JP4382258B2 - 角竪樋自在継手および配樋構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、横向きに使用しても漏水の心配がない角竪樋自在継手と、該自在継手を横向きに使用する配樋構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、角竪樋を差込む双方の差込口を回動できるようにした角竪樋自在たて継手や、更に角竪樋の接続角度を調節できるようにした角竪樋自在エルボなど、種々のタイプの角竪樋自在継手が開発されている。
【0003】
このような角竪樋自在継手は配樋の自由度が高いため、従来のように角竪樋を縦引きして接続する場合だけでなく、角竪樋を略水平に横引きして配樋する場合にも、該自在継手を横向きにして使用すれば便利であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、角竪樋を略水平に横引きして配樋する場合に、横引きした角竪樋の途中の接続箇所に従来の角竪樋自在継手を横向きに配置して接続を行うと、該自在継手の差込口の回動可能な取付部分から漏水するという問題があるため、これまでは角竪樋を横引きして配樋する際に角竪樋自在継手を使用することは無理であるとされていた。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、横向きにしても漏水の心配がなく角竪樋差込口の回動も滑らかな角竪樋自在継手と、該自在継手を横向きに使用する配樋構造とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る角堅樋自在継手は、第一の角堅樋差込口部と、この第一の角堅樋差込口部に回動可能に嵌合接続された第一の彎曲角筒部と、この第一の彎曲角筒部に抜差し可能に嵌挿された第二の彎曲角筒部と、この第二の彎曲角筒部に回動可能に嵌合接続された第二の角堅樋差込口部とよりなる角堅樋自在継手において、第一の角堅樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続部分である第一の角堅樋差込口部の底壁と第一の彎曲角筒部の係止鍔の少なくとも一方に凸条片を設けると共に、他の嵌合接続部分である第二の角堅樋差込口部の係止鍔と第二の彎曲角筒部の端壁の少なくとも一方に凸条片を設け、上記各凸条片の内周に防水パッキンが挟着されていることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成の角堅樋自在継手は、第一および第二の角堅樋差込口部を回動させることにより角堅樋を所望の捻り角度で接続することができると共に、第一および第二の彎曲角筒部を抜差し調節することにより角堅樋の接続角度を変えることができるので、配樋の自由度が大幅に向上する。しかも、この角堅樋自在継手は凸条片が設けられてその内周に防水パッキンが挟着されているので、第一の角堅樋差込口部や第二の角堅樋差込口部を回動させる際に、挟着されている防水パッキンが共動して回転しながら嵌合接続部分よりはみ出そうとしても、凸条片が壁となって防水パッキンのはみ出しを防止することができる。このため、防水パッキンを嵌合接続部分に強く圧挟着することが可能となり、嵌合接続部分からの漏水の防止を更に確実なものにすることができる。
【0010】
次に、本発明の請求項2に係る角堅樋自在継手は、第一の角堅樋差込口部と、この第一の角堅樋差込口部に回動可能に嵌合接続された第二の角堅樋差込口部とよりなる角堅樋自在継手において、第一の角堅樋差込口部と第二の角堅樋差込口部との嵌合接続部分である第一の角堅樋差込口部の底壁と第二の角堅樋差込口部の係止鍔の少なくとも一方に凸条片を設け、該凸条片の内周に防水パッキンが挟着されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成の角堅樋自在継手は、第一および第二の角堅樋差込口部を回動させることにより角堅樋を所望の捻り角度で接続することができ、凸条片が設けられてその内周に防水パッキンが挟着されているので、第一又は第二の角堅樋差込口部を回動させる際に、挟着されている防水パッキンが共動して回転しながら嵌合接続部分よりはみ出そうとしても、凸条片が壁となって防水パッキンのはみ出しを防止することができる。そのため、防水パッキンを嵌合接続部分に強く圧挟着することが可能となり、嵌合接続部分からの漏水の防止を更に確実なものにすることができる。
【0014】
次に、本発明の請求項3に係る角堅樋自在継手は、上記請求項1又は請求項2の角堅樋自在継手において、防水パッキンが油含有ゴムよりなることを特徴とするものである。
