JP4380132B2 - 長手部材の支持構造及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

長手部材の支持構造及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置及びこれに用いる長手部材の支持構造に関し、特に、無端状のベルト部材を張架するロールなどのように、二点で支持される長手部材の撓みによって画質欠陥が発生するのを防止可能な長手部材の支持構造及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】
特開昭59−182139号公報(特公平6−13373号公報)
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置のうち、多色画像を形成可能な装置としては、例えば、図26に示すように、無端状の中間転写ベルト200に沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー像を形成する複数の感光体ドラム201Y、201M、201C、201Kを配設するとともに、各感光体ドラム201Y、201M、201C、201Kの周囲に図示しない帯電手段、露光手段、現像手段等をそれぞれ配設し、これらの各感光体ドラム201Y、201M、201C、201K上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の複数色のトナー像を、順次、中間転写ベルト200上に多重に転写していき、中間転写ベルト200上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の複数色のトナー像を、最終的に、記録用紙上に一括して転写することにより、カラー画像を形成するように構成したものがある。上記中間転写ベルト200は、ドライブロール202やアイドラロール203等からなる複数のロールによって張架されている。
【0004】
また、上記多色画像を形成可能な装置としては、例えば、単一の感光体ドラムを備え、当該感光体ドラム上にイエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー像を順次形成し、この感光体ドラム上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー像を、順次、中間転写ベルト上に多重に転写していき、中間転写ベルト上に多重に転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の複数色のトナー像を、最終的に、記録用紙上に一括して転写することにより、カラー画像を形成するように構成したものがある。
【0005】
これらの画像形成装置においては、図26に示すように、ドライブロール202やアイドラロール203等からなる複数本のロールによって、中間転写ベルト200を所定のテンションで張架し、当該中間転写ベルト200を所定の速度で循環移動させることによって、多色画像を形成するように構成されている。また、上記ドライブロール202やアイドラロール203等からなる複数本のロールは、その軸方向の両端部が、画像形成装置のリア側のフレームとフロント側のフレーム、もしくはベルトモジュールのリア、フロント各々のフレームとによって回転自在に支持されている。
【0006】
ところで、上記ドライブロール202やアイドラロール203などの軸方向に長い長手部材には、図27に示すように、集中荷重もしくは分布荷重が加わると、支持点から離れた位置ほど変位が大きくなることは良く知られている。
【0007】
従来の画像形成装置においては、ドライブロールなどの軸方向に長い長手部材として、直径の大きな円柱状部材を用い、充分な剛性を確保することによって、当該ドライブロールなどの変形の影響を最小限に留め、画像の変形や画像欠陥等の発生を防止するように構成されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記画像形成装置においては、近年、特に装置の小型化の要求が高まってきており、感光体ドラムの直径が小さくなると共に、感光体ドラム間の距離(例えば、60mm以下)が飛躍的に小さくなってきている。その結果、上記画像形成装置においては、中間転写ベルトを駆動するドライブロールなどの直径が小さくなり、中間転写ベルト200のテンションによって、図27に示すように、ドライブロール202等のベンディングが増大し、駆動力の低減による中間転写ベルト200のスリップや、ベルトしわによる画像抜け、あるいは色ずれ等が発生するという問題点を有していた。
【0009】
