JP2004177527A - 光ピックアップ装置用光学系、光ピックアップ装置、光情報記録再生装置及び色収差補正素子 - Google Patents

光ピックアップ装置用光学系、光ピックアップ装置、光情報記録再生装置及び色収差補正素子 Download PDF

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Abstract

【課題】波長の短い青紫色レーザ光源を使用する光ピックアップ装置に搭載される光ピックアップ装置用光学系であって、入射する光の波長が変化した場合に発生するデフォーカス誤差及び球面収差を小さく抑えることができるピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】色収差補正素子CAは、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、この輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーがより大きくなる方向に、またその球面収差が補正不足となる方向に変化するような波長依存性を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置用光学系、光ピックアップ装置及び対物レンズに関し、特に、高密度な光情報記録又は再生を達成できる光ピックアップ装置用光学系、光ピックアップ装置、光情報記録再生装置及び色収差補正素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスクはCD(コンパクトディスク)またはDVD(デジタルバーサタイルディスク)で知られているように、音楽情報、映像情報の蓄積またはコンピューターデータの保存といった、デジタルデータの保存に広く使われている。更に、近年における情報化社会の到来とともに、これらの光ディスクの大容量化がより強く求められているという実情がある。
【0003】
ここで、光ディスクにおいて、単位面積あたりの記録容量(記録密度)の向上は、光ピックアップ装置用光学系から得られる集光スポットのスポット径を小さくすることで実現できる。このスポット径は、周知のようにλ/NA(ただし、λは光源の波長、NAは対物レンズの像側開口数)に比例するので、スポット径を小さくするためには、光ピックアップ装置で使用される光源の短波長化、及び光ディスクに対向して配置される対物レンズの高開口数化が有効である。
【0004】
このうち、光源の短波長化に関しては、波長400nm程度のレーザ光を発生する青紫色半導体レーザの研究が進展を見せており、その実用化も近いといえる。ここで、光ピックアップ装置では、一般的に情報の再生時のレーザパワーよりも記録時のレーザパワーの方が大きいため、再生から記録に切り替える際に出力変化により中心波長が瞬時的に数nmとぶ、いわゆるモードホッピング現象を起こす場合がある。かかるモードホッピング現象に起因して発生したデフォーカス誤差は、対物レンズをフォーカシング動作させることで除去できるが、対物レンズの軸上色収差が補正されていないと、対物レンズをフォーカシング動作させるまでの数nsecの間は、デフォーカス誤差による記録不良等の不具合が生じる。対物レンズの軸上色収差は、それを通過する光束の光源波長が短くなるほど大きくなるので、光源波長が短くなるほどモードホッピング現象に起因した波面収差劣化は大きくなる傾向がある。以上の理由から、特に青紫色半導体レーザを光源として使用する光ピックアップ装置では、対物レンズの軸上色収差の補正が必要であるといえる。
【0005】
対物レンズの軸上色収差を簡単な構成で補正するための素子として、回折作用を利用した色収差補正素子が公知である。青紫色半導体レーザを光源として使用する光ピックアップ装置において、対物レンズの軸上色収差を補正するためのかかる色収差補正素子を備えた光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置用光学系が、以下の特許文献1乃至3に記載されている。
【特許文献1】
特開2001−256672号公報
【特許文献2】
特開2001−108894号公報
【特許文献3】
特開2002−082280号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に記載された光ピックアップ装置は、青紫色半導体レーザ光源と対物レンズとの間の平行光束中に配置された回折素子により、対物レンズの軸上色収差を補正するものであり、特許文献2に記載された光ピックアップ装置用光学系は、青紫色半導体レーザ光源からの発散光束を平行光束に変換して対物レンズに導くためのコリメートレンズの光学面上に回折構造を形成して、その作用により、対物レンズの軸上色収差を補正するものであり、特許文献3に記載された光ピックアップ装置は、青紫色半導体レーザ光源と対物レンズとの間の平行光束中に配置されたエキスパンダーレンズの光学面上に回折構造を形成して、その作用により、対物レンズの軸上色収差を補正するものである。
【0007】
上記の光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置用光学系では、色収差補正素子から射出されて対物レンズに向かう光束が、回折構造の作用により半導体レーザの波長が、光ピックアップ装置用光学系の設計波長より長くなる方向に変化した場合には収斂光束となり、半導体レーザの波長が、光ピックアップ装置用光学系の設計波長より短くなる方向に変化した場合には発散光束となるので、この特性を利用することで、対物レンズの軸上色収差を補正することができる。しかるに、このように、半導体レーザの波長変化により対物レンズに向かう光束の発散度が変化すると、対物レンズの倍率が変化するため球面収差が発生する。
【0008】
