JP4372076B2 - 作業車の走行伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車の走行伝動装置に関する。
作業車の一例としてのコンバインの走行伝動装置として、従来、たとえば特許文献1に示されるものを開発した。
特許文献1に示されるものは、静油圧式無段変速装置8の変速出力が副変速機構11の第2受動ギヤG9を介して伝動されるセンターギヤG11と、左走行装置1Lの車軸22Lに連結された車軸ギヤ21Lとの間にサイドクラッチ20Lを設け、前記センターギヤG11と、右走行装置1Rの車軸22Rに連結された車軸ギヤ21Rとの間にサイドクラッチ20Rを設け、前記センターギヤG11に連設されたギヤG12にクラッチC、第5軸26、ギヤ27Lを介して連動される操向用サイドギヤ25L、及び、前記センターギヤG11に連設されたギヤG12にクラッチC、第5軸26、ギヤ27Rを介して連動される操向用サイドギヤ25Rを備え、サイドクラッチ20Lのサイドクラッチギヤ23Lは、センターギヤG11との咬合が外れたクラッチ切り位置を超えてさらにシフト操作されることで、操向用サイドギヤ25Lに咬合連結され、サイドクラッチ20Rのサイドクラッチギヤ23Rは、センターギヤG11との咬合が外れたクラッチ切り位置を超えてさらにシフト操作されることで、操向用サイドギヤ25Rに咬合連結されるものである。
すなわち、サイドクラッチ20Lと20RがセンターギヤG11に噛合った入り位置に操作されると、左走行装置1Lと右走行装置1Rが共に通常の駆動状態になって機体が直進走行する。
旋回外側の走行装置1L,1Rに対応したサイドクラッチ20L,20RがセンターギヤG11に噛合った入り位置に操作され、旋回内側の走行装置1R,1Lに対応したサイドクラッチ20R,20LがセンターギヤG11から外れるとともに操向用サイドギヤ25L,25Rに噛合っていない位置に操作されることにより、旋回外側の走行装置1L,1Rが通常の駆動状態になり、旋回内側の走行装置1R,1Lが中立状態になって機体が旋回走行する。
旋回外側の走行装置1L,1Rに対応したサイドクラッチ20L,20RがセンターギヤG11に噛合った入り位置に操作され、旋回内側の走行装置1R,1Lに対応したサイドクラッチ20R,20Lが操向用サイドギヤ25L,25Rに噛合った位置に操作され、かつ、クラッチCが入り状態に操作されることにより、旋回外側の走行装置1L,1Rが通常の駆動状態になり、旋回内側の走行装置1R,1Lが旋回外側の走行装置1L,1Rよりも低速で駆動される状態になって機体が比較的大旋回半径で旋回走行するものである。
特開2001−193835号公報(段落〔0032〕、〔0033〕、〔0052〕〔0053〕、図2)
上記した従来の走行伝動装置にあっては、左右走行装置の伝動入り切りや速度切り換えがアクチュエータによって行われ、操向操作具を軽く操作するだけで機体の操向操作をすることができるようにするには、サイドクラッチ20Lとサイドクラッチ20Rを各別に切り換え操作する一対の油圧ピストンなど、一対のアクチュエータを設ける必要があり、アクチュエータの必要数の面からコスト高になりがちであった。
本発明の目的は、上記した如く操向操作が軽く行えるようにアクチュエータを採用する場合でも、数少ないアクチュエータで済ませることができる作業車の走行伝動装置を提供することにある。
本第1発明による作業車の走行用伝動装置にあっては、
主駆動軸と、旋回クラッチを介して伝動される副駆動軸とを相対回転自在に備え、
左走行装置に高速ギヤ伝動機構を介して連動された主左走行伝動ギヤ、右走行装置に高速ギヤ伝動機構を介して連動された主右走行伝動ギヤ前記主駆動軸に相対回転可能に備え、
前記主駆動軸における前記主左走行伝動ギヤと前記主右走行伝動ギヤの間に、前記主駆動軸と一体回転し、かつ、前記主駆動軸に対して摺動自在な主操向クラッチ体を備えて、前記主操向クラッチ体を前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係脱自在に構成し、
前記左走行装置に低速ギヤ伝動機構を介して連動された副左走行伝動ギヤ、前記右走行装置に低速ギヤ伝動機構を介して連動された副右走行伝動ギヤ前記副駆動軸に相対回転可能に備え、
前記副駆動軸における前記副左走行伝動ギヤと前記副右走行伝動ギヤの間に、前記副駆動軸と一体回転し、かつ、前記副駆動軸に対して摺動自在な副操向クラッチ体を備えて、前記副操向クラッチ体を前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係脱自在に構成し、
前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係合した直進位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係合した状態になり、前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤに係合するとともに前記主右走行伝動ギヤから離脱した右旋回位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤから離脱するとともに前記副右走行伝動ギヤに係合した状態になり、前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤから離脱するとともに前記主右走行伝動ギヤに係合した左旋回位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤに係合するとともに前記副右走行伝動ギヤから離脱した状態になるように、前記主操向クラッチ体に対する前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤの位置と、前記副操向クラッチ体に対する前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤの位置とを設定するとともに、前記主操向クラッチ体と前記副操向クラッチ体とを連動させて摺動操作する操向操作体を備えてある。
すなわち、操向操作体を操作すれば、この操向操作体が主操向クラッチ体を直進位置と左旋回位置と右旋回位置に切り換え操作し、かつ、操向操作体が副操向クラッチ体を主操向クラッチ体と連動させて摺動操作する。主操向クラッチ体が直進位置に操作されると、主操向クラッチ体は主左走行伝動ギヤ及び主右走行伝動ギヤに係合し、主駆動軸が主操向クラッチ体、主左走行伝動ギヤ、高速ギヤ伝動機構を介して左走行装置に、かつ、主操向クラッチ体、主右走行伝動ギヤ、高速ギヤ伝動機構を介して右走行装置にそれぞれ連動する。このとき、副操向クラッチ体が副左走行伝動ギヤ及び副右走行伝動ギヤに係合し、副駆動軸が副操向クラッチ体、低速ギヤ伝動機構を介して左走行装置に、かつ、副操向クラッチ体、低速ギヤ伝動機構を介して右走行装置にそれぞれ連動するが、旋回クラッチが切り状態に操作されることによって、副駆動軸が遊転状態になる。これにより、左右の走行装置が主駆動軸から高速ギヤ伝動機構を介して伝達される駆動力によって駆動されて機体が直進走行する。
主操向クラッチ体が左旋回位置に操作されると、主操向クラッチ体は主右走行伝動ギヤに係合するとともに主左走行伝動ギヤから外れ、主駆動軸が主操向クラッチ体、主右走行伝動ギヤ、高速ギヤ伝動機構を介して右走行装置に連動する。このとき、副操向クラッチ体が副左走行伝動ギヤに係合するとともに副右走行伝動ギヤから外れ、副駆動軸が副操向クラッチ体、低速ギヤ伝動機構を介して左走行装置に連動する。このとき、旋回クラッチが切り状態に操作されることにより、副駆動軸が遊転状態になって左走行装置が停止状態になり、右走行装置が主駆動軸から高速ギヤ伝動機構を介して伝達される駆動力によって駆動されることから、機体が左旋回走行する。これに対し、旋回クラッチが入り状態に操作されることにより、副駆動軸が駆動状態になり、左走行装置が副駆動軸から低速伝動ギヤ機構を介して伝達される駆動力によって右走行装置よりも低速で駆動され、機体が左右走行装置の速度差による旋回半径で左旋回走行する。
