JP4378513B2 - 支持体付金属ナノ粒子、金属ナノ粒子連続体およびそれらの製造方法 - Google Patents

支持体付金属ナノ粒子、金属ナノ粒子連続体およびそれらの製造方法 Download PDF

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    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機材料からなる支持体に金属ナノ粒子を担持させた支持体付金属ナノ粒子、金属ナノ粒子連続体およびそれらの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、有機成分からなる支持体をマトリックスとした均一な金属ナノ粒子および金属ナノ粒子連続体を簡易かつ安価に製造できる製造方法、ならびにこれらの方法により製造される支持体付金属ナノ粒子および金属ナノ粒子連続体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ナノメートルサイズ(以下「ナノサイズ」という)でサイズ、厚み、形状等が制御された無機化合物材料は、表面の化学的、力学的及び光学的特性を大きく改善し得ることが報告されている。それ以来、蛍光材料、磁性材料、各種センサーの製造、高密度の電子デバイスなどの各種の分野においてナノテクノロジーに関する研究が盛んに行われている。このようなナノ材料の創造には、原子・分子から出発するボトムアップの物質合成プロセスが不可欠となる。中でも、金属ナノ粒子あるいは超薄膜の組成、構造を分子、原子レベルで設計する技術は、広範囲の分野での重要な基盤技術となる。
【0003】
従来、ナノサイズに制御した金属ナノ粒子の合成法としては、均一溶液中に安定剤を共存させて金属イオンを還元する方法、均一ポリマーのマトリックス中において金属イオンを還元する方法などが知られている。
例えば、一時的に安定剤および還元剤を使用することにより金属微小粒子を製造する方法が知られている(特許文献1:特開平2002−146235号公報)。この方法によれば、燃料電池に用いられる程度の僅かな不純物しか含まない貴金属含有微小粒子を製造することができる。しかし、この方法では、安定剤および還元剤を添加する工程と、添加した安定剤および還元剤を除去する工程が含まれるため、工程が複雑であり、金属ナノ粒子を製造する方法としては、必ずしも簡易な方法とはいえなかった。
【0004】
また、極性基を有するポリマー中に金属ナノ粒子を含有させた金属ナノ粒子の製造方法が知られている(特許文献2:特開平9−188778号公報)。しかし、この方法では、ポリマー中で金属イオンをイオン交換させる必要があるため、用いられるポリマーはイオン交換可能な極性基を有することが条件となる。このため、この方法では、イオン交換可能な極性基を有しないポリマーは使用することができず、用いるポリマーが限定されるという欠点があった。
【0005】
一方、本発明者らは、これまでに金属酸化物を支持体として金属ナノ粒子を簡便に合成する方法について開発している(非特許文献1:賀、国武ほか、“In Situ Synthesis of Nobel Metal Nanoparticles in Ultrathin TiO2-Gel Films by a Combination of Ion-Exchange and Reduction Processes”, Langmuir 2002, 18, pp10005-10010)。しかし、この方法で用いられる支持体はTiO2薄膜であって有機成分からなる支持体でない。また、この方法も、特許文献2と同様、金属イオンをイオン交換させる必要があるため、使用可能なマトリックスが制限されるという課題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平2002−146235号公報(請求項11、[0013]〜[0028])
【特許文献2】
特開平9−188778号公報(請求項1〜13、[0007]〜[0028])
【非特許文献1】
賀、国武ほか、“In Situ Synthesis of Nobel Metal Nanoparticles in Ultrathin TiO2-Gel Films by a Combination of Ion-Exchange and Reduction Processes”, Langmuir 2002, 18, pp10005-10010
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、簡単に入手可能な天然由来または人工の有機材料を用いて金属ナノ粒子を簡単かつ精度良く確実に形成し得る方法として満足の行くものは、これまで開発されていない。本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、種々の天然由来または人工の有機材料をマトリックスとして金属ナノ粒子をその場(in-situ)で簡単かつ精度よく得ることができる支持体付金属ナノ粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明のもう一つの目的は、天然由来または人工の有機材料を用いて容易に作製される金属ナノ粒子連続体およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、天然由来または人工の有機材料を支持体として用いた場合においても、金属イオンが穏やかな条件下で支持体に吸着され、その状態で金属イオンを還元することにより前記支持体において金属ナノ粒子を容易に製造できることを見出した。