JP4367665B2 - 車載用アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車載用アンテナ装置に関し、特に、地上波ディジタル放送の受信に用いられる車載用地上波ディジタルアンテナ装置に関する。
この種の車載用アンテナ装置として、自動車のフロントガラスやリアウィンドウ等に装着されるフィルムアンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されたフィルムアンテナ装置は、アンテナ本体(フィルムアンテナ部)と、このアンテナ本体と同軸ケーブルなどのフィーダ(信号ケーブル)との間を接続する結合装置(コネクタ回路部)とを備えている。アンテナ本体(フィルムアンテナ部)は、樹脂フィルムからアンテナ素子保持シートと、このアンテナ素子保持シート上に形成された所定パターンのアンテナ素子とからなる。アンテナ素子保持シートはその一端に結合端(舌片部)を有する。アンテナ素子は細長い薄膜導体からなる。アンテナ素子は給電端子を持ち、この給電端子は結合端(舌片部)に設けられている。結合装置(コネクタ回路部)は、ケース(絶縁性の筐体)と、このケース内に収容された配線基板と、接触子(導電性弾性片)とを備える。ケースは、アンテナ本体(フィルムアンテナ部)の結合端に対し機械的に結合可能な結合部と、取付け対象物へ取付けを行う取付け部とをもつ。接触子は、配線基板に固定されており、基端部と先端部とを持つ。接触子の基端部はフィーダの一端に接続されている。接触子の先端部は、ケースの接合部をアンテナ本体にける結合端に対して近接配置したとき、アンテナ素子の給電端子に対し接触導通する。
すなわち、特許文献1では、回路基板を収容保持している筐体(ケース)に窓部を開設し、導電性弾性片(接触子)の先端部を筐体の窓部を通してフィルムアンテナ部(アンテナ本体)の給電素子に弾接させている。コネクタ回路部(結合装置)とフィルムアンテナ部(アンテナ本体)とが電気的に接続される前の段階では、導電性弾性片(接触子)は筐体(ケース)の窓部から外方へ突出している。この状態で、先ず、取付け対象のガラス面にフィルムアンテナ部(アンテナ本来)を貼着する。次に、フィルムアンテナ部(アンテナ本体)の一隅に露出する給電端子に対して導電性弾性片(接触子)を位置合わせする。そのうえで、フィルムアンテナ部(アンテナ本体)の近傍にコネクタ回路部(結合装置)の筐体(ケース)を貼着する。これにより、導電性弾性片(接触子)が給電端子に圧接したまま筐体(ケース)の窓部内で押し撓められる。また、コネクタ回路部(結合装置)の筐体(ケース)にはフィルムアンテナ部(アンテナ本体)の存する側と逆側に開口部が開設されている。この開口部に信号ケーブル(同軸ケーブル)の一端部が挿入されて回路基板と接続されている。
一方、接続の信頼性が高く取付けも簡単な車載用アンテナ装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示された車載用アンテナ装置は、フィルムアンテナ部と、絶縁性の筐体と、この筐体内に収容保持された回路基板とを備える。フィルムアンテナ部は、舌片部を持つ樹脂フィルムと、この樹脂フィル上に形成された給電端子を持つ放射導体パターンと有する。給電端子は舌片部に露出している。絶縁性の筐体は、フィルムアンテナ部の近傍に設置される。絶縁性の筐体は、舌片部の挿通用の両スリットと同軸ケーブル(信号ケーブル)の挿通用開口部とを有する。回路基板は、給電端子および同軸ケーブルに接続される。舌片部は、両スリットのいずれか一方に通過させて、筐体の内部に搭載されている。回路基板には電気的かつ機械的に接続された給電ピン(導電性突起)が接続されている。この給電ピンは筐体内で給電端子に圧接されている。
特許文献2において、筐体は下ケースと上ケースとからなり、これら両ケースはスナップ結合等の適宜手段で一体化される。筐体の長手方向一端部に、下ケースの延在部と上ケースの延在部とによって開口部が画成されている。同軸ケーブル(信号ケーブル)は、この開口部を挿通する。また、下ケースの内底部には2箇所に位置決めピンが突設されている。一方、フィルムアンテナ部の舌片部には透孔が形成されている。これら位置決めピンを透孔に挿入することによって、筐体の内部に引き入れられた舌片部が下ケース上に位置決めされた状態で搭載される。下ケース(ボトムケース)の内底部中央部に、クッション部材(弾性支持部材)を載置させるための凹部を設けている。そして、下ケース(ボトムケース)に上ケース(トップケース)を取り付けることにより、クッション部材上の給電端子に給電ピン(導電性突起)の頭部を弾接状態で圧接している。更に、下ケースの上記凹部の両側に第1および第2のスリットを設け、フィルムアンテナ部の舌片部は第1のスリットまたは第2のスリットを通過する。したがって、舌片部は、下ケースの底面と取付対象のガラス面との間を通って、上記第1のスリットまたは第2のスリットのどちらか一方を通過して、筐体の内部に引き入られる。
特開2000−196327号公報 特開2007−74226号公報
特許文献1に開示されたフィルムアンテナ装置(車載用アンテナ装置)では、アンテナ本体(フィルムアンテナ部)と結合装置(コネクタ回路部)とが別体であるので、上述したように2度の貼着作業が必要となる。その為、貼着の失敗が起こり易いという問題がある。また、アンテナ本体(フィルムアンテナ部)と結合装置(コネクタ回路部)とが別体であると、結合装置(コネクタ回路部)の貼着が困難で、位置合わせがずれてしまうと、接触子(導電性弾性片)が給電端子と接触しない場合がある。
一方、特許文献2に開示された車載用アンテナ装置において、同軸ケーブル(信号ケーブル)は、筐体に設けられた開口部を単に挿通しているだけである。このような車載用アンテナ装置では、それを自動車のフロントガラスやリアウィンドウ等に装着して固定した後、同軸ケーブル(信号ケーブル)を自動車内で引き回し、受信機(チューナ装置)と接続する必要がある。同軸ケーブル(信号ケーブル)を引き回す際に、同軸ケーブル(信号ケーブル)には筐体から離れる方向の引っ張り力(引抜き力)が作用する場合がある。この引っ張り力(引抜き力)により、回路基板に接続されていた、同軸ケーブル(信号ケーブル)の先端部が、回路基板から断線してしまうという虞がある。