光ピックアップ装置において光源として使用される半導体レーザは、製造誤差により個体間に±10nm程度の波長差がある。上記の光ピックアップ装置及び光ピックアップ装置用光学系において、このように波長が、光ピックアップ装置用光学系の設計波長からずれた半導体レーザを使用する場合、対物レンズの倍率変化に伴って発生する球面収差を除去するため、コリメートレンズ位置や半導体レーザ位置の初期調整が必要となり、光ピックアップ装置の製造コストが増大する。
【0009】
特に、上記の問題は、一般的に光ピックアップ装置のコスト低減やコンパクト化を図るための一手法である高開口数の対物レンズの単レンズ化によって、より顕在化される傾向がある。単レンズでは、入射光束の波長変化に伴う球面収差の変化(以降では、かかる球面収差の変化を「球面色収差」と呼ぶ)は開口数の4乗に比例して増大する。そのため、コリメートレンズ位置の調整や半導体レーザ位置の初期調整で、上記の対物レンズの倍率変化に伴い発生した球面収差変化に加えて、対物レンズ自身に残留する球面色収差を補正する必要がある。また、高開口数の対物レンズの単レンズ化を実現するためには、光学面同士の光軸ずれに対するマージンを確保するため、高屈折率材料を使用するのが望ましい。
【0010】
ところが、一般的に高屈折率材料は低分散であるので、色収差補正素子で補正するべき軸上色収差量が大きくなる傾向がある。そのため、かかる高屈折率材料からなる対物レンズの軸上色収差を補正するためには、色収差補正素子から対物レンズに向かう光束の、半導体レーザの波長変化に伴う発散度変化を大きく設定する必要があり、この結果、波長が光ピックアップ装置用光学系の設計波長からずれた半導体レーザを使用する場合に、対物レンズの倍率変化が大きくなる。従って、対物レンズの倍率変化に伴う球面収差の発生が大きくなり、コリメートレンズ位置の初期調整量や半導体レーザ位置の初期調整量が増大する。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、波長の短い青紫色レーザ光源を使用する光ピックアップ装置に搭載される光ピックアップ装置用光学系であって、入射する光の波長が変化した場合に発生するデフォーカス誤差及び球面収差を小さく抑えることができる光ピックアップ装置用光学系を提供することを目的とする。さらに、この光ピックアップ装置用光学系に適用可能な色収差補正素子を提供することを目的とする。また、これらの光ピックアップ装置用光学系や色収差補正素子を搭載した光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供することも本発明の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ピックアップ装置用光学系は、色収差補正素子と、前記色収差補正素子を介して入射する波長500nm以下の光束を集光する対物レンズとを備えた光ピックアップ装置用光学系において、
前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の原理について説明する。図1(a)は、本発明に係わる光ピックアップ装置用光学系OSの断面図であり、図1(b)は、色収差補正素子の半導体レーザ側の光学面の拡大図であり、図1(c)は、色収差補正素子の対物レンズOBJ側の光学面の拡大図である。本発明に係わる光ピックアップ装置用光学系OSは、図1に示すように、図示しない青紫色半導体レーザ光源から射出され、図示しないコリメートレンズによりコリメートされた平行光束中に配置される色収差補正素子CAと、この色収差補正素子CAを介した光束を、光ディスクODの保護層DPを介して情報記録面DR上に集光する対物レンズOBJとから構成されている。
【0014】
色収差補正素子CAはその光学面上に、拡大図(図1(b)、(c))に示したように微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成された輪帯構造(ここでは回折構造)を有し、かかる輪帯構造は、500nm以下の所定の波長から10nmの範囲で前記所定の波長(例えば、光ピックアップ装置用光学系OSの設計波長λ)より長い(又は短い)波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きく(又は小さく)なる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有する。そのため、色収差補正素子CAを通過した前記所定の波長の光束が平行光束であるとした場合、色収差補正素子CAを通過した前記所定の波長より長い(又は短い)波長の光束は収斂光束(又は発散光束)となるので、対物レンズOBJの軸上色収差を補正することが可能である。
【0015】
ところが、上述したように、半導体レーザの波長変化により対物レンズに向かう光束の発散度が変化すると、対物レンズの倍率が変化するため球面収差が発生する。例えば、光ピックアップ装置用光学系の設計波長λよりΔλだけ長い波長の青紫色半導体レーザを使用する場合、色収差補正素子CAを通過した光束は収斂光束となるので、そのままでは対物レンズの倍率は大きくなる方向に変化する。そのため、対物レンズの球面収差は補正過剰方向に変化する(図2(a)参照)。
【0016】
一方、光ピックアップ装置用光学系の設計波長λよりΔλだけ短い波長の青紫色半導体レーザを使用する場合、色収差補正素子CAを通過した光束は発散光束となるので、対物レンズの倍率は小さくなる方向に変化する。そのため、対物レンズの球面収差は補正不足方向に変化する(図2(b)参照)。
【0017】
