JP4368975B2 - 高耐電圧性アルミナ基焼結体およびその製造方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、セラミック製品の材料として好適な、高い絶縁性、耐電圧性を有するアルミナ基焼結体およびその製造方法に関するものである。特には、スパークプラグ等に用いる絶縁碍子に用いる高耐電圧性アルミナ基焼結体として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミナセラミックスは、耐電圧性、耐熱性及び機械的特性等に優れていることや、安価であることから、スパークプラグの絶縁碍子やICパッケージの多層配線基板などのセラミック製品の材料として実用に供されている。特に、スパークプラグの絶縁碍子に於いては室温から700℃付近の高温まで高い絶縁性が要求され、従来、様々な取り組みがなされてきた。従来より、SiO2−CaO−MgOからなる三成分系を焼結助剤として用いたアルミナ基焼結体は、スパークプラグなどの絶縁体材料として用いられてきた。
【0003】
しかしながら、この三成分系焼結助剤が焼結後にアルミナの粒界に低融点ガラスとして存在するため、SiO2−CaO−MgOの配合比を最適化することによる材料の高耐電圧化には、自ずと限界があった。
【0004】
一方で、これらの焼結助剤の添加量を低減すると、アルミナ粒界に多数の気孔が発生し、これが原因となって耐電圧性を低下させることになっていた。基本的には、粒界に存在する残留気孔あるいは低融点の粒界ガラス部分で、アルミナ材料の絶縁破壊が発生すると考えられているため、焼結体をより緻密にして、粒界ガラスの耐熱性を向上させることが、材料の耐電圧性を向上させる指針とされている。
【0005】
例えば、特公昭63−1262号公報においては、アルミナの焼結助剤として一般的に用いられ、焼結後に粒界ガラスとして存在するSiO2−CaO−MgOの配合比を限定することにより高耐電圧性を得ている。
特開昭62−100474号公報では造粒子の粒径を制御することにより、また、特開昭62−143866号公報では、粒径の異なる2種類のアルミナ原料を使用することにより、焼結体中の残留気孔を減少させ耐電圧性を向上させる術が開示されている。
特公平7−17436号公報では、Y2O3、La2O3、及びZrO2といった新規な焼結助剤を用いることにより、粒界ガラスの融点を向上させている。
特許第2564842号公報では、有機金属化合物を原料として用いて焼結助剤を均一に分散し、粒界にY4Al2O9結晶相を生成させることにより粒界の耐熱性を向上させて、材料の高耐電圧化を達成している。
【0006】
しかしながら、近年のエンジンの小型化やバルブの大型化に伴い、スパークプラグは小径化され、絶縁碍子も肉厚を薄くする必要がある。この為、上記のような従来技術を用いても絶縁材料の耐電圧性は、十分なレベルにまで達していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、アルミナ基焼結体の粒界に残留する気孔径が大きく、相対密度が低く、また、粒界に融点の低いガラスが生成するため、耐電圧性が低くなるという点である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、アルミナ(Al2O3)を主成分とし、ケイ素成分と、カルシウム成分及び/又はマグネシウム成分とを副成分として含有するアルミナ基焼結体中にムライト(Al6Si2O13)結晶相を生成させるとともに、該アルミナ基焼結体の相対密度を95%以上にすることで、700℃の高温においても優れた耐電圧性を実現するものである。
【0009】
ムライト結晶相の存在箇所は特には限定されるものではないが、700℃の高温下における耐電圧性をより効果的に向上させるためには、アルミナの二粒子粒界及び/又は三重点に存在するのが好ましい。アルミナ基焼結体の耐電圧性を高めるムライト結晶は、焼結中に反応により生成させるのが効果的であるが、あらかじめ原料粉末として添加してもよい。この場合、ムライト原料粉末の平均粒径は1μm以下が好ましく、特には0.5μm以下である。また、サブミクロン級の超微粉末を用いることができる。
【0010】
