JP4377992B2 - 芳香族チオエーテル化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬、医薬の製造中間体として有用な芳香族チオエーテル化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−アルキルチオ安息香酸誘導体等のベンゼン環にアルキルチオ基が置換した芳香族チオエーテル化合物は、農薬、医薬の製造中間体として重要であり、該化合物を簡便かつ工業的に有利に製造できる方法の開発が望まれている。
【0003】
従来、ベンゼン環等の芳香環にアルキルチオ基を導入する方法としては、例えば、(1)メルカプト基をアルキルチオ基に変換する方法、(2)ハロゲン原子をアルキルチオ基に変換する方法等が知られている。
【0004】
上記した方法のうち、(1)のメルカプト基からアルキルチオ基への変換する方法は、芳香族チオールを塩基の存在下にアルキルハライドを作用させることにより行うものである。
【0005】
しかし、この方法は簡便且つ高収率であるが、原料となる芳香族チオールの入手が困難である場合が多い。例えば、芳香族チオールの合成法としては、▲1▼芳香族スルホニルクロリドを還元する方法、▲2▼芳香族ジスルフィドを還元する方法、▲3▼芳香族スルホンアミドを還元する方法、▲4▼キサントゲン酸エステルをアルカリ加水分解する方法、▲5▼アニリン類をジアゾ化したのち、キサントゲン酸塩を作用させ、加水分解する方法、▲5▼フェノール類に五硫化二リンを作用させる方法等が知られているが、一般的に製造コストは高いものであり、しかも、他の置換基の種類やメルカプト基の置換位置によっては、合成が困難な場合がある。
【0006】
一方、(2)の方法は、芳香族ハロゲン化物を出発原料とし、ハロゲン原子をアルキルチオ基に変換するものである。芳香族ハロゲン化物はこれまでに数多くのものが合成され、工業的に入手容易なものも多い。従って、芳香族ハロゲン化物を出発原料として、簡便且つ高収率な芳香族チオエーテル化合物を製造する方法を見い出すことができれば、工業的に有利な製造方法となり得る。
【0007】
また、本発明に関連するものとして、USP.3,867,433号公報には、下記の反応式に示すような4−ハロゲノ安息香酸誘導体の4位のハロゲン原子を、塩基の存在下にアルカンチオールを作用させることによって、4−アルキルチオ安息香酸誘導体に導く方法が記載されている。
【0008】
【化6】
【0009】
さらに、芳香族ハロゲン化物の脱ハロゲン化としては、例えば、新実験化学講座 14巻 有機化合物の合成と反応[I]22−30頁(日本化学会編 丸善)に記載されているように、パラジウム−カーボンあるいはラネーニッケルを触媒として用いる接触水素化分解による方法、リチウム、ナトリウムなどの金属および金属塩を用いる方法、スズ水素化物による水素化還元法、水素化アルミニウムリチウムなどの金属水素錯化合物による還元法や電解還元法等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、農薬・医薬など、特に除草活性を有する化合物の中間体として有用な4−アルキルチオ安息香酸誘導体等の芳香族チオエーテル化合物を、より簡便かつ高収率で得ることができる工業的に有利な製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、4,5−ジクロロ安息香酸誘導体に、塩基の存在下、メタンチオール等のアルカンチオールを作用させると、4位の塩素原子がアルキルチオ基に置換され、更に5位の塩素原子が脱クロル化されて、4−アルキルチオ安息香酸誘導体が高収率で得られることを見い出した。
【0012】
さらに、本発明者らはこの方法の一般化を試みた。即ち、芳香環(ベンゼン環)に結合したある種の置換基Wと、該置換基Wと所定の位置関係を有し、該芳香環に隣接して結合する少なくとも2個のハロゲン原子(X1 ,X2 )とを有する芳香族ハロゲン化物に、アルカンチオール(RSH)を塩基の存在下に、或いはアルカンチオールの塩と反応させることによって、前記2個のハロゲン原子のうち、置換基Wと特定の位置関係を有するハロゲン原子がアルキルチオ基(SR基)と置換され、他の一つのハロゲン原子が水素原子と置換される(脱ハロゲン化)ことにより、芳香族チオエーテル化合物が高収率で得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(2)
【0013】
【化7】
【0014】
〔式中、X1 ,X2 は、それぞれ独立してハロゲン原子を表し、
Wは、水素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1-6 アルキル基、C1-6 ハロアルキル基、C1-6 アルコキシ基、C1-6 アルコキシカルボニル基、C1-6 アルキルカルボニル基、CONR1 R2 (R1 及びR2 は、それぞれ独立して水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。また、R1 及びR2 はNと一緒になって環を形成してもよい。)、C1-6 アルキルスルホニル基、又はSO2 NR3 R4 (R3 及びR4 は、それぞれ独立して水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。また、R3 及びR4 はNと一緒になって環を形成してもよい。)を表す。
Yは、ベンゼン環の置換基を表す。
nは、0又は1−3の整数を表す。〕
で表される芳香族ハロゲン化物と、式RSH(Rは、C1-6 アルキル基を表す。)で表されるアルカンチオール及び塩基、又は式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオールの塩とを反応させることを特徴とする、一般式(1)
【0015】
【化8】
【0016】
(式中、W,Y,R及びnは、前記と同じ意味を表す。)
で表される芳香族チオエーテル化合物の製造方法である。
【0017】
前記本発明の製造方法においては、前記一般式(2)で表される芳香族ハロゲン化物と、式RSH(RはC1-6 アルキル基を表す。)で表されるアルカンチオール及び塩基、又は式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオールの塩とを、所定波長の光照射下に反応させるのが好ましい。
【0018】