これに対し、色収差補正素子CAの光学面上に形成された輪帯構造に、入射光束の波長変化に伴いその近軸パワーが変化するような近軸パワーの波長依存性に加えて、入射光束の波長変化に伴いその球面収差が変化するような球面収差の波長依存性を持たせることで、対物レンズOBJの倍率変化に伴って発生する球面収差を打ち消すように作用させることが可能である。すなわち、500nm以下の所定の波長から10nmの範囲で前記所定の波長(例えば、光ピックアップ装置用光学系OSの設計波長λ)より長い(又は短い)波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足(又は補正過剰)になる方向に変化するような球面収差の波長依存性を持たせることで、対物レンズOBJの倍率変化により、補正過剰(又は補正不足)になる方向に変化する球面収差を打ち消すことができる。
【0018】
ところが、色収差補正素子CAの輪帯構造に、入射光束の波長変化に伴って近軸パワーと球面収差の両方が変化するような特性を持たせると、隣接する輪帯同士の光軸に垂直な方向の間隔(以降、輪帯ピッチ)が、その設計波長の数倍程度と極めて微細な構造となり、また、輪帯の総数が極めて多くなってしまう。そのため、金型加工が困難となり、また、成形時の転写性の劣化が大きくなる。かかる転写性の劣化は、回折効率、すなわち光透過率の低下につながる。さらに、輪帯の総数が増加すると、金型加工に要する時間が増大するので製造コストが上昇してしまう。
【0019】
そこで、本発明においては、図1に示したように、色収差補正素子CAの両方の光学面上に輪帯構造を形成している。これにより、1つの光学面上に形成された輪帯構造の輪帯ピッチを広げることができ、さらに、輪帯の総数を少なくすることができる。例えば、上記輪帯構造の機能をそれぞれの光学面上の輪帯構造に均等に分配することで、1つの光学面上に形成された輪帯構造の輪帯ピッチは2倍となり、輪帯の総数は半分となるので、金型加工を容易にすることができ、さらに、転写性の劣化に伴う光透過率の低下を小さく抑えることができる。また、金型加工に要する時間が短縮される結果、製造コストを小さく抑えることができる。
【0020】
ところで、高開口数の単レンズ構成の対物レンズOBJを実現するためには、光学面同士の光軸ずれに対するマージンを確保するため、高屈折率材料を使用するのが望ましいが、一般的に高屈折率材料は低分散であるので、色収差補正素子CAで補正するべき軸上色収差量が大きくなる。そのため、かかる高屈折率材料からなる対物レンズOBJの軸上色収差を補正するためには、色収差補正素子CAから対物レンズOBJに向かう光束の、入射光束の波長変化に伴う発散度変化を大きく設定する必要があり、この結果、波長が設計波長からずれた半導体レーザを使用する場合に、対物レンズの倍率変化が大きくなるので、それに伴う球面収差の発生が大きくなる。また、対物レンズOBJが高開口数の単レンズである場合、対物レンズOBJの球面収差の波長特性は図3のようになる。単レンズでは、入射光束の波長がその設計波長より長く(又は短く)なった場合に、その球面収差が補正過剰(又は補正不足)になる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有する。この球面収差の変化量(図3において、マージナル光線の球面収差の変化量ΔSARに相当)は、開口数の4乗に比例して増大する。
【0021】
これに対して、本発明においては、色収差補正素子CAの輪帯構造に、入射光束の波長変化に伴って球面収差が変化するような特性を持たせたので、対物レンズOBJを高開口数の単レンズした場合でも、半導体レーザの波長変化に伴う倍率変化による球面収差の変化と、対物レンズOBJ自身の球面収差の変化(図3において、ΔSAR)の両方を打ち消すように作用させることが可能である。
尚、本明細書中で用いる「設計波長」とは、光学素子に対して倍率、温度、入射光束径等、全く同じ条件で様々な波長の光束を入射させた場合に、収差が最小となる波長、或いは、光学素子が回折構造を有する場合、回折構造が最大となる波長をいうものとする。又、色収差補正素子の素材は限定されないが、射出成形により光学面の微細構造を精度良く転写するためには、素材はプラスチックであることが望ましい。
【0022】
また、微細な輪帯構造を有する色収差補正素子を形成するための金型は、シリコン等で形成した母型の素材にレジストを塗布した上で、電子ビーム描画により微細構造を形成し、現像及びドライエッチングを経て得られた母型に対し、電鋳を成長させることで得ることができる。但し、金型の製造方法は、これに限られず、電子ビーム描画により、色収差補正素子の光学面に直接、微細構造を彫り込んでも良い。
【0023】
色収差補正素子は単体に限らず、例えば輪帯ピッチが小さくなりすぎて製造困難となる場合には、色収差補正素子を2つ以上設けて、それらの光学面を利用して回折パワーを分担させても良い。更に、色収差補正素子により、所望の球面収差を有する波面を発生させるには、少なくとも1つの非球面を色収差補正素子に設けるのが望ましい。より好ましくは、輪帯構造が巨視的に見て非球面とするのがよい。
【0024】
光ピックアップ装置用光学系に適用可能な色収差補正素子として、図示しない青紫色半導体レーザ光源から射出された発散光束の発散角を変換して対物レンズに導くカップリングレンズや、図示しないコリメートレンズによりコリメートされた平行光束の径を変換して対物レンズに導くエキスパンダーレンズを用いてもよい。
【0025】
また、図1の光ピックアップ装置用光学系OSでは、色収差補正素子CAの回折構造を平面上に形成しているが、凹面または凸面上に形成してもよい。特に、図1に示すように、かかる回折構造を凹面上に形成する場合は、後述の数2で表される回折構造の近軸パワーと、凹面の屈折面としての屈折パワーの絶対値をほぼ同じにして、その符号を逆にすると、色収差補正素子CAに入射する光束径と色収差補正素子CAから射出される光束径とをほぼ同じにすることができる(図1(a)参照)。このとき、かかる回折構造を光軸を含む断面で見ると、図1(b)、(c)の拡大図に示されるように、各輪帯構造が階段状となる。
【0026】
