JP4375068B2 - 揺動スイッチ - Google Patents
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Description
種々の構成の揺動スイッチが従来より提案されているが、この発明は、可動接片を弾性部材によって形成し、この可動接片を可動接片支持部材に揺動可能に取り付け、この可動接片支持部材の端子部(タブ端子)をボックスの底壁に形成された対応するスリットを通じて外側へ引き出し、固定接片もその端子部(タブ端子)をボックスの底壁に形成された対応するスリットを通じて外側へ引き出し、操作ボタンに垂下する可動接片操作子(アクチュエータ)を一体に形成し、この操作ボタンの揺動運動に伴って揺動運動する可動接片操作子によって可動接片を揺動させて可動接片に取り付けられた可動接点を固定接片に取り付けられた固定接点と接触する位置に及び固定接点から離れた位置にそれぞれ揺動させるように構成されている揺動スイッチの改良に関する。
また、可動接片を急速に揺動させる点で問題があり、かつ安定した反転動作が得られないため、接点投入時におけるバウンシング時間をさらに短縮させることができない。その上、接点遮断時に発生するアークをより小さくすることができない。
また、スイッチオン時及びオフ時におけるバウンシングにより発生する可動接片と可動接片支持部材間のアークを防止することができず、スイッチの寿命が短くなるという難点がある。
近年、各種のOA機器、アミューズメント機器、計測機器、医療機器等は小型化される傾向にあり、このため、小さなスペースに収納することができる、より大きな電流/電圧容量の小形揺動スイッチの出現が強く要望されている。
前記可動接片支持片の上端に揺動可能に取り付けられる導電性の弾性部片と、
ほぼU字形状を有する弾性部材の一方の端部近傍に可動接点を取り付け、導電性の前記弾性部片に載置して前記可動接片支持片の上端に揺動可能に支持される可動接片と、
固定接点が取り付けられた固定接点支持部から垂下するように形成したタブ端子を備えた固定接片と、
上部に開口部を有するとともに、底面に、上記可動接片支持部材のタブ端子を外部へ引き出すスリット、および、上記固定接片のタブ端子を外部へ引き出すスリットを形成したボックスと、
上記可動接片に係合する可動接片操作子を備え、上記ボックスの開口部に揺動可能に取り付けられる操作ボタンと、からなり、
上記操作ボタンの揺動運動に伴って揺動運動する上記可動接片操作子によって上記可動接片を、その可動接点が上記固定接点と接触するスイッチオン位置と、その可動接点が上記固定接点から離れるスイッチオフ位置と、に揺動させる構成した揺動スイッチが提供される。
また、平面ほぼ長方形又は方形のボックスの底壁の下面に、上記可動接片支持部材のタブ端子及び上記固定接片のタブ端子を互いに隔絶する隔壁を形成し、この隔壁の長さをこれらタブ端子の長さとほぼ同じ長さに設定し、上記可動接片支持部材のタブ端子及び上記固定接片のタブ端子を挿通するためのスリットをそれぞれ上記ボックス底壁の角部近傍から底壁の一辺と所定の角度をなすように斜めに形成してもよい。
まず、図1〜図23を参照してこの発明による揺動スイッチの第1の実施形態について詳細に説明する。
各可動接片操作子12には、図3〜図5から明瞭なように、ほぼ円錐状に形成されたロッド124がその先端部近傍の所定の位置から先端部123を越えてさらに下方へ突出するように、一体に形成されている。
図13〜図15は第1実施形態の揺動スイッチに使用された可動接片を示し、図13はその平面図、図14は図13の下側面図、図15は図13の底面図である。可動接片3は、図14から理解できるように、燐青銅のような弾性部材よりなる条片をU字状に折り返した形状(ヘアピン形状)を有しており、この実施形態では、折り返し部の両側に延在する条片部分の長さが相違するように折り返される。
短い方の条片部分(以後、第2の条片部分と称す)33の先端部近傍には条片の長手方向を長軸とするほぼ楕円形状の長孔333が形成されている。後述するように、この長孔333には上記操作ボタン2の1つの可動接片操作子12のロッド124が遊嵌状態で挿通される。長孔333の中心部の両側には条片の幅方向(長孔333の短軸方向)に延在する凹部332が対称的に形成されている。これら凹部332は上記した操作ボタン2の可動接片操作子12のほぼ円弧状の先端部123と係合するので、それらの表面は可動接片操作子12の先端部123の形状と合致する円弧面に形成されている。