また、請求項1の発明は、アルミナ基焼結体に含まれる副成分(ケイ素成分と、カルシウム成分及び/又はマグネシウム成分)のケイ素成分−カルシウム成分−マグネシウム成分による三成分系組成図における酸化物換算した組成比(SiO2,CaO,MgO)の好ましい組成範囲を規定したものである。かかる組成範囲においては、アルミナ基焼結体中にムライト(Al6Si2O13)結晶相が効果的に生成され、700℃の高温においても優れた耐電圧性を実現できる。
【0011】
SiO2換算量が本範囲より少ないとムライト結晶相はほとんど生成せず、700℃の高温下における耐電圧性は向上しない。逆に多いと、焼結性が低下するため、緻密体を得るのが困難である。
【0012】
CaO及び/又はMgO換算量がそれぞれ本範囲より多いと、SiO2換算量が減少するためにムライト結晶相が生成せず、700℃の高温下における耐電圧性は向上しない。一方CaO換算量がこれより少ないと、結果として、高温における耐電圧性は低いものとなる。
【0013】
さらに、請求項1の発明は、アルミナ基焼結体中に含まれるナトリウム成分の含有量を規定したものである。ナトリウム成分の含有量を所定の範囲にコントロールすることで、アルミナ基焼結体の700℃の高温化における耐電圧性を高く維持しながら焼結性を向上することができる。この理由としては、かかる少量のナトリウム成分が存在することで、アルミナ基焼結体中のムライト結晶の生成速度が増して、より効果的に生成させることができるためと推察される。微量のナトリウム成分を本発明の範囲で不可避成分として含有するアルミナ原料粉末を選択して用いれば、製造コストの低減にもなる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載のアルミナ基焼結体に含まれる副成分(ケイ素成分と、カルシウム成分及び/又はマグネシウム成分)のケイ素成分−カルシウム成分−マグネシウム成分による三成分系組成図における酸化物換算した組成比(SiO 2 ,CaO,MgO)のより好ましい組成範囲を規定したものである。本組成範囲においては、アルミナ基焼結体中にムライト結晶がより効果的に生成され、その結果、アルミナ基焼結体の700℃の高温下における耐電圧性が更に向上する。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の好ましい組織を例示したものである。アルミナ焼結体中に粗大な気孔が存在すると、この気孔に局所的に高電圧がかかると容易に絶縁破壊を起し、常温においてさえも、耐電圧性が低くなる。本発明のように、少なくともムライト(Al 6 Si 2 O 13 )結晶相を有し、且つ、該焼結体の相対密度が95%以上であるアルミナ焼結体中に存在する気孔の長径を10μm以下になるようにコントロールすれば、700℃の高温下における耐電圧性を効果的に向上できる。この場合、アルミナ焼結体の密度が同じであっても、気孔が焼結体中により微細に分散している方が高い耐電圧性が得られる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法を例示したものである。本発明の焼成条件を用いることによって、アルミナ基焼結体中にムライト結晶相を効果的に析出させることができるため、700℃の高温下において優れた耐電圧性を有するアルミナ基焼結体を容易に製造できる。用いる原料粉末の平均粒径は1μm以下のものを用いるのが好ましい。アルミナ基焼結体中により効果的にムライト結晶を生成できるからである。特には0.5μm以下が好ましい。また、サブミクロン級の超微粉末を用いることも効果的である。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4と同様に、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法を例示したものである。本発明の焼成条件を用いることによって、アルミナ基焼結体中にムライト結晶がより効果的に生成され、その結果、700℃の高温下におけるアルミナ基焼結体の耐電圧性が更に向上する。用いる原料粉末の平均粒径は1μm以下のものを用いるのが好ましい。アルミナ基焼結体中により効果的にムライト結晶を生成できるからである。特には0.5μm以下が好ましい。また、サブミクロン級の超微粉末を用いることも効果的である。