【0015】
このような油含有ゴムよりなる防水パッキンは、これに含有される油分が溌水作用を発揮するため防水性が良好であり、しかも、油分の優れた滑性によって第一および第二の角竪樋差込口部を滑らかに回動させることができる。
【0016】
次に、本発明の請求項4に係る配樋構造は、角堅樋が略水平に横引きされて配樋された構造であって、横引きされた角堅樋の途中の接続箇所に、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された角堅樋自在継手が横向きに配置され、その第一の角堅樋差込口部と第二の角堅樋差込口部に横引きされた角堅樋が差込まれて接続されていることを特徴とするものである。
【0017】
この配樋構造に使用する請求項1〜3の角堅樋自在継手は、既述したように横向きに使用しても漏水の心配がないため、上記のような配樋構造が可能となり、しかも、これらの角堅樋自在継手を用いると配樋の自由度が向上するので、障害物等が存在してもそれを迂回するように簡単に配樋施工することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0019】
図1は本発明の第一の実施形態に係る角竪樋自在継手の平面図、図2は同自在継手の左側面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は同自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部を分解して示す拡大部分断面図、図5は同自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図、図6は同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部を分解して示す拡大部分断面図、図7は同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【0020】
この第一の実施形態に係る角竪樋自在継手10は、図2,図3に示すように、合成樹脂製の第一の角竪樋差込口部1(以下、第一差込口部と略記する)と、この第一差込口部1に回動可能に嵌合接続された合成樹脂製の第一の彎曲角筒部2(以下、第一角筒部と略記する)と、この第一角筒部2に抜差し可能に嵌挿された合成樹脂製の第二の彎曲角筒部3(以下、第二角筒部と略記する)と、この第二角筒部3に回動可能に嵌合接続された合成樹脂製の第二の角竪樋差込口部4(以下、第二差込口部と略記する)とからなるエルボタイプの自在継手であって、第一差込口部1と第一角筒部2との嵌合接続部分、および、第二差込口部4と第二角筒部3との嵌合接続部分には、それぞれ防水パッキン5が挟着されている。
【0021】
図1に示すように、第一差込口部1は略正方形の開口形状を有するもので、角竪樋の形状に合致するように、四壁の中央部1aが内側へ少し凹設されている。そして、この第一差込口部1の底壁1bには円形の開口1cが設けられ、図3〜図5に示すように、該開口1cの口縁部から下方に円形筒部1dが突設されて、その外周面に係合溝1eが形成されている。
【0022】
また、第一差込口部1の四壁中央部1aの内側には、突片1fが底壁1bから立設され、図3に一点鎖線で示すように角竪樋6を第一差込口部1に差込むと、角竪樋6の先端が四壁の中央部1aと突片1fにより挟持されてガタツキなく強固に差込み接続されるようになっている。
【0023】
彎曲した第一角筒部2と第二角筒部3は、その中心軸線の曲率が同一であり、その中心軸線と直角方向の開口断面形状がいずれも正方形で、その一辺の長さは第一角筒部2よりも第二角筒部3の方が肉厚分だけ長くなっている。このため、第一角筒部2と第二角筒部3は抜差し可能に嵌挿され、その嵌挿寸法を増減させると、第一及び第二の差込口部1,4に差込み接続する角竪樋6,6の接続角度を調節できるようになっている。この実施形態の自在継手10は、角竪樋6,6の接続角度を略90°〜略150°の範囲で調節できるように、第一角筒部2および第二角筒部3の長さと中心軸線の曲率を設定している。
【0024】
また、図3に示すように、第二角筒部3の先端近くの内周面に防水用のリングパッキン7を設け、この自在継手10を横向きに使用しても、第一角筒部2と第二角筒部3の隙間から水が漏らないようにしている。
【0025】