主操向クラッチ体が右旋回位置に操作されると、主操向クラッチ体は主左走行伝動ギヤに係合するとともに主右走行伝動ギヤから外れ、主駆動軸が主操向クラッチ体、主左走行伝動ギヤ、高速ギヤ伝動機構を介して左走行装置に連動する。このとき、副操向クラッチ体が副右走行伝動ギヤに係合するとともに副左走行伝動ギヤから外れ、副駆動軸が副操向クラッチ体、低速ギヤ伝動機構を介して右走行装置に連動する。このとき、旋回クラッチが切り状態に操作されることにより、副駆動軸が遊転状態になって右走行装置が停止状態になり、左走行装置が主駆動軸から高速ギヤ伝動機構を介して伝達される駆動力によって駆動されることから、機体が右旋回走行する。これに対し、旋回クラッチが入り状態に操作されることにより、副駆動軸が駆動状態になり、右走行装置が副駆動軸から低速伝動ギヤ機構を介して伝達される駆動力によって左走行装置よりも低速で駆動され、機体が左右走行装置の速度差による旋回半径で右旋回走行する。
従って、本第1発明によると、旋回外側に対応する走行装置を高速伝動ギヤ機構による伝動力によって駆動させながら、旋回内側に対応する走行装置を停止させて機体が小回り旋回したり、旋回外側に対応する走行装置を高速伝動ギヤ機構による伝動力によって駆動させながら、旋回内側に対応する走行装置を低速伝動ギヤ機構による伝動力によって旋回外側の走行装置よりも低速で駆動させて機体が大回り旋回したりするように機体の操向操作をすることができるものでありながら、操向操作が軽く行えるようにアクチュエータを採用する場合でも、操向操作体に連動させるだけのアクチュエータを装備すれば済み、安価に得ることができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記主操向クラッチ体が前記直進位置に在る状態で前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係合する主操向クラッチ体摺動方向での係合長さを、前記主操向クラッチ体が前記直進位置に在る状態で前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係合する副操向クラッチ体摺動方向での係合長さよりも長くしてある。
主操向クラッチ体が左旋回位置や右旋回位置から直進位置に切り換え操作される際、主操向クラッチ体は、それまで外れていた噛合い対象ギヤとしての主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに噛合い操作され、副操向クラッチ体は、主操向クラッチ体と連動させて摺動操作され、それまで外れていた噛合い対象ギヤとしての副右走行伝動ギヤや副左走行伝動ギヤに噛合い操作される。このとき、主操向クラッチ体の前記係合長さが副操向クラッチ体の前記係合長さよりも長いことにより、主操向クラッチ体が副操向クラッチ体に先行して噛合い対象ギヤに噛合い、この後に、副操向クラッチ体が噛合い対象ギヤに噛合うようにして両操向クラッチ体を噛合い操作させることができる。これにより、主操向クラッチ体と副操向クラッチ体が噛合い対象ギヤに同時に噛合うようにして両操向クラッチ体を噛合い操作させるものに比し、主操向クラッチ体も副操向クラッチ体も噛合い対象ギヤに噛合うように合致した状態に位置合わせしやすくしながら、両操向クラッチ体を噛合い操作させることができる。
従って、本第2発明によると、主操向クラッチ体と副操向クラッチ体を操向操作体によって連動させて摺動操作させるものでありながら、主操向クラッチ体も副操向クラッチ体も噛合い対象ギヤに容易に位置合わせしてギヤ鳴りを発生しにくくしながら迅速に切り換え操作させ、静かにかつスムーズに操向操作をすることができる。
本第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記副操向クラッチ体と、前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤとの副操向クラッチ体回転方向での噛合い融通を、前記主操向クラッチ体と、前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤとの主操向クラッチ体回転方向での噛合い融通よりも大にしてある。
主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤは高速ギヤ伝動機構を介して走行装置に連動し、副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤは低速ギヤ伝動機構を介して走行装置に連動していることから、主操向クラッチ体が旋回位置に操作されて主左走行伝動ギヤ又は主右走行伝動ギヤが駆動されると、副操向クラッチ体が外れた副左走行伝動ギヤ又は副右走行伝動ギヤに低速ギヤ伝動機構を介して伝動され、副左走行伝動ギヤ又は副右走行伝動ギヤは、主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤよりも高速で駆動される。すなわち、主操向クラッチ体が旋回位置から直進位置に切り換え操作される際、副操向クラッチ体は、主操向クラッチ体よりも高速で駆動されている副左走行伝動ギヤ又は副右走行伝動ギヤに噛合い操作される。本第3発明は、副操向クラッチ体と副左走行伝動ギヤ及び副右走行伝動ギヤとの前記噛合い融通を、主操向クラッチ体と主左走行伝動ギヤ及び主右走行伝動ギヤとの前記噛合い融通よりも大にしてあるものだから、副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤの高速回転にかかわらず、副操向クラッチ体を副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤに噛合うように合致した状態に位置合わせしやすくしながら、副操向クラッチ体を副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤに噛合い操作させることができる。
従って、本第3発明によると、走行装置に高速伝動する主操向クラッチ体と、走行装置に低速伝動する副操向クラッチ体を操向操作体によって連動させて摺動操作させるものでありながら、副操向クラッチ体を副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤに容易に位置合わせしてギヤ鳴りを発生しにくくしながら迅速に切り換え操作させ、静かにかつスムーズに操向操作をすることができる。
本第4発明にあっては、本第3発明の構成において、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する前記副操向クラッチ体の回転位相と、前記副操向クラッチ体が前記副右走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する前記副操向クラッチ体の回転位相とを相違させてある。
主操向クラッチ体と主左走行伝動ギヤ及び主右走行伝動ギヤとの前記噛合い融通を設けると、主操向クラッチ体が旋回位置から直進位置に切り換え操作されて主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに係合する場合、主操向クラッチ体の係合突起が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤの係合突起に対して主操向クラッチ体回転方向での上手側に位置し、主操向クラッチ体の係合突起がこの係合突起の主操向クラッチ体回転方向下手側の伝動面で主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤの係合突起に当接する状態(以下、表係合状態と呼称する。)で係合する場合と、主操向クラッチ体の係合突起が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤの係合突起に対して主操向クラッチ体回転方向での下手側に位置し、主操向クラッチ体の係合突起がこの係合突起の主操向クラッチ体回転方向上手側の伝動面で主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤの係合突起に当接する状態(以下、裏係合状態と呼称する。)で係合する場合とがある。
