JP4372470B2 - 電池の診断装置と診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池を診断する技術に関する。二次電池は、充放電を繰返すことによって使用度合が進行するのに伴って、充放電容量が減少し、内部抵抗が増大する。電池の使用度合に比して正常に充放電容量が減少し、内部抵抗が増大しているのか、異常に充放電容量が減少し、内部抵抗が増大しているのかを診断する必要が存在する。また、使用度合が進行している電池の残存充電回数を診断する必要が存在する。本発明は、上記の電池診断技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
充放電が可能な二次電池は、充放電サイクルを繰返して多数回使用することが可能であるが、使用度合に追従して充放電容量が減少し、内部抵抗が増大することが避けられない。以下ではこれを劣化という。正常に製造されて正常に機能している電池でも、使用度合に追従して劣化することが避けられない。
正常な電池が正常に劣化していく速度は、充放電の態様によって大きく影響され、電池寿命よりも急速充電や急速放電を重視して電池を使用すれば電池が高温に加熱されるために急速に劣化していくのに対し、電池寿命を重視して急速充電や急速放電を避ける使用方法を続ければ電池が高温に加熱されることがないために劣化速度を遅らせることができる。
充放電容量が減少した電池あるいは内部抵抗が増大した電池が、使用度合の進行に追従して正常に劣化したものなのか、異常に劣化したものかを診断する必要があるのに対し、現状では信頼のできる診断技術が開発されていない。正常に劣化する傾向が電池の使用方法の履歴によって大きな影響を受けることがこの問題を複雑なものとしている。
また、電池を利用して電動工具を駆動して工業製品を製造するような場合、許容レベル以上に劣化が進行した電池を使用して製品製造を続けると、例えば締め付けトルクが不足したり、タクト時間内に作業が終えられないことがある。そこで、許容レベル以上に劣化が進行した電池の使用を停止する必要がある。現状の技術では、使用度合が進行している電池をあと何回使用すると(具体的にはあと何回充放電すると)許容レベル以上に劣化が進行して使用を停止することが必要となるのか(その回数を残存充電回数という)を推定する技術が開発されていない。
【0003】
電池の劣化の進行度合を計測する技術が数多く提案されている。電池の充放電容量の減少は劣化の度合を示す指標であることから、充放電容量を計測して劣化度合とする技術が開発されている。電池の内部抵抗の増大もまた劣化の度合を示す指標であることから、内部抵抗を計測して劣化度合とする技術も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の技術では、劣化の進行が正常に進行しているのか異常に進行しているのかは判定できない。あるいは、正常電池が正常に使用されながら劣化しているのか、正常電池が不適切に使用されながら劣化しているのか、異常電池が異常に劣化しているのかはわからない。あるいは、残存充電回数を診断することはできない。
従来の技術は、劣化の進行度合を計測するレベルに留まっており、それを使用履歴と照らし合わせて電池の状態を診断するレベルには至っていない。
本発明では、電池の充放電容量の低下、あるいは、内部抵抗の増大を測定して電池の劣化度合を計測するのみならず、それに使用履歴を加味し、両者を照らし合わせることによって電池を診断する技術を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明は、下記の診断装置に具現化することができる。この装置は、電池の正常・異常を判別する装置であり、電池の充放電容量を検出する容量検出手段と、電池の使用度合を検出する使用度合検出手段と、容量と使用度合の2次元マップにおいて正常範囲を記憶している記憶手段と、検出された容量と検出された使用度合が記憶手段に記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する判定手段とを備えている。
【0006】
本発明者らの研究によって、電池の劣化度合を示す電池の充放電容量のみを計測しても、それが正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断できないのに対し、それに使用度合を加味すると、正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断できることが見出された。電池の使用度合は、例えば、それまでの充放電サイクル数(ここでは既充電回数という)、延べ充電時間、延べ充電電力量(ワット・時間)、延べ放電時間、延べ放電電力量等の各種指標を採用することができる。
本発明者らの研究によって、容量と使用度合の2次元マップに、検出した容量と検出した使用度合の対のデータをプロットすると、急速充電や急速放電を繰返す使用方法をしている場合でも、急速充電や急速放電を避ける使用方法をしている場合でも、正常に製造されて正常に機能している電池であれば、所定の範囲内に収まることが確認された。逆にいうと、異常に製造された電池や、異常な高温にさらされた電池は、検出した容量と使用度合の対のデータをプロットすると、所定範囲外にプロットされることが判明した。
本診断装置では、容量と使用度合を示す指標を対にして計測し、その対のデータが正常範囲内か否かを判定するために、正常な電池が正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断することが可能となる。
【0007】
本発明は方法に具現化することができる。本発明の一つの方法では、電池の充放電容量を検出する工程と、電池の使用度合を検出する工程と、容量と使用度合の2次元マップにおいて正常範囲を予め記憶しておく工程と、検出された容量と検出された使用度合が予めに記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する工程とを有する。
この方法によると、容量と使用度合を示す指標を対にして計測し、その対のデータが正常範囲内か否かを判定するために、正常な電池が正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断することが可能となる。
【0008】
電池の充放電容量に代えて電池の内部抵抗を利用することもできる。内部抵抗を利用する診断装置は、電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、電池の使用度合を検出する使用度合検出手段と、内部抵抗と使用度合の2次元マップにおいて正常範囲を記憶している記憶手段と、検出された内部抵抗と検出された使用度合が記憶手段に記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する判定手段とを有する。
【0009】
上記の診断装置は、電池の内部抵抗の増大から劣化度合を検出する。内部抵抗と使用度合の2次元マップに、検出した内部抵抗と検出した使用度合の対のデータをプロットすると、正常に製造されて正常に機能している電池であれば所定の範囲内に収まり、異常電池であれば所定の範囲外にプロットされる。
本診断装置では、内部抵抗と使用度合を示す指標を対にして計測し、その対のデータが正常範囲内か否かを判定するために、正常な電池が正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断することが可能となる。
【0010】
上記の技術は新規な診断方法を提供する。本発明の一つの方法では、電池の内部抵抗を検出する工程と、電池の使用度合を検出する工程と、内部抵抗と使用度合の2次元マップにおいて正常範囲を予め記憶しておく工程と、検出された内部抵抗と検出された使用度合が予めに記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する工程とを有する。
本方法によっても、正常な電池が正常に劣化したものなのか異常に劣化したものなのかを診断することが可能となる。
