JP4372249B2 - 有機化合物を連続的に接触還元する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素化触媒の存在下に有機化合物を連続的に接触還元する方法に関し、より詳しくは水素及び原料である有機化合物(以下、単に原料化合物という。)を反応器に連続的に導入し、かつ反応液を反応器から連続的に流出させながら接触還元する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
接触還元は種々の有機化合物の工業生産において重要な反応であり、連続的に有機化合物を接触還元する方法が種々提案されている。
例えば、(1)管型の反応器に水素化触媒を固定層として充填し、当該反応器の下部から原料化合物及び水素を連続して導入し、そして反応器上部から反応液及び未反応水素を連続して流出させながら接触還元を行う方法、(2)水素化触媒を原料化合物又は原料化合物と溶媒の混合物に懸濁し、この懸濁液と水素を塔型の反応器に連続的に供給して接触還元を行い、水素化触媒を含む反応液及び未反応水素を反応器から連続的に流出させる方法、(3)水素化触媒と溶媒とのスラリー、原料化合物並びに水素を攪拌槽型反応器に連続的に供給して接触還元を行い、水素化触媒を含む反応液及び未反応水素を反応器から連続的に流出させる方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来法における(1)の方法では、固定層として充填された触媒層における圧力損失が問題となるので、原料化合物及び反応液等の流れに大きな抵抗が生じないように粒子径の大きな水素化触媒を用いて隙間を確保する必要がある。このために、大きな粒子径のものが得られない水素化触媒や機械的強度が弱く微粉化しやすい水素化触媒は、圧力損失が大きくなることから固定層として充填して使用するには適しない。また、原料化合物の触媒細孔内への拡散が律速となる接触還元は、水素化触媒の有効係数を上げるためにその粒子径を小さくしなければならないので、このような接触還元も圧力損失が問題となり、水素化触媒を固定層として充填して使用する(1)の方法で実施するのは困難である。
【0004】
(2)の方法においては、水素化触媒は、原料化合物との懸濁液として反応器に供給され、そして反応液に懸濁した状態で反応器から流出する。したがって常時懸濁状態を保つことのできる特定比重の水素化触媒を用いなければならない。更に(2)の方法は、水素化触媒の接触還元への循環再使用のために、反応器から反応液と共に流出する水素化触媒を、反応器外部で反応液と固液分離した後、原料化合物等と混合して反応器内部へ戻すといった煩雑な操作が必要である。
【0005】
また、(3)の方法も水素化触媒を反応器から反応液と共に流出させる方法であるため、上記(2)と同様な、水素化触媒を接触還元に循環再使用するための操作を要する。
【0006】
接触還元には、例えば、芳香環等の不飽和炭化水素基、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基等の接触還元、第1級又は第2級アミン類とカルボニル化合物及び水素を反応せしめる還元アルキル化等、原料化合物及び反応の種類が多種類にわたる。それぞれの接触還元において目的物を選択的かつ高収率で製造するためには、それぞれ最適の水素化触媒を使用しなければならない。しかしながら(1)及び(2)の方法には上記のとおり使用可能な水素化触媒に制限があるため、これらの方法で選択的にかつ高収率で目的物を製造できる接触還元が限定されるという問題がある。
この問題は(3)の方法により解決できるが、(3)の方法には水素化触媒を循環再使用するために煩雑な操作が必要であるという問題が残る。
【0007】
本発明は、有機化合物を連続的に接触還元する方法であって、水素化触媒に使用の制限がなく、かつ水素化触媒を接触還元に循環再使用するための煩雑な操作を必要としない方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、有機化合物を連続的に接触還元するにあたって、反応器として攪拌槽型反応器を用い、反応液と水素化触媒を固液分離するフィルターをその全濾過面が反応液と接触するように当該反応器内部に配置すれば、フィルターで水素化触媒と反応液を固液分離して反応液だけを反応器外部へ流出させて水素化触媒を反応器内部に留めることができるので、原料化合物としての有機化合物と水素を反応器内部に連続して供給することによって有機化合物を連続的に接触還元できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、有機化合物を連続的に接触還元する方法において、反応器として攪拌槽型反応器を使用し、反応液と水素化触媒を固液分離するフィルターをその全濾過面が反応液と接触するように当該反応器内部に配置したことを特徴とする有機化合物を連続的に接触還元する方法に関する。
【0010】