副操向クラッチ体が副左走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体の回転位相と、副操向クラッチ体が副右走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体の回転位相とが同一になっていると、旋回位置から直進位置に切り換え操作される主操向クラッチ体が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに前記裏係合状態で係合した場合、主操向クラッチ体が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに噛合い操作されるに伴って副操向クラッチ体が副右走行伝動ギヤや副左走行伝動ギヤに噛合うことから、旋回走行時に主操向クラッチ体から高速伝動ギヤ機構及び低速伝動ギヤ機構を介して伝達される駆動力のために回動していた副左走行伝動ギヤ又は副右走行伝動ギヤの駆動力が副操向クラッチ体、副右走行伝動ギヤ又は副左走行伝動ギヤ、低速伝動ギヤ機構、高速伝動ギヤ機構を介し、主操向クラッチ体の噛合い操作が行われている途中にある主左走行伝動ギヤ又は主右走行伝動ギヤに伝わる。すると、主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに噛合い操作される主操向クラッチ体が、主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤの回動のために大きな摩擦が発生し、主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに対して摺動しにくくなる。
これに対し、本第4発明にあっては、副操向クラッチ体が副左走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体の回転位相と、副操向クラッチ体が副右走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体の回転位相とを相違させてあるものだから、旋回位置から直進位置に切り換え操作される主操向クラッチ体が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに前記裏係合状態で係合した場合でも、副操向クラッチ体と副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤとの間に、副左走行伝動ギヤや副右走行伝動ギヤが副操向クラッチ体に対して相対回転する噛合い融通が存在した状態になり、旋回走行時に主操向クラッチ体から高速伝動ギヤ機構及び低速伝動ギヤ機構を介して伝達される駆動力のために回動していた副左走行伝動ギヤ又は副右走行伝動ギヤの駆動力が主左走行伝動ギヤ又は主右走行伝動ギヤに伝わらず、主操向クラッチ体が主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに摺動しやすくなるようにしながら、主操向クラッチ体を主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに主操向クラッチ体摺動方向での係合長さが所定長さになるように噛合い操作させることができる。
従って、本第4発明によると、主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体に前記噛合い融通を備えさせるものでありながら、旋回位置から直進位置に切り換え操作される主操向クラッチ体を主左走行伝動ギヤや主右走行伝動ギヤに迅速かつ軽く噛合い操作させ、スムーズに操向操作することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1A,1B、運転座席2が装備された運転部などを備えた自走機体の機体フレーム4の前端部に、刈取り前処理部5の前処理部フレーム5aの基部を回動自在に連結するとともに、機体フレーム4の後部に脱穀装置7及び穀粒タンク8を設けて、コンバインを構成してある。
このコンバインは、稲、麦などを収穫するものであり、前処理部フレーム5aに連動された昇降シリンダ6を操作すると、この昇降シリンダ6が前処理部フレーム5aを自走機体に対して上下に揺動操作して刈取り前処理部5を、引き起こし装置5bの下端部が地面上近くに位置した下降作業状態と、引き起こし装置5bが地面上から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部5を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理部5は、植立穀稈を引き起こし装置5bによって引き起こし処理するとともにバリカン形の刈取り装置5cによって刈取り処理し、刈取り装置5cからの刈取り穀稈を供給装置5dによって機体後方向きに搬送して脱穀装置7の脱穀フィードチェーン7aの始端部に供給する。脱穀装置7は、脱穀フィードチェーン7aによって刈り取り穀稈の株元側を挟持して搬送しながら、その刈取り穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク8は、脱穀装置7からの脱穀粒を回収して貯留していく。
自走機体の運転座席2の下方にエンジン3を設け、このエンジン3の駆動力を前記左側走行装置1A及び右側走行装置1Bに伝達する走行伝動装置を、図2に示す如く構成してある。
すなわち、エンジン3の出力軸3aからの出力を、ベルト伝動機構10を介し、ミッションケース9の入力軸になっている主変速装置11の入力軸11aに伝達し、この主変速装置11の出力軸11bからの出力を、副変速装置20の入力ギヤ21に伝達し、この副変速装置20の出力筒軸で成る主駆動軸29の駆動力を、この主駆動軸29に一体回転自在に外嵌している主操向クラッチ体33、この主操向クラッチ体33の一端側に入力ギヤ部31ai(図4参照)が係脱するように構成した主左走行伝動ギヤ31a、この主左走行伝動ギヤ31aに入力ギヤ41によって連動している左走行用の高速ギヤ伝動機構40を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達するように構成してある。前記主駆動軸29の駆動力を、前記主操向クラッチ体33、この主操向クラッチ体33の他端側に入力ギヤ部31bi(図4参照)が係脱するように構成した主右走行伝動ギヤ31b、この主右走行伝動ギヤ31bに入力ギヤ51によって連動している右走行用の高速ギヤ伝動機構50を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達するように構成してある。
前記主駆動軸29を相対回転自在に支持する支軸で成る副駆動軸12の一端側と前記主駆動軸29の間に、多板式摩擦クラッチで成る旋回クラッチ60を設け、主駆動軸29から前記旋回クラッチ60を介して副駆動軸12に動力伝達された際の副駆動軸12の駆動力を、副駆動軸12に一体回転自在に外嵌している副操向クラッチ体71、この副操向クラッチ体71の一端側に入力ギヤ部73a(図3参照)が係脱するように構成した副左走行伝動ギヤ73、この副左走行伝動ギヤ73に入力ギヤ91によって連動している左走行用の低速ギヤ伝動機構90を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達するように構成してある。前記副駆動軸12の駆動力を、前記副操向クラッチ体71、この副操向クラッチ体71の他端側に入力ギヤ部74a(図4参照)が係脱するように構成した副右走行伝動ギヤ74、この副右走行伝動ギヤ74に入力ギヤ101によって連動している右走行用の低速伝動ギヤ機構100を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達するように構成してある。
図1に示すように、前記主変速装置11は、前記入力軸11aをポンプ軸として備えている可変容量形のアキシャルプランジャ形油圧ポンプP、この油圧ポンプPからの圧油によって駆動されるように油圧ポンプPに接続されているとともに前記出力軸11aをモータ軸として備えているアキシャルプランジャ形油圧モータMを備えて構成してある。すなわち、主変速装置11は、油圧ポンプPの斜板角変更が行われることにより、エンジン3からの駆動力を前進駆動力と後進駆動力に変換して、前進側においても後進側においても無段階に変速して出力軸11bから出力するように静油圧式無段変速装置になっている。
図3に明示するように、前記副変速装置20は、前記入力ギヤ21を一体回転自在に支持する回転支軸22に相対回転及び摺動操作自在に支持された小径伝動ギヤ23、この小径伝動ギヤ23と前記入力ギヤ21との間に設けた噛合いクラッチ24、前記回転支軸22に相対回転自在に支持された大径伝動ギヤ27、この大径伝動ギヤ27と前記回転支軸22との間に設けた多板式摩擦クラッチ26、前記小径伝動ギヤ23に噛合った低速伝動ギヤ25、前記大径伝動ギヤ27に噛合った高速伝動ギヤ28、前記低速伝動ギヤ25を一端側に、前記高速伝動ギヤ28を他端側にそれぞれ一体回転自在に備えた出力筒軸としての前記主駆動軸29を備えて構成してある。