さらに、本発明者らは、得られた支持体に担持させた金属ナノ粒子を一定条件下で処理することにより、3次元的な構造を有する金属ナノ粒子連続体を容易に製造できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成された。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる工程Aと、吸着した金属イオン含有化合物を還元し、前記支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bとを有することを特徴とする、支持体付金属ナノ粒子の製造方法およびその製造方法により得られる支持体付金属ナノ粒子により達成される。
【0010】
また、本発明のもう一つの目的は、有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる工程Aと、吸着した金属イオン含有化合物を還元し、前記支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bと、酸素プラズマ、オゾン酸化および焼成から選ばれる少なくとも1種の処理方法により前記支持体を除去して金属ナノ粒子連続体を形成させる工程Cとを有することを特徴とする金属ナノ粒子連続体の製造方法、ならびにその製造方法により得られる金属ナノ粒子連続体により達成される。
【0011】
本発明の製造方法は、前記支持体を炭化処理する工程Dを有することができ、該工程Dは、前記工程Bの後に行うことが好ましい。また、本発明の製造方法では、吸着が金属イオン含有化合物を含む溶液中に前記支持体を浸漬させることにより行われることが好ましい。また、本発明の製造方法では、金属イオン含有化合物として金属塩または金属錯体化合物を用いることが好ましい。また、本発明の製造方法では、前記工程Aの支持体として多孔質基材を用いることが好ましい。
【0012】
本発明の支持体付金属ナノ粒子は、金属ナノ粒子の平均粒径が1〜100nmであることが好ましく、さらに導電性を有することが好ましい。また、本発明の金属ナノ粒子連続体は、支持体を鋳型とした形状を有することが好ましい。
【0013】
本発明の製造方法であれば、支持体として容易かつ安価に入手可能な天然由来または人工の有機材料をマトリックスとした支持体付金属ナノ粒子を容易かつ確実に精度よく製造できる。さらに、本発明の製造方法であれば、炭素支持体をマトリックスとして用いた場合には、導電性を有する支持体付金属ナノ粒子を簡単かつ安価に提供することができる。
また、本発明の製造方法であれば、金属イオン含有化合物を支持体に吸着、還元させた後、該支持体を除去するだけで、支持体を鋳型とした形状を有する金属ナノ粒子連続体を容易かつ経済的に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の支持体付金属ナノ粒子およびその製造方法、ならびに金属ナノ粒子連続体およびその製造方法について説明する。
なお、本明細書において、「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。また、本明細書において「吸着」とは、支持体の内部または表面の反応基(好ましくは水酸基またはカルボキシル基)と金属イオン含有化合物との間に、化学結合(共有結合、水素結合、配位結合等)、静電的な結合(イオン結合等)または物理的な結合が形成され、金属イオン含有化合物が支持体に結合されている状態を意味し、支持体においてイオン交換が行われるものは含まれない。また、本明細書において「金属ナノ粒子連続体」とは、単一のまたは複数の種類の金属ナノ粒子どうしが相互に融着または融合することにより、金属ナノ粒子が連続して結合されている構造体を意味する。
【0015】
[支持体付金属ナノ粒子の製造方法および支持体付金属ナノ粒子]
本発明の製造方法は、有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる工程Aと、吸着した金属イオン含有化合物を還元し、前記支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bとを有する。
【0016】
<工程A>
本発明の製造方法で用いられる支持体は、金属イオン含有化合物を吸着し得る有機材料からなるものであれば、特にその種類は限定されない。例えば、本発明における支持体は、表面に反応基(好ましくは水酸基またはカルボキシル基)を有する天然由来または人工の有機材料からなる支持体であることができる。また支持体は、内部に複数の細孔を有する多孔質基材であることが好ましい。そのような支持体を例示すれば、濾紙、セルロースシート、綿糸、毛糸などの糸類、綿布、綿織物、毛糸織物などの織物類、繊維、木片、竹材、合成ポリマーからなるシートおよび織物、木炭などの炭素材料等、各種の有機材料を挙げることができる。支持体は、表面に反応基を多く有するセルロースシート、綿布などを好適に用いることができる。さらに、本発明の製造方法では、後述する炭化処理(工程D)により炭化させた支持体を用いることもできる。