【0011】
上記の技術では、既充電回数、既充電時間、既放電時間、既充電力量、既放電力量等によって、電池の使用度合を検出することができる。これらを単独で用いてもよいし、複数を組合わせて用いてもよい。電池の劣化状態は充電回数との関係で管理されることが多いため、充電回数を用いることが好ましい。
本明細書では、「既充電回数」はその時までに電池が充電された回数を示す。「残存充電回数」はその時から電池が使用できなくなるまでの充電回数を示す。「総充電回数」は電池を利用開始してから使用できなくなるまでの充電回数を示す。即ち、既充電回数と残存充電回数の和が総充電回数となる。この関係は、充電時間、放電時間、充電電力量、放電電力量等にも適用される。
【0012】
容量と使用度合の対のデータ、又は、内部抵抗と使用度合の対のデータから、電池の正常異常を判別する方法は、寿命が尽きた電池の正常・異常を判別するのにも活用することができる。
寿命が尽きた電池が、正常に使用されて正常に寿命が尽きたものであるのか、あるいは、異常に寿命が尽きたものであるのかが判明すると、その後の使用方法に改善の必要があるのか否か等が明らかになる。
【0013】
二次電池をわずかに放電させてから充電する使用の仕方を繰返していると、二次電池が不活性状態となり、充放電容量が低下してしまうことが知られている。不活性状態の電池は放電し尽くしてから充電すると活性化する。そこで、正常な電池が正常に使用されているのか、正常な電池が不適切に使用されて不活性化しているのか、あるいは異常に劣化しているのかを判別する必要が存在する。
この診断のために、下記の診断装置が有効である。この診断装置は、電池の充放電容量を検出する容量検出手段と、電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、容量と内部抵抗と既充電回数の3次元マップにおいて「正常電池の正常範囲」と「正常電池の不活性範囲」を記憶している記憶手段と、検出された容量と検出された内部抵抗と検出された既充電回数が記憶手段に記憶されている「正常電池の正常範囲」か「正常電池の不活性範囲」か「その他の範囲」のいずれに含まれるかを判定して電池の状態を判定する判定手段を有する。
【0014】
二次電池は、長期間放置したり、容量が多く残っている状態で充電することを繰返すと、電池内部の反応体が不活性な状態となる。不活性な状態となった電池の充放電容量は減少する。しかしながら、正常な使用による劣化と比べて、不活性な状態となった電池の内部抵抗は増大量が小さい。この現象に着目して研究を進めた結果、容量と内部抵抗と既充電回数の3次元マップにおいて、検出された容量と内部抵抗と既充電回数の対のデータをプロットすると、正常電池が正常に使用されているときのプロット範囲と、正常電池の不活性状態になっているときのプロット範囲と、異常な電池のときのプロット範囲が異なり、検出された容量と内部抵抗と既充電回数の対のデータのプロット位置がどこの範囲に属するかによって、正常電池が正常に使用されている場合と、正常電池が不活性状態になっている場合と、異常電池が使用されている場合が判別できることが判明した。
上記の診断装置によると、上記によって、電池の状態を判別することが可能となる。
【0015】
電池の劣化は使用度合に追従して進行するが、使用度合を既充電回数で検出する場合には、既充電回数を補正して使用度合に換算することが好ましい。即ち、診断装置に、電池の温度履歴と容量履歴の少なくとも一方の履歴を検出する履歴検出手段と、検出された履歴に基づいて検出された既充電回数を修正する既充電回数修正手段を付加することが好ましい。
急速充電を多用したために充電時の電池温度が高くなる使用方法が繰返された電池は、既充電回数に対して劣化が進みやすく、正常・異常の判定のためには、実際の既充電回数よりも多くの回数充電されたと評価したほうがよい。同様に、過充電や過放電が繰返された電池は、既充電回数に対して劣化が進みやすく、正常・異常の判定のためには、実際の既充電回数よりも多くの回数充電されたと評価したほうがよい。
既充電回数修正手段を付加すると、より正確に正常・異常を判定することが可能となる。
【0016】
使用度合と容量の対のデータ、又は、使用度合と内部抵抗の対のデータを検出すると、電池の正常・異常を判定することが可能となるが、残存充電回数を推定することも可能となる。
一つの方式では、電池の充放電容量を検出する容量検出手段と、電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、同一の電池について検出された容量と既充電回数の対のデータを累積して記憶する記憶手段と、累積記憶された複数の容量と既充電回数の対のデータから所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する手段によって、残存充電回数を推定する装置を構成することができる。
同一の電池について検出された容量と既充電回数の対のデータを累積して記憶すると、既充電回数の増加に追従して容量が低下する傾向を知ることができる。その傾向を利用することによって所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定することが可能となる。
本装置によると、充放電の仕方によって大きく変化する「既充電回数の増加に対して容量が低下する傾向」を把握し、その把握された傾向に基づいて所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0017】
上記の技術は、新規で有用な電池の残存充電回数を推定する方法を提供する。本発明の一つの方法では、電池の充放電容量を検出する工程と、電池の既充電回数を検出する工程と、同一の電池について検出された容量と既充電回数の対のデータを累積して記憶する工程と、累積記憶された複数の容量と既充電回数の対のデータから所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する工程とを有する。本方法によると、充放電の仕方によって変化する「既充電回数の増加に対して容量が低下する傾向」を把握し、その把握された傾向に基づいて所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0018】
電池の充放電容量に代えて電池の内部抵抗を利用することもできる。内部抵抗を利用する方式では、電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、同一の電池について検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを累積して記憶する記憶手段と、累積記憶された複数の内部抵抗と既充電回数の対のデータから所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する手段によって、残存充電回数を推定する装置を構成することができる。
同一の電池について検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを累積して記憶すると、既充電回数の増加に追従して内部抵抗が増大する傾向を知ることができ、その傾向を利用することによって所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定することが可能となる。
本装置によると、充放電の仕方によって大きく変化する「既充電回数の増加に対して内部抵抗が増大する傾向」を把握し、その把握された傾向に基づいて所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0019】
上記技術は、電池の残存充電回数を推定する方法を提供する。この方法では、電池の内部抵抗を検出する工程と、電池の既充電回数を検出する工程と、同一の電池について検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを累積して記憶する工程と、累積記憶された複数の内部抵抗と既充電回数の対のデータから所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する工程とを有する。