主駆動軸29は、低速伝動ギヤ25に一体形成された低速出力筒軸25a、高速伝動ギヤ28に一体形成された高速出力筒軸28a、この高速出力筒軸28aと前記低速出力筒軸25aを一体回転自在に連結している継ぎ手に兼用のクラッチ体ホルダー29aのそれぞれによって構成してある。
これにより、小径伝動ギヤ23が入力ギヤ21の方に摺動操作されて噛合いクラッチ24が入り状態に操作され、かつ、摩擦クラッチ26が切り状態に操作されることにより、副変速装置20は、主変速装置11から入力ギヤ21に導入した駆動力を噛合いクラッチ24、小径伝動ギヤ23、低速伝動ギヤ25を介して主駆動軸29に伝達するように低速状態になる。これに対し、噛合いクラッチ24が切り状態に操作され、かつ、摩擦クラッチ26が入り状態に操作されることにより、副変速装置20は、主変速装置11から入力ギヤ21に導入した駆動力を回転支軸22、摩擦クラッチ26、大径伝動ギヤ27、高速伝動ギヤ28を介して主駆動軸29に伝達するように高速状態になる。
主操向クラッチ体33は、主駆動軸29の前記クラッチ体ホルダー29aにスプライン係合によって一体回転及び摺動自在に係合した状態で支持されている。主操向クラッチ体33の外周側にフォーク部80によって係合しているロッド形の操向操作体82をミッションケース9に摺動自在に支持させてあり、操向操作体82が摺動操作されることにより、主操向クラッチ体33は、操向操作体32の前記フォーク部80によってクラッチ体ホルダー29aに沿わせて摺動操作され、図4に示す直進位置Sと、図5に示す右旋回位置Rと、図6に示す左旋回位置Lとに切り換え操作される。
図4に示すように、直進位置Sに操作された主操向クラッチ体33は、主操向クラッチ体33の一端側が主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31aiに係合し、主操向クラッチ体33の中間部が主駆動軸29のクラッチ体ホルダー29aに係合し、主操向クラッチ体33の他端側が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに係合した状態になり、主駆動軸29の駆動力を主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31に伝達し、主左走行伝動ギヤ31aから高速ギヤ伝動機構40を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに、主右走行伝動ギヤ31bから高速ギヤ伝動機構50を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bにそれぞれ伝達するようになる。
図6に示すように、左旋回位置Lに操作された主操向クラッチ体33は、主操向クラッチ体33の全体が主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31aiから外れ、主操向クラッチ体33の一端側が主駆動軸29のクラッチ体ホルダー29aに係合し、主操向クラッチ体33の他端側が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに係合した状態になり、主駆動軸29の駆動力を左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達せず、主駆動軸29の駆動力を主右走行伝動ギヤ31bから高速ギヤ伝動機構50を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達するようになる。
図5に示すように、右旋回位置Rに操作された主操向クラッチ体33は、主操向クラッチ体33の全体が主右走行伝動ギヤ31bの入力部31biから外れ、主操向クラッチ体33の一端側が主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31aiに係合し、主操向クラッチ体33の他端側が主駆動軸29のクラッチ体ホルダー29aに係合した状態になり、主駆動軸29の駆動力を右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達せず、主左走行伝動ギヤ31aから高速ギヤ伝動機構40を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達するようになる。
図3に示すように、副操向クラッチ体71は、副駆動軸12に一体回転自在に装着したホルダー72にスプライン係合によって一体回転及び摺動自在に係合した状態で支持されている。この副操向クラッチ体71の外周側に係合したフォーク部81を前記操向操作体82に備えてあり、副操向クラッチ体71は、操向操作体82による主操向クラッチ体33の摺動操作に連動させて、操向操作体82のフォーク部81によって摺動操作され、主操向クラッチ体33の各操作位置に対応した状態に切り換え操作される。
すなわち、図4に示すように、主操向クラッチ体33が直進位置Sに操作されると、副操向クラッチ体71は、副操向クラッチ体71の一端側が副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部74aに係合し、副操向クラッチ体71の中間部が副駆動軸12のクラッチ体ホルダー72に係合し、副操向クラッチ体71の他端側が副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73aに係合した状態になる。
図6に示すように、主操向クラッチ体33が左旋回位置Lに操作されると、副操向クラッチ体71は、副操向クラッチ体71の全体が副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部74aから外れ、副操向クラッチ体71の一端側が副駆動軸12のクラッチ体ホルダー72に係合し、副操向クラッチ体71の他端側が副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73aに係合した状態になり、副駆動軸12の駆動力を右側走行装置1Bの駆動軸1bには伝達せず、副駆動軸12の駆動力を副左走行伝動ギヤ73から低速ギヤ伝動機構90を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達するようになる。
図5に示すように、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rに操作されると、副操向クラッチ体71は、副操向クラッチ体71の全体が副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73aから外れ、副操向クラッチ体71の一端側が副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部74aに係合し、副操向クラッチ体71の他端側が副駆動軸12のクラッチ体ホルダー72に係合した状態になり、副駆動軸12の駆動力を左側走行装置1Aの駆動軸1aには伝達せず、副駆動軸12の駆動力を副右走行伝動ギヤ74から低速ギヤ伝動機構100を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達するようになる。
図3に示すように、主左走行伝動ギヤ31aを左側走行装置1Aの駆動軸1aに連動させている前記左走行用の高速ギヤ伝動機構40は、主左走行伝動ギヤ31aに噛合った前記入力ギヤ41、この入力ギヤ41が一端側に一体回転自在に連結している回転伝動軸42、この回転伝動軸42の他端側に一体回転自在に連結している中間伝動ギヤ43、この中間伝動ギヤ43に噛合った状態で左側走行装置1Aの駆動軸1aに一体回転自在に連結している最終伝動ギヤ44のそれぞれを備えて構成してある。主右走行伝動ギヤ31bを右側走行装置1Bの駆動軸1bに連動させている前記右走行用の高速ギヤ伝動機構50は、主右走行伝動ギヤ31bに噛合った前記入力ギヤ51、この入力ギヤ51が一端側に一体回転自在に連設された回転伝動筒軸54、この回転伝動筒軸54の他端側に一体回転自在に連結している中間伝動ギヤ52、この中間伝動ギヤ52に噛合った状態で右側走行装置1Bの駆動軸1bに一体回転自在に連結している最終伝動ギヤ53のそれぞれを備えて構成してある。
