JP4371474B2 - シート材搬送装置及び画像読取装置 - Google Patents

シート材搬送装置及び画像読取装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のシート材を順次搬送するシート材搬送装置及びこのシート材搬送装置が用いられた画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファクシミリ等の画像形成装置においては、原稿の画像情報を入力するための画像入力手段として、原稿読取装置が備えられている。この原稿読取装置では、複数枚のシート材による原稿(以下、複葉原稿という。)がセットされた場合に、これを1枚ずつ分離して画像入力部(画像読取手段)に搬送するシート材搬送装置が備えられる。
【0003】
シート材搬送装置では、シート載置面に載置された複葉原稿から最下位側(又は最上位側)のシート材をピックアップしてシート搬送路に予備搬送する予備搬送ローラや、予備搬送ローラにより給送された原稿を1枚ずつ分離して画像入力部側に搬送するための分離搬送ローラなどの複数のローラが備えられている。また、シート材搬送装置では、予備搬送ローラの後段かつ分離搬送ローラの前段で複葉原稿を停止保持しておくためのストッパ部材が設けられる。
【0004】
このストッパ部材は、ユーザが複葉原稿を分離搬送ローラの位置まで一気に押し込んでしまうと分離搬送ローラによる複葉原稿の分離ができなくなることから、複葉原稿を分離搬送ローラまで押し込めないように停止保持する機能を有している。
【0005】
このようなシート材搬送装置を備えた原稿読取装置で原稿の画像情報を入力する場合には、ストッパ部材を退避させて複葉原稿の停止を解除し、予備搬送ローラを回転させる。これにより、複葉原稿から1枚ずつシート材が取り出されて後段の分離搬送ローラへと給送され、このときシート材の重送が生じた場合であっても、分離搬送ローラにより1枚ずつ確実に分離され、後段の画像読取手段に搬送されて、原稿の画像情報が読み取られるようになっている。
【0006】
従来、ファクシミリ装置等の画像形成装置における原稿読取装置としては、図13乃至図16に示す構成のものが提案されている。
【0007】
図16はファクシミリ装置の外観図であり、このファクシミリ装置は、図16の右側上部に原稿を載置する原稿載置部が配置され、左側上部に開閉可能なカバー部を備えた画像読取手段が配置されており、前記原稿載置部に原稿面(画像面)を下向きにして積載された複葉原稿が最下層のものから順次前記画像読取手段に搬送され、原稿排紙トレイ114上に排紙される。また、記録用のシート材が積載されたシート積載部200,201,202からのシート材は、不図示の画像形成部で形成された画像信号に対応のトナー画像が転写され、不図示の定着装置を経て記録紙排紙トレイ203上に排紙されるようになっている。
【0008】
前記原稿載置部は、図13に示すように、シート載置台101と接続して原稿搬送路をなすシートガイド102の上下に各種のローラ等が配置されている。シートガイド102の原稿搬送方向の上流側の幅方向中央部には断面D形状の予備搬送ローラ103が配置され、該予備搬送ローラ103のDカット面がシートガイド102よりも上方に突出しないようになっている。
【0009】
また、予備搬送ローラ103に対向して前記カバー部には、板状の錘板104が揺動可能に設けられている。予備搬送ローラ103に続いてシートガイド102の原稿搬送方向の下流側には、重送した原稿を分離・搬送するための下分離ローラ105と上分離ローラ106とが配置され、さらに下流側には下搬送ローラ107と上搬送ローラ108、原稿の画像を読み取るための画像読取手段111、原稿を原稿排紙トレイ108に排紙するための下排紙ローラ112と上排紙ローラ113とが配置されている。
【0010】
上分離ローラ106と上搬送ローラ108とは、カバー部に取り付けられた加圧レバー109に取り付けられ、加圧バネ110のバネ力によりそれぞれ下分離ローラ105と下搬送ローラ107に加圧接触するようになっている。また上排紙ローラ113もカバー部に取り付けられ、このカバー部を開くことによりシートガイド102から原稿を取り除くことができるようになっている。
【0011】
また、予備搬送ローラ103と下分離ローラ105との間には、ストッパ部材121の係止爪部122がシートガイド102から突出可能となっており、前記原稿載置部に積載された複葉原稿の先端部が予備搬送ローラ103と錘板104との対向位置を経て係止爪部122と当接するまで押し込まれる。
【0012】
予備搬送ローラ103、下分離ローラ105、下搬送ローラ107及びストッパ部材121の駆動は、図14に示す駆動機構により1つのパルスモータ(不図示)によりギア列を介して行われる。不図示のパルスモータに連結された駆動軸115のギアが下分離ローラ105を有する分離ローラ軸105aの一端側のギア(第2のギア列G2の一部)に噛み合い、下分離ローラ105を回転させる。この分離ローラ軸105aの他端側のギア(第1のギア列G1の一部)が第1のギア列G1のアイドラギアに噛み合い、このアイドラギアは予備搬送ローラ103に接続されたバネクラッチ116の入力軸に取り付けられたギアに噛み合っている。
【0013】
バネクラッチ116は、制御環116Aの係止部116Bに、ソレノイド117により駆動される係止爪部材118が係合すると摩擦力が発生し、予備搬送ローラ103を回動させる。予備搬送ローラ103はDカット面を上面にした位置を停止位置として1回転する間欠駆動が行われ、ソレノイド117は画像情報の読取が開始されると通電され、予備搬送ローラ103が1回転するタイミングで通電が遮断される。予備搬送ローラ103が1回転する間に原稿の先端は分離ローラ105,106に搬送され、予備搬送ローラ103のDカット面が上面を向いてシートガイド102よりも上方に突出しないため、分離ローラ105,106による原稿の搬送に影響を与えない。
【0014】