本発明は、水素化触媒の循環再使用のための煩雑な操作を必要とせず、しかも実施しようとする接触還元に応じて最適の水素化触媒を使用して高収率かつ選択的に目的物を製造できる優れた方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における接触還元は、固体の水素化触媒、水素ガス及び反応器内部で原料化合物が液体であるか又は原料化合物を溶媒に溶解した溶液を用いる気−液−固の三相系の接触還元である。また本発明の接触還元により生成する目的物は、反応器内部で液体又は溶媒に溶解した溶液であって、フィルターで水素化触媒と固液分離されて反応器外部へ流出する。
【0012】
本発明によって実施できる接触還元としては、上記三相系の接触還元であれば特に制限がなく、従来公知の種々の接触還元を行うことができる。例えば、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、芳香環、カルボキシル基又はそれらから誘導された基を有する化合物の接触還元、カルボニル化合物とアンモニア、第1級アミン類又は第2級アミン類及び水素の反応による還元的アルキル化等が挙げられる。
【0013】
これら接触還元により、例えば、ニトリル類の接触還元、含窒素複素芳香族化合物の芳香環の接触還元、並びにカルボニル化合物とアンモニア、第1級又は第2級アミン及び水素を反応せしめる還元的アルキル化等によって種々のアミン類が製造でき、また含窒素複素芳香族化合物を、脂肪族アルコール等及び水素と反応させればアルキル置換含窒素複素芳香族化合物等が製造できる。本発明は、このような含窒素化合物の接触還元に好適である。またニトリル類の接触還元による第1級アミンの製造においては、接触還元を回分式で行うときには、第2級アミン等の副生による第1級アミンの収率低下を防止するためにアンモニアが使用されるが、連続的に、好ましくは本発明のようにしてニトリル類の接触還元を行えば、アンモニアの使用量を削減して又はアンモニアを使用せずに、副生物の生成を抑制して第1級アミンを高収率で製造できる。
【0014】
本発明における水素化触媒は反応液に不溶の固体触媒であれば特に制限はなく、反応に応じて目的物を選択的に高収率で製造できる最適の水素化触媒を適宜選択して使用すればよい。本発明に使用される水素化触媒の具体例としては、例えば、白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)、鉄族元素(鉄、コバルト、ニッケル)及び銅等から選ばれる少なくとも1種の金属及び/又はその化合物を触媒の活性成分として含有する水素化触媒が挙げられる。より詳しくは、上記の少なくとも1種の金属及び/又はその化合物が、活性炭、アルミナ、シリカ−アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、珪藻土等の不活性担体に担持されたもの、ラネーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅等のラネー触媒、酸化白金、酸化ルテニウム、酸化コバルト等の金属酸化物等が挙げられる。尚、これらの水素化触媒には、触媒毒により一部被毒処理されたもの(例えば、鉛化合物等で処理した白金属触媒、硫黄化合物等で処理したニッケル触媒等)等が含まれる。
【0015】
本発明の実施態様の一例を、図1により説明する。
本発明は、水素化触媒が存在する攪拌槽型反応器1に原料化合物を導入管2から導入し及び水素を導入管3から導入しながら、そして反応液をフィルター4を介して流出管5から反応器外部に流出させながら接触還元を行う。フィルター4によって水素化触媒と反応液とを固液分離し、水素化触媒を除いた反応液を流出管5から流出させる。水素化触媒は反応器内部に残るので、原料化合物及び水素を連続して導入することにより連続接触還元が行われる。
【0016】
本発明の方法を開始するにあたっては、例えば、先ず攪拌槽型反応器に原料化合物及び水素化触媒を仕込み、水素を導入管から導入して回分式の接触還元を完結せしめるか又は攪拌槽型反応器に目的化合物及び水素化触媒を仕込む。その後反応器に原料化合物及び水素を連続して導入し、かつ反応器から反応液を連続して流出させることによって連続的に接触還元を行うことができる。
【0017】
接触還元は、好ましくは水素加圧下で実施されるため、攪拌槽型反応器としては加圧反応器が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
還元アルキル化のように複数の原料化合物を使用する接触還元を行うときには、それら原料化合物の混合物を1本の導入管から導入しても、複数の導入管を有する攪拌槽型反応器を用いてそれぞれの原料化合物を別々の導入管から反応器に導入してもよい。また原料化合物及び水素は反応液中に導入しても、何れか或いは両者を反応器内部の反応液面の上部から導入してもよい。水素を反応液中へ導入するのが、気−液−固相の3相の接触がよいので好ましい。
