JP4380814B2 - 7−フェニル−1,4−ジアゼパン−誘導体、それを含有する医薬、その製造方法及びそれを製造するための出発物質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4位にN−フェニルアルキル−アミノアルキル基又はN−フェニルアルキル−アミノアルキルアミノ基を有するカルボニル基により置換された新規7−フェニル−1−ベンゾイル−1,4−ジアゼパン−誘導体及びその塩、並びにこの化合物を含有する調剤学的調製剤及び中間体及びその化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
欧州特許出願公開第0655442号明細書から、タキキニン(Tachykinin)−レセプター拮抗作用及びノイロキニン(Neurokinin)−レセプター拮抗作用を有する1,4−二置換ピペラジン誘導体は公知である。
【0003】
ノイロキニンは神経ペプチドであり、ノイロキニンはこれが所属するレセプターと同様にヒトの体内に広範囲に分布しており、胃腸管内、心臓血管領域及びZNS領域内に見出される。これは広範囲の作用分布を示し、かつ特に疼痛の発生、炎症能、血管の拡張及び平滑筋の収縮の場合に、特に胃腸管領域において重要な役割がある神経伝達物質である。ノイロキニン−レセプター−アンタゴニストは薬理作用物質であり、これはノイロキニンレセプターと結合能力を有し、従ってノイロキニン誘導性疾患を阻止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、胃腸管内での機能障害及び炎症性障害の治療のために適した作用分布及び良好な相容性を有する新規のノイロキニン−レセプター−拮抗作用化合物を開発することであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明により、4位に、N−フェニルアルキル−アミノアルキル基又はN−フェニルアルキル−アミノアルキルアミノ基を有するカルボニル基により置換された7−フェニル−1−ベンゾイル−1,4−ジアゼパン−誘導体が、ノイロキニン−レセプター−拮抗作用を示し、ノイロキニン−レセプターもしくはタキキニン−レセプターと結合する物質が原因の病理学的状態を治療及び予防するのに適しており、かつ臓器の痛み過敏症及び胃腸管領域内、特に下方の腸管路の範囲内の機能障害に対して優れた作用成分を有する薬理学的作用特性により優れていることが見出された。
【0006】
本発明は、一般式I:
【0007】
【化19】
【0008】
[式中、
R1は水素又は低級アルキルを表し、
R2は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R3は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R2及びR3はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R6は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R7は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表し、及び
Bは低級アルキルにより置換されていてもよい1〜3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す]で示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩に関する。
【0009】
式Iの化合物において置換基が低級アルキルを表すか又は含む場合、この低級アルキルは分枝しているか又は非分枝であることができ、有利に1〜4個の炭素原子を含有することができ、特にメチルである。
【0010】
置換基R2及びR3はそれぞれ相互に無関係に水素又は低級アルコキシ、特に
メトキシであることができる。置換基R2及び/又はR3が低級アルコキシを表す場合、R2及びR3を有するフェニル環は有利に低級アルコキシにより1箇所置換されていることができ、この置換基は特にフェニル環の2位に位置することができる。R2及び/又はR3がハロゲンを表す場合、これは特に塩素、フッ素、有利にフッ素である。
【0011】
置換基R4及び/又はR5がハロゲンを表す場合、フッ素が有利である。有利にR4及びR5は水素を表す。
【0012】
置換基R6及びR7は相互に無関係にそれぞれ有利にトリフルオロメチルを表す。R6及び/又はR7が低級アルキルを表す場合、これは特にメチルである。R6及び/又はR7がハロゲンを表す場合、塩素が有利である。
【0013】
Aは有利に−(CH2)n−基であることができる。nは有利に3の数を表す。
【0014】
アルキレン鎖Bは有利に非置換であり、有利にメチレン基を表す。
【0015】
本発明により、一般式Iの化合物は、次のようにして得ることができる:
a) 一般式Iの化合物を製造するにあたり、一般式IIa:
【0016】
【化20】
【0017】
[式中、R2、R3、R4、R5、A及びBは上記の意味を表し、R101は低級アルキル又はアミノ保護基を表す]の化合物を、一般式III:
【0018】
【化21】
【0019】
[式中、R6及びR7は上記の意味を表す]の化合物と反応させ、場合によるアミノ保護基R101を引き続き再度分割するか、又は
b) 一般式Ia:
【0020】
【化22】
【0021】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、B及びnは上記の意味を表す]の化合物を製造するにあたり、一般式IV:
【0022】
【化23】
【0023】
[式中、R4、R5、R6及びR7は上記の意味を表す]の化合物を、一般式V:
【0024】
【化24】
【0025】
[式中、R101、R2、R3、B及びnは上記の意味を表す]の化合物と反応させ、場合によるアミノ保護基R101を引き続き再度分割すか、又は
c) 一般式Ib:
【0026】
【化25】
【0027】
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、B及びmは上記の意味を表す]の化合物を製造するにあたり、一般式IVの化合物を一般式VI:
【0028】
【化26】
【0029】
[式中、R101、R2、R3、B及びmは上記の意味を表す]の化合物と反応させ、場合によるアミノ保護基R101を引き続き再度分割するか、又は
d) 一般式Iの化合物を製造するにあたり、一般式VIII:
【0030】
【化27】
【0031】
[式中、R4、R5、R6、R7及びAは上記の意味を表し、Xは分割可能な脱離基を表す]の化合物を、一般式IXa:
【0032】
【化28】
【0033】
[式中、R1、R2、R3及びBは上記の意味を表す]の化合物と反応させるか、又は
e) 式Iの化合物を製造するにあたり、一般式X:
【0034】
【化29】
【0035】
[式中、R1、R4、R5、R6、R7及びAは上記の意味を表す]の化合物を、一般式XIa:
【0036】
【化30】
【0037】
[式中、R2及びR3は上記の意味を表し、B1は結合又は場合により低級アルキルにより置換された1〜2個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す]の化合物と、還元性アルキル化の条件下で反応させるか、又は一般式XIb:
【0038】
【化31】
【0039】
[式中、R2、R3、B1及びXは上記の意味を表す]の化合物でアルキル化し、所望の場合に得られた一般式I(R1は水素を表す)の化合物を、一般式I(R1は低級アルキルを表す)の化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩の形に変換するか又は酸付加塩を式Iの遊離化合物に変換する。
【0040】
一般式Iの化合物は、変法a)に従って、自体公知のように、一般式IIaの化合物を一般式IIIの化合物と反応させることにより、アミノアシル化によるアミド基の形成のために通常の方法により、及び場合により引き続きアミノ保護基R101の分割により製造することができる。アシル化剤として一般式IIIの酸又はその反応可能な誘導体を使用することができる。反応可能な誘導体としては特に混合酸無水物及び酸ハロゲン化物が挙げられる。例えば一般式IIIの酸塩化物又は酸臭化物又は一般式IIIの酸とクロロギ酸又は有機スルホン酸、例えば低級アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸又は芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸又は低級アルキル又はハロゲンにより置換されたベンゼンスルホン酸、例えばトルエンスルホン酸又はブロモベンゼンスルホン酸との混合エステルを使用することができる。このアシル化は、反応条件下で不活性の有機溶剤中で、有利に−20℃〜室温の温度で行われる。溶剤として特に芳香族炭化水素、例えばベンゼン又はトルエン、脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以後THFと省略)又はジオキサン、部分的にハロゲン化された低級炭化水素、例えばジクロロメタン又はこれらの溶剤の混合物が適している。
【0041】
このアシル化は、有利に、特にアシル化剤として式IIIの酸の酸ハロゲン化物を使用する場合、酸結合性試薬の存在で実施することができる。酸結合性試薬として、反応混合物中に可溶性の非求核性塩基、例えば有機の第3級窒素塩基、例えば窒素含有N−アルキル化複素環式化合物、例えばN−低級アルキル−モルホリン又はN−低級アルキル−ピペリジン又は第3級低級アルキルアミン及びピリジン、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン又は4−ピロリジノピリジンが適している。過剰量で使用した有機塩基は同時に溶剤としても使用することができる。
【0042】
アシル化剤として式IIIの酸自体を使用する場合、式IIaのアミンと式IIIの酸との反応は有利にペプチド化学からアミド形成のために公知の適当なカップリング試薬の存在でも実施することができる。酸とカップリング試薬とが反応性酸誘導体の形成下で反応することにより、遊離酸とのアミド形成を促進するカップリング試薬の例として次のものが特に挙げられる:アルキルカルボジイミド、例えばシクロアルキルカルボジイミド、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又は1−エチル−3−[(ジメチルアミノ)−プロピル]−カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール及びN−低級アルキル−2−ハロゲンピリジニウム−塩、特にハロゲン化物又はトシレート。カプリング試薬の存在での反応は、有利に−30℃〜+50℃の温度で、溶剤、例えばハロゲン化炭化水素及び/又は芳香族溶剤、場合により置換されたベンゼン中で、及び場合により酸を形成する有機化合物、例えば前記した非求核性の窒素塩基の存在で実施することができる。
【0043】
変法b)による式Iaの化合物の製造は、自体公知のように、式IVの化合物を式Vのカルボン酸とを、上記の変法a)による式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について記載した条件下で実施することができる。
【0044】
式Ibの化合物は、変法c)により、式IVの化合物を式VIのイソシアネートと自体公知のように反応させることにより製造することができる。式VIの化合物は、例えば一般式VII:
【0045】
【化32】
【0046】
[式中、R101、R2、R3、B及びmは上記の意味を表す]のアミンから、自体公知のように適当な反応性カルボニル化合物との反応により得ることができる。反応性カルボニル化合物として、たとえばホスゲン又はホスゲン様に反応する物質、例えばビス−(トリクロロメチル)−カーボネート(トリホスゲン)、クロロギ酸−トリクロロメチルエステル(ジホスゲン)又はカルボニルジイミダゾールが適している。式Ibの化合物は、式VIIのアミンからまず式VIのイソシアネートを製造し、次にこれをインサイトゥ(in situ)で式IVの化合物と反応させることにより有利に製造される。この反応順序はワンポット(Eintopf)反応として、極性の非プロトン性溶剤、例えば部分的にハロゲン化された炭化水素、例えばジクロロメタン中で、−20℃〜室温の温度で、有利に0℃〜室温の温度で実施することができる。有利に、この反応混合物に酸結合性試薬を添加することできる。酸結合性試薬として、上記の式IIaの化合物を式IIIの化合物との反応のために記載した試薬が適している。
【0047】