予備搬送ローラ103の駆動の際には、前記ストッパ部材121も駆動されてその係止爪部122がシートガイド102よりも下方に退避する。この駆動動作は、第2のギア列G2を介して駆動軸115の駆動力がバネクラッチ等のワンウェイクラッチ128に伝達されることにより行われる。ストッパ部材121におけるワンウェイクラッチ128は、他の前記ローラが原稿搬送のために回転する方向を正回転方向とすると、この正回転方向での回転は伝達せず、逆回転方向での回転を伝達するように構成されている。
【0015】
図15に示すように、カム軸127と一体に回転するカム部材123のカム面にストッパ部材121のカム従動部124が当接しており、このストッパ部材121は一端部に係止爪部122が設けられ、他端側の枢軸121Bを支点として回動可能となっている。図15の(1)に示すストッパ部材121の係止爪部122がシートガイド102の孔部102Aから突出して複葉原稿を係止した状態から、(2)に示すようにカム軸127が逆回転すると、ストッパ部材121も逆回転し、徐々に係止爪部122が孔部102A内に退避し始める。そして、(3)に示すようにカム部材123の係止部126がストッパ部材121の係止部125を通過すると、モータの逆回転が停止される。このモータの逆回転制御は、図15の(1)の待機状態を基準とし、(3)の状態まで、すなわち、係止部126が係止部125を通り過ぎ、ストッパ部材121が降り切るまで、モータをパルス制御により一定量駆動され、そのときの駆動パルス数はカム部材123の形状により定められる。
【0016】
これにより、複葉原稿の係止が解除され、次に原稿搬送のためにモータを正方向に回転させる。このとき、ストッパ部材121は、その係止部125とカム部材123の係止部126とが係合するため、ワンウェイクラッチ128が空転し、(4)に示すように、ストッパ部材121の下降が原稿搬送が終了するまで継続される。
【0017】
そして、排出ローラ対112,123による最後の原稿の排出が不図示の検出手段で検出されると、(5)に示すように、(1)の待機状態となる所定のパルス数だけモータを逆回転する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の画像形成装置のシート材搬送装置では、ストッパ部材121がシートガイド102よりも下方に退避するように移動してから、予備搬送ローラ103の回転を、ソレノイド117を使って開始させる。ソレノイド117を使用するため、コストアップとなり、またソレノイド117を配置するためのスペースを確保する必要があり装置の小型化を妨げていた。また、ソレノイド117からは束線が引き出されるため、シート材搬送装置のユニット組付け時に、取り付け操作が煩雑になっていた。さらに、ソレノイド117自体の消費電力が大きく、電源の容量を大きくする必要があり、電源のコストアップの要因となっていた。
【0019】
本発明の目的は、ソレノイドを使用せずに、ストッパ部材の移動制御と、予備搬送手段、分離ローラおよび搬送ローラの駆動制御とを、駆動手段の駆動で実現可能とし、低コストでコンパクトなシート材搬送装置を提供すること、及びこのシート材搬送装置を備えた画像読取装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決した本発明のシート材搬送装置は、シート載置面に積載されたシート材をシート搬送路に予備搬送する予備搬送手段と、前記予備搬送手段の搬送方向下流に配置され、シート材を搬送する方向に回転する分離ローラと、前記分離ローラの搬送方向下流に配置された搬送ローラと、前記搬送ローラと圧接し前記搬送ローラの回転に従動する従動コロと、前記予備搬送手段の搬送方向下流に、前記シート搬送路開閉するために回動可能に配置され、前記シート搬送路じた位置で前記シート材を前記分離ローラ搬送方向上流で停止させるストッパ部材と、前記従動コロに設けられ、前記従動コロが前記搬送ローラに従動して回転したときに前記ストッパ部材と係合することにより前記シート搬送路を閉じた位置から開いた位置へ前記ストッパ部材を回動させる係合部と、前記搬送ローラに駆動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を前記分離ローラと前記予備搬送手段とに伝達する駆動伝達手段とを有し、前記駆動手段の駆動力が前記搬送ローラに伝達されて前記従動コロが前記搬送ローラに従動して前記ストッパ部材が回動した後に、前記駆動手段の駆動力を前記予備搬送手段に伝達する遅延伝達機構を前記駆動伝達手段に備える。
【0021】
予備搬送手段は、シート載置面に対して突出する予備搬送面と、シート載置面に対して突出しない待機面とが形成され、回転角度によってシート載置面に対する突出状態が変化する予備搬送ローラを備えた構成とする。
【0022】
この場合、シート材の搬送開始の初期状態において、予備搬送ローラをシート載置面に対して突出しない回転位置に保持する初期位置保持機構を設けることが好ましい。
【0023】
この初期位置保持機構は、予備搬送ローラの軸部に設けられた断面略D字状の平面部と、予備搬送ローラの軸部に圧接し、シート材の搬送開始の初期位置において平面部に弾性的に当接して回転方向に対する抵抗を予備搬送ローラに付与する板状弾性部材とを備えた構成とする。
【0025】
さらに、駆動手段を回転式モータとし、駆動伝達手段は、搬送ローラに伝達された回転式モータの回転駆動力を分離ローラに伝達する伝達軸を備え、伝達軸には、搬送ローラの回転開始時よりも分離ローラの回転開始を所定のタイミングで遅らせるように回転式モータの回転駆動力を伝達する遅延伝達機構が備えられた構成とする。
【0026】
この場合、回転式モータを逆回転駆動することにより予備搬送ローラをシート材の搬送開始の初期状態の位置に戻すイニシャライズ機構を設けるようにする。
【0027】
本発明の画像読取装置は、上述したいずれかの構成のシート材搬送装置と、搬送ローラ搬送方向下流に配置され、シート材の画像面の画像情報を入力する画像読取手段と、画像読取手段の搬送方向下流に配置され、シート材を排出するシート材排出手段とを備えたことを特徴とする。
【0028】
また、シート材排出手段は、駆動手段によって駆動される構成とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明をファクシミリ装置に適用した例について説明する。
【0030】
