しかしながら、画像データから錠剤の位置データを取得したとしても、ポケット部の位置(中心位置)と錠剤の位置(中心位置)にはズレが生じている可能性が高く、必ずしもポケット部の位置と錠剤の位置とは一致しないため、ポケット部ひいてはシート部の適正な位置や範囲を特定できず、その都度、調整が必要であった。その結果、検査領域の設定に時間がかかっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、適正な領域設定を迅速かつ容易に行うことのできる検査装置及びPTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像信号を基に得られた画像に対して各種領域を設定し、所定の領域内において検査を行う検査装置であって、
前記包装用フィルムと前記撮像手段とのフィルム幅方向における位置関係を記憶する位置関係記憶手段と、
少なくとも前記PTPシート及びポケット部の形状及び寸法を記憶する対象寸法記憶手段と、
前記包装用フィルム及び前記撮像手段の位置関係と、前記PTPシート及びポケット部の形状及び寸法とを基に、各種領域を少なくともフィルム幅方向に対し位置決めして設定する領域設定手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
上記手段1によれば、PTPシートの製造過程においては、例えば搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤(カプセル錠を含む)が収容された後、光の照射された錠剤及び包装用フィルムが撮像手段により撮像され、画像処理手段によって撮像手段から出力される画像信号が処理され、画像信号から得られた画像に基づき各種検査が行われる。さらに、適正な検査を行うために検査領域を設定する。この際、包装用フィルムと撮像手段とのフィルム幅方向における位置関係(位置ズレ量)を予め設定しておくことにより、その後の検査において、どのような品種の包装用フィルム(PTPシート)であっても、シート部やポケット部の寸法などを基にして各種検査領域の設定を行うことができる。そのため、品種毎に画像を撮像するといった手間を省略できるとともに、包装用フィルムの二値化画像データを取得し、錠剤の位置データを基に各種検査領域の設定を行う場合に比べて、二値化レベルのバラツキやオペレータの違いによるバラツキなどに起因して検査領域の大きさや設定位置にバラツキがでるなどの不具合を防止することができる。結果として、より適正な領域設定を迅速かつ容易に行うことができる。なお、包装用フィルムの搬送方向に関する位置決めは、撮像手段の撮像タイミングを調整することなどにより可能である。
手段2.搬送される帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に錠剤が収容され、当該ポケット部を塞ぐようにカバーフィルムが取着されるPTPシートの製造に際し用いられ、
前記錠剤の収容された前記包装用フィルムに対して所定の光を照射する照明手段と、
光の照射された前記包装用フィルムを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理手段とを備え、
前記画像信号を基に得られた画像に対して各種領域を設定し、所定の領域内において検査を行う検査装置であって、
前記包装用フィルムと前記撮像手段とのフィルム幅方向における位置関係を記憶する位置関係記憶手段と、
少なくとも前記PTPシート、ポケット部、及び包装用フィルムの幅方向所定位置に形成されるスクラップ部の形状及び寸法を記憶する対象寸法記憶手段と、
前記包装用フィルム及び前記撮像手段の位置関係と、前記PTPシート、ポケット部及びスクラップ部の形状及び寸法とを基に、前記包装用フィルムの幅方向所定位置を基準にして各種領域を少なくともフィルム幅方向に対し位置決めして設定する領域設定手段とを備えたことを特徴とする検査装置。
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。さらに、包装用フィルムの幅方向所定位置に形成されるスクラップ部の形状及び寸法を記憶しているため、例えばPTPシートが複数列形成され、当該複数列間(幅方向所定位置)にスクラップ部が形成される場合でも、より適正な領域設定を迅速かつ容易に行うことができる。
手段3.前記撮像手段により撮像された画像を基に、前記包装用フィルムの幅方向所定位置を当該包装用フィルムの位置として取得するフィルム位置取得手段と、
前記撮像手段により撮像された画像のフィルム幅方向中央位置を当該撮像手段の位置として取得する撮像位置取得手段と、
前記包装用フィルムの位置と前記撮像手段の位置との位置ズレ量を両者の位置関係として取得する位置関係取得手段とを備えていることを特徴とする手段1又は2に記載の検査装置。