【0019】
本発明におけるフィルターは濾過面の全部が反応液と接触するように配置されるので、反応液と固液分離された水素化触媒は、攪拌されている反応液によってフィルター濾過面から容易に離れ、フィルターの目詰まり及び水素化触媒のフィルター濾過面への蓄積を抑制でき、固液分離における圧力損失の上昇が防止できる。本発明においては、接触還元に使用する水素化触媒の粒子径に応じた大きさの目を有するフィルターを適宜選択して使用する。図2に本発明のフィルターの一例を示す。図2におけるフィルター4はそのほぼ全面が濾過面になっている円筒形のフィルターであり、フィルターのほぼ全面で水素化触媒と反応液との固液分離が行われる。固液分離された反応液のみがフィルターの内部に流入し、流出管5へ送られて反応器外部に流出する。フィルターの形状には特に制限はなく、上記のような円筒形等の筒状のもののほか、図3に示すように流出管の反応液の入口部分に板状のフィルターを設けてもよい。本発明に使用するフィルターとしては、焼結金属フィルター、焼結金網フィルター、多孔性陶磁器フィルター、ワイヤースリットフィルター、金属メンブレンフィルター、金属ファイバーフィルター等が挙げられる。特に焼結金網フィルター[例えば、リジメッシュフィルター:商品名(日本ポール株式会社)]は、水素化触媒による目詰まりが起こりにくく、固液分離における圧力損失の上昇が起こりにくいので好ましいフィルターである。
【0020】
本発明の接触還元を行うための原料化合物の導入速度及び反応液の流出速度は、実施する接触還元により異なり一義的に決定することはできず、反応器内部における反応液の平均滞留時間が接触還元を十分に進行させるに必要な時間となるように制御すればよい。接触還元を十分に進行させるための平均滞留時間は、予備実験により容易に求めることができる。平均滞留時間は反応液の流出速度によって容易に制御できるので、反応液の流出速度に応じて反応器内部の液量が一定に保たれるように原料化合物を導入する。
【0021】
フィルターの濾過面の表面積に対する反応液の濾過線速度が、通常0.05〜0.7m/hr、好ましくは0.1〜0.5m/hr、より好ましくは0.2〜0.4m/hrとなるように水素化触媒と反応液を固液分離して反応液を流出させることが、フィルターの目詰まり及びフィルターの濾過面への水素化触媒の蓄積が更に起こりにくくなり、固液分離における圧力損失の上昇が抑制できるので好ましい。
【0022】
反応器から流出した反応液は水素化触媒を含有しないので、そのまま蒸留等を行うことによって容易に目的物を単離することができる。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例1
図1に示す反応装置を使用してジメチルアミノエチルアミンの製造を行った。攪拌槽型反応器1は攪拌機を有する容量500mlの加圧反応器、フィルター4は図2に示す構造を有する直径7.5mm、高さ13mmの円筒形の燒結金属フィルター(フィルター表面積:3.5cm2)である。
攪拌槽型反応器1にジメチルアミノエチルアミン125g及びラネーコバルト12.5gを仕込み、加熱撹拌しながら導入管3から水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。次いで、導入管2からジメチルアミノアセトニトリルを導入し、かつフィルター4でラネーコバルトと反応液を固液分離して流出管5から反応液を流出させて反応器内の内容物量を一定に保持しながら上記温度及び圧で反応を行った。ジメチルアミノアセトニトリルの導入は導入速度47g/hrで行い、反応液の流出はフィルター4における反応液の濾過線速度が0.17m/hrとなるように行った。また反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。ジメチルアミノアセトニトリルの導入開始から6時間目までの上記操作で得られた流出液を蒸留して、95.5%の収率でジメチルアミノエチルアミンを得た。
【0025】
比較例1
容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブにジメチルアミノアセトニトリル240g及びラネーコバルト48gを仕込み、撹拌しながらアンモニア25gを導入して24℃、0.49MPa(5.0kgf/cm2)とした。これに水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。反応終了後、反応混合物を冷却し、次いで濾過して触媒を濾別し、得られた濾液を蒸留して、90.7%の収率でジメチルアミノエチルアミンを得た。
【0026】
実施例2
実施例1と同様の反応装置を用いて3−メトキシプロピルアミンの製造を行った。