また、特許文献2では、特許文献1とは異なり、接触子(導電性弾性片)の代わりに給電ピン(導電性突起)を設けている。そのため、この給電ピン(導電性突起)を筐体内で給電端子に圧接するために、筐体の内部に舌片部が搭載されるクッション部材(弾性支持部材)を設ける必要がある。すなわち、下ケース(ボトムケース)の内底部中央部に、クッション部材(弾性支持部材)を載置させるための凹部を設けている。そして、下ケース(ボトムケース)に上ケース(トップケース)を取り付けることにより、クッション部材上の給電端子に給電ピン(導電性突起)の頭部を弾接状態で圧接している。そのため、給電端子と給電ピン(導電性突起)との接触圧力は、下ケースと上ケースとの間の組み付け精度に依存してしまう。また、上ケースを下ケースに取り付けなければ、クッション部材上の給電端子は給電ピン(導電性突起)に圧接されない。したがって、給電端子と給電ピン(導電性突起)との間の圧接状態を眼で見て確認することは不可能である。換言すれば、上ケースを下ケースに取り付ける前の段階で、上記圧接状態を目視で確認することは不可能である。
また、特許文献2では、フィルムアンテナ部の舌片部を筐体内で位置決めするために、下ケースの内底部に位置決めピンを突設するとともに、舌片部に透穴を形成する必要がある。その為、位置決め構造が複雑になると共に、位置決めを容易に行うことが困難になってしまう。
更に、下ケースの上記凹部の両側に第1および第2のスリットを設け、フィルムアンテナ部の舌片部は第1のスリットまたは第2のスリットを通過する。したがって、舌片部は、下ケースの底面と取付対象のガラス面との間を通って、上記第1のスリットまたは第2のスリットのどちらか一方を通過して、筐体の内部に引き入られることになる。その結果、フィルムアンテナ部をガラス面に貼着し、筐体を両面接着テープでガラス面に貼着する際に、下ケースの底面から舌片部に対して押付力が作用することになる。この舌片部からは放射導体パターンが延在しているので、上記押付力が強い場合には、放射導体パターン(アンテナ素子)が断線してしまう虞がある。
したがって、本発明の解決すべき課題は、信号ケーブルを引き回す際に、信号ケーブルの断線を防止することができる、車載用アンテナ装置を提供することにある。
本発明の他の解決すべき課題は,トップケースをボトムケースに取り付ける前に、給電端子と接触子(弾性端子)とを圧接することができる、車載用アンテナ装置を提供することにある。
本発明のさらに他の解決すべき課題は,トップケースをボトムケースに取り付ける前の段階で、給電端子と接触子(弾性端子)との間の圧接状態を目視で確認することができる、車載用アンテナ装置を提供することにある。
本発明のもっと他の解決すべき課題は、フィルムアンテナ部と筐体とを取付対象であるガラス面に貼着する際の、放射導体パターン(アンテナ素子)の断線を防止することができる車載用アンテナ装置を提供することにある。
本発明によれば、フィルムアンテナ部(10;10A)と、このフィルムアンテナ部と信号ケーブル(30)とを結合する結合装置(20)とを備えた車載用アンテナ装置(100;100A)であって、フィルムアンテナ部(10;10A)は、樹脂フィルム(11)と、この樹脂フィルムに形成されたアンテナ素子(12)とから構成され、樹脂フィルム(11)は、結合装置内に載置される載置フィルム部(114)を含み、アンテナ素子(12)は、載置フィルム部上に露出して形成された給電端子(126,127)を含み、結合装置(20)は、信号ケーブル(30)の一端部(31)が挿入される長手方向に延在した略直方体の形状をしており、結合装置(20)は、信号ケーブルの一端部が挿入される側の第1の端部と、この第1の端部と対向する第2の端部とを持ち、結合装置(20)は、トップケース(21)とボトムケース(22)とから成る筐体と、この筐体内に収納され、信号ケーブルの一端部と接続された回路基板(23)と、この回路基板に電気的かつ機械的に接続された弾性端子(241,242)とを有し、回路基板(23)は、第1の端部側の第1の端と、第2の端部側の第2の端とを持ち、ボトムケース(22)は、載置フィルム部を載置する基底部(221)と、第1の端部で基底部から立設し、回路基板の第1の端を位置決めする第1の基板端位置決め突起(223)とを含み、第1の基板端位置決め突起(223)は、信号ケーブルの一端部を挿通する断面U字形状のケーブル挿通用開口部(223a)と、このケーブル挿通用開口部から幅方向内側へ互いに対向して突出する一対のリブ(223b)とを有し、第1の基板端位置決め突起(223)は、一対のリブ(223b)によって、弾性端子(241,242)を給電端子(126,127)に圧接させた状態で、信号ケーブルの一端部を圧入し保持することを特徴とする車載用アンテナ装置が得られる。
上記車載用アンテナ装置において、ボトムケース(22)は、基底部(221)の両側端から立設して、回路基板(23)をその両側端部で保持する一対の回路基板保持部(225)を有してよい。この場合、一対の回路基板保持部(225)は、載置フィルム部を位置決めするための一対の係合溝(225c)を持ち、載置フィルム部(114)は、その一端で幅方向外側へ突出して、一対の係合溝と係合する一対の係合突出部(114a)を持つことが好ましい。また、ボトムケース(22)は、結合装置(20)の幅方向外側へフィルムアンテナ部(10)を挿通するためのフィルム挿通用開口部(225b)を持ち、基底部(221)は、フィルム挿通用開口部で幅方向へ突出する突出部(221a)を有することが望ましい。