上記手段3によれば、画像のフィルム幅方向中央位置、すなわち撮像手段の視野幅の中央位置を基準にしているため、例えばピントや絞りの変化に起因して画像ににじみが生じるなど、撮像手段の視野に変化が生じた場合であっても、取得される包装用フィルムと撮像手段との位置関係に影響を及ぼすといった不具合が低減される。また、包装用フィルムの位置は、例えば包装用フィルムの幅方向所定位置に引かれたラインの位置を特定することにより取得できる。なお、包装用フィルムの幅方向所定位置が幅方向中央部である場合、画像に包装用フィルムの幅方向全域が映っていれば、当該画像の二値化データよりポケット部又は錠剤の位置データを算出し、当該位置データを基に幅方向中央部を自動的に求めることもできる。
手段4.前記包装用フィルムの幅方向中央部を基準にして前記領域の設定を行うことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の検査装置。
上記手段4によれば、各種検査領域が、包装用フィルムの幅方向中央部を基準にして設定される。一般的に、包装用フィルムはその縁部が加熱成形により膨張又は収縮したり、カバーフィルムの取着後等においてはカバーフィルムのはみ出し量の変化により変形するおそれがある。そのため、大多数のPTP包装機では包装用フィルムの幅方向中央位置を基準にしてPTPシートの打抜き等を行っている。しかし、本手段のようにすれば、包装用フィルムの縁部を基準にした場合に比べ、前記不具合による影響がなく、より適正な検査領域の設定を行うことができる。つまり、大多数のPTP包装機において本手段の検査装置は効果を発揮できる。
手段5.前記対象寸法記憶手段に記憶された形状及び寸法のデータを、前記撮像手段により撮像された画像に対応するデータに変換するデータ変換手段を備えていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の検査装置。
上記手段5によれば、PTPシート等の形状及び寸法のデータを、撮像された画像に対応するデータ(座標データ)に変換する。これにより、より適正な領域設定を迅速かつ容易に行うことができる。
手段6.前記撮像手段により撮像される画像を基に前記撮像手段の視野幅を取得する視野幅取得手段と、
前記視野幅を基に前記撮像手段の分解能を取得する分解能取得手段とを備え、
前記データ変換手段は、前記分解能を基に前記データの変換を行うことを特徴とする手段5に記載の検査装置。
上記手段6によれば、撮像手段により撮像される画像を基に撮像手段の視野幅を算出しているため、実測した視野幅を登録しこれを基に分解能を算出する場合に比べて、より正確な視野幅ひいては分解能を算出することができ、より正確な検査を実施することができる。
手段7.前記領域設定手段は、シート検査領域を設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の検査装置。
なお、シート検査領域とは、PTPシートのシート部を検査するために設定される領域であり、例えばPTPシートに対応するシート領域、又は、当該シート領域に所定のオフセット量を加えて当該シート領域より一回り大きく設定される領域などを指す。
手段8.前記領域設定手段は、錠剤検査領域を設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の検査装置。
なお、錠剤検査領域とは、錠剤を検査するために設定される領域であり、例えばポケット部に対応するポケット領域、又は、当該ポケット領域に所定のオフセット量を加えてポケット部の中心を基準に当該ポケット部の周縁より一回り大きく設定される領域などを指す。もちろん、前記領域設定手段は、上記PTPシート等の形状及び寸法を基にした領域設定に加えて、従来のように錠剤の位置データ(中心)を基準にして錠剤検査領域を設定するような構成としてもよい。この場合、例えば対象寸法記憶手段が錠剤の形状及び寸法を予め記憶し、領域設定手段が錠剤の中心を基準に当該錠剤の周縁より一回り小さい錠剤検査領域を設定したり、ポケット部の周縁より一回り小さくかつ錠剤の周縁より一回り大きい錠剤検査領域を設定することが考えられる。
手段9.前記領域設定手段は、シート追従領域を設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の検査装置。
なお、シート追従領域とは、包装用フィルムの搬送方向に対し、シート検査領域の設定位置を動かし得る許容範囲を示す領域であり、検査時にはこの領域内においてシート部の位置を特定する。シート追従領域は、例えば包装用フィルムの搬送方向に対してシート検査領域に所定のオフセット量を加えて設定される。
手段10.前記領域設定手段は、錠剤追従領域を設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の検査装置。
