JP4378963B2 - ビーム整形光学系、レーザ加工機及び光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射光束の光強度分布を変換して出射するビーム整形光学系、このビーム整形光学系を用いたレーザ加工機及び光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、レーザ光を用いて被加工物を加工するレーザ加工機や、光情報記録媒体(光ディスク)を用いた情報の記録や再生に用いる光ピックアップ装置等に用いられ、光源から出射された光束の光強度分布を変換する光学系(以下、「ビーム整形光学系」という。)に関する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、ビーム整形光学系を、前群と後群のそれぞれに1枚ずつレンズを配置して構成し、ガウス型の強度分布を有する入射光束に対して、前群のレンズにおいて意図的に球面収差を発生させ、光束の密度を中心部分よりも周辺部分で大きくすることで、出射光束をほぼ均一な強度分布となるように変換して出射する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、光学系を、前群と後群のそれぞれに2枚以上のレンズを配置すると共に、両群のうち少なくとも一方の群において正弦条件を満たさない、つまり、正弦条件不満足量が発生するような構成とすることで、ガウス型等の不均一な強度分布を有する入射光束をほぼ均一な強度分布となるように変換して出射する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第6295168号明細書
【特許文献2】
特開昭63−188115号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の場合、前群のレンズにおいて意図的に球面収差を発生させるので、後群のレンズにおいてこの球面収差を補正する必要が生じ、レンズ自体及び光学系全体の設計が難しくなるという問題があった。
また、特許文献2の場合、各群が複数枚のレンズで構成されているので、調芯作業に手間がかかるという問題や、コストがかかるという問題があった。
また、特許文献2の図面中には、正弦条件違反量について説明するための模式図として、各群がそれぞれ1枚のレンズからなるビーム整形光学系が表されており、これら前群及び後群のレンズとして、入射面及び出射面が突出した凸レンズが表されている。
しかし、上述のように、特許文献2の図面中の、各群がそれぞれ1枚のレンズからなるビーム整形光学系は、あくまで模式図としてその構成を簡略化して表されているものにすぎず、前群及び後群に1枚ずつレンズを配置することにより光束の強度を均一化する技術が開示されているわけではない。
【0007】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、設計及び製作が容易で、かつ、コストの削減が可能なビーム整形光学系、このビーム整形光学系を用いたレーザ加工機及び光ピックアップ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入射光束の光強度分布を、光強度が略均一である平坦分布領域を含む分布となるように整形して出射するアフォーカル系のビーム整形光学系であって、光源側から順に前群と後群とから構成され、これら前群及び後群がそれぞれ1枚の非球面レンズからなり、前記前群の非球面レンズに関して、光軸からの高さをH1、高さH1の位置を通過した光束が前記前群と前記後群との間で光軸と成す角をθ1、焦点距離をF1、正弦条件不満足量S1をS1=H1/(F1×sinθ1)−1、屈折力をP1、入射面の近軸の曲率半径をR1i、出射面の近軸の曲率半径をR1oと規定したときに、S1>0、P1>0、R1o<R1i<0を満たすことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、前群の非球面レンズの正弦条件不満足量S1を正、屈折力P1を正、光軸領域における入射面の曲率半径R1iと出射面の曲率半径R1oが共に負であり、かつ、入射面の曲率半径R1iの絶対値と出射面の曲率半径R1oの絶対値とを比較した場合に、入射面の曲率半径R1iの絶対値の方が大きくなるように設定する。
【0010】
従って、前群の非球面レンズの入射面に等間隔の光束密度で平行光束が入射した場合、出射面側において、光軸から離れた領域の光束密度が大きくなるように(密となるように)、逆に、光軸に近い領域の光束密度が小さくなるように(疎となるように)整形され、出射光束全体の光強度分布がほぼ均一に変換された状態となる。そして、前群の非球面レンズの屈折力P1が正であることから、前群の非球面レンズからの出射光束は、前群の非球面レンズと後群の非球面レンズの間の光軸上の焦点で一旦集光し、その後、発散しながら後群の非球面レンズに至る。そして、後群の非球面レンズから、光強度分布がほぼ均一に変換された状態を維持したまま平行光として出射される。