前記本発明の製造方法は、前記一般式(1)で表される化合物のうち、Wがカルボキシル基又はC1-6 アルコキシカルボニル基である安息香酸誘導体の製造方法であるのが好ましい。
【0019】
また、前記一般式(2)で表される化合物は、好ましくは、一般式(3)
【0020】
【化9】
【0021】
〔式中、X1 ,X2 は、それぞれ独立してハロゲン原子を表し、
R5 は、水素原子又はC1-6 アルキル基を表し、
R6 は、水素原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、ハロゲン原子、C1-6 アルキル基、C1-6 ハロアルキル基、C1-6 アルコキシ基、C1-6 ハロアルコシ基、C1-6 アルコキシカルボニル基、C1-6 アルキルチオ基、C1-6 アルキルスルホニル基、C1-6 アルコキシC1-6 アルキル基、C1-6 アルキルチオC1-6 アルキル基、C1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルキル基、C1-6 アルコキシC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルチオC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルスルフィニルC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルカルボニル基、CONR7 R8 (R7 ,R8 は、それぞれ独立して水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。)で表される基、NR9 R10(R9 ,R10は、それぞれ独立して水素原子、ホルミル基、C1-6 アルキル基、C1-6 アルキルカルボニル基、C1-6 アルキルスルホニル基、C1-6 アルコキシカルボニル基を表す。)を表す。
【0022】
Qは、水素原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1-6 アルキル基、C1-6 アルコキシ基、C1-6 ハロアルキル基、C1-6 ハロアルコキシ基、C1-6 アルコキシカルボニル基、CONR11R12(R11,R12は、それぞれ独立して水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。)、CH(OR13)OR14(R13,R14はそれぞれ独立してC1-6 アルキル基を表す。また、R13とR14は結合して、C2-3 アルキレン基を形成してもよい。)、C1-6 アルキルチオ基、C1-6 アルキルスルホニル基、C1-6 アルコキシC1-6 アルキル基、C1-6 アルキルチオC1-6 アルキル基、C1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルキル基、C1-6 アルコキシC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルチオC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルスルフィニルC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルコキシ基、C1-6 アルキルカルボニル基、CONR15R16(R15,R16は、それぞれ独立して水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。)で表される基、NR17R18(R17,R18は、それぞれ独立して水素原子、ホルミル基、C1-6 アルキル基、C1-6 アルキルカルボニル基、C1-6 アルキルスルホニル基、C1-6 アルコキシカルボニル基を表す。)、又は、
【0023】
炭素原子でベンゼン環部と結合する、N,O若しくはS原子を1〜4個含む置換基を有していてもよい飽和或いは不飽和の5若しくは6員ヘテロ環基を表す。
また、前記R6 とQは一緒になって、それぞれが置換しているベンゼン環を含めて5又は6員環を形成してもよい。〕
で表される4,5−ジハロゲノ安息香酸誘導体と、式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオール及び塩基、又は式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオールの塩とを反応させることを特徴とする、一般式(4)
【0024】
【化10】
【0025】
(式中、R5 ,R6 ,Q及びRは、前記と同じ意味を表す。)
で表される安息香酸誘導体の製造方法であるのが好ましい。
【0026】
また、前記一般式(3)で表される4,5−ジハロゲノ安息香酸誘導体と、式RSH(RはC1-6 アルキル基を表す。)で表されるアルカンチオール及び塩基、又は式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオールの塩とを、所定波長の光照射下に反応させるのが好ましい。
【0027】
前記一般式(3)及び(4)で表される化合物において、前記Qは、次のQ1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,Q8及びQ9
【0028】
【化11】
【0029】
(式中、R11は、C1-6 アルキル基又はC1-6 ハロアルキル基を表し、mは、01又は2を表す。また、R12は、水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。)からなる群から選ばれる基のいずれか1種であるのが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る前記一般式(1)及び(2)で表される化合物において、X1 及びX2 は、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を表す。
【0031】
Wは、水素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基等のC1-6 アルキル基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基等のC1-6 アルコキシ基、