本発明の実施の形態のファクシミリ装置は、一般にインクジェット記録装置と称される記録系が用いられたものであり、当該ファクシミリ装置の中央断面図を図1に、外観斜視図を図2に、電気信号制御ブロックを図3に、それぞれ示す。
【0031】
また、このファクシミリ装置に備えられたシート材搬送装置を含む原稿読取系につき、その下原稿フレームユニットの平面図を図4に、原稿読取系における上原稿フレームユニットの平面図を図5に、下原稿フレームユニットにおける予備搬送ローラユニットの構成を図6に、下原稿フレームユニットにおける分離ローラユニットの構成を図7に、図4の矢印F方向から見た各駆動ギアを図8に、ストッパの動き説明図を図9に、ストップバネの構成及び初期状態における予備搬送ローラ等の位相関係を図10に、予備搬送ローラ及びバネクラッチ等の動き説明図を図11に、ストッパ及び予備搬送ローラの動作シーケンスを図12に、それぞれ示している。
【0032】
まず、図1及び図2を参照して、実施の形態のファクシミリ装置についての全体構成を説明する。
【0033】
本実施の形態のファクシミリ装置は、筐体部としての装置本体7の下部に2段に給紙カセット1a,1bを着脱可能に配置し、給紙カセット1a,1bに積載した記録シート2を夫々給紙系Aによりインクジェット方式の記録系Bに給紙し、排紙ローラ10aと拍車10bにより排紙経路へ矢印a方向に排紙し、さらに排出ローラ11a,11bにより上段給紙カセット1aの上部の機外へ排出する。
【0034】
上下段の給紙カセット1a,1bに対しては、同構成の給紙機構が配置されており、給紙カセット1(1a,1b)の爪4(4a,4b)に当接する最上位置の記録シート2(2a,2b)が給送ローラ3(3a,3b)により取り出されて、一対のフィードローラ5aと5bのニップ部に送り、このフィードローラ対5a,5bにより、記録系Bに送るようになっている。
【0035】
記録系Bは、プラテン30に対して幅方向(主走査方向)にインクカートリッジ9を有するインクヘッドを装着したキャリッジ31が移動可能に構成され、プラテンローラ8に支持された記録シート2に対して印字が行われる。インクカートリッジ9のインクヘッドは、他機から伝送された画像信号、或いは後述する原稿読取系Cから伝送された画像信号、さらには、後述するコンピュータ等から出力される画像データに基づいて、給紙カセット1より供給された記録シート2に画像を記録する。なお、インクカートリッジ9は、記録カバー12を矢印c方向に開放して、矢印d方向に引き出して交換できるようになっている。
【0036】
このファクシミリ装置では、原稿読取系Cと操作部Dにより、原稿読取装置が構成されており、当該原稿読取装置は、装置本体7の上部に配置され、給紙カセット1の装着方向と同じ方向に原稿13を給紙することにより、文字図形等の画像が記載された原稿面(画像面)の読取を行う。
【0037】
原稿読取装置の原稿読取系Cは、複数枚のシート材による原稿(以下、複葉原稿という。)が画像面を下向きとして載置される原稿トレー15と、原稿トレー15のシート載置面に積載された複葉原稿から最下位側のシート材をピックアップしてシート搬送路に予備搬送する予備搬送ローラ51及び予備搬送押圧板77による予備搬送部と、予備搬送部によって予備搬送されたシート材を1枚ずつ分離して原稿読取手段側に搬送する分離ローラ16a及びこれに圧接する分離片16bからなる原稿分離部と、原稿分離部の後段に位置する搬送ローラ17a及び搬送コロ17bによる搬送ローラ対と、排出ローラ18a及び排出コロ18bによる排出ローラ対と、予備搬送ローラ51の後段に配された詳細を後述するストッパ部材68と、コンタクトセンサ等による原稿読取手段としての光電変換素子19とを備えている。原稿読取系Cでは、原稿トレー15、予備搬送ローラ51、分離ローラ16a、搬送ローラ17a、排出ローラ18a、光電変換素子19の各々が、装置本体7内の下原稿フレーム50に取り付けられている。一方、予備搬送押圧板77及び予備搬送押圧板77を下原稿フレーム50側に付勢するバネ78、分離片16b、搬送コロ17b、排出コロ18b、ストッパ部材68の各々が、上原稿フレーム61に取り付けられている。
【0038】
原稿読取系Cでは、原稿トレー15のシート載置面に載置された複葉原稿について、図4で後述する予備搬送ローラユニット301内の前記予備搬送部によって1枚ずつ取り出されて後段の分離ローラユニット302へと給送され、このときシート材の重送が生じた場合であっても、分離ローラユニット302の前記原稿分離部によって一枚ずつ分離給送され、分離給送されたシート材が搬送ローラ対17a,17b及び排出ローラ対18a,18bによって搬送されて装置外(記録カバー12上)に排出される。そして、シート材が排出されるまでの間に、光電変換素子19による原稿読取手段にて画像面の画像情報が読み取られ、その画像信号がコピーモードの場合には自己の記録系に伝送され、送信モードの場合は他機の記録系に伝送されるようになっている。なお、原稿読取系Cにおけるストッパ部材68の構成及び動作については後述する。
【0039】
原稿読取装置の操作部Dは、コピーモード、送信モード、プリンタモードについて切り換えるモード切り換え操作や、コピー、送信、プリンタについての各種設定等の操作を行うためのものであり、これら各種操作に応じたキーが設けられている。この操作部Dは、装置本体7に対して後述する上原稿フレーム61のユニットと一体となって図1の矢印e方向に回動可能に構成され、原稿読取系Cにおいて原稿13が搬送不良を起こした際にも、容易にジャム解除が出来るようになっている。
【0040】
次に、このファクシミリ装置の制御系について、図3に示すブロック図を参照して説明する。
【0041】
図3に示すように、ファクシミリ装置の制御系は、ファクシミリの制御部121と、装置全体に電力を供給する電源ユニット122と,モデム123および電話機(ハンドセット)124と回線125とを接続するNCU基板ユニット126と、上述の操作部Dから入力した内容等を表示する表示部127と、上述の記録系Bについての制御部128と、さらには周辺コンピュータ129からのデータを得るためのプリンタインターフェース130等を有している。
【0042】
