JP4368069B2 - 画像記録体、個人認証カード及び個人認証カード製造方法 - Google Patents
画像記録体、個人認証カード及び個人認証カード製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する接触式又は非接触式の電子又は磁気等のカード、あるいはシートに適用し優れた画像記録体、印刷用インキ、個人認証カード及び個人認証カード製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば銀行、会社、学校及び官公庁等のサービス産業分野では、接触式、非接触式の電子、磁気等のカードを発行する場合が多くなってきた。これらの分野で使用されるキャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証及び各種免許証等には個人情報が記録されるために、容易に偽造、変造できないようにセキュリティ処理が施されている。
【0003】
低コストで偽造防止を図るために、見る角度によって色が変化する色変化印刷層を設ける偽造防止技術が普及してきている。このような色変化印刷層は、例えば、パールインキなどのように、見る角度によって色が変化する色変化インキで印刷して形成されている。このような色が変化するインキは、光を多重反射する顔料を含んでおり、その顔料で反射した光の干渉によって、角度により色が変化して見える。
【0004】
この色変化印刷層は、鱗片顔料を含んだ色変化印刷パターン層として形成されるが、偽変造を防止するためには、この色変化印刷層に隣接して、顔画像や氏名、住所、発行日などの文字情報を記録されることが必要である。というのは、記録情報を改変しようとした場合には、この色変化印刷パターン層も改変せざるを得ないようにしなければならないからである。
【0005】
しかしながら、この色変化印刷層はある程度の厚さが必要であり、色変化印刷パターン層がサーマルヘッドで記録する熱転写記録方法などでは、その凹凸が記録画像にムラやカスレ(以下、印字不良と称す)のような不具合を発生させる原因となっていたために、隣接させることができなかった。又、色変化印刷パターン層が凹凸性があるために表面に保護層を設ける場合に、その凹凸性のために空隙層ができやすく密着性又は転写性が劣化してしまった。
【0006】
特に色変化印刷パターン層の発色性を上げ、色変化を鮮明にするために、鱗片顔料を含んだ色変化印刷パターン層をある程度厚く形成した場合にこの凹凸の問題が大きく、パターンのない所との間の段差の近傍ではまったく記録ができなかったり、保護層付与時に密着性が劣化してしまった。この凹凸の問題を解決するために、色変化印刷パターン層を薄くすると、印字性、密着性は良くなるが、発色性は悪くなり、色変化も鮮明に見えず、真偽判別性が劣化するという問題があった。
【0007】
例えば、鱗片顔料インキを用いた技術として、特開平9−240133号、特開平10−058870号が知られている。又透明樹脂インキとしては、特公平8−11435号、特公平6−62907号が知られているが、いずれの場合においても最表面インキ層上に印字性が悪く問題であった。
【0008】
又、色変化印刷パターン層により真偽判別性、偽造防止には良好な効果があるが、画像を形成した部分が偽造され、問題となることがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上述した課題を解決したものであって、偽変造防止性、真偽判別性、印字性、表面保護層との密着性に優れた印刷用インキ、印刷インキ層を有する画像記録体、個人認証カード及び個人認証カード製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0011】
1.基材上にa)識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体、b)鱗片状の粉末のいずれか1つ以上を有する画像記録体において、画像記録体最外層が少なくとも1つ以上のクッション性を有する印刷インキ層を有することを特徴とする画像記録体。
【0012】
2.基材上にa)識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体、b)鱗片状の粉末のいずれか1つ以上を有する画像記録体において、画像記録体最外層が150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上であることを特徴とする画像記録体。
【0013】
3.基材上にa)識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体、b)鱗片状の粉末のいずれか1つ以上を有する画像記録体において、画像記録体最外層の表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)で0.01〜3.0μmであることを特徴とする画像記録体。
【0014】
4.基材上にa)識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体、b)鱗片状の粉末のいずれか1つ以上を有する画像記録体において、画像記録体最外層がc)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤から選ばれる少なくとも1種を含む印刷インキ層を有することを特徴とする画像記録体。
【0015】
5.画像記録体最外層が透明樹脂層又は鱗片顔料含有層から選ばれる少なくとも1種の印刷インキ層を有することを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の画像記録体。
【0016】
6.光硬化型樹脂に鱗片状の粉末が分散含有されて、硬化後の鱗片顔料含有層がクッション性を有することを特徴とする印刷用インキ。
【0017】
7.光硬化型樹脂に鱗片状の粉末が分散含有されて、硬化後の鱗片顔料含有層の最外層表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)で0.01〜3.0μmであることを特徴とする印刷用インキ。
【0018】
8.光硬化型樹脂に鱗片状の粉末が分散含有されている印刷用インキにおいて、c)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする印刷用インキ。
【0019】
9.画像記録体最外層が、前記6〜8の印刷用インキから選ばれる少なくとも1種を硬化させてなることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の画像記録体。
【0020】
10.基材上に熱転写受像層を有し、画像及び文字情報を転写記録し、必要に応じてその上に保護層を設ける画像記録体において、前記熱転写受像層上に、前記6〜8の何れか1項記載の印刷用インキにより記録される特定領域が形成されてなることを特徴とする画像記録体。
【0021】
11.基材上に熱転写受像層を有し、画像及び文字情報を転写記録し、必要に応じてその上に保護層を設ける画像記録体において、前記熱転写受像層上に画像情報が記録される領域と、該画像情報が記録される領域の近傍で画像記録されていない特定領域にわたって、熱転写性色素が熱融着しない割印用印刷インキにより特定画像層が形成されてなることを特徴とする画像記録体。
【0022】
12.少なくともf)光硬化型樹脂、g)有色顔料又は有色色素、h)熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする割印用印刷インキ。
【0023】
13.基材上に熱転写受像層を有し、画像及び文字情報を転写記録し、必要に応じてその上に保護層を設ける画像記録体において、前記熱転写受像層上に透明樹脂層又は鱗片顔料含有層の少なくとも1方の印刷インキ層により特定画像が形成される特定領域と、前記熱転写受像層上に画像情報が記録される領域と、該画像情報記録領域の近傍で画像記録されていない特定領域又は前記特定画像が形成される特定領域が形成されてなることを特徴とする画像記録体。
【0024】
14.基材上に熱転写受像層を有し、画像及び文字情報を転写記録し、必要に応じてその上に保護層を設ける画像記録体において、前記熱転写受像層上に前記6〜8の何れか1項記載の印刷用インキにより特定画像が記録される特定領域と、前記熱転写受像層上に画像情報が記録される領域と、該画像情報記録領域の近傍で画像記録されていない特定領域又は前記特定画像が形成される特定領域が、少なくともf)光硬化型樹脂、g)有色顔料又は有色色素、h)熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を含む割印用印刷インキにより形成されてなることを特徴とする画像記録体。
【0025】
15.最外層が透明樹脂層又は燐片顔料層から選ばれる少なくとも1方の印刷インキ層を有することを特徴とする前記10、11、13及び14の何れか1項に記載の画像記録体。
【0026】
16.前記1〜5、9〜11、13〜15の何れか1項に記載の画像記録体が光又は熱硬化型樹脂層で保護されてなることを特徴とする個人認証カード。
【0027】
17.前記1〜5、9〜11、13〜15の何れか1項に記載の画像記録体上に光硬化型樹脂層を塗布し、次いで露光することで表面保護することを特徴とする個人認証カード製造方法。
【0028】
18.前記1〜5、9〜11、13〜15の何れか1項に記載の画像記録体上に、離型層、透明樹脂層を含む転写層を有する支持体からなる転写箔から該転写層を少なくとも1回以上熱転写したことを特徴とする個人認証カード製造方法。
【0029】
19.前記1〜5、9〜11、13〜15の何れか1項に記載の画像記録体に顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報を記載してなることを特徴とする個人認証カード。
【0030】
即ち、本発明者らは、前記課題を解決するため、画像記録体最外層に1)クッション層を設ける方法、2)150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上にする方法、3)画像記録体最外層の表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)で0.01〜3.0μmに規定する方法のいずれか1つ以上の方法を選択することによって、偽変造防止性、真偽判別性、印字性、表面保護層との密着性に優れた印刷用インキ、印刷インキ層を有する画像記録体、個人認証カード及び個人認証カード製造方法を提供できることを見いだした。
【0031】
以下、本発明を更に詳細に述べる。
<画像記録体>
本発明の画像記録体とは、フォーマット印刷されている画像記録体形成材料基材を表す。
【0032】
<画像記録体基材>
<支持体>
支持体としては、たとえば紙、コート紙、および合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレンもしくは、それらを紙とはり合せた複合材料)等の各種紙類、白色又は透明の塩化ビニル系樹脂シート、白色のポリエチレンテレフタレートベースフィルム、透明のポリエチレンテレフタレートベースフィルム、ポリエチレンナフタレートベースフィルム等の各種プラスチックフィルムないしシート、各種の金属で形成されたフィルムないしシート、各種のセラミックス類で形成されたフィルムないしシート等を挙げることができる。
【0033】
支持体は単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。本発明では、支持体中に蛍光物質を含有させることができる。又、支持体中には後の工程で形成される画像の鮮明性を高めるために、予め白色顔料たとえばチタンホワイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が添加されているのが好ましい。
【0034】
さらに又、画像記録体を自動車免許証等のIDカードとするのであれば、支持体を、前記白色顔料と後述する塩化ビニル系樹脂との組成物からなるシートもしくはフィルムで構成するのが一般的である。感熱転写記録用受像シートを支持体と受像層との積層体として構成するときには、その支持体の厚みは通常100〜1,000μm、好ましくは100〜800μmである。
【0035】
前記支持体には必要に応じてエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、他の印刷等を設けることができる。カード利用者の顔画像を形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。
【0036】
個人認証カード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものであってもよく、又全く印刷部分のないホワイトカードであってもよい。
【0037】
<受像層>
前記支持体の表面に形成する受像層は、バインダーと各種の添加剤で形成することができる。
【0038】
本発明における受像層は、昇華型熱転写方式により階調情報含有画像を形成すると共に、昇華型熱転写方式又は溶融型熱転写方式により文字情報含有画像を形成するので、昇華性色素の染着性、又は昇華性色素の染着性とともに熱溶融性インクの接着性も良好でなければならない。かかる特別な性質を受像層に付与するには、後述するように、バインダー、および各種の添加剤の種類およびそれらの配合量を適宜に調整することが必要である。
【0039】
以下、受像層を形成する成分について詳述する。
本発明における受像層用のバインダーは、通常に知られている昇華型感熱転写記録受像層用のバインダーを適宜に用いることができる。主なバインダーとしては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。