式VIのイソシアネートは式Vのカルボン酸又はその反応性誘導体から、カーチウス分解(Curtius-Abbau)の条件下で製造することもできる。例えば一般に常用の方法により得ることができる式Vのカルボン酸の反応性誘導体、例えばそのエステル、無水物又は酸ハロゲン化物は、アルカリ金属アジド、例えばナトリウムアジドとを反応させ、引き続き加熱することにより公知のように相応するイソシアネートの形に変えることができる。同様に、式Vの酸は、ジフェニルホスホリルアジド又は類似に作用する試薬との反応により反応させ、一般式VIのイソシアネートを得ることができる。有利にこの反応順序はワンポット法として、反応条件下で不活性の極性の非プロトン性溶剤、例えばジメチルホルムアミド(以後DMFと省略する)、ジメチルスルホキシド(以後DMSOと省略する)又は脂肪族エーテル、例えばTHF又はジオキサン中で実施することもできる。有利に、この反応混合物にまず10〜40℃の間の温度で酸結合性試薬を添加し、引き続き反応を完了するために、80〜120℃の間の温度で、有利に100℃に加熱する。酸結合性試薬として、式IIaの化合物を式IIIの化合物との反応のために使用された試薬を使用することができる。
【0048】
式Iの化合物は、変法d)により、式VIIIの化合物を式IXaの化合物と、求核置換反応のために一般に公知の条件下で、自体公知のように反応させることにより製造することもできる。式VIIIの化合物中の分解可能な脱離基Xとして、ハロゲン、特に塩素、臭素及びヨウ素又は有機スルホン酸基、例えば低級アルカンスルホン酸の基、例えばメタンスルホン酸の基、芳香族スルホン酸の基、例えばベンゼンスルホン酸の基、又は低級アルキル又はハロゲンにより置換されたベンゼンスルホン酸の基、例えばトルエンスルホン酸の基が適している。この反応は、極性の非プロトン性溶剤、例えばDMF、DMSO又はアセトニトリル中で、−20℃〜100℃、有利に60℃〜90℃の間の温度で、酸結合性試薬の使用下で実施するととができる。酸結合性試薬として、例えば式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について前記した酸結合性試薬が適している。
【0049】
式Iの化合物の製造のためのもう一つの態様は、変法e)により式Xの化合物を式XIa又はXIbの化合物を用いてアルキル化することである。式XIaの化合物を使用する場合、この反応はアミンの還元性アルキル化のために通常の方法を用いて実施することができる。この場合、還元剤及び還元条件は、分子中に存在するアミド−カルボニル基が攻撃されないように選択しなければならない。例えば、この反応は、接触水素化の条件下で実施することができる。この接触水素化は、反応条件下で不活性の有機溶剤中で、例えば低級脂肪族エーテル、例えばTHF又はジエチルエーテル、低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノール中で、又はこれらの溶剤の混合物中で、及び水素化触媒の存在で実施することができる。水素化触媒として有利に金属触媒、例えばラネーニッケルが適している。有利に、この反応は室温で実施される。水素化のために適した水素圧は、常圧〜5barの水素圧、有利に2〜4barであることができる。
【0050】
式XIbの化合物を使用する場合、この反応は求核置換反応にとって一般に公知の条件下で実施することができる。例えば変法d)による式VIIIの化合物と式IXaの化合物との反応について前記した条件を選択することができる。
【0051】
式Iの化合物又はその中間生成物の製造の際に遊離アミノ基をアミノ保護基により保護する場合、本発明の範囲内で、例えばペプチド化学から公知のアミノ保護基が挙げられ、この保護基は公知の方法により導入され、再び分割することができる。適当な保護基は、例えばJ. A. W. McOmie "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press 1973 又は T. W. Green and P. G. M Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley and Sons 1991から公知である。
【0052】
有利に、アミノ保護基R101として、酸性環境中及びアルカリ性環境中で十分に安定で、水素化分解条件下で分割することができる基を使用することができる。保護基の分割は、分子中に場合により存在する所望の、場合によりフェニル環中で置換されたフェニル低級アルキルアミノ基が維持されるような条件下で行われる。例えばアミノ保護基R101としてフェニル低級アルキルオキシカルボニル基、有利にベンジルオキシカルボニル基が適している。この基は公知のように、例えば接触水素化により分割して、R1が水素を表す式Iの化合物を得ることができる。この反応は、反応条件下で不活性の有機溶剤中で、例えば低級脂肪族エーテル、例えばTHF又はジエチルエーテル、低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノール、又は有機酸、例えば低級脂肪族カルボン酸、例えば酢酸又はこれらの溶剤の混合物中で、及び水素化触媒の存在で行うことができる。水素化触媒として、貴金属触媒、例えば活性炭上のパラジウムが適している。有利にこの反応は室温で実施される。水素化のために適した水素圧は、3〜7bar、有利に4〜6barである。
【0053】
R1が水素を表す式Iの化合物は、所望の場合に、アミノアルキル化のために公知の方法により、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物に変換することができる。このために、式Iの化合物は例えば低級脂肪族アルデヒド、例えばホルムアルデヒドとの反応により、式Xの化合物と式XIaの化合物との反応について前記した条件下で還元でアルキル化することができる。このアルキル化のもう一つの方法は、R1が水素を表す式Iの化合物と、低級脂肪族アルキルハロゲン化物、例えばアルキルブロミド又はアルキルヨージド、有利にメチルヨージド、アルキルスルファート又はアルキルスルホン酸エステルとの、式VIIIの化合物と式IXaの化合物との反応について前記した方法による反応である。酸結合性試薬として、式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について前記した酸結合性試薬が適している。
【0054】
式Iの化合物の生理学的に認容性の塩として、無機酸、例えば硫酸、リン酸又はハロゲン水素酸、有利に塩酸との塩、又は有機酸、例えば低級脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、又はスルホン酸、例えば低級アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸又は場合によりベンゼン環中でハロゲン又は低級アルキルにより置換されたベンゼンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。
【0055】
式Iの化合物は、公知のように、反応混合物から単離し、精製することができる。酸付加塩は通常のように遊離塩基に変換し、これを所望の場合に公知のように調剤学的に認容性の酸付加塩に変換することができる。
【0056】
式Iの化合物は、1個のキラル炭素原子を含有する、つまり1,4−ジアゼパン−骨格の7位にR4及びR5により置換されたフェニル環を有する炭素原子を含有する。Bが1個以上の低級アルキルにより置換されたアルキレン鎖を表す場合、さらに1個のキラル中心を付け加えることができる。従って、式Iの化合物は複数の立体異性形で存在することができる。本発明は式Iの光学異性体の混合物でも、式Iの光学的に純粋な化合物でもある。
【0057】
式Iの化合物の合成の際に、式IIa、IV、VIII又はXの出発化合物の光学異性体の混合物を使用する場合、式Iの化合物も同様に光学異性体の混合物の形で得られる。立体化学的に単一の出発化合物から出発した場合、式Iの立体化学的に単一の化合物を得ることができる。光学異性体の混合物から、式Iの立体化学的に単一の化合物を公知のように得ることができ、例えば式Iのジアステレオマーをクロマトグラフィーによる分離法により又は分別結晶化法により分離することができ、式Iの鏡像体をキラル分離材料を用いるクロマトグラフィーによる分離により得ることができる。
【0058】
式II:
【0059】
【化33】
【0060】
[式中、R2、R3、R4、R5、A及びBは上記の意味を表し、R102は水素、低級アルキル又はアミノ保護基を表す]の化合物は新規の化合物であり、調剤学的に有効な化合物、例えば式Iの化合物の製造のために有用な中間生成物である。式IIの化合物は公知のように得ることができる。
【0061】
Aが−(CH2)n−基を表し、nは上記の意味を表す式IIaの化合物は、式Vのカルボン酸又はその反応性誘導体を、一般式XIIa:
【0062】
【化34】
【0063】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]の化合物と、例えば、式IIaのアミンの式IIIのカルボン酸を用いたアシル化について記載した方法により反応させることにより得ることができる。
【0064】
Aが−NH−(CH2)m−基を表し、mは上記の意味を表す式IIaの化合物は、式VIの化合物を、一般式XIIb:
【0065】
【化35】
【0066】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表し、R901はアミノ保護基を表す]の化合物と、式IVの化合物の式VIの化合物との反応について前記した方法により反応させ、保護基R901を引き続き再度分割することにより製造することができる。保護基R901として、有利に酸性環境中で、例えばp−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸又はガス状又は水に溶解した塩酸の添加により選択的に分解可能であり、還元性の、特に水素化分解の及びアルカリ性の条件に対して十分に安定性である基が適している。この基には、例えばトリフェニルメチル−(=トリチル)基並びに分枝した低級アルキルオキシカルボニル基、例えばt−ブチルオキシカルボニル基が挙げられる。有利に、t−ブチルオキシカルボニル基(以後BOC基として省略する)をアミノ保護基R901として使用することができる。
【0067】
式IIaの中間生成物は、式VIIIの化合物と式IXaのアミンとの反応について記載した方法により一般式XIII:
【0068】
【化36】
【0069】
[式中、R4、R5、A及びXは上記の意味を表し、R902はアミノ保護基を表す]の化合物と一般式IXb:
【0070】
【化37】
【0071】
[式中、R101、R2、R3及びBは上記の意味を表す]の化合物との反応及び引き続きアミノ保護基R902の分解により製造することもできる。保護基R902として、有利に接触水素化により分解可能なアミノ基が適している。このための水素化触媒として、例えば貴金属触媒、活性炭上のパラジウム又は活性炭上の水酸化パラジウムが適している。有利に、R902はベンジル基である。所望の場合に、R101がアミノ保護基を表す式IIaの化合物から、−NH−基の遊離のためにアミノ保護基を公知のように分割し、それにより、R1が水素を表す式IIの化合物を得ることができる。R101がアミノ保護基を表す式IXbの化合物は式IXaのアミンの保護された誘導体を表し、R1が水素を表す式IXaのアミンから保護基R101の公知の導入により製造することができる。式IXaのアミンは公知であり、公知の化合物から公知のように製造することができる。
【0072】
式IVの化合物は新規であり、調剤学的に有効な化合物、例えば式Iの化合物の製造のための有用な中間生成物である。式IVの化合物は公知の方法により製造することができる。
【0073】
式IVのジアゼパン誘導体は例えば一般式XIV:
【0074】
【化38】
【0075】
[式中、R4、R5、R6及びR7は前記の意味を表す]のジアゼパノン誘導体の公知の還元により得ることができる。ジアゼパン環骨格中に含まれるカルボニル基の還元は、式XIVの化合物にまず最初にアルキル化試薬、例えばトリ低級アルキルオキソニウム塩、例えばトリエチルオキソニウム−テトラフルオロボレートを添加し、この反応の際に生じる中間生成物を引き続き還元剤と反応させ、その際導入されたアルキル基を再度分割することにより選択的に実施することができる。還元剤としてアルカリ金属水素化ホウ素、例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用することができる。アルキル化剤との反応は、非プロトン性溶剤、例えば部分的にハロゲン化された低級炭化水素、例えばジクロロメタン、低級アルキルシアニド、例えばアセトニトリル、又はジ低級アルキルエーテル、例えばジオキサン、THF又はジエチルエーテル中で実施される。この反応温度は、有利に−20℃〜約60℃、有利に室温である。有利に、アルキル化試薬との反応により生じる中間生成物を、例えば本来の溶剤の少なくとも部分的な蒸発により単離し、これを引き続き極性のプロトン性溶剤中に、例えば低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノール中に新たに溶かすのが有利である。この還元工程の実施のために適した温度は、−20℃〜60℃であり、有利に室温で作業することができる。
【0076】
式VIIIの化合物は新規であり、調剤学的に有効な化合物、例えば式Iの化合物の製造のための有用な中間生成物である。式VIIIの化合物は、公知の方法により製造することができる。
【0077】
例えばAが−(CH2)n−基を表し、nは上記の意味を表す式VIIIの化合物は、式IVの化合物を、式XV:
【0078】
【化39】
【0079】