このように、前群と後群とをそれぞれ1枚の非球面レンズから構成できるので、調芯作業に要する時間を削減でき、さらに、レンズにかかるコストを抑えることができる。
また、このような効果は、R1o<R1i<0を満たすように前群の非球面レンズを構成することにより得られることが判明した。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のビーム整形光学系であって、前記後群の非球面レンズに関して、入射光束が前記前群と前記後群との間で光軸と成す角をθ2、角度θ2で入射した光束が出射される際の光軸からの距離(高さ)をH2、焦点距離をF2、正弦条件不満足量S2をS2=H2/(F2×sinθ2)−1と規定したときに、S2≦0を満たすことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、後群の非球面レンズの正弦条件不満足量S2を0以下とする。
従って、例えば、正弦条件不満足量S2をゼロ、即ち正弦条件を満たすように設定することにより、第1レンズで光強度分布が均一に変換された状態で発散光として後群の非球面レンズに入射する光束に対して、光強度分布を変更せずに平行光として出射することができると共に、前群の後群の両非球面レンズの焦点距離の比を変化させることにより、後群の非球面レンズから出射される光束の光束径を容易に変更することが可能となる。
また、例えば、正弦条件不満足量S2を負に設定することにより、前群の非球面レンズと後群の非球面レンズの両者の協働させて、不均一な光強度分布を有する光束を略均一な光強度分布に変換する効果をより高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のビーム整形光学系であって、前記前群の非球面レンズが、該前群の非球面レンズを通過する光束を球面収差が発生しない状態で出射し、前記後群の非球面レンズが、該後群の非球面レンズを通過する光束を球面収差が発生しない状態で出射することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、前群と後群の非球面レンズは、光束を球面収差が発生しない状態で出射するので、非球面レンズ自体及びビーム整形光学系全体の設計及び製作が容易となる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビーム整形光学系であって、前記前群の非球面レンズ及び前記後群の非球面レンズが共にプラスチックレンズであることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、プラスチックによりレンズを成形することで、レンズ設計の自由度が増し、ビーム整形光学系の精度を向上させることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビーム整形光学系であって、前記平坦分布領域とは、出射光束の光強度分布において、光強度の最大値に対して50%の光強度となる点における光束径をa、最大値に対して90%の光強度となる点における光束径をbと規定したときに、前記光束径bの範囲内における光強度の最大値と最小値との差が最大値に対して10%以内であり、且つ、b/a≧0.5を満たす領域を指すことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項と同様の効果を得られる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビーム整形光学系を備え、該ビーム整形光学系により整形された出射光束を被加工物上に集光させて該被加工物を加工することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、レーザ加工機の精度向上、設計及び製造の容易化、コストの削減を達成できる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のビーム整形光学系を備え、該ビーム整形光学系から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面上に集光させて情報の再生及び/又は記録を行うことを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、光ピックアップ装置の精度向上、設計及び製造の容易化、コストの削減を達成できる。
なお、光情報記録媒体とはCD、DVD、CD−R、MD、MO、高密度DVD等の所定の波長の光束を用いて情報の再生及び/又は記録を行なう一般的な光ディスクを指す。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のビーム整形光学系の実施の形態について説明する。