制御部121は、ファクシミリ装置全体の制御を行うCPU131と、各種プログラムや各種データ等を格納したROM132と、上記CPU131のワークエリアとして使用されると共に、記録枚数等の各種データの一時保存を行うRAM133と、後述するラインメモリ134と、符号化/複合化部135と、メモリバッファ136と、ファクシミリとプリンタとの切換を行う入出力切換インターフェース137とを有する。
【0043】
制御部121のラインメモリ134は、画像データの各ラインのイメージを格納するものであって、原稿13の送信もしくはコピーの場合には、上述した原稿読取系Cからの1ライン分のイメージデータが格納され、画像データの受信の場合には、復号化された1ライン分のデータが格納される。そして上記ラインメモリ134に格納された画像データは、CPU131を通り記録系制御コードを追加して入出力切換インターフェース137から記録系Bの制御部128のCPU138に出力され、CPUB1が前記記録系制御コードを解読することによって、画像記録が行われる。
【0044】
符号化/複合化部135は、ラインメモリ134に格納された符号化画像データを読み出し、複合化して、イメージデータに変換する。また、符号化/複合化部135は、モデム123及びメモリバッファ136を介して受信された符号化画像データをMH符号化等の形式で符号化する。メモリバッファ136は、CPU131、符号化/複合化部135、及びモデム123から送受信された符号化画像データを格納する。
【0045】
また、プリント機能の制御について説明すると、まず、周辺コンピュータ129が出力したデータおよび記録系制御コードが、プリンタインターフェース130を介して入出力切換インターフェース137に取り込まれる。そして、このデータおよび記録系制御コードが入出力切換インターフェース137から記録系B内の制御部128のCPU138に出力され、CPU138が前記記録系制御コードを解読することによって、プリント記録が行われる。この時、制御部121内のCPU131ではプリント記録の制御を行わないようになっている。このような制御とすることで、ファクシミリ機能とプリント機能とを単純にしている。
【0046】
次に、このファクシミリ装置の原稿読取系Cに備えられたシート材搬送装置について詳細に説明する。
【0047】
まず、図4を参照して、シート材搬送装置の下原稿フレーム50側の構成について説明する。
【0048】
下原稿フレーム50の略中央には、上述の搬送ローラ17aが長手方向に3つ配されている。各搬送ローラ17aは、それぞれ同軸上に一体回転可能に配されており、搬送ローラ17aの軸部の一端側には、図8で後述するギア75が取り付けられている。
【0049】
また、下原稿フレーム50における搬送ローラ17aの下流側には、上述の光電変換素子19が各搬送ローラ17aと略平行に取り付けられている。
【0050】
さらに、下原稿フレーム50における光電変換素子19の下流側には、上述の排出ローラ18aが長手方向に3つ配されており、各排出ローラ18aは、各搬送ローラ17aと対応する位置に設けられている。各排出ローラ18aは、それぞれ同軸上に一体回転可能に配されており、排出ローラ18aの軸部の一端側には、図8で後述するギア74が取り付けられている。
【0051】
一方、下原稿フレーム50の最上流側には、分離ローラ16a、ギア55、バネクラッチ56、ギア57、これらが取り付けられる金属製の分離ローラ軸58等からなる分離ローラユニット302と、予備搬送ローラ51、クラッチ軸52、予備搬送ローラ軸53、バネクラッチ54等により構成される予備搬送ローラユニット301、予備搬送ローラ51を原稿13の搬送方向とは逆向きに回転させるためのAアイドラギア59(59a,59b)、予備搬送ローラ51を原稿13の搬送方向に回転させるためのBアイドラギア60(60a,60b)等が取り付けられている。
【0052】
そして、下原稿フレーム50における分離ローラユニット302の下流側かつ搬送ローラ17aの上流側には、伝達軸72が回転可能に軸支されている。この伝達軸72は、その一端側(図4の左側)に図8で後述するギア76が取り付けられている。一方、伝達軸72の他端側には、メカタイマ99が固着形成されており、このメカタイマ99に対してギア73が回動自在に接続されている。これにより、図7で後述するように、伝達軸72の回転は、メカタイマ99により時間遅れを伴ってギア73に伝達される。ギア73の回転は、さらに分離ローラユニット302のギア55及び予備搬送ローラユニット301のAアイドラギア59へと伝達され、この動作については後述する。
【0053】
次に、図5を参照して、シート材搬送装置の上原稿フレーム61側の構成について説明する。
【0054】
シート材搬送装置では、図5に示すように、上述の分離ローラ16aに対向位置する分離片16bや、分離片16bを分離ローラ16aに押圧している分離バネ16cが、上原稿フレーム61の軸支部に取りつけられる。また、原稿13が挿入されたことを検出するDSアクチュエータ69や、読取開始のタイミングを検出するDESアクチュエータ70が、上原稿フレーム61に軸支されている。
【0055】
このアクチュエータ69,70が遮るフォトインタラプタは、操作部Dのオペレーションパネル(図示せず)の基板の裏面に実装されており、オペレーションパネルを取付けた時に機能できるように構成されている。
【0056】
上原稿フレーム61の略中央には、搬送コロ軸65aが回転可能に軸支されており、この搬送コロ軸65aには、搬送コロ短66、ストッパコロ67、及び3つの搬送コロ17bが取り付けられている。すなわち、搬送ローラ17aに対向する搬送コロ17bは、搬送コロ軸65aを介して、上原稿フレーム61に回転可能に軸支されている。また、搬送コロ短66、ストッパコロ67も、同様に搬送コロ軸65aを介して、上原稿フレーム61に軸支されている。
【0057】
ストッパ部材68は、図5に示すように、上原稿フレーム61におけるストッパコロ67及び分離片16bの近傍位置に軸支されており、ストッパコロ67が回転すると、その係合部67aに係合して上下方向に揺動するようになっている。
【0058】
上原稿フレーム61における搬送コロ軸65aの下流側には、3つの排出コロ18bが取り付けられた排出コロ軸63aが回転可能に軸支されている。搬送コロ軸65a及び排出コロ軸63aは、上原稿フレーム61と上原稿ステー71の間に挟まれる形で固定された軸押圧バネ62によって押圧される。