[式中、X及びnは上記の意味を表す]の公知のω−ハロゲンカルボン酸又はその反応性誘導体と、式IIIのカルボン酸と式IIaのアミンとの反応について前記した方法により反応させることにより製造することができる。
【0080】
Aは−NH−(CH2)m−基を表し、mは上記の意味を表す式VIIIの化合物は、式IVの化合物を、一般式XVI:
【0081】
【化40】
【0082】
[式中、X及びmは上記の意味を表す]のイソシアネートと、式VIのイソシアネートと式IVのアミンとの反応について前記した方法により反応させることにより製造することができる。式XVIのイソシアネートは公知であり、一般式XVII:
【0083】
【化41】
【0084】
[式中、X及びmは前記の意味を表す]の相応するアミンから公知の方法により製造することができる。例えば、式XVIIのアミンは、式VIIのアミンの式VIのイソシアネートへの反応について記載したように、式XVIのイソシアネートへ変換することができる。
【0085】
式Xの化合物は新規であり、調剤学的に有効な化合物、例えば式Iの化合物の製造のための有用な中間生成物である。式Xの化合物は、公知の方法により製造することができる。
【0086】
Aは−(CH2)n−基を表し、nは上記の意味を表す式Xの化合物は、式IVのアミンを一般式XVIIIa
【0087】
【化42】
【0088】
[式中、nは上記の意味を表し、R103はR109について記載した意味を表す]のカルボン酸と、式IIaのアミンと式IIIのカルボン酸との反応について記載した方法により反応させ、保護基R103を引き続き公知のように分割することにより製造することができる。式XVIIIaの酸は、アミノ保護されたω−アミノカルボン酸であり、これは未保護の形で公知であり、公知の方法により製造することができる。
【0089】
Aは−(CH2)n−基を表し、nは上記の意味を表す式Xの化合物は、式IIIの化合物を式XIX:
【0090】
【化43】
【0091】
[式中、R103、R2、R3及びnは上記の意味を表す]の化合物と反応させ、引き続き保護基R103を公知のように再度分割することにより製造することもできる。この反応は、アミド形成のための公知の方法により実施することができ、例えば式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について前記した方法により実施することができる。
【0092】
Aは−NH−(CH2)m−基を表し、mは上記の意味を表す式Xの化合物は、式IVのアミンを一般式XX:
【0093】
【化44】
【0094】
[式中、mは上記の意味を表し、R104はR901又はR902に記載した意味を表す]のイソシアネートと反応させることにより、式IVのアミンと式VIのイソシアネートとの反応について前記した方法により反応させ、引き続き保護基R104を公知のように再度分割することにより製造することができる。式XXのイソシアネートは、式VIIのアミンからの式VIのイソシアネートの製造について前記した方法により、一般式XXI:
【0095】
【化45】
【0096】
[式中、R104及びmは上記の意味を表す]のアミンから製造することができる。式XXIの化合物は、1箇所アミノ保護された1−ω−ジアミノアルカンであり、これは未保護の形で一般に公知であり、公知の方法により未保護の前駆化合物から製造することができる。例えば式XXIの1箇所アミノ保護されたアミンは相応する未保護のジアミノアルカンから、1モル当量のジアミンを1モル当量の保護基を導入するために必要な試薬との反応により得ることができる。
【0097】
式IIaの化合物の製造のために使用された式Vのカルボン酸は、例えばアミンの還元性アルキル化のために公知の方法で、一般式XVIIIb:
【0098】
【化46】
【0099】
[式中、R1及びnは上記の意味を表す]のω−アミノカルボン酸から、一般式XIaのアルデヒドとの反応及び、R1が水素を表す場合にアミノ保護基R101の引き続く導入により製造することができる。還元性アルキル化は例えばアルカリ性水溶液中で、例えば1規定の苛性ソーダ水中で実施することができる。溶剤、例えば水溶性有機溶剤、例えば低級アルカノール、例えばメタノールの添加は、この場合有利である。この反応にとって適当な温度は、−10℃〜60℃、有利に5℃〜室温である。還元剤として、複合水素化物、例えばアルカリ金属水素化ホウ素、有利に水素化ホウ素ナトリウム又は水素化シアノホウ素ナトリウムが適している。同様に、還元性アルキル化は水素化分解条件下で実施することができる。この水素化分解は、式Iの化合物から水素化分解によるアミノ保護基R101の分割について前記した条件下で実施することができる。式XVIIIbの化合物は公知であり、公知の化合物から公知の方法により製造することができる。
【0100】
式VIのイソシアネートの製造のために適した式VIIのアミンは、一般式XXII:
【0101】
【化47】
【0102】
[式中、R101、R2、R3、B及びmは上記の意味を表し、R1001はR901について記載した意味を表す]の1−N−アミノ保護された化合物から、式XXIIの化合物から公知のようにアミノ保護基R1001を選択的に、保護基R101を攻撃しない条件下で分割することにより得ることができる。例えば保護基R1001は酸性条件下で分解することができる。
【0103】
式XXIIの化合物は、一般式XXIII:
【0104】
【化48】
【0105】
[R1、R2、R3、R1001、B及びmは上記の意味を表す]のアミドを還元し、引き続きR1が水素を表す化合物にアミノ保護基R101を導入することにより得ることができる。この還元は還元剤として複合アルカリ金属水素化物、水素化アルミニウムリチウムを用いて実施することができる。溶剤として反応条件下で不活性の有機溶剤、例えば低級脂肪族エーテル、例えばジオキサン、THF又はジエチルエーテルが適している。適当な温度範囲は、−20℃から反応混合物の沸点の間にある。有利にこの還元は室温で実施される。
【0106】
式XXIIIのアミドは、一般式XXIV:
【0107】
【化49】
【0108】
[式中、R1001及びmは上記の意味を表す]のアミノ保護されたω−アミノカルボン酸を式IXaのアミンと、アミド形成のために通常の方法により製造することができる。例えばこのアミド形成は、式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について前記した方法により実施することができる。式XXIVの酸は、アミノ保護されたω−アミノカルボン酸であり、これは未保護の形で一般に公知であり、未保護の前駆体化合物から公知の方法により製造することができる。
【0109】
mは3の数を表す式VIIのアミンは、特に、一般式XXV:
【0110】
【化50】
【0111】
[式中、R101、R2、R3及びBは上記の意味を表す]のシアニドを公知のように還元することにより製造することもできる。この還元は接触水素化により行われ、この場合、金属水素化触媒、ラネーニッケルが触媒として適している。適当な溶剤は、反応条件下で不活性の極性有機溶剤、例えば低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノールである。通常、この反応は室温で及び1〜3bar、有利に2barの圧力で実施される。副反応を避けるために、この反応溶液は触媒の添加の前に、十分な量の濃アンモニア水溶液を添加することができる。
【0112】
式XXVのシアニドは、式XXVI:
【0113】
【化51】
【0114】
のアクリルニトリルを式IXbのアミンと反応させることにより製造することができる。この反応は、マイケル付加の実施のために適した公知の条件下で実施することができる。溶剤として反応条件下で不活性の極性の非プロトン性溶剤、例えばDMF、DMSO又はジクロロメタンを使用することができる。通常、この反応は−20℃〜60℃の間の温度で、有利に室温で実施される。この反応を促進するために、反応混合物に適当な触媒を添加するのが有利である。触媒として、強塩基、例えば第4級アルキル−又はフェニル低級アルキルアンモニウムヒドロキシド、例えばベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが適している。
【0115】
式XIIaのジアゼパンは、公知のように、例えば一般式XXVIIa:
【0116】
【化52】
【0117】
[R4及びR5は上記の意味を表す]のジアゼパノンの還元により得ることができる。この還元は式XXIIIのアミドの還元について前記した方法により実施することができる。
【0118】
式XXVIIaの化合物は、C. H. Hofmann, S. R. Safir, Journal of Organic Chemistry 27 (1962), 3565 - 3568頁から部分的に公知であり、前記の文献に記載された方法又はこれに類似の方法により得ることができる。例えば、式XXVIIaのジアゼパノンは、一般式XXVIII:
【0119】
【化53】
【0120】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]のジアゼピノンの接触水素化により製造することができる。
【0121】
式XXVIIaの得られたジアゼパノンはフェニル基を有する炭素原子にキラル中心を有している。通常、式XXVIIaのジアゼパノンは製造の際にラセミ体として得られる。式XXVIIaの化合物のラセミ混合物は公知のようにその光学異性体の形で分離することができ、例えば適当な光学活性酸、例えばショウノウ−10−スルホン酸と反応させ及び引き続き得られたジアステレオマーの塩の分別結晶化によりその光学活性対掌体の形で分離することができる。
【0122】
式XXVIIIの化合物は、公知のように、例えばエチレンジアミンを一般式XXIX:
【0123】
【化54】
【0124】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]のエチルベンゾイルアセテートと縮合させることにより製造することができる。
【0125】
式XIIbの化合物は一般式XXVIIb:
【0126】
【化55】
【0127】
[式中、R4、R5及びR901は上記の意味を表す]のジアゼパノン化合物から公知のように還元により得ることができる。この還元は例えば式XXIIIのアミドの還元について前記した方法により実施することができる。式XXVIIbの化合物は、式XXVIIaの化合物中に適当な保護基を導入することにより得ることができる。
【0128】
式IIaの中間生成物の合成において使用された式XIIIの化合物(式中、Aは−(CH2)n−基を表し、nは上記の意味を表す)は、一般式XIIc:
【0129】
【化56】
【0130】
[式中、R4、R5及びR902は上記の意味を表す]の化合物を、式XVのカルボン酸と、アミノアシル化のための通常の条件下で反応させることにより製造することができる。特に、このアミド形成は式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について記載した方法により実施することができる。
【0131】
Aは−NH−(CH2)m−基を表し、mは上記の意味を表す式XIIIの化合物は、式XIIcのアミンを式XVIのイソシアネートと反応させることにより製造することができる。この反応は、式IVのアミンと式VIのイソシアネートとの反応について前記された方法により実施することができる。
【0132】
式XIIcの1箇所アミノ保護されたジアゼパン誘導体は、公知のように、一般式XXVIIc:
【0133】
【化57】
【0134】
[式中、R4、R5及びR902は上記の意味を表す]の1箇所アミノ保護されたジアゼパノンから還元により得ることができる。この還元は式XXIIIのアミドの還元について上記された方法と同様に行うことができる。式XXVIIcのアミノ保護されたジアゼパノンは、式XXVIIaのジアゼパノンから適当なアミノ保護基の公知の導入により得ることができる。
【0135】
式XIIcの1箇所アミノ保護されたジアゼパンは、一般式XIId:
【0136】
【化58】
【0137】
[式中、R4、R5及びR902は上記の意味を表し、R1101はR902について記載した意味を表す]の2箇所アミノ保護されたジアゼパンから1個だけのアミノ保護基を選択的に除去することにより得ることができる。例えばR902及びR1102の両方がベンジル基を表す場合、式XIIdの化合物をクロロギ酸誘導体、例えばクロロギ酸−1−クロロエチルエステルと、反応条件下で不活性の極性の非プロトン性溶剤、例えば部分的にハロゲン化された低級アルカン、例えばジクロロメタン、ジ低級アルキルエーテル、例えばTHF、ジオキサン又はジエチルエーテル又は他の非プロトン性溶剤、例えばDMF又はDMSO中で反応させ、得られた中間生成物を引き続き適当な試薬の添加により所望の生成物に分割することにより、ベンジル基R1101だけを選択的に分割することができる。クロロギ酸−1−クロロエチルエステルを使用する場合、低級アルカノール、例えばメタノールが生成物に分割するための試薬として適している。有利に、反応の開始時、反応体の混合の間に、低い温度、例えば−20℃〜10℃、有利に−5℃〜5℃の間の温度が選択され、生成物の分離のために適した試薬、例えばメタノールを添加し、引き続き反応を完了するために温度を30℃〜70℃に、有利に40℃〜50℃に高める。有利に試薬の添加の前に、反応混合物の容量は公知のようにほぼ3分の1に減少させることができる。