【0040】
ただし、本発明によって形成される画像につき、実際的要求(たとえば発行されるIDカードに所定の耐熱性が要求されるなど)が存在するのであれば、そのような要求項目を満たすようにバインダーの種類あるいは組み合わせを考慮することが必要になる。画像の耐熱性を例にすると、60℃以上の耐熱性が要求されるのであれば、昇華性色素のにじみを考慮して、Tgが60℃以上であるバインダーを使用するのが好ましい。
【0041】
又、受像層を形成するに際して、必要に応じて、例えば金属イオン含有化合物を含有させるのが好ましい場合がある。特に熱移行性化合物がこの金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する場合である。
【0042】
前記金属イオン含有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周期律表の第I〜第VIII族に属する2価および多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Zn等が好ましく、特にNi、Cu、Co、Cr、Zn等が好ましい。これらの金属イオンを含有する化合物としては、該金属の無機又は有機の塩および該金属の錯体が好ましい。具体例を挙げると、Ni2+,Cu2+,Co2+,Cr2+およびZn2+を含有した下記一般式(1)で表される錯体が好ましく用いられる。
【0043】
一般式(1)
[M(Q1)k(Q2)m(Q3)n]p+p(L-)
式中Mは金属イオンを表し、Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、これらの配位化合物としては例えば「キレート化学(5)(南江堂)」に記載されている配位化合物から選択することができる。特に好ましくは、金属と配位結合する少なくとも一個のアミノ基を有する配位化合物を挙げることができ、更に具体的には、エチレンジアミンおよびその誘導体、グリシンアミドおよびその誘導体、ピコリンアミドおよびその誘導体が挙げられる。
【0044】
Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、Cl、SO4、ClO4等の無機化合物アニオンやベンゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等の有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくはテトラフェニルホウ素アニオンおよびその誘導体、ならびにアルキルベンゼンスルホン酸アニオンおよびその誘導体である。kは1、2又は3の整数を表し、mは1、2又は0を表し、nは1又は0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。pは1、2又は3の整数を表す。
【0045】
この種の金属イオン含有化合物としては、米国特許第4,987,049号明細書に例示されたものを挙げることができる。前記金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する場合である。
【0046】
又受像層には、離型剤を添加することが好ましい。有効な離型剤としては、用いるバインダーと相溶性のあるものが好ましく、具体的には変性シリコーンオイル、変性シリコーンポリマーが代表的であり、例えばアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ポリエステル変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0047】
このなかでもポリエステル変性シリコーンオイルはインクシートとの融着を防止するが、受像層の2次加工性を妨げないという点で特に優れている。
【0048】
受像層の2次加工性とは、マジックインキでの筆記性、得られた画像を保護する際に問題となるラミネート性などを指す。この他離型剤としてはシリカ等の微粒子も有効である。2次加工性を問題としない場合は融着防止策として硬化型シリコーン化合物の使用も有効である。紫外線硬化型シリコーン、反応硬化型シリコーンなどが入手可能であり、大きな離型効果が期待出来る。
【0049】
本発明における受像層は、その形成成分を溶媒に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を前記支持体の表面に塗布し、乾燥する塗工法によって製造することができる。
【0050】
支持体の表面に形成される受像層の厚みは、一般に1〜50μm、好ましくは2〜10μmである。本発明においては、支持体と受像層との間にクッション層あるいはバリヤー層を設けることもできる。クッション層を設けると、ノイズが少なくて、画像情報に対応した画像を再現性良く転写記録することができる。クッション層を構成する材質としては例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。クッション層の厚さは通常1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
【0051】
基材としては紙、ポリプロピレンやポリスチレン若しくはそれらを紙と貼合した合成紙等の紙類、透明又は白色のポリエチレンテレフタレートベースフィルム、ポリエチレンテレナフタレートベースフィルム、塩化ビニルベースフィルム等のプラスチックフィルム、各種の金属やセラミックのフィルム等が挙げられ、基材中にはICメモリー、光メモリー、磁気メモリー等を内蔵してもよく、単層でも上記フィルムの複合フィルムでもよい。基体の厚みは100〜1000μm、好ましくは200〜700μmである。裏面側には筆記層を設けてもよい。
【0052】
<画像記録体に設けることができる他層構成層(高屈折率層)>
場合により鱗片顔料の発色性を向上させるために高屈折率層を鱗片顔料パターンの下に設けることができ、指向性のある鱗片顔料含有層の見え方をコントロールすることができる。白色支持体上に高屈折率層を設けると、この効果がより明確になり、好ましい。高屈折率層とは屈折率が1.6以上の樹脂層を言い、単層の膜厚としては、0.0001〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.001〜3μmである。
【0053】
a)<識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体>
識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体とは、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体を表し、具体的には、罫線、社名、住所、氏名、生年月日、カード名称、注意事項、発行元電話番号、識別情報等を表す。
【0054】
情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキ、カーボンなどのインキにより形成される。
【0055】
フォーマット印刷は基体上又は昇華型感熱記録方式に用いられる受像層上に樹脂凸版印刷、平版印刷、シルク印刷、フレキソ印刷等の印刷方法により施す。
【0056】
b)<鱗片状粉末>
鱗片状粉末(以下鱗片顔料と称する)としては、雲母に反射性(高虹彩反射)を与える薄膜被膜として、可視域に透明で屈折性が2.0以上ある金属酸化物あるいは金属硫化物などを被覆したもので、例えば、Sb2S3、Fe2O3、PbO、ZnSe、CdS、Bi2O3、TiO2、PbCl2、CeO2、Ta2O5、ZnS、ZnO、CdO、Nd2O3、Sb2O3、SiOおよびInO3の単層の被覆、もしくは2層に被覆することにより形成される。
【0057】
雲母と金属酸化膜が組み合わされた時、その屈折率の差が0.4より大きいことから、入射した白色光の反射量が多く、又、同時に雲母と金属酸化膜の界面で副屈折を起こすことから、高虹彩反射性となり、変色効果をより効果的に助長する働きをする。
【0058】
この時、雲母を被覆する金属酸化膜の膜厚を制御することで任意の色調の高虹反射性を持った鱗片顔料とすることができる膜厚は10〜10000オングストローム、望ましくは200〜5000オングストロームの範囲の膜厚が可視域に対して高虹彩反射性となるので望ましい。具体的には、特開平1−158077号、特開平6−145553、特開平8−209024、特開平8−269358、特開平10−101957、特開平11−273932、特開平11−315219、特開2000−1628、特開2000−44834等に記載されている顔料を用いることができる。このような鱗片顔料の市販のものとしては「Iriodin」(商品名、MERCK社製)等がある。
【0059】
「Iriodin」は天然マイカの表面を酸化チタンおよび酸化鉄等の高屈折率の金属酸化物で被覆した安定した無機鱗片顔料であり、屈折率の高い酸化チタンの層と屈折率の低いマイカおよび周りの媒体との境界で反射した光が真珠光沢をもたらすものである。この「Iriodin」には、被覆された酸化チタンの膜厚を変えることによって虹彩色の特定な色を強調させることができ、このような鱗片顔料は有色色料との混合物にビヒクル、添加剤を加えインキ化して用いる。
【0060】
色変化印刷層に用いる鱗片顔料は、反射性層に用いる鱗片顔料と干渉性が異なる鱗片顔料であれば前記したもので良い。その他にゴールドタイプやシルバータイプがある。
【0061】
鱗片顔料パターンは、前述のようにインキ化して印刷したり、公知のバインダー樹脂を適宜選択して鱗片顔料と混合したものからなる塗膜を転写することにより形成される。バインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。
【0062】
又、鱗片顔料と混合したものからなる塗膜を作製する場合、上記バインダー樹脂中に顔料を加え、ボールミル、アトライター、サンドミル、混練機等の分散機で鱗片顔料/バインダーを質量比で60:40〜10:90となるよう混合されていることが好ましい。場合により透明なビヒクル、白色顔料、WAX等の添加剤を加えても良い。
【0063】
鱗片顔料含有層中の鱗片顔料は、粒径分布5〜60μmの鱗片顔料で有ることが好ましくこれ以下の鱗片顔料と発色性が乏しく偽変造効果が劣化してしまう。
【0064】
本発明においては、鱗片顔料含有層は、1色以上の鱗片顔料インキを用いることができ、場合により2色の鱗片顔料の混合体からなる鱗片顔料インキを用いることもできる。又、画像記録体上に2層以上の構成層からなる鱗片顔料インキ層を有してもよく、この鱗片顔料インキの鱗片顔料がそれぞれ異なる色にて構成されても良い。積層などをすることにより、より発色性が向上するために、積層することが好ましい。又、積層が増すと表面の平滑性が劣化するために好ましくない。本発明では、1〜8層の積層が好ましく、より好ましくは1〜6層、更に好ましくは2〜6層である。この積層方法としては、オフセット印刷、シルク印刷等で行うことが好ましい。
割印用印刷インキ用素材
g)有色顔料又は有色色素とは、有色の顔料、金属粉及び染料が用いられる。有色の顔料としては、印刷インキで用いられる二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クロムエロー、カドミウムエロー、ベンガラ、群青、紺青など無機顔料、フタロシアニンブルー、ハンザイエロー、ナフトールオレンジ、トルイジンレッドなど有機顔料などが挙げられる。金属粉としては真鍮粉、アルミニウム粉、銅粉などが挙げられる。又、有色の染料としては、油溶染料、分散染料などが好ましく用いられる。有色色料はこれらの公知の色材にビヒクル、添加剤を加えてインキ化して用いる。又、これらの色材を複数組み合わせて任意の色調を有する色料を調製することもできる。その他、一般の印刷で使用するオフセットインキ、グラビアインキ等の公知の色インキも有色色料として用いることができる。
【0065】
h)熱融着防止剤としてのワックス、シリコーン樹脂としては、割印用印刷インキ上に画像等を形成する際に熱融着防止をする目的に配合され、本発明ではワックス、シリコーン樹脂が特に好ましい。
【0066】
ワックスとしては、カルナバ蝋、キャンデリラワックス、木蝋、オウリキュリー蝋、ライスワックス、ホホバ油及びエスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫蝋、セラック蝋及び鯨蝋、ラノリン等の動物蝋;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、エステルワックス及び酸化ワックス等の石油蝋;並びに、モンタン蝋、オゾケライト及びセレシン等の鉱物蝋;フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の合成ワックス等、所謂ワックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類などを上げることができる。
【0067】
又シリコーン系の樹脂としてはジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のポリシロキサン、樹脂とシリコーン成分がブロック、交互、ランダム或いはグラフト共重合しているポリエステル変性シリコーン樹脂(又はシリコーン変性ポリエステル樹脂)、アクリル変性シリコーン樹脂(又はシリコーン変性アクリル樹脂)、ウレタン変性シリコーン樹脂(又はシリコーン変性ウレタン樹脂)、エポキシ変性シリコーン樹脂(又はシリコーン変性エポキシ樹脂)、セルロース変性シリコーン樹脂(シリコーン変性セルロース)、アルキッド変性シリコーン樹脂(シリコーン変性アルキッド樹脂)、ポリイミド変性シリコーン樹脂(シリコーン変性ポリイミド樹脂)等の変性シリコーン樹脂(又はシリコーン変性樹脂)などを挙げることができる。