副左走行伝動ギヤ73を左側走行装置1Aの駆動軸1aに連動させている前記左走行用の低速ギヤ伝動機構90は、副左走行伝動ギヤ73に噛合った前記入力ギヤ91、この入力ギヤ91が一体回転自在に連結している前記回転伝動軸42、この回転伝動軸42に連結している前記中間伝動ギヤ43、この中間伝動ギヤ43に噛合っている前記最終伝動ギヤ44のそれぞれを備えて構成してある。
副右走行伝動ギヤ74を右側走行装置1Bの駆動軸1bに連動させている前記右走行用の低速ギヤ伝動機構100は、副右走行伝動ギヤ74に噛合った前記入力ギヤ101、この入力ギヤ101が一体回転自在に連結している前記中間伝動ギヤ52、この中間伝動ギヤ52に噛合っている前記最終伝動ギヤ53のそれぞれを備えて構成してある。
左走行用の高速ギヤ伝動機構40と右走行用の高速ギヤ伝動機構50とは、主左走行伝動ギヤ31aと主右走行伝動ギヤ31bの回転速度が同一であれば左側走行装置1Aと右側走行装置1Bの駆動速度が同一になる状態に動力伝達するように、左走行用の高速ギヤ伝動機構40と右走行用の高速ギヤ伝動機構50に同一の減速伝動比を備えてある。左走行用の低速ギヤ伝動機構90と右走行用の低速ギヤ伝動機構100とは、副左走行伝動ギヤ73と副右走行伝動ギヤ74の回転速度が同一であれば左側走行装置1Aと右側走行装置1Bの駆動速度が同一になる状態に動力伝達するように、左走行用の低速ギヤ伝動機構90と右走行用の低速ギヤ伝動機構100に同一の減速伝動比を備えてある。主駆動軸29と副駆動軸12の回転速度が同一であれば、副駆動軸12から低速ギヤ伝動機構90,100を介して駆動軸1a,1bに動力伝達されて走行装置1A,1Bが駆動される場合の走行装置1A,1Bの駆動速度が、主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40,50を駆動軸1a,1bに動力伝達されて走行装置1A,1Bが駆動される場合の走行装置1A,1Bの駆動速度よりも低速になるように両低速ギヤ伝動機構90,100の減速比を、両高速ギヤ伝動機構40,50の減速比よりも大にしてある。
すなわち、図9に示すように、主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biを、20枚歯相当のギヤ(主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biと主操向クラッチ体33との間に主操向クラッチ体回転方向での噛合い融通を設けるための歯落としを施さなければ、20枚歯になるギヤ)に構成し、主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ41,51に噛合うギヤ部を30枚歯のギヤに構成し、各高速ギヤ伝動機構40,50の入力ギヤ41,51を36枚歯のギヤに構成してある。副左走行伝動ギヤ73及び副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74aを、16枚歯相当のギヤ(副左走行伝動ギヤ73及び副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74aと副操向クラッチ体71との間に副操向クラッチ体回転方向での噛合い融通を設けるための歯落としを施さなければ、16枚歯になるギヤ)に構成し、副左走行伝動ギヤ73及び副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ91,101に噛合うギヤ部を16枚歯のギヤに構成し、各低速ギヤ伝動機構90,100の入力ギヤ91,101を48枚歯のギヤに構成してある。
図2,3に示すように、前記副駆動軸12の一端部に旋回ブレーキ61を設けるとともに、この旋回ブレーキ61は、入り状態に操作されると、副駆動軸12に摩擦制動力を付与することにより、副操向クラッチ体71、副左走行伝動ギヤ73、低速ギヤ伝動機構90を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aにブレーキを掛け、副操向クラッチ体71、副右走行伝動ギヤ74、低速ギヤ伝動機構100を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bにブレーキを掛ける。
つまり、この走行伝動装置は、操向操作体82を摺動操作するとともに旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61を切り換え操作することにより、自走機体を直進や旋回走行するように操向操作することができるようになっている。
すなわち、操向操作体82を摺動操作して中立位置N(図3参照)に操作する。すると、操向操作体82がフォーク部80によって主操向クラッチ体33を直進位置Sに操作し、主駆動軸29の駆動力が主操向クラッチ体33、主左走行伝動ギヤ31a、高速ギヤ伝動機構40を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに、かつ、主駆動軸29の駆動力が主操向クラッチ体33、主右走行伝動ギヤ31b、高速ギヤ伝動機構50を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bにそれぞれ伝達される。このとき、操向操作体82が主操向クラッチ体33の操作に連動させてフォーク部81によって副操向クラッチ体71を副左走行伝動ギヤ73、クラッチ体ホルダー71、副右走行伝動ギヤ74に係合した状態に操作して、副駆動軸12が副操向クラッチ体71、副左走行伝動ギヤ73、低速ギヤ伝動機構90を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに、かつ、副駆動軸12が副操向クラッチ体71、副右走行伝動ギヤ74、低速ギヤ伝動機構100を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bにそれぞれ連動されるが、旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61を切り状態に操作してあると、副駆動軸12が遊転状態になる。これにより、左右の走行装置1A,1Bが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40,50を介して伝達される駆動力によって同一の駆動速度で駆動され、自走機体が直進走行する。
操向操作体82を左旋回位置LT(図3参照)に操作すると、この操向操作体82がフォーク部80によって主操向クラッチ体33を左旋回位置Lに操作し、主駆動軸29の駆動力が主操向クラッチ体33、主右走行伝動ギヤ31b、高速ギヤ伝動機構50を介して右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達されるが、主駆動軸29の駆動力が主左走行伝動ギヤ31aに伝達されなくなる。このとき、操向操作体32が主操向クラッチ体33の操作に連動させて副操向クラッチ体71を副左走行伝動ギヤ73及びクラッチ体ホルダー72に係合するとともに副右走行伝動ギヤ74から外れた状態に操作し、副駆動軸12が副操向クラッチ体71、副左走行伝動ギヤ73、低速ギヤ伝動機構90を介して左側走行装置1Bの駆動軸1bに連動される。このとき、旋回クラッチ60が入り状態になっていると、主駆動軸29の駆動力が旋回クラッチ60を介して副駆動軸12に伝達されて、副駆動軸12の駆動力が左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達される。旋回クラッチ60が切り状態になっていると、副駆動軸12が遊転状態になり、左側走行装置1Aの駆動軸1aに動力伝達されなくなる。旋回ブレーキ61が入り状態になっていると、副駆動軸12が旋回ブレーキ61によって制動された状態になって左側走行装置1Aの駆動軸1aにブレーキが掛かる。
これにより、操向操作体82を左旋回位置LTに操作するとともに旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61を切り状態に操作すると、右側走行装置1Bが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構50を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、左側走行装置1Aが伝動停止された状態になり、自走機体が右側走行装置1Bの駆動と左側走行装置1Aの停止とによって決まる旋回半径で左向きに旋回走行する。