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法を例示したものである。微量のナトリウム成分をアルミナ基焼結体中に均一に分散させるには、ナトリウム化合物粉末を添加する方法よりも、本発明のように、予めアルミナ原料粉末中にナトリウム成分を含有させる方法の方が、700℃の高温下におけるアルミナ基焼結体の耐電圧性を向上する上で効果的である。微量のナトリウム成分を本発明の範囲で不可避成分として含有するアルミナ原料粉末を選択して用いれば、製造コストの低減にもなる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
平均粒径0.5μmのAl2O3原料粉末に焼結助剤として平均粒径0.6μmのSiO2粉末、平均粒径0.8μmのCaCO3粉末及び平均粒径0.3μmのMgO粉末を表1に示す量比となるように秤量し配合した粉末(表1の試料No.1〜No.10)を製造した。これらの配合粉末をそれぞれボールミルにて、20mmφのアルミナボールを使用しエタノール中16hr混合した後、湯煎にて乾燥し混合粉末を得た。
【0020】
これらの混合粉末をそれぞれ150MPaの静水圧プレスで50×50×20mmの成形体に成形し、次に大気雰囲気下において表1に示す焼成温度(1450℃から1650℃)の条件で焼成した。
【0021】
ここで、Ca化合物とは、CaO以外にCaの炭酸塩や硝酸塩等、大気中高温で酸化されてCaOに変化するものであれば特に限定されない。また、Mg化合物についても同様である。
【0022】
焼成温度に関しては、1450℃より低いと十分な緻密体が得られず、1650℃より高いとアルミナ粒子が焼成中に異常粒成長してしまうために、アルミナ基焼結体の機械的特性が低下するばかりか、粒界の三重点に大きな気孔が生じて耐電圧性が低下することになる。
【0023】
焼成時間に関しても、1時間より短いと十分な緻密体が得られないのと同時に、ムライト結晶が生成しない。一方、8時間よりも焼成時間が長くなると、過度の粒成長を引き起こし、焼成温度が高すぎるのと同様に耐電圧性が低下することになる。
【0024】
以上の理由により、好ましい焼成条件としては、1450〜1650℃の焼成温度で1〜8時間保持することである。より好ましくは、1500〜1600℃の焼成温度で2〜6時間保持することである。
【0025】
焼成して得られた焼結体の相対密度、酸化物換算値、最大気孔径、ムライト結晶相の有無及び700℃における耐電圧値を表2にまとめて記載した。
【0026】
ここで、相対密度はアルキメデス法により密度を測定し、混合則による理論密度に対する比で表した。相対密度の数値が大きい程、焼結体がより緻密となり耐電圧性が高くなる。
【0027】
酸化物換算値は、焼結体を蛍光X線で分析して、検出されたAl、Si、Ca及びMgの量をそれぞれAl2O3、SiO2、CaO及びMgOとして換算した値を示した。
【0028】
最大気孔径の測定は、試料を鏡面研磨した後、走査型電子顕微鏡により1000倍の組織のSEM写真を撮り、気孔の長径が最大のものを測定した。実施例である試料No.3のSEM像を図4に、比較例である試料No.12のSEM像を図5に示す。
【0029】
ムライト結晶相の有無については、焼結体のX線回折分析を行い、JCPDSカードNo.15−776に相当するスペクトルが存在するか否かにより判断した。X線回折チャートを図3に示す。
【0030】
700℃における耐電圧値は、焼結体を16×16×0.65mmに加工して、図6に示す装置により測定した。
【0031】
(実施例2)
表3に記載した量のナトリウム成分(Na2O換算)を含有する5種類のAl2O3原料粉末を用いた。それぞれのAl2O3原料粉末95重量部に対してSiO2粉末4.0重量部、CaCO3粉末をCaO換算で0.5重量部及びMgO粉末0.5重量部を秤量し配合した粉末を作製した。焼成温度は表3に示す4条件とした。他は実施例1に準じて行った。結果を表3に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