【0068】
<画像記録体最外層>
本発明の場合、
A)少なくとも1つ以上のクッション性を有する画像記録体最外層、
B)150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上である画像記録体最外層、
C)表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)が0.01〜3.0μm、D)c)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー、e)ホットメルト接着剤の少なくとも1種以上である画像記録体最外層のいずれか1つ以上の方法を選択することによって、偽変造防止性、真偽判別性、印字性を達成することができる。いずれの条件を満たしていない場合画像記録体上への印字性が劣化する。
【0069】
上記画像記録体最外層は、透明樹脂層又は鱗片顔料含有層のいずれか1つ以上の印刷インキ層によって形成されていることが好ましい。
【0070】
上記画像記録体最外層を設ける方法として、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により施すことができる。
【0071】
<1−1:透明樹脂>
透明樹脂最外層に用いられるバインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。本発明においては活性光線硬化樹脂を用いることが好ましい。本発明においては透明樹脂層は活性光線硬化樹脂であることが好ましい。透明性樹脂とは、400nm〜600nmの吸光度(abs.)が0.0001〜0.2の範囲である樹脂のことを表す。
【0072】
吸光度測定は、(株)日立製作所の分光光度計 U−3210形を用い400nm〜600nmの吸光度を測定した。測定時は実際に使用する特定膜厚の樹脂を用い測定を行った。膜厚は0.1〜10μmで有ることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μm。上記樹脂層を設ける方法として、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により施すことができる。
【0073】
<1−2:活性光線硬化性樹脂>
活性光線硬化性樹脂は、付加重合性又は開環重合性を有するものであり、付加重合性化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982、特開平10−863、特願平7−231444号等の各号公報及び特願平7−231444号明細書に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料などである。付加重合性化合物とは、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137公報等に公開されている。
【0074】
ラジカル重合性化合物には通常の光重合性化合物及び熱重合性化合物が包含される。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、又目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
【0075】
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性組成物中の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
【0076】
活性光線硬化性樹脂がラジカル重合性の場合には、ラジカル重合開始剤又は増感剤を併用することが好ましい。
【0077】
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特願平4−56831号明細書及び特願平4−89535号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordinantion Chemistry Review)」、第84巻、第85・第277頁)(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
【0078】
これらの中で特に好ましいものは、常温での安定性に優れ、加熱時の分解速度が速く、かつ分解時に無色となる化合物であり、このようなものとしては、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。又、本発明では、これらの熱重合開始剤を1種又は2種以上混合して用いることができる。更に、熱重合開始剤は、熱重合性の組成物中通常0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%の範囲がより好ましい。
【0079】
カチオン重合系光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、又、その二種以上を混合して使用することもできる。
【0080】
紫外線硬化保護層形成用コーティング剤中の、エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70質量%以上であるのが好ましい。カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(4)N−ビニル化合物類
例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等。
【0081】
上記カチオン重合性化合物のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97質量%が好ましくは、より好ましくは30〜95質量%である。
【0082】
カチオン重合系光硬化樹脂の開始剤としては、芳香族オニウム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(たとえばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(たとえばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、および第VIIa族元素の塩たとえばヨードニウム塩(たとえば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。
【0083】
このような芳香族オニウム塩をエポキシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用することは、米国特許第4,058,401号、同第4,069,055号、同第4,101,513号および同第4,161,478号公報に詳述されている。
【0084】
好ましいカチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好ましい。
【0085】
又、フォトポリマーハンドブック(フォトポリマー懇話会編 工業調査会発行1989年)の39〜56頁に記載の公知の光重合開始剤、特開昭64−13142号、特開平2−4804号に記載されている化合物を任意に用いることが可能である。
【0086】
活性光線硬化型樹脂層には必要に応じて、増感剤、重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加できる。
【0087】
活性光線硬化層を
A)クッション性を有する画像記録体最外層、
B)150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上である画像記録体最外層に仕上げることも可能であり、例えば柔軟性が高い重合性化合物を選定することが好ましい。
【0088】
具体的には、ウレタン系重合性化合物、アルキレングリコール系重合性化合物、プロピレングリコール系重合性化合物、エチレングリコール系重合性化合物、長鎖アルキル基含有重合性化合物等を選択し仕上がることが好ましい。前記活性光線硬化樹脂の選択の際には場合により、柔軟性が高い材料、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料を添加することも可能である。
【0089】
<1−3:その他の添加剤>
活性光線硬化樹脂を有する印刷インキのその他の添加剤として、反応希釈剤、顔料、染料及びその前駆体、充填剤、流動助剤、チキソトロピー剤、湿潤剤、消泡剤、可塑剤、硬化剤等の添加剤を含有することができる。
【0090】
又、耐光剤、紫外線吸収剤、増感剤等の安定化剤又は、被膜表面の改質のためにSi系化合物又はワックス等を添加しても良い。
【0091】
添加剤としては、熱溶融性化合物もしくは熱可塑性化合物を用いることが好ましい。熱溶融性化合物としては、カルナバ蝋、キャンデリラワックス、木蝋、オウリキュリー蝋、ライスワックス、ホホバ油及びエスパル蝋等の植物蝋;蜜蝋、昆虫蝋、セラック蝋及び鯨蝋、ラノリン等の動物蝋;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、エステルワックス及び酸化ワックス等の石油蝋;並びに、モンタン蝋、オゾケライト及びセレシン等の鉱物蝋;フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体等の合成ワックス等、所謂ワックス類を挙げることができ、更にこれらのワックス類などの他に、パルミチン酸、ステアリン酸、マルガリン酸及びべへン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、マルガニルアルコール、ミリシルアルコール及びエイコサノール等の高級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリシル、ステアリン酸セチル及びステアリン酸ミリシル等の高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド及びアミドワックス等のアミド類;並びにステアリルアミン、ベヘニルアミン及びパルミチルアミン等の高級アミン類等が挙げられる。熱可塑性化合物としては、ポリアセトアセタール、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。又、場合により蛍光顔料及び/又は白色顔料を含有しても良い。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、タルクなどが挙げられる。
【0092】
<A:クッション性を有する画像記録体最外層>
クッション性とは、柔軟性の高い(例えば、150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上のもの)ものを表す。
【0093】
クッション性を付与するには、柔軟性の高い材料、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料、熱可塑性エラストマーあるいは加熱により容易に軟化し密着性が向上する熱可塑性材料を使用すればよい。
【0094】
具体的には、架橋ゴム粒子、天然ゴム、アクリレートゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、弗素ゴム、ネオプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、ウレタンエラストマー等のエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリブテン、耐衝撃性ABS樹脂、ポリウレタン、ABS樹脂、アセテート、セルロースアセテート、アミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ニトロセルロース、ポリエステル、耐衝撃性アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンTPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、可塑剤入り塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、長鎖アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー含有ビニル共重合体樹脂等の内、針入度の大きな樹脂が挙げられる。針入度を大きくするため、上記各種ポリマーに可塑剤などを添加することも可能である。本発明では透明性樹脂で有ることが好ましく、400nm〜600nmの吸光度(abs.)0.0001〜0.2の範囲である樹脂を使用することが特に好ましい。
【0095】
本発明においては、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中と混合、分散し印刷インキを形成することが更に好ましい。混合、分散する方法としては、特に限定されるわけでなく、万能攪拌機、ロールミル、サンドミル、ホモジナイザー、ニーダ等の種々の装置を用いて行うことができ組成物に適した混合、分散の方法を選択すればよい。
【0096】
混合比率は、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中に該クッション性化合物を0.1〜80%添加することが好ましく。より好ましくは0.1〜60%添加することが好ましい。又混合する樹脂としては1−2:活性光線硬化性樹脂、1−3:その他の添加剤と混合することが好ましい。
【0097】
<B:150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上>
