JP3927196B2 - 親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
加水分解性シリル基が樹脂に導入されると、該基を水分で架橋させることにより、樹脂の耐水性は向上し、且つ架橋による樹脂皮膜の表面強度の向上により耐ブロッキング性も向上する。加水分解性シリル基の導入部位は特に制限されないが、通常樹脂の分子鎖末端及び/又は分子側鎖である。樹脂の分子鎖末端及び/又は分子側鎖に導入された加水分解性シリル基の水分による架橋は(I)式及び/又は(II)式で示される。
〔1〕反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物であり、該生成物が分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するもの。
(式中、Yは−NH−、−NR3−、−O−、又は−S−を表し、R1、R2、X、m、nは前記定義の通りであり、R3は低級アルキル基を表す。)
本来、疎水性(撥水性)であるポリシロキサンセグメントを樹脂構造中に導入することは、吸水性及び親水性に対して良好な結果を得ることは期待できないが、ポリシロキサンセグメント含有量の少ない樹脂からなる膜表面は、乾燥状態では完全にポリシロキサン成分で覆われるが、水中に浸漬した場合にはポリシロキサン成分が樹脂中に埋没してしまう現象、つまり環境応答性があることが知られている(高分子論文集、第48巻、[第4号]、227頁(1991)他)。
本発明で親水性ポリウレタン系樹脂中に親水性セグメントを導入するために使用する高分子量親水性ポリオール又はポリアミンとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を有する、重量平均分子量が400乃至8,000の範囲のものが好ましい。
末端が水酸基で親水性を有するものとしては、例えば、
ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール
ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール
ポリエチレングリコールアジペート
ポリエチレングリコールサクシネート
ポリエチレングリコール/ポリ−ε−ラクトン共重合ポリオール
ポリエチレングリコール/ポリ−バレロラクトン共重合ポリオール
末端がアミノ基で親水性を有するものとしては
ポリエチレンオキサイドジアミン
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン
ポリエチレンオキサイドトリアミン
ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン
その他、カルボキシル基やビニル基を有したエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。又、本発明においては、他の性能を付与する為、親水性鎖を有しない他のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等を共重合することも可能である。
(分子側鎖型加水分解性シリル基−シリコーンポリウレタン樹脂の製造)
上記構造を有しているポリジメチルシロキサンポリオール(分子量3,200)5部とポリエチレングリコール(分子量2,040)145部、1,3−ブチレングリコール15部を、トルエン125部と100部のメチルエチルケトンとの混合溶剤中に溶解し、70℃でよく攪拌しながら、ジフェニルメタンジイソシアネート58部を添加する。添加終了後、更にメチルエチルケトン100部を加え、80℃で6時間反応させた。
(分子末端型加水分解性シリル基−シリコーンポリウレア樹脂の製造)
37部の水添加MDIを100部のジメチルホルムアミドに溶解し、内温を20℃に保ち、よく攪拌しながら、150部のジメチルホルムアミドに溶解した、ポリエチレンオキサイドジアミン(ジェファーミンED:テキサコケミカル社製、分子量2,000)145部と上記構造を有しているポリジメチルシロキサンジアミン(分子量:3,880)5部を徐々に滴下し、滴下終了後50℃で1時間反応させイソシアネート末端ポリウレア樹脂を得た。内温を再び20℃にして、50部のメチルエチルケトンに溶解した2.8部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後同温度で1時間反応させた。更に100部のメチルエチルケトンに溶解した15.5部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを徐々に滴下して、30℃で1時間反応させ、イソシアネート基が消失していることを確認した後、固形分濃度を35%に調整し親水性ポリウレア樹脂の溶液を得た。この溶液は250dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
(分子末端・側鎖型加水分解性シリル基−シリコーンポリウレタン−ポリウレア樹脂の製造)
(1)イソシアネート末端シランカップリング剤の製造
ヘキサメチレンジイソシアネートと水との付加物(ジュラネート24A−100;旭化成社製、NCO%=23.5)270部を25℃でよく攪拌しながら、この中にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン111部を徐々に滴下して反応させ、無色透明な液状生成物(I)が得られた。得られた生成物は、遊離のイソシアネート基は10.5%[理論値(100%反応した場合に化学量論的に生成する反応物中の該基の量):11.2%]であり、理論的には下記構造と思われる。
前記液状生成物(I)8部とトルエンジイソシアネート46部を200部のジメチルホルムアミドに溶解し、100部のメチルエチルケトンに溶解したポリエチレングリコール(分子量2,040)145部と上記構造を有するエチレンオキサイド付加型ポリジメチルシロキサン(分子量4,500)5部、更に6部の1,3−ブチレングリコールを添加し、80℃で6時間反応させてイソシアネート末端ポリウレタン−ポリウレア樹脂を得た。内温を20℃にして、50部のメチルエチルケトンに溶解した7部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後同温度で1時間反応させた。更に100部のメチルエチルケトンに溶解した16部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを徐々に滴下して、30℃で1時間反応させイソシアネート基が消失していることを確認した後、固形分濃度を35%に調整し本発明のポリウレタン−ポリウレア樹脂の溶液を得た。この溶液は320dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