操向操作体82を左旋回位置LTに操作するとともに旋回クラッチ60を入り状態に操作すると、右側走行装置1Bが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構50を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、左側走行装置1Aが副駆動軸12から低速ギヤ伝動機構90を介して伝動される駆動力によって右側走行装置1Bよりも低速で駆動された状態になり、自走機体が左右走行装置1A,1Bの駆動速度差によって決まる比較的大きな旋回半径で左向きに旋回走行する。
操向操作体82を左旋回位置LTに操作するとともに旋回ブレーキ61を入り状態に操作すると、右側走行装置1Bが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構50を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、左側走行装置1Aが旋回ブレーキ61によって制動された状態になり、自走機体が右側走行装置1Bの駆動と左側走行装置1Aの制動とによって決まる比較的小旋回半径で左向きにブレーキ旋回走行する。
操向操作体82を右旋回位置RT(図3参照)に操作すると、この操向操作体82がフォーク部80によって主操向クラッチ体33を右旋回位置Rに操作し、主駆動軸29の駆動力が主操向クラッチ体33、主左走行伝動ギヤ31a、高速ギヤ伝動機構40を介して左側走行装置1Aの駆動軸1aに伝達されるが、主駆動軸29の駆動力が主右走行伝動ギヤ31bに伝達されなくなる。このとき、操向操作体82が主操向クラッチ体33の操作に連動させて副操向クラッチ体71を副右走行伝動ギヤ74及びクラッチ体ホルダー72に係合するとともに副左走行伝動ギヤ73から外れた状態に操作し、副駆動軸12が副操向クラッチ体71、副右走行伝動ギヤ74、低速ギヤ伝動機構100を介して右側走行装置1Aの駆動軸1aに連動される。このとき、旋回クラッチ60が入り状態になっていると、主駆動軸29の駆動力が旋回クラッチ60を介して副駆動軸12に伝達されて、副駆動軸12の駆動力が右側走行装置1Bの駆動軸1bに伝達される。旋回クラッチ60が切り状態になっていると、副駆動軸12が遊転状態になり、副駆動軸12から右側走行装置1Bの駆動軸1bに動力伝達されなくなる。旋回ブレーキ61が入り状態になっていると、副駆動軸12が旋回ブレーキ61によって制動された状態になって右側走行装置1Bの駆動軸1bにブレーキが掛かる。
これにより、操向操作体82を右旋回位置RTに操作するとともに旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61を切り状態に操作すると、左側走行装置1aが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、右側走行装置1Bが伝動停止された状態になり、自走機体が左側走行装置1Aの駆動と右側走行装置1Bの停止とによって決まる旋回半径で右向きに旋回走行する。
操向操作体82を右旋回位置Rに操作するとともに旋回クラッチ60を入り状態に操作すると、左側走行装置1Aが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、右側走行装置1Bが副駆動軸12から低速ギヤ伝動機構100を介して伝動される駆動力によって左側走行装置1Aよりも低速で駆動された状態になり、自走機体が左右走行装置1A,1Bの駆動速度差によって決まる比較的大きな旋回半径で右向きに旋回走行する。
操向操作体82を右旋回位置Rに操作するとともに旋回ブレーキ61を入り状態に操作すると、左側走行装置1Aが主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40を介して伝達される駆動力によって駆動された状態になり、右側走行装置1Bが旋回ブレーキ61によって制動された状態になり、自走機体が左側走行装置1Aの駆動と右側走行装置1Bの制動とによって決まる比較的小旋回半径で右向きにブレーキ旋回走行する。
図4に示すように、主操向クラッチ体33が直進位置Sに在る状態で主操向クラッチ体33が主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biに係合する主操向クラッチ体摺動方向での係合長さAを、主操向クラッチ体33が直進位置Sに在る状態で副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73及び副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74aに係合する副操向クラッチ体摺動方向での係合長さBよりも長くしてある。
図9に示すように、主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biと主操向クラッチ体33との間に主操向クラッチ体回転方向での噛合い融通S1を設けるように、各入力ギヤ部31ai,31bi及び主操向クラッチ体33を図9の如き歯落とし構造のギヤに構成してある。副左走行伝動ギヤ73及び副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74aと副操向クラッチ体71との間に副操向クラッチ体回転方向での噛合い融通S2を設けるように、各入力ギヤ部73a,74a及び副操向クラッチ体71を図9の如き歯落とし構造のギヤに構成してある。
高速ギヤ連動機構40,50と低速ギヤ連動機構90,100が主走行伝動ギヤ31a,31bと副走行伝動ギヤ73,74を連動させていることにより、かつ、高速ギヤ連動機構40,50及び低速ギヤ連動機構90,100は、前記減速伝動比を備えていることにより、主走行伝動ギヤ31a,31bと副走行伝動ギヤ73,74とは、主走行伝動ギヤ31a,31bが1回転する間に副走行伝動ギヤ73,74が約2回転するという連動関係で連動した状態になっている。これにより、図9に示すように、副左走行伝動ギヤ73及び副主右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74aと副操向クラッチ体71との間の前記噛合い融通S2を、主左走行伝動ギヤ31a及び主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biと主操向クラッチ体33との間の前記噛合い融通S1よりも大にしてある。
つまり、図7に主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作される途中における主操向クラッチ体33及び副操向クラッチ体71の状態を例に示すように、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rや左旋回位置Lから直進位置Sに切り換え操作される際、副操向クラッチ体71も主操向クラッチ体33に連動させて操作されるが、主操向クラッチ体33の前記係合長さAと副操向クラッチ体71の前記係合長さBの前記相違により、主操向クラッチ体33が先ず主右走行伝動ギヤ31a又は主左走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biに係合し、この後に副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73又は副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部73a,74bに係合するという係合タイミングの差が現出され、主操向クラッチ体33も副操向クラッチ体71も係合対象ギヤとしての主左走行伝動ギヤ31aや主右走行伝動ギヤ31b、副左走行伝動ギヤ73や副右走行伝動ギヤ74に係合しやすくなるようにして係合操作される。さらに、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bや主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31bi,31aiに係合する際、前記噛合い融通S1の作用により、主操向クラッチ体33と主右走行伝動ギヤ31b及び主左走行伝動ギヤ31aとが係合し合うための回転方向での位置合わせ状態になりやすいようにして係合操作され、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74や副左走行伝動ギヤ73に係合する際、前記噛合い融通S2の作用により、副操向クラッチ体71と副右走行伝動ギヤ74や副左走行伝動ギヤ73とが係合し合うための回転方向での位置合わせ状態になりやすいようにして係合操作される。