請求項2に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記対物レンズは、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズであると、より高い屈折率を得ることができるので好ましい。
【0027】
請求項3に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記対物レンズは、h線の屈折率が1.6以上の材料から形成された単レンズであると好ましい。
【0028】
請求項4に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記対物レンズは、像側開口数が0.7以上とされると好ましい。
【0029】
請求項5に記載の光ピックアップ装置用光学系において、光軸から遠い側にある輪帯ほどその面積が小さくなると好ましい。
【0030】
請求項6に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記輪帯構造のうち、前記色収差補正素子の有効径の半分の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPh、前記色収差補正素子の有効径の周辺の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPf、としたとき、次式を満たすと好ましい。
0.4<Ph/Pf−2<8 (1)
【0031】
請求項7に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となると好ましい。
m=INT(Y) (2)
(ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
【0032】
すなわち、高次の回折光を用いて、上述した機能を発揮させるようにした場合、図1(a)、(b)に点線で示すように、1面当たりの輪帯ピッチを倍数分広げることが可能となる。それにより、色収差補正素子をより容易に製造できる。
【0033】
請求項8に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であると好ましい。色収差補正素子の両面に輪帯構造を設けた場合、そのパワーをゼロとするためには(すなわち、光源と対物レンズの平行光束中に配置できるようにするためには)、かかる輪帯構造は巨視的に見て凸面又は凹面を構成することが望ましい。
【0034】
請求項9に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であると好ましい。色収差補正素子の入射光束径と出射光束径とを等しくするためには、光軸近傍の輪帯構造を階段状とする必要があるからである。尚、色収差補正素子の入射光束径と出射光束径とを等しく維持すれば、色収差補正素子によって光束が曲げられないので、シェーディングによる回折効率の低下を抑制できる。
【0035】
請求項10に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記輪帯の総数が1つの光学面あたり20以上150以下であると好ましい。
【0036】
請求項11に記載の光ピックアップ装置用光学系において、前記色収差補正素子と前記対物レンズは、保持部材で光軸直交方向に固定されてなると好ましい。本発明において、色収差補正素子CAで故意に球面収差を発生させるので、製造誤差により波長が基準波長からずれた青紫色半導体レーザを使用した場合に、対物レンズのトラッキング駆動を行うと、色収差補正素子と対物レンズとの光軸ズレが生じ、それによりコマ収差が発生する恐れがある。従って良好なトラッキング特性を得るためには、前記色収差補正素子と前記対物レンズとを保持部材で光軸直交方向に固定させ、光軸ズレが生じないよう一体的にトラッキング駆動を行うことが望ましい。色収差補正素子CAと対物レンズOBJを一体化した具体例を、図4及び図5に示す。図4では、色収差補正素子CAのフランジ部CAFと、対物レンズOBJのフランジ部FLがここでいう保持部材を兼ねており、両者を接合部で嵌合・接着することで一体化している。また、図5では、色収差補正素子CAや対物レンズOBJとは別体の保持部材HLにより色収差補正素子CAと対物レンズOBJを嵌合し、接合部で接着することで一体化している。
【0037】
請求項12に記載の光ピックアップ装置は、
光源波長が500nm以下である光源と、
前記光源から射出された光束を光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用光学系と、を有する光ピックアップ装置において、
前記光ピックアップ装置用光学系は、色収差補正素子と、前記色収差補正素子を介して入射する前記光源からの光束を集光する対物レンズとを備え、
前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする。
【0038】
請求項13に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズは、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズであることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項2に記載の作用効果と同様である。
【0039】
請求項14に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズは、h線の屈折率が1.6以上の材料から形成された単レンズであることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項3に記載の作用効果と同様である。
【0040】
請求項15に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズは、像側開口数が0.7以上とされたことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項4に記載の作用効果と同様である。