【0017】
本発明の製造方法で用いられる支持体の大きさ、形状、構造等は特に限定されない。本発明の製造方法では、支持体に金属イオン含有化合物を吸着させるため、支持体は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の支持体を適宜選択することができる。例えば、支持体の形状は、平板状、繊維状、ビーズ状、粉末状、薄片状などの様々な形状であってもよく、さらに大面積の支持体にも対応することができる。後述する金属ナノ粒子連続体を作製し、製品へ応用する観点からは、フィルム状の支持体を用いることが好ましい。
【0018】
また、上記支持体の表面(多孔性支持体の場合、支持体内部の孔内および表面)に反応基(好ましくは水酸基またはカルボキシル基)が存在しない場合、該支持体の表面に、新たに反応基を導入することにより、本発明における支持体として用いることもできる。支持体の表面への反応基(水酸基またはカルボキシル基)の導入方法は、例えば、公知の水酸基の導入方法またはカルボキシル基の導入方法などを採用することができる。
【0019】
上記支持体の内部または表面に存在させ、または導入する反応基(好ましくは水酸基またはカルボキシル基)の単位面積当たりの量は、支持体に形成される金属ナノ粒子数の密度や製造効率等に影響を与える。例えば、多数の金属ナノ粒子を支持体において形成させる場合、反応基(好ましくは水酸基またはカルボキシル基)の量を5.0×1013〜5.0×1014当量/cm2とすることが適当であり、1.0×1014〜2.0×1014当量/cm2とすることが好ましい。
【0020】
本発明の製造方法で用いられる金属イオン含有化合物は、水中でカチオンまたは配位性の金属化合物として存在できるものであれば、特に制限はない。水中において金属イオン含有化合物がカチオンとして溶解する金属塩化合物を例示すれば、硝酸クロミウム(Cr(NO3)3)、硝酸マンガン(Mn(NO3)2)、硝酸鉄(Fe(NO3)3)、硝酸コバルト(Co(NO3)2)等の第一遷移金属の金属塩、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)、硝酸銀(AgNO3)、硝酸カドミウム(Cd(NO3)2)等の第二遷移金属の金属塩、硝酸ランタン(La(NO3)3)、硝酸ガドリニウム(Gd(NO3)3)等のランタノイド金属の金属塩、硝酸バリウム(Ba(NO3)2)、硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)などのアルカリ土類金属の金属塩、硝酸カリウム(KNO3)、硝酸リチウム(LiNO3)等のアルカリ金属の金属塩などが挙げられる。また、配位性を有する三塩化金(AuCl3)、塩化白金(PtCl3)、塩化第二白金(PtCl4)塩化パラジウム(PdCl3)などの金属塩化物も好適に用いることができる。また、水中にカチオンの金属イオンを与える化合物の対アニオンは特に限定されない。水酸化ナトリウム(NaOH)の希薄溶液なども本発明の金属イオン化合物として用いることができる。また、本発明の製造方法では、[Cu(NH3)4]2+、[Fe(NH3)6]3+、[Co(NH3)4]2+ などの金属錯体化合物も用いることができる。
【0021】
本発明の製造方法では、上記の金属イオン含有化合物を必要に応じて二種以上組み合わせて用いることもできる。異種の金属イオンを組み合わせることにより複合金属ナノ粒子を形成することができる。
【0022】
本発明の製造方法において、上記金属イオン含有化合物を溶解する溶媒は、金属イオン含有化合物(金属塩、金属錯化合物など)を溶解して金属イオン、金属錯体、または配位性の金属化合物を生成し得る溶媒であれば、特に限定されない。例えば、溶媒として水、トルエン、THF、メタノール、エタノール、クロロホルム、ヘキサン、DMF、DMSOなどを単独でまたは組合わせて用いることできる。
【0023】
上記金属イオン含有化合物の濃度は、形成される金属ナノ粒子の平均粒径および分散性に影響を及ぼすものであるため、製造すべき金属ナノ粒子の粒径に応じて適宜決定することができる。金属イオン含有化合物の濃度は1〜100mMの範囲の濃度であることが好ましく、10mM程度であることがさらに好ましい。
【0024】
工程Aにおいて、支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、支持体を金属イオン含有化合物を含む溶液中に浸漬させて、支持体表面または支持体内部の細孔内に金属イオン含有化合物を吸着させる方法、多孔性支持体の場合、前記溶液中に多孔性支持体を浸漬させた後、該溶液を減圧下で多孔性支持体の細孔から吸引する方法などが挙げられる。また、工程Aの回数は特に制限はなく、吸着させるべき金属イオン含有化合物の量に応じて適宜決定することができる。
【0025】
また、工程Aにおける金属イオン含有化合物の吸着時間および吸着温度は、用いられる金属イオン含有化合物の種類や性質によって異なり、一概に限定することはできないが、一般には、1分から数時間で、0〜100℃の範囲内で決定すればよい。
【0026】
<工程B>