なお、錠剤追従領域とは、包装用フィルムの搬送方向に対し、錠剤検査領域の設定位置を動かし得る許容範囲を示す領域であり、検査時にはこの領域内において錠剤又はポケット部の位置を特定する。例えば包装用フィルムの搬送方向に対して錠剤検査領域に所定のオフセット量を加えた長さの略矩形状に設定する。そして、透過式検査の場合には、錠剤追従領域(ポケット追従領域)内においてポケット部が追従され、反射式検査の場合には、錠剤追従領域内において錠剤自体が追従される。錠剤自体が追従される場合(反射式検査の場合)には、各錠剤1つ1つに対応して錠剤追従領域を設定し、錠剤の重心位置の平均値を基にシート部の位置を追従させる。
手段11.前記領域設定手段は、スクラップ領域を設定可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の検査装置。
なお、スクラップ領域とは、前記包装用フィルムのうちPTPシートに対応するシート領域以外の領域(PTPシートの打抜き後に残るスクラップ部の領域)である。スクラップ部としては、例えば包装用フィルムの幅方向中央部に形成されるセンタースクラップが挙げられる。
手段12.前記対象寸法記憶手段は、錠剤の形状及び寸法を記憶可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の検査装置。
なお、錠剤がカプセル錠等である場合には、当該カプセル錠の充填向きや、ポケット部の傾き量の情報等も記憶され、これを踏まえて錠剤検査領域等の設定が行われる。
手段13.手段1乃至12のいずれかに記載の検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
手段13のように、検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、外観検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機においてPTPシートの外観不良が検査されるようになっている。図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。また、各ポケット部2には被充填物としての錠剤(カプセル錠も含まれる)5が1つずつ収容されている。
図1に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルムをフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5充填用のポケット部2を樹脂フィルムに成形する。そして、樹脂フィルムにポケット部2の成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
さて、前記充填装置14の下流側、かつ、前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の上流側には、容器フィルム3の移送経路に沿って、容器フィルム3(充填された錠剤5及びシート部分)の外観不良を検査するための外観検査装置21が配設されている。当該外観検査装置21は、ポケット部2に充填された錠剤5の異常として錠剤5の有無、割れ、欠け等の異常の検出、及び、ポケット部2以外のシート部の異常としてシート部上に存在する毛髪等の異物(以下、「シート異物」と称する)の検出を主目的とする透過式検査を行うものである。
上記検査を経て、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着された後、PTPフィルム20は、図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、外観検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図1,3に基づき、外観検査装置21についてより具体的に説明する。
外観検査装置21は、照明手段としての照明装置22、撮像装置23、画像処理手段としての画像処理装置24、表示手段としてのモニタ25、並びに入力手段としての入力装置26等を備えている。
図1に示すように、照明装置22は容器フィルム3のポケット部2突出側に設けられている。撮像装置23は、PTPフィルム20の平面に対して、略垂直方向から撮像可能となっている。そして、照明装置22から照射された光が容器フィルム3を透過し、撮像装置23によって撮像されるように構成されている。撮像装置23によって撮像された画像(画像データ)は、撮像装置23内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。なお、本実施形態における撮像装置23は、PTPフィルム20のフィルム幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って並設された2つのカメラより構成されている。前記各カメラが本実施形態における撮像手段を構成する。