本発明においては150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上である層にするには、柔軟性の高い材料、低弾性率を有する材料、ゴム弾性を有する材料、熱可塑性エラストマーあるいは加熱により容易に軟化し密着性が向上する熱可塑性材料を使用すればよい。本発明において、150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し50%以上であることが更に好ましい。
【0098】
熱機械分析装置の針入変位量の測定方法は、本発明の画像記録体上に測定する層を成膜し、試料を4×4mm2の大きさに切断し、熱機械分析装置(サーモフレックス、理学電機社製)により150℃の温度における層厚に対する針入変位(%)を測定した。
【0099】
<C:画像記録体最外層の表面性(厚さ、粗さ、Rt)>
本発明において、印字性、保護層付与性との密着性を向上させるために画像記録体最外層の表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)で0.01〜3.0μmであり、好ましくは0.01〜2.8μmである。
【0100】
又、画像記録体の最表層の膜厚は、0.5μm〜8.0μmが好ましく、0.5μm〜6.0μmであることがより好ましい。Rtが3.0μmを超えると画像記録体最外層に顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報を記載する場合、印字性を劣化させる。又、Rtが3.0μmを超えると光又は熱硬化型樹脂層で表面を保護する際に間に空隙層などができ、その為画像記録体と保護層付与の間の密着性が劣化してしまう。画像記録体最外層の表面粗さは表面粗さ計(RST/PLUS WYCO社製)により規定されるものである。
【0101】
上記のようなRtを形成するために上記樹脂層を設ける方法として、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により施すことができる。又場合により印刷後に表面を平滑するためにカレンダー処理、印圧UP等の方法を用い表面を平滑化することができる。
【0102】
この最外層に用いる樹脂について、透明樹脂層、鱗片顔料含有層のいずれの場合であってもよく、好ましくは透明樹脂が、前記Aに記載した様なクッション性を有する画像記録体最外層、Bに記載した様な150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上である画像記録体最外層、又は以下の様な、c)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー、e)ホットメルト接着剤を含有する画像記録体最外層から選ばれるいずれか1つの層に用いられることが好ましい。
【0103】
<D:c)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤をから選ばれる少なくとも1種を有する画像記録体最外層>
画像記録体最外層がc)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー、e)ホットメルト接着剤を少なくとも1種以上含む熱易接着樹脂からなるものを表す。画像記録体上に表面保護層を形成される場合、表面保護層との密着性を向上させる為により効果的である。
【0104】
本発明においては、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物を混合、分散し印刷インキを形成することが更に好ましい。混合、分散する方法としては、特に限定されるわけでなく、万能攪拌機、ロールミル、ホモジナイザー、ニーダ等の種々の装置を用いて行うことができ組成物に適した混合、分散の方法を選択すればよい。
【0105】
混合比率は、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中に該熱易接着樹脂を0.1〜80%添加することが好ましく。より好ましくは0.1〜60%添加することが好ましい。又混合する樹脂としては1−2:活性光線硬化性樹脂、1−3:その他の添加剤と混合することが好ましい。
【0106】
熱可塑性樹脂としては、ポリアセトアセタール、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、等が挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂においては熱軟化点が150℃以上の樹脂であることが好ましい。
【0107】
本発明においてはウレタン樹脂、アクリル樹脂を用いることが特に好ましい。具体的には、大日本インキ社製、ニッポランシリーズ、ポリブチルアクリレート等である。
【0108】
熱可塑性エラストマーとは、常温では加硫ゴムと同様な性質を持ち、弾性のあるのが特徴であり、高温では普通の熱可塑性樹脂と同じ性質を持つものを表す。
【0109】
又、熱可塑性エラストマーは一般的に分子中に弾性を持つソフトセグメント(軟質相)と塑性変形を防止するためのハードセグメント(硬質相)との両成分を持っている。
【0110】
熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン−ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が上げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)、1999年8月発行の「Polyfile」P.77−〜P112等に記載されている。
【0111】
熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン−ブロック−コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が挙げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。
【0112】
本発明において好ましく用いられるポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーを有する引っ張り伸びが100%以上の熱可塑性エラストマーは、スチレンおよび炭素数10以下の直鎖又は分岐の飽和アルキルのブロックを有する熱可塑性樹脂(以下熱可塑性樹脂S1ともいう)を言う。
【0113】
特に、ポリスチレン相とポリオレフィンを水素添加した相をもつブロックポリマーであるスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)のブロックポリマー等があげられる。
【0114】
具体的には、シェル化学社製、カリフレックスTR・クレイトンDおよびGシリーズ、旭化成社製、タフテックHおよびMシリーズ、クラレ製、セプトンシリーズ、ダイセル化学工業社製、エポフレンドシリーズである。
【0115】
ホットメルト接着剤としては、一般に使用されているものを用いることができる。該ホットメルト接着剤の主成分としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられる。ポリアミド系ホットメルト接着剤としてはHenkel社製のマクロメルトシリーズ等がある。
【0116】
本発明においては熱可塑性エラストマー系ホットメルト接着剤が好ましく、例えば、シェル化学社製カリフレックスTR及びクレイトンシリーズ、旭化成社製タフプレン、Firestone Synthetic Rubber andLatex社製タフデン、Phillips Petroleum社製ソルプレン400シリーズなどがある。
【0117】
ポリオレフィン系ホットメルト接着剤としては住友化学社製スミチック、チッソ石油化学製ビスタック、三菱油化製ユカタック、Henkel社製マクロメルトシリーズ、三井石油化学社製タフマー、宇部レキセン社製APAO、イーストマンケミカル社製イーストボンド、ハーキュレス社製A−FAX等がある。
【0118】
<鱗片顔料含有インキ>
<E:鱗片顔料含有層がクッション性を有する印刷インキ>
鱗片顔料含有層の鱗片粉末とは前記記載の鱗片粉末を表す。クッション性を有するためにはAに記載した:クッション性を有する画像記録体最外層の樹脂をバインダーに用い印刷インキ化することができる。混合比率は、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中にクッション性化合物を全固形分中0.1〜80%添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜60%添加することが好ましい。鱗片粉末は、全固形分中10〜70%添加することができ、好ましくは、10〜60%である。
【0119】
本発明においては鱗片顔料は透明樹脂、活性光線硬化樹脂をバインダーとして形成されていることが好ましく、より好ましくは活性光線硬化樹脂を用いることが好ましい。膜厚は0.1〜10μmで有ることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μm。上記樹脂層を設ける方法として、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により施すことができる。本発明においては、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中と混合、分散し印刷インキを形成することが、更に好ましい。混合、分散する方法としては、特に限定されるわけでなく、万能攪拌機、ロールミル、ホモジナイザー、ニーダ等の種々の装置を用いて行うことができ組成物に適した混合、分散の方法を選択すればよい。
【0120】
<F:鱗片顔料含有層の最外層の表面粗さ(厚さ、粗さ、Rt)>
印字性、保護層付与性との密着性を向上させるために画像記録体最外層の表面粗さが最高点及び最低点の高さの差(Rt)で0.01〜3.0μmであることがことが好ましく、更に好ましくは0.01〜2.8μmである。又、画像記録体の最表層の膜厚は、通常0.5μm〜8.0μmで、好ましくは0.5μm〜6.0μmであることが好ましい。Rtが3.0μmを超えると画像記録体最外層に顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報を記載する場合、印字性を劣化させる。
【0121】
又、Rtが3.0μmを超えると光又は熱硬化型樹脂層で表面を保護する際に間に空隙層などができ、その為画像記録体と保護層付与の間の密着性が劣化してしまう。画像記録体最外層の表面粗さは表面粗さ計(RST/PLUS WYCO社製)により規定されるものである。上記のようなRtを形成するために上記樹脂層を設ける方法として、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により施すことができる。又場合により印刷後に表面を平滑するためにカレンダー処理、印圧UP等の方法を用い表面を平滑化することができる。
【0122】
本発明においては鱗片顔料は透明樹脂、活性光線硬化樹脂をバインダーとして形成されていることが好ましく、より好ましくは活性光線硬化樹脂を用いることが好ましい。
【0123】
この鱗片顔料含有層は、好ましくは
少なくとも1つ以上の前記Aに記載した様なクッション性を有する印刷インキ、
又は以下に示すc)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤から選ばれる少なくとも1種以上有する熱易接型印刷インキのいずれか1つ以上のインキを選択することが好ましい。膜厚は0.1〜10μmで有ることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
【0124】
<G:c)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤から選ばれる少なくとも1種を有する熱易接型鱗片顔料含有印刷用インキ>熱易接型理鱗片顔料含有印刷用インキとはc)熱可塑性樹脂、d)熱可塑性エラストマー又はe)ホットメルト接着剤から選ばれる少なくとも1種を有する熱易接着樹脂及び鱗片粉末からなるものを表す。画像記録体上に表面保護層を形成され場合、表面保護層との密着性を向上させる為により効果的である。詳細な樹脂についてはD記載の樹脂組成物を使用することができる。
【0125】
混合比率は、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中に前記熱易接着樹脂Dを全固形分中0.1〜80%添加することが好ましく。0.1〜60%添加することがより好ましい。鱗片粉末は、全固形分中10〜70%添加することができ、好ましくは、10〜60%である。
【0126】
又、混合する樹脂としては1−2:活性光線硬化性樹脂、1−3:その他の添加剤、Dと鱗片顔料を混合することが好ましい。本発明においては、鱗片粉末と1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中と混合、分散し印刷インキを形成することが更に好ましい。混合、分散する方法としては、特に限定されるわけでなく、万能攪拌機、ロールミル、ホモジナイザー、ニーダ等の種々の装置を用いて行うことができ組成物に適した混合、分散の方法を選択すればよい。
【0127】
<割印用印刷インキ>
