JP4382568B2 - 親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法 - Google Patents

親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法に関し、更に詳しくは各種素材に対する接着性に優れ、且つ吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性に優れた親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法に関するものである。
ポリウレタン系樹脂は耐磨耗性、接着性、可撓性、耐薬品性等に優れ、且つ各種加工法への適性にも優れるため各種コーティング剤、塗料、インキ等のバインダー、及びフィルム、シートその他成型体として広く使用されており、各々の用途に適したポリウレタン系樹脂が提案されている。このポリウレタン系樹脂とは、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン−ポリウレア樹脂を総称するものであり、以下の本発明においても同様である。ポリウレタン系樹脂は、基本的には高分子量ポリオール成分、有機ポリイソシアネート成分、更に必要に応じて鎖延長剤成分を反応させて得られるものであり、これら各成分の種類、組み合わせ等によって種々の物性のポリウレタン系樹脂の製造が可能である。
しかしながら、ポリウレタン系樹脂の用途によっては、例えば、農業用樹脂シートの防曇性塗料や内装用樹脂製壁紙用の表面処理剤、繊維コーティング剤、インクジェット用受像シート用コーティング剤等においては、前記の特性とともに、親水性や耐ブロッキング性も同時に要求されるのが普通である。例えば、親水性ポリウレタン系樹脂を製造するために高分子量親水性ポリオール成分としてエチレンオキサイドの開環重合から得られるポリエチレングリコールを使用した場合には、高強度で高弾性、且つ親水性に優れたポリウレタン系樹脂が得られるものの、耐水性が悪いために水分により膨潤、白化、強度低下が起こり、各種塗料、印刷インキのバインダー、成型体、フィルム、シート等には適さないという問題があった。
従って、本発明の目的は、各種素材に対する接着性に優れ、且つ吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性に優れた親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、有機ポリイソシアネート、高分子量親水性ポリオール又はポリアミン、下記構造式で表される化合物を反応させることを特徴とする親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法である。
Figure 0004382568
本発明で得られる親水性ポリウレタン系樹脂は、各種素材に対する接着性に優れ、且つ吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性、滑性に優れ、インクジェット受像シートの受像層用コーティング剤として、各種フィルムの防曇性の塗料として、内装用樹脂製壁紙の結露防止用表面処理剤として、吸水性の衣料用コーティング剤として、合成擬革用材料として非常に有用である。
次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明の親水性ポリウレタン系樹脂(以下では単に「樹脂」と称することがある。)は、有機ポリイソシアネート、高分子量親水性ポリオール又はポリアミン及び必要に応じて鎖延長剤を反応させて得られる、親水性セグメントと加水分解性シリル基を有するセグメントからなる親水性ポリウレタン系樹脂である。
樹脂に導入された加水分解性シリル基を水分により架橋させることにより、樹脂には各種素材に対する優れた接着性、且つ優れた吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性等が付与される。
樹脂中の加水分解性シリル基の導入部位は特に制限されないが、通常は樹脂の分子鎖末端及び/又は分子側鎖である。分子鎖末端及び/又は分子側鎖に導入された加水分解性シリル基を下記の(I)式及び/又は(II)式に示すように水分で架橋させることにより、樹脂は耐水性が向上し、且つ架橋による樹脂被膜の表面強度の向上により、耐ブロッキング性も向上する。
Figure 0004382568
Figure 0004382568
(式中のRは低級アルキル基を表す。)
この樹脂の架橋は水分の添加によっても生じるが、本発明の樹脂が親水性であることから、空気中の水分を利用して架橋させることもできる。架橋を形成するシラノール縮合を促進させるために樹脂中に触媒を添加しておくのが好ましい。かかる触媒としては、一般には錫系のカルボン酸塩や酸性触媒及び塩基性触媒が好ましく、その使用量としては、樹脂の0.0001〜10質量%の範囲が適当である。
本発明において親水性ポリウレタン系樹脂の分子鎖末端及び/又は分子側鎖に加水分解性シリル基を導入する方法としては、少なくとも1個の反応性基及び加水分解性基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物を親水性樹脂の合成原料の一部として用いる方法、親水性樹脂の分子鎖末端及び/又は分子側鎖にある反応性基と反応させる方法等が挙げられるが、特に限定されない。該シランカップリング剤の加水分解性シリル基における代表的な加水分解性基の例は、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基であるが、これら以外の加水分解性基も使用できることは勿論である。
本発明で使用する上記反応性有機官能基を有するシランカップリング剤としては、例えば、次の如き化合物が挙げられる。