また、上記中間転写ベルト上にトナー像を転写するための転写ロールと感光体ドラムとのニップ部においても、同様の課題が存在する。つまり、上記転写ロールと感光体ドラムとのニップ部において、軸方向に沿った支持点の中央を基点とする対称形状にニップ部が形成されている場合は、ニップ部の形状がフレアーになるとしても対称形であるが、往々にして、画像形成装置のリア側には、充電部や駆動部等の画像形成装置の機能部品が存在し、かつ、フロント側には、操作上、そのような機能部品が存在することはなく、図12に示すように、ニップ部の中心と支持点の中心にオフセットが存在する。
【0010】
上記画像形成装置において小型化が求められると、画像幅や機能部品の寸法は変わらないが、必然的に、画像形成装置のフロント側は、極限まで寸法を制約され切り詰められるため、支持点間の距離に対するオフセットの影響が増大する。上記ニップの不均一による影響は、画像の濃度差となって現れ、又、リア側の相対的剛性の低下は、図22に示すように、ロールの位置を動的に不安定とし、色ずれの原因となるという問題点があった。同様に、露光手段としてのROS単品では、画像歪みが発生することが無くとも、前記オフセットにより傾けられた画像形成装置としては、平行四辺形に歪んだ画像を形成してしまうという問題点があった。
【0011】
なお、上記の如く、無端状のベルトに沿って、イエロー、マゼンタ、シアン、黒等のトナー像を形成する複数の感光体ドラムを配設した画像形成装置において、ベルトの移動精度に起因した画像ずれの発生を防止する技術としては、例えば、特開昭59−182139号公報(特公平6−13373号公報)に開示されているものが既に提案されている。
【0012】
しかし、この特開昭59−182139号公報に係るシート搬送ベルト駆動装置の場合には、搬送ベルトを駆動する駆動ロールに、上述したような撓み等が発生した場合には、画像ずれの発生を防止することができないという問題点を有している。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、二点で支持された長手部材に集中荷重や分布荷重が加わった場合でも、当該長手部材に撓みが発生するのを抑制し、長手部材によって支持された画像形成部材などが変位することに伴う画像抜けや色ずれ、あるいは画像の変形等が発生するのを防止することが可能な長手部材の支持構造及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、長手部材に発生する撓みの大きさが問題となるので、当該長手部材に第二の荷重点を付加することにより、撓みの打ち消しを行うように構成したものである。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、二点で支持され、且つ該支持点の間に、長手方向に垂直な荷重が作用する長手部材によって支持された画像形成部材を用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記長手部材を二点で支持して、当該長手部材に作用する荷重を受ける二つの支持部材を備え、前記長手部材の二点の支持点の外側に、前記長手方向に垂直な荷重と同じ方向に荷重を印加する第二の荷重点を設けるように構成したものである。
【0016】
また、請求項2に記載された発明は、前記長手部材は無端状ベルトが張架されているロールであり、当該ロールは、その両端部が二点で回転自在に支持されているとともに、前記ロールの二点の支持点の外側には、前記無端状ベルトの張架荷重と同じ方向に荷重を印加する第一及び第二の荷重スプリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0020】
なお、従来、長手部材に三点以上の支持点を設けることは、所謂「材料力学上の不靜定問題」となり、解析を困難なものとするため、敢えてこの構成を採用することは少なかった。似た構造のものとして感光体シャフトがある。着脱可能なフロント側のゼロプレートとマシン本体リアフレームとリアフレームに取り付けられている第三のフレームの三点で感光体シャフトを支持している構成がある。但し、この場合、往々にして、第三フレームは、ゼロプレートとリア支持点で支持されている状態の感光体シャフトを支持するように後から取り付けられ、ゼロプレートは感光体着脱時に外されるとき、シャフトが倒れないようにするのが、第三フレームの目的であるから、変位の規制を目的とする本発明とは目的及び作用効果が異なり、かつ、ゼロプレートが着脱可能であることも構成が相違している。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る長手部材の支持構造を適用した画像形成装置としてのデジタルフルカラー複写機を示すものであり、図3はこの発明の実施の形態1に係る長手部材の支持構造を適用した画像形成装置としてのデジタルフルカラー複写機の画像形成部を示すものである。なお、画像形成装置としては、複写機以外に、プリンタやファクシミリ等であっても良いことは勿論である。
【0023】