f)光硬化型樹脂、g)有色顔料又は有色色素、h)熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を少なくとも含むことを特徴とする割印用印刷インキとは、前述した1−2の活性光線硬化性樹脂、g)で前述した有色顔料又は有色色素、h)で記載した熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を表す。混合比率は1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中にg)有色顔料又は有色色素を全固形分中10〜80%添加することが好ましく、より好ましくは10〜60%添加することが好ましい。h)熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を全固形分中0.01〜30%添加することが好ましく、より好ましくは0.01〜20%添加することが好ましい。又割印用印刷層は、特定形状の印刷によって形成され、場合により3ポイント以下のマイクロ文字で形成されていても良い。膜厚は、0.1〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.0μmである。上記割印用印刷層を設ける方法としては、樹脂凸版印刷、オフセット印刷、シルク印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の方法で設けることができる。本発明においては、1−1、1−2、1−3記載の樹脂組成物中にg)、h)を投入し混合、分散して割印用印刷インキを形成することが更に好ましい。混合分散する方法としては、特に限定されるわけでなく、万能攪拌機、ロールミル、ホモジナイザー、ニーダ等の種々の装置を用いて行うことができ、組成物に適した混合、分散の方法を選択すればよい。
【0128】
<画像記録体層構成、画像記録体>
本発明の画像記録体層構成、画像記録体、及び画像記録体に更に個人情報を記載し、光又は熱硬化樹脂層を形成した個人認証カードを図1〜図11に示す。
【0129】
図1〜図11において、それぞれ(a)は画像記録体層構成、(b)は画像記録体、(c)はこれを個人認証カードとしたものを示している。
【0130】
図1〜図11中の情報担持体層には、例えば、従業員証、氏名が、鱗片顔料含有層(鱗片A、鱗片B)には例えばハートマーク等が、又情報担持体層(溶融印字層)には、コニカ太郎、ID:0123456789が形成される。又、割印用印刷層として画像記録体、個人認証カード上に円形図柄等が形成されるが、本発明においては、図12に示すような割印用印刷層の拡大図で示したような、1ポイントのマイクロ文字からなる図形が形成される。
【0131】
本発明においては、いずれの場合も、上記に限定されるものではない。
<H:光又は熱硬化型樹脂層>
本発明において、光硬化型樹脂層としては、前記記載の1−2、1−3を有する活性光線硬化性樹脂層を表す。
【0132】
本発明において、熱硬化性樹脂組成物としては、例えばエポキシ系、ポリエステル系、アクリル系等の樹脂に硬化剤や硬化触媒、流展剤、増感剤、その他添加剤等を配合てもよい。
【0133】
ポリエステル樹脂の組成としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を主体とし、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールを主体とするものがよく、これらにアジピン酸やアゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸やピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ル等の三価以上のアルコール等を少量含んでいるものは溶融流動性、架橋反応性が向上するのでより好ましい。
【0134】
又、ポリエステル樹脂の平均重合度は5〜50の範囲のものが好ましい。これより低いものはフィルムにしたとき十分な強度が得られず、これより高いものは粉砕が困難になる。次に硬化剤としては、ポリエステルの末端基が−OH型のものはイソシアナート化合物やメラミン樹脂、例えばε−カプロラクタムブロックイソシアナートやメチル化メラミン等がある。末端基が−COOH型のものはエポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート等がある。
【0135】
<H−1:熱又は光硬化型樹脂層作製方法>
熱又は光硬化型樹脂層を画像記録体上に作製する場合、塗布方式で作製するか若しくは転写箔で形成することが好ましい。
【0136】
画像記録体上に保護する方法として塗布を選択する場合、従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、フェルト塗布、エアーナイフ塗布、スプレイ塗布、エアースプレイ塗布、静電エアースプレイ塗布、ロール塗布ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例えば固形分として0.05〜50.0g/m2の塗布量が好ましい。なお、塗布量が少なくなるにつれて見掛の感度が大になるが画像形成層の皮膜特性、耐薬品性が低下する。
【0137】
塗布後硬化させる方法として活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類のより、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。
【0138】
<I:画像記録体上への画像形成方法>
基材上に識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体、フォーマット印刷から形成された画像記録体上印刷面側に別方法により識別情報及び書籍情報を記録した複数の情報坦持体等の画像要素が設けられ、個人認証カードを作製することができる。
【0139】
顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記録方式、ハロゲン化銀カラー写真方式等により作製される。又、文字情報画像は二値画像よりなり、例えば溶融型感熱転写記録方式、昇華型感熱転写記録方式、ハロゲン化銀カラー写真方式、電子写真方式、インクジェット方式等により作製されている。本発明においては、昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像、属性情報画像を記録することが好ましい。
【0140】
属性情報は氏名、住所、生年月日、資格等であり、属性情報は通常文字情報として記録され溶融型感熱転写記録方法が一般的である。フォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によっても形成することができる。
【0141】
<I−1:昇華画像形成方法>
昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された昇華性色素含有インク層とで構成することができる。
【0142】
<I−1−1:支持体>
支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える限り特に制限がなく、従来から公知のものを使用することができる。
【0143】
<I−1−2:昇華性色素含有インク層>
上記昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。
【0144】
前記昇華性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
【0145】
前記シアン色素としては、特開昭59−78896号公報、同59−227948号公報、同60−24966号公報、同60−53563号公報、同60−130735号公報、同60−131292号公報、同60−239289号公報、同61−19396号公報、同61−22993号公報、同61−31292号公報、同61−31467号公報、同61−35994号公報、同61−49893号公報、同61−148269号公報、同62−191191号公報、同63−91288号公報、同63−91287号公報、同63−290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0146】
前記マゼンタ色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−30392号公報、同60−30394号公報、同60−253595号公報、同61−262190号公報、同63−5992号公報、同63−205288号公報、同64−159号、同64−63194号公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0147】
イエロー色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−27594号公報、同60−31560号公報、同60−53565号公報、同61−12394号公報、同63−122594号公報等の各公報に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素およびアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
【0148】
又、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型又は閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン色素およびフェノール又はナフトール誘導体又はp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp−アミノフェノール誘導体の酸化体のとのカップリング反応により得られるインドアニリン色素である。
【0149】
又、受像層中に金属イオン含有化合物が配合されているときには、この金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク層中に含めておくのが良い。
【0150】
このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、特願平2−213303号、同2−214719号、同2−203742号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
【0151】
キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式(2)で表すことができる。
【0152】
X1−N=N−X2−G
ただし、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、又は複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表し、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子又はキレート化基で置換された炭素原子である。X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環又は、芳香族炭素環を表す。Gはキレート化基を表す。
【0153】
いずれの昇華性色素に関しても前記昇華性色素含有インク層に含有される昇華性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良く、形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んでいても良い。前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体1m2当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
【0154】
インク層のバインダーとしては特に制限がなく従来から公知のものを使用することができる。さらに前記インク層には、従来から公知の各種添加剤を適宜に添加することができる。
【0155】
昇華型感熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解してなるインク層形成用塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工し、乾燥することにより製造することができる。かくして形成されたインク層の膜厚は、通常、0.2〜10μmであり、好ましくは、0.3〜3μmである。
【0156】
<J:転写箔を用いての個人認証カード製造方法>
以下、本発明の転写箔及び画像記録体作製方法の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態の説明及び図面に限定されるものではない。まず、第1の実施の形態を図11及び図12に示し、図11は画像記録体作製装置の概略構成図、図12は画像記録体の層構成を示す図である。
【0157】
この実施の形態の画像記録体作製装置1には、上方位置にカード基材供給部10及び情報記録部20が配置され、下方位置に、保護付与部及び又は光学変化素子付与部40、活性光線硬化層付与部及び/又は活性光線照射部90が配置され、画像記録体としてカードを作製するが、シートも作製することもできる。
【0158】
カード基材供給部10には、カード使用者の個人情報を書き込むために予め枚葉状にカットされた複数枚のカード基材50が、顔写真を記録する面を上に向けてストックされている。この例では、カード基材50が支持体51と受像層52からなり、このカード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0159】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層52の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像領域53が記録される。
【0160】