本発明の製造方法は、前記工程Aで支持体に吸着させた金属イオン含有化合物を還元して支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bを有する。
工程Bで金属イオン含有化合物を還元する方法は、公知の還元方法を制限されることなく用いることができる。例えば、還元剤を用いて還元を行う場合、還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ホウ素カリウム(KaBH4)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH3)、グリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ヨウ化水素(HI)、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン系化合物、ジメチルアミノエタノール、ジメチルエチルアミンなどの2級、3級アミン化合物などを用いることができる。また、水素、一酸化炭素などの還元性雰囲気中での処理や水素プラズマ、あるいは光照射などの方法により還元することもできる。還元剤の濃度、水素プラズマの強度、光源の種類、光の強度、還元時間、還元温度などは、公知の還元方法の条件を用いることができる。
【0027】
なお、溶液中での還元反応を行う際、 反応系中へ水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物、無機酸、有機酸等のpH調整剤、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン酸系統のもの、あるいはホウ素、炭酸等の無機酸、有機酸、無機酸のアルカリ塩等の緩衝剤、硫化物、フッ化物等の促進剤、塩化物、硫化物、硝化物等の安定剤、界面活性剤等の改良剤等を加えることは本発明をなんら逸脱するものではない。また還元性雰囲気中での熱処理による方法の際、不活性ガスとして窒素、アルゴン、ヘリウム等を併用することについても同様である。
【0028】
<工程D>
本発明の製造方法は、上記工程A、Bの他に、さらに支持体を炭化処理する工程Dを有することができる。工程Dにおける炭化処理は、公知の炭化処理方法を用いることができる。炭化処理の条件は、用いられる金属イオン含有化合物と支持体の種類により適宜決定することができる。例えば、不活性ガス(好ましくは窒素ガス)雰囲気中で、1〜100℃/分の昇温速度で150〜500℃、好ましくは、5〜70℃/分の昇温速度で180〜450℃の範囲の温度、さらに好ましくは、5〜20℃/分の昇温速度で200〜400℃の範囲の温度まで上昇させて支持体を炭化することができる。炭化処理における温度が150〜500℃であれば、炭化が良好に進行するため、支持体が分解されることもなく、さらに金属イオン含有化合物または金属ナノ粒子の吸着能力も良好であり、かつ得られる炭素支持体の強度も維持できる。
【0029】
前記工程Dは、工程Aまたは工程Bの後処理として行うことができる。工程Dを工程Aの後に行った場合、金属イオン含有化合物が支持体に吸着した状態で炭化処理が行われ、炭素支持体に担持された金属イオン含有化合物が得られる。一方、工程Dを工程Bの後に行った場合、金属ナノ粒子が支持体に吸着した状態で炭化処理が行われ、炭素支持体に担持された金属ナノ粒子が得られる。
なお、本明細書において「炭素支持体」とは、有機材料からなる支持体を加熱処理することにより、有機材料を分解し、水素や低分子量の気体分解性生成物を除去した炭素質の固体状の支持体を意味する。
【0030】
金属ナノ粒子を担持させた炭素支持体は、前記工程Aにおける支持体として用いることができる。この場合、該支持体にさらに同種または異種の金属イオン含有化合物を吸着させることができる。金属ナノ粒子を担持させた炭素支持体は、導電性(電気伝導特性)を有することができ、金属コートなしに走査型電子顕微鏡で観察することができる。このような炭素支持体を例示すれば、セルロース由来の導電性炭素フィルムなどが挙げられる。
【0031】
本発明の製造方法により得られる支持体付金属ナノ粒子に含まれる金属ナノ粒子は、ナノメートル単位の粒径を有する金属微粒子(金属酸化物)であり、金属ナノ粒子の平均粒径は、用いられる金属イオン含有化合物の濃度に依存した平均粒径を有することができる。好ましくは、金属ナノ粒子の平均粒径は、1〜100nmの範囲であることが好ましく、1〜50nmの範囲であることが好ましく、1〜20nmの範囲であることがさらに好ましい。また、上記金属ナノ粒子は、支持体において良好な粒径分布を示し、例えば、標準偏差σは0.1〜5nm、好ましくは0.1〜3nmの範囲とすることができる。
【0032】
[金属ナノ粒子連続体の製造方法および金属ナノ粒子連続体]
本発明の金属ナノ粒子連続体の製造方法は、上記の工程Aおよび工程Bを経て得られた支持体付金属ナノ粒子を、酸素プラズマ、オゾン酸化および焼成から選ばれる少なくとも1種の処理方法で処理し、支持体付金属ナノ粒子から支持体を除去することにより金属ナノ粒子連続体を形成することができる(工程C)。工程Aおよび工程Bについては、上述したとおりであり、ここでは工程Cについて詳細に説明する。
【0033】
<工程C>
