JP2020106090A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
Description
従って、静油圧式の無段変速装置と遊星ギヤ変速装置とを用いる有効性を損なうことなく、変速構成の大型化を抑制し、変速構成の単純化も可能な作業車が構成された。
〔全体構成〕
図1に示すように、走行車体Aに左右一対の前車輪1と左右一対の後車輪2とを備え、走行車体のAの前部のエンジンボンネット3の内部にエンジン4を備え、走行車体Aの後部位置にキャビン5を有する運転部Bを配置して作業車としてのトラクタが構成されている。このトラクタでは左右の前車輪1と左右の後車輪2とが走行機構として機能する。
このトラクタでは、図1〜図4に示すように、主クラッチハウジング10の内部に主クラッチ機構18を収容しており、無段変速ハウジング11に静油圧式の無段変速装置20を収容している。また、ミッションケース12は変速率が小さい高速側の第1遊星ギヤ変速装置Q1と、変速率が大きい低速側の第2遊星ギヤ変速装置Q2と、第1クラッチ機構C1と第2クラッチ機構C2と、走行変速装置50と、作業変速装置70とを収容している。
図3、図4に示すように、無段変速装置20は、エンジン4の駆動力が入力軸21を介して伝えられる可変容量型の油圧ポンプPと、変速駆動力を、出力軸22を介して第1遊星ギヤ変速装置Q1と第2遊星ギヤ変速装置Q2とに伝える油圧モータMと、油圧ポンプPと油圧モータMとの間で作動油の給排を行う一対の油路が形成されるポートブロック23とを無段変速ハウジング11に収容した構成を有している。入力軸21と、出力軸22とは、突出端を後方に向け、平行する姿勢で設けられている。
図4に示すように、第1遊星ギヤ変速装置Q1と、第2遊星ギヤ変速装置Q2とは左右方向に並列する位置関係でミッションケース12に収容されている。第1遊星ギヤ変速装置Q1の第1出力軸46aからの駆動力を断続するように、第1出力軸46aと同軸芯上に第1クラッチ機構C1が配置されている。これと同様に第2遊星ギヤ変速装置Q2の第2出力軸46bからの駆動力を断続するように、第2出力軸46bと同軸芯上に第2クラッチ機構C2が配置されている。
図4に示すように、第1クラッチ機構C1は、作動油の給排により駆動力を伝える状態と遮断する状態とに切換自在な摩擦多板式に構成されている。第2クラッチ機構C2は、作動油の給排により駆動力を伝える状態と遮断する状態とに切換自在な摩擦多板式のクラッチ部を2つ備えて構成されている。
副変速装置50Bは、第1カウンタ軸51と後輪駆動軸53との間に備えた第1変速部54と、第2カウンタ軸52と同軸芯上に備えた第2変速部55と、これらに連係する伝動ギヤを備えて構成されている。この副変速装置50Bは高速、中速、低速の3段の変速を実現すると共に、後進伝動状態を実現する。
走行変速装置50が、このように構成されるため、エンジン4の駆動力は無段変速装置20において無段階に変速される。第1クラッチ機構C1を伝動状態に設定することにより第1遊星ギヤ変速装置Q1で変速された高速駆動力が第1伝動ギヤ36を介して中間軸35に伝えられる。また、第2クラッチ機構C2の一方のクラッチ部を伝動状態に設定することにより、低速駆動力が第2伝動ギヤ37を介して中間軸35に伝えられる。更に、第2クラッチ機構C2の他方のクラッチ部を伝動状態に設定することにより、後進のための駆動力が第1カウンタ軸51に伝えられる。
中間軸35の後方位置に、主駆動軸31からの駆動力を、ポンプ駆動ギヤ71を介して作業ポンプ72に伝える伝動構造を備えている。
エンジン4の駆動力が無段変速装置20で無段階に変速され、このように変速された駆動力が第1遊星ギヤ変速装置Q1と第2遊星ギヤ変速装置Q2との2つの遊星ギヤ変速装置で大きく減速できるため、無段変速装置20に小容量のものを用いることが可能となる。また、第1遊星ギヤ変速装置Q1と第2遊星ギヤ変速装置Q2とで変速された駆動力は、各々に対応する第1クラッチ機構C1と第2クラッチ機構C2とを介して個別に取り出し、走行変速装置50に伝えることが可能となる。
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
2 後車輪(走行機構)
4 エンジン
12 ミッションケース
20 無段変速装置
21 入力軸
22 出力軸
23 ポートブロック
31 主駆動軸(駆動軸)
32 駆動ギヤ機構
33 分岐ギヤ機構
50 走行変速装置(走行変速部)
50B 副変速装置
A 走行車体(車体)
C1 第1クラッチ機構(クラッチ機構)
C2 第2クラッチ機構(クラッチ機構)
Q1 第1遊星ギヤ変速機構(遊星ギヤ変速装置)
Q2 第2遊星ギヤ変速装置(遊星ギヤ変速機構)
P 油圧ポンプ
M 油圧モータ
Claims (4)
- エンジンの駆動力を無段階に変速する静油圧式の無段変速装置を備え、前記無段変速装置で変速された駆動力を変速する複数の遊星ギヤ変速装置を備え、複数の前記遊星ギヤ変速装置からの駆動力を個別に取り出すため複数の前記遊星ギヤ変速装置に対応する複数のクラッチ機構を備え、
複数の前記クラッチ機構から伝えられる駆動力を変速して走行機構に伝える走行変速部を備え、
複数の前記遊星ギヤ変速装置が並列する位置関係で配置され、複数の前記遊星ギヤ変速装置と、複数の前記クラッチ機構と、前記走行変速部とがミッションケースに収容されている作業車。 - 前記エンジンと、前記無段変速装置と、複数の前記遊星ギヤ変速装置とが、この順序で車体の前後方向に沿って配置され、
前記無段変速装置が、前記エンジンで駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により回転する油圧モータとを有すると共に、前記油圧ポンプの入力軸と、前記油圧モータの出力軸とが、前記遊星ギヤ変速装置が配置された方向に向けて突出形成され、
前記エンジンの駆動力を伝える駆動軸が、前記無段変速装置を前後方向に沿って貫通して配置され、前記駆動軸のうち前記無段変速装置を貫通した貫通部位からの駆動力を前記入力軸に伝える駆動ギヤ機構と、前記出力軸からの駆動力を複数の前記遊星ギヤ変速装置に伝える分岐ギヤ機構とを備えている請求項1に記載の作業車。 - 複数の前記遊星ギヤ変速装置として、変速率が小さい高速側の第1遊星ギヤ変速装置と、変速率が大きい低速側の第2遊星ギヤ変速装置とを備え、
複数の前記クラッチ機構として、前記第1遊星ギヤ変速装置からの駆動力を断続する第1クラッチ機構と、前記第2遊星ギヤ変速装置からの駆動力を断続する第2クラッチ機構とを備え、
前記走行変速部が、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構とからの駆動力を変速する副変速装置を備えている請求項1又は2に記載の作業車。 - 前記無段変速装置が、前記エンジンで駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油により回転する油圧モータと、前記油圧ポンプと前記油圧モータとの間に形成される油圧回路が形成されるポートブロックとを備え、
前記ポートブロックの後面側に前記油圧ポンプと前記油圧モータとが配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業車。
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