次に、上記構成部材を使用して第1実施形態の揺動スイッチを組み立てる順序を簡単に説明する。
2つの可動接片3を対応する可動接片支持部片521の平坦面523上に載置した状態において、上記操作ボタン1をボックス2の開口部に配置し、各可動接片操作子12のロッド124の先端部を対応する可動接片3の長孔333にそれぞれ挿通し、上部から押圧して操作ボタン1の回動軸11をボックス2の貫通孔25に嵌着させる。操作ボタン1の回動軸11は、図3から明瞭なように、その中央部から下側の部分が内側へ傾斜した斜面に形成されているので、操作ボタン1の押圧によって回動軸11は比較的容易にボックス2の貫通孔25に嵌着する。かくして、この発明の第1実施形態の揺動スイッチが組み立てられる。
以上の説明で明白なように、第1実施形態の揺動スイッチはその固定接片4及び可動接片支持部材5をボックス2に対して簡単、容易、正確、かつ安定に取り付け、固定することができる。また、操作ボタン1の各可動接片操作子12のロッド124の先端部を対応する可動接片3の長孔333にそれぞれ挿通し、上部から押圧して操作ボタン2の回動軸11をボックス2の貫通孔25に嵌着させるように構成したので、組み立て時に、可動接片3が可動接片支持部材5から脱落したり、或いは可動接片3が破損したりすることなく、操作ボタン1を正確に、かつ安定にボックス2にシーソー運動可能に取り付けることができる。
図24はこの発明による揺動スイッチの第2の実施形態のスイッチオン状態を示す概略の断面図、図25はこの発明による揺動スイッチの第2の実施形態に使用されたボックスの底面図、図26は図25に示すボックスの内部に2つの固定接片及び2つの可動接片支持部材をそれぞれ取り付けた状態を示す平面図である。この第2実施形態の揺動スイッチは主としてボックスの構造、特にボックスの底壁の構造が上記第1実施形態のボックス2と相違しているので、図24〜図26において、図1〜図23と対応する素子、部材及び部分には同一符号を付けて示し、操作ボタン1、可動接片3、可動接片支持部材5、及び固定接点4については必要のない限り説明を省略する。
上記第1実施形態の揺動スイッチは定格電流10Aタイプの揺動スイッチであり、固定接片4のタブ端子42及び可動接片支持部材5のタブ端子51はそれぞれIEC規格のタブ187端子であり、その幅は4.75mmである。また、隣接する固定接片4のタブ端子42と可動接片支持部材5のタブ端子51との間の距離はIEC規格の絶縁距離(3mm以上)を十分にクリアしている。上記第1実施形態の揺動スイッチのボックス2の底壁に形成されるスリット27、28の長さをタブ250端子の幅6.35mmに合わせて長くし、IEC規格のタブ250端子を組み込んで定格電流16Aタイプの揺動スイッチを製造すると、隣接する固定接片4のタブ端子42と可動接片支持部材5のタブ端子51間の距離がIEC規格の絶縁距離よりも短くなってしまい、IEC規格を満たさない。
この第2実施形態の揺動スイッチに使用されるボックス2も、上記第1実施形態の揺動スイッチに使用されたボックス2と同様に、上部が開口した平面ほぼ長方形状の有底の角形ボックスであり、ボックス2の内部を2つのほぼ同じ部屋に区分する仕切り壁21がボックス2の中央部に長手方向に沿って形成されている。また、この第2実施形態の揺動スイッチも2極単投(DPST)スイッチであるため、2組のスイッチ構成部材をそれぞれ収納する2つの部屋が必要となる。このため、仕切り壁21によってボックス内部が2つの部屋に区分されている。ボックス2の開口部にはほぼ長方形状のフランジ22が一体に形成されており、ボックス2の対向する一対の短辺側の側壁には、フランジ22の直ぐ下側から下方へ所定の長さ延在する板状スプリング取り付け用の凹部23がそれぞれ設けられており、外側へ湾曲する板状スプリング24がこれら凹部23にそれぞれ取り付けられている。
図27はこの発明による揺動スイッチの第3の実施形態に使用された導電性の弾性部片を示す平面図、図28は図27の左側面図、図29は図27の下側面図、図30は図27〜図29に示す弾性部片を第2の実施形態に使用された可動接片支持部材5の可動接片支持体52から直立する可動接片支持部片521に嵌着した状態を示す斜視図、図31は図26に示す2つの可動接片支持部材5に図27〜図29に示す弾性部片をそれぞれ嵌着し、さらに一方の弾性部片の上に図13〜図15に示す可動接片3を取り付けた状態を示す平面図、図32はこの発明による揺動スイッチの第3の実施形態のスイッチオン状態を示す概略の断面図である。
