JP4372797B2 - 電動シートベルト装置 - Google Patents
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Description
このような電動シートベルト装置では、予測された車両の衝突可能性に応じて、シートベルトを巻き取る電動モータを駆動制御する必要がある。
以下、図4および図5を参照しながら、電動モータのチョッパ制御について説明する。
図4において、このモータ駆動回路は、4個のFET(Field Effect Transistor)(スイッチング素子)1〜4から構成されるHブリッジ回路を備えている。
FET1およびFET2は、Hブリッジ回路の左側のハイサイドおよびローサイドにそれぞれ接続されている。また、FET3およびFET4は、Hブリッジ回路の右側のハイサイドおよびローサイドにそれぞれ接続されている。
MPU13は、電流信号に基づいて、電動モータ9の通電方向および通電電流量を制御するための制御信号を出力する。
また、FET駆動回路14は、制御信号に基づいてPWM信号を出力し、FET1〜4をPWM駆動する。
このとき、FET4は、PWM信号の周期毎に所定時間オンされ、電動モータ9には、FET4がオン状態の場合のみバッテリ10から駆動電力が供給される。
ここで、ハイサイドのFET1をオン−オフ制御せず、オン状態に固定することにより、スイッチングに伴う発熱を防止している。
また、電動モータ9を逆転駆動させる場合には、FET3をオンし、FET1、4をオフして、FET2をPWM信号によりオン−オフ制御(すなわち、PWM駆動)する。
すなわち、例えばPWM信号によってFET4がオン状態からオフ状態に切り替わったとき、電動モータ9の慣性駆動により発生する誘導電圧に応じて流れる電流は、電動モータ9から、フライホイールダイオード7およびFET1を通って再び電動モータ9に戻る閉ループ回路を還流(回生)する。
ここで、この閉ループ回路に電流(以下、「回生電流」と称する)を回生させることにより、電力を有効に利用している。
そこで、電動モータ9を正転駆動あるいは逆転駆動させる場合には、ハイサイドのFET1あるいはFET3をオン状態としたまま、ローサイドのFET4あるいはFET2をPWM駆動している。
したがって、ローサイドのFET4あるいはFET2がオフ状態で、回生電流が上記の閉ループ回路を回生している場合(電動モータ9の回生時)には、シャント抵抗器11に電流が流れず両端に電圧が発生しない。
図5において、電動モータ9の回生時には、シャント抵抗器11の両端に電圧が発生しないので、実際には電動モータ9に回生電流(電動モータの実電流の実線参照)が流れているにもかかわらず、電流検出回路51から出力される電流信号が零となる。
すなわち、上記の一般的なモータ駆動回路では、電動モータ9の回生時に流れる回生電流を検出することができず、電流信号から得られる平均電流値が、電動モータ9の実電流の平均電流値と大きく異なるという問題点があった。
これにより、電動モータの回生時に流れる回生電流を、直接検出することなく予測している。
そのため、回路構成が複雑になるとともに、コストが高くなるという問題点があった。
電動シートベルト装置において、車両の座席に設けられたシートベルト(図示せず)は、ぜんまい機構(リトラクタ)によって引き込まれ、座席に着座した乗員、あるいはチャイルドシート等を固定している。
したがって、車両の衝突可能性に応じて電動モータ9がシートベルトを巻き取る場合であっても、電動モータ9は、ほぼ回転しない状態になっている。
PWM信号によってFET4がオン状態からオフ状態に切り替わったとき、電動モータ9の慣性駆動により発生する逆起電圧の大きさは、電動モータ9の回転数に比例する。
そのため、電動モータ9がほぼ回転しない状態では、逆起電力をほぼ零とみなすことができる。
すなわち、図4のモータ駆動回路を適用した電動シートベルト装置においては、電動モータ9の回生電流を容易に予測することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る電動シートベルト装置を示す構成図である。
図1において、この電動シートベルト装置は、電動モータ9に流れる電流を検出し、電流信号を出力するモータ電流検出回路12(モータ電流検出手段)を備えている。
また、電動モータ9は、車両の座席に設けられたシートベルト21を巻き取る。
駆動電流検出回路15は、シャント抵抗器11の両端に電圧が発生している場合(ローサイドのFET4あるいはFET2がオン状態であって、バッテリ10から電動モータ9に駆動電力が供給されている場合、以下、「バッテリ10からの駆動電力供給時」と称する)に、シャント抵抗器11の両端電圧に基づいて、電動モータ9に流れる駆動電流を検出する。なお、電動モータ9の回生時には、駆動電流は零となる。
その他の構成は、前述した図4と同様なので、詳述を省略する。