本発明に係るビーム整形光学系は、平行光として入射する光束を再び平行光として出射するアフォーカル系を構成し、また、ガウス分布等の不均一な光強度分布を有する入射光束を、略均一な光強度を有するように整形して出射するものであり、具体的には、出射光束の光強度分布中に、光強度が略均一となる領域(平坦分布領域)を有するように光強度を変換するものである。
平坦分布領域とは、図1に示すように、出射光束の光強度分布において、光強度の最大値(ピーク値)に対して50%の光強度となる点における光束径をa、最大値に対して90%の光強度となる点における光束径をbと規定したときに、光束径bの範囲内における光強度の最大値と最小値との差が最大値に対して10%以内であり、且つ、b/a≧0.5を満たす領域を指すものとする。
【0023】
図2に示すように、ビーム整形光学系10は光源(図示せず)側から光束の進行方向に沿って位置する前群20と後群30とから構成されている。なお、前群20の前方には絞り40が配置されている。
前群20と後群30はそれぞれプラスチック製の一枚(単玉)の非球面レンズ21、31からなる。なお、以下の説明においては、前群20の非球面レンズ21を「第1レンズ」と表記し、後群30の非球面レンズ31を「第2レンズ」と表記する。
【0024】
第1レンズ21の入射面22は、後述する非球面形状式(数1)で表される、光軸Lに対して対称な非球面に形成されており、近軸の曲率半径R1iが負(R1i<0)となるように設計されている。
第1レンズ21の出射面23も同様に、非球面形状式(数1)で表される、光軸Lに対して対称な非球面に形成されており、近軸の曲率半径R1oが負(R1o<0)となるように、さらに、曲率半径R1oが曲率半径R1iより小さくなるように(R1o<R1i)設計されている。
また、平行光として第1レンズ21に入射した光束が、第1レンズ21と第2レンズ31の間の軸上に合焦するように、第1レンズ21の屈折力P1が正(P1>0)となるように設計されている。
【0025】
第2レンズ31は、非球面レンズであって、光束を平行光として出射できる、即ちコリメート機能を有するものであれば、その入射面32及び出射面33の形状は特に限定されるものではない。
本実施の形態においては、入射面32が光軸L上の一点を中心とした正の曲率半径を有する球面に形成されており、出射面33が非球面形状式(数1)で表される、光軸Lに対して対称な非球面に形成されている。
【0026】
また、図1に示すように、第1のレンズに関して、入射光束の光軸Lからの距離(高さ)をH1、高さH1の位置を通過した光束が前群と後群との間で光軸Lと成す角をθ1、焦点距離をF1とし、正弦条件不満足量S1を、S1=H1/(F1×sinθ1)−1と規定した場合に、S1>0となるように設計されている。
また、第2のレンズに関して、入射光束が前群と後群との間で光軸Lと成す角をθ2、角度θ2で入射した光束が出射される際の光軸Lからの距離(高さ)をH2、焦点距離をF2とし、正弦条件不満足量S2を、S2=H2/(F2×sinθ2)−1と規定した場合に、S2≦0となるように設計されている。
なお、説明の便宜上、θ1とθ2とを区別して記載したが、実際にはθ1とθ2とは等しい値(θ1=θ2)となる。
また、光学系を構成するレンズ群を、意図的に正弦条件を満たさないように設計することで光束の強度分布を変更する技術については、例えば特開昭63−188115号公報などに開示されており周知であるため、詳しい説明は省略する。
【0027】
このように、第1レンズ21の正弦条件不満足量S1が正となるように設計することにより、第1レンズ21の入射面22に等間隔の光束密度で平行光束が入射した場合、出射面23側において、光軸Lから離れた領域の光束密度が大きくなるように(密となるように)、逆に、光軸Lに近い領域の光束密度が小さくなるように(疎となるように)整形される。
そして、上述のように第1レンズ21の屈折力P1が正であることから、第1レンズ21を通過した光束は、第1レンズ21と第2レンズ31の間の光軸L上の焦点で一旦集光した後、発散しながら後群30の第2レンズ31に至る。
【0028】
そして、例えば、第2レンズ31の正弦条件不満足量S2をゼロに設定する、即ち正弦条件を満たすように設定することにより、第1レンズ21で光強度分布が均一に変換された状態で発散光として第2レンズ31に入射する光束に対して、光強度分布を変更せずに平行光として出射することができる。この場合、第1レンズ21と第2レンズ31との焦点距離の比を変化させることにより、第2レンズ31から出射される光束の光束径を容易に変更することが可能となる。
【0029】
