JP4367903B2 - 放射線位置検出器の校正方法及び放射線位置検出器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射線位置検出器の校正方法に係り、特に、3次元的に配置された多数のシンチレータ素子と、それらに光結合された光センサから構成された放射線位置検出器を校正する際に用いるのに好適な、放射線の位置検出機能や放射線吸収エネルギ選別機能を持たせた放射線位置検出器の校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体に放射性同位元素(RI)が投与されると、消滅γ線と呼ばれる2個の光子が正反対方向に同時に放出されるイベントが発生する。陽電子放出断層装置(PET)は、この2個の光子を同時計数で検出することにより、被検体内のRIの分布像を得る装置である。
【0003】
このようなPET装置に用いられる放射線3次元位置検出器としては、複数のシンチレータ素子を、屈折率の異なる透明板を挟みながら光センサ上に積層してシンチレータブロックを構成し、光センサに到達する光の透過率を各シンチレータ素子毎に異ならせることにより、光センサにおける受光量の差に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ素子を同定するようにした放射線検出器が、特許文献1に記載されている。
【0004】
又、複数のシンチレータ素子を、その中心位置が光位置検出器の受光面に平行な方向に偏倚するように光位置検出器上に積層し、光位置検出器からの出力光の空間分布の重心位置を各シンチレータセル毎に異ならせることにより、重心位置演算に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ素子を同定するようにした放射線検出器が、特許文献2に記載されている。
【0005】
又、図1に示す如く、シンチレータブロック12と、光センサとして4つの光電子増倍管(PMT)14A、14B、14C、14Dから構成されるブロック検出器10の場合、シンチレータブロック12中のγ線との相互作用が起こった蛍光発光シンチレータ素子(結晶素子とも称する)の同定を、図2(簡単のため1層の例で説明する)に示すフロントエンド回路の如く、PMT14A、14B、14C、14Dの出力信号(A,B,C,D)を用いて次式(1)、(2)に示すような重心演算を行い、更に後続回路(図示せず)により図3に示す9×10領域に区分けした2次元位置マップ(位置弁別テーブルとも称する)等に得られた重心位置を投影し、続いてこの作業を繰り返すことで一シンチレータ素子に対応する統計的なシンチレータ素子対応域を作成し、更に他のシンチレータ素子についても同様に作成し、最終的に全シンチレータ素子に対する対応域を合成した2次元位置マップを作成することも行われている。
【0006】
X=(A+B)/(A+B+C+D) ・・・(1)
Y=(A+C)/(A+B+C+D) ・・・(2)
【0007】
但し、2次元位置マップ上での各シンチレータ素子に対応する対応域は、検出器光子数の統計的ばらつきなどによってある広がりを持つ上、PMT14A〜Dの各ゲインの違いやシンチレータブロック12の作り方によって検出器毎に異なる。従って、予め作成した位置ルックアップテーブル(位置LUTと称する)28に従って直線性補正を行う。又、A+B+C+Dはシンチレータ内の全ての発光光子数に相当するので、γ線のエネルギに比例する。エネルギの波高値も、シンチレータ素子毎の効率の違いによりシンチレータブロック12内のどのシンチレータ素子で蛍光を発したか(発光したシンチレータ素子位置)で異なるため、同じようにエネルギルックアップテーブル(エネルギLUTと称する)30を作成して蛍光発光シンチレータ素子位置により補正する。
【0008】
図2において、20は、アンプ22A、22B、22C、22D、加算回路24A、24B、24C、A/D変換回路26A、26B、前記位置LUT28、前記エネルギLUT30、エネルギウィンドウ32を含んで構成される位置演算回路である。
【0009】
LUT作成のためには従来から、均一な並行ビームのγ線を照射し、PMT14A〜Dの出力を用いて重心演算することにより、各イベントに対する2次元位置マップ上の対応位置(X,Y)を算出し、図3に示したような2次元位置マップに描画することが行われている。これらは各蛍光発光シンチレータ素子(結晶素子)位置に応じたピークを持つ分布として描かれ、シンチレータ対応域を示すため、従来法では、それらピーク間の谷間を境界線として、クラスタに分割し、位置ルックアップテーブル(LUT)を作成していた。実際の測定では、入射した各イベント毎に重心演算を行い、位置LUTを参照しながら、各クラスタに対応したシンチレータ素子位置を出力する。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−47686号公報
【特許文献2】