図2において、1はデジタルフルカラー複写機の本体を示すものであり、このデジタルフルカラー複写機本体(画像形成装置本体)1の上部には、カラー画像等を有する原稿の画像を読み取るIIT2(Image Input Terminal)が配設されている。このIIT2によって読み取られた画像データや、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データは、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして図示しない画像処理装置に送られ、この画像処理装置では、画像データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0024】
そして、上記の如く画像処理装置で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)(各8bit)の4色の画像データとしてROS3(Raster Output Scanner)に送られ、このROS3では、図示しない半導体レーザーが画像データに応じて変調され、当該半導体レーザーから出射されたレーザー光LBを、ポリゴンミラー4によって偏向走査することにより、f−θレンズ5やミラー6を介して画像露光が行われる。
【0025】
上記ROS3によってレーザー光LBが走査露光される像担持体としての感光体ドラム7は、図2及び図3に示すように、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム7の表面は、スコロトロン等からなる帯電装置8によって所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、画像データに応じてレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム7上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器9Y、9M、9C、9Kを備えたロータリー方式の現像装置9によって、例えば、感光体ドラム7の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナーによって反転現像され、順次、所定の色のトナー像となる。尚、上記感光体ドラム7の表面電位は、所定のタイミングで、電位センサ10によって検知されるとともに、当該感光体ドラム7上に形成されたトナー像は、必要に応じて転写前帯電器11によって帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
【0026】
上記感光体ドラム7上に順次形成された各色のトナー像は、当該感光体ドラム7の下部に配置された中間転写体としての中間転写ベルト12上に、第1の転写手段としての一次転写ロール13によって互いに重ね合わせた状態で順次転写される。この中間転写ベルト12は、ドライブロール16、テンションロール15、エンコーディングロール14、2次転写手段の一部を構成する対向ロールとしてのバックアップロール17、アイドラーロール18によって、例えば、感光体ドラム7の周速と同一の移動速度で矢印方向に沿って循環移動可能に支持されている。また、上記中間転写ベルト12は、当該中間転写ベルト12を張架するドライブロール16、テンションロール15、エンコーディングロール14、バックアップロール17、アイドラーロール18とともに、一体的に中間転写ベルトユニットを構成しており、この中間転写ベルトユニットは、複写機本体1に対して前面側に抜き差しする方向に着脱可能となっている。
【0027】
上記中間転写ベルト12上には、形成する画像の色に応じて、感光体ドラム7上に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のすべて又はその一部のトナー像が、一次転写ロール13によって順次重ね合わせた状態で転写される。この中間転写ベルト12上に転写されたトナー像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される記録媒体としての記録用紙19上に、中間転写ベルト12を支持するバックアップロール17と、当該バックアップロール17に圧接する第2の転写手段の一部を構成する二次転写ロール20の圧接力及び静電吸引力によって転写される。上記記録用紙19は、図2に示すように、複写機本体1の下部に配置された複数の用紙カセット21、22、23から、所定のサイズのものが、フィードロール24及び分離ロール25によって1枚ずつ給紙される。給紙された記録用紙19は、複数の搬送ロール対26及びレジストロール27によって、所定のタイミングで中間転写ベルト12の2次転写位置まで搬送される。そして、上記記録用紙19には、上述したように、2次転写手段としてのバックアップロール17と二次転写ロール20とによって、中間転写ベルト12上から所定の色のトナー像が一括して転写されるようになっている。
【0028】