図4,図5に示すように、第一角筒部2の上端には、第一差込口部1の円形筒部1dを嵌合する円形の嵌合口2aが形成され、その開口縁に設けられた係止鍔2bが円形筒部1dの外周面の係合溝1eに係止されている。従って、第一差込口部1と第一角筒部2は、回動可能に且つ分離しないように嵌合接続されている。そして、この嵌合接続が容易に行われるように、係止鍔2bの内周面が上広がりのテーパー面に形成されると共に、円形筒部1dの下端外周面にアールが設けられている。
【0026】
第一差込口部1と第一角筒部2との嵌合接続部分に挟着される前記の防水パッキン5は、油含有ゴムよりなる薄いドーナツ板状のパッキンであり、油分を2〜30重量%程度含むシリコンゴムや、不揮発性石油系の油分を20〜60重量部含む油展ゴムなどが使用される。これらの油含有ゴムは、該油分の溌水作用によって優れた防水性を発揮すると共に、該油分により優れた滑性を発揮するものである。このような油含有ゴム製の防水パッキン5の具体例としては、東レダウコーニングシリコーン(株)製の含油シリコーンゴムが挙げられる。
【0027】
図4に示すように、この防水パッキン5は第一差込口部1の円形筒部1dに下方から外嵌され、図5に示すように、該円形筒部1dを第一角筒部2の嵌合口2aに嵌合接続することによって、第一差込口部1の底壁1bと第一角筒部2の係止鍔2bの間に挟着されている。このように油含有ゴム製の防水パッキン5が挟着されると、含有油分の溌水作用により優れた防水性が発揮されるので、この自在継手10を横向きに使用しても、第一差込口部1と第一角筒部2との嵌合接続部分から漏水する恐れがなくなり、また、油含有ゴム製の防水パッキン5は滑性も優れるため、第一差込口部1を滑らかに回動させることができる。
【0028】
図6,図7に示すように、第二角筒部3の他端の端壁3aには円形の開口3bが形成され、該開口3bの口縁部から円形筒部3cが突設されて、その外周面に係合溝3dが形成されている。そして、この円形筒部3cを嵌合する円形の嵌合口4aが第二差込口部4の底壁に形成され、その開口縁に設けられた係止鍔4bが円形筒部3cの係合溝3dに係止されている。従って、この第二差込口部4と第二角筒部3も、回動可能に且つ分離しないように嵌合接続されている。
【0029】
この第二差込口部4は、前述した第一差込口部1と同様に四壁の中央部4cが少し内側へ凹んだ略正方形の形状を有するもので、上記の嵌合口4aに第二角筒部3の円形筒部3cを容易に嵌合接続できるように、係止鍔4bの内周面を先広がりのテーパー面となしてあり、更に、円形筒部3cの先端外周面にはアールを設けている。なお、この第二差込口部4には、第一差込口部1の突片1fに相当するものは形成されてない。
【0030】
この第二差込口部4と第二角筒部3との嵌合接続部分に挟着される防水パッキン5は、前述の溌水性および滑性に優れた油含有ゴム製の薄いドーナツ板状のパッキンであって、図6に示すように、この防水パッキン5は第二角筒部3の円形筒部3cに外嵌され、図7に示すように、該円形筒部3cを第二差込口部4の嵌合口4bに嵌合接続することによって、第二角筒部3の端壁3aと第二差込口部4の係止鍔4bの間に挟着されている。そのため、この自在継手10を横向きに使用しても、第二差込口4と第二角筒部3との嵌合接続部分から漏水する恐れはなく、また、第二差込口4の回動がし辛くなることもない。
【0031】
以上のような構成の角竪樋自在継手10は、第一差込口部1および第二差込口部4を回動させることによって、角竪樋6,6を所望の捻り角度で接続することができると共に、第一角筒部2と第二角筒部3を抜差し調節することによって、角竪樋6,6の接続角度を略90°〜略150°の範囲で調節することができるため、配樋の自由度が大幅に向上する。
【0032】
しかも、この角竪樋自在継手10は、第一差込口部1と第一角筒部2との嵌合接続部分、および、第二差込口部4と第二角筒部3との嵌合接続部分に、油含有ゴム製の防水パッキン5がそれぞれ挟着され、該防水パッキン5の含有油分の溌水作用によって優れた防水性能が発揮されるため、この自在継手10を横向きに使用しても、嵌合接続部分から漏水する心配はない。また、油含有ゴム製の防水パッキン5は、含有油分により滑性が良いため、嵌合接続部分に挟着されていても、第一差込口部1や第二差込口部4を滑らかに回動させることができる。
【0033】
この角竪樋自在継手10を改良した第二の実施形態に係る角竪樋自在継手11の部分断面図を図8、図9に示す。
【0034】
