル信号形式の信号を出力するセ
ンサと接続されている。
【0080】前記入力ポート405は、各種センサの出
力信号を直接又はA/D407を介して入力し、それら
の出力信号を双方向性バス400を介してCPU401
やRAM403へ送信する。
【0081】前記出力ポート406は、イグナイタ25
a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃
料噴射弁32、スロットル用アクチュエータ40等と電
気配線を介して接続されている。前記出力ポート406
は、CPU401から出力された制御信号を双方向性バ
ス400を介して入力し、その制御信号をイグナイタ2
5a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、
燃料噴射弁32、又はスロットル用アクチュエータ40
へ送信する。
【0082】前記ROM402は、燃料噴射量を決定す
るための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定
するための燃料噴射時期制御ルーチン、吸気弁28の開
閉タイミングを決定するための吸気弁開閉タイミング制
御ルーチン、排気弁29の開閉タイミングを決定するた
めの排気弁開閉タイミング制御ルーチン、吸気側電磁駆
動機構30に印加すべき励磁電流量を決定するための吸
気側励磁電流制御ルーチン、排気側電磁駆動機構31に
印加すべき励磁電流量を決定するための排気側励磁電流
量制御ルーチン、各気筒21の点火栓25の点火時期を
決定するための点火時期制御ルーチン、スロットル弁3
9の開度を決定するためのスロットル開度制御ルーチン
等のアプリケーションプログラムに加え、吸気弁28の
開弁方法を切り換えるための開弁方法切換制御ルーチン
を記憶している。
【0083】前記ROM402は、前記したアプリケー
ションプログラムに加え、各種の制御マップを記憶して
いる。前記した制御マップは、例えば、内燃機関1の運
転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マッ
プ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を示
す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸
気弁28の開閉タイミングとの関係を示す吸気弁開閉タ
イミング制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気弁2
9の開閉タイミングとの関係を示す排気弁開閉タイミン
グ制御マップ、内燃機関1の運転状態と吸気側電磁駆動
機構30に印加すべき励磁電流量との関係を示す吸気側
励磁電流量制御マップ、内燃機関1の運転状態と排気側
電磁駆動機構31に印加すべき励磁電流量との関係を示
す排気側励磁電流量制御マップ、内燃機関1の運転状態
と各点火栓25の点火時期との関係を示す点火時期制御
マップ、内燃機関1の運転状態とスロットル弁39の開
度との関係を示すスロットル開度制御マップ等である。
【0084】前記RAM403は、各センサの出力信号
やCPU401の演算結果等を記憶する。前記演算結果
は、例えば、クランクポジションセンサ51の出力信号
に基づいて算出される機関回転数等である。前記RAM
403に記憶される各種のデータは、クランクポジショ
ンセンサ51が信号を出力する度に最新のデータに書き
換えられる。
【0085】前記バックアップRAM404は、内燃機
関1の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリ
であり、各種制御に係る学習値や、異常を発生した箇所
を特定する情報等を記憶する。
【0086】前記CPU401は、前記ROM402に
記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作
し、燃料噴射制御、点火制御、吸気弁開閉制御、排気弁
開閉制御、スロットル制御等の周知の制御に加え、本発
明の要旨となる開弁方法切換制御を実行する。
【0087】以下、本実施の形態に係る開弁方法切換制
御について述べる。CPU401は、吸気弁28を開弁
させる場合に、前述の図3の説明で述べたように、先ず
吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308への
励磁電流の印加を停止することにより、アッパスプリン
グ314の付勢力を利用してアーマチャ311及び吸気
弁28を開弁方向へ変位させる。
【0088】続いて、CPU401は、アーマチャ31
1がアッパスプリング314の付勢力を受けて第2コア
302の近傍まで変位した時点で、第2の電磁コイル3