本方法によると、充放電の仕方によって変化する「既充電回数の増加に対して内部抵抗が増大する傾向」を把握し、その把握された傾向に基づいて所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0020】
さらに本発明は、使用度合と容量の対のデータ、又は、使用度合と内部抵抗の対のデータを検出して、上記と異なる方式で残存充電回数を推定する技術を提供する。
この方式の残存充電回数推定装置は、電池の充放電容量を検出する容量検出手段と、電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、既充電回数と容量低下幅の標準的関係を記憶している標準低下幅記憶手段と、標準低下幅記憶手段に記憶されている既充電回数と容量低下幅の関係と、検出された容量と、検出された既充電回数とから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する手段を有する。
【0021】
電池の充放電容量は充電回数の増加とともに低下する。既充電回数の増加数に対する容量低下幅は、電池の使用期間を通して一定ではなく、既充電回数によって変化する。通常は、既充電回数が少ない使用初期の電池では、既充電回数の増加に伴う容量低下幅は小さく、既充電回数が多い使用後期の電池では、既充電回数の増加に伴う容量低下幅は大きい。容量を検出するだけでは、その後の充電回数の増加に伴って容量がどう減少していくかを知ることができない。容量と既充電回数の双方を検出すると、その後の充電回数の増加に伴って容量がどう減少していくかを始めて知ることが可能となる。
本装置では、既充電回数と容量低下幅の標準的関係を記憶している。また容量と既充電回数の対のデータを検出する。そこで、最後に検出された以降の既充電回数に対する容量低下幅の関係を標準的関係から知ることができ、最後に検出された以降に何回充放電を繰返すと所定容量に低下するかを知ることができる。
本装置によると、既充電回数の増加数に対する容量低下幅は、電池の使用期間を通して一定ではなく、既充電回数によって変化するという現象を加味して残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0022】
上記の技術は、残存充電回数を推定する方法を提供する。この方法は、電池の充放電容量を検出する工程と、電池の既充電回数を検出する工程と、既充電回数と容量低下幅の標準的関係を予め記憶しておく工程と、予め記憶されている既充電回数と容量低下幅の標準的関係と、検出された容量と、検出された既充電回数とから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する工程とを有する。
この方法によると、所定容量に低下するまでの残存充電回数を、検出された既充電回数に基づいた容量低下幅を用いて推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0023】
上記の残存寿命を推定する技術において、電池の充放電容量に代えて電池の内部抵抗を利用することもできる。内部抵抗を利用する方式では、電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係を記憶している標準増大幅記憶手段と、標準増大幅記憶手段に記憶されている既充電回数と内部抵抗増大幅の関係と、検出された内部抵抗と、検出された既充電回数とから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する手段によって、残存充電回数を推定する装置を構成することができる。
【0024】
電池の内部抵抗は充電回数の増加とともに増大する。既充電回数の増加数に対する内部抵抗の増大幅は、電池の使用期間を通して一定ではなく、既充電回数によって変化する。通常は、既充電回数が少ない使用初期の電池では、既充電回数の増加に伴う内部抵抗の増大幅は小さく、既充電回数が多い使用後期の電池では、既充電回数の増加に伴う内部抵抗の増大幅は大きい。内部抵抗を検出するだけでは、その後の充電回数の増加に伴って内部抵抗がどう増大していくかを知ることができない。内部抵抗と既充電回数の双方を検出すると、その後の充電回数の増加に伴って内部抵抗がどう増大していくかを始めて知ることが可能となる。
本装置では、既充電回数と内部抵抗の増大幅の標準的関係を記憶している。また内部抵抗と既充電回数の対のデータを検出する。そこで、最後に検出された以降の既充電回数に対する内部抵抗増大幅の関係を標準的関係から知ることができ、最後に検出された以降に何回充放電を繰返すと所定内部抵抗に増大するかを知ることができる。
本装置によると、既充電回数の増加数に対する内部抵抗の増大幅は、電池の使用期間を通して一定ではなく、既充電回数によって変化するという現象を加味して残存充電回数を推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0025】
上記の技術は、内部抵抗と、そのときの既充電回数から、電池の残存充電回数を推定する方法を提供する。この方法では、電池の内部抵抗を検出する工程と、電池の既充電回数を検出する工程と、既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係を予め記憶しておく工程と、予め記憶されている既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係と、検出された内部抵抗と、検出された既充電回数とから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する工程とを有する。
この方法によると、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を、検出された既充電回数に基づいた内部抵抗増大幅を用いて推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
最初に以下で説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 診断対象の電池を備える電池パックは記憶手段を備えている。
(形態2) 電池パックの記憶手段には、電池の残容量履歴データと温度履歴データと充電回数履歴データと電池パックデータと過去検出値データが記憶されている。
(形態3) 電池診断装置は、電池パックの記憶手段と接続してデータを読み取ることや、データを書き込むことができる。
(形態3) 電池診断装置は、電池の充放電容量を測定することができる。
(形態4) 電池診断装置は、電池の内部抵抗を測定することができる。
(形態4) 電池診断装置は、診断結果を表示する表示部を備えている。
(形態5) 電池診断装置は、パソコンを接続することができる。
(形態6) 電池診断装置は、インターネットに接続することができる。
【0027】
【実施例】
本願発明に係る実施例を図面を参照して説明する。図1は、実施例の構成を示す図である。本実施例は、電池パック1を対象とする装置であり、電池パック1を診断する電池診断装置20、パソコン40、電池パック1を充電する充電装置50で構成される。
【0028】
本実施例の診断・充電装置で診断する電池パック1は、繰り返し充電可能な二次電池2を備えている。本実施例では、電池2の劣化とそれが正常か異常か等の診断をする。電池パック1は、処理回路3と記憶手段5と温度センサ6を備えている。また、電池パック1は、外部と電気的に接続するためのデータ端子7と、正極端子8と、負極端子9を備えている。データ端子7は、記憶手段5と電気的に接続されている。正極端子8は、電池2の正極と電気的に接続されている。負極端子9は、電池2の負極と電気的に接続されている。
記憶手段5は残容量履歴データ10を記憶している。処理回路3によって電池2の残容量は経時的に演算される。演算された電池2の残容量が記憶手段5に記憶されて、電池2の残容量の履歴を記述する残容量履歴データ10が作成されている。処理回路3は、残容量の演算方法は、充電電流や放電電流を積算して残容量を演算する。