副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73に対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体71の回転位相と、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74に対して伝動自在に係合する副操向クラッチ体71の回転位相とが45度ずれた初期設定の関係にして各ギヤの組み付けを行い、主操作クラッチ体33が左旋回位置Lや右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作される際、主操向クラッチ体33が主左走行伝動ギヤ31aや主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31ai,31biに極力軽く係合操作されるようにしてある。
すなわち、図8は、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73に係合する副操向クラッチ体71の回転位相と、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74に係合する副操向クラッチ体71の回転位相とにずれが無い初期設定の関係にして各ギヤを組み付けた場合における各ギヤの状態を示し、図8(イ)は、前記初期設定における主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31ai、主操向クラッチ体33、主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31bi、副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73a、副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部74aの状態を示す。図8(ロ)は、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作され、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73aにそれぞれ係合し始めた状態で、かつ、主操向クラッチ体33の係合突起33Tが主右走行伝動ギヤ31bの係合突起31Tに対して主操向クラッチ体回転方向での上手側に位置し、主操向クラッチ体33の係合突起33Tがこの係合突起33Tの主操向クラッチ体回転方向下手側の伝動面で主右走行伝動ギヤ31bの係合突起31Tに当接する状態(以下、表係合状態と呼称する。)で係合した場合での各ギヤの状態を示す。図8(ハ)は、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作され、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73aにそれぞれ係合し始めた状態で、かつ、主操向クラッチ体33の係合突起33Tが主右走行伝動ギヤ31bの係合突起31Tに対して主操向クラッチ体回転方向での下手側に位置し、主操向クラッチ体33の係合突起33Tがこの係合突起33Tの主操向クラッチ体回転方向上手側の伝動面で主右走行伝動ギヤ31bの係合突起31Tに当接する状態(以下、裏係合状態と呼称する。)で係合した場合での各ギヤの状態を示す。図8(ニ)は、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bに裏係合状態で係合し、副左走行伝動ギヤ73が主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40及び低速ギヤ伝動機構90を介して伝達される駆動力によって回動した場合の各ギヤの状態を示す。
図9は、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73に係合する副操向クラッチ体71の回転位相と、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74に係合する副操向クラッチ体71の回転位相とに45度のずれを備えさせた初期設定の関係にして各ギヤを組み付けた場合における各ギヤの状態を示し、図9(イ)は、前記初期設定における主左走行伝動ギヤ31aの入力ギヤ部31ai、主操向クラッチ体33、主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31bi、副左走行伝動ギヤ73の入力ギヤ部73a、副右走行伝動ギヤ74の入力ギヤ部74aの状態を示す。図9(ロ)は、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作され、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに表係合状態で係合した場合での各ギヤの状態を示す。図9(ハ)は、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作され、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biに裏係合状態で係合した場合の各ギヤの状態を示す。図9(ニ)は、主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bに裏係合状態で係合し、副左走行伝動ギヤ73が主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40及び低速ギヤ伝動機構90を介して伝達される駆動力によって回動した場合での各ギヤの状態を示す。
つまり、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73に係合する副操向クラッチ体71の回転位相と、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74に係合する副操向クラッチ体71の回転位相とにずれが無い初期設定の関係にして各ギヤを組み付けた場合、右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作される主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bに裏係合状態で係合した際、主駆動軸29から高速ギヤ伝動機構40、低速ギヤ伝動機構90を介して副左走行伝動ギヤ73に動力伝達されていて副左走行伝動ギヤ73が駆動されるが、副左走行伝動ギヤ73の係合突起73Tが副操向クラッチ体71の係合突起71Tに当接して副左走行伝動ギヤ73の駆動力が副操向クラッチ体71、副右走行伝動ギヤ74、右走行用の低速ギヤ伝動機構100、右走行用の高速ギヤ伝動機構50を介して主右走行伝動ギヤ31bに伝達され、これによって発生する主右走行伝動ギヤ31bの回動のために主操向クラッチ体33と、主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biとの摩擦が大になり、主操向クラッチ体33を主右走行伝動ギヤ31bに所定の係合長さまで係合するように係合操作する操作力が重くなる。
これに対し、副操向クラッチ体71が副左走行伝動ギヤ73に係合する副操向クラッチ体71の回転位相と、副操向クラッチ体71が副右走行伝動ギヤ74に係合する副操向クラッチ体71の回転位相とに45度のずれを備えさせた初期設定の関係にして各ギヤを組み付けた場合、右旋回位置Rから直進位置Sに切り換え操作される主操向クラッチ体33が主右走行伝動ギヤ31bに裏係合状態で係合しても、主駆動軸29から左走行用の高速ギヤ伝動機構40、左走行用の低速ギヤ伝動機構90を介して伝動されて回動する副左走行伝動ギヤ73の係合突起73Tが副操向クラッチ体71の係合突起71Tに当接せず、副左走行伝動ギヤ73の駆動力が副操向クラッチ体71、副右走行伝動ギヤ74、右走行用の低速ギヤ伝動機構100、右走行用の高速ギヤ伝動機構50を介して主右走行伝動ギヤ31bに伝達されず、これにより、主右走行伝動ギヤ31bが回動されず、主操向クラッチ体33と、主右走行伝動ギヤ31bの入力ギヤ部31biとの強い摩擦が発生しにくく、主操向クラッチ体33を主右走行伝動ギヤ31bに所定の係合長さまで係合するように軽く係合操作することができる。