【0138】
式XIIdの2箇所アミノ置換されたジアゼパンは、例えば、一般式XXX:
【0139】
【化59】
【0140】
[式中、R4、R5、R902及びR1102は上記の意味を表す]のジアミンを、式XXXI:
【0141】
【化60】
【0142】
のグリオキサールと、一般にアミンの還元アルキル化のために通常の条件下で縮合させることにより製造することができる。還元剤として、例えば複合アルカリ金属水素化ホウ素、例えば水素化シアノホウ素ナトリウムが適している。適当な溶剤は極性有機溶剤、例えば低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノールである。通常、この反応は−20℃〜約60℃の温度で、有利に室温で実施することができる。
【0143】
R902はベンジル基を表す式XXXのジアミンは、一般的な通常の方法で、例えば複合アルカリ金属水素化物を用いた還元により、一般式XXXII:
【0144】
【化61】
【0145】
[式中、R4、R5及びR1101は上記の意味を表す]の化合物から製造される。この還元は例えば式XXIIIのアミドの還元について上記の方法により行うことができる。アミノ保護基R902及び/又はR1101はベンジル基とは異なる意味を表す式XXXの2箇所アミノ保護された化合物は、例えば式XXXの化合物の適当な前駆化合物中へ所望の保護基を導入することにより得られる。
【0146】
式XXXの化合物は1個のキラル炭素原子を含有し、2個の異なる鏡像体の形で存在する。純粋な出発化合物、例えば式XXXIIIの化合物から出発する場合、式XXXの化合物の純粋な異性体が生じる。
【0147】
式XXXIIの化合物は、式XXXIII:
【0148】
【化62】
【0149】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]のアミノ−アシル化された3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸から、一般式XXXIV:
【0150】
【化63】
【0151】
[式中、R1101は上記の意味を表す]のアミンと反応させることにより製造することができる。この反応は、一般にアミド形成のための常用の条件により、例えば式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について記載した方法により実施することができる。
【0152】
式XXXIIIの化合物は、一般式XXXV:
【0153】
【化64】
【0154】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]で示される3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸のアミノ基の公知のベンゾイル化により製造することができる。R902がベンジル基とは異なるアミノ保護基である式XXXの化合物が所望である場合、この他のアミノ保護基又は複合アルカリ金属水素化物を用いた還元により相応するアミノ保護基に変換することができる誘導体は、有利にすでに式XXXVのアミンに変換することができる。
【0155】
式XXXIIIの化合物は、1個のキラル炭素原子を含有し、2つの異なる鏡像体の形で存在することができる。式XXXIIIの化合物の製造の際に式XXXVの化合物のラセミ混合物を使用する場合、式XXXIIIの化合物のラセミ混合物も生じる。式XXXの化合物の純粋な鏡像体を製造するために、有利に式XXXIIIの純粋な鏡像体から出発することができる。式XXXIIIの化合物の純粋な鏡像体は、そのラセミ混合物の公知の分離により得ることもできる。この分離は、キラル分離材料でのクロマトグラフィーによる分離によるか、又は適当な光学活性塩基、例えばα−メチルベンジルアミンと反応させ、引き続き所望のジアステレオマーの塩の分別結晶化による光学活性対掌体への分離により行うことができる。
【0156】
式XXXVの化合物は、一般式XXXVI:
【0157】
【化65】
【0158】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]の芳香族アルデヒドを、式XXXVII:
【0159】
【化66】
【0160】
のマロン酸又はその低級アルキルエステル及びアンモニウム塩、例えば酢酸アンモニウムを用いる公知の縮合により製造することができる。この反応は極性プロトン性有機溶剤、例えば低級アルカノール、例えばメタノール又はエタノール中で、室温から反応混合物の沸点までの温度で、有利に70℃〜90度の温度で実施することができる。
【0161】
式XXXVの化合物は、一般式XXXVIII:
【0162】
【化67】
【0163】
[式中、R4及びR5は上記の意味を表す]のα−アミノ酸から、メチレン基だけカルボン酸を鎖長延長するために公知の方法で製造することもできる。このメチレン単位の延長は、例えば式XXXVIIIのカルボキシル基を、例えば複合金属水素化物、例えば水素化アルミニウムリチウムを用いて還元することによりメチレンヒドロキシ基に変換し、得られたヒドロキシル基を公知のように良好な脱離基、例えばスルホン酸エステル、例えばトリフルオロメチルスルホ酸エステルに変換することにより行うことができる。この脱離基は引き続きアルカリ金属シアニド、例えばシアン化ナトリウムを用いてシアノ基により置換され、これは式XXXVのアミノプロピオン酸を得るためにこのために通常の条件下でカルボキシル基に加水分解することができる。式XXXVIIIの光学活性アミノ酸から出発する場合、式XXXVの光学活性アミノ酸も得ることができる。
【0164】
式IVの化合物の製造のために使用される式XIVの出発化合物は、式IIIの化合物を式XXVIIaの化合物との反応により、式IIaの化合物と式IIIの化合物との反応について前記した方法により製造することができる。
【0165】
式XIXの化合物は、アミノアシル化について一般に公知の条件下で、例えば式IIaの化合物俊樹さんの化合物との反応について前記した方法により、式XIIcの1箇所アミノ保護されたジアゼパンを式XVIIIaのカルボン酸とを反応させ、引き続き公知のようにアミノ保護基R902の選択的分離により得ることができる。
【0166】
式XXVIIa、XXXIII、XXXV、XXXVIIIのキラル化合物の前記の反応により、又は1個以上の低級アルキル基により置換されたキラルのアルキレン鎖B又はB1を含有する化合物の前記の反応により、それぞれのその中に含まれるキラル中心は変化しない。従って、式XXVIIa、XXXIII、XXXV、XXXVIIIの光学的に純粋な化合物から及び低級アルキルにより置換されたアルキレン鎖B又はB1を含有する化合物から、光学的に純粋な継続化合物、特に光学的に純粋な式Iの化合物が生じる。
【0167】
一般式Iの化合物及びその調剤学的に認容性の塩は、重要な薬理学的特性を有し及びノイロキニンレセプター、つまりNK−1−レセプターに対する高い親和性により優れている。
【0168】
そのノイロキニンレセプター拮抗特性に基づき、この物質はノイロキニンにより誘導される疾患状態の治療のために適している。例えば、この物質は、痛みの伝達、嘔吐、神経性炎症及び喘息による苦痛の場合のNK−1−レセプターに結合するノイロキニンにより誘導される事象を阻止するために適している。この場合、この物質は、胃腸管中の機能障害及び炎症障害並びに吐き気の治療のために有利な作用特性を示す。本発明による化合物により治療可能な機能障害には、特にいわゆるirritable bowel syndrome(=IBS)又は過敏性腸症候群として公知の下方の腸管路の障害が該当する。IBSの基本的な症状は、内臓の求心性神経系の過敏症に起因していると考えられる下腹部の痛み、及び便通の異常、特に結腸内の便の異常に早い通過である。腸管での機械的又は化学的刺激に対する高められた内臓の痛みの感受性により、IBS患者は、すでに生理的な消化に起因する結腸の僅かな拡張の際に、例えば健常者は殆ど認知しない僅かなガス形成及び軽度な鼓腸の際にすでに強い内臓痛を受ける。胃腸管領域における痛みの伝達に関しては、NK−1−に結合するノイロキニンが神経伝達物質として深く関与している。本発明によるノイロキニン拮抗性物質は、内臓痛及び結腸中の便の通過障害及び吐き気に対して優れた作用成分を有する有利な作用特性を有する。本発明による化合物により有利に影響を及ぼすことができる腸管内の炎症に起因する障害には、一般にIBD(=炎症性腸疾患)の概念の下でまとめられる、小腸及び大腸領域での炎症障害、特に潰瘍性大腸炎及びクローン病が属する。この化合物の作用特性は、胃腸作用及び制吐作用の高い選択性により優れており、かつ腸管内作用対心臓血管のカルシウム拮抗性副作用の有利な割合を有する良好な認容性並びに良好な経口有効性により優れている。
【0169】
【実施例】
薬理学的試験方法の記載
1. NK−1−レセプターへの試験物質の結合能力の測定
ヒトNK−1−レセプターに対する試験物質の親和性をインビトロで測定する。ノイロキニン−1−レセプターへの生理的ノイロキニン−P物質の結合の阻害を測定する。
【0170】
レセプター結合試験は、リガンドとして[3H]−P物質を用いて実施する。この結合試験のために、ヒトNK−1−レセプターを発現するCHO細胞(=チャイニーズハムスターの卵母細胞、chinese hamster oocytes)の膜試料の多様なサンプルを標識した配位子の溶液と一緒にインキュベートし、その際、このインキュベーションバッチは、試験物質を含有しないか又は多様な濃度の試験物質の添加物を含有する。引き続き、このサンプル中に結合したリガンド及び遊離したリガンドをそれぞれガラスファイバー濾過器を用いて分離する。この濾過器中に残留するフラクションを、緩衝溶液で数回洗浄し、引き続き濾過忌中に残留したフラクションの放射能をベータシンチレーションカウンターを用いて測定する。各試験物質のIC50として、結合するリガンドの最大値の半分を排除する濃度を測定する。この濃度から試験物質の相応する阻害定数(Ki値)を計算する。
【0171】
次の表1は、ヒトNK−1−レセプターに対する試験物質の親和性について、前記した方法により得られたKi値を記載する。
【0172】
式Iの化合物に対して記載した例番号は、次の製造例に関連する。
【0173】
【表1】
【0174】
2. ラットの結腸を通過する便通に関する化合物の作用の試験
大腸を通過する便の輸送に関する試験物質の作用を、餌を与えた後のラットに関して試験した。便の排泄を引き起こす結腸運動についての尺度として、餌を与えた後で排泄の開始時及び結腸中での硫酸バリウムの平均滞留時間を測定した。
【0175】
試験物質の経口投与後に、動物を80%硫酸バリウム懸濁液2mlを盲腸での人工的な出口を介して適用した。この動物は物質交換ケージ中で試験され、大便を1時間の間隔で24時間にわたり採取した。大便中の硫酸バリウムの含有量はラジオグラフィーにより測定し、硫酸バリウムの排泄の開始時から平均滞留時間を測定した。次の表2から、この試験において例1の試験物質の多様な投与量を用いて達成された排泄の開始の遅延及び硫酸バリウムの平均滞留時間の延長が見られる。排泄の開始までの時間及び平均滞留時間は、試験物質なしの対照試験において得られた値(=100%)に対する%値で記載した。
【0176】
【表2】
【0177】
この試験結果は、排便を引き起こす結腸の活性を弱めることができることを示す。
【0178】
3. ラットに関する内臓痛覚についてのこの化合物の作用の試験
内臓痛は、特に腹筋の収縮により生じる内臓の反応を引き起こす。従って、大腸の拡張により生じる機械的痛みの刺激により引き起こされる腹筋の収縮の数が、内臓痛覚の決定のための尺度である。
【0179】
拡張により誘導される腹部収縮に関する試験物質の阻害作用を、ラットに関して試験した。希酢酸(0.6%、1.5ml)の点滴による大腸の感作の後の1時間に、ラテックスバルーンを挿入し、10分間で100mbarで膨らませた。この時間の間に腹筋の収縮を数えた。試験物質の皮下投与の20分後に、この測定を繰り返した。試験物質の作用は、対照に対する比較として数えられた収縮の減少率として算出された。例1の試験物質の多様な投与量を用いて達成された腹筋収縮数の減少は、次の表3に、物質投与前に測定した対照値(=100%)に対する%値として記載した。
【0180】
【表3】
【0181】
試験物質により達成された、拡張刺激により誘導された腹筋収縮数の減少は、内臓痛覚に対する試験物質の作用についての明らかな指標である。
【0182】
前記の薬理学的試験結果は、式Iの化合物が求心性神経の刺激により引き起こされる結腸運動の障害を阻害することができ、従ってIBSの治療のために適していることを示している。使用すべき投与量は個々に異なることができ、当然、治療すべき状態及び使用する物質の種類に応じて変えられる。一般に、ヒト及び大型の哺乳動物への適用のためには、1回量あたり0.1〜80mg、特に1〜10mgの作用物質含有量を含有する医薬形が適している。
【0183】