ポリジメチルシロキサンポリオール及びイソシアネート基を有するシランカップリング剤を使用しない他は参考例1と同じ材料と処方によりポリウレタン樹脂の溶液を得た。この溶液は固形分35%で、540dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
ポリジメチルシロキサンジアミン及びγ−アミノプロピルトリエトキシシランを使用しない他は参考例2と同じ材料と処方によりポリウレア樹脂の溶液を得た。この溶液は固形分35%で260dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
ポリジメチルシロキサンポリオール、イソシアネート末端シランカップリング剤とγ−アミノプロピルトリメトキシシランを使用しない他は実施例1と同じ材料と処方によりポリウレタン−ポリウレア樹脂の溶液を得た。この溶液は固形分35%で、220dPa・s(25℃)の粘度を有していた。
鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(重合度550)の5%水溶液を調製した。
(1)インクジェット用受像層への応用
参考例1、2、実施例1、比較例1〜3で得られた樹脂溶液及び参考例3の樹脂溶液を100μm厚のPETフィルムに乾燥後の厚みが20μmとなるように塗工して塗膜を形成し、透明シートを作製し、カラーインクジェットプリンター(セイコーエプソン社;PM−750C)で印字記録を行い、以下の項目の評価を行った。
塗膜面に未処理PETフィルムを重ね、荷重0.29Mpaを掛け、温度40℃で1日放置後のブロッキング性の評価を行った。結果を下記で表示する。
○:ブロッキング性なし
△:ややブロッキング性あり
×:ブロッキング性あり
インクジェットプリンターでの印字記録の際のプリンター搬送性を評価した。
○:搬送性良好
△:わずかに異音を生じる
×:搬送性不良
インクジェットプリンターでカラー画像を印字後、得られたカラー画像の発色鮮明性を目視により観察した。
○:良好
△:普通
×:不良
インクジェットプリンターでカラー印字後、記録シートを水中に漬け(20℃、24時間)、その後室温で乾燥した際の、記録画像の滲み、発色の変化を目視により観察。
○:変化なし
△:変色が認められる
×:完全に溶解してなくなる
以上の結果を表2に示す。
比較例1で得られた樹脂に非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;日本油脂社製)を固形分質量比で95:5に混合した。
ポリビニルブチラール(重合度700、積水化学社製)100部、トリオクチルフォスフェート50部及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル(リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製)3部をエタノール400部に混合溶解した。
参考例1、2、実施例1、比較例1、4及び参考例4で得られた樹脂溶液を透明なアクリル樹脂板に刷毛塗りして塗膜を形成し試料とし、防曇性、帯電防止性の評価を行った。
沸騰水浴上、5cmのところに試料板をセットして50℃の水蒸気に10分間曝した時の塗膜の曇りを評価した。
○:曇りなし
△:部分的に曇り
×:曇り
沸騰水浴上、5cmのところに試料板をセットして50℃の水蒸気に10分間曝した時の塗膜状態を評価した。
○:変化なし
△:少し状態の変化あり
×:塗膜の剥離又は溶解
ダストチェンバーテストにより帯電カーボンの付着性を評価した。
○:カーボンの付着なし
△:一部カーボンの付着あり
×:カーボン付着あり
以上の結果を表3に示す。
Claims (5)
- 有機ポリイソシアネート、高分子量親水性ポリオール又はポリアミン、少なくとも1個の活性水素基を有するポリシロキサン化合物、反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物であって、分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基と少なくとも1個の加水分解性シリル基を同一分子内に有する化合物を反応させることを特徴とする親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
- 加水分解性シリル基の含有量が樹脂の分子量1,000当たり0.001〜10個であり、重量平均分子量が3,000〜800,000である請求項1に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
- 前記高分子量親水性ポリオール又はポリアミンの使用量が、親水性ポリウレタン系樹脂中のこれらの物質から構成されるセグメントの含有量が30〜80質量%となる量である請求項1又は2に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
- 前記のポリシロキサン化合物の使用量が、親水性ポリウレタン系樹脂中の該化合物から構成されるセグメントの含有量が0.1〜10質量%となる量である請求項1〜3のいずれか1項に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
- 前記の反応性有機官能基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物であって、分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基と少なくとも1個の加水分解性シリル基を同一分子内に有する化合物の使用量が、親水性ポリウレタン系樹脂中の該化合物から構成されるセグメントの含有量が1〜40質量%となる量である請求項1〜4のいずれか1項に記載の親水性ポリウレタン系樹脂の製造方法。
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