記憶手段5は温度履歴データ11を記憶している。温度センサ6が電池2の温度を経時的に測定する。測定された電池2の温度が記憶手段5に記憶され、記憶手段5に温度履歴データ11が作成されている。
記憶手段5は充電回数データ12を記憶している。充電装置50によって電池パック1を充電するとき、充電装置50によって充電回数データ12は更新され、電池パック1の既充電回数を記述する充電回数データ12が作成されている。記憶手段5は電池パックデータ13を記憶している。電池パックデータ13は、電池パック1の仕様、特性、製造シリアル(又はロット)番号等を記述している。
記憶手段5は過去検出値データ14を記憶している。電池パック1が電池診断装置20によって診断されたとき、診断時に検出された充電回数や容量や内部抵抗が記憶手段5に記憶されて、過去検出値データ14が作成されている。
【0029】
電池診断装置20は、診断に係る処理を行う処理回路21、処理回路21が処理に用いるプログラムおよびデータを記憶する記憶手段23、診断する電池パック1の電池2を充放電するための充放電回路25、および利用者が電池診断装置20を操作するとともに、利用者に情報を表示する操作パネル26を備えている。
【0030】
記憶手段23は判定基準データ30を記憶している。判定基準データ30は、電池2の劣化状態の判定において基準となるデータである。詳しくは、容量と既充電回数の2次元マップと、内部抵抗と既充電回数の2次元マップである。容量と既充電回数の2次元マップでは、既充電回数に対する容量の値が正常である「正常範囲」が記述されている。また、内部抵抗と既充電回数の2次元マップでは、既充電回数に対する内部抵抗の値が正常である「正常範囲」が記述されている。前者の2次元マップでは、「正常範囲」において容量が所定値以下である範囲が、特に「寿命範囲」と記述されている。正常電池が正常に使用されて、寿命が尽きたときに相当する。後者の2次元マップでは、「正常範囲」において内部抵抗が所定値以上である範囲が、特に「寿命範囲」と記述されている。正常電池が正常に使用されて、寿命が尽きたときに相当する。判定基準データ30は、様々な仕様や特性の電池に対応する複数の2次元マップを記憶している。診断される電池の仕様や特性によって、診断の基準は選択されて使用される。
記憶手段23は変化幅データ32を記憶している。変化幅データ32は、電池2の残存充電回数を演算するときに利用されるデータである。変化幅データ32は、電池2の既充電回数に対応付けて容量の低下幅を記述する容量低下幅データと、電池2の既充電回数に対応付けて内部抵抗の増大幅を記述する内部抵抗増大幅データとからなる。容量低下幅データにおいて、容量低下幅を記述する既充電回数の単位幅は、細かくするほど残存充電回数を正確に測定することができる。しかしながら、容量低下幅を記述する既充電回数の単位幅を細かくするほど、データ容量は大きくなる。容量低下幅を記述する既充電回数の単位幅は、実施する形態に応じて設定するとよい。内部抵抗増大幅データにおいても同様である。
記憶手段23は判定プログラム34を記憶している。判定プログラム34は、電池2の劣化状態の判定において処理回路21が実行するプログラムである。
記憶手段23は充放電プログラム36を記憶している。充放電プログラム36は、接続された電池2を充放電するときに処理回路21が実行するプログラムである。
記憶手段23は内部抵抗演算プログラム38を記憶している。内部抵抗演算プログラム38は、電池2の内部抵抗を測定するときに処理回路21が実行するプログラムである。
【0031】
充放電回路25は、処理回路21に制御されて接続された電池2の充放電を行う。このとき、処理回路21は記憶手段23に記憶されている充放電プログラム36を使用する。電池診断装置20は、充放電回路25によって電池2を充放電して、電池2の内部抵抗を測定することができる。充放電回路が検出する充放電時の電流値や電圧値から、内部抵抗演算プログラム38によって内部抵抗が演算される。また、充放電回路25は、接続された電池2を満充電したのちに完全放電することにより、電池2の充放電容量を測定することもできる。
【0032】
操作パネル26は、電池診断装置20を操作するためのスイッチ26a等や診断結果を示す結果表示部26bを備えている。結果表示部26bを図2に示す。結果表示部26bは、表示部71と表示部72と表示部73を備えている。表示部71は、容量と既充電回数による第1の診断の結果を表示する。表示部72は、内部抵抗と基準電回数による第2の診断の結果を表示する。表示部73は、容量診断の結果と内部抵抗診断の結果を併せて診断した結果を表示する。また、表示部73は、推定された残存充電回数を表示する。
表示部71は、診断の結果を点灯することによって表示するLED75a、76a、77aを備えている。表示部72は、診断の結果を点灯することによって表示するLED75b、76b、77bを備えている。表示部73は、診断の結果を点灯することによって表示するLED75c、76c、77c、78を備えている。LED75a、75b、75cが点灯することで、電池2の劣化が正常であり寿命に到達していないことを示す。また、LED76a、76b、76cが点灯することで、電池2の劣化が異常であることを示す。また、LED77a、77b、77cが点灯することで、電池2が正常に劣化して寿命に到達していることを示す。さらに、表示部73は、LED78と、3桁の7セグメントLED79を備えている。LED78が点灯することで、電池2が不活性の状態であることを示す。3桁の7セグメントLED79は、電池2の残存充電回数を数字で示す。
【0033】
電池診断装置20は、データ接続端子27、正極接続端子28、負極接続端子29を備えている。上記の接続端子27〜29は、電池パック1と電気的に接続するための接続端子である。データ接続端子27は、処理回路21と電気的に接続されている。正極接続端子28は、充放電回路28と正極出力と電気的に接続されている。負極接続端子29は、充放電回路28の負極出力と電気的に接続されている。電池診断装置20に電池パック1が接続されると、電池パック1のデータ端子7と電池診断装置20のデータ接続端子27が電気的に接続され、電池パック1の正極端子8と電池診断装置20の正極接続端子28が電気的に接続され、電池パック1の負極端子9と電池診断装置20の負極接続端子29が電気的に接続される。
また、電池診断装置20はパソコン40を処理回路21に接続することができる。
【0034】
充電装置50は、電池パック1の電池2を充電する。充電装置50は、電池パック1の電池2へ電力を供給する充電回路52、充電回路54を制御する充電制御回路54、充電に係る表示をする表示部56を備えている。また、電池パック1と電気的に接続する接続端子として、データ接続端子57と正極接続端子58と負極接続端子59を備えている。データ接続端子57は、充電制御回路と電気的に接続されている。正極端子58は、充電回路52の正極出力と電気的に接続されている。負極接続端子59は、充放電回路52の負極出力と電気的に接続されている。
充電装置50に電池パック1が接続されると、電池パック1のデータ端子7と充電装置50の端子57が電気的に接続される。また、電池パック1の正極端子8と充電装置50の正極端子58が電気的に接続される。また、電池パック1の負極端子9と充電装置50の負極端子59が電気的に接続される。充電装置50と電池パック1が電気的に接続されると電池2が充電される。このとき、充電制御回路54は、電池パック1の記憶手段5に記憶されている充電回数データ12を更新する。
充電時、電池パック1では、処理回路3が電池2の充電電流を積算して電池2の残容量を経時的に積算して、記憶手段5の残容量履歴データ10に記述される。また、温度センサ6によって電池2の温度が経時的に測定され、記憶手段5の温度履歴データ11に記述される。
【0035】