本発明の製造方法は、酸素プラズマ、オゾン酸化および焼成から選ばれる少なくとも1種の処理方法により前記支持体を除去して金属ナノ粒子連続体を形成させる工程Cを有する。工程Cにおいて支持体が除去されることにより、支持体に担持されていた金属ナノ粒子どうしが融着または融合し、金属ナノ粒子連続体を形成することができる。
なお、融着とは、構成される複数の金属ナノ粒子が相互に接続されて又は一部原形を止めた状態で一つの連続体を形成することを意味する。また、融合とは、構成される複数の金属ナノ粒子がその原形を止めない状態で一つの連続体を形成することを意味する。
【0034】
本発明の製造方法における酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理および焼成処理は、支持体に担持された金属ナノ粒子の性質に応じて適宜決定することができる。例えば、酸素プラズマ処理時の時間、圧力、出力及び温度は、酸素プラズマ処理すべき支持体の種類、金属ナノ粒子の粒径、プラズマ源などに応じて適宜決定することができる。具体的には、酸素プラズマ処理時の圧力については、1.33〜66.5Pa(10〜500 mtorr)、好ましくは13.3〜26.6Pa(100〜200 mtorr)であることが適当である。また、酸素プラズマ処理時のプラズマ出力については、5〜500W、好ましくは10〜50Wであることが適当である。また、酸素プラズマ処理時の処理時間は、5分〜数時間、好ましくは5〜60分であることが適当である。また、酸素プラズマ処理の温度は、低温であり、好ましくは−30〜300℃であり、さらに好ましくは0〜100℃であり、最も好ましくは室温(5〜40℃)である。
【0035】
酸素プラズマ処理に用いるプラズマ装置は、特に限定されず、例えば、サウスベイ社製(South Bay Technology,USA)のPE−2000プラズマエッキャー(Plasma etcher)などを用いることができる。
【0036】
焼成処理の場合、大気雰囲気中で100〜1000℃、好ましくは300〜500℃で、30秒〜1時間、好ましくは1〜20分間であることが好ましい。
【0037】
オゾン酸化処理における条件は、処理すべき支持体の性質および使用する装置に応じて適宜決定することができる。例えば、オゾン酸化処理時の圧力は、大気圧〜13.3Pa(100mTorr)、好ましくは0.013〜13.3Pa(0.1〜100 mTorr)であることが適当である。オゾン酸化処理時間は数分から数時間、好ましくは5〜60分とすることができる。処理温度は、室温〜600℃であり、好ましくは室温〜400℃とすることができる。
【0038】
本発明の製造方法で得られた金属ナノ粒子連続体は、線状(一次元)、平面状(二次元)および立体状(三次元)のいずれの構造であってもよい。好ましくは、細線構造または薄膜構造を有する連続体である。
【0039】
本発明の金属ナノ粒子連続体が細線構造を有する場合、例えば、幅長は2〜200nmの範囲内とすることができ、好ましくは2〜20nmであり、さらに好ましくは2〜10nmとすることができる。また幅長に対する全長の比(線状連続構造体の長さ/幅)、すなわち軸比は、10以上であることが好ましく、1000以上であることがさらに好ましく、10000以上であることが最も好ましい。
【0040】
本発明の金属ナノ粒子連続体は、担持された金属ナノ粒子が、酸素プラズマ処理等により支持体の形態に沿って金属ナノ粒子相互間で融着または融合が行われるため、その形態は、支持体の形態をそのまま再現した形態とすることができる。すなわち、本発明の金属ナノ粒子連続体は、支持体を鋳型とする形態を有することができる。例えば、支持体として濾紙、糸を用いた場合、本発明の製造方法により得られる金属ナノ粒子連続体は、多孔質シート状、撚り糸の形態をした形態を有することができる。
【0041】
また、本発明の金属ナノ粒子連続体は、2種類以上の金属ナノ粒子を使用した場合、複合金属ナノ連続体であることができる。
【0042】
本発明の製造方法であれば、天然由来および人工有機材料からなる支持体に金属ナノ粒子を担持させた支持体付金属ナノ粒子が得られ、この支持体付金属ナノ粒子は、例えば、磁性粒が高分散した薄膜材料やプラズモン吸収を有する薄膜材料として利用することができる。また、炭化処理した支持体を用いることにより、導電性を有する炭素支持体付金属ナノ粒子(例えば、導電性を有する炭素セルロースシート付き白金ナノ粒子)を簡単に製造することができ、燃料電池用触媒として有用である。
【0043】
さらに、本発明の製造方法であれば、金属ナノ粒子の連続体を形成でき、従来の材料とは異なる物理化学的特性や電子特性を有する材料を提供でき、例えば、異種の金属イオン含有化合物を組み合わせたり、これらの化合物が融合されることにより、絶縁体から導電体までの幅広い電気物性を示し、導電材料や絶縁材料、誘電体などとしての応用が可能である。特に、半導体材料を含む金属ナノ粒子連続体では量子サイズ効果が期待できる。特に、ドット状、(二次)粒子状、細線状のナノ材料においては、この効果が著しいものとなる可能性がある。
【0044】
また、磁気特性又は感光特性を示す金属ナノ粒子を用いれば、次世代の磁気記憶材料又は光記憶材料としての応用が期待できる。さらに、金属ナノ粒子の屈折率を制御すれば、新しい光学特性を有する薄膜材料を作製することができる。さらに、金属ナノ粒子連続体は、新しい発光材料としての開発が期待できる。さらに、紫外・可視光を吸収する金属ナノ粒子からなる薄膜材料では、光エネルギーの捕捉や光電変換材料としての利用が期待できる。