また、上記中間転写ベルト12上から所定の色のトナー像が転写された記録用紙19は、中間転写ベルト12から分離された後、バキューム搬送ベルト28によって定着手段としての定着装置29へと搬送され、この定着装置29の加熱ロール30及び加圧ロール31によって、熱及び圧力でトナー像が記録用紙19上に定着され、排出ロール32によって複写機本体1の外部に設けられた図示しない排紙トレイ上に排出されてカラー画像の形成工程が終了する。
【0029】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム7の表面は、クリーニング前コロトロン33によって除電されるとともに、クリーニング装置34によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備えるようになっている。また、上記中間転写ベルト12の表面は、所定のタイミングで圧接するクリーニング装置35によって残留トナー等が除去され、二次転写ロール20の表面は、クリーナー36によって清掃される。
【0030】
尚、上記中間転写ベルト用のクリーニング装置35と二次転写ロール20は、最終色のトナー像の転写が終了するまで、中間転写ベルト12上から離間している。
【0031】
ところで、この実施の形態では、二点で支持され、且つ荷重が作用する長手部材を支持するための長手部材の支持構造において、前記長手部材を二点で支持して、当該長手部材に作用する荷重を受ける二つの支持部材を備え、前記長手部材の荷重点から離れた長手方向の位置であって、しかも、前記長手部材の支持点からも離れた位置に、第二の荷重点若しくは第三の支持点を設けるように構成されている。
【0032】
すなわち、この実施の形態では、図1に示すように、中間転写ベルト12を循環移動可能に支持する複数のロールのうち、長手部材としてのドライブロール16が小径化、例えば、外径が12mm程度に設定されており、デジタルフルカラー複写機の小型化に対応可能となっている。このドライブロール16は、例えば、ステンレス等からなる中実の円柱状に形成されている。上記ドライブロール16の両端部は、デジタルフルカラー複写機の支持部材としてのフロント側のフレーム41とリア側のフレーム42に、ボールベアリング43、44を介して二点で回転自在に支持されており、このドライブロール16は、ボールベアリング43、44の両側に装着されたEリング45によって軸方向への移動が規制されている。また、上記ドライブロール16には、リア側のフレーム42の外側に、当該ドライブロール16を回転駆動するための駆動ギア46が取り付けられている。
【0033】
ところで、上記ドライブロール16には、中間転写ベルト12が所定のテンションで張架されており、当該ドライブロール16には、その軸方向(長手方向)と直交する方向に均一な分布荷重wが作用している。そのため、上記ドライブロール16を単に小径化していくと、当該ドライブロール16は、図4に示すように、中間転写ベルト12によって作用する分布荷重wにより撓んでしまい、画像抜けや色ずれなどが発生する。
【0034】
そこで、この実施の形態では、上述したように、前記長手部材の荷重点から離れた長手方向の位置であって、しかも、前記長手部材の支持点からも離れた位置に、第二の荷重点若しくは第三の支持点(この実施の形態では、第二の荷重点)を設けるように構成されている。
【0035】
具体的には、図1に示すように、ドライブロール16の両端に、当該ドライブロール14に中間転写ベルト12の張架方向と同じ方向の荷重を作用させる第二の荷重点47、48が設けられている。これら第二の荷重点47、48は、ドライブロール14の両端に回転自在にそれぞれ装着されたPOM等の低摩擦の合成樹脂又は金属等からなる荷重作用部材49、50と、当該荷重作用部材49、50とフロント側及びリア側のフレーム41、42に立設されたスタッド51、52との間に架設された第一及び第二荷重スプリング53、54とで構成されている。
【0036】
このように、上記ドライブロール16のような長手部材に二つの支持点に加えて、第二の荷重点を設けることは、所謂「材料力学上の不静定問題」となり、解析を困難なものとするため、敢えてこの構成を採用することは少なかった。
【0037】
但し、この「材料力学上の不静定問題」によれば、例えば、図5(a)に示すように、一様な断面を有する長手部材(はり)55を水平に配置し、当該長手部材55の両端部から25mmだけ離れた位置56、57をR1、R2なる荷重で受けている場合に、長手部材55の中央部に長さ400mmに渡って分布荷重wを作用させるとともに、距離500mm離れた両端部に等しい荷重W1をそれぞれ作用させたとき、長手部材55がどのように変形するかを求めるには、不静定問題の重ね合わせ法を用いることができる。
【0038】
上記の問題は、重ね合わせ法によれば、図5(b)に示すように、長手部材55を両端部から25mmだけ離れた位置で支持した状態で分布荷重wを作用させた場合と、図5(c)に示すように、長手部材55を左側の端部から25mmだけ離れた片側で支持した状態で両端部に集中荷重W1を作用させた場合と、図5(d)に示すように、長手部材55を右側の端部から25mmだけ離れた片側で支持した状態で両端部に集中荷重W1を作用させた場合とに分けて解くことができる(参考文献:「改訂 材料力学要論」S.TIMOSHENKO&D.H.YOUNG著、コロナ社刊)。