表2によると、アルミナ基焼結体中にムライト結晶相が存在し、焼結体中に含まれるSi、Ca、Mgを酸化物換算した時の組成比が、SiO2−CaO−MgO三成分系組成図において重量標準%で、A(95,5,0)、B(75,25,0)、C(75,5,20)の3点で結ぶ線分で囲まれた範囲内(但し、線分を含む。)にあり(図1,図2参照)、かつ、特に相対密度が95%以上で、かつ焼結体内に残存する気孔の長径が10μm以下であると、700℃の高温下におけるアルミナ基焼結体の耐電圧値は、60kV/mm以上の高い値を示すことがわかる。
【0036】
アルミナ基焼結体中にムライト結晶相が存在し、さらに、残留気孔を減少させて、アルミナ基焼結体の相対密度を95%以上に緻密化することにより、700℃の高温下におけるアルミナ基焼結体の耐電圧性を向上させる効果を得ているものと考えられる。
【0037】
より好ましくは、アルミナ基焼成体中に存在するSi、Ca、Mgを酸化物換算した時の組成比が、SiO2−CaO−MgO三成分系組成図において重量標準%でD(92,8,0)、E(78,22,0)、F(78,8,14)の3点で囲まれた範囲内(但し、線分を含む。)にあることである(図1,図2参照)。この範囲の組成比においては、ムライト結晶相はより効果的に生成され、その結果、700℃の高温下におけるアルミナ基焼結体の耐電圧性が更に向上する。
【0038】
これに対して、表2比較例の試料番号12では、ムライト結晶相が生成せず、密度が低く気孔の長径が大きいため、34kV/mmと低い耐電圧値であった。また、試料番号13〜試料番号18でもムライト結晶相が生成しないため、耐電圧値は低い値となった。
【0039】
試料番号19は、ムライト結晶相が生成せず、焼成温度が1450℃以下の温度(1425℃)で焼成したため相対密度が95%以下(89.3%)と低くなり、耐電圧値が30kV/mmと低下している。また、試料番号20は、焼成温度が1650℃以上の温度(1675℃)で焼成したため過焼結し、相対密度が94.8%と低くなり、耐電圧値が45kV/mmと低下している。
【0040】
表2において、本発明の技術による試料番号1〜試料番号11の焼結体は、比較例の試料番号12〜試料番号20の焼結体と比べて700℃の高温下における耐電圧性が高くできることがわかる。以上のように、本発明によれば、プラグのように700℃の高温において優れた耐電圧性を要求されるセラミック製品の材料として好適な耐電圧性の高いアルミナ基焼結体を得ることができる。
【0041】
表3の結果より、実施例である試料番号21乃至試料番号24では、Al2O3原料粉末100重量部に含まれるナトリウム成分の含有量(Na2O換算)が0.07重量部以下にすれば、得られるアルミナ基焼結体に含まれるナトリウム成分の含有量(Na2O換算)を0.05重量部以下になり、且つ、60kV/mm以上の高い耐電圧値が得られることがわかる。特には、ナトリウム成分の含有量(Na2O換算)を0.026重量部以下とした試料番号22及び試料番号23では、それぞれ72kV/mm及び65kV/mmと高い耐電圧値が得られることがわかる。
【0042】
一方、比較例である試料番号25では、得られるアルミナ基焼結体に含まれるナトリウム成分の含有量(Na2O換算)が0.05重量部以上(0.078重量部)になってしまい60kV/mm以下(58kV/mm)の耐電圧値しか得られないことがわかる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、高温において優れた耐電圧性を要求されるセラミック製品の材料として好適な、高い絶縁性、耐電圧性を有するアルミナ基焼結体およびその製造方法を提供することができる。特には、スパークプラグ等に用いる絶縁碍子に用いるアルミナ基焼結体として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミナ基焼成体およびその製造方法に使用するSiO2−CaO−MgO三成分系組成図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】アルミナ基ムライト結晶相を有するアルミナ基焼結体のX線回折チャートである。
【図4】本発明の実施例の試料を鏡面研磨した後、アルミナ基焼結体内の気孔の長径を測定するために、走査型電子顕微鏡により1000倍の組織のSEM写真を撮ったものである。