また、上記車載用アンテナ装置において、樹脂フィルム(11)は、載置フィルム部(114)からフィルム挿通用開口部(225b)を介して結合装置(20)の幅方向へ延在する長尺フィルム部(111)を有してよい。この場合、アンテナ素子(12)は、給電端子(126)から延在して、長尺フィルム部に形成された放射導体パターン(121)を有してよい。トップケース(21)は、天板部(211)と、この天板部の両側端から下方へ延在する一対の側板部(212)とを有してよい。一対の側板部(212)の少なくとも一方は、フィルム挿通用開口部(225b)でフィルムアンテナ部(10;10A)を結合装置(20)から外部へ引き出すためのフィルム出し口(212a)と、このフィルム出し口の両端でフィルムアンテナ部(10;10A)を押さえるための一対のフィルム押え部(212b)とを有してよい。一対のフィルム押え部(212b)は、放射導体パターン(121)と接触しない位置に設けられる。また、長尺フィルム部(111)は結合装置(20)の中央部から延在していることが好ましい。フィルム出し口(212a)は、一対の側板部(212)の両方に形成されてよい。
さらに、上記車載用アンテナ装置において、一対の回路基板保持部(225)は、その外壁から上方へ突出して、回路基板(23)の幅方向の位置決めをする、少なくとも2つの基板側端位置決め突起(225a)を持ってよい。一対の回路基板保持部(225)は、その外壁から外方へ突出する、少なくとも2つの係合突起(225d)を持ち、トップケース(21)の一対の側板部(212)は、その内壁に少なくとも2つの係合突起と係合する、少なくとも2つの係合凹部(212c)を持ってよい。ボトムケース(21)は、第2の端部で基底部(221)から立設し、回路基板(23)の第2の端を位置決めするための第2の基板端位置決め突起(224)をさらに有してよい。この場合、第2の基板端位置決め突起(224)は、回路基板(23)の第2の端側の上面を保持するための爪(224a)を持つことが好ましい。
上記車載用アンテナ装置において、ボトムケース(22)は、第1の端部で、信号ケーブル(30)の一端部(31)を保持するための下側ケーブル保持部(222)を有してよい。この場合、下側ケーブル保持部(222)は信号ケーブルの一端部を挿通する断面半円形の下側開口部(222a)と、この下側開口部から上方へ突出する下側リブ(222b)とを持つことが好ましい。同様に、トップケース(21)は、第1の端部で、下側ケーブル保持部(222)と対向する位置に、信号ケーブル(30)の一端部(31)を保持するための上側ケーブル保持部(215)を有してよい。この場合、上側ケーブル保持部(215)は信号ケーブルの一端部を挿通する断面半円形の上側開口部(215a)と、この上側開口部から下方へ突出する上側リブ(215b)とを持つことが好ましい。このような状況では、トップケース(21)をボトムケース(22)に取り付けたときに、信号ケーブル(30)の一端部(31)が上側リブ(215b)と下側リブ(222b)とによって上下から把持される。
尚、上記括弧内の符号は、本発明の理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、これらに限定されないのは勿論である。
本発明では、ボトムケースが、回路基板の第1の端を位置決めする第1の基板端位置決め突起を含み、この第1の基板端位置決め突起が、信号ケーブルの一端部を挿通する断面U字形状のケーブル挿通用開口部と、このケーブル挿通用開口部から幅方向内側へ互いに対向して突出する一対のリブとを有するので、第1の基板端位置決め突起は、一対のリブによって、弾性端子を給電端子に圧接させた状態で、信号ケーブルの一端部を圧入し保持している。その結果、信号ケーブルを引き回す際に、信号ケーブルの断線を防止することができる。また、トップケースをボトムケースに取り付ける前に、給電端子と弾性端子とを圧接することができる。そして、トップケースをボトムケースに取り付ける前の段階で、給電端子と弾性端子との間の圧接状態を目視で確認することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1乃至図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る車載用アンテナ装置100について説明する。図示の車載用アンテナ装置100は、地上波ディジタル放送の受信に用いられる車載用地上波ディジタルアンテナ装置であって、自動車のフロントガラスやリアウィンドウ等に装着されるフィルムアンテナ装置である。図1は車載用アンテナ装置100の平面図である。図2は車載用アンテナ装置100の分解左側面図である。図3は斜め上方からみた車載用アンテナ装置100の分解斜視図である。図4は斜め下方からみた車載用アンテナ装置100の分解斜視図である。
説明の都合上、図1の状態において、紙面上で前後方向(縦方向)をX軸に取り、紙面上で左右方向(横方向)をY軸に取り、紙面に対し直交する方向(上下方向)をZ軸に取っている。但し、実際には、図示の車載用アンテナ装置100は、自動車の取付対象であるガラス面に貼着されるので、ここでの座標系は実際に自動車に搭載された状態の、車載用アンテナ装置100の座標系ではないことに注意されたい。
図示の車載用アンテナ装置100は、フィルムアンテナ部10と、このフィルムアンテナ部10と信号ケーブル(同軸ケーブル)30とを結合するための結合装置20と、を備えている。
図示の結合装置20は、前後方向Xに長い実質的に直方体の形状をしている。換言すれば、結合装置20は、信号ケーブル30の一端部31が挿入される長手方向に延在した略直方体の形状をしている。結合装置20は、信号ケーブル30の一端部31が挿入される側の第1の端部と、この第1の端部と対向する第2の端部とを持つ。
本例の場合、結合装置20の長手方向は前後方向Xであり、信号ケーブル30の一端部31は前方から結合装置20に挿入されている。従って、本例の場合、第1の端部は前端部に相当し、第2の端部は後端部に相当する。
結合装置20は、トップケース(上ケース)21とボトムケース(下ケース)22とを含む。トップケース21とボトムケース22とによって筐体(ケース)が構成される。図1に示されるように、筐体(21,22)は、左右対称の形状をしている。尚、トップケース21およびボトムケース22の構造については、後で詳細に説明する。