この自在継手11は、図8に示すように、第一角筒部2上端の係止鍔2bの上面外側に凸条片2cが円状に設けられると共に、図9に示すように、第二差込口部4の係止鍔4bの上面外側に凸条片4dが円状に設けられ、それぞれの凸条片2c,4dの内周に沿って油含有ゴム製の薄いドーナツ板状の防水パッキン5が挟着されている。凸条片2c,4dは防水パッキン5と同じ厚み程度或は少し低い高さになされていて、第一角筒部2が第一差込口部1と嵌合接続されると、凸条片2c上面が第一差込口部1の底壁1bに近接若しくは当接し、また、第二差込口部4が第二角筒部3と嵌合接続されると、凸条片4d上面が第二角筒部3の端壁3aに近接若しくは当接するようになされている。
【0035】
このような構成の角竪樋自在継手11は、前記自在継手10の作用効果に加えて、第一差込口部1および第二差込口部4が回動される際に、挟着されている薄い防水パッキン5も共動して回転し、嵌合接続部分から外周方向に伸びてはみ出そうとする恐れがあるが、凸条片2c,4dにより防水パッキン5の伸びは規制され、さらには凸条片2c,4dが壁となって防水パッキン5のはみ出しを防止することができる。このため、防水パッキン5を差込口と角筒部とで強く圧挟着でき、嵌合接続部分からの漏水の防止をさらに確実なものにすることができる。
【0036】
尚、凸条片2c,4dは全円周に亘って設けることが最も好ましいが、一部途切れていても50%以上設けてあればよい。また、凸条片2c,4dを係止鍔2b,4bではなく、第一差込口部1の底壁1bの外側に、或は、第二角筒部3の端壁3aの外側に設けてもよい。更に、防水パッキン5の内周方向への変形も防止できるように、係止鍔2b,4bや底壁1bや端壁3aの内側にも凸条片を設けてもよい。また、係止鍔や底壁や端壁に溝を設け、この溝に断面丸形のドーナツ状の防水パッキンを嵌着させれば、溝壁が凸条片と同様の作用をなして防水パッキンのはみ出しをなくすことができる。
【0037】
この角竪樋自在継手11の他の構成は、前述した第一の実施形態に係る角竪樋自在継手10と同様であるので、図8、図9において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0038】
前述の各実施形態の角竪樋自在継手10,11では、油含有ゴム製のドーナツ板状の防水パッキン5を使用しているが、通常のゴム製のリングパッキンなども勿論使用可能である。
【0039】
図10、図11はそのようなリングパッキン50を挟着した第三の実施形態に係る角竪樋自在継手12の部分断面図である。
【0040】
即ち、この自在継手12は、図10に示すように、第一差込口部1の底壁1bの裏面に環状のパッキン嵌着溝を円形筒部1dと同心的に設けて通常のゴム製のリングパッキン50を嵌着し、該パッキン50を第一角筒部2上端の係止鍔2bに密接させると共に、図11に示すように、第二角筒部3の端壁3aの表面に環状のパッキン嵌着溝を円形筒部3cと同心的に設けて通常のゴム製のリングパッキン50を嵌着し、該パッキン50を第二差込口部4の係止鍔4bに密接させている。
【0041】
上記のようにして、第一差込口部1と第一角筒部2の嵌合接続部分、および、第二差込口部4と第二角筒部3の嵌合接続部分に、リングパッキン50を挟着すると、この自在継手12を横向きに使用しても、嵌合接続部分からの漏水がリングパッキン50によって防止される。このリングパッキン50は、滑性に劣る通常のゴム製のリングパッキンであるが、前述のドーナツ板状のパッキン5のように面接触するものではなく、第一角筒部2上端の係止鍔2bや第二差込口部4の係止鍔4bに対して線接触に近い状態で密接するため、第一差込口部1や第二差込口部4を回動させるときの摩擦抵抗はそれほど大きくなく、比較的スムーズに回動させることができる。
【0042】
尚、滑性に優れる油含有ゴム製のリングパッキン50を使用すれば、第一差込口部1や第二差込口部4の回動がきわめて滑らかになることは言うまでもない。また、リングパッキン50は第一差込口部1の底壁1b、第二角筒部3の端壁3a以外の嵌合接続部分に設けてもよい。
【0043】
この角竪樋自在継手12の他の構成は、第一の実施形態の角竪樋自在継手10と同様であるので、図10、図11において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0044】
図12は本発明の第四の実施形態に係る角竪樋自在継手の側面図、図13は同自在継手の拡大断面図である。
【0045】
この角竪樋自在継手13は、第一差込口部1と第二差込口部4を回動可能に嵌合接続すると共に、その嵌合接続部分に防水パッキン5を挟着したものである。
【0046】