【0041】
請求項16に記載の光ピックアップ装置において、光軸から遠い側にある輪帯ほどその面積が小さくなると好ましい。
【0042】
請求項17に記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯構造のうち、前記色収差補正素子の有効径の半分の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPh、前記色収差補正素子の有効径の周辺の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPf、としたとき、次式を満たすと好ましい。
0.4<Ph/Pf−2<8 (1)
【0043】
請求項18に記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となることを特徴とする。
m=INT(Y) (2)
(ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
本発明の作用効果は、請求項7に記載の作用効果と同様である。
【0044】
請求項19に記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項8に記載の作用効果と同様である。
【0045】
請求項20に記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項9に記載の作用効果と同様である。
【0046】
請求項21に記載の光ピックアップ装置において、前記輪帯の総数が1つの光学面あたり20以上150以下であると好ましい。
【0047】
請求項22に記載の光ピックアップ装置において、前記色収差補正素子と前記対物レンズは、保持部材で光軸直交方向に固定されたことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項11に記載の作用効果と同様である。
【0048】
請求項23に記載の光情報記録再生装置において、請求項9乃至16に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする。
【0049】
請求項24に記載の色収差補正素子は、光源波長500nm以下の光源と、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズ構成の対物レンズとの間の光路中に配置される色収差補正素子であって、
前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする。
【0050】
請求項25に記載の色収差補正素子において、前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となることを特徴とする。
m=INT(Y) (2)
(ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
本発明の作用効果は、請求項5に記載の作用効果と同様である。
【0051】
請求項26に記載の色収差補正素子において、前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項6に記載の作用効果と同様である。
【0052】
請求項27に記載の色収差補正素子において、前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項7に記載の作用効果と同様である。
【0053】
なお、本明細書において、回折構造が形成された光学面とは、光学素子の表面、例えばレンズの表面に、レリーフを設けて、入射光束を回折させる作用を持たせる面のことをいい、同一の光学面に回折の作用を生じる領域と生じない領域がある場合は、回折の作用を生じる領域をいう。また、回折構造とは、この回折を生じる領域のことをいう。レリーフの形状としては、例えば、光学素子の表面に、光軸を中心として略同心円状の輪帯として形成され、光軸を含む平面でその断面をみれば、各輪帯は鋸歯状、あるいは階段状のような形状が知られているが、そのような形状を含むものである。
【0054】
なお、本明細書において、対物レンズとは光ピックアップ装置に光情報記録媒体(光ディスク)を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有するレンズを指すものとする。従って、本明細書において、対物レンズの開口数及び像側開口数とは光情報記録媒体側の開口数であって、それぞれの光情報記録媒体の規格で規定されている開口数、あるいは、それぞれの光情報記録媒体に対して、使用する光源の波長に応じ、情報の記録/再生をするために必要なスポット径を得ることができる、回折限界性能を有する開口数を指すものとする。
【0055】
また、本明細書において、情報の記録とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上に情報を記録することをいう。また、本明細書において、情報の再生とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上に記録された情報を再生することをいう。本発明による対物レンズは、記録だけあるいは再生だけを行うために用いられるものであってもよいし、記録および再生の両方を行うために用いられるものであってもよい。また、ある光情報記録媒体に対しては記録を行い、別の光情報記録媒体に対しては再生を行うために用いられるものであってもよいし、ある光情報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の光情報記録媒体に対しては記録および再生を行うために用いられるものであってもよい。