【0059】
次に、図6等を参照して、下原稿フレーム50側の予備搬送ローラユニット301の構成について説明する。図6(A)に示すように、予備搬送ローラユニット301の予備搬送ローラ51は、予備搬送ローラ軸53に挿入され、予備搬送ローラ軸53と一体に回転するようになっている。
【0060】
予備搬送ローラ51は、図6(B)に示すように、回転中心位置からローラ面までの距離が一定でない歪円状の断面形状となっており、曲率の高いローラ面が原稿を予備搬送する予備搬送面51aとなり、曲率の低いローラ面が待機面51bとなっている。予備搬送ローラ51は、回転角度によって原稿トレー15のシート載置面に対する突出状態が変化するようになっており、図9及図10で後述するように、シート材の搬送開始の初期状態では待機面51bが上方を向いてシート載置面から突出せず、この初期状態から回転することにより、予備搬送面51aがシート載置面から突出して、積載された複葉原稿から最下層のシート材をピックアップして分離ローラ16a側のシート搬送路に予備搬送する。
【0061】
予備搬送ローラ軸53は、その一端側にBアイドラギア60のギア60aと歯合するギア60bが形成され、軸中央が予備搬送ローラ51が取り付けられるローラ取付部53aとなり、他端側がクラッチ軸52及びバネクラッチ54が挿入される挿入部53bとなっている。また、図6(B)に示すように、予備搬送ローラ軸53のローラ取付部53aと挿入部53bとの間には、平面部53cが形成されており、この部位が略「D」字状の断面形状となっている。さらに、予備搬送ローラ軸53の挿入部53bには、バネクラッチ54の一端側を係合させるための切り欠き部53dが軸方向に形成されている。
【0062】
バネクラッチ54は、バネ部材がコイル状に巻かれて形成され、全体略円筒状の外形をなし、予備搬送ローラ軸53に挿入される一端側にはこの円筒形状の内周側に曲げられた曲げ部54aが形成され、他端側には外方側に曲げ起こされた曲げ起こし部54bが形成されている。
【0063】
クラッチ軸52は、一端側にバネクラッチ54の曲げ起こし部54bが形成された一端側が挿入されるバネクラッチ取付部52aが形成され、他端側には図4のAアイドラギア59のギア59aと歯合されるギア59bが形成される。
【0064】
そして、予備搬送ローラ軸53のローラ取付部53aに予備搬送ローラ51を取り付け、予備搬送ローラ軸53の切り欠き部53aにバネクラッチ54の曲げ部54aを嵌入しながらバネクラッチ54を挿入し、さらにバネクラッチ54をクラッチ軸52のバネクラッチ取付部52aに挿入することで、予備搬送ローラ軸53に対してバネクラッチ54を介してクラッチ軸52が接続される。ここで、各部材の回転方向における取り付け位置(位相)関係は、図6(B)に示す通りであり、バネクラッチ54の内側の曲げ部54aが切り欠き部53aに入ることにより、バネクラッチ54の曲げ起こし部54bと予備搬送ローラ51の回転方向の位相が合うようになっている。
【0065】
バネクラッチ54は、クラッチ軸52を図6(A)の矢印d方向に回転させるとそのコイル状のバネ部材が締まって予備搬送ローラ軸53及び予備搬送ローラ51を原稿搬送方向とは逆方向に回転させ、矢印e方向に回転させるとコイル状のバネ部材がゆるんで予備搬送ローラ軸53及び予備搬送ローラ51に回転が伝わらないようにする機能を有している。すなわち、バネクラッチ54は、クラッチ軸52の矢印d方向のみの回転を予備搬送ローラ軸53及び予備搬送ローラ51に伝達する。
【0066】
また、バネクラッチ54の曲げ起こし部54bは、図11に示すように、下原稿フレーム50に対して回動可能に取り付けられた振り子80に突き当たるようになっている。
【0067】
次に、図7(A)〜(D)を参照して、下原稿フレーム50側の分離ローラユニット302の構成について説明する。
【0068】
分離ローラユニット302の金属製の分離ローラ軸58は、モールド部分58aが圧入により取り付けられており、モールド部分58aと一体で回転する。そして、この分離ローラ軸58には、一端側から上述の分離ローラ16a、及びBアイドラギア60と歯合されるギア57が取り付けられ、他端側から、バネ部材がコイル状に巻かれて全体略円筒状の外形をなすバネクラッチ56、及び上述のギア73と歯合するギア55が取り付けられる。
【0069】
分離ローラ16aは、分離ローラ軸58のモールド部分58aにはめ込まれることにより、分離ローラ軸58と一体となって回転するとともに、モールド部分58aに対して適度な摩擦力をもって相対摺動回転するようになっている。ギア57は、分離ローラ軸58の断面D形状とされたギア取り付け部58bに嵌入されることにより、分離ローラ軸58と一体となって回転する。
【0070】
バネクラッチ56は、一端側がギア55に挿入され、他端側がモールド部分58aに挿入されることにより、図4の伝達軸72の所定方向の回転がギア73を介してギア55に伝達された場合に、このギア55の原稿搬送方向の回転のみを分離ローラ軸58に伝達する機能を有している。すなわち、バネクラッチ56は、ギア55が図7(A)の矢印55bの方向に回転した時に、そのコイル状のバネ部材が締まってギア55の回転を分離ローラ軸58に伝達し、分離ローラ軸58と一体となったギア57及びギア57と歯合するBアイドラギア60が回転駆動され、分離ローラ16aが原稿13の搬送方向に回転するような巻方向となっている。
【0071】
一方、ギア55を図7(A)の矢印55aの方向に回した場合には、バネクラッチ56が緩み、ギア55の回転が分離ローラ軸58に伝達されず、分離ローラ16a、ギア57及びBアイドラギア60のいずれも回転駆動されないようになっている。
【0072】
さらに、ギア55が矢印55bの方向に回転した場合であっても、その回転速度よりも速い速度で分離ローラ16aを原稿13の搬送方向に回転させた場合には、バネクラッチ56が緩むため、ギア57及びBアイドラギア60は回転駆動されない。
【0073】
以下に、分離ローラユニット302の伝達軸72とメカタイマ99とギア73の動作について、図7の(B)〜(D)を参照して説明する。上述のように、伝達軸72にはメカタイマ99が固着され、メカタイマ99と接続されたギア73は伝達軸72と同軸上に回動自在に支持されている。