さて、上述した画像処理装置24は、図3に示すように、撮像装置23に対応した画像メモリ41、PTPフィルム20に対する撮像装置23の各カメラ位置を取得する撮像位置取得手段としてのカメラ位置取得手段42、後述するPTPシート1の寸法等の各種データを座標データに変換するデータ変換手段43、PTPシート1の寸法等の各種データを記憶するデータ記憶手段44、上記検査を実施するための検査手段45、タイミング制御手段としてのカメラタイミング制御手段46、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像の処理や、外観不良の判定等を実施可能なっている。
データ記憶手段44は、本実施形態における位置関係記憶手段及び対象寸法記憶手段を構成するものであり、PTPフィルム20と撮像装置23(各カメラ)とのフィルム幅方向における位置関係データ、PTPシート1,ポケット部2,錠剤5及びセンタースクラップ60(図8参照)の形状及び寸法を記憶する。
検査手段45は、マスキング手段、二値化手段、判定用メモリ、並びに、外観検査結果及び統計データメモリなどから構成されている。通常、撮像装置23で撮像された画像は、デジタル信号に変換された後、画像メモリ41に記憶される。また、画像は、検査時においてマスキング手段によりマスキング処理が行われた後、再度画像メモリ41に記憶され、同様に、二値化手段により二値化された後、再度画像メモリ41に記憶される。
CPU及び入出力インターフェース47は、各種処理プログラムを上記判定用メモリの記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、各種画像や外観検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU及び入出力インターフェース47は、入力装置26からのデータを入力する機能をも有する。入力装置26には、キーボード、マウス、タッチパネル等が利用される。
また、上記外観検査結果及び統計データメモリは、画像に関する座標等のデータ、外観検査結果データ、及び、該外観検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの外観検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの外観検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
カメラタイミング制御手段46は、撮像装置23が撮像する画像を、各画像メモリ41に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム20を所定量送るごとに撮像装置23によってシート単位(本実施形態では、打ち抜かれるPTPシート1単位)で撮像が行われる。つまり、所定のシート対応部分(撮像対象)が撮像装置23の下に移動したタイミングにおいて、当該撮像装置23による撮像が行われる。
次に、上記PTPフィルム20の外観検査の手順について説明する。まず、外観検査に先だって事前に実行される撮像タイミング設定処理としての「撮像タイミング設定ルーチン」、及び、検査領域設定処理としての「検査領域設定ルーチン」について説明する。以下の一連の処理は主として上記CPU及び入出力インターフェース47等により実行される。なお、当該検査においてPTPフィルム20と称しているのは、ポケット部2に錠剤5が充填された後、密封用フィルム4が取着される前段階の容器フィルム3のことである。
図4に示すように「撮像タイミング設定ルーチン」においては、先ずステップS101において、撮像装置23の視野幅の登録を行う。詳しくは、まずPTPフィルム20の搬送を停止させた状態(PTP包装機7を停止した状態)で、図5に示すようにPTPフィルム20上に当該PTPフィルム20の幅方向に沿って透明又は半透明の定規50を載せ、当該PTPフィルム20を撮像し、濃淡画像を取得する。なお、PTPフィルム20の幅方向中央部には搬送方向に沿ってセンターライン51が予め記されており、このセンターライン51に合わせて定規50が載置される。次に、撮像装置23の2つのカメラのうち手前側(図5右側)に設置されたカメラにより撮像されモニタ25に映し出された画像G1を基に、当該画像G1に映った領域の手前側端部よりセンターライン51までの幅X1を求める。また、画像G1を基に、当該画像G1に映った領域の奥側(図5左側)端部よりセンターライン51までの幅X2を求める。そして、幅X1と幅X2とを合計した値を撮像装置(各カメラ)23の視野幅として登録する。このステップS101の機能が本実施形態における視野幅取得手段を構成する。
ステップS102において、ステップS101で取得した画像G1を基に撮像装置(各カメラ)23の分解能Aを下式(1)から算出する。このステップS102の機能が本実施形態における分解能取得手段を構成する。
視野幅(mm)/画像水平画素数(dot)=分解能A(mm/dot)…(1)
例えば視野幅が160(mm)、画像水平画素数が1280(dot)の場合には、分解能Aは0.125(mm/dot)となる。画像の1画素は縦横比が決まっていることから(通常は縦横同寸法)、上記分解能Aを基にPTPフィルム20の搬送方向における視野幅を求めることもできる。