また、例えば、第2レンズ31の正弦条件不満足量を負に設定することにより、第2レンズ31を通過する光束の密度を、光軸Lから離れた領域において大きくし、光軸Lに近い領域において小さくすることができるので、不均一な光強度分布を有する光束を略均一な光強度分布に変換する効果をより高めることができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態で示したビーム整形光学系10によれば、前群20と後群30とをそれぞれ1枚ずつの非球面レンズ(第1レンズ21及び第2レンズ31)から構成できるので、調芯作業に要する時間を削減でき、さらに、レンズにかかるコストを抑えることができる。また、このような効果は、R1o<R1i<0を満たすように前群20の第1レンズ21を構成することにより得られるものである。
また、第1レンズ21と第2レンズ31は、球面収差が発生しない状態で光束を出射するので、レンズ自体及びビーム整形光学系10全体の設計及び製作が容易となる。また、プラスチックによりレンズを成形するので、レンズ設計の自由度が増し、ビーム整形光学系10の精度を向上させることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、第1レンズ21及び第2レンズ31をプラスチックレンズであるとしたが、これに限らず、例えばガラスなど、レンズの材料として一般的に用いられているものを使用しても良い。
また、平坦分布領域として、光束径bの範囲内における光強度の最大値と最小値との差が最大値に対して10%以内であり、且つ、b/a≧0.5を満たす領域を指すものとしたが、これに限らず、ビーム整形光学系10を使用する対象や条件に応じて適宜変更可能である。
なお、図示は省略するが、上記ビーム整形光学系10を光ピックアップ装置に用いるには、第2レンズ31の後方に対物レンズを配置し、対物レンズからの出射光束を、光情報記録媒体の情報記録面上に集光させ、光情報記録媒体からの反射光を光検出器で読取る構成とすればよい。
【0032】
【実施例】
次に、ビーム整形光学系の実施例について説明する。
本実施例のビーム整形光学系は、図2に示したものと同様に、光源側から光束の進行方向に沿って配置される前群と後群とから構成され、各群はそれぞれ1枚の非球面レンズ(第1レンズL1及び第2レンズL2)を備える。また、第1レンズL1の前方に絞りが配置されている。
表1、表2に第1レンズL1及び第2レンズL2のレンズデータを示す。
【0033】
【表1】
【表2】
【0034】
表1に示すように、本実施例においては、波長532nmの光束を使用する。そして、第1レンズL1は、焦点距離F1=20.0mm、入射面(第1面)の近軸の曲率半径が−1.54844mm、出射面(第2面)の近軸の曲率半径が−2.90777mmに設定されている。
第2レンズL2は、焦点距離F2が42.0mm、入射面(第3面)の近軸の曲率半径が335.9483mm、出射面(第4面)の近軸の曲率半径が−24.6586mmに設定されている。
なお、表1中のdiは第i面から第i+1面までの光軸方向の距離、niは波長532nmの光束に対する第i面と第i+1面の間の屈折率を表している。
【0035】
第1レンズL1の入射面及び出射面と第2レンズL2の出射面は、それぞれ次式(数1)に表1及び表2に示す係数を代入した数式で規定される、光軸に対して対称な非球面に形成されている。
【0036】
【数1】
【0037】
ここで、X(h)は光軸L方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、A2iは非球面係数である。
【0038】
図3(a)は第1レンズL1の正弦条件不満足量を示すグラフ、図3(b)は第2レンズL2の正弦条件不満足量を示すグラフである。また、各グラフの縦軸は瞳座標(図3(a)は縦軸の1がφ5.0mmに相当し、図3(b)は縦軸の1がφ6.4mmに相当する。)を表している。
図3(a)、(b)から、第1レンズL1の正弦条件不満足量S1>0、第2レンズL2の正弦条件不満足量S2=0となり、正弦条件不満足量S1>0及び正弦条件不満足量S2≦0の条件を満たしていることが分かる。
【0039】
図4(a)は第1レンズL1の球面収差量を示すグラフ、図4(b)は第2レンズL2の球面収差量を示すグラフである。また、各グラフの縦軸は瞳座標(図4(a)は縦軸の1がφ5.0mmに相当し、図4(b)は縦軸の1がφ6.4mmに相当する。)を表している。
図4(a)、(b)から、第1レンズL1及び第2レンズL2のそれぞれで、出射光束の球面収差がほぼ補正されていることが分かる。
【0040】
図5(a)は、第1レンズL1へ入射する前の光束の光強度分布であり、光強度の最大値を100%とした場合における、光軸からの高さに応じた光強度の変化率を示すグラフであり、入射光束がガウス分布を持つことが分かる。
図5(a)より、入射光束の光強度分布において、光強度の最大値に対して50%の光強度となる点における光束径aは2.94mmであり、最大値に対して90%の光強度となる点における光束径bは1.14mmである。従って、b/a=0.388となり、b/a≧0.5を要件の一つとする平坦分布領域を持たないことが分かる。
【0041】