特公平5−75990号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2は、いずれも放射線位置検出器自体に関するもので、位置弁別のための校正方法については述べられていない。
【0012】
従って、上述したような従来の技術においては、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ素子の同定を正確に行うために、2次元位置マップを直線や円形で区分けする人の主観に左右される方法が用いられてきた。
【0013】
又、図1乃至図3に示した例においては、図2及び図3は簡単のため1層で説明したが、シンチレータ素子を多層に配置した3次元放射線位置検出器の場合、層毎に位置マップへ反映されるパターンが異なり、これらの重ね合わせとして投影される。そのため、規則的に位置マップのピークが配列されず、単純にピーク間の谷から境界を決めるのが難しい。更に各シンチレータ素子の感度やシンチレータ素子対応域の広がりが異なる場合などでは、ピークの谷をクラスタ間の境界と設定しただけでは、位置弁別の精度が低下することがある。
【0014】
又、ピーク判別のために多くのカウント数が必要で、位置LUT作成に時間がかかる上、ピークとピークが接近した場合、境界が判別しにくくなり、全自動で境界を判別することが困難である。
【0015】
更に比較的低い原子番号・密度のシンチレータの場合、各シンチレータ素子を構成する結晶に入射したγ線の一部は、光電吸収されずにコンプトン散乱によって結晶外に逃げてしまうが、その際エネルギの一部を結晶に付与するので、このコンプトン散乱がPMTの出力信号の統計誤差を大きくする。エネルギ弁別によって散乱成分の大部分は取り除くことができるが、多重散乱成分は残るため、それらが位置マップのピークのバックグランド成分として現れる。この多重散乱成分のため従来の位置LUT作成方法では、これらのイベントを取り除くことが困難である。例えば分解能を優先させる場合、多重散乱成分は位置弁別については不確定領域なので取り除く必要があるが、取り除きすぎて利用できるイベント数が減少してしまうことは、放射線位置検出器の感度を低下させることになるので好ましくない。
【0016】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、2次元位置マップを作成するのに統計的クラスタリング処理を用い、位置弁別の精度を高めることを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1次元、2次元、あるいは3次元的に配置された多数のシンチレータ素子と、それらに光結合された光センサから構成された放射線位置検出器を校正するに際して、放射線を検出器上方から一様に照射して、前記光センサの出力から2次元位置マップを得た後、統計的クラスタリング処理を行って、前記2次元位置マップ上の各ピクセルに対する出力が、各シンチレータ素子に対応するクラスタに属する事後確率を全てのクラスタについて取得し、その後、各ピクセルについて事後確率が最大のクラスタ番号で前記2次元位置マップ全体をラベリングして、位置ルックアップテーブルを作成し、該位置ルックアップテーブル中のクラスタ番号により、各シンチレータ素子に対応する領域を選別するようにして、前記課題を解決したものである。
又、前記位置ルックアップテーブル作成時にクラスタ番号を付与する際の事後確率の値に閾値を設けることで各シンチレータ素子に対応する領域と多重散乱領域を分けるようにしたものである。
【0018】
又、前記クラスタリング処理に際して、まず、1段階目のクラスタリングで前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置を求め、次いで、全データの中心を加えた2段階目のクラスタリングで、前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置から周囲への広がりを求めるようにしたものである。
【0019】
又、前記光センサに吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別する情報も得るようにしたものである。
【0020】
前記の方法により選別された各シンチレータ素子に対応する光センサの各領域に吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別するようにしたものである。
【0021】
本発明は、又、前記の校正方法を用いて作成された位置ルックアップテーブルを備えたことを特徴とする放射線位置検出器を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の目的を達成するため、複数の光センサの出力がシンチレータ素子数に応じたクラスタに分類できることを利用し、混合ガウスモデル(Mixture Gaussian Model: MGM)に代表される統計的クラスタリングによってシンチレータ素子の弁別を行う。MGMにおいては、実測データから各クラスタを構成するガウス分布の平均、分散および各クラスタの存在確率(事前確率とも呼ばれる)を推定する。