以下、本実施例の流れを図3のフローチャートを参照して説明する。電池診断装置20の電源投入等によって図3のフローチャートはスタートする。このとき、電池診断装置20の処理回路21は、判定プログラム34をスタートする。ステップS1で、電池診断装置20は、電池パック1が接続されるまで待機状態となる。電池診断装置20に電池パック1が接続されると、ステップS3に進む。電池パック1と電池診断装置20の接続の検出は、接続部近傍にスイッチを設けて物理的にすることもできるし、電池パック1の端子7〜9と電池診断装置20の接続端子27〜29が電気的に接続されたことを検出してもよい。また、外部から電池診断装置20に電池2が接続されたことを教示してもよい。
ステップS3では、電池パック1の仕様や特性の検出が行われる。電池診断装置20の処理回路21は、電池パック1の電池パックデータ13を読み取る。電池パック1の電池パックデータ13を読み取ることができないときは、操作パネル26によって利用者が教示してもよい。
ステップS5では、劣化判定の基準となるデータが選定される。ステップS3で検出した電池パック1の電池パックデータ13に基づいて、記憶手段23が記憶している複数の判定基準データ30から、電池2の診断に適切な判定基準を選定する。電池パック1の仕様や特性が検出されなかったときは、予め定めておいた汎用の判定基準を用いることとしてもよいが、好ましくは電池パック1の仕様や特性によって選定されるとよい。
【0036】
図4、図5に電池パック1(電池2)に対応する判定基準を示す。図4は、容量と既充電回数による判定基準を示す2次元マップ60である。図5は、内部抵抗と既充電回数による判定基準を示す2次元マップ61である。
図4に示す2次元マップ60において、実線で囲まれた領域63(マップ60の上部)と領域64(マップ60の右下部)は電池2の劣化が正常であることを示す。特に領域64は、電池2が正常な劣化によって寿命に到達していることを示す。また、2次元マップ60の実線で囲まれた領域65(マップ60の左下部)は電池2の劣化が異常であることを示す。例えば、検出された既充電回数が300回で、そのときの容量がQ2のとき、2次元マップ60上において点Hで示される。点Hは領域63に位置しているので、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと判定される。同様に、検出された容量と既充電回数が2次元マップ60上の領域64に位置する点(例えば点L)で示されたとき、電池2は正常な劣化によって寿命に到達していると判定される。同様に、検出された容量と既充電回数が2次元マップ60上の領域65に位置する点(例えば点I、点J)で示されたとき、電池2の劣化は異常であると判定される。
【0037】
図5に示す内部抵抗と既充電回数による2次元マップ61においても、実線で囲まれた領域66(マップ61の下部)と領域67(マップ61の右上部)は電池2の劣化が正常であることを示す。特に領域67は、電池2が正常な劣化によって寿命に到達していることを示す。また、2次元マップ61の実線で囲まれた領域68(図面マップ60左上部)は電池2の劣化が異常であることを示す。例えば、検出された内部抵抗と既充電回数が、2次元マップ61上の領域66に位置する点(点W、点X)で示されたとき、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと判定される。また、検出された内部抵抗と既充電回数が、2次元マップ61上の領域67に位置する点(例えば点Y)で示されたとき、電池2は正常な劣化によって寿命に到達していると判定される。また、検出された内部抵抗と既充電回数が、2次元マップ61上の領域68に位置する点(点U、点V)で示されたとき、電池2の劣化は異常であると判定される。
【0038】
図3のステップS7では、電池2の既充電回数が検出される。処理回路21が、電池パック1の記憶手段5が記憶している充電回数データ12を読み取る。
ステップS9では、電池2の使用履歴が検出される。処理回路21は、電池パック1の記憶手段5に記憶されている残容量データ10および温度履歴データ11を読み取る。読み取った残容量履歴データ10から、電池2の過放電や過充電等の劣化要因となる履歴を抽出する。また、読み取った温度履歴データ11から劣化要因となる所定温度範囲外の履歴を抽出する。抽出した残容量と温度の履歴から、電池2の使用履歴を「通常」または「過酷」のいずれかと判定する。例えば、過放電回数と過充電回数が所定の回数を超えているとき、電池2の使用履歴は「過酷」と判定してもよい。あるいは、所定温度範囲外での使用率が所定以上のとき、電池2の使用履歴は「過酷」と判定してもよい。それ以外は「通常」と判定すればよい。ステップS9で、電池2の使用履歴が検出されないときは、ステップS13へ進む。
【0039】
ステップS11では、ステップS9で検出された使用履歴を用いて、検出された既充電回数に重みづけを施す。二次電池は、使用される形態によって劣化の進行速度が変化する。換言すると、同じ既充電回数であっても、使用履歴によって電池2の劣化の進行度は異なる。従って、充電回数を劣化の診断に用いる上では、その使用形態に対応して充電回数は重みづけされることが好ましい。ステップS7において使用履歴が「過酷」と判定されているとき、検出された既充電回数に重みづけを行えばよい。例えば、検出された既充電回数を1.5倍へ修正してもよい。本実施例では、使用履歴が「過酷」であるとき、ステップS7で検出された既充電回数を1.5倍に修正する。また、使用履歴が「通常」とであるときは既充電回数を修正しない。以下の説明では、使用履歴が「通常」とラベル付けされたものとする。また、ステップS9で使用履歴の検出が行われないとき、ステップS11の既充電回数の重みづけは施されないが、以下に説明する診断の流れは同様に行われる。
【0040】
ステップS13では、電池2の充放電容量の検出が行われる。処理回路21が、電池パック1の記憶手段5が記憶している残容量履歴データ10を読み取る。電池2の充放電容量は、残容量履歴データ10の最新の極大値である。残容量履歴データ10を読み取ることができないときは、電池診断装置20によって電池2を満充電したのちに、完全放電して放電量を測定してもよい。検出された電池2の容量は、電池パック1の記憶手段5の過去検出値データ14に、ステップS7で検出された既充電回数と対にして記述される。電池2の容量が検出されたときは、ステップS15へと進み、電池2の容量が検出されないときは、ステップS17へ進む。
【0041】
ステップS15では、検出された電池2の既充電回数、又はステップS11で修正された既充電回数と、検出された電池2の容量によって第1の診断が行われる。第1の診断では、図4に示す判定基準の2次元マップ60が用いられる。2次元マップ60に検出された容量と既充電回数の対がプロットされ、その位置によって劣化状態が診断される。例えば、検出された既充電回数が300回で、検出された容量がQ2のとき、2次元マップ60上において点Hにプロットされる。点Hは領域63に位置しているので、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断される。また、検出された既充電回数が300回で、検出された容量がQ3のとき、2次元マップ60上において点Iで表される。点Iは領域65に位置しているので、電池2の劣化は異常であると診断される。また、検出された既充電回数が700回で、検出された容量がQ3のとき、2次元マップ60上において点Kで表される。点Kは領域63に位置しているので、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断される。