ステップS103においてシート送り長W(mm)を登録する。シート送り長WはPTPシート1一つ分の送り長である。但し、スクラップがある場合には、PTPシート1の搬送方向のシート長にスクラップ分を加えた値がシート送り長Wとして登録される。
ステップS104において画像G1におけるシート送り長Wに対応する画素数(シート送り量)Sを下式(2)から算出する。
シート送り長W(mm)/分解能A(mm/dot)=画素数S(dot)…(2)
次に、ステップS105において上記定規50を載せず、上記同様にPTPフィルム20の搬送を停止させた状態でPTPフィルム20を撮像し、設定用画像(濃淡画像)を取得する(図6参照)。なお、図6では、撮像装置23の2つのカメラのうち手前側に設置されたカメラにより撮像されモニタ25に映し出された画像G3のみ図示している。また、モニタ25の表示画面25aには、当該表示画面25aを上下左右略均等に区分けするように撮像装置23の基準位置に合わせて垂直中央線55及び水平中央線56が表示される。
ステップS106において設定用画像における適正撮像位置に基準枠D1を設定する。本実施形態では、モニタ25に設定用画像が映し出されるのに合わせて、予め定められた撮像装置23の基準位置(水平中央線56)がカメラ位置取得手段42により検出され、当該基準位置に基準枠D1(図6の点線枠参照)が自動的に設定されるように構成されている。基準枠D1は、PTPフィルム20の搬送方向に対して、シート長と略同一長となっている。
ステップS107において設定用画像における撮像対象位置に計測枠D2を設定する。本実施形態では、まず上記基準枠D1が表示されるのに合わせて、当該基準枠D1とややずれた位置に計測枠D2が表示される。そして、この計測枠D2を上記入力装置26の操作により移動させ、シート対応部分が計測枠D2内に納まるように当該計測枠D2を位置決めする(図6の実線枠参照)。
ステップS108において基準枠D1と計測枠D2との位置ズレ量を両者の座標データを基に算出する。つまり、適正撮像位置と撮像対象位置との位置ズレ量が算出される。
ステップS109において基準枠D1及び計測枠D2の位置ズレ量に対応する画素数D(dot)を算出する。
ステップS110において、ステップS109で取得した画素数Dを基に角度ズレ量αを下式(3)から算出する。
360(度)×画素数D/画素数S=角度ズレ量α(度)…(3)
ここで求められる角度ズレ量αは、上記シート送り長W毎に一周期分(360度)ずつ割り当てられる位相角度の位置ズレ量に対応するズレ量である。本実施形態では、例えばフィルム送りロール9の回転角度を基にPTPフィルム20の位置を特定できるよう構成されている。詳しくは、フィルム送りロール9が所定角度変化する毎にPTPフィルム20が上記シート送り長W分だけ進むことに基づいて、エンコーダにより上記シート送り長W毎に一周期分(360度)ずつ割り当てられる位相角度でPTPフィルム20の各位置が表される。さらには、PTPフィルム20の所定位置が撮像装置23の適正撮像位置に位置するタイミングを撮像装置23により撮像が行われる撮像タイミングと考え、当該撮像タイミングをPTPフィルム20の所定位置に対応する位相角度の値(例えば273度)で設定するようになっている。従って、角度ズレ量はタイミングズレ量に相当する。また、上記ステップS105において取得した設定用画像の撮像タイミングT1も所定の位相角度で取得することができる。なお、角度ズレ量αや撮像タイミングT1はモニタ25の表示画面に適宜表示される。
ステップS111において適正な撮像タイミングT2を下式(4)から算出する。
撮像タイミングT2(度)=撮像タイミングT1(度)+角度ズレ量α(度)…(4)
例えば、設定用画像を取得した際の撮像タイミングT1が273度で、PTPフィルム20の撮像対象位置が進行方向とは逆方向へ31度ずれている場合には、撮像タイミングT2は304度となる。なお、角度ズレ量αの値は、PTPフィルム20の撮像対象位置が進行方向にずれている場合には「−」となり、逆方向にずれている場合には「+」となる。
ステップS112において、カメラタイミング制御手段46の制御信号の出力タイミングとして上記適正な撮像タイミングT2を登録する。これにより、PTPフィルム20の撮像タイミングT2に対応する位置が撮像装置23の適正撮像位置を通過する毎に撮像が行われることとなる。
次に、図7を参照して検査領域設定ルーチンについて説明する。先ずステップS201において、撮像装置23の各カメラ位置(撮像位置)の登録を行う。詳しくは、カメラ位置取得手段42の機能により、上記撮像タイミング設定ルーチンで撮像された濃淡画像のフィルム幅方向中央位置(垂直中央線55)を各カメラ位置として取得し登録する。もちろん、この処理は、撮像装置23の2つのカメラそれぞれに関して行われる。なお、位置データとしては、各位置の座標データが取得される。