又、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報54が記録され、画像記録層が形成される。
【0161】
保護付与部及び/又は光学変化素子付与部40では、転写箔カセット41が配置され、この転写箔カセット41に対応して熱転写ヘッド42が配置されている。透明保護転写箔64又は光学変化素子転写箔43を熱転写して、透明保護転写層640又は光学変化素子転写層430が設けられる。
【0162】
その後活性光線硬化層付与部及び/又は活性光線照射部90により活性光線硬化液が塗布され、活性光線により露光が行なわれ、図12の構成の画像記録体の層構成が得られ、透明保護転写層640又は光学変化素子転写層430上に活性光線硬化層650が設けられる。
【0163】
次に、第2の実施の形態を図13及び図14に示し、図13は画像記録体作製装置の概略構成図、図14は画像記録体の層構成を示す図である。
【0164】
この実施の形態の画像記録体作製装置1では、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、情報記録部20の次に樹脂付与部60が配置されている。
【0165】
樹脂付与部60には、転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置位置されている。転写箔カセット61に硬化型転写箔66がセットされ、この硬化型転写箔66を転写し硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0166】
次に、第3の実施の形態を図15及び図16に示し、図15は画像記録体作製装置の概略構成図15、図16は画像記録体の層構成を示す図である。
【0167】
この実施の形態の画像記録体作製装置1は、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、透明保護転写層、光学変化素子転写層付与部又は硬化型保護層含有転写層付与部70が配置され、この後更に同様の透明保護転写層、光学変化素子転写層付与部又は硬化型保護層含有転写層付与部70が配置されている。
【0168】
例えば、最初の透明保護転写層、光学変化素子転写層付与部又は硬化型保護層含有転写層付与部70において、透明保護転写箔64或いは光学変化素子転写箔43をカセット71に配置し、この転写箔カセット71に対応した熱転写ヘッド72により透明保護転写層、光学変化素子転写層を形成し、次いで、もう一つの透明保護転写層、光学変化素子転写層付与部又は硬化型保護層含有転写層付与部70において、硬化型保護層含有転写層660を設けることができる。
【0169】
又、順序を逆転することで、透明保護転写層又は光学変化素子転写層と硬化型保護層含有転写層が逆転した層構成とすることが出来る。
【0170】
又、少なくとも、光学変化素子層より画像記録体表面側に位置する透明保護層が、紫外線硬化層又は電子線硬化層であることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0171】
次ぎに、透明保護転写箔64の実施の形態を図7に示す。図7(a)の透明保護転写箔64は透明保護転写層640と支持体64bから構成され、透明保護転写層640は離型層64a1、透明保護層64a2、接着層64a3から構成され、透明保護層64a2の両側に離型層64a1、接着層64a3が設けられ、離型層64a1が支持体64bに接着されている。図77(b)の透明保護転写箔64は図7(a)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と接着層64a3との間に中間層64a4が設けられている。図7(c)の透明保護転写箔64は図7(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2を2層設けている。図7(d)の透明保護転写箔64は図7(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と中間層64a4との間にバリヤー層64a5が設けられている。
【0172】
これらの透明保護転写箔64は、透明保護転写層640が支持体43bから剥離して転写される。
【0173】
光学変化素子転写箔43の実施の形態を図8に示す。図8(a)の光学変化素子転写箔43は光学変化素子転写層430と支持体43bから構成され、光学変化素子転写層430は離型層43a1、光学変化素子層43a2、接着層43a3から構成され、光学変化素子層43a2の両側に離型層43a1、接着層43a3が設けられ、離型層43a1が支持体43bに接着されている。図8(b)の光学変化素子転写箔43は図8(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層43a3と光学変化素子層43a2との間に中間層43a4が設けられている。図8(c)の光学変化素子転写箔43は図8(b)の転写箔と同様に構成されるが、光学変化素子層43a2と中間層43a4との間にバリヤー層43a5が設けられている。図8(d)の転写箔は図8(c)の転写箔と同様に構成されるが、離型層43a1と光学変化素子層43a2との間に透明保護層43a6が設けられている。
【0174】
これらの光学変化素子転写箔43は、光学変化素子転写層430が支持体43bから剥離して転写される。
【0175】
次に、硬化型転写箔66の実施の形態を図9に示す。図9(a)の硬化型転写箔66は硬化型保護層含有転写層660と支持体66bから構成され、硬化型保護層含有転写層660は離型層66a1、硬化層66a2、中間層66a4、接着層66a3から構成され、硬化層66a2の両側に離型層66a1と中間層66a4が設けられ、離型層66a1が支持体66bに接着されている。図9(b)の硬化型転写箔66は図9(a)の転写箔と同様に構成されるが、硬化層66a2を2層設けている。図9(c)の硬化型転写箔66は図9(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層66a3と中間層63a4との間にバリヤー層66a5が設けられている。
【0176】
これらの硬化型転写箔66は、硬化型保護層含有転写層660が支持体43bから剥離して転写される。
【0177】
次に、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44の実施の形態を図10に示す。図10(a)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440と支持体44bから構成され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440は離型層44a1、硬化層44a9、光学変化素子層44a2、中間層44a4、バリヤー層44a5、接着層44a3から構成され、離型層44a1が支持体44bに接着されている。図10(b)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図10(a)の転写箔と同様に構成されるが、中間層44a4がない構成であり、又図10(c)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図10(a)の転写箔と同様に構成されるが、バリヤー層44a5がない構成である。
【0178】
これらの硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写される。
【0179】
この実施の形態の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が、少なくとも、離型層、硬化層、光学変化素子層、中間層、接着層を有する構成であり、表面保護性、表面摩耗耐久性に優れている。
【0180】
又、少なくとも、光学変化素子層より画像記録体表面側に位置する透明保護層が、紫外線硬化層又は電子線硬化層であることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0181】
又、光学変化素子層が、凹凸像を有するハードコート層、蒸着層であることが、より偽変造防止の硬化があり好ましい。
【0182】
又、少なくとも1つの透明保護層が、カード全面に熱転写されていることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0183】
さらに、透明保護転写箔又は光学変化素子転写箔のいずれかの層に、帯電防止剤が含有されていることが好ましく、ゴミが付着しないカード、あるいはシートを作製できる。
【0184】
又、先に転写された転写表面が、後から転写される転写箔の易接着加工されていることが、接着性がよく好ましい。
【0185】
本発明の転写箔においては、帯電防止層、離型層、透明保護層、光学変化素子層、バリヤー層、中間層、接着層に少なくとも一層が設けられることが好ましい。転写箔の帯電防止層は、帯電防止性に優れたアニオン性高分子物質及び/又は導電性粒子を含有する。
【0186】
<J−1:本発明に使用する転写箔材料の詳細な説明>
本発明の転写箔は、離型層、透明樹脂層を有する支持体からなることが好ましく、より好ましくは離型層、透明樹脂層、中間層、バリヤー層、プライマー層、接着層を少なくとも1つから成る層で構成されていることが好ましい。場合により、ICチップ又は光学変化素子からなる転写箔等による偽変造防止も同時に実施をすることも可能である。
【0187】
<J−1−1:転写箔用支持体>
支持体としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
【0188】
本発明の支持体の厚みは通常10〜200μm、好ましくは15〜80μmである。10μm未満であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。本発明の特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0189】
本発明の支持体は必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作製手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。
【0190】
例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。本発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。
【0191】
<J−1−2:転写層>
剥離層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコーンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコーン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、又はこの硬化物等が挙げられる。
【0192】
他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。
【0193】
転写箔を2枚転写する場合は熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が上げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。
【0194】
本発明に好ましく用いられる、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーを有する引っ張り伸びが100%以上の熱可塑性エラストマーとは、スチレンおよび炭素数10以下の直鎖又は分岐の飽和アルキルのブロックを有する熱可塑性樹脂(以下熱可塑性樹脂S1ともいう)を言う。
【0195】
特に、ポリスチレン相とポリオレフィンを水素添加した相をもつブロックポリマーであるスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)のブロックポリマー等があげられる。
【0196】
又、必要に応じて、本発明の離型層と樹脂層或いは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0197】
転写箔の透明樹脂層は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロース系、熱可塑性ポリエステル、天然樹脂等、他の任意の高分子重合体を併用してもよい。
【0198】
又、その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体を併用してもよい。
【0199】
本発明においては、画像記録体上に保護をする目的で光又は/熱硬化性層を転写箔で設けることが好ましい。光又は/熱硬化性層とは前記記載1−2、1−3の組成物からなる材料であれば特に制限はない。透明樹脂層の厚みは0.3〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜30μm、特に好ましくは0.3〜20μmである。
【0200】
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく場合によりプライマー層、バリヤー層として介在しても層間の接着性をさらに向上させてもよい。
【0201】
例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂、およびそれらの変性物などを用いることができる。
【0202】