この化合物は本発明により常用の調剤学的助剤及び/又は担持剤と一緒に、固体の又は液体の調剤学的調製剤中に含有させることができる。固体の調製剤の例として、経口投与可能な調製剤、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、粉末剤又は顆粒剤が挙げられ、又は坐剤もが挙げられる。この調製剤は、調剤学的に常用の、無機及び/又は有機の担持剤、例えばタルク、乳糖又はデンプンを、調剤学的に常用の助剤、例えば滑剤又は錠剤崩壊剤の他に含有することができる。液体の調製剤、例えば作用物質の懸濁液、エマルションは、常用の希釈剤、例えば水、油及び/又は懸濁剤、例えばポリエチレングリコール等を含有することができる。付加的に、他の助剤、例えば保存剤、矯味剤等を添加することもできる。
【0184】
この作用物質は、調剤学的助剤及び/又は担持剤と一緒に、公知の方法で混合し、調製される。固体の調製剤の製造のために、作用物質を例えば助剤及び/又は担持剤と一緒に通常の方法でで混合し、湿式又は乾式で造粒することができる。この顆粒又は粉末を直接カプセル中に充填するか、又は通常の方法で錠剤核にプレス成形することができる。これを所望の場合に公知の方法で被覆することができる。
【0185】
引き続き記載した実施例は、本発明をさらに詳説するが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0186】
新規の化合物の構造は、部分的に分光分析による調査により、特に質量スペクトル又はIRスペクトルの分析により、場合により光学的旋光度の測定により保証される。
【0187】
例1:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[3−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) メタノール300ml中の4−アミノ酪酸10.3gに、2−メトキシベンズアルデヒド13.5g及びトリエチルアミン3.5mlを添加し、ラネーニッケル10gの存在で2barで水素化した。反応が完了した後、37%のホルムアルデヒド水溶液12.6ml及びトリエチルアミン11.4mlを添加した。さらにラネーニッケル5gを添加した後、新たに水素吸収が完了するまで水素化した。引き続き、この混合物から触媒を濾別し、真空中で濃縮した。粗製生成物として得られた[N−メチル−N−(2−メトキシベンジル)]−4−アミノ酪酸−トリエチルアミン塩を、さらに精製することなしに、次の合成工程のために使用した。
【0188】
B) ピリジン200ml中のベンゾイル酢酸エチルエステル96gにエチレンジアミン30gを添加し、5時間煮沸還流させた。引き続きピリジンを留去し、残留物を1時間に180℃に加熱した。冷却後にジクロロメタン500mlを添加し、この反応混合物を溶液になるまで40℃に加熱した。アセトンを用いて沈殿させることで、7−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−ジアゼピン−5−オン21.7gが得られた。Fp=209〜214℃
C) メタノール300ml中の前記の得られたジアゼピノン70gに、エタノール100ml中に懸濁させた活性炭上の10%のパラジウム触媒8.0gを添加し、次いで5barで振盪装置中で水素化した。水素吸収が完了した後、触媒を濾別し、濾液を真空中で濃縮乾固した。残留物をエーテル中に収容し、白濁するまでn−ヘキサンを添加し、冷蔵庫中で一晩中放置した。生じた結晶を濾別し、晶出を完全にするために真空中で母液を濃縮し、n−ヘキサンを添加した。合わせた固形物フラクションをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥させると、ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン70.3gが得られた。Fp=85〜86℃。
【0189】
D) LiAlH4 2.0gを、窒素雰囲気中でTHF中に懸濁させ、次いで10℃でヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン5.0gを添加した。引き続き、この混合物を8時間室温で攪拌した。次いで、窒素雰囲気下で水5ml、水5ml中に溶かしたNaOH2.2g、及び再度水3mlを順番に滴下することにより添加し、この混合物を15分間室温で攪拌した。生じた塩を濾別した後、濾液を真空中で濃縮乾固した。7−フェニル−1,4−ジアゼパン4.9gが得られ、これをさらに精製することなしの反応させた。
【0190】
E) 前記A)で得られた粗製のトリエチルアミン塩4.8gのジクロロメタン50ml中の溶液に、DMF50ml中のヒドロキシベンゾトリアゾール2.2g、ジイソプロピルカルボジイミド2.7g及びジクロロメタン20ml中の前記D)で得られたジアゼパン2.49gを添加し、一晩中室温で攪拌した。溶剤を真空中で留去し、残留物をジクロロメタン100ml中に収容した。10%の酒石酸水溶液50mlを添加した後に振盪し、有機相を廃棄した。水相をNaOHでアルカリ性にし、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。4−{[[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]−アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン5.8gが粗製生成物として得られ、これをさらに精製せずに反応させた。
【0191】
F) 上記のように得られたジアゼパン5.8gをジクロロメタン50ml中に溶かし、0℃でトリエチルアミン3.0g及び3,5−ビス−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド4.06gを連続して添加し、8時間室温で攪拌した。この溶液をそれぞれ10%の酒石酸水溶液で1回、引き続き10%の苛性ソーダ水で1回振出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。引き続き、粗製生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により精製した。目的化合物4.5gが得られ、これはメタノール性のHCl溶液を用いてヒドロクロリドの形に変換した。
収量:4.08g;IR:3030,2940,1635cm-1(KBr);M+:635。
【0192】
例2:
(−)−1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[3−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン(製造は例1C参照)178.2gをメタノール400ml及びイソプロパノール200ml中に溶かし、(1S)−(+)−ショウノウ−10−スルホン酸108.7gのイソプロパノール800ml中の溶液を60℃で添加し、この混合物を晶出のために一晩中室温で放置した。上澄み溶液をデカントし、結晶をイソプロパノール100mlでそれぞれ2回洗浄した。再結晶のためにこの結晶を60℃でメタノール500ml中に溶かし、引き続きイソプロパノール600mlを添加した。一晩中放置した後に母液をデカントした。この再結晶を合計で7回繰り返し、5回目の再結晶から溶剤量をメタノール300ml及びイソプロパノール500mlにそれぞれ減じた。光学旋光度[α]D 20=+48.1゜(メタノール中c=1.0)出発化合物のショウノウスルホネート26.2gが得られた。このショウノウスルホネートを水300ml中に溶かし、10%の苛性ソーダ液でpH10に調節した。食塩約50mlの添加の後に、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。(+)−ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン9.8gが得られた。[α]D 20=+13.1゜(MeOH中c=1.0)。
【0193】
B) 前記の得られた(+)−ジアゼピノン9.0gをLiAlH4 3.6gを用いて例1D)に記載したと同様の方法で反応させた。7−フェニル−1,4−ジアゼパン8.7gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。少量のジアゼパンを光学旋光度の測定のためにトルエン中のHClの溶液を用いて処理することによりヒドロクロリドに変換した。[α]D 20=−46.7゜(MeOH中c=1.0)。
【0194】
C) 前記の得られたジアゼパン8.7gを[N−メチル−N−(2−メトキシベンジル)]−4−アミノ酪酸−トリエチルアミン塩(製造は例1A参照)16.8gと、例1E)に記載した方法により反応させた。4−{[[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]−アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパンの鏡像体20.8gが粗製生成物として得られ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0195】
D) 上記の得られた鏡像体のジアゼパン20.8gを例1F)中に記載した方法により、3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロリド14.6gと反応させた。光学旋光度[α]D 20=−33.7゜(MeOH中c=1.0)を有する目的化合物9.9gが得られた。トルエン中のHClの添加により、目的化合物の結晶性のヒドロクロリドが得られた。Fp=96〜101℃、[α]D 20=−36.5゜(MeOH中c=1.0)。
【0196】
例3:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[[N−(2−フェニルエチル)−N−メチル]アミノ]アセチル}−7−(2−フルオロフェニル)−1,4−ジアゼパン
A) エタノール250ml中の2−フルオロベンズアルデヒド30.0gにマロン酸25.2g及び酢酸アンモニウム37.3gを添加し、8時間に還流下で加熱沸騰させた。この混合物を冷却した後、結晶を濾別し、新たにエタノールで及び引き続きエタノールと水との混合物(75:25v/v)で洗浄し、65℃で真空中で乾燥した。DL−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−アミノプロピオン酸16.5gが得られた。Fp=229〜231℃。
【0197】
B) 上記の得られたプロピオン酸10.0gをTHF200ml及び水50mlからなる混合物中に溶かし、氷冷下でTHF30ml中の塩化ベンゾイル7.7g及び及び10%の苛性ソーダ液を滴加しpH値を約10に保持した。添加の完了後に、約15分間室温で攪拌した。引き続き、溶剤を真空中で留去し、残留した水相を希塩酸でpH1にした。生じた結晶を濾別し、アセトンで洗浄し、真空中で乾燥した。N−ベンゾイル−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−プロピオン酸15.4gが得られた。Fp=202〜205℃。
【0198】
C) 上記の得られたベンゾイル化したプロピオン酸10.0gをジクロロメタン100ml中に溶かし、トリエチルアミン5.8mlを添加し、次いで−10℃に冷却した。引き続き、クロロギ酸エチルエステル3.32mlを滴加し、この反応混合物を30分間−10℃で攪拌した。次いで、ベンジルアミン3.81mlを滴加し、この溶液を1時間室温で攪拌した。この溶剤を真空中で除去し、残留物を酢酸エチルエステル及び水中に収容し、振出した。有機相を真空中で濃縮し、引き続きこの混合物を晶出のために放置した。生じた結晶をアセトンで洗浄し、真空中で乾燥した。N−ベンゾイル−3−アミノ−3−(2−フルオロフェニル)−プロピオン酸−ベンジルアミド10.6gが得られた。Fp=223〜226℃。
【0199】
D) LiAlH4 5.0gをトルエン及びTHFからの混合物(70:30v/v)中に懸濁させ、保護ガス雰囲気下で少しずつ前記の得られたベンジルアミド10.5gを添加した。引き続きこの混合物を8時間煮沸還流させ、0℃に冷却し、窒素下でTHF20ml、水10ml及び10%の苛性ソーダ液50mlを連続して滴加した。このバッチを濾過し、分離した塩をエタノールで洗浄し、合わせた液相を真空中で蒸発乾固した。残留物を少量のジクロロメタンに収容し、ジクロロメタンを用いてケイ酸マグネシウム(クロマトグラフィーのための)を介して濾過した。油状物として得られた生成物を、塩形成のためにジクロロメタン50ml中に溶かし、過剰量のイソプロパノール中に溶かした塩酸を添加し、ジエチルエーテルの添加により晶出させた。結晶を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄した。1−(2−フルオロフェニル)−1,3−(N,N′−ジベンジル)−ジアミノプロパン8.96gがジヒドロクロリドとして得られた。Fp=195〜198℃。
【0200】