フィルムアンテナ部10は、樹脂フィルム11と、この樹脂フィルム11上に形成されたアンテナ素子(アンテナパターン)12とから構成される。樹脂フィルム11は、結合装置20の筐体(21,22)の中央部から右方向に延在する長尺フィルム部111と、結合装置20の筐体(21,22)の左側に近接して設けられた矩形フィルム部112と、長尺フィルム部111と矩形フィルム部112とを連結する連結フィルム部113とから構成される。
連結フィルム部113は、長尺フィルム部111よりも幅広となっている。連結フィルム部113は、その中央部に、後述するように、結合装置20の筐体内に載置される載置フィルム部114を含む。この載置フィルム部114は、前後方向Xに延在している。載置フィルム部114は、その前端部で左右方向へ突出する一対の係合突出部114aを持つ。この一対の係合突出部114aは、後述するボトムケース22に形成された一対の係合溝に係合される。すなわち、一対の係合突出部114aは、当該一対の係合溝と協働して、フィルムアンテナ部10(樹脂フィルム11の載置フィルム部114)をボトムケース22に位置決めする位置決め手段として作用する。
尚、長尺フィルム部111の下面には粘着層が形成されている。この粘着層は第1の保護シート51で覆われている。第1の保護シート51は樹脂製フィルムである。この第1の保護シート51は第1の舌片部分511を有する。第1の舌片部分511は紙製である。第1の舌片部分511は接着剤で第1の保護シート51の表面に貼り付けられている。従って、人が第1の舌片部分511を把持して第1の保護シート51を長尺フィルム部111の粘着層から剥がすことにより、長尺フィルム部111の粘着層が露出する。この粘着層が露出された長尺フィルム部111をガラス面に貼着することにより、長尺フィルム部111がガラス面上に固着される。
同様に、矩形フィルム部112の下面には粘着層が形成されている。この粘着層は第2の保護シート52で覆われている。第2の保護シート52は樹脂製フィルムである。この第2の保護シート52は第2の舌片部分521を有する。第2の舌片部分521は紙製である。第2の舌片部分521は接着剤で第2の保護シート52の表面に貼り付けられている。従って、人が第2の舌片部分521を把持して第2の保護シート52を矩形フィルム部112の粘着層から剥がすことにより、矩形フィルム部112の粘着層が露出する。この粘着層が露出された矩形フィルム部112をガラス面に貼着することにより、矩形フィルム部112がガラス面上に固着される。
一方、アンテナ素子12は、結合装置20の筐体から右方向へ延在して、長尺フィルム部111上の中央に形成された主放射導体パターン121と、この主放射導体パターン121から離間して主放射導体パターン121を両側から挟むように、長尺フィルム部111上に形成されたU字状の副放射導体パターン122とから構成されている。主放射導体パターン121の一端121aは、連結フィルム部113を介して載置フィルム部114まで延在している。この一端121aには第1の給電端子126が接続されている。換言すれば、第1の給電端子126は載置フィルム部114上に、中央より後方に形成されている。尚、第1の給電端子126は、載置フィルム部114上で露出して形成されているが、主放射導体パターン121と副放射導体パターン122とは、長尺フィルム部111上で保護層によってコーティングされている。
尚、主放射導体パターン121は、第1の給電端子126から直接給電されるので、給電放射導体パターンとも呼ばれる。副放射導体パターン122は、主放射導体パターン121から離間し給電がされないので、無給電放射導体パターンとも呼ばれる。
第1の給電端子126に近接して、載置フィルム部114上の前方に第2の給電素子127が露出して形成されている。矩形フィルム部112上には、接地パターン128が形成されている。接地パターン128と第2の給電端子127とは、連結フィルム部113上に形成された導体パターン129によって電気的に接続されている。
接地パターン128は、グランドシート13と電気的に接続される。図示のグランドシート13は、60mm×70mmの矩形形状をしている。より好ましくは70mm×70mmの矩形形状とする。グランドシート13は、車両の窓枠に電気的に接続され、接地される。
信号ケーブル30は、前後方向Xに延在している。信号ケーブル30の一端部31は、筐体(11,12)に形成された開口部(後述する)を介して筐体(11,12)内に引き入れられている。
筐体(21,22)内には回路基板23が収容保持(収納)されている。回路基板23は、前後方向Xに長い矩形板の形状をしている。回路基板23は、結合装置20の第1の端部側の第1の端と、結合装置20の第2の端部側の第2の端とを持つ。本例の場合、回路基板23は前後方向Xに延在しているので、第1の端は前端に相当し、第2の端は後端に相当する。
回路基板23は、その第1の端(前端)側に、信号ケーブル30の一端部31を収納する収納凹部23aを持つ。回路基板23には低雑音増幅回路25(図5、図6参照)等が搭載されている。この回路基板23に信号ケーブル30の一端部31が電気的に接続されている。詳述すると、信号ケーブル30は、その中央にある中心導体(内部導体)31aと、円筒状の外部導体31bとから構成されている。信号ケーブル30の一端部31は、図2に示されるように、剥ぎ取られており(カットされており)、中心導体31aと外部導体31bとが露出している。回路基板23には、図示はしないが、信号パターンと接地パターンとが形成されている。中心導体31aは半田により信号パターンと電気的に接続され、外部導体31bは半田により接地パターンと電気的に接続されている。
また、図2に示されるように、回路基板23の下面には、第1および第2の弾性端子241、242が機械的、電気的に接続されている。第1の弾性端子241は回路基板23の信号パターンと電気的に接続され、第2の弾性端子242は回路基板23の接地パターンと電気的に接続されている。第1および第2の弾性端子241、242は、後述するように、それぞれ、第1および第2の給電端子126、127と圧接される。
次に、ボトムケース22の構造について詳細に説明する。