【0023】
予め各クラスタに付番しておき、p(x|j)をjクラスタから値xが出力される条件付き確率、P(j)をjクラスタが存在する確率、Mをクラスタ数とすると、xが出力される確率p(x)は、混合モデルを用いて、
【数1】
Figure 0004367903
となる。p(x|j)はガウス分布を仮定することから、
【数2】
Figure 0004367903
となる。ここで、μとΣは、それぞれ各クラスタ固有の平均と共分散であり、Dは実測データの次元である。例えば、一様照射のデータから(1)(2)式で得られる2次元位置マップを利用する場合、D=2となる。
【0024】
実測データからP(j)、p(x|j)を計算すると、次式で示したBayes定理を適用することで、各ピクセルに対応する出力xがjクラスタに属する確率(Bayes定理でいう事後確率)を各々求めることができる(P(x)=1と仮定)。
【0025】
【数3】
Figure 0004367903
【0026】
これによって2次元位置マップ上における全てのクラスタでの事後確率を取得する。その後、出力xをデジタル化した各ピクセルについて事後確率が最大のクラスタ番号で位置マップ全体をラベリングし、位置ルックアップテーブルを作成する。テーブル参照方式を用いることで、テーブル作成以降は、従来のPET装置の回路系をそのまま利用することができる。
【0027】
このようにして、事後確率p(j|x)を使うことで、jクラスタと対応するγ線が入射するシンチレータ素子位置を確率論的に求めることができるため、手動あるいはピーク間の谷を区切るだけの単純な自動化手法に比べて、正確に位置弁別を行うことができる。また、各シンチレータ素子対応域に対応するクラスタと複数のシンチレータ素子にまたがる多重散乱成分のクラスタを分けることで、多重散乱成分を除いて、各シンチレータ素子対応域のみを選別することができる。更にクラスタの広がりを閾値によって調整することで、分解能(位置弁別精度)と感度を最適化することができる。
【0028】
すなわち、シンチレータ素子対応域を広げていくと多重散乱を取り込んでしまうため位置弁別精度は低下するが、利用できるイベント数は増えて感度を向上できる。一方でシンチレータ素子対応域を狭めると感度は低下するが、位置弁別精度は向上する。
【0029】
各シンチレータ素子対応域の範囲をσのn倍で変動させた時、多重散乱がシンチレータ素子対応域に含まれるイベントと損失するイベントの全イベントに対する割合を比較した結果を図4に示す。図の横軸は、各クラスタの分散σの倍数である。図から明らかなように、感度を重視するか位置分解能を重視するかを利用目的に応じて選択することが可能である。
【0030】
またガウス分布の確率密度関数は、他の確率分布の近似関数としての性質も良好であり、P(j)、p(x|j)の計算に期待値最大化(Expectation Maximization:EM)アルゴリズムのように収束性が強固な推定アルゴリズムが使用可能である。そのため、比較的少ないカウント数でも位置LUTの作成が可能である上に、近接したピークでも比較的安定してピークを抽出することが可能となる。
【0031】
また、説明に用いる2次元位置マップは、回路内あるいはコンピュータ内などでの処理概念を視覚的に説明するため示したものであり、確認などのため実際に図5のように表示することもあるが、本発明の放射線位置検出器がPET装置などに組み込まれた場合は、処理速度が優先されるので表示させる必要はない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明を詳しく説明する。
【0033】
図6(A)(平面図)及び(B)(正面図)に示す如く、3次元結晶配列による検出器の深さ方向の位置情報を取得するDepth-of-interaction(DOI)検出器を例にとって説明する。
【0034】
検出器モジュール40は、図7に示すように2×2の各2.9mm×2.9mm×7.5mmのGSOシンチレータ素子のアレイ44A、44B、44C、44Dを4段積み重ねたものを1ブロックとし、これを8×8個並べたシンチレータブロック42と、その最下段の16×16個のシンチレータ素子と各アノードが光結合された16×16のマルチアノードを持つ52mm角のフラットパネルPS−PMT(位置弁別型光電子増倍管)46からなる。図において、48は素子間に配設された反射板であり、46はアノードを示す。
【0035】
前記PS−PMT46からの出力は抵抗チェーンを用いて4ヶ所にまとめられ、重心演算(アンガー方式)によって2次元位置マップ上にパターン表示される。
【0036】
前記検出器モジュール40によって得られる、図8に示すような位置マップを用いて、γ線が相互作用したシンチレータ素子位置を求める。ここで奇数層(1層44A、3層44C)と偶数層(2層44B、4層44D)とでセリウム濃度の異なるシンチレータ素子を用いて、減衰時間の違いから奇数層マップと偶数層マップに分けている。つまり1回の計測で1つの検出器当たり2つのマップが作成されることになる。従来は、これらのマップを直線や円形で区分けする人の主観に左右される方法が用いられてきた。