トリクロロメチル、トリフルオロメチル、トリブロモメチル、トリフルオロエチル、トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル基等のC1-6 ハロアルキル基、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のC1-6 アルコキシカルボニル基、
アセチル基、プロピオニル基等のC1-6 アルキルカルボニル基、
ホルミル基、ベンゾイル基、
【0032】
カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、メチルエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニルメチルカルバモイル基等のCONR1 R2 で表される基、
メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル基等のC1-6 アルキルスルホニル基、
スルホンアミド、N−メチルスルホンアミド、N−エチルスルホンアミド、N−プロピルスルホンアミド、N−ブチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−メチル−N−エチルスルホンアミド、N−メチル−N−フェニルスルホンアミド基等のSO2 NR3 R4 で表される基等を表す。
【0033】
Yは、ベンゼン環に置換する任意の基、好ましくは、後述するR6 やQと同じ意味を表す。又、nが2以上を表すとき、Yは同一でも相異なっていてもよい。
【0034】
Rは、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチル,ペンチル,ヘキシルなどのC1-6 アルキル基を表す。
【0035】
前記一般式(3)において、X1 ,X2 は、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子を表し、
R5 は、水素原子、又は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基等のC1-6 アルキル基を表し、
R6 は、水素原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、ホルミル基、
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、
メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,n−ブチル,t−ブチル基等のC1-6 アルキル基、
トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル基等のC1-6 ハロアルキル基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ基等のC1-6 アルコキシ基、
トリフルオロメトキシ基等のC1-6 ハロアルコキシ基、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等のC1-6 アルコキシカルボニル基、
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、t−ブチルチオ基等のC1-6 アルキルチオ基、
メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル基等のC1-6 アルキルスルホニル基、
【0036】
メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル基等のC1-6 アルコキシC1-6 アルキル基、
メチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオエチル、プロピルチオエチル基等のC1-6 アルキルチオC1-6 アルキル基、
メチルスルフィニルメチル、エチルスルフィニルメチル、プロピルスルフィニルメチル、メチルスルフィニルエチル基等のC1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルキル基、
【0037】
メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、メトキシブトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ、イソプロポキシメトキシ基等のC1-6 アルコキシC1-6 アルコキシ基、
メチルチオメトキシ、メチルチオエトキシ、エチルチオメトキシ、エチルチオエトキシ、プロピルチオメトキシ、プロピルチオエトキシ基等のC1-6 アルキルチオC1-6 アルコキシ基、
メチルスルフィニルメトキシ、エチルスルフィニルエトキシ、プロピルスルフィニルメトキシ基等のC1-6 アルキルスルフィニルC1-6 アルコキシ基、
メチルスルホニルメトキシ、メチルスルホニルエトキシ、メチルスルホニルプロポキシ、エチルスルホニルエトキシ基等のC1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルコキシ基、
【0038】
アセチル、プロピオニル基等のC1-6 アルキルカルボニル基、
カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−プロピルカルバモイル等のCONR7 R8 で表される基、
アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アセチルアミノ、ホルミルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルアセチルアミノ基等のNR9 R10で表される基を表す。
【0039】
Qは、水素原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、
フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等のC1-6 アルキル基、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ基等のC1-6 アルコキシ基、
トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル基等のC1-6 ハロアルキル基、