上述のように、電池診断装置20は、電池2の劣化が正常なのか異常なのか判定して診断することができる。これは、本発明が容量と既充電回数によって電池2の劣化状態を記述する2次元マップを用いて診断するためである。容量のみを用いて電池を診断する形態では、寿命判定値Qzよりも容量の大きい電池(例えば点H、点I、点K)は、すべて正常と診断されてしまう。また、寿命判定値Qzよりも値の小さい電池(例えば点J、点L)は、すべて寿命と診断されてしまう。一方、既充電回数のみを用いて電池を診断する方法でも、既充電回数が同一である電池(例えば点H、点I、点J)は、すべて同一に診断されてしまう。電池診断装置20では、例えば検出された容量がQ3の電池(例えば点I、点K)を、既充電回数から「異常」と「正常」を区別して診断することができる。例えば、点Iで表される劣化状態の電池は、既充電回数に対して容量が少ないため、異常な劣化であると診断されるべきである。しかし、容量のみによる診断では、異常な劣化であることを診断することは困難である。異常な劣化の電池を使用することは、所望する機能を得られないばかりか、電解液の漏洩など二次被害をもたらすこともある。
容量がQ3と検出された電池(点Jと点L)において、既充電回数から「異常」と「寿命」を区別して診断することができる。点Jや点Lで表される劣化状態の電池2は、著しく容量が低下しているため、使用が極めて困難な状態である。点Iで表される劣化状態の電池2は、容量の低下に対して既充電回数が少ないため、異常な劣化(故障している)と判断されるべきであるが、既充電回数を用いて診断しなければ異常な劣化と診断することはできない。このような使用初期の故障は、生産要因(不良品)や使用要因(落下衝撃)に起因することも多く、初期故障を把握することで、電池パック1の直接の使用者のみならず、その管理者や生産者にとって有益な情報となる。
【0042】
第1の診断の結果は、操作パネル26の表示部26bに表示される。詳しくは、操作パネル26の表示部26bの容量診断表示部71のLED75a、76a、77aのいずれかが点灯することによって、診断結果は表示される。電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断されたとき、LED75aのみが点灯する。電池2の劣化は異常であると状態と診断されたとき、LED76aのみが点灯する。電池2が正常な劣化によって寿命に到達していると診断されたとき、LED77aのみが点灯する。電池診断装置20の利用者は、第1の診断の結果を知ることができる。
【0043】
ステップS17では、電池2の内部抵抗の検出が行われる。電池診断装置20が電池2の内部抵抗を測定する。検出された電池2の内部抵抗は、電池パック1の記憶手段5の過去検出値データに、ステップS7で検出された既充電回数と対にして記述される。ステップS17で、電池2の内部抵抗が検出されたときは、ステップS19へと進み、電池2の容量が検出されないときは、ステップS21へ進む。
【0044】
ステップS19では、検出された電池2の既充電回数、又はステップS11で修正された既充電回数と、検出された電池2の内部抵抗によって第2の診断が行われる。第2の診断では、図5に示す判定基準の2次元マップ61が用いられる。2次元マップ61に検出された既充電回数の対がプロットされ、その位置によって劣化状態が診断される。例えば、検出された既充電回数が300回で、検出された内部抵抗がR2のとき、2次元マップ61上において点Wにプロットされる。点Wは領域66に位置しているので、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断される。また、検出された既充電回数が300回で、検出された内部抵抗がR3のとき、これは2次元マップ61上において点Vで表される。点Vは領域68に位置しているので、電池2の劣化は異常であると診断される。また、検出された既充電回数が700回で、検出された内部抵抗がR3と検出されたとき、これは2次元マップ60上において点Xで表される。点Xは領域66に位置しているので、電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断される。
上述のように、電池2の劣化が正常なのか異常なのか判定して診断することができる。これは、本発明が内部抵抗と既充電回数によって電池2の劣化状態を記述する2次元マップを用いて診断するためである。内部抵抗のみを用いて電池を診断する方法では、寿命判定値Rzよりも内部抵抗の小さい電池(例えば点V、点W、点X)は、すべて正常と診断されてしまう。そして、寿命判定値Rzよりも内部抵抗が大きい電池(例えば点U、点Y)は、すべて寿命と診断されてしまう。一方、既充電回数のみを用いて電池を診断する方法でも、既充電回数が同一である電池(例えば点U、点V、点W)は、すべて同一に診断されてしまう。電池診断装置20では、例えば内部抵抗がR2と検出された電池(例えば点Vと点X)において、既充電回数から「故障」と「正常」を区別して診断することができる。例えば、点Vで表される劣化状態の電池は、既充電回数に対して内部抵抗が高いため、異常な劣化であると診断されるべきである。しかし、内部抵抗のみによる診断では、異常な劣化であると診断することは困難である。
内部抵抗がR4と検出された電池(点Uと点Y)において、既充電回数から「異常」と「寿命」を区別して診断することができる。点Uや点Yで表される劣化状態の電池は、著しく内部抵抗が上昇しているため、使用が極めて困難な状態である。点Uで表される劣化状態の電池2は、内部抵抗の上昇に対して既充電回数が少ないため、異常な劣化(故障している)と判断されるべきであるが、既充電回数を用いて診断しなければ異常な劣化と診断することはできない。第2の診断においても、初期故障を把握することができ、電池パック1の直接の使用者のみならず、その管理者や生産者にとって有益な情報を得ることができる。
【0045】
第2の診断の結果は、操作パネル26の表示部26bに表示される。詳しくは、操作パネル26の表示部26bの内部抵抗診断表示部72のLED75b、76b、77bのいずれかが点灯することによって、診断結果は表示される。電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断されたとき、LED75bのみが点灯する。電池2の劣化は異常であると診断されたとき、LED76bのみが点灯する。電池2が正常な劣化によって寿命に到達していると診断されたとき、LED77bのみが点灯する。電池診断装置20の利用者は、第2の診断の結果を知ることができる。
【0046】
上述した第1の診断と第2の診断は、ステップS19までの段階において相互に作用することはなく、独立したものである。従って、容量と既充電回数による第1の診断のみでも、電池2の劣化が正常なのか異常なのかを知ることができる。また、使用が困難な状態にまで劣化している電池(寿命の状態の電池)が、正常な劣化によって寿命に到達しているのか、異常な劣化によって寿命に到達しているのか知ることができる。内部抵抗と既充電回数による第2の診断のみでも、同様に診断結果を得ることができる。
【0047】
図3のステップS21では、第1の診断である容量と既充電回数による診断の有無が確認され、第2の診断である内部抵抗と既充電回数による診断の有無が確認される。そして、第1の診断と第2の診断が共になされているとき、ステップS23へ進む。そうでないときは、ステップS25へ進む。
ステップS23では、第1の診断結果と第2の診断結果から、電池の状態を総合診断する。総合診断の診断基準を図6に示す。総合診断によって、例えば、第1の診断結果が「異常」であっても第2の診断結果が「正常」であるときには、電池2は正常ではあるが不活性状態であると診断する。不活性状態となった電池は、容量が低下するが、内部抵抗の増大量は比較的小さい。従って、第1の診断結果が「異常」であっても第2の診断結果が「正常」であれば、正常な電池2が不活性状態となっていると診断することができる。総合判断すると、不活性状態である電池を異常な劣化と誤診することがない。不活性状態と診断された電池は活性化(電池のリフレッシュ)した後に、再度診断することによって正しい劣化の状態を診断をすることができる。
図6に示す総合診断基準69は、判定基準データ30の2次元マップ60、61を複合することによって、容量と内部抵抗と既充電回数によって電池の状態を記述する3次元マップを形成している。総合診断すると、正常電池が正常である場合と不活性状態である場合とを区別することが可能となる。
【0048】