09に励磁電流を印加すべく吸気側駆動回路30aを制
御することにより、第2コア302と第2の電磁コイル
309とアーマチャ311との間にアーマチャ311を
第2コア302に引き付ける電磁力を発生させる。この
電磁力によりアーマチャ311が第2コア302と当接
する位置(開弁側変位端)まで変位して開弁側変位端に
一旦保持され、それに応じて吸気弁28が全開状態とな
る。
【0089】ところで、内燃機関1の運転状態が低負荷
運転領域にあるときのように、内燃機関1の各気筒21
に吸入すべき空気量が少ないとき、言い換えれば、吸気
弁28の開弁時間が短くなるときは、アーマチャ311
を開弁側変位端に保持する必要がないと言える。
【0090】このため、アーマチャ311を開弁側変位
端に保持する必要がない場合にも、第2の電磁コイル3
09に励磁電流が印加されると、吸気側電磁駆動機構3
0の消費電力が不要に増加することになる。
【0091】そこで、本実施の形態では、CPU401
は、吸気弁28の開弁条件に応じて、吸気弁28の開弁
方法を切り換えるようにした。すなわち、CPU401
は、内燃機関1の吸入空気量が比較的多く、吸気弁28
の開弁時間を長くする必要があるときは、第2コア30
2と第2の電磁コイル309とからなる開弁用電磁石の
電磁力と、アッパスプリング314の付勢力とを利用し
て吸気弁28を開弁させ、内燃機関1の吸入空気量が比
較的少なく、吸気弁28の開弁時間を長くする必要がな
いときは、前記開弁用電磁石の電磁力を利用せずにアッ
パスプリング314の付勢力のみで吸気弁28を開弁さ
せるようにした。
【0092】このように吸気弁28の開弁方法を切り換
えることにより、吸気側電磁駆動機構30の消費電力を
最小限に抑えることが可能となる。次に、本実施の形態
に係る吸気弁28の開弁方法切換制御について具体的に
述べる。CPU401は、吸気弁28の開弁方法切換制
御を実行するに当たり、図5に示すような開弁方法切換
制御ルーチンを実行する。この開弁方法切換制御ルーチ
ンは、予めROM402等に記憶されているアプリケー
ションプログラムであり、CPU401によって所定時
間毎(例えば、クランクポジションセンサ51がパルス
信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンであ
る。
【0093】開弁方法切換制御ルーチンでは、CPU4
01は、先ずS501において、RAM403へアクセ
スし、スロットルポジションセンサ41の出力信号値
(スロットル開度)、アクセルポジションセンサ43の
出力信号値(アクセル開度)、エアフローメータ44の
出力信号値(吸入空気量)、機関回転数などの最新のデ
ータを読み出す。
【0094】S502では、CPU401は、前記S5
01で読み出された各種のデータをパラメータとして内
燃機関1の運転状態を判定する。S503では、CPU
401は、ROM402の吸気弁開閉タイミング制御マ
ップへアクセスし、前記S502で判定された機関運転
状態に対応した吸気弁28の開閉タイミングを決定す
る。
【0095】S504では、CPU401は、前記S5
03で決定された吸気弁28の開閉タイミング、つまり
吸気弁28の開弁開始時期から閉弁終了時期までの時間
(開弁時間)に基づいて、吸気弁28を全開位置に保持
する必要があるか否かを判別する。
【0096】前記S504において吸気弁28を全閉位
置に保持する必要がないと判定した場合は、CPU40
1は、S505へ進み、前記S501で読み出されたス
ロットル開度及び機関回転数と、前記S503で決定さ
れた吸気弁28の開閉タイミングとをパラメータとし
て、吸気弁28の開弁開始時期における吸気ポート26
内の圧力と燃焼室24内の圧力とを推定する。
【0097】その際、スロットル開度と機関回転数と吸
気弁の開弁開始時期と吸気ポート26内の圧力との関
係、及び、スロットル開度と機関回転数と吸気弁の開弁
開始時期と燃焼室24内の圧力との関係を予め実験的に
求めておき、それらの関係をマップ化してROM402
に記憶しておくようにしてもよい。
【0098】S506では、CPU401は、前記S5
05で推定された吸気ポート26内圧力と燃焼室24内
圧力とを比較し、吸気ポート26内の圧力が燃焼室24
内の圧力以上であるか否かを判別する。
【0099】前記S506において吸気ポート26内の
圧力が燃焼室24内の圧力以上であると判定した場合
は、CPU401は、吸気ポート26と燃焼室24との
圧力差が吸気弁28の開弁動作を助勢するように作用
し、それにより第2コア302及び第2の電磁コイル3
09からなる開弁用電磁石の電磁力を利用しなくとも吸
気弁28を開弁側変位端まで変位させることが可能であ
るとみなし、S507へ進む。