【0045】
また、支持体に遷移金属ナノ粒子を含む場合、高効率な触媒材料の開発が可能となる。さらに、本発明の金属ナノ粒子連続体は、優れた力学特性や熱安定性、化学安定性を示し、この特性を用いれば材料表面のコーティング剤としての利用にも有用である。さらに、材料表面のぬれ性や分子吸着特性を本発明の金属ナノ粒子連続体により制御することも可能となる。
【0046】
また、本発明の金属ナノ粒子連続体は、酸素プラズマ処理などにより穏和(室温)な条件下で簡単に得られるため、あらゆる形状の表面、パターン及び大面積を有する基板としての応用が可能であり、特にデバイス基材として好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0048】
(実施例1)
硝酸銀(AgNO3)0.0085gをイオン交換水5mlに溶解した硝酸銀水溶液に、図1a〜cに示されるリントフリー(lint free)のセルロースシート(PS-2、Bemcot、100%セルロース、旭化成製)の小片を25℃で1分間浸して完全に濡らした。得られたシートをイオン交換水で濯いだ後、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)0.0757gを10mlのイオン交換水に溶解した水素化ホウ素ナトリウム水溶液に10分間接触させて銀ナノ粒子を作製した。
図2b、eに作製された銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真および粒径分布図を示す。図2bに示される銀ナノ粒子は、鮮やかな黄色を示し、この色は長期間安定であった。また、銀ナノ粒子は均一球状であり、平均粒径dは4.8nm、標準偏差σは1.2nmであった(図2e参照)。その電子線回折像は、図2bの挿入図に示されるように、金属銀のキュービック結晶の(111)、(200)、(220)、(311)および(331)面に相当する5個のリングからなっていた。この銀ナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルを図3bに示す。図3bに示されるように、銀ナノ粒子の表面プラズモン吸収による鋭いピークが424nmに見られる。
試料のXPSスペクトルは、セルロース中で酸素と結合した炭素に特徴的なC1sピークを286.5eVに与えた。銀のXPSおよびオージェピークはそれぞれ368.1eV(3d2/5)と1130.4eVにあり、これより銀の運動エネルギー(MNN)を356.2eVと見積もった。修飾オージェパラメーター(Modified Auger parameter)は724.3eVとなり、金属銀の値である726.1eVとほぼ一致した。
【0049】
上記と同様の実験を、より低い濃度の硝酸銀溶液(上記の溶液を10倍に希釈した濃度)および高い濃度(0.0850gのAgNO3を5mlのイオン交換水に溶解した濃度)を用いて行った。低濃度の場合、平均粒径がより小さく(d=4.4nm)、かつ狭く分散した(標準偏差σ=0.2nm)銀ナノ粒子が得られた(図2a)。一方、高濃度の場合、平均粒径がより大きく(d=7.9nm)、広く分散した(標準偏差σ=2.4nm)銀ナノ粒子が得られた(図2c)。また、プラズモン吸収は、低濃度ではピークがより対照的かつ鋭くなり(図3a)、高濃度ではピークの対称性が劣り幅広のピークとなった(図3c)。
【0050】
さらに、他の貴金属ナノ粒子として、金、白金、プラチナを用いて上記と同様の方法で実験を行った。三塩化金(AuCl3)、塩化白金(PtCl3)、塩化パラジウム(PdCl3)の10mM溶液を用い、セルロース繊維中で各金属ナノ粒子を作製した。最終生成物の色は、それぞれ異なり、金ナノ粒子は薄いピンク、白金ナノ粒子は無色、パラジウムナノ粒子は灰黒色であった。各金属ナノ粒子のXPSスペクトルでは、Au、Pt、Pdの結合エネルギーはそれぞれ、83.8eV(Au 4f7/2)、70.8eV(Pt 4f7/2)、334.9eV(Pd 3d5/2)であり、いずれも金属状態であることが分かった。図4は、セルロース繊維中に含まれるこれらの金属ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像とそのサイズ分布を示している。金ナノ粒子の場合はサイズは小さく、平均粒径dは3.0nm、標準偏差σは0.7nmであった(図4a)。白金ナノ粒子の場合、平均粒径dは5.7nm、標準偏差σは2.2nm(図4b)であった。またパラジウムナノ粒子の場合、平均粒径dは6.2nm、標準偏差σは1.5nmであった(図4c)。
【0051】
(実施例2)
基材として絹布および絹糸を用いて実施例1と同様の実験を行った。絹布は、タンパク質繊維であるフィブロインフィラメントからなり、該フィラメントが絡み合った薄いシート状である(図5a)。また、絹糸は、軸方向に配列した撚り糸である(図5b)。用いた絹繊維の表面は、粗くナノ細孔が存在しているので、内部のスペースまで試薬が浸入した。
硝酸銀(AgNO3)0.0085gをイオン交換水5mlに溶解した硝酸銀水溶液に、絹糸(カネボウ製)の束を25℃で1分間浸漬して完全に濡らした。イオン交換水で濯いでから、これを実施例1と同じ水素化ホウ素ナトリウム水溶液中で10分間接触させて銀ナノ粒子を作製した。