トリフルオロメトキシ基等のC1-6 ハロアルコキシ基、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基等のC1-6 アルコキシカルボニル基、
カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−ベンジルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチル−N−プロピルカルバモイル等のCONR11R12で表される基、
【0040】
ジメトキシメチル、ジエトキシメチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、1、3−ジオキサン−2−イル、5,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−イル基等のCH(OR13)OR14で表される基、
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ基等のC1-6 アルキルチオ基、
メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル基等のC1-6 アルキルスルホニル基、
メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシエチル基等のC1-6 アルコキシC1-6 アルキル基、
メチルチオメチル、メチルチオエチル、メチルチオプロピル、エチルチオメチル、エチルチオエチル、プロピルチオエチル基等のC1-6 アルキルチオC1-6 アルキル基、
メチルスルホニルメチル、メチルスルホニルエチル、メチルスルホニルプロピル、エチルスルホニルメチル、エチルスルホニルエチル基等のC1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルキル基、
メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ、プロポキシエトキシ基等のC1-6 アルコキシC1-6 アルコキシ基、
【0041】
メチルチオメトキシ、エチルチオメトキシ、プロピルチオメトキシ、メチルチオエトキシ、エチルチオエトキシ、プロピルチオエトキシ基等のC1-6 アルキルチオC1-6 アルコキシ基、
メチルスルフィニルメトキシ、エチルスルフィニルエトキシ、エチルスルフィニルメトキシ、エチルスルフィニルエトキシ基等のC1-6 アルキルスルフィニルC1-6 アルコキシ基、
メチルスルホニルメトキシ、エチルスルホニルメトキシ、プロピルスルホニルメトキシ、メチルスルホニルエトキシ、エチルスルホニルエトキシ、プロピルスルホニルエトキシ基等のC1-6 アルキルスルホニルC1-6 アルコキシ基、
アセチル、プロピオニル基等のC1-6 アルキルカルボニル基、
アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、アセチルアミノ、ホルミルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルアセチルアミノ基等のNR17R18で表される基、
又は、炭素原子でベンゼン環部と結合する、N,O若しくはS原子を1〜4個含む置換基を有していてもよい飽和或いは不飽和の5若しくは6員ヘテロ環基を表す。
【0042】
Qの好ましいヘテロ環基としては、前記Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,Q8又はQ9で表される基を挙げることができる。前記Q1〜Q9中、R11は、C1-6 アルキル基又はC1-6 ハロアルキル基を表し、mは、0、1又は2を表す。R12は、水素原子又はC1-6 アルキル基を表す。
【0043】
前記Q1〜Q9のR11のC1-4 アルキル基としては、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチルなどが、C1-4 ハロアルキル基としては、クロロメチル,ジクロロメチル,トリクロロメチル,フルオロメチル,ジフルオロメチル,トリフルオロメチル,1−フルオロエチル,1,1−ジフルオロエチル,2,2,2−トリフルオロエチル,ペンタフルオロエチル等をそれぞれ例示することができる。
【0044】
Qのより好ましいヘテロ環基としては、例えば、
2−フリル、3−フリル、
2−チエニル、3−チエニル、
2,3−ジヒドロフラン−2−イル、2,3−ジヒドロフラン−3−イル、2,3−ジヒドロフラン−4−イル、2,3−ジヒドロフラン−5−イル、2,5−ジヒドロフラン−2−イル、2,5−ジヒドロフラン−3−イル、
2,3−ジヒドロチオフェン−2−イル、2,3−ジヒドロチオフェン−3−イル、2,3−ジヒドロチオフェン−4−イル、2,3−ジヒドロチオフェン−5−イル、2,5−ジヒドロチオフェン−2−イル、2,5−ジヒドロチオフェン−3−イル、
【0045】
ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、
イミダゾール−2−イル、イミダゾール−4−イル、イミダゾール−5−イル、2−イミダゾリン−2−イル、2−イミダゾリン−4−イル、2−イミダゾリン−5−イル、
ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−5−イル、
オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、
1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,2,3−オキサジアゾール−5−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、
【0046】
2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、
イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル,
1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、
1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イル、
【0047】
2−ピロリン−1−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、2−ピロリン−4−イル、2−ピロリン−5−イル、