図5(b)は、第2レンズL2から出射された光束の光強度分布であり、光強度の最大値を100%とした場合における、光軸からの高さに応じた光強度の変化率を示すグラフである。
図5(b)より、出射光束の光強度分布において、上記光束径aは6.20mmであり、光束径bは4.38mmである。従って、b/a=0.706となり、b/a≧0.5の要件を満たしている。また、目視により、光束径bの範囲内における光強度の最大値と最小値との差が最大値に対して10%以内であることが分かる。
従って、本発明に係るビーム整形光学系により、不均一な光強度分布を有する入射光束が、光強度分布中に平坦分布領域を有する略均一な光強度に整形され、出射されたことを確認できた。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ビーム整形光学系を前群と後群とをそれぞれ1枚の非球面レンズから構成できるので、調芯作業に要する時間を削減でき、さらに、レンズにかかるコストを抑えることができる。
また、このような効果は、R1o<R1i<0を満たすように前群の非球面レンズを構成することにより得られることが判明した。
また、前群と後群の非球面レンズは、光束を球面収差が発生しない状態で出射するので、非球面レンズ自体及びビーム整形光学系全体の設計及び製作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平坦分布領域を説明するためのグラフである。
【図2】本実施の形態に係るビーム整形光学系の一例を示す平面図である。
【図3】正弦条件不満足量S1、S2に関するグラフ(a)、(b)である。
【図4】球面収差量に関するグラフ(a)、(b)である。
【図5】光強度分布に関するグラフ(a)、(b)である。
【符号の説明】
10 ビーム整形光学系
20 前群
21 第1レンズ
30 後群
31 第2レンズ
Claims (7)
- 入射光束の光強度分布を、光強度が略均一である平坦分布領域を含む分布となるように整形して出射するアフォーカル系のビーム整形光学系であって、
光源側から順に前群と後群とから構成され、これら前群及び後群がそれぞれ1枚の非球面レンズからなり、
前記前群の非球面レンズに関して、光軸からの高さをH1、高さH1の位置を通過した光束が前記前群と前記後群との間で光軸と成す角をθ1、焦点距離をF1、正弦条件不満足量S1をS1=H1/(F1×sinθ1)−1、屈折力をP1、入射面の近軸の曲率半径をR1i、出射面の近軸の曲率半径をR1oと規定したときに、
S1>0
P1>0
R1o<R1i<0
を満たすことを特徴とするビーム整形光学系。 - 請求項1に記載のビーム整形光学系であって、
前記後群の非球面レンズに関して、入射光束が前記前群と前記後群との間で光軸と成す角をθ2、角度θ2で入射した光束が出射される際の光軸からの距離(高さ)をH2、焦点距離をF2、正弦条件不満足量S2をS2=H2/(F2×sinθ2)−1と規定したときに、
S2≦0
を満たすことを特徴とするビーム整形光学系。 - 請求項1又は2に記載のビーム整形光学系であって、
前記前群の非球面レンズが、該前群の非球面レンズを通過する光束を球面収差が発生しない状態で出射し、
前記後群の非球面レンズが、該後群の非球面レンズを通過する光束を球面収差が発生しない状態で出射することを特徴とするビーム整形光学系。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のビーム整形光学系であって、
前記前群の非球面レンズ及び前記後群の非球面レンズが共にプラスチックレンズであることを特徴とするビーム整形光学系。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のビーム整形光学系であって、
前記平坦分布領域とは、出射光束の光強度分布において、光強度の最大値に対して50%の光強度となる点における光束径をa、最大値に対して90%の光強度となる点における光束径をbと規定したときに、前記光束径bの範囲内における光強度の最大値と最小値との差が最大値に対して10%以内であり、且つ、b/a≧0.5を満たす領域を指すことを特徴とするビーム整形光学系。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のビーム整形光学系を備え、該ビーム整形光学系により整形された出射光束を被加工物上に集光させて該被加工物を加工することを特徴とするレーザ加工機。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のビーム整形光学系を備え、該ビーム整形光学系から出射された光束を光情報記録媒体の情報記録面上に集光させて情報の再生及び/又は記録を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。
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