上述した樹脂の中でも本発明の目的に好ましいのは、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂である。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0203】
具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。本発明の中間層において、重合度が1000以上のポリビニルブチラール樹脂としては積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はなく低重合度の樹脂でもよく、熱硬化にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。中間層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0204】
転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられそれらの共重合体や混合物でもよい。
【0205】
具体例としては、例えばウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体(東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129)等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては(日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613)、(互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4)等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の質量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0206】
場合により偽変造防止の目的で光学変化素子層転写層設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long Lasting Economical Anticopy Device)のような画像が変化して見えるもの、5)ストライプ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻第6号P482〜P496記載に有るような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。この発明においては、ホログラムがとくに好ましい。
【0207】
本発明で用いるホログラムは、レリーフホログラム、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色再生ホログラム、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチフレックスホログラム、ホログラムフレックステレオグラム、ホログラフィック回折格子等任意に採用できる。
【0208】
光学変化素子層は、例えばホログラムシートを受像層上に接着することによって形成することができる。ホログラムシートとしては、レリーフ型ホログラムシートを使用することができる。レリーフ型ホログラムシートは、支持体フィルム上にホログラム形成層とホログラム効果層とをこの順に積層してなる。具体的に言うと、ホログラムシートは、例えばポリエチレンテフタレートフィルム等の支持体フィルムの表面に、常温で固体であり、しかも熱形成性を有する樹脂層、例えば常温で固体の熱可塑成性の電子線硬化性樹脂層(ホログラム形成層)を形成し、この面にホログラムの干渉模様が凹凸状に形成されているホログラム原版を加圧圧縮させて、凹凸形状を樹脂表面に転写し、硬化し、さらに凹凸形状の表面に十分な透明性とある角度での大きな反射性を兼ね備え、かつホログラム形成層と屈折率が異なる材料(たとえばTiO2、SiO2、ZnSの蒸着膜)からなる薄膜のホログラム効果層を形成することによって得ることができる。昼光、照明光等の白色光で像が再生されるホログラムは、通常の状態でもホログラム像が観察されるので、装飾性にも優れている。一方、レーザー光によって像が再生されるタイプのものは、改ざんの発見性に優れている。
【0209】
又、本発明では、ビーズ保有層を設けることができ、本発明にかかるビーズを有するビーズ保有層は、人射光の一部に位相差を付与して再合成し、特定波長領域の光成分を干渉により強調し入射光とは異なる色調の着色光を入射光進入方向へ帰還させ、反射基板と、基板上に整列配置された透明なビーズとを有する。ビーズを有するビーズ保有層は、反射基板上に樹脂層を設け、更にその表層側にガラス等よりなるビーズ径が10〜60μm、好ましくは15〜40μmのビーズを多数整列配置して構成され、ビーズの光屈折率は1.6〜2.1が好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。外方より入射した入射光は、ビーズ内に進行し、少なくともその一部は透明なビーズより樹脂層を介して反射基板に反射され、再度ビーズに帰還し、外方へ進行する。ビーズの外方へ突出している面は球面であるので、人射角の多少の変動があっても同様な作用を生じ、入射方向へ反射光を帰還させることができる。
【0210】
次に、本発明では、反射性層を設けることができ、本発明の反射性層としては、少なくとも金属薄膜、金属酸化物薄膜、光干渉性物質及び光回折層から選ばれる。反射性層は干渉性物質、金属酸化物、雲母等干渉色を発現できる粉末を含有する塗料を任意の紋様に印刷することで設けることが好ましい。
【0211】
金属酸化物としては二酸化チタン、酸化鉄、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン酸コバルトなど及びLi2CoTi3O8あるいはKNiTiOxなどの複合酸化物、あるいはこれらの金属酸化物の混合物などが挙げられるが、干渉色を発現できる金属酸化物であれば、特にこれらに限定されるものではない。干渉物質層としては、金属膜の表面を酸化することによって得られる干渉色を持った金属膜を用いることができる。これらの金属膜は、金属アルミニウム、金属チタン、ステンレス膜などを陽極酸化する方法や、干渉色を発現できる金属酸化物をゾル−ゲル法によって調製し、これをコートする方法あるいは干渉色を発現できる金属のアルコキシドを金属膜に塗布してこれを加熱分解する方法及びCVDやPVDのような蒸着操作法などが拳げられる。
【0212】
「画像記録体上への転写箔付与方法」
転写箔の被転写材への転写は通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどを加熱しながら加圧を行える手段を用い転写を行う。
【0213】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
【0214】
−顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けた画像記録体製造方法−
(支持体の作製)
厚さ350μmのポリエチレンテレフタレート〔帝人(株)製:テトロンHS350〕の両面に白色ポリプロピレン樹脂〔三菱油化(株)製:ノーブレンFL25HA〕をエクストルージョンラミネート法で厚み50μmになる様に設けた。得られた複合樹脂シートの一方の面に25W/m2/分でコロナ放電処理を施し、このシートを支持体とした。
【0215】
画像記録体上の受像層の形成
(昇華型感熱転写記録用の受像層の作製)
前記支持体のコロナ放電処理した面に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
【0216】
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 9部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部
ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
【0217】
【化1】
【0218】
(筆記層の作製)
支持体上の受像層とは反対面に王子油化(株)製:ユポDFG−65シートを貼合し下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
【0219】
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 5部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
得られた筆記層の中心線平均粗さは1.34μmであった。
【0220】
(情報坦持体層形成)
オフセット印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名)を行った。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で150mJ/cm2相当であった。
【0221】
(鱗片顔料含有層の形成)
表1に記載の組成物をロールミルにより混合し印刷インキ(No.1〜6及び比較1,比較2)を作製した。オフセット印刷法により表2の膜厚になるように印刷を行い、硬化させて鱗片顔料含有層を形成した。印刷時のUV照射条件は高圧水銀灯で150mJ/cm2相当であった。
【0222】
印刷・硬化の後、以下に示すように針入変位量及び表面粗さの測定を行った。結果を表2に示した。
【0223】
<熱機械分析装置による針入変位量の測定>
画像記録体上にインキ層を成膜し、試料を4×4mmの大きさに切断し、熱機械分析装置(サーモフレックス、理学電気(株)製)により、150℃における層厚に対する針入変位量(%)を測定した。
【0224】
<表面粗さRtの測定>
層の表面粗さについては表面粗さ計(RST/PLUS WYCO社製)により測定した。
【0225】
【表1】
【0226】
【表2】
【0227】
(透明樹脂層の形成)
表3に記載の組成物をロールミルにより混合し印刷インキ(No.7〜12及び比較3)を作製した。オフセット印刷法により表4の膜厚になるように印刷を行い、硬化させて透明樹脂層を形成した。印刷時のUV照射条件は高圧水銀灯で150mJ/cm2相当であった。
【0228】
印刷・硬化の後、前記と同様にして針入変位量及び表面粗さの測定を行った。結果を表4に示した。
【0229】
【表3】
【0230】
【表4】
【0231】
(割印用印刷層の形成)
表5に記載の組成物をロールミルにより混合し割印用の印刷インキ(No.13)を作製した。オフセット印刷法により、厚さ0.8μmになるように印刷を行い、硬化させて割印用印刷層を形成した。印刷時のUV照射条件は高圧水銀灯で150mJ/cm2相当であった。
【0232】
【表5】
【0233】
これらの透明樹脂層、鱗片顔料含有層を形成して表6に示すような構成の23種の画像記録体を作製し、更に以下のように顔画像、文字情報を形成した。又、割印用印刷層を形成して表7に示すような構成の12種の画像記録体を作製し、更に以下のように顔画像と、上記の情報担持体層(溶融文字層)を形成した。
【0234】
−個人認証カード作製方法−
(昇華型感熱転写記録用のインクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
【0235】
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー分散染料(MS Yellow 三井東圧染料(株))3部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコーンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ分散染料(MS Mazenta 三井東圧染料(株))2部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 2部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコーンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン分散染料:(カヤセットブルーC−136:日本火薬(株))3.0部
ポリビニルアセタール 5.6部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコーンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
(溶融型感熱転写記録用のインクシートの作製)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
【0236】
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部
メチルエチルケトン 90部
(顔画像の形成)
受像層又は透明樹脂部、鱗片顔料含有層と昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
【0237】
(文字情報の形成)
透明樹脂部又は鱗片顔料含有層と溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報を受像層上に形成した。
【0238】
これらの顔画像、文字情報を設けた画像記録体に以下に示す表面保護層作製方法1〜3のいずれかを用いて、表面保護層を形成し、本発明1〜30及び比較1〜5の個人認証カードを作製した。
【0239】
表面保護層作製方法1
以下の方法により作製した転写箔を用いて、表面温度200℃に加熱し、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力147×104kPaで1.2秒間熱をかけて転写を行う。