この第一差込口部1および第二差込口部4は、前述した自在継手10,11,12の第一差込口部1および第二差込口部4と同じものであって、図13に示すように第一差込口部1の円形筒部1dを第二差込口部4の嵌合口に嵌合し、第二差込口部4の係止鍔4bを円形筒部1dの外周面の係合溝1eに係止することによって、互いに回動自在に嵌合接続されている。
【0047】
そして、防水パッキン5は、前述の自在継手10,11に用いた防水パッキン5と同じ油含有ゴム製の薄いドーナツ板状のパッキンであり、この防水パッキン5は、第一差込口部1の底壁1bと第二差込口部4の上端の係止鍔4bとの間に挟着されている。
【0048】
このような構成の角竪樋自在継手13は、第一差込口部1や第二差込口部4を回動させることによって角竪樋を所望の捻り角度で接続することができ、また、横向きに使用しても、防水パッキン5によって、第一差込口部1と第二差込口部4の嵌合接続部分からの漏水を防止することができる。そして、この防水パッキン5は滑性が良いため、第一差込口部1や第二差込口部4の回動がスムーズである。
【0049】
この角竪樋自在継手13を改良した第五の実施形態に係る角竪樋自在継手14の断面図を図14に示す。この自在継手14は第二差込口部4の係止鍔4bの上面外側に凸条片4dを設けたものであって、第一の実施形態に用いた第一差込口部1と第二の実施形態に用いた第二差込口部4とを嵌合接続したものである。防水パッキン5も油含有ゴム製の薄いドーナツ板状のパッキンを用いている。
【0050】
このような構成の角竪樋自在継手14は、自在継手13の作用効果に加えて、防水パッキン5の嵌合接続部分からのはみ出しを凸条片4dによって防止し、嵌合接続部分からの漏水の防止をさらに確実なものにすることができる。
【0051】
なお、凸条片を一部に設けたり、内側に設けたり、溝を設けたり、或はリングパッキンを用いてもよいことは、前述の通りである。
【0052】
この角竪樋自在継手14の他の構成は、前述した第四の実施形態の自在継手13と同じであるので、図14において同一部材に同一符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図15は本発明の配樋構造の一施工例を示す概略側面図、図16は同施工例の概略底面図である。
【0054】
この施工例は、ベランダ20の裏面に沿って角竪樋6を略平行に横引きして配樋する場合を例示したものである。即ち、ベランダ20に敷設された防水パネル21の排水口22に、ベランダを貫通する角竪樋6を接続すると共に、この角竪樋6に75°角エルボ継手8を介して横引きする角竪樋6を接続し、ベランダ20裏面の障害物23を迂回するように横引き配置された角竪樋6の途中の接続箇所に第一の実施形態の角竪樋自在継手10をそれぞれ横向きに配置して、角竪樋6の端部を各自在継手10の第一および第二の差込口部に差込み接続すると共に、横引きした角竪樋6の終端を壁面24に沿った角竪樋6に縦向きの角竪樋自在継手10を介して接続した構造となっている。
【0055】
上記のように、ベランダを貫通する角竪樋6に角エルボ継手8を介して横引きする角竪樋6を接続すると、横引きした角竪樋6が略15°傾斜して見栄えが悪くなるが、角竪樋自在継手10を横向きに用いてその第一差込口部に傾斜した角竪樋6を接続すると共に、その第二差込口を略15°回転させて次の角竪樋6を接続すると、角竪樋6が略水平となると共に捻れもなくなって見栄え良く配樋することができる。なお、二番目以降の角竪樋自在継手10は必ずしも必要ではなく、角エルボ継手8を横向きに使用して障害物23を迂回するように角竪樋を接続してもよい。
【0056】
このような配樋構造は、横向きに使用した角竪樋自在継手10から漏水の心配がないため初めて施工可能となったものであり、かかる自在継手10を横向きに用いると配樋の自由度が向上し、体裁良く略水平に横引きして障害物23を迂回するように簡単に配樋施工することができる。
【0057】
尚、この施工例においては、前述の角竪樋自在継手13が使用されていないけれども、施工現場の状況によって横引きする角竪樋6に捻りを与える必要が生じた場合には、角竪樋自在継手13を横向きにして使用することは言うまでもない。また、この施工例はほんの一例であり、施工現場に応じて種々の態様で施工されることは勿論である。
【0058】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の角竪樋自在継手は、接続する角竪樋の接続角度や捻り角度を調節できるため配樋の自由度を向上させることができ、横向きに使用しても漏水の心配がないといった顕著な効果を奏する。従って、本発明の角竪樋自在継手は、角竪樋を略水平に横引きして配樋する本発明の配樋構造にも使用することができ、このように本発明の自在継手を横向きに使用した本発明の配樋構造は、配樋の自由度が高く、施工現場の状況に対応して簡単に配樋施工できるため、施工性に優れるといった顕著な効果を奏する。