【0039】
図6は上記長手部材55の変形を求めるパラメータ条件を示すものである。
【0040】
上記不静定問題による解法によれば、長手部材55の変形量は、図5(b)の場合が、
δ=wx/(24EI)*(l3 −2lx2 +x3
δmax1=5wl4 /(384EI)
θ1=wl3 /(24EI)
δmax=δmax1+θ1*25
となる。
【0041】
また、長手部材55の変形量は、図5(c)の場合が、
P=R1=7.1kgf
0〜25の範囲では、
δ1=425Px/(6lEI)*(l2 −x2 −4252
となり、
25〜450の範囲では、
δ1=425P/(61EI)*(l/425*(x−25)3 +(l2 −4252 )x−x3
となる。
【0042】
なお、図5(d)の場合は、図5(c)の場合に対して左右が逆になったものである。
【0043】
図7は上記演算結果をグラフに表したもの、図8〜図10は演算の結果を表したものである。なお、図8は0〜15までのδ、δ1、δ2の演算結果を、図9及び図10はδの1〜500までの演算結果をそれぞれ示している。
【0044】
この図7から明らかなように、長手部材55の両端部に作用させる荷重W1の値及び当該荷重W1を作用させる位置などを適宜設定することにより、長手部材55としてのドライブロール16の撓み量を略ゼロにすることができ、画像抜けや色ずれが発生するのを防止することができることがわかる。
【0045】
この実施の形態では、図1に示すように、ドライブロール16の二つの支持点から、両外側に25mmの位置に、W1=2.3kgfなる第二の荷重を作用させる第二の荷重点47、48を設けることにより、当該ドライブロール14を小径化した場合でも撓みが発生するのを防止することが可能となり、画像抜けや色ずれが発生するのを防止することができる。
【0046】
実施の形態2
図11はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、長手部材が、ベルトを張架したドライブロールではなく、露光手段としてのROSを支持するように架設された支持用のロッドからなるように構成されている。
【0047】
すなわち、この実施の形態2では、図11に示すように、露光手段としてのROS3を支持する支持用のロッドとしてのタイバー60が、画像形成装置のフロント側のフレーム41と、リア側のフレーム42との間に架設されており、このタイバー60にROS3が取り付けられている。また、上記ROS3は、タイバー60の二つの支持点61、62の中央に取り付けられている訳ではなく、機能部品の取り付け等の関係上、フロント側のフレーム41に偏った位置に取り付けられている。そのため、装置の小型化・軽量化等の関係上、タイバー60として、直径の小さいものを使用すると、当該タイバー60が、図12に示すように撓んでしまい、ROS3によって感光体ドラム7上に捜査露光される画像が、平行四辺形に変形するという問題点が発生する。
【0048】
そこで、この実施の形態では、上述したように、前記長手部材の荷重点から離れた長手方向の位置であって、しかも、前記長手部材の支持点からも離れた位置に、第二の荷重点を設けるように構成されている。
【0049】
具体的には、図11に示すように、タイバー60のフロント側の端部近傍に、ROS3の荷重と同じ方向(鉛直方向下向)の荷重を作用させる第二の荷重点63が設けられている。なお、この第二の荷重点63の構成は、前記実施の形態1と同様に構成することができる。
【0050】
このように、上記タイバー60のような長手部材に二つの支持点に加えて、第二の荷重点を設けることは、前述したように、所謂「材料力学上の不静定問題」となる。
【0051】
この「材料力学上の不静定問題」によれば、例えば、図13(a)に示すように、一様な断面を有する長手部材(はり)64を水平に配置し、当該長手部材55の両端部から25mmだけ離れた位置65、66をR1、R2なる荷重で受けている場合に、長手部材64の中央部より片側に変位した長さL1=150mmの位置に、ROS3の重量である集中荷重W1を作用させるとともに、一端66から外側に距離50mm離れた端部に荷重W2を作用させたとき、長手部材64がどのように変形するかを求めればよく、これには不静定問題の重ね合わせ法を用いることができる。
【0052】
上記の問題は、重ね合わせ法によれば、図13(b)に示すように、長手部材64の中央部より片側に変位した長さL1=150mmの位置に、ROS3の重量である集中荷重W1を作用させる場合と、図13(c)に示すように、荷重W2によって、結果的に、長手部材64の上方から回転モーメントMBを作用させる場合とに分けて解くことができる。
【0053】