E) メタノール70ml中の上記の得られたジヒドロクロリド8.96gを10℃で40%のグリオキサール水溶液3.09g及び引き続きシアノホウ水素化ナトリウム4.68gを少しずつ添加し、混合物を18時間室温で攪拌した。引き続きこの混合物を真空中で蒸発させ、残留物をジクロロメタン及びエタノール(90:10v/v)に収容し、新たに展開剤としてこの溶剤混合物中でシリカゲルを介して、引き続き展開剤としてジクロロメタン/N−ヘキサン中で酸化アルミニウムを介して精製した。7−(2−フルオロフェニル)−(N,N′−ジベンジル)−1,4−ジアゼパン3.91gが得られた。これをエーテル/n−ヘキサンから再結晶させた。Fp=82〜83℃。
【0201】
F) 1,2−ジクロロエタン50ml中の上記の得られたジアゼパン10.0gに、0℃でクロロギ酸−1−クロロエチルエーテル4.03gを滴加し、引き続き2時間煮沸還流させた。この混合物を真空中で約1/3の容量に濃縮し、メタノール30mlを添加し、新たに3時間還流下で加熱沸騰させた。次いで、この混合物を真空中で蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン10ml中に収容し、シリカゲルを介してクロマトグラフィーにかけた(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)。1−ベンジル−7−(2−フルオロフェニル)−1,4−ジアゼパン5.89gが得られ、これをさらに精製することなしに、次の合成工程のために使用した。
【0202】
G) ジクロロメタン20ml中の上記の得られたものベンジルジアゼパン3.10gに、0℃でジイソプロピルエチルアミン2.3ml及びクロロアセチルクロリド0.87mlを順番に添加し、3時間攪拌した。次いで、この溶液をシリカゲルを介してクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール 98:2)にかけた。溶剤を蒸発した後、1−ベンジル−4−クロロアセチル−7−(2−フルオロフェニル−1,4)−ジアゼパン2.44gが油状物として得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに、次の合成工程のために使用した。
【0203】
H) メタノール20ml中の上記の得られた4−クロロアセチル−1,4−ジアゼパン1.43gに、ジイソプロピルエチルアミン0.85ml及びN−メチルフェニルエチルアミン0.54gを添加し、引き続き5時間還流下で沸騰加熱した。次いでこの混合物を真空中で蒸発させ、残留物をジクロロメタン5ml中に収容し、シリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)。引き続き、単離した粗製生成物をジエチルエーテル20ml中に溶かし、過剰量のメタノール性の塩酸の溶液を添加した。この混合物を濃縮し、残留物を少量のジクロロメタン中に収容した。イソプロパノール及びジエチルエーテルからなる混合物中の塩酸の溶液の数滴を添加した後、1−ベンジル−4−{[[N−フェニルエチル−N−メチル]アミノ]アセチル}−7−(2−フルオロフェニル)−1,4−ジアゼパンがヒドロクロリドとして晶出した。結晶0.26gが得られた。Fp=141〜143℃。
【0204】
I) エタノール20ml中の上記の得られたジアゼパン化合物0.95gに2規定の塩酸2ml及び活性炭上の5%のパラジウム触媒0.3gを添加し、5時間室温で水素化した。次いで、触媒を濾別し、この溶液を真空中で蒸発させた。引き続き、10%苛性ソーダ液2ml及びジクロロメタン30mlを添加し、この混合物を振出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で約10mlに濃縮し、シリカゲルを用いてクロマトグラフィーにかけた(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)。4−{[[N−フェニルエチル−N−メチル]アミノ]アセチル}−7−(2−フルオロフェニル)−1,4−ジアゼパン0.52gが油状物として得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに、次の合成工程のために使用した。
【0205】
J) 上記の得られた油状物の脱ベンジルしたジアゼパン化合物0.52gを、例1F)に記載した方法で、ジイソプロピルエチルアミン0.75g及び3,5−ビス−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド0.39gと反応させた。油状物の生成物0.82gが得られ、これをジエチルエーテル50ml中に収容し、THF5ml中のマレイン酸0.16gの溶液を添加した。生じた混合物を約10mlに濃縮し、晶出のために冷蔵庫に入れた。目的化合物0.7gがマレイナートとして得られた。Fp=156〜158℃。
【0206】
例4:
1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−4−{[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]アセチル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) アセトニトリル30ml中のヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン(製造は例1C参照)1.9gを、炭酸カリウム2.0g及び塩化ベンジル1.2gと一緒に、還流下で36時間加熱沸騰させた。引き続き濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、10%のクエン酸水溶液を用いて振出し、有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製の1−ベンジル−ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン2.32gが油状物として得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに、次の合成工程のために使用した。
【0207】
B) 上記の得られたベンジル化ジアゼピノン2.2gを、例3D)に記載の方法によりLiAlH4 0.8gを用いて還元した。1−ベンジル−7−フェニル−1,4−ジアゼパン1.64gが油状物として得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに反応させた。
【0208】
C) 上記の得られたベンジル化ジアゼパン化合物1.46g、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド1.10g及びt−ブチルオキシカルボニルグリシン0.96gを、ジクロロメタン30ml中に溶かし、5時間室温で攪拌した。この混合物を10%のクエン酸溶液を用いて振出し、次いで、有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。真空中で濃縮すると、粗製の1−ベンジル−4−{[N−(t−ブチルオキシ−カルボニル)アミノ]アセチル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン2.76gが生じ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0209】
D) エタノール100ml中の上記の得られたモノアシル化ジアゼパン誘導体2.5gに、活性炭上の20%の水酸化パラジウム触媒1.0gを添加し、4時間水素化した。触媒の濾別後に濾液を濃縮し、15%の酒石酸水溶液を用いて振出し、水相を10%苛性ソーダ水を用いてアルカリ性で抽出した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮すると、4−[N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ]アセチル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン1.78gが得られた。IR:1700cm-1。
【0210】
E) 上記の得られたジベンジル化ジアゼパン1.7gを、例1F)に記載した方法で、トリエチルアミン1.0g及び3,5−ジメチルベンゾイルクロリド0.86gと反応させた。1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−4−{[N−t−ブチルオキシカルボニル]アミノ]アセチル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン2.42gが発泡樹脂としてえられ、これをさらに精製及び特性決定することなしに反応させた。
【0211】
F) ジクロロメタン10ml中の上記の得られたビスアシル化ジアゼパン2.08gに、トリフルオロ酢酸10mlを添加し、一晩中室温で攪拌した。引き続き、この混合物を真空中で濃縮し、残留物をジクロロメタン100ml中に収容し、1規定の苛性ソーダ液で振出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。粗製の1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−4−アミノアセチル−1,4−ジアゼパン1.5gが得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに反応させた。
【0212】
G) 上記の製造されたジアゼパン化合物0.8gをエタノール100ml中に溶かし、2−メトキシベンズアルデヒド0.3g及びスパチュラ先端量のラネーニッケルを添加した。次いで、3barで室温で水素化した。水素吸収が完了した後、触媒を濾別し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)、その際、目的化合物0.3gが得られた。IR:3030,2940,1635cm-1;M+:485。
【0213】
例5:
1−(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンゾイル)−4−{[3−[N−(3−フェニルプロピル)アミノ]プロピル]アミノ−カルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) THF30ml中のβ−アラニン1.78gに、水酸化ナトリウム0.8g、水10ml及びジ−t−ブチルジカーボネート4.36gを添加し、60時間室温で攪拌した。引き続き、真空中で濃縮し、残留物をジクロロメタン中に収容し、10%の酒石酸水溶液で振出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗製のN−t−ブチルオキシカルボニル−β−アラニン3.35gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。
【0214】
B) ジクロロメタン30ml中の上記の製造されたN−保護されたβ−アラニン3.0gに、トリエチルアミン3.5g、2−クロロ−1−メチル−ピリジニウムヨージド4.8g及び3−フェニル−1−アミノプロパン2.13gを添加し、18時間室温で攪拌した。引き続き、この反応混合物を15%の酒石酸水溶液で振出し、次いで有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮した後、シリカゲルでクロマトグラフィーにかけた(展開剤:ジクロロメタン/メタノール 99:1)。N−t−ブチルオキシカルボニル−C−[(3−フェニルプロピル)アミノ]−β−アラニン3.41gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。
【0215】
C) 上記の製造されたBOC−保護された化合物23.7gを、LiAlH48.0gを用いて例3D)に記載した方法により還元した。油状の1−[N−(t−ブチルオキシカルボニル)アミノ]−3−[N−(3−フェニルプロピル)−アミノ]−1,3−ジアミノプロパン17.7gが得られ、これを精製することなしに反応させた。
【0216】
D) 上記の得られたジアミノプロパン誘導体3.76gをTHF50mlに溶かし、10℃で交互に少しずつ1N苛性ソーダ液13ml及びベンジルオキシカルボニルクロリド2.4gを添加した。完全に反応させた後、水相を分離し、ジクロロメタン50mlでそれぞれ2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により、1−[N−t−ブトキシカルボニル−アミノ]−3−{[N−(3−フェニルプロピル)−N−ベンジルオキシカルボニル)−アミノ}−1,3−ジアミノプロパンが中間生成物として得られ、これをアセトニトリル70ml中に溶かし、p−トルエンスルホン酸2.4gを添加した。この混合物を18時間室温で攪拌し、引き続き真空中で濃縮した。残留物に1規定の苛性ソーダ液20mlを添加し、ジクロロメタン30mlでそれぞれ3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物のシリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により油状物の1−アミノ−3−[N−(3−フェニルプロピル)−N−ベンジルオキシカルボニル]アミノ−1,3−ジアミノプロパン3.4gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。