【0100】S507では、CPU401は、開弁用電
磁石を利用せずに吸気弁28の開弁制御を行う。具体的
には、CPU401は、先ず吸気側駆動回路30aから
第1の電磁コイル308への励磁電流の印加を停止す
る。この場合、アーマチャ311及び吸気弁28は、ア
ッパスプリング314の付勢力を受けて開弁側変位端ま
で変位し、その後ロアスプリング316の付勢力を受け
て閉弁側へ変位する。
【0101】続いて、CPU401は、バルブリフトセ
ンサ317の出力信号等に基づいてアーマチャ311が
第1コア301の近傍まで変位したことを検出した時点
で、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308
へ励磁電流を印加させる。この場合、アーマチャ311
は、ロアスプリング316の付勢力に加えて、第1コア
301及び第1の電磁コイル308からなる閉弁用電磁
石の電磁力を受けて閉弁側変位端まで変位し、閉弁側変
位端に保持される。
【0102】一方、前記S504においてアーマチャ3
11及び吸気弁28を開弁側変位端に保持する必要があ
ると判定した場合は、CPU401は、S508へ進
む。また、前記S506において前記吸気ポート26内
圧力が前記燃焼室24内圧力より低いと判定した場合
は、CPU401は、吸気ポート26と燃焼室24との
圧力差が吸気弁28の開弁抵抗として作用するため、そ
の開弁抵抗に抗してアーマチャ311及び吸気弁28を
開弁側変位端まで変位させるためには開弁用電磁石の電
磁力を利用する必要があるとみなし、S508へ進む。
【0103】S508では、CPU401は、第2コア
302及び第2の電磁コイル309からなる開弁用電磁
石の電磁力を利用してアーマチャ311及び吸気弁28
を開弁側変位端まで変位させる。
【0104】具体的には、CPU401は、先ず吸気側
駆動回路30aから第1の電磁コイル308への励磁電
流の印加を停止する。この場合、アーマチャ311及び
吸気弁28は、アッパスプリング314の付勢力を受け
て開弁側へ変位する。
【0105】続いて、CPU401は、バルブリフトセ
ンサ317の出力信号等に基づいてアーマチャ311が
第2コア302の近傍まで変位したことを検出した時点
で、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル309
へ励磁電流を印加させる。この場合、アーマチャ311
は、アッパスプリング314の付勢力に加えて、開弁用
電磁石の電磁力を受けて開弁側変位端まで変位する。
【0106】そして、吸気弁28を閉弁させる場合は、
CPU401は、先ず吸気側駆動回路30aから第2の
電磁コイル309への励磁電流の印加を停止する。この
場合、アーマチャ311及び吸気弁28は、ロアスプリ
ング316の付勢力を受けて閉弁側へ変位する。
【0107】続いて、CPU401は、バルブリフトセ
ンサ317の出力信号等に基づいてアーマチャ311が
第1コア301の近傍まで変位したことを検出した時点
で、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308
へ励磁電流を印加させる。この場合、アーマチャ311
は、ロアスプリング316の付勢力に加えて、第1コア
301及び第1の電磁コイル308からなる閉弁用電磁
石の電磁力を受けて閉弁側変位端まで変位し、閉弁側変
位端に保持される。
【0108】このようにCPU401が開弁方法切換制
御ルーチンを実行することにより、本発明に係る閉弁保
持手段と、第1の開弁手段と、第2の開弁手段とが実現
されることになる。
【0109】従って、本実施の形態に係る内燃機関の電
磁駆動式動弁機構によれば、吸気弁28を開弁側変位端
に保持する必要がなく、且つ、開弁用電磁石の電磁力を
利用せずに吸気弁28を開弁側変位端まで変位させるこ
とが可能であるときには、アッパスプリング314の付
勢力のみで吸気弁28が開弁駆動されるとともに、吸気
弁28を開弁側変位端に保持する必要があるとき、又
は、開弁用電磁石の電磁力を利用せずに吸気弁28を開
弁側変位端まで変位させることが不可能であるときに
は、アッパスプリング314の付勢力に加えて開弁側電
磁石の電磁力を利用して吸気弁28が開弁駆動されるこ
とになる。
【0110】すなわち、本実施の形態に係る内燃機関の
電磁駆動式動弁機構によれば、吸気弁28を開弁駆動す
るにあたり、開弁用電磁石の電磁力を利用する必要があ
るときのみ開弁用電磁石の電磁力を利用することになる
ため、吸気側電磁駆動機構30の消費電力を必要最小限
に抑えることが可能となる。
【0111】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の電磁駆動式動弁
