JP4381996B2 - 建具 - Google Patents
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Description
さらに、従来の錠装置では、クレセント錠が内召合せ框の見付け方向外側面(見込み面)に取り付けられ、錠受けが外召合せ框の見付け方向内側に取り付けられているため、障子のガラスパネルを通して室外から視認されやすくなっている。このため、施錠または解錠のいずれの状態であるかが室外から一目で分かってしまうとともに、施錠状態であっても錠装置の位置が特定され、ガラス破り等による不法行為を抑止しにくくなってしまうことから、防犯性の向上が期待できなかった。
ここで、本発明の建具としては、引違い窓や片引き窓、上げ下げ窓等の引違い形式のサッシ窓が好適である。
さらに、室内露出面部に操作部が設けられているので、室外から操作部を視認することができず、施錠または解錠のいずれの状態であるかが分からないとともに、操作部の位置が特定できないためガラス破り等を抑止することができ、防犯性を向上させることができる。
一方、複数の施錠部において各々の係止部を解錠操作しなければ、障子が解錠されないので、万一、操作部近傍のガラスパネルが破られたとしても、操作部の操作によっては障子が解錠されず、かつ複数の施錠部全ての近傍のガラスパネルが破られなければ、障子が解錠できない。これにより、ガラス破りに長時間(例えば、5分以上)を要することから、不法行為を行う者が途中で諦める可能性が高まり、例えガラス破りにあったとしても、室内への浸入を未然に防止することができ、より一層防犯性を高めることができる。
このような構成によれば、複数の施錠部が施錠部本体を有し、この施錠部本体に係止部材および接続部材を支持させたことで、複数の施錠部をユニット化することができ、外召合せ框への取付が容易にできる。さらに、係止部材付勢手段で係止部材を施錠位置または解錠位置に付勢することで、振動等により係止部材が不用意に移動してしまうことが防止でき、係止部材の施錠位置または解錠位置を維持して、施錠および解錠を確実に実施することができる。
このような構成によれば、室内露出面部から室内側に突出した施錠位置と室内露出面部に没入した解錠位置との間を係止部材が回動するだけで、施解錠が実施できるので、従来のクレセント錠のように略180°回動させる必要がなく、施錠部の構造を簡単化できるとともに、操作部の操作距離や伝達部の移動距離を小さくして、これらの構造も簡単化することができる。さらに、室内露出面部から室内側に突出した係止部材が内召合せ框の見込み面に当接して障子が施錠されるので、内召合せ框に従来のような錠受けを設ける必要がなく、この点でも錠装置の構造を簡単化して部品点数を削減することができる。
このような構成によれば、長尺状の伝達部材を有して伝達部が構成されたことで、操作部と複数の施錠部とを互いに大きく離れた位置に設置することができ、さらに防犯性を向上させることができるとともに、操作しやすい位置に操作部を設けることで操作性の向上も図ることができる。さらに、伝達部材の長さ方向に沿って複数形成した開口で施錠部の接続部材を移動させるようにしたことで、複数の開口のうちの任意の開口位置に合わせて施錠部を設置することができ、設置の自由度が高められるとともに、召合せ框の長さ寸法に関わらず伝達部材を共通化することができる。
また、伝達部材付勢手段の付勢力により伝達部材が初期位置に戻されることで、この伝達部材に連結された操作部も初期位置に戻されるため、利用者が操作部を戻す必要がなく、操作性を向上させることができる。さらに、伝達部材の開口が接続部材を余裕を持って挿通可能な大きさに設定されているので、伝達部材が初期位置に戻される際に、接続部材や係止部材を解錠方向に移動させることなく、伝達部材および操作部のみを初期位置に戻して施錠部の施錠状態を維持させることができる。
このような構成によれば、操作部が操作部本体を有し、この操作部本体に進退部材および操作部材を支持させたことで、操作部をユニット化することができ、外召合せ框への取付が容易にできる。さらに、施錠操作における所定の操作力を超える力で操作部材が施錠操作された場合に、操作部材が進退部材に対して移動される、つまり、何らかの原因で施錠部の係止部材の移動が規制された状態で無理矢理操作部材を操作してしまうと、伝達部や施錠部が破損する可能性があるが、このような大きな力で操作された場合には、操作部材付勢手段が変形することで、操作部材付勢手段の付勢力を超える無理な力が伝達部や施錠部に作用しないようにして、これらの破損を防止することができる。
このような構成によれば、通常の施錠操作においては、操作部材付勢手段よりも付勢力の小さい伝達部材付勢手段が変形することで、伝達部材に接続された施錠部の係止部材を施錠位置に移動させることができ、前述のように係止部材の移動が規制された状態で操作部材が大きな力で操作された場合には、操作部材付勢手段が変形することで伝達部や施錠部の破損を防止することができる。
図1(A),(B)は、本発明の実施形態に係る建具である引違い窓1の障子2,3を示す室内側から見た斜視図である。図2(A),(B)は、引違い窓1の召合せ框に設けられた錠装置10を示す縦断面図である。図3および図4は、それぞれ錠装置10の施錠部を示す横断面図および分解斜視図である。図5は、錠装置10の操作部を示す横断面図である。図6(A)〜(C)は、錠装置10の動作を示す斜視図である。
錠装置10は、室内側から操作可能な操作部20と、複数の施錠部30と、操作部20の施錠操作を複数の施錠部30に伝達する伝達部40とを有して構成されている。複数の施錠部30は、それぞれ外召合せ框5Bの室内露出面部5Cから室内側に突出して内召合せ框5Aの見込み面5Dに当接する施錠位置と、外召合せ框5Bの室内露出面部5Cに没入する解錠位置との間を回動自在に設けられた係止部材31を有して構成されている。すなわち、係止部材31が施錠位置に回動されて内召合せ框5Aを係止することで一対の障子2,3の開移動が規制された施錠状態(図1(B)および図2(B)に示す状態)となり、係止部材31が解錠位置に回動されて内召合せ框5Aを係止しないことで一対の障子2,3が開放可能な解錠状態(図1(A)および図2(A)に示す状態)となる。