【0059】
また、油含有ゴム製の防水パッキンを挟着した本発明の角竪樋自在継手は、優れた防水性を発揮すると共に、第一差込口部や第二差込口部を滑らかに回動させることができるといった効果も奏する。
【0060】
更に、差込口部や角筒部に凸条片を設けた角竪樋自在継手は、回動に伴う防水パッキンのはみ出しをなくし、さらに確実な防水性を発揮するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る角竪樋自在継手の平面図である。
【図2】同自在継手の左側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】同自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部を分解して示す拡大部分断面図である。
【図5】同自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図6】同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部を分解して示す拡大部分断面図である。
【図7】同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図8】本発明の第二の実施形態に係る角竪樋自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図9】同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図10】本発明の第三の実施形態に係る角竪樋自在継手の第一の角竪樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図11】同自在継手の第二の角竪樋差込口部と第二の彎曲角筒部との嵌合接続状態を示す拡大部分断面図である。
【図12】本発明の第四の実施形態に係る角竪樋自在継手の側面図である。
【図13】同自在継手の拡大断面図である。
【図14】本発明の第五の実施形態に係る角竪樋自在継手の断面図である。
【図15】本発明の配樋構造の一施工例を示す概略側面図である。
【図16】同施工例の概略底面図である。
【符号の説明】
10,11,12,13,14 角竪樋自在継手
1 第一の角竪樋差込口部(第一差込口部)
2 第一の彎曲角筒部(第一角筒部)
3 第二の彎曲角筒部(第二角筒部)
4 第二の角竪樋差込部
5,50 防水パッキン
6,角竪樋
1b 第一の角竪樋差込口部の底壁
2b,4b 係止鍔
3a 第二の彎曲角筒部の端壁
2c,4d 凸条片
Claims (4)
- 第一の角堅樋差込口部と、この第一の角堅樋差込口部に回動可能に嵌合接続された第一の彎曲角筒部と、この第一の彎曲角筒部に抜差し可能に嵌挿された第二の彎曲角筒部と、この第二の彎曲角筒部に回動可能に嵌合接続された第二の角堅樋差込口部とよりなる角堅樋自在継手において、第一の角堅樋差込口部と第一の彎曲角筒部との嵌合接続部分である第一の角堅樋差込口部の底壁と第一の彎曲角筒部の係止鍔の少なくとも一方に凸条片を設けると共に、他の嵌合接続部分である第二の角堅樋差込口部の係止鍔と第二の彎曲角筒部の端壁の少なくとも一方に凸条片を設け、上記各凸条片の内周に防水パッキンが挟着されていることを特徴とする角堅樋自在継手。
- 第一の角堅樋差込口部と、この第一の角堅樋差込口部に回動可能に嵌合接続された第二の角堅樋差込口部とよりなる角堅樋自在継手において、第一の角堅樋差込口部と第二の角堅樋差込口部との嵌合接続部分である第一の角堅樋差込口部の底壁と第二の角堅樋差込口部の係止鍔の少なくとも一方に凸条片を設け、該凸条片の内周に防水パッキンが挟着されていることを特徴とする角堅樋自在継手。
- 防水パッキンが油含有ゴムよりなるものである請求項1又は請求項2に記載の角堅樋自在継手。
- 角堅樋が略水平に横引きされて配樋された構造において、横引きされた角堅樋の途中の接続箇所に、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された角堅樋自在継手が横向きに配置され、その第一の角堅樋差込口部と第二の角堅樋差込口部に横引きされた角堅樋が差込まれて接続されていることを特徴とする配樋構造。
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