図6aに絹繊維中の銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像、図6bに絹撚り糸のフィブロインフィラメント中の銀ナノ粒子をそれぞれ示す。絹繊維および絹糸は、いずれも鮮やかな黄色であり、この色は長期間変化しなかった。フィラメント中に形成された銀ナノ粒子は均一球状であり、直径3〜3.6nmの範囲であった。
【0052】
(実施例3)
支持体として木炭粉(図7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により実験を行った。硝酸銀水溶液(AgNO30.0085gを5mlのイオン交換水に溶解した溶液)に木炭粉(関東科学製)を入れ、25℃で1分間混合撹拌した。木炭粉を濾過した後、イオン交換水で洗い吸引乾燥した。この粉末を実施例1で使用したNaBH4水溶液と10分間接触させてから吸引濾過し、さらに8時間減圧乾燥した。得られた粉末を乳鉢で粉砕し水中に分散させた。分散液を酸化シリコンで覆った胴メッシュ(シリコンモノオキシドType-A, Ted Pella, 米国製)に滴下し、8時間真空乾燥した後に透過型電子顕微鏡で観察した。図8に透過型電子顕微鏡により観察した木炭粉中の銀ナノ粒子を示す。銀ナノ粒子は、ほとんどが球状であり、平均粒径は3〜15nmの範囲であった。
【0053】
(実施例4)
実施例1で作製した銀ナノ粒子を含むリントフリーのセルロースシートをKDF−S70電気炉に入れ、室温から450℃まで3時間をかけて昇温し、さらに3時間保った。次いで室温まで冷却した後、得られたサンプルを走査型電子顕微鏡で観察した。図9にその走査型電子顕微鏡像を示す。図9aから明らかなように、焼成後も金属性の繊維状絡み合いは保たれていた。また図9bないし図9dの拡大図から分かるように、銀ナノ粒子の連続体(ネットワーク)は、セルロースシートの形態を鋳型として形成されている。
【0054】
(実施例5)
上質濾紙(東洋濾紙)を鋳型として実施例1および実施例4と同様の実験を行った。図10に上質濾紙の走査型電子顕微鏡像を示す。図10より上質濾紙のセルロース繊維が一部破壊され(図10a〜c)、ミクロフィブリルが観察される(図10d)。実施例1と同じ条件で銀ナノ粒子を含む上質濾紙を作製した。図11に上質濾紙のセルロース繊維中に含まれる銀ナノ粒子を示す。図11aは銀ナノ粒子を含み、相互に連結したミクロフィブリル構造であり、図11bは連結部の銀ナノ粒子、図11cは単一ミクロフィブリル中の銀ナノ粒子である。これらの銀ナノ粒子は、ほぼ球状であり、平均粒径は2〜13nmであった。
続いて、得られたサンプルを電気炉に入れ、温度を室温から450℃へ3時間かけて徐々に昇温して銀ナノ粒子連続体を得た。得られた銀ナノ粒子連続体の走査型電子顕微鏡像を図12に示す。図12に示されるように、数μm〜数十nmの長さのワイヤ状の銀ナノ粒子連続体が形成されたことが分かる。
【0055】
(実施例6)
塩化第二白金(PtCl4)0.1348gをイオン交換水40mlに溶解した塩化第二白金水溶液に、リントフリー(lint free)のセルロースシート(PS-2、Bemcot、100%セルロース、旭化成製)の小片を25℃で1分間浸して完全に濡らした。得られたシートをイオン交換水で濯いだ後、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)0.30gを40mlのイオン交換水に溶解した水素化ホウ素ナトリウム水溶液に10分間接触させて、セルロースシート中に白金ナノ粒子を作製した。次いで、この試料を石英チューブに入れ、窒素ガスを200ml/分の速度で流しながら10℃/分の昇温速度で400℃まで上昇し、400℃で30分間保持した後、放冷し、黒色のフィルム状生成物を得た。図13に、得られたフィルム状生成物の走査型電子顕微鏡像を示す。
図13aおよびbに示されるように、炭化処理後の炭素フィルムは幾分収縮していたが(繊維径:約26%減、フィルム面積:66%減)、元のセルロースシートの形状はそのまま維持されていることが分かる。図13のcおよびdの拡大像をみると、炭素セルロースシート表面に4〜10nmの白金ナノ粒子が存在していることが分かる。
図14aおよびbに、炭素フィルムに担持させた白金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像、図14cに電子回折像をそれぞれ示す。図14bの透過型電子顕微鏡像から白金ナノ粒子の粒径は約4nmであることが分かる。また、図14cの電子回折像に示されるように、得られた白金ナノ粒子は、金属白金のキュービッククラスターのものと一致していることが分かる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法は、有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させた後、該金属イオン含有化合物を前記支持体において還元させ、支持体付金属ナノ粒子を得る。これにより本発明の製造方法であれば、容易に入手できる天然由来または人工の有機材料からなる支持体に担持させた金属ナノ粒子を容易かつ経済的に製造することができる。さらに、炭素支持体を用いた場合、導電性を有する炭素支持体付金属ナノ粒子を容易に製造することができる。