2−オキサゾリン−2−イル、2−オキサゾリン−4−イル、2−オキサゾリン−5−イル、3−オキサゾリン−2−イル、3−オキサゾリン−4−イル、3−オキサゾリン−5−イル、4−オキサゾリン−2−イル、4−オキサゾリン−4−イル、4−オキサゾリン−5−イル、
2−イソオキサゾリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−4−イル、2−イソオキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリン−3−イル、3−イソオキサゾリン−4−イル、3−イソオキサゾリン−5−イル、
4−イソオキサゾリン−3−イル、4−イソオキサゾリン−4−イル、4−イソオキサゾリン−5−イル、
【0048】
2−チアゾリン−2−イル、4−チアゾリン−4−イル、4−チアゾリン−5−イル、
2−イソチアゾリン−2−イル、2−イソチアゾリン−4−イル、2−イソチアゾリン−5−イル、
3−イソチアゾリン−3−イル、3−イソチアゾリン−4−イル、3−イソチアゾリン−5−イル、
4−イソチアゾリン−3−イル、4−イソチアゾリン−4−イル、4−イソチアゾリン−5−イル、
1−ピラゾリン−3−イル、1−ピラゾリン−4−イル、1−ピラゾリン−5−イル、
2−ピラゾリン−3−イル、2−ピラゾリン−4−イル、2−ピラゾリン−5−イル、
3−ピラゾリン−3−イル、3−ピラゾリン−4−イル、3−ピラゾリン−5−イル等のN,O若しくはS原子を1〜4個含む5員環ヘテロ環基、
【0049】
2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、
2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、
2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、
2−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、
3−オキサゾリジニル、4−オキサゾリジニル、5−オキサゾリジニル、
3−イソオキサゾリジニル、4−イソオキサゾリジニル、5−イソオキサゾリジニル、
2−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル,
3−イソチアゾリジニル、4−イソチアゾリジニル、5−イソチアゾリジニル、
2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、
1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、
【0050】
1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、
1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、
1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキソラン−4−イル、1,3−ジチオラン−2−イル、1,3−ジチオラン−4−イル、
1,3−オキサチオラン等のN,O若しくはS原子を1〜4個含む飽和の5員環ヘテロ環基、
【0051】
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、
3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、
2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、
ピラジン−2−イル、
2H−ピラン−3−イル、2H−チオピラン−3−イル、
2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、
2−ピペラジニル、
2−モルホリニル、3−モルホリニル、
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−チアジン−2−イル、
2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、
2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル等のN,O若しくはS原子を1〜4個含む6員環ヘテロ環基を例示することができる。
【0052】
また、前記R6 とQは一緒になって、それぞれが置換しているベンゼン環を含めて5又は6員環を形成してもよい。
【0053】
かかる縮合環を有する前記一般式(3)及び(4)で表される化合物としては、以下の化合物を例示することができる。
【0054】
【化12】
【0055】
(式中、W,X1 及びX2 は、前記と同じ意味を表し、R19は、C1-6 アルキル基、C1-6 アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を表し、lは、0又は1〜4の整数を表す。)
【0056】
次に、本発明の製造方法について詳細に説明する。
【0057】
【化13】
【0058】
(式中、X1 ,X2 ,W,Y,R及びnは、前記と同じ意味を表す。)
【0059】
即ち、一般式(2)で表される芳香族ハロゲン化物を、適当な不活性溶媒中、塩基の存在下、過剰量の式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルカンチオールと反応させることによって、一般式(1)で表される芳香族チオエーテル化合物を製造することができる。
【0060】
なお、この反応においては、芳香族ハロゲン化物(2)に対して、0.1〜5倍当量の水を添加することによって、反応がより円滑に進行する場合がある。
【0061】
またこの反応においては、光(所定波長の光)照射下で行うと反応がより円滑に進行する。光源としては、太陽光、蛍光灯、水銀燈、アーク燈、白熱燈等の種々の光源を用いることができる。
【0062】
この反応において用いられる溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF),N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどのアミド類が特に好ましいが、これに限定されるものではない。