【0217】
E) THF100ml中のヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼパン−5−オン(製造は例1C参照)16.4gを上記のA)に記載した方法により、3規定の苛性ソーダ液25.5ml及びジ−t−ブチルジカーボネート19.0gと反応させた。1−t−ブチルオキシカルボニル−ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン23.4gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。
【0218】
F) 上記の製造されたBOC−保護されたジアゼピノン27.0gをTHF中に溶かし、上記の例3D)に記載した方法によりLiAlH4 14.0gと一緒に18時間室温で攪拌した。生じた塩を濾別した後、濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:THF/MeOH)に2回かけた。1−t−ブチルオキシカルボニル−7−フェニル−1,4−ジアゼパン6.5gが得られ、これを精製することなしにさらに反応させた。
【0219】
G) 上記のD)で得られた保護されたジアミノプロパン誘導体1.77gをジクロロメタン50ml中に溶かし、攪拌及び氷冷しながらジイソプロピルエチルアミン2.1g及びビス−(トリクロロメチル)−カーボネート(トリホスゲン)0.53gを添加した。引き続き、この反応混合物を氷冷しながら、上記のF)で得られたジアゼパン1.5gのジクロロメタン中の溶液に滴加し、3時間室温で攪拌した。この混合物を10%のクエン酸水溶液で振出し、引き続き有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:THF/MeOH)により、1−t−ブチルオキシカルボニル−4−{[3−[N−(3−フェニルプロピル)−N−ベンジルオキシカルボニル]アミノ]プロピル]アミノカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン2.88gが油状物の粗製生成物として得られ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0220】
H) 上記の得られたジアゼパン−化合物3.8gをアセトニトリル50ml中に溶かし、p−トルエンスルホン酸2.5gを添加し、18時間室温で攪拌した。次いで、この反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけた(展開剤:ジクロロメタン/メタノール 90:10)。合わせたフラクションは油状の4−{[3−[N−(3−フェニルプロピル)−N−ベンジルオキシカルボニル]アミノプロピル]アミノカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン1.83gが提供され、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0221】
I) 上記の得られた1−N−保護されたジアゼパン化合物から1.8gをジクロロメタン中に溶かし、トリエチルアミン0.35g及び3,5−ビストリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド1.0gと上記の例1H)に記載した方法により反応させた。高めた圧力でシリカゲルで2回濾過した後(展開剤1 濾過:ジクロロメタン、展開剤2 濾過:ジクロロメタン/MeOH 98:2)、非晶質の1−(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[3−[N−(3−フェニルプロピル)−N−ベンジルオキシカルボニル]アミノプロピルアミノカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン1.66gが得られた。IR:3010,1680,1630cm-1;M+:755。
【0222】
J) 上記の得られたカプリング生成物1.66gをエタノール100ml中に溶かし、活性炭上の10%のパラジウム触媒0.5gを添加し、水素吸収が完了するまで水素化した。引き続き、触媒を濾別し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー(展開剤:THF/MeOH)にかけた。目的化合物0.61gが得られた、IR:3420,2920,1630cm-1;M+:621。
【0223】
例6:
1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−4−{2−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノエチル]}アミノカルボニル−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) ジクロロメタン40ml中のヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン(製造は例1C参照)3.0gを、トリエチルアミン4.0g及び3,5−ジメチルベンゾイルクロリド2.9gと、上記例1Fに記載された方法により反応させた。非晶質の1−(3,5−ジメチル−ベンゾイル)−ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン5.01gが得られ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0224】
B) ジクロロメタン50ml中の上記の製造されたジアゼピノン化合物3.52gに、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート2.28gを添加し、1.5時間室温で撹拌した。引き続きこの溶液を真空中で濃縮し、残留物をエタノール50ml中に収容した。次いで、ホウ水素化ナトリウム0.9gを少しずつ添加し、この混合物を18時間室温で撹拌した。引き続き、真空中で濃縮し、残留物をジクロロメタンと水とからなる混合物を用いて収容し、振出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:トルエン/メタノール)により、1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−7−フェニル−1,4−ジアゼパン2.3gが得られ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0225】
C) 上記の製造された還元された生成物1.76gをジクロロメタン50ml中に溶かし、クロロエチルイソシアネート0.6gを添加し、2時間室温で撹拌した。トルエンを添加した後、この混合物を真空中で濃縮乾固し、得られた1−(3,5−ジメチルベンゾイル)−4−[(2−クロロエチル)アミノカルボニル]−7−フェニル−1,4−ジアゼパン]を粗製生成物としてさらに加工した。
【0226】
D) 上記の得られたクロロエチル尿素化合物2.3gをアセトニトリル80ml中に溶かし、ジイソプロピルエチルアミン1.0g及びN−メチルベンジルアミン0.7gと一緒に10時間還流下で加熱沸騰させた。引き続き、この溶剤を真空中で濃縮し、メチル−t−ブチルエーテルを用いて収容した。この混合物を10%の主席酸水溶液50mlで振出し、水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させた。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により目的化合物0.56gが得られた。IR:3015,2920,1630cm-1;M+:498。
【0227】
例7:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−[3−(N−ベンジル−N−メチル)−アミノプロピル]−アミノカルボニル−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) N−メチルベンジルアミン12.2gをジクロロメタン100ml中に溶かし、アクリルニトリル6.4gを添加し、10分間室温で撹拌した。触媒としてメタノール中のベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの40%の溶液5滴を添加し、この混合物を引き続き6時間室温で撹拌した。次いで、この溶液を希釈した水性酢酸100mlで1回抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、真空中で濃縮した。引き続き、残留物をシリカゲルを介してクロマトグラフィーにかけた(展開剤:始めはn−ヘキサン/ジクロロメタン、ジクロロメタンの割合を100%まで増加させた)。3−(N−メチル−N−ベンジル)アミノ−プロピオニトリル10.4gが得られ、これをさらに精製及び特性決定することなしに反応させた。
【0228】
B) 上記の得られたプロピオニトリルをメタノール200ml中に溶かし、濃アンモニア水50ml及びラネーニッケル200mgを連続して添加し、引き続き室温で2バールの圧力で水素化した。水素吸収の完了後に触媒を濾別し、濾液を真空中で濃縮した。得られた1−[(N−メチル−N−ベンジル)アミノ]−1,3−ジアミノプロパンをさらに精製することなしに次の反応工程のために使用した。
【0229】
C) ジクロロメタン300ml中のヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン(製造は例1C参照)17.2gを、トリエチルアミン15.0g及び3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロリド25.0gと、例1Fに記載された方法により反応させた。1−(3,5−ビストリフルオロメチル)−ヘキサヒドロ−7−フェニル−1,4−ジアゼピン−5−オン36.6g、Fp=169〜171℃。
【0230】
D) 上記の製造されたジアゼピノン化合物2.1g、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート1.2g及び水素化ホウ素ナトリウム0.5gを、上記の例6B)に記載された方法により反応させた。1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−7−フェニル−1,4−ジアゼパン1.3gが得られた。Fp=151〜153℃。
【0231】
E) 前記のB)で得られたジアミノプロパン0.36gをジクロロメタン20ml中に溶かし、トリエチルアミン0.3ml及びトルエン中ホスゲンの20%の溶液1mlを連続して添加した。この混合物を、2時間室温で撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン20ml中に溶かし、この溶液に室温で上記の得られた1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−7−フェニル−1,4−ジアゼパン0.6gの溶液及びジクロロメタン20ml中のトリエチルアミン1mlを添加した。引き続き室温で2時間撹拌し、真空中で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:n−ヘキサン/ジクロロメタン)により目的化合物0.11gが得られた;IR:3300,1630,1245cm-1(KBr);M+:498。
【0232】
例8:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{2−[N−(2−メトキシベンジル)]−アミノエチル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン
A) ジクロロメタン100ml中のN−(t−ブチルオキシカルボニル)−グリシン10.0gにトリエチルアミン6.6gを添加した。引き続き、0℃でジクロロメタン20ml中のクロロギ酸エチルエステル6.2gを滴加し、この混合物を15分間0℃で撹拌し、次いでジクロロメタン25ml中の2−メトキシベンジルアミン8.1gの溶液を滴加した。この混合物をなお3時間室温で撹拌し、その後10%の水性酒石酸溶液100mlで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。N−(t−ブチルオキシカルボニル)−グリシン−(2−メトキシベンジル)アミン13.9gが得られた。Fp=96〜97℃。
【0233】
B) LiAlH4 2.5gを窒素雰囲気下でTHF及びトルエンそれぞれ100mlからなる混合物中に懸濁した。このため、室温で、THF50ml中に溶かした前記の得られたグリシン誘導体13.9gをゆっくりと滴加し、室温で4時間撹拌した。次いで冷却しながらTHF150ml中の水10ml引き続き5%の苛性ソーダ水40mlを滴加した。生じた沈殿物を濾別し、濾液を真空中で濃縮した。1−[N−(t−ブチルオキシカルボニル)]−2−[N−(2−メトキシベンジル)アミノ]−1,2−ジアミノエタン8.3gが得られ、これをさらに精製することなしに次の合成工程のために使用した。