【0057】
さらに本発明の製造方法は、複数の金属ナノ粒子を、支持体をテンプレート又はパターンとして酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理および焼成処理から選ばれる少なくとも一種で処理して支持体を除去する。このため、本発明の製造方法であれば、支持体を鋳型とした金属ナノ粒子連続体を簡単かつ安価に製造できるため、所定の支持体を適宜選択することにより、所望の径、形状、大きさ等を有する金属ナノ粒子集合体を精度よく製造することができる。その上、本発明の製造方法では、使用した支持体を酸素プラズマ処理等により完全に分解、除去できるため、酸素プラズマ処理等による清浄効果により純度の高い金属ナノ粒子集合体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いたセルロースシートの透過型電子顕微鏡像である。
(a)セルロースシート断面の透過型電子顕微鏡像である。
(b)セルロースシートの拡大像(セルロースシートの一部)である。
(c)セルロースシートの拡大像(セルロース繊維の表面)である。
【図2】 実施例1のセルロースシート上に形成された銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像および粒径分布図である。
【図3】 実施例1で作製された銀ナノ粒子の紫外可視吸収スペクトルを表す説明図である。
【図4】 実施例1で作製された金ナノ粒子、白金ナノ粒子およびパラジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡像および粒径分布図である。
【図5】 実施例2で用いた絹布および絹糸の透過型電子顕微鏡像である。
【図6】 実施例2の絹繊維および絹糸に形成された銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像である。
【図7】 実施例3で用いた木炭粉の透過型電子顕微鏡像である。
【図8】 実施例3の木炭粉に形成された銀ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像である。
【図9】 実施例4で形成された銀ナノ粒子連続体の走査型電子顕微鏡像である。
【図10】 実施例5で用いた上質濾紙の走査型電子顕微鏡像である。
【図11】 実施例5の上質濾紙のセルロース繊維に形成された銀ナノ粒子の走査型電子顕微鏡像である。
【図12】 実施例5で得られた銀ナノ粒子連続体の走査型電子顕微鏡像である。
【図13】 実施例6で得られた炭素フィルムに担持させた白金ナノ粒子の走査型電子顕微鏡像である。
(a)炭化フィルムの断面の透過型電子顕微鏡像である。
(b)炭化フィルムの拡大像(炭化フィルムの一部)である。
(c)、(d)炭化フィルムの拡大像(金属ナノ粒子)である。
【図14】 実施例6で得られた炭素フィルムに担持させた白金ナノ粒子の透過型電子顕微鏡像(a、b)および電子回折像(c)である。

Claims (10)

  1. 有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる工程Aと、
    吸着した金属イオン含有化合物を還元し、前記支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bと
    前記支持体を炭化処理する工程Dとを有し、
    前記工程Aの支持体として多孔質基材を用いることを特徴とする、支持体付金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 有機材料からなる支持体に金属イオン含有化合物を吸着させる工程Aと、
    吸着した金属イオン含有化合物を還元し、前記支持体において金属ナノ粒子を形成させる工程Bと、
    酸素プラズマ、オゾン酸化および焼成から選ばれる少なくとも1種の処理方法により前記支持体を除去して金属ナノ粒子連続体を形成させる工程Cと
    前記支持体を炭化処理する工程Dとを有し、
    前記工程Aの支持体として多孔質基材を用いることを特徴とする金属ナノ粒子連続体の製造方法。
  3. 前記工程Dを前記工程Aまたは工程Bの後に行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記吸着が金属イオン含有化合物を含む溶液中に前記支持体を浸漬させることにより行われる請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記金属イオン含有化合物として金属塩または金属錯体化合物を用いる請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1、3〜のいずれか一項に記載の製造方法により得られた支持体付金属ナノ粒子。
  7. 金属ナノ粒子の平均粒径が1〜100nmである請求項に記載の支持体付金属ナノ粒子。
  8. 導電性を有する請求項又はに記載の支持体付金属ナノ粒子。
  9. 請求項2に記載の製造方法により得られた金属ナノ粒子連続体。
  10. 支持体を鋳型とする形状を有する請求項に記載の金属ナノ粒子連続体。
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