【0074】
ここで、図7(B)に示す状態から伝達軸72が矢印P方向に回転した場合には、この回転はメカタイマ99の作動によりすぐにはギア73に伝達されずに、伝達軸72及びメカタイマ99が図7(C)に示す状態となった場合に、時間遅れを伴ってギア73に伝達される。この動作は、図7(C)に示す状態から伝達軸72が矢印Pと逆方向である矢印q方向に回転した場合でも同様であり、図7(C)の状態では矢印q方向の伝達軸72の回転はメカタイマ99の作動によりすぐにはギア73に伝達されずに、図7(D)に示す状態となった場合に時間遅れを伴ってギア73に伝達されることになる。
【0075】
図8は、図4の矢印F方向から見た図であり、排出ローラ18a、搬送ローラ17a、及び伝達軸72を駆動するための駆動ギアを示している。図8において、ギア74は、図示していないワンウェイクラッチを介して排出ローラ18aの軸部と接続されており、原稿排出方向である矢印74a方向に回転した場合には排出ローラ18aに当該回転が伝達され、これを逆方向の矢印74b方向に回転した場合には回転が伝達されないようになっている。
【0076】
ギア75は、その中央の穴がD形状になっており、搬送ローラ17aの軸部と一体となっている。ギア76は、ギア75によりギア75の回転とは逆方向に回転するギアである。このギア76は、中央の穴がD形状になっており、図4の伝達軸72と一体となっている。なお、Mは回転式の駆動モータであり、不図示の駆動ギアによりギア74及びギア75を同方向に回転駆動する。
【0077】
これにより、駆動モータMがギア74とギア75を矢印74aの方向に回転駆動すると、排出ローラ18a及び搬送ローラ17aが原稿排出(搬送)方向に回転し、逆に駆動モータMがギア74とギア75を矢印74bの方向に駆動すると、搬送ローラ17aは原稿搬送方向とは逆方向に回転するが、ギア74に接続されたワンウェイクラッチにより、排出ローラ18aには駆動が伝達されない。従って、排出ローラ18aは、原稿排出方向のみに回転するようになっている。
【0078】
また、駆動モータMがギア74とギア75を矢印74a又は矢印74bの方向に回転駆動すると、ギア76がギア75とは反対の方向に回転し、図4の伝達軸72が回転駆動される。そして、伝達軸72が回転すると、図7(A)〜(C)で説明したように、メカタイマ99を介して時間遅れをともなってギア73が回転を開始することになる。
【0079】
なお、駆動モータMがギア74とギア75を矢印74a方向に回転駆動した際には、分離ローラ16aの送り速度が搬送ローラ17aの送り速度よりも遅くなるように設定されている。
【0080】
次に、原稿搬送装置において実際に複葉原稿を搬送する際の動作について、図9を参照して説明する。なお、図9(A)が原稿搬送開始後の状態を、(B)が搬送開始前の初期状態をそれぞれ示す。ユーザにより図9(B)の矢印G方向に複葉原稿が挿入されると、原稿の先端側が予備搬送ローラ51の回転中心位置の上を越えた地点で、DSアクチュエータ69がONとなり、さらに、複葉原稿が深く挿入されると、原稿の先端側がストッパ部材68に突き当たる。
【0081】
その後、操作部Dのオペレーションパネル上でコピーもしくは送信の指示をすると、前記駆動モータMが回転してギア74とギア75を74a方向に回転駆動することにより、排出ローラ18aと搬送ローラ17aがシート搬送方向に回転するとともに、メカタイマ99による時間遅れをともなって、分離ローラ16a及び予備搬送ローラ51がシート搬送方向に回転する。
【0082】
このとき、図9(A)に示すように、搬送ローラ17aがシート搬送方向である矢印H方向に回転することにより、これに圧接対向するストッパコロ67が反対方向である矢印J方向に回転する。このとき、ストッパコロ67の係合部67aがストッパ部材68の係合腕部68aに係合してストッパ部材68を回動させることにより、ストッパ部材68が上方にはね上げられて、原稿が原稿搬送路上を通過できる状態となる。
【0083】
次に、メカタイマ99による時間遅れを伴って、分離ローラ16aと予備搬送ローラ51がシート搬送方向である矢印H方向に回転を開始する。これにより、予備搬送部を構成する予備搬送ローラ51と予備搬送押圧板77との間に挟まれた原稿は、この予備搬送部により捌かれながら、原稿分離部を構成する分離ローラ16aと分離片16bとの間に送られ、ここで1枚ずつ分離されて搬送ローラ17aに送られる。
【0084】
このとき、上述したように、分離ローラ16aの送り速度が搬送ローラ17aの送り速度より遅くなっているため、原稿の先端側が搬送ローラ17aに送られた時点で分離ローラ16aの回転速度がギア55の回転速度を上回り、これにより、バネクラッチ56が緩んで、ギア57及びBアイドラギア60が回転駆動されずに予備搬送ローラ51の回転が停止する状態となる。
【0085】
但し、実際には、わずかな空転トルク等が発生するため、ギア57及びBアイドラギア60に回転力が伝達され、予備搬送ローラ51が回ろうとする。この時、図4に示す板状弾性部材としてのストップバネ79が図10に示すように予備搬送ローラ軸53の平面部53cに当接すると回転方向に対して抵抗となるため、予備搬送ローラ51は、その待機面51bが図10及び図11の矢印K方向に向いた状態で停止し、原稿トレー15のシート載置面に対して予備搬送ローラ51が突出しない状態となる。
【0086】
このようにして、搬送ローラ17a及び分離ローラ16aによって原稿が搬送されているときは、必ず予備搬送ローラ51の待機面51bが矢印K方向に向いた状態で停止し、予備搬送ローラ51と予備搬送押圧板77との間が開放状態となり、後ろに引張られることがないので、原稿の伸び等の障害が生じることなくスムーズに原稿を搬送することができる。
【0087】
この後、原稿の先端側が搬送ローラ17aの上を越えた地点で、DESアクチュエータ70がONとなり、続いて光電変換素子19により画情報が読み取られ、排出ローラ18aにより記録カバー12上に排出される。
【0088】