図14は上記長手部材64の変形を求めるパラメータ条件を示すものである。
【0054】
上記不静定問題による解法によれば、長手部材64の変形量は、図13(b)の場合が、
0〜L1の範囲において、
δ=W1L12 L22 ((2x/L1)+(x/L2)−x3 /(L12 L2))/(6EIL)
となり、
又、L1〜Lの範囲において、
δ=W1L12 L22 ((2L1/L2+1)−((L−x)3 /(L1L22 ))/265
となる。
【0055】
また、長手部材の変形量は、図13(c)の場合が、
MB=300kgfmm
δ=MB×(L2 −x2 )/(6EIL)
となる。
【0056】
図15は演算結果をグラフに表したもので、図16〜図19は上記演算の結果を示すものである。
【0057】
また、図20は図15のx=50mmとx=300mmの位置における変位の差を示すグラフである。
【0058】
この実施の形態2では、図15に示すように、タイバー60の撓みそのものを略ゼロにすることはできないが、偶力荷重W2の大きさを適宜設定することによって、当該タイバー60がROS3を取り付けているx=50mmとx=300mmの位置における変位の差を、略ゼロにすることができ、ROS3を水平に取り付けることが可能となり、画像に変形が生じるを防止することができる。
【0059】
なお、上記実施の形態2では、タイバー60に第二の荷重点として、偶力荷重W2を作用させた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図22に示すように、中間転写ベルト12を張架するバックアップロールに、二次転写ロール20を圧接させる場合、当該バックアップロールと二次転写ロール20の圧接位置が、両ロールの回転軸の片側に変位している場合など、前記バックアップロール及び二次転写ロール20の回転軸としての長手部材に、その荷重点から離れた長手方向の位置であって、しかも、前記長手部材の支持点からも離れた位置に、図21に示すように、第三の支持点68、69を設けるように構成することによって、バックアップロール及び二次転写ロール20の回転軸の撓みを抑制することができる。
【0060】
また、図23に示すように、駆動モータ70の駆動力を、第1の減速ギア71及び当該第1の減速ギア71の回転軸72に固定された第2の減速ギア73を介して、感光体ドラム等を駆動する画像形成装置のギア74に出力する場合、減速比が高いと、第1の減速ギア71の回転軸72に撓みが生じる場合がある。
【0061】
この場合にも、同様に、上記第1の減速ギア71の回転軸72には、その中間に第三の支持点を構成する支持フレーム75を設けることによって、回転軸72の撓みを抑制乃至防止することが可能となる。
【0062】
実施の形態3
図24はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、画像形成装置が、互いに異なった色のトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを備え、これらの各画像形成ステーションで形成されたトナー像を、搬送ベルトによって搬送される用紙上に一括して転写することにより、カラー画像を形成するように構成されている。
【0063】
図24はこの発明の実施の形態3に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示す概略構成図である。
【0064】
図24において、81はタンデム型のデジタルカラー複写機の本体を示すものであり、このデジタルカラー複写機本体81の上部には、原稿82の画像を読取る画像読取装置83が配設されている。この画像読取装置83は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿82を光源84によって照明し、原稿82からの反射光像を、フルレートミラー85及びハーフレートミラー86、87及び結像レンズ88からなる縮小光学系を介してCCDセンサ等からなる画像読取素子89上に走査露光して、この画像読取素子89によって原稿82の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
【0065】
上記画像読取装置83によって読み取られた原稿82の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして図示しない画像処理装置(Image Processing System)に送られ、この画像処理装置では、原稿82の反射率データに対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0066】