各突起61は、図28に示すように、その先端部611が弾性部片本体60の平面よりやや上向きになるように折り曲げられており、一方の側縁に位置する2つの突起61と他方の側縁に位置する2つの突起61は弾性部片本体60を挟んで互いに対向する位置に形成されている。弾性部片本体60の長手方向の両側部のほぼ中央部には対応する保持片62にまで延在する一対の貫通孔63がそれぞれ形成されている。これら貫通孔63は可動接片支持体52から直立する可動接片支持部片521の凹部520の両側に形成された突出部524に遊嵌する形状及び寸法を有する。なお、図30に示すように、隣接する2つの突起61は2つの突出部524の対向する内壁間に位置するように形成される。
なお、この発明を2極単投スイッチに適用した実施形態について記載したが、単極単投スイッチ、2極2投スイッチ等の種々の揺動スイッチにこの発明が適用でき、同等の作用効果が得られることは言うまでもない。また、上記第2実施形態では定格電流10Aタイプの揺動スイッチを、そのボックスの外形寸法を大きくすることなく、定格電流16Aタイプの揺動スイッチとして使用できるように構成した場合を示したが、所定の定格電流/電圧の揺動スイッチを、そのボックスの外形寸法を大きくすることなく、より大きな定格電流/電圧の揺動スイッチとして使用できるように構成する場合にもこの発明が適用でき、同等の作用効果が得られることは言うまでもない。
11 回動軸
12 可動接片操作子
123 可動接片操作子の先端部
124 ロッド
2 ボックス
21 仕切り壁
25 貫通孔(軸受)
26 隔壁
27 固定接片のタブ端子用のスリット
271 スリット27の段部
28 可動接片支持部材のタブ端子用のスリット
281 スリット28の段部
200 隔壁
227 固定接片のタブ端子用のスリット
228 可動接片支持部材のタブ端子用のスリット
3 可動接片
31 可動接点
32 可動接片の第1の条片部分
33 可動接片の第2の条片部分
321 第1の条片部分の切り欠き
333 第2の条片部分の長孔
4 固定接片
41 固定接点
42 固定接片のタブ端子
421 固定接片のカシメ止め片
5 可動接片支持部材
51 可動接片支持部材のタブ端子
511 可動接片支持部材のカシメ止め片
52 可動接片支持体
521 可動接片支持体の可動接片支持部片
522 可動接片支持部片の傾斜面
523 可動接片支持部片の平坦面(突条)
524 可動接片支持部片の突出部
6 弾性部片
60 弾性部片本体
61 弾性部片の突起
62 弾性部片の保持片
63 弾性部片の貫通孔
Claims (8)
- 可動接片支持体の一端側から切り起こして形成した可動接片支持片を有し、かつ、前記可動接片支持体から垂下するように形成したタブ端子を有する可動接片支持部材と、
前記可動接片支持片の上端に揺動可能に取り付けられる導電性の弾性部片と、
ほぼU字形状を有する弾性部材の一方の端部近傍に可動接点を取り付け、導電性の前記弾性部片に載置して前記可動接片支持片の上端に揺動可能に支持される可動接片と、
固定接点が取り付けられた固定接点支持部から垂下するように形成したタブ端子を備えた固定接片と、
上部に開口部を有するとともに、底面に、上記可動接片支持部材のタブ端子を外部へ引き出すスリット、および、上記固定接片のタブ端子を外部へ引き出すスリットを形成したボックスと、
上記可動接片に係合する可動接片操作子を備え、上記ボックスの開口部に揺動可能に取り付けられる操作ボタンと、からなり、
上記操作ボタンの揺動運動に伴って揺動運動する上記可動接片操作子によって上記可動接片を、その可動接点が上記固定接点と接触するスイッチオン位置と、その可動接点が上記固定接点から離れるスイッチオフ位置と、に揺動させることを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項1に記載の揺動スイッチにおいて、
上記操作ボタンは上記可動接片操作子の先端部を越えて突出する棒状体をさらに備えており、
上記可動接片は、その他端部近傍に設けた係合用円弧状凹部の近傍に、上記操作ボタンの棒状体の先端部が遊嵌する長孔が形成されており、
上記操作ボタンを上記ボックスの開口部に揺動可能に取り付けた際に、上記棒状体の先端部が上記可動接片の長孔に遊嵌するように構成されている