【0063】
用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの水酸化物、炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素カリウムなどの炭酸塩類、ナトリウムメチラート,ナトリウムエチラート,カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコラート類などが挙げられる。
【0064】
又、この場合、予めアルカンチオールと塩基からアルカンチオールのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカンチオールの塩を調製し、反応に用いることもできる。
【0065】
用いられる塩基およびアルカンチオールの量は、芳香族ハロゲン化物(2)に対して、2〜20当量が好ましい。
【0066】
一般式(1)で表される化合物のうち、WがCO2 R5 である安息香酸誘導体は、下記反応式に示すように、SR基の酸化反応により対応するSO2 R体(5)に誘導することができる。この酸化反応は、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸などの有機酸、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などの不活性溶媒中、過酸化水素,過酢酸,過安息香酸,m−クロロ過安息香酸などの過酸、次亜塩素酸ナトリウム,次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸などの酸化剤を使用して行うことができる。反応は、0℃から用いられる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
【0067】
【化14】
【0068】
なお、前記SO2 R体(5)のうち、ベンゼン環の2位の置換基がR6 であり、3位の置換基がQである化合物(5’)は、以下に示す製造法によっても製造することができる。
【0069】
【化15】
【0070】
一般式(6)で表される化合物は、一般式(3’)で表される化合物に、一般式(3’)で表される化合物1当量に対し、1〜3当量程度の式RSH(Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるメルカプタンを、不活性溶媒中、適当な塩基の存在下に反応させることにより得ることができる。
【0071】
この反応に用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウム等のアルコキシド、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン等の有機塩基を挙げることができる。
【0072】
また、この反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、DMSO、DMF、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。反応は、0℃〜用いられる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
【0073】
一般式(7)で表される化合物は、一般式(6)で表される化合物を酸化させることにより製造することができる。この酸化反応は、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸などの有機酸、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素などの不活性溶媒中、過酸化水素,過酢酸,過安息香酸,m−クロロ過安息香酸などの過酸、次亜塩素酸ナトリウム,次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸などの酸化剤を使用して行われる。反応は、0℃から用いられる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
【0074】
次の一般式(5’)で表される化合物は、一般式(7)で表される化合物を脱クロル化することにより製造することができる。この脱クロル化は、例えば、新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[I]22−30頁(日本化学会編 丸善)に記載されているラネーニッケルを触媒として用いる接触水素化分解による方法、リチウム,ナトリウムなどの金属および金属塩を用いる方法、スズ水素化物による水素化還元法、水素化アルミニウムリチウム等の金属水素錯化合物による還元法あるいは電解還元法などによって行われる。
【0075】
反応生成物は、反応終了後、通常の後処理を行うことにより、目的物を得ることができる。また、本発明に係る化合物等の構造は、IR,NMRおよびMSなどから決定した。
【0076】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
【0077】
実施例1
エチル 4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−229)の製造
【0078】
【化16】
【0079】
50mlナス型フラスコに、メチルメルカプタン0.78gのDMF7ml溶液、水0.0585g及びDMF2mlを入れ、次いで、炭酸カリウム1.12g及びエチル 3,4−ジクロロベンゾエート0.712gを加えた。この混合物を40W蛍光灯照射下に、マグネチックスターラーを使用して室温で3時間攪拌した。
【0080】
反応液を氷水40ml中に注ぎ、ジエチルエーテル40mlで抽出し、有機層を水洗したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)により精製し、無色透明油状物質として、表記化合物0.438gを得た。
【0081】
実施例2
エチル 2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−3)の製造
【0082】
【化17】
【0083】