ボトムケース22は、矩形状の第1の両面粘着テープ41を介して樹脂フィルム11の載置フィルム部114を載置するための基底部(載置部)221を有する。この基底部221は、実質的に前後方向Xに長い矩形形状をしている。ボトムケース22は、基底部221の前端部(すなわち、結合装置20の第1の端部)に設けられ、信号ケーブル30の一端部31を保持するための下側ケーブル保持部222を有する。この下側ケーブル保持部222は、信号ケーブル30の一端部31を挿通する断面半円形の下側開口部222aを持つ。下側ケーブル保持部222は、下側開口部222aから上方へ突出する下側リブ222bを持つ。この下側リブ222bは、後述するトップケース21に形成されている、上側ケーブル保持部の上側リブと協働して、信号ケーブル30の一端部31を把持するためのものである。これにより、信号ケーブル30を引き回す際に、信号ケーブル30が筐体(21,22)から引抜かれるのを防止している。この結果、信号ケーブル30と回路基板23との間の電気的接続が切断されるのを回避している。
ボトムケース22は、この下側ケーブル保持部222と連続して、下側ケーブル保持部222の後端で(すなわち、結合装置20の第1の端部で)基底部221から立設して、回路基板23の前端(第1の端)を位置決めするため基板前端位置決め突起223を有する。基板前端位置決め突起223は、第1の基板端位置決め突起とも呼ばれる。
この基板前端位置決め突起223は、信号ケーブル30の一端部31を挿通する断面U字形状のケーブル挿通用開口部223aをもつ。基板前端位置決め突起223は、ケーブル挿通用開口部223aの左右両側から内側(すなわち、幅方向内側)へ互いに対向して突出する一対のリブ223bを持つ。この一対のリブ223bによって、信号ケーブル30の一端部31は、基板前端位置決め突起223で圧入された状態で保持される。このため、上記下側リブ223bと同様に、信号ケーブル30を引き回す際に、信号ケーブル30が筐体(21,22)から引抜かれるのを防止している。
また、信号ケーブル30の一端部31が、一対のリブ223bによって圧入されて基板前端位置決め突起223で保持されたとき、回路基板23に接続されている第1および第2の弾性端子241、242は、それぞれ、第1および第2の給電端子126、127と圧接される。したがって、トップケース21をボトムケース22に取り付ける前に、給電端子126、127と弾性端子241、242とを圧接することができる。その結果、トップケース21をボトムケース22に取り付ける前の段階で、給電端子126、127と弾性端子241、242との間の圧接状態を目視で確認することができる。
ボトムケース22は、基底部221の後端(すなわち、結合装置20の第2の端部)で基底部221から立設して、回路基板23の後端(第2の端)を位置決めするため基板後端位置決め突起224を有する。基板後端位置決め突起224は、第2の基板端位置決め突起とも呼ばれる。
基板後端位置決め突起224は、後述するように、回路基板23がボトムケース22上に搭載されるときに、回路基板23の後方上面(第2の端側の上面)を保持するための爪224aを持つ。この爪224aにより、回路基板23をボトムケース22上で容易に位置決めすることを可能にしている。
ボトムケース22は、基底部221の両側端から上方へ立設して、回路基板23をその両端部で保持するための一対の回路基板保持部225を有する。一対の回路基板保持部225は、それらの外壁から上方へ突出する4つの基板側端位置決め突起225aを有する。これら4つの基板側端位置決め突起225aにより、回路基板23の幅方向(左右方向)の位置決めがなされる。
尚、図示の例では、一対の回路基板保持部225は、4つの基板側端位置決め突起225aを持っているが、少なくとも2つの基板側端位置決め突起を持っていれば良い。
一対の回路基板保持部225には、樹脂フィルム11の連結フィルム部113を連通させるための一対のフィルム挿通用開口部225bが形成される。換言すれば、ボトムケース22は、結合装置20の幅方向Yへフィルムアンテナ部10を挿通するための一対のフィルム挿通用開口部225bを持つ。
ボトムケース22の基底部221は、この一対のフィルム挿通用開口部225bで、左右方向(幅方向)Yの両側外方へ突出する一対の突出部221aを持つ。この一対の突出部221aは、基底部221の底面側へ斜めに傾斜した傾斜面を持つ。換言すれば、ボトムケース22の基底部221は、一対のフィルム挿通用開口部225bにおいて左右方向(幅方向)Yの両側で幅広となっている。これにより、後述するように、ボトムケース22を第2の両面粘着テープ42でガラス面上に貼着する際に、第1の両面接着テープ41を介して基底部(載置部)221上に載置されている樹脂フィルム11の連結フィルム部113と、ガラス面との間の形成される隙間をできるだけ無くすことができる。これにより、ガラス面上に貼着(固着)されたフィルムアンテナ部10が、ガラス面から剥がれるのを防止することができる。
一対の回路基板保持部225と基板前端位置決め突起223との間には、上記一対の係合溝225cが形成されている。換言すれば、一対の回路基板保持部225は、載置フィルム部114を位置決めするための一対の係合溝225cを持つ。これら一対の係合溝225cには、樹脂フィルム11の載置フィルム部114が両面粘着テープ41を介して基底部(載置部)221上に載置される際に、載置フィルム部114の上記一対の係合突出部114aが係合される。すなわち、一対の係合突出部114aと一対の係合溝225cとは、フィルムアンテナ部10(樹脂フィルム11の載置フィルム部114)をボトムケース22に位置決めする位置決め手段として働く。
尚、一対の係合溝225cは、当該ボトムケース22を射出成形により成形する際に必然的に形成されるものであるので、それを形成するために金型に対して何等かの処理(工夫)を施す必要はない。したがって、特許文献2に開示されているように、下ケースの内底部に位置決めピンを突設する必要がない。その結果、本実施の形態に係る位置決め手段は、位置決め構造が簡単で、位置決めを容易に行うことができる。
一対の回路基板保持部225は、それらの外壁から外方向へ突出する4つの係合突起225dを持つ。これら4つの係合突起225dは、当該ボトムケース22にトップケース21を取り付ける際に、トップケース21の内壁に形成される4つの係合凹部(後述する)と係合する。これにより、トップケース21がボトムケース22から外れるのを防止している。