そして、上記の如く画像処理装置で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の原稿色材階調データ(ラスタデータ)に変換され、次に述べるように、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の画像形成ステーション90K、90Y、90M、90CのROS91K、91Y、91M、91C(Raster Output Scanner)に送られ、これらのROS91K、91Y、91M、91Cでは、所定の色の原稿色材階調データに応じてレーザー光による画像露光が行われる。
【0067】
ところで、上記タンデム型のデジタルカラー複写機本体81の内部には、上述したように、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4つの画像形成ステーション90K、90Y、90M、90Cが、水平方向に一定の距離Lを隔てて並列的に配置されている。
【0068】
これらの4つの画像形成ステーション90K、90Y、90M、90Cは、すべて同様に構成されており、大別して、矢印方向に沿って所定の回転速度で回転する感光体ドラム92と、この感光体ドラム92の表面を一様に帯電する一次帯電用のスコロトロン93と、当該感光体ドラム92の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置としてのROS91と、感光体ドラム92上に形成された静電潜像を現像する現像器94と、感光体ドラム92の表面をクリーニングするクリーニング装置95とから構成されている。
【0069】
上記画像処理装置からは、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の画像形成ステーション90K、90Y、90M、90CのROS91K、91Y、91M、91Cに各色の画像データ(ラスタデータ)が順次出力され、これらのROS91K、91Y、91M、91Cから画像データに応じて出射されるレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム92K、92Y、92M、92Cの表面に走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム92K、92Y、92M、92Cに形成された静電潜像は、現像器94K、94Y、94M、94Cによって、それぞれ黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像として現像される。
【0070】
上記各画像形成ステーション90K、90Y、90M、90Cの感光体ドラム92K、92Y、92M、92C上に、順次形成された黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像は、各画像形成ステーション90K、90Y、90M、90Cの下方に配置された用紙搬送ベルト96によって搬送される記録用紙97上に、転写ロール98K、98Y、98M、98Cによって多重に転写される。なお、上記記録用紙97は、給紙カセット99から所定のタイミングで給紙される。この用紙搬送ベルト96は、ドライブロール100と、ストリッピングロール101と、ステアリングロール102と、アイドルロール103との間に一定のテンションで掛け回されており、ドライブロール100により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記用紙搬送ベルト96としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0071】
上記用紙搬送ベルト96によって搬送される記録用紙97上には、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナー像が多重に転写された後、当該記録用紙97は、用紙搬送ベルト96から剥離されて、定着器104によって熱及び圧力で定着処理を受け、複写機本体1の外部に設けられた図示しない排出トレイ上に排出され、画像形成工程が終了する。
【0072】
ところで、この実施の形態に係る画像形成装置では、図24に示すように、各感光体ドラム92K、92Y、92M、92Cの間隔が60mm以下に設定されており、それに伴って感光体ドラム92K、92Y、92M、92Cそのものが小径化されており、装置の小型化が図られている。
【0073】
また、上記用紙搬送ベルト96を張架するドライブロール100も、小径化されており、当該ドライブロール100には、用紙搬送ベルト96のテンションによって撓みが発生し易い状態となっている。
【0074】
そのため、この実施の形態3においても、前記実施の形態1と同様に、長手部材としてのドライブロール100を二点で支持するとともに、長手部材の荷重点から離れた長手方向の位置であって、しかも、前記長手部材の支持点からも離れた位置に、第二の荷重点を設けるように構成されている。
【0075】
その結果、上記ドライブロール100を小径化した場合でも、当該ドライブロール100に撓みが発生するのを抑制乃至防止することができ、長手部材によって支持された画像形成部材などが変位することに伴う画像抜けや色ずれが発生するのを防止することが可能となる。