ステップS202において、PTPフィルム20のフィルム位置の登録を行う。詳しくは、上記幅X1,X2を基に、PTPフィルム20の幅方向中央部であるセンターライン51の位置をフィルム位置として取得し登録する。なお、上記幅X1,X2は、撮像装置23の2つのカメラのうち手前側(図5右側)に設置されたカメラにより撮像された画像G1を基に取得される値であるが、もちろん、他方(図5左側)のカメラに関しても同様の値が取得され、各カメラに対応するフィルム位置がそれぞれ求められる。このステップS202の機能が本実施形態におけるフィルム位置取得手段に相当する。
ステップS203において、PTPフィルム20と撮像装置23(各カメラ)とのフィルム幅方向における位置関係を登録する。詳しくは、ステップS201,S202で取得したカメラ位置とフィルム位置との位置ズレ量を算出し、当該位置ズレ量を両者の位置関係として取得し登録する。このステップS203の機能が本実施形態における位置関係取得手段に相当する。なお、どのような幅のPTPフィルム20であっても常にセンターライン51が同じ位置を通るように構成されているため、撮像装置23の設置後、上記ステップS201〜S203の処理を一度行えば、次回からはこれらの処理は省略することができる。
ステップS204において、PTPシート1,ポケット部2,錠剤5及びスクラップ部としてのセンタースクラップ60(図8参照)の形状及び寸法を登録する。
ステップS205において、上記分解能A等を基にデータ変換手段43の機能により、PTPシート1,ポケット部2,錠剤5及びセンタースクラップ60の形状及び寸法を、画像に対応する座標データに変換する。
ステップS206において適正な撮像タイミングで撮像された設定用画像を取得する。
ステップS207において、ステップS206で取得された設定用画像に対し、各種領域設定を行う。このステップS207の機能が本実施形態における領域設定手段を構成する。詳しくは、上記ステップS203で取得したPTPフィルム20と撮像装置23(各カメラ)とのフィルム幅方向における位置関係と、上記ステップS204,S205で取得したPTPシート1等の形状及び寸法(座標データ)とを基に、各種領域をセンターライン51を基準にしてフィルム幅方向に対し位置決めして設定する。
本実施形態では、図2(c)又は図8に示すように、各種領域を画定する各種ウインドウとして、シート検査領域を画定するシートウインドウSW、シート追従領域を画定するシート追従ウインドウTW、錠剤検査領域を画定する錠剤ウインドウPW、錠剤追従領域を画定する錠剤追従ウインドウJW、及び、センタースクラップ領域を画定するスクラップウインドウKWが、PTPフィルム20の幅方向に対し位置決めされた状態で自動的に設定される。
シートウインドウSWは、PTPシート1内外を区別するための境界とされるものであり、本実施形態ではPTPシート1より周囲が一回り(例えば1mm)大きな矩形状に設定される。
シート追従ウインドウTWは、PTPフィルム20の搬送方向に対し、シートウインドウSWの設定位置を動かし得る許容範囲を示すものであり、検査時にはこの領域内においてPTPシート1の位置が特定される。本実施形態では、PTPフィルム20の搬送方向に対してシートウインドウSWに所定のオフセット量(例えば5mm)を加えて設定される。
錠剤ウインドウPWは、ポケット部2内の領域(ポケット部領域)と、ポケット部2外のシート部の領域(シート領域)とを区別するための境界とされるものであり、ポケット部2の円と同心円をなし、かつ、ポケット部2より直径が一回り(例えば約1mm)大きく設定される。
錠剤追従ウインドウJWとは、PTPフィルム20の搬送方向に対し、錠剤ウインドウPWの設定位置を動かし得る許容範囲を示すものであり、検査時にはこの領域内においてポケット部2の位置が特定される。本実施形態ではPTPフィルム20の搬送方向に対して錠剤追従ウインドウJWに所定のオフセット量を加えた長さの矩形状に設定される。
スクラップウインドウKWは、PTPフィルム20の幅方向中央部にPTPシート1の打抜き後に残るセンタースクラップ60の領域を画定するものであり、センタースクラップ60の周縁形状と略同一に設定される。
そして、検査に際しては、各検査画像データに対し各種領域設定がなされた上で、ポケット部2内の領域については錠剤5の異常が、ポケット部2外の領域についてはシート部の異常が、それぞれ検出されるようになっている。
次に、透過式検査について図9のフローチャートに従って説明する。本実施形態では、透過式検査において錠剤部及びシート部の検査を行うこととしている。
図9の「透過式検査ルーチン」に示すように、検査に際しては、先ずステップS301において、全ポケット部2の錠剤良品フラグをそれぞれ0に設定する。
ステップS302において、検査対象たるPTPフィルム20の検査濃淡画像を取得する。