尚、図示の例では、一対の回路基板保持部225は、4つの係合突起225dを持っているが、少なくとも2つの係合突起225dを持っていれば良い。
次に、トップケース21の構造について説明する。
トップケース21は、断面U字型の形状をしている。すなわち、トップケース21は、天板部211と、左右両側の一対の側板部212と、前板部213と、後板部214とから構成される。一対の側板部212は、天板部211の両側端から下方へ延在している。
前板部213は、ボトムケース21の下側ケーブル保持部222を収容する開口部213aを持つ。そして、前板部213は、下側ケーブル保持部222と対向する位置に上側ケーブル保持部215を持つ。換言すれば、トップケース21は、結合装置20の第1の端部(前端部)で、下側ケーブル保持部222と対向する位置に、上側ケーブル保持部215を持つ。上側ケーブル保持部215は、信号ケーブル30の一端部31を保持するためのものである。上側ケーブル保持部215は、信号ケーブル30の一端部31を挿通する断面半円形の上側開口部215aを持つ。上側ケーブル保持部215の上側開口部215aと下側ケーブル保持部222の下側開口部222aとの組合せは、信号ケーブル30の一端部31を挿通するための開口部として働く。
また、上側ケーブル保持部215は、上側開口部215aから下方へ突出する上側リブ215bを持つ。したがって、トップケース21をボトムケース22に取り付けると、信号ケーブル30の一端部31は、上側ケーブル保持部215に形成された上側リブ215bと上記下側ケーブル保持部222に形成された下側リブ222bとによって、上下から把持される。これにより、信号ケーブル30を引き回す際に、信号ケーブル30が筐体(21,22)から引抜かれるのを防止している。この結果、信号ケーブル30と回路基板23との間の電気的接続が切断されるのを回避している。
一方、一対の側板部212は、ボトムケース22の上記一対のフィルム挿通用開口部225bと対応する位置に一対の凹部212aを持つ。これら一対の凹部212aは、樹脂フィルム11(フィルムアンテナ部10)の一対のフィルム出し口として働く。また、一対の側板部212の各々は、フィルム出し口212aの前後方向の両端から下方へ突出する一対の凸部212bを持つ。これら凸部212bは、樹脂フィルム11の連結フィルム部113の端部を押さえて、樹脂フィルム11を固定するためのものである。すなわち、凸部212bはフィルム押え部として働く。これら凸部(フィルム押え部)212bは、樹脂フィルム11に形成されたアンテナ素子12と接触しない位置に設けられている。したがって、トップケース21をボトムケース22に取り付けても、トップケース21がアンテナ素子12に接触せずに、樹脂フィルム11を固定することができる。その結果、アンテナ素子12(主放射導体パターン121、導体パターン129)の断線を防止することができる。
また、一対の側板部212は、その内壁に上記4つの係合凹部212cを持つ。ボトムケース22にトップケース21を取り付ける際、上記4つの係合突起225dと4つの係合凹部212cとが係合する。これにより、トップケース21がボトムケース22から外れるのを防止している。
尚、一対の側板部212は4つの係合凹部212cを持っているが、少なくとも2つの係合凹部212cを持っていれば良い。
次に、図1乃至図4に加えて図5乃至図7をも参照して、車載用アンテナ装置100を組立てる工程について説明する。図5は、車載用アンテナ装置100からトップケース21と両面テープ42とグランドシート13とを除いた、車載用アンテナ装置100の組立て途中の段階を示す斜視図である。換言すれば、図5は、ボトムケース22上に第1の両面粘着テープ41を介して信号ケーブル30が接続された回路基板23を載置した状態(組立て体)を示す斜視図である。図6は図5に示した組立て体の平面図である。図7は図6の線VII−VII線についての断面図である。
先ず、ボトムケース22の基底部(載置部)221上に第1の両面粘着テープ41を貼着する。引き続いて、載置フィルム部113の一対の係合突出部114aをボトムケース22の一対の係合溝225cと係合させた状態で、この第1の両面粘着テープ41上にフィルムアンテナ部10の載置フィルム部114を載置する。これにより、フィルムアンテナ部10がボトムケース22に位置決めされた状態で、フィルムアンテナ部10は第1の両面粘着テープ41を介してボトムケース22の基底部(載置部)221上に貼着される。
次に、信号ケーブル30が接続された回路基板23を、ボトムケース22上に搭載する。この場合、回路基板23の第2の端(後端)は、基板後端位置決め突起224で位置決めされ、基板後端位置決め突起224の爪224aで回路基板23の後方上面が押さえつけられる。また、回路基板23の両側端は、4つの基板側端位置決め突起225aで位置決めされた状態で、一対の回路基板保持部225上で保持される。さらに、回路基板23の前端(第1の端)は、基板前端位置決め突起223で位置決めされる。一方、信号ケーブル30の一端部31は、基板前端位置決め突起223に形成された一対のリブ223bに圧入された状態で、基板前端位置決め突起223に保持される。これにより、信号ケーブル30を引き回す際に、信号ケーブル30が筐体(21,22)から引抜かれるのを防止している。
このようにして、回路基板23をボトムケース22上に搭載すると、回路基板23に機械的、電気的に接続された第1および第2の弾性端子241、242は、それぞれ、載置フィルム部114上に形成された第1及び第2の給電端子126、127に圧接される。すなわち、トップケース21をボトムケース22に取り付ける前に、第1及び第2の給電端子126、127と第1および第2の弾性端子241、242とを圧接させることができる。その結果、トップケース21をボトムケース22に取り付ける前の段階で、第1及び第2の給電端子126、127と第1および第2の弾性端子241、242との間の圧接状態を目視で確認することができる。