図2において、回生電流予測回路16は、駆動電流検出回路15からの駆動電流が非反転入力端子に入力されるオペアンプ17と、オペアンプ17の出力端子にアノードが接続されたダイオード18と、オペアンプ17の非反転入力端子とダイオード18のカソードとの間に接続された抵抗19と、ダイオード18のカソードとグランドとの間に接続されたコンデンサ20とを有している。
また、回生電流予測回路16は、電動モータ9の回生時には一次遅れ系となり、抵抗19の抵抗値Rとコンデンサ20の静電容量Cとを互いに乗算して得られる電気的時定数(RC)で、コンデンサ20に蓄積された電荷を放電し、電流信号を出力する。
すなわち、回生電流予測回路16の電気的時定数(RC)によるA点(図2参照)での電流信号の波形が、電動モータ9の実電流の波形と一致するように、抵抗19の抵抗値Rとコンデンサ20の静電容量Cとが設定されている。
まず、前方車両等の障害物との距離や、運転者によるブレーキの操作状態等の情報に基づいて車両の衝突が予測された場合に、MPU13は、モータ電流検出回路12からの電流信号に基づいて、電動モータ9の通電方向および通電電流量を制御するための制御信号を出力する。
例えば、シートベルト21を巻き取る場合には、FET1をオンし、FET2、3をオフして、FET4をPWM信号によりオン−オフ制御(PWM駆動)することにより、電動モータ9を正転駆動させる。
シートベルト21のロック状態を解除する場合には、FET3をオンし、FET1、4をオフして、FET2をPWM信号によりオン−オフ制御(PWM駆動)することにより、電動モータ9を逆転駆動させる。
また、回生電流予測回路16は、バッテリ10からの駆動電力供給時には、駆動電流検出回路15からの駆動電流をそのまま電流信号として出力し、電動モータ9の回生時には、駆動電流検出回路15からの駆動電流に基づいて、電動モータ9の回生電流を予測し、電流信号として出力する。
図3において、電流信号は、バッテリ10からの駆動電力供給時(電流の立ち上がり時)には、シャント抵抗器11の両端電圧に基づいて駆動電流検出回路15で検出された駆動電流となり、電動モータ9の回生時(電流の立ち下がり時)には、駆動電流検出回路15からの駆動電流に基づいて回生電流予測回路16で予測された電動モータ9の回生電流となる。
駆動電流検出回路15は、シャント抵抗器11の両端電圧に基づいて、バッテリ10からの駆動電力供給時に電動モータ9に流れる駆動電流を検出する。
また、回生電流予測回路16は、シートベルト21を巻き取る電動モータ9がほぼ回転しない状態であることから、駆動電流検出回路15で検出された駆動電流に基づいて、電動モータ9の回生時に流れる回生電流を予測する。
そのため、簡素な回路構成で電動モータ9の回生時に流れる回生電流を予測するとともに、コストダウンを実現することができる。
また、電動モータ9の電気的時定数(L/Ra)を、回生電流予測回路16の電気的時定数(RC)で模擬することにより、簡素な回路構成で回生電流を予測することができる。
Claims (1)
- 車両の座席に設けられて乗員を前記座席に拘束するシートベルトを備えた電動シートベルト装置であって、
Hブリッジ回路を構成する複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子の各々に接続されたフライホイールダイオードと、
前記Hブリッジ回路に接続されて前記シートベルトを巻き取る電動モータと、
前記電動モータに駆動電力を供給する電源と、
前記Hブリッジ回路に接続されたシャント抵抗器と、
前記電動モータに流れる電流を検出し、電流信号を出力するモータ電流検出手段と、
前記電流信号に基づいて、前記電動モータの通電方向および通電電流量を制御するための制御信号を出力するモータ制御手段と、
前記制御信号に基づいて、前記複数のスイッチング素子をPWM駆動する駆動手段とを備え、
前記モータ電流検出手段は、
前記シャント抵抗器の両端電圧に基づいて、前記電源からの駆動電力供給時に前記電動モータに流れる駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、
前記駆動電流に基づいて、前記電動モータの回生時に流れる回生電流を予測し、前記電流信号として出力する回生電流予測手段とを含み、
前記回生電流予測手段は、
前記駆動電流検出手段からの前記駆動電流が非反転入力端子に入力されるオペアンプと、
前記オペアンプの出力端子にアノードが接続されたダイオードと、
前記非反転入力端子と前記ダイオードのカソードとの間に接続された抵抗と、
前記ダイオードのカソードとグランドとの間に接続されたコンデンサとを有し、
前記抵抗の抵抗値と前記コンデンサの静電容量とを互いに乗算して得られる電気的時定数は、前記電動モータの電気的時定数と等しい値に設定され、
前記回生電流予測手段は、前記電源からの駆動電力供給時には、前記駆動電流を前記電流信号として出力するとともに、前記電動モータの回生時には、前記駆動電流に基づいて、前記電動モータの回生電流を予測し、前記電流信号として出力することを特徴とする電動シートベルト装置。
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