反応器に3−メトキシプロピルアミン100g及びラネーコバルト10gを仕込み、導入管2から3−メトキシプロピオニトリルを50g/hrで導入し、フィルター4における反応液の濾過線速度が0.17m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させた以外は、実施例1と同様に行った。3−メトキシプロピオニトリルの導入開始から7時間目までの流出液を蒸留して、収率93.5%の収率で3−メトキシプロピルアミンを得た。
【0027】
比較例2
容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブに3−メトキシプロピオニトリル400g及びラネーコバルト80gを仕込み、撹拌しながらアンモニアを40g導入した。これに水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。反応終了後、反応混合物を冷却し、次いで濾過して触媒を濾別し、得られた濾液を蒸留して、90.4%の収率で3−メトキシプロピルアミンを得た。
【0028】
実施例3
実施例1と同様の反応装置を用いて3−アミノ−1−プロパノールの製造を行った。
反応器に3−アミノ−1−プロパノール100g及びラネーコバルト10gを仕込み、導入管2から3−ヒドロキシプロピオニトリル1重量部に室温下でアンモニア16重量%を溶解した溶液を42g/hrで導入し、フィルター4における反応液の濾過線速度が0.10m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させた以外は実施例1と同様に行った。3−ヒドロキシプロピオニトリル及びアンモニアからなる溶液の導入開始から17時間目までの流出液を蒸留して、88.2%の収率で3−アミノ−1−プロパノールを得た。
【0029】
比較例3
容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブに3−ヒドロキシプロピオニトリル300g及びラネーコバルト30gを仕込み、撹拌しながらアンモニアを76g導入した。これに水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。反応終了後、反応混合物を冷却し、次いで濾過して触媒を濾別し、得られた濾液を蒸留して、87.9%の収率で3−アミノ−1−プロパノールを得た。
【0030】
実施例4
実施例1と同様の反応装置を用いてベンジルアミンの製造を行った。
反応器にベンジルアミン80g、アンモニア4.0g、ラネーコバルト12g及びメチルアルコール40gを仕込み、導入管2からベンゾニトリルを60g/hrで導入し、フィルター4における反応液の濾過線速度が0.17m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させた以外は実施例1と同様に行った。ベンゾニトリルの導入開始から8時間目までの流出液を蒸留して、94.2%の収率でベンジルアミンを得た。
【0031】
比較例4
容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブにベンゾニトリル300g、水10g及びラネーコバルト30gを仕込み、撹拌しながらアンモニア22gを導入した。これに水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。反応終了後、反応混合物を冷却し、次いで濾過して触媒を濾別し、得られた濾液を蒸留して、87.5%の収率でベンジルアミンを得た。
【0032】
実施例5
図4に示す反応装置を用いてN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンの製造を行った。
攪拌槽型反応器1及びフィルター4は実施例1と同じである。反応器にN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン69.6g、メチルアルコール87.2g、水43.2g及び5重量%パラジウム/カーボン(50重量%含水品)0.76gを仕込み、導入管2a)からエチレンジアミンを19.4g/hr及び導入管2b)から47重量%ホルムアルデヒド水溶液を80.6g/hrで同時に導入し、フィルター4で5%重量パラジウム/カーボンを濾別してフィルター4における反応液の濾過線速度が0.34m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させた以外は実施例1と同様に行った。エチレンジアミン及び47重量%ホルムアルデヒド水溶液の導入開始から8時間目までの流出液を蒸留して、94.2%の収率でN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンを得た。
【0033】
実施例6
実施例1と同様の反応装置を用いてピペリジンの製造を行った。