このようして、図5乃至図6に図示したような組立て体が組み立てられる。
次に、トップケース21をボトムケース22に取り付ける。この場合、トップケース21の一対の側板部213の内壁に形成された4つの係合凹部212cが、ボトムケース22に形成された4つの係合突起225dと係合する。これにより、トップケース21がボトムケース22から外れるのを防止することができる。
また、トップケース21をボトムケース22に取り付ける際、トップケース21の上側ケーブル保持部215に形成された上側リブ215bとボトムケース22の下側ケーブル保持部222に形成された下側リブ222bとによって、信号ケーブル30の一端部31が上下から把持される。これにより、信号ケーブルを引き回す際、信号ケーブル30が筐体(21,22)から引抜かれるのを防止している。この結果、信号ケーブル30と回路基板23との間の電気的接続が切断されるのが回避される。
さらに、トップケース21をボトムケース22に取り付けると、フィルムアンテナ部10は筐体(21,22)の一対のフィルム出し口(凹部)212aから引き出された状態となる。このとき、一対のフィルム出し口(凹部)212aに形成された4つの凸部(フィルム押え部)212bがフィルムアンテナ部10の連結フィルム部113を押さえて、フィルムアンテナ部10(樹脂フィルム11)をボトムケース22上に固定する。これら凸部212bは樹脂フィルム11に形成されたアンテナ素子12の接触しない位置に設けられているので、アンテナ素子12(主放射導体パターン121、導体パターン129)の断線を防止することができる。
そして、ボトムケース22の底面に第2の両面粘着テープ42を付設すると共に、第1の保護シート51を長尺フィルム部111の粘着層から剥がし、第2の保護シート52を矩形フィルム部112の粘着層から剥がす。これにより、第2の両面粘着テープ42によって筐体(21,22)をガラス面の所望位置に貼着し、フィルムアンテナ部10も同時にガラス面に貼着することができる。この際、フィルムアンテナ部10の連結フィルム部114が、ボトムケース22の一対の突出部221aに沿うように、フィルムアンテナ部10をガラス面上に貼着することができる。換言すれば、連結フィルム部114とガラス面との間に形成される隙間をできるだけ無くすことができる。この結果、ガラス面上に貼着されるフィルムアンテナ部10がガラス面から剥がれるのを防止することができる。
図8は、図1に示した車載用アンテナ装置100を4個、ガラス面60上に貼着した状態を示す平面図である。結合装置20のセンター(中央部)よりフィルムアンテナ部10が延出するため、4個の車載用アンテナ装置100をガラス面60上に貼着したときの左右の取付け位置のバランスが良いのが分かる。
また、前述したように、結合装置20(筐体(21,22))は、実質的に左右対称の形状をしている。したがって、フィルムアンテナ部10として、図1乃至図8に図示したものと左右逆にしたものも使用することも可能である。ここでは、フィルムアンテナ部10の構造を左右逆したフィルムアンテナ部を10Aの参照符号で表すことにする。そして、左右逆のフィルムアンテナ部10Aを備えた車載用アンテナ装置を100Aの参照符号で表すことにする。すなわち、車載用アンテナ装置100Aは車載用アンテナ装置100に対して左右逆の構造を有する。
図9は、図1に示した車載用アンテナ装置100を2個、それと左右逆の車載用アンテナ装置100Aを2個、ガラス面60上に貼着した状態を示す平面図である。図9に示されるように、フィルムアンテナ部10、10Aの向きを左向き、右向きに分けることができる。
以上、本発明について好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定しないのは勿論である。例えば、上述した実施の形態では、フィルム出し口が一対の側板部の両方に形成されているが、フィルム出し口は一対の側板部の片方にのみ形成されてもよい。
本発明の一実施の形態に係る車載用アンテナ装置の平面図である。 図1に図示した車載用アンテナ装置の分解左側面図である。 図1に図示した車載用アンテナ装置を斜め上方からみた分解斜視図である。 図1に図示した車載用アンテナ装置を斜め下方からみた分解斜視図である。 ボトムケース上に両面粘着テープを介して信号ケーブルが接続された回路基板を載置した状態(組立て体)を示す斜視図である。 図5に示した組立て体の平面図である。 図6の線VII−VII線についての断面図である。 図1に示した車載用アンテナ装置を4個、ガラス面上に貼着した状態を示す平面図である。 図1に示した車載用アンテナ装置を2個、それと左右逆の車載用アンテナ装置を2個、ガラス面上に貼着した状態を示す平面図である。
符号の説明
100、100A 車載用アンテナ装置
10、10A フィルムアンテナ部
11 樹脂フィルム
111 長尺フィルム部
112 矩形フィルム部
113 連結フィルム部
114 載置フィルム部
114a 係合突出部
12 アンテナ素子(アンテナパターン)
121 主放射導体パターン(給電放射導体パターン)
121a 一端
122 副放射導体パターン(無給電放射導体パターン)
126 第1の給電端子
127 第2の給電端子
128 接地パターン
129 導体パターン
13 グランドシート
20 結合装置
21 トップケース(上ケース)
211 天板部
212 側板部
212a 凹部(フィルム出し口)
212b 凸部(フィルム押え部)
212c 係合凹部
213 前板部
213a 開口部
214 後板部
215 上側ケーブル保持部
215a 上側開口部
215b 上側リブ
22 ボトムケース(下ケース)
221 基底部(載置部)
221a 突出部
222 下側ケーブル保持部
222a 下側開口部
222b 下側リブ
223 基板前端位置決め突起(第1の基板端位置決め突起)
223a ケーブル挿通用開口部
223b リブ
224 基板後端位置決め突起
224a 爪
225 回路基板保持部
225a 基板側端位置決め突起
225b フィルム挿通用開口部
225c 係合溝
225d 係合突起
23 回路基板
23a 収納凹部
241 第1の弾性端子