なお、ここでいう再生とは、単に情報を読み取ることを含むものである。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光ピックアップ装置用光学系OSを搭載した光ピックアップ装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図6は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置PUの概略構成図である。光ピックアップ装置PUは、図6に示すように光源となる半導体レーザLDを備えている。半導体レーザLDは、波長400nm程度の光束を射出するGaN系青紫色半導体レーザ、或いはSHG青紫色半導体レーザである。この半導体レーザLDから射出された発散光束は、偏光ビームスプリッタBSを透過し、1/4波長板WPを経て円偏光の光束となった後、カップリングレンズCULで平行光束となる。この平行光束は絞りSTを経た後、色収差補正素子CAに入射し、その後対物レンズOBJによって光ディスクODの保護層DPを介して情報記録面DR上に集光スポットとして形成される。色収差補正素子CAと対物レンズOBJは、色収差補正素子CAのフランジ部CAF及び対物レンズOBJのフランジ部FLを嵌合・接着することで一体化されており、2軸アクチュエータACによって一体となってフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動される。対物レンズOBJはd線のアッベ数が65以下、或いはh線の屈折率が1.6以上の材料から形成された単レンズであって、光ディスクOD側の開口数が0.7以上とされている。
【0057】
情報記録面DRで情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、色収差補正素子CAを透過した後、絞りSTを経てカップリングレンズCULにより収斂光束となる。この収斂光束は、1/4波長板WPにより直線偏光とされた後、偏光ビームスプリッタBSによって反射され、シリンドリカルレンズCY、凹レンズNLを経ることによって非点収差が与えられ、光検出器PDの受光面上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号に基づいて生成されたフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を用いて光ディスクODに対して情報の記録及び/又は再生を行う。
【0058】
また、本発明に係わる光情報記録再生装置は、上述した光ピックアップ装置PUと、光ディスクODをこの光ピックアップ装置により情報の記録/再生が可能に支持する図示しない光情報記録媒体支持手段とを有して構成されるものである。光情報記録媒体支持手段は、光ディスクODの中心部分を保持して回転操作する回転操作装置によって構成される。
【0059】
上述のように構成された光ピックアップ装置PU及び上述の光情報記録再生装置における光ピックアップ装置PUにおいて、色収差補正素子CAの両方の光学面上には、請求項1に記載のような輪帯構造が形成されているので、半導体レーザLDがモードホッピングを起こした場合でも、集光スポットのデフォーカス誤差の発生が小さく、光ディスクODに対して常に良好に記録を行うことができる。さらに、半導体レーザLDの波長が、製造波長により色収差補正素子CAや対物レンズOBJの設計波長からずれている場合でも、集光スポットの球面収差の変化が小さいので、半導体レーザLDの位置やカップリングレンズCULの位置の初期調整が不要であるので、光ピックアップ装置PUの製造コストを削減できる。このとき、色収差補正素子CAと対物レンズOBJは一体となってトラッキング駆動を行うので、トラッキング駆動によるコマ収差の発生がなく良好なトラッキング特性が得られる。
【0060】
(実施例)
次に、上述した光ピックアップ装置用光学系OSとして好適な実施例を提示する。本実施例の光ピックアップ装置用光学系OSにおいて、設計波長は407.5nm、対物レンズOBJの焦点距離は1.41mm、対物レンズOBJの像側開口数は0.85、対物レンズOBJの入射瞳径は2.4mmである。
【0061】
実施例における非球面は、その面の頂点に接する平面からの変形量をX(mm)、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、曲率半径をr(mm)とするとき、次の数1で表される。ただし、κを円錐係数、A2iを非球面係数とする。
【数1】
Figure 2004177527
【0062】
また、実施例における回折構造としての輪帯構造は、この輪帯構造により透過波面に付加される光路差で表される。かかる光路差は、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、b2jを回折面係数(光路差関数係数ともいう)とするとき次の数2で定義される光路差関数Φ(mm)で表される。
【数2】
Figure 2004177527
【0063】
この光路差関数Φ(mm)の値をもとに回折構造を形成する場合、光路差関数Φ(mm)の値が設計波長407.5nmのn倍(ただし、nは自然数)変わる毎に輪帯を形成する。
【0064】
また、実施例のレンズデータ表において、r(mm)は曲率半径、d(mm)は面間隔、Ndはdにd線における屈折率、N417.5は波長417.5nmにおける屈折率、N407.5は設計波長407.5nmにおける屈折率、N397.5は波長397.5nmにおける屈折率、Nhはh線(波長404.7nm)における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を表している。尚、これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば 2.5×10−3)を、E(例えば 2.5×E―3)を用いて表すものとする。