【0234】
C) 前記の得られたジアミノエタン8.3gをTHF100ml中に溶かした。これに、冷却しながらTHF15ml中のクロロギ酸ベンジルエステル4.0gの溶液及び水50ml中の水酸化ナトリウム1.0gの溶液を2個の滴下漏斗を用いて、温度が10℃を上回らず、かつ溶液のpH値が9.5〜10の間にあるように滴加した。添加が完了した後、この反応混合物を2時間室温で撹拌した。塩化ナトリウム10gの添加後に、有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタンに収容し、10%の酒石酸水溶液出1回抽出した。有機相を新たに分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製の1−[N−(t−ブチルオキシカルボニル)−2−[N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−メトキシベンジル)]アミノ−1,2−ジアミノエタン5.1gが得られ、これをさらに精製することなしに反応させた。
【0235】
D) 前記の得られた生成物5.0gをアセトニトリル100ml中に溶かし、p−トルエンスルホン酸4.7gを添加した。次いで、6時間室温で撹拌し、引き続き真空中で濃縮し、残留物をジクロロメタン50ml中に収容し、水50mlで1回抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により、1−[N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−メトキシベンジル)]アミノ−1,2−ジアミノエタン1.9gが得られた;IR=3060,3030,2960,1700cm-1(KBr)。
【0236】
E) 前記の得られたジアミノエタン0.31gをジクロロメタン20ml中に溶かし、この装入物に0℃でトリエチルアミン0.26g及びトルエン中のホスゲンの20%溶液0.6mlを添加した。次いで、この混合物を2時間室温で撹拌し、引き続き真空中で濃縮した。生じた{2−[N−ベンジルオキシカルボニル−N−(2−メトキシベンジル)]アミノ}エチル−イソシアネートをジクロロメタン10ml中に収容し、精製することなしにさらに次の反応のために使用した。
【0237】
F) ジクロロメタン20ml中の1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−7−フェニル−1,4−ジアゼパン(この製造は例7D参照)0.41gに0℃で前記の得られたイソシアネート溶液を滴加し、引き続き3時間室温で撹拌した。次いで、水20mlで1回抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)により1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{2−[N−(2−メトキシベンジル)−N−ベンジルオキシカルボニル]アミノ}エチルアミノカルボニル−7−フェニル−1,4−ジアゼパン0.43gが生じた、IR:3010,1680,1630cm-1;M+:756。
【0238】
G) 前記の得られた生成物をエタノール50ml中に溶かし、活性炭上の10%のパラジウム触媒のスパチュラ先端量を添加した。引き続き室温で3バールの圧力で水素化した。3時間後に触媒を濾別し、濾液を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルで(展開剤:ジクロロメタン/メタノール)クロマトグラフィーにかけた。目的化合物0.12gが油状物として得られた。IR:2420,2920,1630cm-1;M+:622
前記の例に記載した方法により、次の表Aに記載した式Iの化合物を製造することができた:
【0239】
【表4】
【0240】
例I:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[3−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパンを含有する錠剤
錠剤を錠剤あたり次の組成で製造した:
1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{[3−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチル]アミノ]プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン−ヒドロクロリド 20mg
トウモロコシデンプン 60mg
乳糖 135mg
ゼラチン(10%溶液として) 6mg
作用物質、トウモロコシデンプン及び乳糖を10%のゼラチン溶液で濃厚にした。このペーストを粉砕し、生じた顆粒を適当な板状に置き、45℃で乾燥した。乾燥した顆粒を粉砕器中に導入し、ミキサー中で次の助剤と混合した:
タルク 5mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
トウモロコシデンプン 9mg
次いで240mgの錠剤のプレス成形した。
Claims (14)
- 一般式I:
R1は水素又は低級アルキルを表し、
R2は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R3は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R2及びR3はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R6は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R7は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表し、及び
Bは低級アルキルにより置換されていてもよい1〜3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す]で示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩。 - R6及び/又はR7がトリフルオロメチルを表す、請求項1記載の化合物。
- R2が水素を表し、R3が2−メトキシを表す、請求項1又は2記載の化合物。
- 請求項3記載の1−(3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイル)−4−{3−[N−(2−メトキシベンジル)−N−メチルアミノ]−プロピルカルボニル}−7−フェニル−1,4−ジアゼパン及びその生理学的に認容性の酸付加塩。
- 薬理学的有効量の請求項1記載の化合物及び通常の調剤学的助剤及び/又は担持剤を含有する、ノイロキニンにより誘導される疾患状態を治療するための医薬。
- 一般式I:
R1は水素又は低級アルキルを表し、
R2は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R3は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R2及びR3はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、及び
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって、1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R6は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R7は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表し、及び
Bは低級アルキルにより置換されていてもよい1〜3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す]で示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法において、
式Iの化合物を製造するにあたり、一般式IIa:
所望の場合に、R1が水素を表す式Iの得られた化合物を、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩に変換するか、又は酸付加塩を一般式Iの遊離化合物に変換することを特徴とする、一般式Iの化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法。 - 一般式Iで示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法において、一般式Ia:
所望の場合に、R1が水素を表す式Iの得られた化合物を、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩に変換するか、又は酸付加塩を一般式Iの遊離化合物に変換することを特徴とする、一般式Iの化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法。 - 一般式Iで示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法において、一般式Ib:
所望の場合に、R1が水素を表す式Iの得られた化合物を、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩に変換するか、又は酸付加塩を一般式Iの遊離化合物に変換することを特徴とする、一般式Iの化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法。 - 一般式Iで示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法において、一般式VIII:
所望の場合に、R1が水素を表す式Iの得られた化合物を、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩に変換するか、又は酸付加塩を一般式Iの遊離化合物に変換することを特徴とする、一般式Iの化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法。 - 一般式Iで示される化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法において、一般式X:
所望の場合に、R1が水素を表す式Iの得られた化合物を、R1が低級アルキルを表す式Iの化合物にアルキル化し、及び得られた一般式Iの化合物を所望の場合にその酸付加塩に変換するか、又は酸付加塩を一般式Iの遊離化合物に変換することを特徴とする、一般式Iの化合物並びにその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方法。 - 一般式II:
R102は水素、低級アルキル又は、フェニル低級アルキルオキシカルボニル基からなるグループから選択されるアミノ保護基を表し、
R2は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R3は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R2及びR3はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表し、及び
Bは低級アルキルにより置換されていてもよい1〜3個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す]で示される化合物。 - 一般式VIII:
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R6は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R7は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表し、及び
Xは、ハロゲン及び有機スルホン酸基からなるグループから選択される分割可能な脱離基を表す]で示される化合物。 - 一般式X:
R1は水素又は低級アルキルを表し、
R4は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R5は水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又は
R4及びR5はフェニル環の隣接する炭素原子と一緒になって1〜2個の炭素原子を有する結合したアルキレンジオキシを表し、
R6は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
R7は低級アルキル、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表し、
Aは−(CH2)n−基(式中、nは1〜3の整数を表す)又は−NH−(CH2)m−基(式中、mは2〜3の整数を表す)を表す]で示される化合物。
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