機構では、全閉位置に保持されている吸排気弁を開弁さ
せる場合に、所定の条件が成立していれば、可動子及び
吸排気弁が開弁用付勢バネの付勢力のみを利用して開弁
駆動され、所定の条件が成立していなければ、可動子及
び吸排気弁が開弁用付勢バネの付勢力に加えて開弁用電
磁石の電磁力を利用して開弁駆動される。
【0112】従って、本発明に係る内燃機関の電磁駆動
式動弁機構によれば、所定の条件が不成立である場合に
限り、開弁用電磁石に励磁電流を印加して吸排気弁を開
弁駆動することが可能となるため、吸排気弁の開弁駆動
にかかる消費電力を必要最小限に抑えることができ、以
て電磁駆動式動弁機構の消費電力を低減することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の概略構成を示す平面
【図2】 本発明に係る内燃機関の概略構成を示す断面
【図3】 吸気側電磁駆動機構の内部構成を示す図
【図4】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図5】 開弁方法切換制御ルーチンを示すフローチャ
ート図
【符号の説明】
1・・・・・内燃機関 20・・・・ECU 25・・・・点火栓 26・・・・吸気ポート 27・・・・排気ポート 28・・・・吸気弁 29・・・・排気弁 30・・・・吸気側電磁駆動機構 30a・・・吸気側駆動回路 31・・・・排気側電磁駆動機構 31a・・・排気側駆動回路 32・・・・燃料噴射弁 301・・・第1コア 302・・・第2コア 308・・・第1の電磁コイル 309・・・第2の電磁コイル 310・・・アーマチャシャフト 311・・・アーマチャ 314・・・アッパスプリング 316・・・ロアスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 勝間田 正司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小木曽 誠人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西田 秀之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山田 智海 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G018 AB09 AB16 CA12 DA45 EA02 EA16 EA17 EA33 GA37 3G092 AA11 DA07 DF05 DG09 EA11 EA14 FA24 GA05 GA06 HA01Z HA06Z HA13Z HD04Z HE01Z HE04Z HE08Z HF08Z 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DD03 EE22 FA08 FB02 FB46 KK17 5H633 BB07 BB10 GG02 GG08 GG15 GG23 HH14 JB06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁又は排気弁と一体的に
    変位可能な可動子と、 前記可動子を吸気弁又は排気弁の開弁側へ付勢する開弁
    用付勢バネと、 前記可動子を吸気弁又は排気弁の閉弁側へ付勢する閉弁
    用付勢バネと、 励磁電流が印加されたときに前記可動子を吸気弁又は排
    気弁の開弁側へ変位させる電磁力を発生する開弁用電磁
    石と、 励磁電流が印加されたときに前記可動子を吸気弁又は排
    気弁の閉弁側へ変位させる電磁力を発生する閉弁用電磁
    石と、 前記開弁用電磁石に対する励磁電流の印加を停止すると
    ともに前記閉弁用電磁石へ励磁電流を印加して前記可動
    子を閉弁側変位端に保持する閉弁保持手段と、 閉弁側変位端に保持されている前記可動子を開弁側へ変
    位させるときに、所定の条件が不成立であると、前記閉
    弁用電磁石に対する励磁電流の印加を停止させた後に前
    記開弁用電磁石へ励磁電流を印加することにより、前記
    開弁用付勢バネの付勢力及び前記開弁用電磁石の電磁力
    を利用して前記可動子を開弁側へ変位させる第1の開弁
    手段と、 閉弁側変位端に保持されている前記可動子を開弁側へ変
    位させるときに、所定の条件が成立していると、前記閉
    弁用電磁石に対する励磁電流の印加を停止することによ
    り、前記開弁用付勢バネの付勢力を利用して前記可動子
    を開弁側へ変位させる第2の開弁手段と、を備えること
    を特徴とする内燃機関の電磁駆動式動弁機構。
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