また、原稿の後端側が分離ローラ16aを通過し、搬送ローラ17aのみによって原稿が搬送されるようになった時点で、分離ローラ16aの回転速度がギア55の回転速度と同じになり、これによりバネクラッチ56が締まってギア57及びBアイドラギア60が回転駆動されて、再び予備搬送ローラ51が回転することにより、次の原稿の搬送動作が開始されることになる。
【0089】
駆動モータMを原稿搬送方向に回転させたときのストッパ部材68と予備搬送ローラ51の動作シーケンスを図12に示す。図12における予備搬送ローラ51の動作の内、実線の動作が実施の形態によるところの動作である。本動作では図12にあらわすごとくストッパ部材68が開放された後、予備搬送ローラ51により原稿は搬送される。予備搬送ローラ51の動作の内、2点破線の動作はメカタイマ99を具備しないときの参考動作である。
【0090】
DSアクチュエータ69が原稿を検知しておらず、かつDESアクチュエータ70が原稿を検知して一定の原稿送りが終わってすべての原稿を読取ったと制御系により判断された場合には、次に予備搬送ローラ51の回転停止位置を初期位置とするためのイニシャライズ動作が行われる。
【0091】
このイニシャライズ動作は、駆動モータMを逆転させることにより行う。駆動モータMを逆転させると、図8のギア75、ギア76を介して伝達軸72及びギア73が回転し、ギア73に歯合するギア55が原稿搬送方向と逆方向に回転する。このときには、バネクラッチ56が緩んで、ギア57及びBアイドラギア60が回転駆動されずに予備搬送ローラ51の回転停止が保持される状態となるとともに、ギア55に歯合するAアイドラギア59が回転し、バネクラッチ54が締まってギア59bの回転が予備搬送ローラ軸53に伝達されることにより、バネクラッチ54及び予備搬送ローラ51が原稿搬送方向とは逆の図11(A)の矢印L方向に回転する。
【0092】
ここで、予備搬送ローラ51が矢印L方向に回転すると、図11(A)に示すように、バネクラッチ54の曲げ起こし部54bが振り子80に突き当たり、振り子80が下原稿フレーム50のリブ50aに突き当たるので、この振り子80の回転が阻止される。そして、このときにバネクラッチ54が緩むため、クラッチ軸52から予備搬送ローラ軸53への駆動が切られ、予備搬送ローラ51が静止する。この時、バネクラッチ54の曲げ起こし部54bと予備搬送ローラ51の各面とは、図6(B)に示す通り、位相関係が一定であるので、予備搬送ローラ51の待機面51bが必ず矢印K方向を向く。
【0093】
また、この時には、図10に示すように、予備搬送ローラ軸53の平面部53cとストッパバネ79とが当接して予備搬送ローラ軸53の停止状態が保持されるため、バネクラッチの曲げ起こし部54bと予備搬送ローラ51の待機面51bとの位相が製造上の精度により多少ずれていても、予備搬送ローラ51の待機面51bを矢印K方向に向けて静止させることができる。これにより、次に原稿を挿入する際、必ず予備搬送ローラ51と予備搬送押圧板77とが開放状態になるため、原稿が引っ掛ることなく、スムーズにストッパ部材68の突き当り部まで到達できる。
【0094】
さらに、前記イニシャライズ動作により駆動モータMを逆転させると、図8のギア75が回転して、搬送ローラ17aが原稿搬送方向とは逆である図9(B)の矢印N方向に回転するとともに、搬送ローラ17aに圧接対向するストッパコロ67が矢印P方向に回転する。このとき、ストッパコロ67の係合部67aがストッパ部材68の係合腕部68aに係合してストッパ部材68を回動させることにより、ストッパ部材68が所定位置まで下がり、原稿搬送路を塞ぐ閉状態とする。ストッパ部材68は、原稿搬送路が閉状態となったところで下原稿フレーム50の図示しない突当て部に突き当たり、回動が阻止される。
【0095】
このとき、ストッパコロ67の矢印P方向の回転が阻止されて、ストッパコロ67が停止するので、搬送ローラ17aとストッパコロ67はスリップ状態となる。
【0096】
このようなイニシャライズ動作を行うことにより、ストッパ部材68が下に降りて原稿搬送路を塞ぐ閉状態となるので、この状態から原稿が挿入された場合には、原稿がストッパ部材68に当たり、無理に分離部に突っ込まれることがない。
【0097】
この原稿搬送装置を備えたファクシミリ装置によれば、予備搬送ローラ51、分離ローラ16a、搬送ローラ17a、及び排出ローラ18aの回転制御と、ストッパ部材68の移動制御とを、ソレノイドを使用せずに駆動モータMの回転駆動のみで実現しているので、コストダウン、小型化、組立性の向上に寄与することが可能となった。
【0098】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、シート載置面に積載されたシート材をシート搬送路に予備搬送する予備搬送手段と、前記予備搬送手段の搬送方向下流に配置され、シート材を搬送する方向に回転する分離ローラと、前記分離ローラの搬送方向下流に配置された搬送ローラと、前記搬送ローラと圧接し前記搬送ローラの回転に従動する従動コロと、前記予備搬送手段の搬送方向下流に、前記シート搬送路開閉するために回動可能に配置され、前記シート搬送路じた位置で前記シート材を前記分離ローラ搬送方向上流で停止させるストッパ部材と、前記従動コロに設けられ、前記従動コロが前記搬送ローラに従動して回転したときに前記ストッパ部材と係合することにより前記シート搬送路を閉じた位置から開いた位置へ前記ストッパ部材を回動させる係合部と、
前記搬送ローラに駆動力を供給する駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を前記分離ローラと前記予備搬送手段とに伝達する駆動伝達手段とを有し、前記駆動手段の駆動力が前記搬送ローラに伝達されて前記従動コロが前記搬送ローラに従動して前記ストッパ部材が回動した後に、前記駆動手段の駆動力を前記予備搬送手段に伝達する遅延伝達機構を前記駆動伝達手段に備えることにより、ソレノイドを使用せずに、ストッパ部材の移動と、予備搬送手段、分離ローラおよび搬送ローラの駆動とを、駆動手段で可能とし、低コストでコンパクトなシート材搬送装置を提供すること、及びこのシート材搬送装置を備えた画像読取装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のファクシミリ装置の中央断面図である。