エチル 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)ベンゾエート0.50gと炭酸カリウム4.40gをDMF15mlに加え、室温下にDMF5mlに、メタンチオール1.53gを溶解した溶液を滴下し、さらに19.5時間攪拌した。次いで、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色結晶として表記化合物0.42gを得た。
融点 72−74℃
【0084】
実施例3
エチル 2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−3)の製造
【0085】
【化18】
【0086】
エチル 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)ベンゾエート0.50g、炭酸カリウム1.10g及び水0.15gをDMF15mlに加え、さらに、DMF5mlにメタンチオール0.38gを溶解した溶液を室温下で滴下し、室温で23時間攪拌した。実施例1と同様の操作により、白色結晶として表記化合物0.42gを得た。融点 72−74℃
【0087】
実施例4
エチル 2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−3)の製造
【0088】
【化19】
【0089】
エチル 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)ベンゾエート4.48g及び炭酸カリウム3.00gをDMF100mlに加え、メタンチオールガス2.1gを反応系中に室温で吹き込んだ。さらに室温で15時間攪拌した後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗、次いで、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して白色結晶として、エチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート4.40gを得た。融点 79−82℃
【0090】
得られたエチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート0.50gと炭酸カリウム1.06gをDMF15mlに加え、さらにDMF5mlにメタンチオール0.36gを溶解した溶液を室温で滴下し、室温で23時間攪拌した。実施例1と同様の操作により、白色結晶として表記化合物0.29gを得た。また、エチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート0.08gを回収した。
【0091】
実施例5
t−ブチル 2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−4)の製造
【0092】
【化20】
【0093】
DMF10mlに水27mgを加え、メチルメルカプタン360mgを吹き込んだ後、反応系を窒素置換した。次いで、この溶液中に炭酸カリウム518mg及びtert−ブチル 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)ベンゾエート513mgを加えて、室温で20時間攪拌した。反応液を氷水25mlに注ぎ、エーテル25mlで抽出した。有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)により精製して、純度83%の表記化合物の白色固体484mgを得た(純度はNMRスペクトル測定により決定した。)。再度シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色結晶として表記化合物を得た。
融点 102−103℃
【0094】
実施例6
エチル 3−(4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル)−2−メチル−4−メチルチオベンゾエート(化合物番号1−22)の製造
【0095】
【化21】
【0096】
窒素置換した10mlのナス型フラスコ中に、水7.9mg、DMF1.1ml及びメチルメルカプタン105mgのDMF1.5ml溶液を加え、次いで、炭酸カリウム151mg及びエチル 4,5−ジクロロ−3−(4,5−ジヒドロイソオキサゾール−3−イル)−2−メチルベンゾエート132mgを加えた。ここで用いたDMFは予め窒素置換したものを用いた。この混合物を40W蛍光灯照射下にマグネチックスターラーを使用して室温で3時間45分攪拌した。
【0097】
反応液を氷水20ml中に注ぎ、ジエチルエーテル20mlで抽出し、有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)により精製して、白色結晶として表記化合物87.8mgを得た。
融点 93−94℃
【0098】
実施例7
エチル 4−エチルチオ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)ベンゾエート(化合物番号1−7)の製造
【0099】
【化22】
【0100】
25mlのナス型フラスコ中にエチルメルカプタン0.311g、水0.018g及びDMF6mlを加え、次いで、炭酸カリウム0.346g及びエチル4,5−ジクロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イルベンゾエート0.314gを加えた。この混合物を40Wの蛍光灯照射下にマグネチックスターラーを用いて室温で6時間攪拌した。
【0101】
反応液を氷水25ml中に注ぎジエチルエーテル25mlで抽出した。有機層を水洗したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜1/1)により精製して、白色結晶として表記化合物0.132gを得た。融点 39−40℃
【0102】
実施例8
メチル 3−(2−イソオキサゾリン−3−イル)−2−メチル−4−メチルチオ ベンゾエート(化合物番号1−18)の製造
【0103】
【化23】
【0104】
無色透明ガラス製容器中に脱気したDMF10mlを加え、メチルメルカプタン420mgを吹き込み溶解させた。次いで、炭酸カリウム600mg及び4,5−ジクロロ−3−(2−イソオキサゾリン−3−イル)−2−メチル安息香酸メチル500mgを順次添加し、窒素雰囲気下、遮光し、室温でテフロン製マグネチックスターラーで攪拌した。1時間攪拌したのち、NMRスペクトルにより5−クロロ−3−(2−イソオキサゾリン−3−イル)−2−メチル−4−メチルチオ安息香酸メチルが主生成物であることを確認した。