このような伝達部40では、初期位置に付勢された操作レバー23が下方に施錠操作された際に、コイルばね24を介して内ケース体22が下方に押し下げられ、これに伴って連結ピン221に開口411の下端縁を押圧された伝達部材41が押し下げられる。そして、開口411の上端縁により施錠部30の回動ピン34が押圧されて下方に回動され、この回動した回動ピン34が被押圧部311を押圧することで、係止部材31が施錠位置に向かって回動されるようになっている。
図6(A)に示すように、操作部20の内ケース体22および操作レバー23、伝達部40の伝達部材41が初期位置にあり、施錠部30の係止部材31が解錠位置にある状態で、室内外の障子2,3を閉じれば、操作部20が室内側から操作可能になる。この際、操作部20の連結ピン221を挿通した伝達部材41の開口411の下端縁と、当該連結ピン221の下面とが当接し、施錠部30の回動ピン34を挿通した伝達部材41の開口411の上端縁と、当該回動ピン34の上面とが当接している。
(1)すなわち、障子2,3を閉じた状態において室内側に露出する室内露出面部5Cに錠装置10の操作部20を設けたので、障子2,3を閉じていない状態においては、室内露出面部5Cが室内側障子2(内召合せ框5A)に重なって、操作部20が操作不能になる。従って、障子2,3を閉じなければ操作部20を操作することができないため、空掛けを確実に防止することができる。
例えば、前記実施形態においては、引違い窓1に錠装置10を設けた例を示したが、本発明の建具はこのような引違い窓1に限られず、片引き窓や上げ下げ窓等であってもよい。片引き窓としては、外動片引き窓および内動片引き窓のいずれであってもよく、外動片引き窓の場合には、室内側障子が固定障子となってその縦骨が内召合せ框となり、内動片引き窓の場合には、室外側障子が固定障子となってその縦骨が外召合せ框となる。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 少なくとも一方が開閉可能に設けられた室内外一対の障子を備え、当該室内側障子の内召合せ框と室外側障子の外召合せ框とが重なって閉じた状態において錠装置によって施錠可能な建具であって、
前記外召合せ框は、前記内召合せ框よりも見付け寸法が大きく、かつ前記一対の障子を閉じた状態で室内空間に露出する室内露出面部を有して形成され、
前記錠装置は、前記室内露出面部に設けられて室内側から操作可能な操作部と、前記内召合せ框を係止する施錠位置と係止しない解錠位置との間を移動可能な係止部材を有した複数の施錠部と、前記操作部の施錠操作を前記複数の施錠部における各々の係止部材に伝達する伝達部と、を備え構成され、
前記各々の係止部材は、前記伝達部を介して伝達された前記操作部の施錠操作により施錠位置に移動されるとともに、当該各々の係止部材ごとの解錠操作により解錠位置に移動される建具。 - 前記複数の施錠部は、それぞれ前記外召合せ框に固定されるとともに前記係止部材を回動自在に支持する施錠部本体と、この施錠部本体に対して前記係止部材を施錠位置または解錠位置に付勢する係止部材付勢手段と、前記施錠部本体に移動自在に支持されるとともに前記係止部材および前記伝達部に接続された接続部材とを有して構成され、
前記伝達部を介して伝達された前記操作部の施錠操作により前記接続部材が移動され、この移動に伴って前記係止部材が施錠位置に回動される請求項1に記載の建具。 - 前記係止部材は、前記外召合せ框の室内露出面部から室内側に突出して前記内召合せ框の見込み面に当接することで一対の障子を施錠する施錠位置と、前記外召合せ框の室内露出面部と略フラットに前記施錠部本体内部に没入する解錠位置との間を回動自在に設けられている請求項2に記載の建具。
- 前記伝達部は、前記外召合せ框に沿った長尺状の伝達部材と、この伝達部材を前記操作部の施錠操作方向と逆向きに付勢する伝達部材付勢手段とを有して構成され、
前記伝達部材には、前記施錠部の接続部材を余裕を持って挿通可能な開口が長さ方向に沿って複数形成され、前記操作部の施錠操作に伴って前記伝達部材付勢手段の付勢力に抗して前記伝達部材が初期位置から移動されるとともに、前記開口の一方の端縁が前記接続部材を押圧して移動させ、前記操作部の施錠操作を中止すれば、前記伝達部材付勢手段の付勢力により前記伝達部材が初期位置に戻される請求項2または請求項3に記載の建具。 - 前記操作部は、前記外召合せ框に固定される操作部本体と、この操作部本体に進退自在に支持されるとともに前記伝達部に連結された進退部材と、この進退部材に支持されて施錠操作される操作部材と、この操作部材を前記進退部材に対して施錠操作方向と逆向きに付勢する操作部材付勢手段とを有して構成され、
前記操作部材付勢手段の付勢力は、施錠操作における所定の操作力よりも大きく設定されており、この所定の操作力を超える力で前記操作部材が施錠操作された場合に、前記操作部材付勢手段の付勢力に抗して当該操作部材が前記進退部材に対して移動される請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。 - 前記伝達部は、前記外召合せ框に沿った長尺状の伝達部材と、この伝達部材を前記操作部の施錠操作方向と逆向きに付勢する伝達部材付勢手段とを有して構成され、
前記操作部材付勢手段の付勢力は、前記伝達部材付勢手段の付勢力よりも大きく設定されている請求項5に記載の建具。
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