総合診断の結果は、操作パネル26の表示部26bに表示される。詳しくは、操作パネル26の表示部26bの総合診断表示部73のLED75〜78のいずれかが点灯することによって、診断結果は表示される。電池2の劣化は正常であり寿命に到達していないと診断されたとき、LED75cのみが点灯する。電池2の劣化は異常であると診断されたとき、LED76cのみが点灯する。電池2が正常な劣化によって寿命に到達していると診断されたとき、LED77cのみが点灯する。電池2が不活性状態であると診断されたとき、LED78のみが点灯する。電池診断装置20の利用者は、総合診断の結果を知ることができる。
【0049】
ステップS25では、過去の診断時に検出された既充電回路や容量や内部抵抗が検出される。処理回路21が、電池パック1の記憶手段5が記憶している過去検出値データ14を読み取る。電池2の過去の診断時における検出値が検出されたときは、ステップS27へ進み、検出されないときは、ステップS29へ進む。過去の診断時の検出値は、例えば利用者が接続されているパソコン40等によって電池診断装置20に教示してもよい。
【0050】
ステップS27では、検出された過去の診断時の検出値と今回の診断の検出値によって、残存充電回数が推定される。残存充電回数を演算するためには、複数の容量の検出値と既充電回数の検出値の対のデータでもよいし、複数の内部抵抗の検出値と既充電回数の検出値の対のデータでもよい。いずれか一方の複数の対のデータで足りる。図7を用いて、例えば2つの容量と既充電回数の対のデータによる残存充電回数の推定方法を説明する。残存充電回数の推定においても、判定基準データ30に記述されている容量と既充電回数の2次元マップ60が用いられる。2次元マップ60において、点Hが電池2の過去の診断時における容量と既充電回数の検出値である。即ち、過去の診断時において検出された容量はQ2であり、検出された既充電回数は300回である。点Kが今回の診断の容量と既充電回数の検出値である。即ち、今回の診断において検出された容量はQ3であり、検出された既充電回数は700回である。2次元マップ60上に点Hと点Kがプロットされ、点Hと点Kを通る変化軌跡91が作成される。作成された変化軌跡91上において容量が寿命判定値Qzとなる点Mが求められる。点Mが示す既充電回数は1000回である。電池2が寿命に到達する総充電回数は1000回と求められる。今回の診断では既充電回数が700回であるため、残存充電回数は300回と求められる。
複数の容量と既充電回数の対のデータを用いることにより、既充電回数の増加に対して容量が低下する傾向を加味して残存充電回数を推定することができる。既充電回数の増加に対して容量が低下する傾向は、電池が使用される形態によって異なる。本実施例によれば、様々な使用形態の電池に対して、残存充電回数を精度よく推定することができる
変化軌跡91の作成においては、統計演算等に用いられる汎用の軌跡作成方法を用いることができる。検出されたデータの対が少ないときは、既充電回数に対する容量の変化幅の経験的データを加味して変化軌跡の作成を行うことで、信頼性の高い軌跡を作成することもできる。このとき、記憶手段23に記憶している変化幅データ32を用いてもよい。
上述では複数の容量と既充電回数の対のデータを用いて残存充電回数を推定する場合を説明したが、内部抵抗を用いて行われる場合も同様の流れとなり、同様に残存充電回数を推定することができる。
【0051】
一方、ステップS25で電池2の過去の診断履歴が検出されず、ステップS29へと進んだとき、残存充電回数の推定がステップS27とは異なる方法で行われる。このステップS29の残存充電回数の推定では、今回の診断で検出された容量と既充電回数の対のデータ、又は今回の診断で検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータが用いられる。いずれか一方の対のデータで足りる。その対のデータと変化幅データ32によって、残存充電回数が演算される。図8を用いて、例えば今回の診断で検出された容量と既充電回数の対のデータによる残存充電回数の推定方法を説明する。この残存充電回数の推定においても、判定基準データ30に記述されている容量と既充電回数の2次元マップ60が用いられる。点Hが今回の診断で検出された容量と既充電回数の対のデータある。即ち、既充電回数が300回で、容量がQ2である。
変化幅データ32に記述されている容量低下幅データは、2次元マップ60上で標準変化軌跡92で示される。容量低下幅データは、電池2が標準的な使用形態において、想定される既充電回数に対する容量の低下幅を記述している。曲線92の曲率の変化が示すように、既充電回数によって容量の低下幅は変化する。容量低下幅データは、電池2が標準的な使用形態によって、既充電回数が1100回のときに寿命に到達することを示している。
二次元マップ60上で、推定される容量の変化軌跡93が作成される。変化軌跡93の作成は、容量低下データに記述されている変化幅において、既充電回数300回以降の変化幅が用いられる。即ち、図8の2次元マップ60において、標準変化軌跡92の点H’から点M’間の軌跡が用いられる。従って、作成される変化軌跡93は、2次元マップ60上で標準変化軌跡92を、点H’が点Hに位置するまで平行移動させたものである。作成された変化軌跡93上において容量が寿命判定値Qzとなる点Mが求められる。点Mが示す既充電回数は1000回である。電池2が寿命に到達する総充電回数は1000回と求められる。電池2の容量が寿命判定値Qzとなる点Mを求める。点Mが示す既充電回数が電池2の推定される総充電回数となる。即ち、総充電回数は1000回である。今回の診断では既充電回数が700回であるため、残存充電回数は300回と求められる。
本実施例では、検出された容量から所定容量に低下するまでの残存充電回数の推定において、検出された既充電回数に基づいた容量低下幅を用いて推定することから、残存充電回数を精度よく推定することができる。
また、変化幅データ32が記述する既充電回数に対する容量の低下幅を、ステップS9で検出した使用履歴に応じて修正してもよい。先に説明したように、二次電池は使用される形態によって劣化の進行速度が変化する。即ち、使用される形態によって、既充電回数に対する容量低下幅は変化する。使用履歴に応じて既充電回数に対する容量低下幅を修正することで、様々な使用形態の電池に対して残存充電回数を精度よく推定することができる。
上述では容量と既充電回数の対のデータを用いて残存充電回数を推定する場合を説明したが、内部抵抗を用いて行われる場合も同様の流れとなり、同様に残存充電回数を推定することができる。
【0052】
ステップS31では、ステップS27又はステップS29で求められた電池2の残存充電回数が、操作パネル26の表示部26bに表示される。残存充電回数は総合診断表示部73の7セグメントLED79に数値で表示される。
【0053】
上述したように、電池診断装置20は、電池2の劣化状態の診断を、電池の容量と内部抵抗の少なくとも一方と、既充電回数とによって診断する。それにより、容量が減少している電池を、正常な劣化に伴う容量の減少であるのか、故障によって引き起こされた容量の減少であるのか診断することができる。また、内部抵抗が上昇している電池を、正常な劣化に伴う内部抵抗の上昇であるのか、故障によって引き起こされた内部抵抗の上昇であるのか診断することができる。さらには、電池の容量と内部抵抗の両者と、既充電回数との関係を用いて診断することによって、電池が不活性状態となっていることを知ることができる。そして、電池の残存充電回数を精度よく知ることができる。
【0054】
パソコン40に診断結果の表示に係るプログラムを教示しておき、診断結果をパソコン40のディスプレイに表示してもよい。その場合は、検出された容量と既充電回数の対のデータや、検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを、図4、5に示す2次元マップ60、61にプロットして表示してもよい。また、電池の劣化状態に基づいて診断装置の使用者にメッセージを表示することもよい。例えば電池が不活性状態と診断されたときは、電池のリフレッシュを促すメッセージを表示する。このとき、電池のリフレッシュの方法等を併せて表示してもよい。