図8及び図9は、主操向クラッチ体33が右旋回位置Rから直進位置Lに切り換え操作された場合の各ギヤの状態を例に示したものであるが、主操向クラッチ体33が左旋回位置Lから直進位置Sに切り換え操作された場合も同様であり、主操向クラッチ体33が左旋回位置Lから直進位置Sに切り換え操作された場合の図は省略する。
図3などに示すように、前記操向操作体82の一端部に油圧ピストン84、及び、リターンばね83を設け、前記油圧ピストン84を図10に示す電磁切り換え弁85,86によって操作することにより、操向操作体82を中立位置N、右旋回位置RT、左旋回位置LTに摺動操作するように構成してある。
副変速装置20の多板摩擦クラッチ26に油圧ピストン26aを内装し、この油圧ピストン26aを図10に示す電磁切り換え弁26bによって操作することにより、副変速装置20を切り換え操作するように構成してある。
旋回クラッチ60に油圧ピストン63を、旋回ブレーキ61に油圧ピストン64をそれぞれ内装し、油圧ピストン63及び油圧ピストン64を図10に示す油圧操作装置によって操作することによって、前記旋回クラッチ60及び旋回ブレーキ61を切り換え操作するように構成してある。
図2,3に示す旋回補助クラッチ62は、旋回当初において、旋回外側の走行装置1A,1Bの駆動力を旋回内側の走行装置1B,1Aに伝達して急旋回を抑制するものである。この旋回補助クラッチ62は、図3,10に示す油圧ピストン65によって切り換え操作される。
図11は、別の実施構造を備えたミッションケース9を示し、このミッションケース9にあっては、ミッションケース9を構成する一対の割ケース9a,9bのうちの前記最終伝動ギヤ53,44が位置する方の割ケース9aの内部に、前記最終ギヤ53,44の下方に配置した遮蔽壁9cを設けるとともに、この遮蔽壁9cは、最終伝動ギヤ53,44などの各ギヤによる攪拌作用がミッションケース内底部に滞留する潤滑油に及びにくいようにミッションケース内底部を遮蔽するものである。これにより、ミッションケース内の遮蔽壁9cよりも下部から潤滑油を取り出すことにより、この潤滑油を各油圧アクチュエータにエアの吸い込みが発生しにくい状態にして作動油として供給することができる。
コンバインの全体側面図 走行伝動装置の線図 ミッショケース内の断面図 ミッショケース内の主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体の配設部での断面図 ミッショケース内の主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体の配設部での断面図 ミッショケース内の主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体の配設部での断面図 主操向クラッチ体の切り換わり途中での断面図 主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体の比較構造での噛合い状態の説明図 主操向クラッチ体及び副操向クラッチ体の噛合い状態の説明図 油圧回路図 別の実施構造を備えたミッションケースの底部の断面図
符号の説明
1A 左走行装置
1B 右走行装置
12 副駆動軸
29 主駆動軸
31a 主左走行伝動ギヤ
31b 主右走行伝動ギヤ
33 主操向クラッチ体
40、50 高速ギヤ伝動機構
60 旋回クラッチ
71 副操向クラッチ体
73 副左走行伝動ギヤ
74 副右走行伝動ギヤ
82 操向操作体
90、100 低速ギヤ伝動機構
A 主操向クラッチ体の係合長さ
B 副操向クラッチ体の係合長さ
S 主操向クラッチ体の直進位置
L 主操向クラッチ体の左旋回位置
R 主操向クラッチ体の右旋回位置
S1 主操向クラッチ体の噛合い融通
S2 副操向クラッチ体の噛合い融通

Claims (4)

  1. 主駆動軸と、旋回クラッチを介して伝動される副駆動軸とを相対回転自在に備え、
    左走行装置に高速ギヤ伝動機構を介して連動された主左走行伝動ギヤ、右走行装置に高速ギヤ伝動機構を介して連動された主右走行伝動ギヤ前記主駆動軸に相対回転可能に備え、
    前記主駆動軸における前記主左走行伝動ギヤと前記主右走行伝動ギヤの間に、前記主駆動軸と一体回転し、かつ、前記主駆動軸に対して摺動自在な主操向クラッチ体を備えて、前記主操向クラッチ体を前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係脱自在に構成し、
    前記左走行装置に低速ギヤ伝動機構を介して連動された副左走行伝動ギヤ、前記右走行装置に低速ギヤ伝動機構を介して連動された副右走行伝動ギヤ前記副駆動軸に相対回転可能に備え、
    前記副駆動軸における前記副左走行伝動ギヤと前記副右走行伝動ギヤの間に、前記副駆動軸と一体回転し、かつ、前記副駆動軸に対して摺動自在な副操向クラッチ体を備えて、前記副操向クラッチ体を前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係脱自在に構成し、
    前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係合した直進位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係合した状態になり、前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤに係合するとともに前記主右走行伝動ギヤから離脱した右旋回位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤから離脱するとともに前記副右走行伝動ギヤに係合した状態になり、前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤから離脱するとともに前記主右走行伝動ギヤに係合した左旋回位置になると、前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤに係合するとともに前記副右走行伝動ギヤから離脱した状態になるように、前記主操向クラッチ体に対する前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤの位置と、前記副操向クラッチ体に対する前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤの位置とを設定するとともに、前記主操向クラッチ体と前記副操向クラッチ体とを連動させて摺動操作する操向操作体を備えてある作業車の走行伝動装置。
  2. 前記主操向クラッチ体が前記直進位置に在る状態で前記主操向クラッチ体が前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤに係合する主操向クラッチ体摺動方向での係合長さを、前記主操向クラッチ体が前記直進位置に在る状態で前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤに係合する副操向クラッチ体摺動方向での係合長さよりも長くしてある請求項1記載の作業車の走行伝動装置。
  3. 前記副操向クラッチ体と、前記副左走行伝動ギヤ及び前記副右走行伝動ギヤとの副操向クラッチ体回転方向での噛合い融通を、前記主操向クラッチ体と、前記主左走行伝動ギヤ及び前記主右走行伝動ギヤとの主操向クラッチ体回転方向での噛合い融通よりも大にしてある請求項1又は2記載の作業車の走行伝動装置。
  4. 前記副操向クラッチ体が前記副左走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する前記副操向クラッチ体の回転位相と、前記副操向クラッチ体が前記副右走行伝動ギヤに対して伝動自在に係合する前記副操向クラッチ体の回転位相とを相違させてある請求項3記載の作業車の走行伝動装置。
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