ステップS303において、ステップS302で取得した検査濃淡画像をシェーディング補正し、ステップS304において当該検査濃淡画像を錠剤検知レベルで二値化し、当該二値化画像データを画像メモリ41に格納する(後述する錠剤部検査に用いられる)。これとともに、ステップS302で取得した検査濃淡画像をシート異物検知レベルで二値化し、当該二値化画像データを画像メモリ41に格納する(後述するシート部検査に用いられる)。
次に、ステップS305で各二値化画像データにラベリング処理(塊処理)を行い、当該二値化画像データに対し、予め設定された上記シートウインドウSW、シート追従ウインドウTW、錠剤ウインドウPW、錠剤追従ウインドウJW、及び、スクラップウインドウKWを重ねる処理を行う。この際、当該二値化画像データに設定された錠剤追従ウインドウJW内よりポケット部2の位置を求めるとともに、ポケット部2の中心位置を割り出し、当該ポケット部2の中心位置に錠剤ウインドウPWの中心位置を合わせるようにして当該錠剤ウインドウPWをPTPフィルム20の搬送方向に対し位置決めする。これに合わせて、シート追従ウインドウTW内においてPTPシート1(シート対応部)の位置を特定し、当該シートウインドウSW及びスクラップウインドウKWをPTPフィルム20の搬送方向に対し位置決めする。なお、PTPフィルム20の幅方向におけるシートウインドウSWや錠剤ウインドウPWの設定位置は、その設定時において確定している。
そして、シートウインドウSW及び錠剤ウインドウPWを基に、ポケット部領域とシート部領域に区別し、以下のステップS306〜ステップS312においてポケット部領域における錠剤部検査を実行し、ステップS313においてシート部領域におけるシート部検査を実行する。なお、前記各検査においては、シートウインドウSW及び錠剤ウインドウPWによって区別された各領域のうち、検査対象外となる部分にマスキングを施す処理が行われる。例えば、錠剤部検査が実行される際にはシート部領域にマスキングが施され、シート部検査が実行される際には、ポケット部領域にマスキングが施される。
錠剤部検査に際しては、まずステップS306において、ポケット番号カウンタ値C1(以下、単にポケット番号C1という)に1を設定する。そして、ステップS307においてポケット番号C1の値が一検査あたり(一シートあたり)のポケット数N以下であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS308において、ポケット番号C1に対応するポケット部2において、錠剤面積値が基準錠剤面積値Lo以上の塊を抽出する(Lo未満の塊を除去する)。その後、ステップS309では、前記ポケット部2における塊個数が「1」であるか否かを判定し、否定判定された場合には、ステップS312においてポケット番号C1の値に1を加え、再びステップS307へ移行する。
これに対し、塊個数が「1」である場合には、ステップS310において、錠剤ウインドウPW内における錠剤5の形状、長さ、面積等が適正であるか否かを判断する。ここで、当該錠剤5に関し不適正判定された場合にはステップS312へ移行する。一方、適正判定された場合には、ステップS311において、錠剤5が良品であるものとして、ポケット番号C1に対応した錠剤良品フラグに1を設定し、ステップS312へ移行する。
さて、上記ステップS307において否定判定された場合、すなわちポケット番号C1の値が一検査あたり(一シートあたり)のポケット数Nを超えたと判定された場合には、ステップS313においてシート部検査を行う。
次に、ステップS314においてシート部が良品であるか否か、例えばシート部領域内にシート異物が存在しないか否か等を判定する。ここで肯定判定されるとステップS315において一検査あたり(一シートあたり)の全ポケット部2に関して錠剤良品フラグに1が設定されているか否かを判定する。ここで肯定判定されるとステップS316において良品判定を行い、本処理を一旦終了する。これに対し、ステップS314又はステップS315において否定判定された場合には、ステップS317において不良品判定を行い、本処理を一旦終了する。これらの検査結果は、モニタ25やPTP包装機7(不良シート排出機構を含む)に出力される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、検査領域を設定する際、PTPフィルム20と撮像装置23(各カメラ)とのフィルム幅方向における位置関係を予め設定しておくことにより、その後の検査において、どのような品種のPTPフィルム20(PTPシート1)であっても、PTPシート1やポケット部2の形状及び寸法などを基にして各種検査領域の設定を行うことができる。そのため、品種毎に画像を撮像するといった手間を省略できるとともに、PTPフィルム20の二値化画像データを取得し、錠剤5の位置データを基に各種検査領域の設定を行う場合に比べて、二値化レベルのバラツキやオペレータの違いによるバラツキなどに起因して検査領域の大きさや設定位置にバラツキがでるなどの不具合を防止することができる。結果として、より適正な領域設定を迅速かつ容易に行うことができる。