ことを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項1に記載の揺動スイッチにおいて、
上記ボックスは平面ほぼ長方形又は方形であり、上記ボックスの底壁の下面には上記可動接片支持部材のタブ端子及び上記固定接片のタブ端子を互いに隔絶する隔壁が形成され、この隔壁の長さはこれらタブ端子の長さとほぼ同じ長さに設定され、上記スリットはそれぞれ上記底壁の角部近傍から底壁の一辺と所定の角度をなして斜めに形成されていることを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項2に記載の揺動スイッチにおいて、
上記ボックスは平面ほぼ長方形又は方形であり、上記ボックスの底壁の下面には上記可動接片支持部材のタブ端子及び上記固定接片のタブ端子を互いに隔絶する隔壁が形成され、この隔壁の長さはこれらタブ端子の長さとほぼ同じ長さに設定され、上記スリットはそれぞれ上記底壁の角部近傍から底壁の一辺と所定の角度をなして斜めに形成されていることを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項1に記載の揺動スイッチにおいて、
上記導電性の弾性部片は、シート状の弾性部片本体と、この弾性部片本体からほぼ直立する一対の対向する保持片と、これら保持片を結ぶ線とほぼ直角をなす方向において上記弾性部片本体から外側へ、かつ上方へ突出する少なくとも一対の対向する突起とを具備し、
上記一対の保持片は、上記弾性部片が上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片支持部材に圧接され、上記少なくとも一対の突起は、上記可動接片が上記弾性部片を介して上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片に圧接する
ことを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項2に記載の揺動スイッチにおいて、
上記導電性の弾性部片は、シート状の弾性部片本体と、この弾性部片本体からほぼ直立する一対の対向する保持片と、これら保持片を結ぶ線とほぼ直角をなす方向において上記弾性部片本体から外側へ、かつ上方へ突出する少なくとも一対の対向する突起とを具備し、
上記一対の保持片は、上記弾性部片が上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片支持部材に圧接され、上記少なくとも一対の突起は、上記可動接片が上記弾性部片を介して上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片に圧接する
ことを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項3に記載の揺動スイッチにおいて、
上記導電性の弾性部片は、シート状の弾性部片本体と、この弾性部片本体からほぼ直立する一対の対向する保持片と、これら保持片を結ぶ線とほぼ直角をなす方向において上記弾性部片本体から外側へ、かつ上方へ突出する少なくとも一対の対向する突起とを具備し、
上記一対の保持片は、上記弾性部片が上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片支持部材に圧接され、上記少なくとも一対の突起は、上記可動接片が上記弾性部片を介して上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片に圧接する
ことを特徴とする揺動スイッチ。 - 請求項4に記載の揺動スイッチにおいて、
上記導電性の弾性部片は、シート状の弾性部片本体と、この弾性部片本体からほぼ直立する一対の対向する保持片と、これら保持片を結ぶ線とほぼ直角をなす方向において上記弾性部片本体から外側へ、かつ上方へ突出する少なくとも一対の対向する突起とを具備し、
上記一対の保持片は、上記弾性部片が上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片支持部材に圧接され、上記少なくとも一対の突起は、上記可動接片が上記弾性部片を介して上記可動接片支持部材に揺動可能に取り付けられるときに、上記可動接片に圧接する
ことを特徴とする揺動スイッチ。
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