【図2】ファクシミリ装置の外観斜視図である。
【図3】ファクシミリ装置の電気信号制御ブロック図である。
【図4】ファクシミリ装置の原稿読取系における下原稿フレームユニットの平面図である。
【図5】原稿読取系における上原稿フレームユニットの平面図である。
【図6】下原稿フレームユニットにおける予備搬送ローラユニットの構成を説明する図であり、(A)が分解図、(B)が各部材の位相関係を示す図である。
【図7】下原稿フレームユニットにおける分離ローラユニットの構成図であり、(A)が分解図、(B)〜(D)がメカタイマの動作を説明する断面図である。
【図8】図4の矢印F方向から見た各駆動ギアを示す図である。
【図9】原稿搬送装置におけるストッパ部材の動きを説明する図であり、(A)が原稿搬送開始後の状態を、(B)がイニシャライズ動作時の状態をそれぞれ示す。
【図10】ストップバネの構成及び初期状態における予備搬送ローラ等の位相関係を示す図である。
【図11】予備搬送ローラ及びバネクラッチ等の動きを説明する図であり、(1)がイニシャライズ動作時の状態を、(2)及び(3)が原稿搬送開始時の状態をそれぞれ示す。
【図12】ストッパ及び予備搬送ローラの動作シーケンス図である。
【図13】従来のファクシミリ装置の読み取り部の中央断面図である。
【図14】従来のファクシミリ装置の読み取り部の平面図である。
【図15】従来のファクシミリ装置のストッパ動き説明図である。
【図16】従来のファクシミリ装置の外観図である。
【符号の説明】
A 給紙系
B 記録系
C 原稿読取系
D 操作部
1(1a,1b) 給紙カセット
2(2a,2b) 記録シート
3(3a,3b) 給送ローラ
1 インクカートリッジ
11a,11b 排出ローラ
13 原稿
15 原稿トレー
16a 分離ローラ
16b 分離片
16c 分離バネ
17a 搬送ローラ
17b 搬送コロ
18a 排出ローラ対
18b 排出コロ
19 光電変換素子
301 予備搬送ローラユニット
50 下原稿フレーム
51 予備搬送ローラ
51a 予備搬送面
51b 待機面
52 クラッチ軸
53 予備搬送ローラ軸
53a 切り欠き部
53c 平面部
54 バネクラッチ
54a 曲げ部
54b 曲げ起こし部
55 ギア
56 バネクラッチ
302 分離ローラユニット
59 Aアイドラギア
60 Bアイドラギア
61 上原稿フレーム
67 ストッパコロ
67a 係合部
68 ストッパ部材
72 伝達軸
73,74,75,76 ギア
79 ストップバネ
80 振り子
99 メカタイマ(遅延伝達機構)

Claims (8)

  1. シート載置面に積載されたシート材をシート搬送路に予備搬送する予備搬送手段と、
    前記予備搬送手段の搬送方向下流に配置され、シート材を搬送する方向に回転する分離ローラと、
    前記分離ローラの搬送方向下流に配置された搬送ローラと、
    前記搬送ローラと圧接し前記搬送ローラの回転に従動する従動コロと、
    前記予備搬送手段の搬送方向下流に、前記シート搬送路開閉するために回動可能に配置され、前記シート搬送路じた位置で前記シート材を前記分離ローラ搬送方向上流で停止させるストッパ部材と、
    前記従動コロに設けられ、前記従動コロが前記搬送ローラに従動して回転したときに前記ストッパ部材と係合することにより前記シート搬送路を閉じた位置から開いた位置へ前記ストッパ部材を回動させる係合部と、
    前記搬送ローラに駆動力を供給する駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動力を前記分離ローラと前記予備搬送手段とに伝達する駆動伝達手段とを有し、
    前記駆動手段の駆動力が前記搬送ローラに伝達されて前記従動コロが前記搬送ローラに従動して前記ストッパ部材が回動した後に、前記駆動手段の駆動力を前記予備搬送手段に伝達する遅延伝達機構を前記駆動伝達手段に備えたことを特徴とするシート材搬送装置。
  2. 前記予備搬送手段は、前記シート載置面に対して突出する予備搬送面と、前記シート載置面に対して突出しない待機面とが形成され、回転角度によって前記シート載置面に対する突出状態が変化する予備搬送ローラを備えたことを特徴とする請求項1記載のシート材搬送装置。
  3. シート材の搬送開始の初期状態において、前記予備搬送ローラを前記シート載置面に対して突出しない回転位置に保持する初期位置保持機構を備えたことを特徴とする請求項2記載のシート材搬送装置。
  4. 前記初期位置保持機構は、前記予備搬送ローラの軸部に設けられた断面略D字状の平面部と、前記予備搬送ローラの軸部に圧接し、シート材の搬送開始の初期位置において前記平面部に弾性的に当接して回転方向に対する抵抗を前記予備搬送ローラに付与する板状弾性部材とを備えたことを特徴とする請求項3記載のシート材搬送装置。
  5. 前記駆動手段は、回転式モータであり、
    前記駆動伝達手段は、前記搬送ローラに伝達された前記回転式モータの回転駆動力を前記分離ローラに伝達する伝達軸を備え、
    前記伝達軸には、前記搬送ローラの回転開始時よりも前記分離ローラの回転開始を所定のタイミングで遅らせるように前記回転式モータの回転駆動力を伝達する前記遅延伝達機構が備えられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート材搬送装置。
  6. 前記回転式モータを逆回転駆動することにより前記予備搬送ローラをシート材の搬送開始の初期状態の位置に戻すイニシャライズ機構が設けられたことを特徴とする請求項5記載のシート材搬送装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシート材搬送装置と、
    前記搬送ローラ搬送方向下流に配置され、前記シート材の画像面の画像情報を入力する画像読取手段と、
    前記画像読取手段の搬送方向下流に配置され、前記シート材を排出するシート材排出手段とを備えたことを特徴とする画像読取装置。
  8. シート材排出手段は、前記駆動手段によって駆動されることを特徴とする請求項7記載の画像読取装置。
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