また、各種検査領域が、PTPフィルム20の幅方向中央部を基準にして設定される。一般的に、PTPフィルム20はその縁部が加熱成形により膨張又は収縮したり、密封用フィルム4の取着後等においては密封用フィルム4のはみ出し量の変化により変形するおそれがある。そのため、大多数のPTP包装機ではPTPフィルム20の幅方向中央位置を基準にしてPTPシート1の打抜き等を行っている。しかし、本実施形態のようにすれば、PTPフィルム20の縁部を基準にした場合に比べ、前記不具合による影響がなく、より適正な検査領域の設定を行うことができる。つまり、大多数のPTP包装機において本実施形態の検査装置は効果を発揮できる。
さらに、本実施形態によれば、適正な検査を行うために撮像装置23の撮像タイミングを調整する処理が行われる。すなわち、撮像装置23により撮像された画像を基に、撮像装置23による適正撮像位置と、PTPフィルム20の撮像対象位置(シート対応部分)との位置ズレ量を算出し、前記画像の撮像されたタイミングと前記位置ズレ量とを基に、撮像装置23にとって適正な撮像タイミング、すなわちPTPフィルム20の撮像対象位置が撮像装置23の適正撮像位置に位置するタイミングを算出する。これにより、撮像タイミングの設定作業を何度も繰り返し行う必要もなく、より簡単にPTPシート1の製造過程における検査時の撮像タイミングをより最適なタイミングに設定することができる。さらには、PTPフィルム20(PTPシート1)の無駄を少なくできる。結果として、設定時間の短縮、設定作業の簡素化、生産コストの低減及び生産効率の向上を図ることができる。
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、検査対象となる錠剤の態様例としてタブレット錠が挙げられているが、錠剤の種類はこれに限られるものではなく、例えばカプセル錠等であってもよい。なお、錠剤がカプセル錠等である場合には、例えばカプセル錠の充填向きに関する情報、カプセル錠の透明又は不透明に関する情報、ポケット部の傾き量等も記憶され、これを踏まえて錠剤検査領域(錠剤ウインドウPW)等の設定が行われる。
(b)上記実施形態では、透過式検査を行う外観検査装置に具現化しているが、他の検査装置にも具現化できる。例えば、色識別検査などの反射式検査を行う外観検査装置や、カプセル錠内の薬剤の有無を検査する不良品検査装置等に具現化してもよい。
(c)設定される各種領域(各種ウインドウ)の種類や設定範囲は、もちろん上記実施形態に限られるものではない。例えばセンタースクラップ60が形成されない場合にはセンタースクラップ領域の設定は省略される。また、PTPシート1等の形状及び寸法を基にしたシート検査領域(シートウインドウSW)等の領域設定に加えて、従来のように錠剤5の位置データ(中心)を基準にして錠剤検査領域を設定するような構成としてもよい。この場合、例えば錠剤5の中心を基準に当該錠剤5の周縁より一回り小さい錠剤検査領域を設定するようにしてもよい。
(d)データ記憶手段44に記憶されるデータは上記実施形態に限られるものではなく、必要に応じて変化する。少なくともPTPフィルム20と撮像装置23とのフィルム幅方向における位置関係データと、PTPシート1及びポケット部2の形状及び寸法とを記憶していればよい。
(e)上記実施形態では、PTPフィルム20にPTPシート1が2列形成され、その間にセンタースクラップ60が形成される構成となっているが、これに限らず、PTPシート1が1列又は3列以上形成される構成にも本発明は適用できる。
(f)上記実施形態では、PTPフィルム20のセンターライン51を把握することにより、PTPフィルム20の幅方向中央部を特定しているが、これに限らず、例えば、画像にPTPフィルム20の幅方向全域が映っていれば、当該画像の二値化データよりポケット部2又は錠剤5の位置データを算出し、当該位置データを基に幅方向中央部を求めることもできる。
(g)上記実施形態は透過式検査のため、錠剤追従ウインドウJW内においてポケット部2を追従することにより、ポケット部2の位置を求めているが、反射式検査の場合には、錠剤追従ウインドウJW内において錠剤5自体が追従される。この場合、1つ1つの錠剤5に対応して錠剤追従ウインドウJWを設定し、錠剤5の重心位置の平均値を基にPTPシート1の位置を追従させる。
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルムとしての容器フィルム、4…カバーフィルムとしての密封用フィルム、5…錠剤、7…PTP包装機、20…PTPフィルム、21…外観検査装置、23…撮像手段を構成する撮像装置、24…画像処理手段としての画像処理装置、42…撮像位置取得手段としてのカメラ位置取得手段、43…データ変換手段、44…位置関係記憶手段及び対象寸法記憶手段を構成するデータ記憶手段、45…検査手段、47…視野幅取得手段,分解能取得手段,フィルム位置取得手段,位置関係取得手段,領域設定手段を構成するCPU及び入出力インターフェース。