242 第2の弾性端子
25 低雑音増幅回路
30 信号ケーブル(同軸ケーブル)
31 一端部
31a 中心導体(内部導体)
31b 外部導体
41 第1の両面粘着テープ
42 第2の両面粘着テープ
51 第1の保護シート
511 第1の舌片部分
52 第2の保護シート
521 第2の舌片部分
60 ガラス面

Claims (10)

  1. フィルムアンテナ部と、該フィルムアンテナ部と信号ケーブルとを結合する結合装置とを備えた車載用アンテナ装置であって、
    前記フィルムアンテナ部は、樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに形成されたアンテナ素子とから構成され、前記樹脂フィルムは、前記結合装置内に載置される載置フィルム部を含み、前記アンテナ素子は、前記載置フィルム部上に露出して形成された給電端子を含み、
    前記結合装置は、前記信号ケーブルの一端部が挿入される長手方向に延在した略直方体の形状をしており、前記結合装置は、前記信号ケーブルの一端部が挿入される側の第1の端部と、該第1の端部と対向する第2の端部とを持ち、前記結合装置は、トップケースとボトムケースとから成る筐体と、該筐体内に収納され、前記信号ケーブルの一端部と接続された回路基板と、該回路基板に電気的かつ機械的に接続された弾性端子とを有し、前記回路基板は、前記第1の端部側の第1の端と、前記第2の端部側の第2の端とを持ち、
    前記ボトムケースは、前記載置フィルム部を載置する基底部と、前記第1の端部で前記基底部から立設し、前記回路基板の前記第1の端を位置決めする第1の基板端位置決め突起とを含み、
    前記第1の基板端位置決め突起は、前記信号ケーブルの一端部を挿通する断面U字形状のケーブル挿通用開口部と、該ケーブル挿通用開口部から幅方向内側へ互いに対向して突出する一対のリブとを有し、
    前記第1の基板端位置決め突起は、前記一対のリブによって、前記前記弾性端子を前記弾性端子を前記給電端子に圧接させた状態で、前記信号ケーブルの一端部を圧入し保持することを特徴とする車載用アンテナ装置。
  2. 前記ボトムケースは、前記基底部の両側端から立設して、前記回路基板をその両側端部で保持する一対の回路基板保持部を有し、
    該一対の回路基板保持部は、前記載置フィルム部を位置決めするための一対の係合溝を持ち、
    前記載置フィルム部は、その一端で幅方向外側へ突出して、前記一対の係合溝と係合する一対の係合突出部を持つ、
    請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
  3. 前記ボトムケースは、前記結合装置の幅方向外側へ前記フィルムアンテナ部を挿通するためのフィルム挿通用開口部を持ち、
    前記基底部は、前記フィルム挿通用開口部で幅方向へ突出する突出部を有する、
    請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
  4. 前記樹脂フィルムは、前記載置フィルム部から前記フィルム挿通用開口部を介して前記結合装置の幅方向へ延在する長尺フィルム部を有し、
    前記アンテナ素子は、前記給電端子から延在して、前記長尺フィルム部に形成された放射導体パターンを有し、
    前記トップケースは、天板部と、該天板部の両側端から下方へ延在する一対の側板部とを有し、
    前記一対の側板部の少なくとも一方は、前記フィルム挿通用開口部で前記フィルムアンテナ部を前記結合装置から外部へ引き出すためのフィルム出し口と、該フィルム出し口の両端で前記フィルムアンテナ部を押さえるための一対のフィルム押え部とを有し、
    前記一対のフィルム押え部は、前記放射導体パターンと接触しない位置に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の車載用アンテナ装置。
  5. 前記長尺フィルム部は前記結合装置の中央部から延在している、請求項4に記載の車載用アンテナ装置。
  6. 前記フィルム出し口は、前記一対の側板部の両方に形成されている、請求項4又は5に記載の車載用アンテナ装置。
  7. 前記一対の回路基板保持部は、その外壁から上方へ突出して、前記回路基板の幅方向の位置決めをする、少なくとも2つの基板側端位置決め突起を持つ、
    請求項2乃至6のいずれか1つに記載の車載用アンテナ装置。
  8. 前記一対の回路基板保持部は、その外壁から外方へ突出する、少なくとも2つの係合突起を持ち、
    前記トップケースの前記一対の側板部は、その内壁に前記少なくとも2つの係合突起と係合する、少なくとも2つの係合凹部を持つ、
    請求項4乃至7のいずれ1つに記載の車載用アンテナ装置。
  9. 前記ボトムケースは、前記第2の端部で前記基底部から立設し、前記回路基板の前記第2の端を位置決めするための第2の基板端位置決め突起をさらに有し、
    該第2の基板端位置決め突起は、前記回路基板の前記第2の端側の上面を保持するための爪を持つ、
    請求項1乃至8のいずれか1つに記載の車載用アンテナ装置。
  10. 前記ボトムケースは、前記第1の端部で、前記信号ケーブルの一端部を保持するための下側ケーブル保持部を有し、該下側ケーブル保持部は前記信号ケーブルの一端部を挿通する断面半円形の下側開口部と、該下側開口部から上方へ突出する下側リブとを持ち、
    前記トップケースは、前記第1の端部で、前記下側ケーブル保持部と対向する位置に、前記信号ケーブルの一端部を保持するための上側ケーブル保持部を有し、該上側ケーブル保持部は前記信号ケーブルの一端部を挿通する断面半円形の上側開口部と、該上側開口部から下方へ突出する上側リブとを持ち、
    前記トップケースを前記ボトムケースに取り付けたときに、前記信号ケーブルの一端部が前記上側リブと前記下側リブとによって上下から把持されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の車載用アンテナ装置。
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