【図5】比較例の試料を鏡面研磨した後、アルミナ基焼結体内の気孔の長径を測定するために、走査型電子顕微鏡により1000倍の組織のSEM写真を撮ったものである。
【図6】本発明に使用した評価方法の模式図である。
【符号の説明】
1 アルミナ基焼結体からなる試験片
2a アルミナ製碍筒
2b アルミナ製碍筒
3 封着ガラス
4a 電極
4b 電極
5 加熱用ヒータ
6 高電圧発生装置
7 ガラス接合体
8 加熱用ボックス
Claims (6)
- アルミナ(Al 2 O 3 )を主成分とし、
ケイ素成分と、カルシウム成分及び/又はマグネシウム成分とを副成分として含有するアルミナ基焼結体において、
該アルミナ基焼結体中に少なくともムライト(Al 6 Si 2 O 13 )結晶相を有し、且つ、該焼結体の相対密度が95%以上であって、
前記アルミナ基焼結体に含まれる前記副成分を酸化物換算で100重量%とした場合において、
ケイ素成分−カルシウム成分−マグネシウム成分による三成分系組成図における酸化物換算した三成分(SiO 2 ,CaO,MgO)の組成比が、重量標準%で以下のA、B、Cの3点を結ぶ線分で囲まれた範囲内にあり、
前記アルミナ基焼結体に含まれる前記アルミナ成分及び前記ケイ素成分、前記カルシウム成分及び/又は前記マグネシウム成分の酸化物換算値の合計含有量に対する該アルミナ成分の割合が、91%以上かつ、該マグネシウム成分の割合が該カルシウム成分の割合以下であり、
前記アルミナ基焼結体100重量部中に含まれるナトリウム成分の含有量が酸化物換算で0.05重量部以下であることを特徴とする高耐電圧性アルミナ基焼結体。
但し、A(95,5,0)、B(75,25,0)、C(75,5,20)とする。 - 請求項1に記載のアルミナ基焼結体であって、
該焼結体に含まれる前記副成分を酸化物換算で100重量%とした場合において、
ケイ素成分−カルシウム成分−マグネシウム成分による三成分系組成図における酸化物換算した三成分の組成比(SiO 2 ,CaO,MgO)が、重量標準%で以下のD、E、Fの3点を結ぶ線分で囲まれた範囲内にあることを特徴とする高耐電圧性アルミナ基焼結体。
但し、D(92,8,0)、E(78,22,0)、F(78,8,14)とする。 - 焼結体内に存在する気孔の長径が10μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の高耐電圧性アルミナ基焼結体。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法であって、
平均粒径が1μm以下のアルミナ粉末に対して、
平均粒径が1μm以下の二酸化ケイ素粉末と、
平均粒径が1μm以下のカルシウム化合物粉末及び/又は平均粒径が1μm以下のマグネシウム化合物粉末とを混合して原料混合粉末を得る工程と、
該原料混合粉末を用いて成形体を得る工程と、
該成形体を1450〜1650℃の焼成温度にて1時間から8時間保持して焼成することにより、得られるアルミナ焼結体中にムライト(Al 6 Si 2 O 13 )結晶相を生成させる工程と、からなることを特徴とする高耐電圧性アルミナ基焼結体の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法であって、
平均粒径が1μm以下のアルミナ粉末に対して、
平均粒径が1μm以下の二酸化ケイ素粉末と、
平均粒径が1μm以下のカルシウム化合物粉末及び/又は平均粒径が1μm以下のマグネシウム化合物粉末とを混合して原料混合粉末を得る工程と、
該原料混合粉末を用いて成形体を得る工程と、
該成形体を1500〜1600℃の焼成温度にて2時間から6時間保持して焼成することにより、得られるアルミナ焼結体中にムライト(Al 6 Si 2 O 13 )結晶相を生成させる工程と、からなることを特徴とする高耐電圧性アルミナ基焼結体の製造方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミナ基焼結体の製造方法であって、
原料粉末として用いるアルミナ粉末100重量部中に含まれるナトリウム成分の含有量が酸化物換算で0.07重量部以下であることを特徴とする高耐電圧性アルミナ基焼結体の製造方法。
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