【0240】
透明樹脂転写箔1の作製
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにて塗工乾燥して各層を形成した。
【0241】
(離型層)膜厚:0.5μm
アクリル系樹脂 5部
(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87)
ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4) 5部
(積水化学(株),KS−1)
メチルエチルケトン 40部
トルエン 50部
(中間層)膜厚:0.3μm
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株),エスレックBX−1)5部
タフテックスM−1913(旭化成) 3.5部
硬化剤 ポリイソシアネート(コロネートHX 日本ポリウレタン製)1.5部
メチルエチルケトン 20部
トルエン 70部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
【0242】
(バリヤー層形成塗工液)膜厚:0.5μm
BX−1(ポリビニルブチラール樹脂) 4部
(積水化学(株)製:エスレックBシリーズ)
タフテックスM−1913(旭化成) 4部
硬化剤 ポリイソシアネート(コロネートHX 日本ポリウレタン製)2部
トルエン 50部
メチルエチルケトン 40部
(接着層形成塗工液):膜厚0.3μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体
(日本純薬(株)製:ジュリマーAT510) 2部
水 45部
エタノール 45部
上記の組成の剥離層、中間層、バリヤー層、接着層で構成される透明樹脂転写箔1を作製した。
【0243】
次いで、前記転写箔1が転写された前記受像体上に前記紫外線硬化樹脂含有塗布液を20g/m2の塗布量になるように特定の地模様を持つグラビアロールコーターにより塗布し、下記の硬化条件にて紫外線硬化樹脂含有塗布液1を硬化させて紫外線硬化保護層を形成した。
【0244】
(硬化条件)
光照射源:60W/cm2の高圧水銀ランプ
照射距離:10cm
照射モード:3cm/秒で光走査
(紫外線硬化樹脂含有塗布液1)
ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート70部
ビスフェノールAグリシジルエーテル 10部
1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル 13部
トリアリールスルホニウムフルオロアンチモン 7部
表面保護層作製方法2
以下の方法により作製した転写箔を用いて、表面温度200℃に加熱し、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力147×104kPaで1.2秒間熱をかけて転写を行う。
【0245】
活性光線硬化型転写箔1の作製
(離型層形成塗工液)膜厚:0.2μm
ポリビニルアルコール(GL−05)(日本合成化学(株)製)10部
水 90部
90℃/30secの乾燥条件により、塗工を行った。
【0246】
(活性光線硬化性組成物塗工液)
新中村化学社製A−9300 35部
新中村化学社製EA−1020 11.75部
反応開始剤(イルガキュア184)日本チバガイギー社製 5部
活性光線硬化層使用樹脂1 48部
大日本インキ界面活性剤F−179 0.25部
トルエン 500部
(活性光線硬化層使用樹脂1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1.0部を加え、3時間反応させ目的のアクリル系共重合体の合成バインダー1を得た。(Mw.17000、酸価32)
塗布後の活性光線硬化性物は90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mj/cm2)で光硬化を行った。
【0247】
(中間層形成塗工液)膜厚:1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂 3.5部
(積水化学(株)製:エスレックBX−1)
タフテックスM−1913(旭化成) 5部
硬化剤(ポリイソシアネート) 1.5部
(コロネートHX 日本ポリウレタン製)
メチルエチルケトン 90部
中間層の乾燥は90℃/30secで行い、塗布後の硬化は50℃・24時間で行った。
【0248】
(接着層形成塗工液)膜厚:0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体 8部
(東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B)
ポリアクリル酸エステル共重合体 2部
(日本純薬(株)製:ジュリマーAT510)
水 45部
エタノール 40部
表面保護層作製方法3
以下の方法により作製した転写箔を用いて、表面温度200℃に加熱し、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力147×104kPaで1.2秒間熱をかけて転写を行う。
【0249】
光学変化素子転写箔1の作製
下記の塗工液を順次塗工し活性光線硬化型転写箔を作製した。塗工は乾燥90℃にて所定の膜厚になるように塗工した。
【0250】
(離型層形成塗工液)膜厚:0.2μm
ポリビニルアルコール(GL−05)(日本合成化学(株)製)10部
水 90部
(光学変化素子層)膜厚:2μm
ホログラム画像
(中間層形成塗工液)膜厚:1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂 3.5部
(積水化学(株)製:エスレックBX−1)
タフテックスM−1913(旭化成(株)製) 5部
硬化剤(ポリイソシアネート) 1.5部
(コロネートHX 日本ポリウレタン製)
メチルエチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
【0251】
(接着層形成塗工液)膜厚:0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体 8部
(東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B)
ポリアクリル酸エステル共重合体 2部
(日本純薬(株)製:ジュリマーAT510)
水 45部
エタノール 40部
作製した個人認証カード1〜30及び比較1〜5を用いて、以下の様な方法で、印字性、テープ剥離(密着性)、偽造変造性について評価を行った。
【0252】
<印字性の評価>
仕上がったカード印字性を目視で下記のような評価項目で評価した。
【0253】
×;文字部が印字されない
△;僅かに文字カスレがある
○;文字が問題なく印字されている。
【0254】
<テープ剥離(密着性)の評価>
硬化した保護層の表面にセロテープ(R)を強く貼り付け、急速に表面からセロテープ(R)を剥離した後、剥離状態をJIS−K−5400碁盤目テープ法規定の方法で評価した。
【0255】
保護層の表面にナイフ等の鋭利な刃物で30°の角度で切り込み、素地に達する1mm又は1.5mmの碁盤目100個(10×10)を作り、この時はがれないで残った塗膜の碁盤目数を測定した。全体的に接着性が良好な塗膜である場合には、碁盤目を作った後、その表面にセロテープ(R)を貼り、テープをはがして碁盤目のはがれた厚み方向の部位とはがれた数を測定して評価した。
【0256】
評価は下記の評価点数法で行った。
碁盤目試験の評価点数
評価点数 傷の状態
10 切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点の正方
形の一目一目にはがれがない
8 切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目に
はがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%未満
6 切り傷の両側と交点とにはがれがあって、欠損部の面積は全正方形
面積の5〜15%未満
4 切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の
15〜35%未満
2 切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、欠損部の面積は全正
方形面積の35〜65%未満
0 はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
【0257】
<偽造変造性>
偽造をされることが容易か否かを目視で判断した。
【0258】
【表6】
【0259】
【表7】
【0260】
【発明の効果】
本発明により、偽変造防止性、真偽判別性、印字性、表面保護層との密着性に優れた印刷用インキ、印刷インキ層を有する画像記録体、個人認証カード及び個人認証カード製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの一例を示す概略図である。
【図2】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図6】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図7】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図8】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図9】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図10】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図11】本発明の画像記録体層構成、画像記録体、個人認証カードの他の例を示す概略図である。
【図12】割印用印刷層の拡大図である。
【図13】透明保護転写箔の一例を示す概略図である。
【図14】透明保護転写箔の他の一例を示す概略図である。
【図15】透明保護転写箔の他の一例を示す概略図である。
【図16】透明保護転写箔の他の一例を示す概略図である。
【図17】本発明の画像記録体作製装置の一例を示す概略構成図である。
【図18】本発明の画像記録体の層構成の一例を示す図である。
【図19】本発明の他の例を示す画像記録体作製装置の概略構成図である。
【図20】本発明の他の例を示す画像記録体の層構成を示す図である。
【図21】本発明の他の例を示す画像記録体作製装置を示す概略構成図である。
【図22】本発明の他の例を示す画像記録体の層構成を示す図である。
【符号の説明】
1 画像記録体作製装置
10 カード基材供給部
20 情報記録部
40 保護付与部及び又は光学変化素子付与部
43 光学変化素子転写箔
44 硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔
50 カード基材
51 支持体
Claims (9)
- 基材上にa)識別情報及び書籍情報を記録した情報坦持体、b)鱗片状の粉末のいずれか1つ以上を有する画像記録体において、画像記録体最外層が150℃における熱機械分析(TMA)装置の針入変位量が層厚に対し30%以上であることを特徴とする画像記録体。
- 画像記録体最外層が熱可塑性材料又は熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像記録体。
- 画像記録体最外層が透明樹脂層又は鱗片顔料含有層から選ばれる少なくとも1種の印刷インキ層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録体。
- 基材上に熱転写受像層を有し、画像及び文字情報を転写記録し、その上に保護層を設ける画像記録体において、前記熱転写受像層上に画像情報が記録される領域と、該画像情報が記録される領域の近傍で画像記録されていない特定領域にわたって、熱転写性色素が熱融着しない割印用印刷インキにより特定画像層が形成され、
割印用印刷インキは、少なくともf)光硬化型樹脂、g)有色顔料又は有色色素、h)熱融着防止剤としてワックス、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする画像記録体。 - 最外層が透明樹脂層又は燐片顔料層から選ばれる少なくとも1方の印刷インキ層を有することを特徴とする請求項4に記載の画像記録体。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録体が光又は熱硬化型樹脂層で保護されてなることを特徴とする個人認証カード。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録体上に光硬化型樹脂層を塗布し、次いで露光することで表面保護することを特徴とする個人認証カード製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録体上に、離型層、透明樹脂層を含む転写層を有する支持体からなる転写箔から該転写層を少なくとも1回以上熱転写したことを特徴とする個人認証カード製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録体に顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報を記載してなることを特徴とする個人認証カード。
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