]反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物であり、該生成物が分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するものである。
この際に用いられる反応性有機官能基を有するシランカップリング剤としては、下記の一般式()のもの等が挙げられる。
Figure 0004382568
(式中のYは、−NH−、−NR3−、−O−、−S−であり、R1、R2、X、m、nは前記定義の通りである。R3は低級アルキル基である。)
上記反応性有機官能基を有するシランカップリング剤の好ましい具体例は下記の通りである。
Figure 0004382568
Figure 0004382568
以上のシランカップリング剤は、本発明において使用する好ましいシランカップリング剤の例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。従って、上記の例示の化合物のみならず、その他公知の現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも本発明において使用できる。
分子鎖末端及び/又は分子側鎖に加水分解性シリル基を有する親水性ポリウレタン系樹脂、即ち、親水性ポリウレタン樹脂、親水性ポリウレア樹脂、親水性ポリウレア−ポリウレタン樹脂は従来の公知のポリウレタン系樹脂の製造方法に準じて得ることができ、無溶剤で製造してもよいし、水溶液や溶剤中で製造してもよい。
有機ポリイソシアネートとしては、従来公知のいずれのものも使用できるが、好ましいものとして、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素添加MDI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタリンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等があり、或いはこれらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンを末端イソシアネートとなる様に反応させて得られるポリウレタンプレポリマー等も当然使用することができる。
本発明で使用する高分子量親水性ポリオール又はポリアミンとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を有する重量平均分子量が400乃至8,000の範囲のものが好ましい。末端が水酸基で親水性を有するものとしては、例えば、
ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール
ポリエチレングリコールアジペート
ポリエチレングリコールサクシネート
ポリエチレングリコール/ポリ−ε−ラクトン共重合ポリオール
ポリエチレングリコール/ポリ−バレロラクトン共重合ポリオール
末端がアミノ基で親水性を有するものとしては、例えば、
ポリエチレンオキサイドジアミン
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン
ポリエチレンオキサイドトリアミン
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン
その他、カルボキシル基やビニル基を有したエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。但し、他の性能を付与する為、親水性鎖を有しない他のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等を共重合することも可能である。
上記の如き材料から得られる、分子鎖中に加水分解性シリル基を有する親水性ポリウレタン系樹脂の好ましい重量平均分子量(GPCで測定した標準ポリスチレン換算の)は3,000〜800,000であり、更に好ましい重量平均分子量は5,000〜500,000である。
本発明の親水性ポリウレタン系樹脂は、高分子量ポリオール又はポリアミンから構成される親水性セグメントと前記の加水分解性シリル基を有する化合物から構成される加水分解性シリル基を有するセグメントからなり、鎖延長剤を使用しない場合には、これらのセグメントは、ランダムにウレタン結合、ウレア結合又はウレタン−ウレア結合の少なくとも一種の結合で連結されている。鎖延長剤を使用する場合にはこれらの結合とともにこれらの結合の間に鎖延長剤の残基である短鎖が存在する結合も存在する。以上の結合も本発明の樹脂の構成成分であり、結合部分と総称する。以下に樹脂中の両セグメントの含有量について説明するが、両セグメントの含有量の残部が結合部分の含有量である。
本発明の樹脂中の加水分解性シリル基は、側鎖(ペンダント)及び主鎖中のいずれか一方、又は両方に含有されていてもよく、樹脂中の含有量は原料である加水分解性シリル基を有する化合物として1〜40質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。この量は樹脂中の加水分解性基を有するセグメントの含有量でもある。又、加水分解性シリル基の含有量は、樹脂の分子量1,000当たり約0.001〜10個が好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0個である。
加水分解性シリル基の含有量が上記範囲未満では本発明の所期の目的である耐ブロッキング性、耐水性、耐湿性といった特性の発現が不十分となり、一方、上記範囲を超えると樹脂中の親水性部分が減少し、又、樹脂の架橋構造により耐水性が強くなり、吸水性能や防曇性に劣るようになり好ましくない。
本発明の樹脂中の親水性セグメントとの含有量は、30〜80質量%が好ましく、更に好ましくは50〜75質量%である。該セグメントとの含有量が30質量%未満では吸水性や防曇性に劣り、80質量%を超えると耐水性、耐ブロッキング性に劣り好ましくない。