【0105】
引き続き、反応系内を白色蛍光灯を照射しながら40℃で2時間攪拌した。反応液を氷水中に注加し、ジエチルエーテル−クロロホルム(5:1)及びジエチルエーテルで順次抽出し、有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)により精製して、表記目的化合物を白色結晶として424mgを得た。融点 109−111℃
【0106】
本発明により製造することができる一般式(1)で表される芳香族チオエーテル化合物の例を第1表〜第7表に示す。なお、第1表〜第7表においては、Qのヘテロ環基は下記の記号を用いて示した。記号の意味は次の通りである。
【0107】
【化24】
【0108】
【化25】
【0109】
【表101】
【0110】
【表102】
【0111】
【表103】
【0112】
【表104】
【0113】
【表105】
【0114】
【表106】
【0115】
【表107】
【0116】
【表108】
【0117】
【表109】
【0118】
【表110】
【0119】
【表111】
【0120】
【表201】
【0121】
【表202】
【0122】
【表203】
【0123】
【表204】
【0124】
【表205】
【0125】
【表206】
【0126】
【表207】
【0127】
【表208】
【0128】
【表209】
【0129】
【表210】
【0130】
【表211】
【0131】
【表301】
【0132】
【表302】
【0133】
【表303】
【0134】
【表304】
【0135】
【表305】
【0136】
【表306】
【0137】
【表307】
【0138】
【表308】
【0139】
【表309】
【0140】
【表310】
【0141】
【表401】
【0142】
【表402】
【0143】
【表403】
【0144】
【表404】
【0145】
【表405】
【0146】
【表406】
【0147】
【表407】
【0148】
【表408】
【0149】
【表409】
【0150】
【表410】
【0151】
【表411】
【0152】
【表501】
【0153】
【表502】
【0154】
【表503】
【0155】
【表504】
【0156】
【表505】
【0157】
【表506】
【0158】
【表507】
【0159】
【表508】
【0160】
【表509】
【0161】
【表510】
【0162】
【表511】
【0163】
【表601】
【0164】
【表602】
【0165】
【表603】
【0166】
【表604】
【0167】
【表605】
【0168】
【表606】
【0169】
【表607】
【0170】
【表608】
【0171】
【表609】
【0172】
【表610】
【0173】
【表611】
【0174】
【表701】
【0175】
【表702】
【0176】
【表703】
【0177】
【表704】
【0178】
【表705】
【0179】
【表706】
【0180】
【表707】
【0181】
【表708】
【0182】
【表709】
【0183】
【表710】
【0184】
【表711】
【0185】
(参考例)
次に、前記4−SO2 R体(6)の製造例を参考例により説明する。
参考例1
エチル 2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルスルホニルベンゾエートの製造
【0186】
【化26】
【0187】
エチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルスルホニルベンゾエート 0.30gをエタノール20mlに溶解し、反応系内を窒素置換した後、5%パラジウム−カーボン 0.02gを加え、水素置換し、水素の入ったゴム球を取り付けて、室温で3時間攪拌した。反応液からパラジウム−カーボンをろ別後、溶媒を減圧留去して、白色結晶として表記化合物0.28gを得た。融点 83−86℃
【0188】
参考例2
エチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルスルホニルベンゾエートの製造
【0189】
【化27】
【0190】
エチル−5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート 4.40gをクロロホルム50mlに溶解し、室温下で55% m−クロロ過安息香酸12.70gを添加して、室温で19時間攪拌した。反応液から析出結晶をろ別し、ろ液を4%水酸化ナトリウム水溶液80mlで洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去して、白色結晶として表記化合物 4.49gを得た。
融点126−129℃
【0191】
参考例3
エチル 5−クロロ−2−メチル−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエートの製造
【0192】
【化28】
【0193】
エチル 4,5−ジクロロ−3−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)−4−メチルチオベンゾエート 4.48gと炭酸カリウム3.00gをDMF100mlに溶解し、室温でメチルメルカプタンガス2.1gを反応系中に吹き込んだ。さらに室温で15時間攪拌した後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、白色結晶として表記化合物4.40gを得た。
融点79−82℃
【0194】
この製造法によっても、一般式(6)で表される化合物を簡易かつ工業的に有利に製造することができる。
【0195】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、農薬・医薬の製造中間体、特にWO96−26206号公報、WO−97−41118号公報等に記載された除草剤の製造中間体として有用な一般式(1)で表される芳香族チオエーテル化合物を、安価な原料から容易に得られる芳香族ハロゲン化物を出発原料として、簡易かつ工業的に有利に製造することができる。
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