反応器にピペリジン68.0g及び5重量%ルテニウム/カーボン(50重量%含水品)7.73gを仕込み、加熱撹拌しながら水素導入管3から水素を導入して110℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。次いで、ピリジンを34.0g/hrで導入し、フィルター4で5重量%ルテニウム/カーボン濾別してフィルター4における反応液の濾過線速度が0.11m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させた以外は実施例1と同様に行った。ピリジンの導入開始から8時間目までの流出液を蒸留して、95.4%の収率でピペリジンを得た。
【0034】
実施例7
図5に示す反応装置を用いてベンジルアミンの製造を行った。
攪拌槽型反応器1は攪拌機を有する容量200リットルの加圧反応器、フィルター4は図2に示す構造を有する直径60mm、高さ180mmの円筒形の焼結金網フィルター(商品名:リジメッシュフィルター、日本ポール株式会社)であり流出管5に4本取り付けた(フィルターの合計表面積:0.1357m2)。反応器にベンジルアミン97kg、アンモニア7kg、ラネーコバルト12kgを仕込み、加熱撹拌しながら水素導入管3から水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。次いで、導入管2からベンゾニトリルを導入し、かつフィルター4でラネーコバルトを濾別した反応液を流出管5から流出させて反応器内の内容物量を一定に保持しながら上記温度及び圧で反応を行った。ベンゾニトリルの導入は50kg/hrで行い、反応液の流出はフィルター4における反応液の濾過線速度が0.37m/hrとなるように行った。また反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。ベンゾニトリルの導入開始から145時間までの上記操作で得られた流出液を蒸留して、98.7%の収率でベンジルアミンを得た。
【0035】
実施例8
実施例7において、反応器にジエチルアミノプロピルアミン80kg及びラネーコバルト12kgを仕込み、ジエチルアミノプロピオニトリルを導入しながら反応を行った以外は実施例7と同様に行った。ただし、ジエチルアミノプロピオニトリルの導入開始から106.5時間目まではジエチルアミノプロピオニトリルを27.5kg/hrで導入してフィルター4における反応液の濾過線速度が0.24m/hrとなるように流出管5から反応液を流出させ、その後214.5時間目まではジエチルアミノプロピオニトリルを40.0kgで導入して濾過線速度が0.37m/hrとなるように反応液を流出させた。ジエチルアミノプロピオニトリルの導入開始から214.5時間目までの流出液を蒸留して、92.3%の収率でジエチルアミノプロピルアミンを得た。
【0036】
実施例9
実施例1と同様の反応装置を用いて3−メチルアミノプロピルアミンの製造を行った。
反応器に3−メチルアミノプロピルアミン100g及びラネーコバルト10gを仕込み、導入管2から3−メチルアミノプロピオニトリルを50g/hrで導入した以外は、実施例1と同様に行い87.0%の収率で3−メチルアミノプロピルアミンを得た。
【0037】
比較例5
容量1リットルの電磁攪拌式オートクレーブに3−メチルアミノプロピオニトリル440g及びラネーコバルト79.2gを仕込み、撹拌しながらアンモニア49gを導入して18.5℃、0.18MPa(1.8kgf/cm2)とした。これに水素を導入して100℃、4.9MPa(50kgf/cm2)とした。反応により水素が消費されるので逐次水素を導入して上記圧に保持した。反応終了後、反応混合物を冷却し、次いで濾過して触媒を濾別し、得られた濾液を蒸留して、80.1%の収率で3−メチルアミノプロピルアミンを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する反応装置の構成を示す図である。
【図2】 本発明における水素化触媒と反応液との固液分離の概要を示す図である。
【図3】 本発明における水素化触媒と反応液との固液分離の概要を示す図である。
【図4】 本発明を実施する反応装置の構成を示す図である。
【図5】 本発明を実施する反応装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1:攪拌槽型反応器、2:導入管、3:導入管(水素)、4:フィルター、5:流出管
Claims (3)
- ニトリル類を連続的に接触還元して第1級アミンを製造する方法において、反応器として攪拌槽型反応器を使用し、反応液と水素化触媒を固液分離するフィルターをその全濾過面が反応液と接触するように当該反応器内部に配置したことを特徴とするニトリル類を連続的に接触還元して第1級アミンを製造する方法。
- フィルターが焼結金網フィルターである請求項1記載の方法。
- 反応液と水素化触媒との固液分離を、フィルター濾過面の表面積に対する反応液の濾過線速度が0.05〜0.7m/hrとなるように行う請求項1又は2記載の方法。
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