【0037】
本実施形態では、137Cs線源を検出器上方から一様照射して従来の2次元位置マップを得た後、MGMによるクラスタリングを行い、マップ上に投影される全ての範囲での事後確率を取得する。その後、各ピクセルについて事後確率が最大のクラスタ番号でマップ全体をラベリングし、位置ルックアップテーブルを作成する(本実施例では4096×4096ピクセルに分割している)。又、テーブル作成時にクラスタ番号を付与する際の事後確率の値に閾値を設け、シンチレータ素子対応域のみにクラスタ番号を付与することで、図8に例示したように、シンチレータ素子対応域(1〜16)と多重散乱領域(Multi-interaction)を分け、シンチレータ素子対応域のみを選別する。
【0038】
PS−PMT46の4つのアノード出力A、B、C、Dから作成された、図9(1)の2次元位置マップに対して2段階のMGMによるクラスタリングを行う場合、まず図10に示す如く、ステップ100の1段階目のクラスタリングにおいて、クラスタ数をシンチレータ素子数(ここでは8個、即ち1層目44Aと3層目44C、あるいは2層目44Bと4層目44Dの各2層の合計のシンチレータ数)より少し多め(例えば10)に取ってクラスタリングを行い、シンチレータ素子位置を得る。
【0039】
ステップ110で、8つのシンチレータ素子対応域が全て取得できたと判定された場合、1段階目のMGMで得られたガウス分布の平均をシンチレータ素子対応域の確定位置として固定すると共に、ステップ120で、多重散乱成分として全データの重心を中心とする9番目のクラスタを追加する。そして、ステップ130で、共分散及び事後確率のみの推定を2段階目のMGMによるクラスタリングで行い、クラスタの範囲を得る。
【0040】
このようにして、ステップ140で、クラスタリング結果から、それぞれのクラスタの平均と分散が得られる。
【0041】
クラスタリングによって得られた結果を図9(2)に示す。2段階のMGMを行うことによって、8つのシンチレータ素子対応域および多重散乱成分を弁別できている。図において、楕円はMGMにより推定された共分散楕円の3倍として示した。
【0042】
この結果から、ステップ150で、事後確率が最大になるように、それぞれのクラスタでのシンチレータ素子位置を得て、位置LUTを作成すると、図5(1)のようになる。この場合、1から8番までのシンチレータ素子に対応する各クラスタにおいて事後確率が最大のクラスタの中で3σ以内の領域のクラスタを利用し、これ以外の領域に来たイベントは捨てることなる。
【0043】
一方、従来のテーブル作成手法を拡張したものでは、全データの中心に対して十字に領域を切った後、奇数層マップ(図5(1)(b))と偶数層マップ(図5(1)(a))についてそれぞれ谷の部分を算出し領域分けすることにより、図5(2)のような位置LUTが得られる。こうした位置LUT28を図2に示すフロントエンド回路上に作成して、ステップ160で位置LUTを参照し、ステップ170で、実際の測定時の各入射γ線イベントに対して位置弁別を行い、相互作用したシンチレータ素子位置を得ていた。
【0044】
光センサに吸収された放射線エネルギの選別情報は、図2に示すエネルギLUT30を基にエネルギがエネルギウインドウ32に入っているか否かを選別する。エネルギウインドウ32は、図2における和信号24Cの波高幅を予め設定したものである。
【0045】
本実施形態においては、奇数の1、3層及び偶数の2、4層にセリウム濃度の異なるシンチレータ素子を用いて、減衰時間の違いから奇数層マップと偶数層マップに分けているので、2つのマップが容易に作成できる。なお、マップを作り分ける方法はこれに限定されない。
【0046】
又、前記実施形態においては、GSOシンチレータ素子のアレイを4段積み重ねたものを1ブロックとし、これを8×8個並べたシンチレータブロック42と、16×16のマルチアノードを持つ52mm角のフラットパネルPS−PMT46からなる検出器モジュール40が用いられていたが、シンチレータの種類や形状、構成、光センサの種類は、これに限定されず、例えばシンチレータとしてBGOやLSOを用いたり、光センサとしてAPDを用いることも可能である。
【0047】
又、前記実施形態においては、光センサの出力A、B、C、Dより重心演算されていたが、光センサの出力A、B、C、Dを直接クラスタリングすることも可能である。又、主成分分析等により、それらを低次元のデータに変換したものをクラスタリングしてもよい。
【0048】
又、クラスタリングの手法は混合モデルが好適であるが、他のクラスタリング手法を用いることも可能である。
【0049】
本発明によって特定される放射線の入射位置を基に校正される物理量としては、位置の他、γ線エネルギ、入射時間(タイミング)等が考えられる。