以上の如き本発明の親水性ポリウレタン系樹脂は、前記の各成分を樹脂中の各セグメント及び加水分解性シリル基が上記の含有量となる量を用い、従来公知のポリウレタン系樹脂の合成方法に準じて製造することが出来、合成方法自体は特に制限されるものではない。本発明の親水性ポリウレタン系樹脂は、各種素材に対する接着性に優れ、且つ吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性に優れ、インクジェット受像シートの受像層用コーティング剤として、各種フィルムの防曇性の塗料として、内装用樹脂製壁紙の結露防止用表面処理剤として、吸水性の衣料用コーティング剤として、合成皮革用材料、合成紙の水性インク筆記用処理剤等として非常に有用である。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の例においては部又は%は特に断りのない限り質量基準である。
参考例1
(分子側鎖型加水分解性シリル基−ポリウレタン樹脂の製造例)
ポリエチレングリコール(分子量2,040)150部、1,3−ブチレングリコール15部を、トルエン125部と100部のメチルエチルケトンとの混合溶剤中に溶解し、70℃でよく攪拌しながら、ジフェニルメタンジイソシアネート58部を添加する。添加終了後、更にメチルエチルケトン100部を加え、80℃で6時間反応させた。得られた樹脂の赤外吸収スペクトルには水酸基の吸収は認められず、又、ピリジン法(JISK−0070 2.5)による定量によっても水酸基は確認されなかった。次にイソシアネート基を有するシランカップリング剤(C25O)3Si(CH23NCOの8部を加え、80℃で8時間反応させ、イソシアネート基が消失していることを確認した後、固形分濃度を35%に調整し親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液は380dPa・s(25℃)の粘度を有していた。該樹脂の重量平均分子量、親水性セグメント含有量、加水分解性シリル基含有セグメントの含有量を表1に示す。他の参考例、実施例及び比較例についても同様である。
参考例2
(分子末端型加水分解性シリル基−ポリウレア樹脂の製造例)
38部の水素添加MDIを100部のジメチルホルムアミドに溶解し、内温を20℃に保ち、よく攪拌しながら、50部のジメチルホルムアミドに溶解した、ポリエチレンオキサイドジアミン(ジェファーミンED:テキサコケミカル社製、分子量2,000)150部を徐々に滴下し、滴下終了後50℃で3時間反応させ、イソシアネート末端ポリウレア樹脂を得た。内温を再び20℃にして、50部のメチルエチルケトンに溶解した2.8部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後同温度で1時間反応させた。更に100部のメチルエチルケトンに溶解した14部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを徐々に滴下して、30℃で1時間反応させ、イソシアネート基が消失していることを確認した後、固形分濃度を35%に調整し親水性ポリウレア樹脂を得た。この溶液は230dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
実施例
(分子末端・側鎖型加水分解性シリル基−ポリウレタン−ポリウレア樹脂の製造例)
(1)イソシアネート末端シランカップリング剤の製造
ヘキサメチレンジイソシアネートと水との付加物(ジュラネート24A−100:旭化成社製、NCO%=23.5)270部を25℃でよく攪拌しながら、この中にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン111部を徐々に滴下して反応させ、無色透明な液状生成物(I)が得られた。得られた生成物は、遊離のイソシアネート基は10.5%[理論値(100%反応した場合に化学量論的に生成する反応物中の該基の量):11.2%]であり、理論的には下記構造と思われる。
Figure 0004382568
(2)分子末端・側鎖型加水分解性シリル基含有ポリウレタン−ポリウレア樹脂の製造
上記液状生成物(I)8部とトルエンジイソシアネート46部を150部のジメチルホルムアミドに溶解し、100部のメチルエチルケトンに溶解したポリエチレングリコール(分子量2,040)150部を添加し更に、6部の1,3−ブチレングリコールを添加し、80℃で5時間反応させてイソシアネート末端ポリウレタン樹脂を得た。内温を20℃にして、50部のメチルエチルケトンに溶解した7部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後同温度で1時間反応させた。更に100部のメチルエチルケトンに溶解した16部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを徐々に滴下して、30℃で1時間反応させイソシアネート基が消失していることを確認した後、固形分濃度を35%に調整し本発明の親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂溶液を得た。この溶液は330dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
比較例1
イソシアネート基を有するシランカップリング剤を使用しない他は参考例1と同じ材料と処方により親水性ポリウレタン樹脂溶液を得た。この溶液は固形分35%で、540dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
比較例2