診断結果をパソコン40に蓄積してもよい。パソコン40で複数の電池パックの診断結果や検出されたデータを一元的に管理して、複数の電池パックの劣化状態を管理することもできる。さらに、パソコン40を介して、又は直接的に電池診断装置20がインターネットに接続してもよい。インターネットを利用して、異なる場所にある複数の電池を集中管理することもできる。ホストコンピュータを中心として、電池の劣化を管理する管理情報網を構築するのもよい。ユーザーにおいては、工場内に上記の管理情報網を構築することで、工場内に散在して使用される電池を管理し、工程毎に配置されている電池の劣化進行速度を把握できる。その情報を利用して、電池を効率的に利用するための配置シフト計画を組むこともできる。メーカーにおいては、電池の販売網にあわせて管理情報網を構築してもよい。世界各地で販売した電池の診断結果を情報センター等でリアルタイムに集中管理し、その情報を電池の設計部門や生産部門へリアルタイムにフィードバックすることもできる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の構成を示す図。
【図2】 電池診断装置の表示部を示す図。
【図3】 電池診断装置の処理の流れを示すフローチャート。
【図4】 容量と既充電回数の二次元マップ。
【図5】 内部抵抗と既充電回数の二次元マップ。
【図6】 総合診断基準を示す図。
【図7】 複数のデータ対による残存充電回数の推定を説明する図。
【図8】 標準変化幅による残存充電回数の推定を説明する図。
【符号の説明】
1・・・電池パック
2・・・二次電池
3・・・電池パック1の処理回路
5・・・電池パック1の記憶部
6・・・温度センサ
20・・・電池診断装置
21・・・電池診断装置20の処理回路
23・・・電池診断装置20の記憶部
25・・・電池診断装置20の充放電回路
26・・・電池診断装置20の操作パネル
26a・・・操作パネル26のスイッチ類
26b・・・操作パネル26の表示部
40・・・パソコン
50・・・充電装置
Claims (16)
- 電池の充放電容量を検出する容量検出手段と、
電池の内部抵抗を検出する内部抵抗検出手段と、
電池の既充電回数を検出する既充電回数検出手段と、
容量と内部抵抗と既充電回数の3次元マップにおいて「正常電池の正常範囲」と「正常電池の不活性範囲」を記憶している記憶手段と、
検出された容量と検出された内部抵抗と検出された既充電回数が、記憶手段に記憶されている「正常電池の正常範囲」か「正常電池の不活性範囲」か「その他の範囲」のいずれに含まれるかを判定する判定手段と、
を有する電池の状態を判別する装置。 - 電池の温度履歴と容量履歴の少なくとも一方を検出する履歴検出手段と、
検出された履歴に基づいて検出された既充電回数を修正する既充電回数修正手段と、
が付加された請求項1の装置。 - 記憶手段は、容量と既充電回数の2次元マップにおいて正常範囲をさらに記憶しており、
判定手段は、検出された容量と検出され既充電回数が、容量と既充電回数の2次元マップにおいて記憶手段に記憶されている正常範囲に含まれるか否かをさらに判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2の装置。 - 記憶手段は、内部抵抗と既充電回数の2次元マップにおいて正常範囲をさらに記憶しており、
判定手段は、検出された内部抵抗と検出された既充電回数が、容量と既充電回数の2次元マップにおいて記憶手段に記憶されている正常範囲に含まれるか否かをさらに判定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項の装置。 - 記憶手段はさらに、同一の電池について、検出された容量と既充電回数の対のデータを累積して記憶し、
累積記憶された複数の容量と既充電回数の対のデータから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項の装置。 - 記憶手段はさらに、同一の電池について、検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを累積して記憶し、
累積記憶された複数の内部抵抗と既充電回数の対のデータから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項の装置。 - 記憶手段は、既充電回数と容量低下幅の標準的関係をさらに記憶しており、
記憶されている既充電回数と容量低下幅の標準的関係と、検出された容量と、検出された既充電回数とから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項の装置。 - 記憶手段は、既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係をさらに記憶しており、
記憶されている既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係と、検出された内部抵抗と、検出された既充電回数とから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項の装置。 - 電池の充放電容量を検出する工程と、
電池の内部抵抗を検出する工程と、
電池の既充電回数を検出する工程と、
容量と内部抵抗と既充電回数の3次元マップにおいて「正常電池の正常範囲」と「正常電池の不活性範囲」を予め記憶しておく工程と、
検出された容量と検出された内部抵抗と検出された既充電回数が、予めに記憶されている「正常電池の正常範囲」か「正常電池の不活性範囲」か「その他の範囲」に含まれるかを判定する工程と、
を有する電池の状態を判別する方法。 - 容量と既充電回数の2次元マップにおいて正常範囲を予め記憶しておく工程と、
検出された容量と検出された既充電回数が、容量と既充電回数の2次元マップにおいて予めに記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する工程と、
をさらに有する請求項9の方法。 - 内部抵抗と既充電回数の2次元マップにおいて正常範囲を予め記憶しておく工程と、
検出された内部抵抗と検出された既充電回数が、内部抵抗と既充電回数の2次元マップにおいて予めに記憶されている正常範囲に含まれるか否かを判定する工程と、
をさらに有する請求項9又は10の方法。 - 寿命が尽きた電池の状態を判別する請求項9から11のいずれか一項の方法。
- 同一の電池について、検出された容量と既充電回数の対のデータを、累積して記憶する工程と、
累積記憶された複数の容量と既充電回数の対のデータから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する工程と、
をさらに有する請求項9から12のいずれか一項の方法。 - 同一の電池について、検出された内部抵抗と既充電回数の対のデータを、累積して記憶する工程と、
累積記憶された複数の内部抵抗と既充電回数のデータから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する工程と、
をさらに有する請求項9から13のいずれか一項の方法。 - 既充電回数と容量低下幅の標準的関係を予め記憶しておく工程と、
予め記憶されている既充電回数と容量低下幅の標準的関係と、検出された容量と、検出された既充電回数とから、所定容量に低下するまでの残存充電回数を推定する工程と、
をさらに有する請求項9から14のいずれか一項の方法。 - 既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係を予め記憶しておく工程と、
予め記憶されている既充電回数と内部抵抗増大幅の標準的関係と、検出された内部抵抗と、検出された既充電回数とから、所定内部抵抗に増大するまでの残存充電回数を推定する工程と、
をさらに有する請求項9から15のいずれか一項の方法。
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