【0050】
本発明は、特許文献1や2に記載された放射線位置検出器にも適用可能であるが、適用対象は、これらに限定されない。
【0051】
【発明の効果】
本発明では、2次元位置マップを統計的にクラスタリングすることで、位置弁別の精度を増すことができる。実際、前記実施形態に対して、シミュレーションによって得られた誤答率を比較すると、図11のように、従来法に比較して誤答率が大幅に改善できている。
【0052】
また、本発明による手法は、図4に示す如くシンチレータ素子対応域を狭めれば、多重散乱成分を可能な限り取り込まないようにできる。このとき感度は犠牲になるものの、位置弁別の精度は向上させることが可能である。反対に、シンチレータ素子対応域を広げることで、多重散乱成分が増すため位置弁別精度は低下するものの、利用できるイベント数をできるだけ取り込むようにすることもできる。このように、感度を重視するか位置分解能を重視するかを利用目的に応じて選択することが可能である。
【0053】
更に、イベント数が少ない場合でも比較的安定に処理が可能であるため、位置LUTを作成するための校正時間を短縮することができる。更に任意の形状の2次元位置マップに対しても位置LUTの自動作成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のブロック検出器の構成例を示す斜視図
【図2】同じく光センサと位置弁別回路の構成例を示すブロック図
【図3】同じく位置弁別テーブルの例を示す平面図
【図4】本発明の実施形態による結晶領域を広げた場合の位置弁別精度と感度を示す線図
【図5】図9のクラスタリング結果の最大事後確率から得られる位置弁別テーブルと従来法で得られたテーブルを比較して示す線図
【図6】本発明の実施形態で用いられる深さ弁別型(DOI)検出器の構成を示す平面図及び正面図
【図7】前記DOI検出器のモジュール構造を示す斜視図
【図8】前記実施形態で得られる2次元位置マップの例を示す平面図
【図9】一様照射による2次元位置マップの例とそのクラスタリング例を示す平面図
【図10】本発明の実施形態の処理手順を示す流れ図
【図11】本発明と従来法による位置弁別の精度を比較して示す線図
【符号の説明】
28…位置ルックアップテーブル(LUT)
30…エネルギルックアップテーブル(LUT)
40…検出器モジュール
42…シンチレータブロック
46…位置弁別型光電子増倍管(PS−PMT)

Claims (6)

  1. 1次元、2次元、あるいは3次元的に配置された多数のシンチレータ素子と、それらに光結合された光センサから構成された放射線位置検出器を校正するに際して、
    放射線を検出器上方から一様に照射して、前記光センサの出力から2次元位置マップを得た後、
    統計的クラスタリング処理を行って、前記2次元位置マップ上の各ピクセルに対する出力が、各シンチレータ素子に対応するクラスタに属する事後確率を全てのクラスタについて取得し、
    その後、各ピクセルについて事後確率が最大のクラスタ番号で前記2次元位置マップ全体をラベリングして、位置ルックアップテーブルを作成し、
    該位置ルックアップテーブル中のクラスタ番号により、各シンチレータ素子に対応する領域を選別することを特徴とする放射線位置検出器の校正方法。
  2. 前記位置ルックアップテーブル作成時にクラスタ番号を付与する際の事後確率の値に閾値を設けることで各シンチレータ素子に対応する領域と多重散乱領域を分けることを特徴とする請求項1に記載の放射線位置検出器の校正方法。
  3. 前記クラスタリング処理に際して、まず、1段階目のクラスタリングで前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置を求め、次いで、全データの中心を加えた2段階目のクラスタリングで、前記2次元位置マップ上における各シンチレータ素子の中心位置から周囲への広がりを求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線位置検出器の校正方法。
  4. 前記光センサに吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別する情報も得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線位置検出器の校正方法。
  5. 請求項1に記載の方法により選別された各シンチレータ素子に対応する光センサの各領域に吸収された放射線エネルギが、所定のエネルギウィンドウ内に入っているか否かを選別することを特徴とする放射線位置検出器の校正方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の校正方法を用いて作成された位置ルックアップテーブルを備えたことを特徴とする放射線位置検出器。
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