【0076】
なお、前記実施の形態では、長手部材としてのドライブロールに張架されるベルトが、用紙搬送ベルト96である場合について説明したが、当該ベルトが感光体ドラムから直接トナー像を転写される中間転写ベルトであっても良い。
【0077】
また、上記長手部材としてのドライブロールに張架されるベルトが、図25に示すように、直接トナー像が形成される感光体ベルト110からなるものであっても良い。
【0078】
更に、本発明が適用されるのは、ドライブロールに限定されず、荷重が作用する長手部材であればよく、ドライブロール以外の他のロール等であっても良い。また、ドライブロールの位置も図示の実施の形態に限定されるものではなく、他の位置に配置しても良いことは勿論である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、二点で支持された長手部材に集中荷重や分布荷重が加わった場合でも、当該長手部材に撓みが発生するのを抑制し、長手部材によって支持された画像形成部材などが変位することに伴う画像抜けや色ずれ、あるいは画像の変形等が発生するのを防止することが可能な長手部材の支持構造及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に長手部材の支持構造を適用した画像形成装置の要部を示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に画像形成装置を示す構成図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
【図4】 図4はドライブロールの変形状態を示す構成図である。
【図5】 図5はドライブロールの変形状態を示す説明図である。
【図6】 図6はドライブロールに作用するパラメータを示す図表である。
【図7】 図7はドライブロールの変形状態を示すグラフである。
【図8】 図8はドライブロールの変形状態を示す数値である。
【図9】 図9はドライブロールの変形状態を示す数値である。
【図10】 図10はドライブロールの変形状態を示す数値である。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態2に長手部材の支持構造を適用した画像形成装置の要部を示す構成図である。
【図12】 図12はタイバーの変形状態を示す構成図である。
【図13】 図13はタイバーの変形状態を示す説明図である。
【図14】 図14はタイバーに作用するパラメータを示す図表である。
【図15】 図15はタイバーの変形状態を示すグラフである。
【図16】 図16はタイバーの変形状態を示す数値である。
【図17】 図17はタイバーの変形状態を示す数値である。
【図18】 図18はタイバーの変形状態を示す数値である。
【図19】 図19はタイバーの変形状態を示す数値である。
【図20】 図20はタイバーの変形状態を示すグラフである。
【図21】 図21はこの発明の実施の形態2に長手部材の支持構造の変形例を示す構成図である。
【図22】 図22はロールの撓みを示す説明図である。
【図23】 図23はこの発明の実施の形態2に長手部材の支持構造の変形例を示す構成図である。
【図24】 図24はこの発明の実施の形態3に長手部材の支持構造を適用した画像形成装置を示す構成図である。
【図25】 図25はこの発明の実施の形態3に長手部材の支持構造を適用した画像形成装置の他の例を示す構成図である。
【図26】 図26は従来の画像形成装置を示す説明図である。
【図27】 図27はドライブロールの変形状態を示す説明図である。
【符号の説明】
16:ドライブロール(長手部材)、12:中間転写ベルト、47、48:第二の荷重点、49、50:荷重作用部材、41、42:フロント側及びリア側のフレーム、53、54:第一及び第二の荷重スプリング。

Claims (2)

  1. 二点で支持され、且つ該支持点の間に、長手方向に垂直な荷重が作用する長手部材によ って支持された画像形成部材を用いて画像を形成する画像形成装置において、
    前記長手部材を二点で支持して、当該長手部材に作用する荷重を受ける二つの支持部材 を備え、前記長手部材の二点の支持点の外側に、前記長手方向に垂直な荷重と同じ方向 に荷重を印加する第二の荷重点を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記長手部材は無端状ベルトが張架されているロールであり、当該ロールは、その両端 部が二点で回転自在に支持されているとともに、前記ロールの二点の支持点の外側には 、前記無端状ベルトの張架荷重と同じ方向に荷重を印加する第一及び第二の荷重スプリ ングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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