【0065】
実施例の光ピックアップ装置用光学系のレンズデータを表1に示す。又、その断面図を図7に示し、実施例にかかる光ピックアップ装置用光学系の対物レンズにおける球面収差図を図8(a)に示し、実施例にかかる光ピックアップ装置用光学系全体における球面収差図を図8(b)に示す。本実施例は、図1に示した光ピックアップ装置用光学系OSとして好適なものであり、対物レンズOBJと、この対物レンズOBJと光源の平行光束中に配置された色収差補正素子CAとから構成されている。色収差補正素子CAはプラスチックレンズであり対物レンズOBJはガラスレンズである。なお、色収差補正素子CAは、その光束射出面(表1において第2面)の直径3.4mm内で無収差となるように設計されている。
【表1】
Figure 2004177527
【0066】
対物レンズOBJは、図8(a)に示したように波長417.5nmに対してバックフォーカスが約2.5μm長くなり、さらに球面収差が補正過剰方向に変化し、その波面収差は0.044λrmsとなる。これに対して、対物レンズOBJに色収差補正素子CAを組み合わせることで、図8(b)から明らかなように、波長変化に対するバックフォーカスの変化と球面収差の変化はほぼ完全に補正される。尚、色収差補正素子CAと対物レンズOBJとの合成系の波長417.5nmに対する波面収差は0.005λrmsである。また、本実施例では色収差補正素子CAと対物レンズOBJとの間隔(表1において第2面と第3面との間隔)を2mmとしているが、色収差補正素子CAによる軸上色収差と球面色収差の補正効果は、この間隔にほとんど依存しないので、色収差補正素子CAと対物レンズOBJとの間隔は自由に設定することができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、波長の短い青紫色レーザ光源を使用する光ピックアップ装置に搭載される光ピックアップ装置用光学系であって、高開口数の対物レンズを用い、且つ入射する光の波長が変化した場合にも、軸上色収差と球面収差の双方を小さく抑えることができる光ピックアップ装置用光学系を提供することができる。さらに、この光ピックアップ装置用光学系に適用可能な色収差補正素子を提供することを目的とする。また、これらの光ピックアップ装置用光学系や色収差補正素子を搭載した光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明に係わる光ピックアップ装置用光学系OSの断面図であり、図1(b)、(c)は、色収差補正素子の光学面の拡大図である。
【図2】補正が補正過剰になる場合(a)及び補正不足になる場合(b)を説明するための球面収差図である。
【図3】本発明にかかる光ピックアップ装置用光学系の球面収差の補正を説明するための図である。
【図4】保持部材を含む光ピックアップ装置用光学系の断面図であり、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)及び(d)は色収差補正素子の光学面の拡大図である。
【図5】別な保持部材を含む光ピックアップ装置用光学系の断面図であり、(a)は正面図、(b)は断面図、(c)及び(d)は色収差補正素子の光学面の拡大図である。
【図6】本実施の形態にかかる光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。
【図7】実施例に係わる光ピックアップ装置用光学系OSの断面図である。
【図8】実施例にかかる光ピックアップ装置用光学系の対物レンズにおける球面収差図(a)であり、実施例にかかる光ピックアップ装置用光学系全体における球面収差図(b)である。
【符号の説明】
PU 光ピックアップ装置
OBJ 対物レンズ
CUL カップリングレンズ
LD 半導体レーザ
AC アクチュエータ
ST 絞り
PD 光検出器
OD 光ディスク

Claims (27)

  1. 色収差補正素子と、前記色収差補正素子を介して入射する波長500nm以下の光束を集光する対物レンズとを備えた光ピックアップ装置用光学系において、
    前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする光ピックアップ装置用光学系。
  2. 前記対物レンズは、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  3. 前記対物レンズは、h線の屈折率が1.6以上の材料から形成された単レンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  4. 前記対物レンズは、像側開口数が0.7以上とされたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  5. 光軸から遠い側にある輪帯ほどその面積が小さくなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  6. 前記輪帯構造のうち、前記色収差補正素子の有効径の半分の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPh、前記色収差補正素子の有効径の周辺の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPf、としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
    0.4<Ph/Pf−2<8 (1)
  7. 前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
    m=INT(Y) (2)
    (ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
    Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