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを使用しない他は参考例2と同じ材料と処方により親水性ポリウレア樹脂溶液を得た。この溶液は固形分35%で、260dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
比較例3
イソシアネート末端シランカップリング剤とγ−アミノプロピルトリメトキシシランを使用しない他は実施例と同じ材料と処方により親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂溶液を得た。この溶液は固形分35%で、220dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
参考例
鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(重合度550)の5%水溶液を調整した。
以上で得られた参考例1、2、実施例1及び比較例1〜3の樹脂の重量平均分子量(GPCで測定した標準ポリスチレン換算の)、親水性セグメント含有量及び加水分解性シリル基含有セグメントの含有量は下記表1の通りであった。
Figure 0004382568
上記の実施例、比較例及び参考例の樹脂の評価例を次に示す。
(1)インクジェット用受像層への応用
参考例1、2、実施例1及び比較例1〜3で得られた樹脂及び参考例3の樹脂の溶液をそれぞれ100μm厚のPETフィルムに乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工して透明シートを作製し、カラーインクジェットプリンター(セイコーエプソン社;PM−750C)で印字記録を行い、以下の項目の評価を行った。
(1)耐ブロッキング性
樹脂コーテング面に未処理PETフィルムを重ね、荷重0.29Mpaを掛け、温度40℃で1日放置後のブロッキング性の評価を行った。結果の表示は以下の通りである。
○:ブロッキング性なし
△:ややブロッキング性あり
×:ブロッキング性あり
(2)プリンター搬送性
インクジェットプリンターでの印字記録の際のプリンター搬送性を評価した。
○:搬送性良好
△:わずかに異音を生じる
×:搬送性不良
(3)発色鮮明性
インクジェットプリンターでカラー画像を印字後、得られたカラー画像の発色鮮明性を目視により観察した。
○:良好
△:普通
×:不良
(4)印字画像の耐水性
インクジェットプリンターでカラー印字後、記録シートを水中に漬け(20℃、24時間)、その後室温で乾燥した際の、記録画像の滲み、発色の変化を目視により観察。
○:変化なし
△:変色が認められる
×:完全に溶解してなくなる
以上の評価結果を表2に示す。
Figure 0004382568
比較例4
比較例1で得られた樹脂に非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル:日本油脂社製)を固形分質量比で95:5に混合した。
参考例
ポリビニルブチラール(重合度700、積水化学(株)製)100部、トリオクチルフォスフェート50部及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬社製)3部をエタノール400部に混合溶解した。
(2)防曇・帯電防止塗料への応用
参考例1、2、実施例1、比較例1、4で得られた樹脂溶液及び参考例4の樹脂溶液を透明なアクリル樹脂板に刷毛塗りして試料とし、防曇性、帯電防止性の評価を行った。
(1)防曇性
沸騰水浴上、5cmのところに試料板をセットして50℃の水蒸気に10分間曝した時の塗料の曇りを評価した。結果の表示は下記の通りである。
○:曇りなし
△:部分的に曇り
×:曇り
(2)耐水性
沸騰水浴上、5cmのところに試料板をセットして50℃の水蒸気に10分間曝した時の塗膜の状態を評価した。
○:変化なし
△:少し状態の変化あり
×:塗膜の剥離又は溶解
(3)帯電防止性
ダストチェンバーテストにより帯電カーボンの付着性を評価した。
○:カーボンの付着なし
△:一部カーボンの付着あり
×:カーボン付着あり
Figure 0004382568
上記のように、本発明で得られる親水性ポリウレタン系樹脂は、各種素材に対する接着性に優れ、且つ吸水性、防曇性、透明性、可撓性、水性インクの筆記性並びに耐水性、耐ブロッキング性、滑性に優れ、インクジェット受像シートの受像層用コーティング剤として、各種フィルムの防曇性の塗料として、内装用樹脂製壁紙の結露防止用表面処理剤として、吸水性の衣料用コーティング剤として、合成擬革用材料として非常に有用である。

Claims (4)

  1. 有機ポリイソシアネート、高分子量親水性ポリオール又はポリアミン、下記構造式で表される化合物を反応させることを特徴とする親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
    Figure 0004382568
  2. 加水分解性シリル基の含有量が、樹脂の分子量1,000当たり約0.001〜10個である請求項1に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
  3. 高分子量親水性ポリオール又はポリアミンの使用量が、生成親水性ポリウレタン系樹脂中のこれらからなるセグメントの含有量が30〜80質量%となる量である請求項1に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
  4. 前記の構造式で表される化合物の使用量が、生成親水性ポリウレタン系樹脂中の該化合物からなるセグメントの含有量が1〜40質量%となる量である請求項1に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
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