  8. 前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  9. 前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  10. 前記輪帯の総数が1つの光学面あたり20以上150以下であることを特徴とする請求項1乃至9に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  11. 前記色収差補正素子と前記対物レンズは、保持部材で光軸直交方向に固定されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置用光学系。
  12. 光源波長が500nm以下である光源と、
    前記光源から射出された光束を光情報記録媒体の情報記録面上に集光させることによって情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置用光学系と、を有する光ピックアップ装置において、
    前記光ピックアップ装置用光学系は、色収差補正素子と、前記色収差補正素子を介して入射する前記光源からの光束を集光する対物レンズとを備え、
    前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  13. 前記対物レンズは、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズであることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記対物レンズは、h線の屈折率が1.6以上の材料から形成された単レンズであることを特徴とする請求項12又は13に記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記対物レンズは、像側開口数が0.7以上とされたことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  16. 光軸から遠い側にある輪帯ほどその面積が小さくなることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記輪帯構造のうち、前記色収差補正素子の有効径の半分の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPh、前記色収差補正素子の有効径の周辺の位置における輪帯の光軸に垂直な方向の幅をPf、としたとき、次式を満たすことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
    0.4<Ph/Pf−2<8 (1)
  18. 前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
    m=INT(Y) (2)
    (ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
    Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
  19. 前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  21. 前記輪帯の総数が1つの光学面あたり20以上150以下であることを特徴とする請求項12乃至20に記載の光ピックアップ装置。
  22. 前記色収差補正素子と前記対物レンズは、保持部材で光軸直交方向に固定されたことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  23. 請求項12乃至22に記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光情報記録再生装置。
  24. 光源波長500nm以下の光源と、d線のアッベ数が65以下の材料から形成された単レンズ構成の対物レンズとの間の光路中に配置される色収差補正素子であって、
    前記色収差補正素子は、微細な段差をもって分割された複数の輪帯から構成され、かつ、回折作用により所定の入射光に対して所定の次数の回折光を生じる輪帯構造を、少なくとも2つの光学面上に有し、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その近軸パワーが前記所定の波長との波長差に応じてより大きくなる方向に変化するような近軸パワーの波長依存性を有するとともに、
    前記輪帯構造は、500nm以下の所定の波長より10nmの範囲で長い波長の光束が通過した場合に、その球面収差が前記所定の波長との波長差に応じてより補正不足となる方向に変化するような球面収差の波長依存性を有することを特徴とする色収差補正光学素子。
  25. 前記輪帯構造の隣接する輪帯同士の境界における光軸方向の段差量をΔ(μm)、前記色収差補正素子の設計波長をλ(nm)、前記設計波長λにおける前記色収差補正素子の屈折率をnとしたとき、次式で表されるmが2以上の整数となることを特徴とする請求項24に記載の色収差補正光学素子。
    m=INT(Y) (2)
    (ただし、INT(Y)はYを四捨五入して得られる整数)
    Y=Δ×(n−1)/(λ×10) (3)
  26. 前記輪帯構造は、巨視的にみると凹面または凸面であることを特徴とする請求項24又は25に記載の色収差補正素子。
  27. 前記輪帯構造の内、光軸近傍の輪帯構造を光軸を含む断面でみたとき、階段状であることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の色収差補正素子。
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