JP4367529B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の運転状態に応じて点火栓(点火プラグ)の点火時期を制御する点火時期制御装置に関する。
内燃機関(以下、「エンジン」ともいう。)では、燃焼によって得られる出力を最大限効率よく得ようとするために、また、排気ガス浄化性能や燃費性能を良好とするために点火時期制御が行われる。ここで、燃焼によって発生されたエネルギーを最も効率よく出力として得るには、燃焼室内部の圧力ピークが圧縮上死点よりもやや遅れたところで発生することが好ましいことが知られている。このため、圧縮上死点よりもやや遅れたところで圧力ピークが発生するように点火時期が決定されるが、点火時期が早すぎると(進角されすぎると)ノッキングが生じてしまう。
点火時期制御装置の一例として、次のようなKCS(Knock Control System)制御を行うものが知られている。この制御では、ノックセンサによってノッキングの発生状況を検出し、その検出結果に応じて点火時期を調整するフィードバック補正(フィードバック制御)を行いつつ、そのフィードバック補正の応答性を高めるべく、フィードバック補正による点火時期の変化度合いを学習値として記憶保持する学習制御を行っている(例えば、特許文献1,2参照)。この点火時期制御装置によれば、エンジンの最終点火時期は、例えば、下記の式(3)や式(4)などに基づいて算出される(例えば図4参照)。
特許文献1の点火時期制御装置では、学習制御によって学習されたあるエンジン運転状態における学習値(KCS学習値)を、他のエンジン運転状態における点火時期の制御にも反映させるようにしている。例えば最遅角点火時期の設定ラインに対して平行に点火時期(推定ノック発生点火時期)のラインを設定して、そのライン上の点火時期で点火を行う。この場合、推定ノック発生点火時期のラインは、最遅角点火時期のラインに対して平行に、反映させる学習値の分だけ進角させたラインになっている。そして、その後のノッキングの発生状況によって点火時期をフィードバック補正したフィードバック補正値に基づいて最終点火時期を設定するようにしている(例えば図4参照)。また、その結果、そのエンジン運転状態における点火時期を学習させ、学習値を更新する。こうして学習された学習値を他のエンジン運転状態における点火時期の制御にもさらに反映させる。
特開2002−031024号公報 特開2005−147112号公報
ところで、上述したような点火時期制御装置では、最遅角点火時期に対し学習制御による学習値を反映させて設定される推定ノック発生点火時期を正確に予測して設定することがノッキングの発生を抑制する上で重要である。すなわち、推定ノック発生点火時期を正確に予測できなければ、ノッキングの解消までに時間を要し、継続的に多数回のノッキングが発生してしまう可能性があり、ノッキング音が車室内に伝達されてしまって乗員に違和感を与えたり、エンジンに悪影響を与えたりする可能性がある。
しかし、個々のエンジンについて、推定ノック発生点火時期を正確に予測することは、市場での多様な運転環境や個体差などを考えると困難である。それに加え、エンジンの運転条件によっても、推定ノック発生点火時期を正確に予測することが困難な場合がある。このような場合に、上述した学習制御による学習値をそのまま反映させると、予測される推定ノック発生点火時期に大きなバラツキが発生してしまうことになる。したがって、上述した学習制御による学習値をそのまま適用することが難しいエンジンの運転条件が存在する。
そのようなエンジンの運転条件の一例として、例えば、運転者によりアクセルペダルが操作されることなどによって、エンジン運転状態が軽負荷の領域に入った場合が挙げられる。軽負荷の領域では、運転環境やエンジンの個体差などによる点火時期の感度が高く、点火時期が変動しやすいので、正確な推定ノック発生点火時期の予測が難しくなる。
また、上記エンジンの運転条件の一例として、例えば、未燃燃料やブローバイガス、潤滑油等に由来するデポジットのエンジンへの付着度合いが大きくなった場合が挙げられる。デポジットは、エンジンの使用に応じ、吸気ポートや吸気バルブ、ピストンなどに次第に付着する。そして、デポジットの付着度合いが増大すると、実質的な燃焼室の容積が減少して燃焼時の筒内圧力が増大すること等に起因してノッキングが発生しやすくなる。特許文献2には、点火時期制御において、デポジットの付着による影響度合いを考慮した比率学習を行うことが示されている。しかし、デポジットによる影響はエンジン運転状態が軽負荷であるほど顕著に現れるため、そのような軽負荷の領域では比率学習を行ったとしても、正確な推定ノック発生点火時期の予測が難しくなる。
また、上述のように、推定ノック発生点火時期を正確に予測できない場合、ノック判定にも悪影響を与える可能性がある。すなわち、徐々に発生するノッキングに対してはそのノック判定を正確に行うことができる。しかし、推定ノック発生点火時期を正確に予測できないために、エンジンの運転条件が変化して、突然、予期しない大レベルのノッキング(過大ノック)が発生する場合があり、この場合にはノック判定を正確に行えなくなる可能性がある。
ノック判定は、例えば、図11に示すように、ノックセンサ出力(図11では1点鎖線で示す)のピークホールド値を、正規分布と想定した気筒のバックグラウンド信号(図11では2点鎖線で示す)と比較することによって行う場合、ノック判定レベル(図11ではTh1)以上において、ノックセンサ出力とバックグラウンド信号との差が所定の判定値以上であればノッキングが発生したと判定する。しかし、この場合、上述のような予期しない過大ノックの発生などにより、バックグラウンド信号が大きな状態になると(図11では実線で示すライン)、これにともなってノック判定レベルも大きくなる(図11ではTh2)。ノック判定レベルが大きくなると、実際にはノッキングが発生しているにもかかわらず、ノッキングが発生したとは判定されなくなる場合がある。その結果、点火時期を適切に遅角させることができなくなり、ノッキングが発生した状態が継続してしまう可能性がある。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、内燃機関の運転状態が、最遅角点火時期に対し学習制御による学習値を反映させて設定される推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な領域に入ったとしても、ノッキングの発生頻度を抑制可能であるような内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、内燃機関の点火時期制御装置であって、点火時期の学習制御によって学習された内燃機関のある運転状態における点火時期の学習値を、内燃機関の他の運転状態における点火時期の制御にも反映させるように構成され、内燃機関の運転状態に基づく最遅角点火時期に対し前記学習値を反映させて設定された推定ノック発生点火時期で点火を行って、その後のノッキングの発生状況に応じて補正量を増減するフィードバック補正に基づいて最終点火時期を設定するように構成されている。
そして、内燃機関の運転状態が、前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域に入った場合には、前記補正量を所定量だけ遅角側へシフトさせ、その遅角側へシフトさせた補正量を、前記学習値とともに、前記推定ノック発生点火時期の設定に反映させるようになっており、前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域は、前記内燃機関の軽負荷領域であることを特徴としている。この場合、前記補正量の遅角側へのシフト量を、前記ノッキングの発生状況に応じて増減される補正量の遅角側への変更量に比べ大きく設定することが好ましい。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態が、推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な軽負荷領域に入ったとしても、ノッキングの発生状況に応じて増減されるフィードバック補正の補正量を所定量だけ遅角側へシフトさせて、点火時期(推定ノック発生点火時期)に反映させている。つまり、その領域に入った場合、学習制御による学習値をそのまま適用するのではなく、この学習値とともに所定量だけ遅角側へシフトさせた補正量を推定ノック発生点火時期の設定に反映させている。これにともなって、その推定ノック発生点火時期がその補正量のシフト量の分だけ遅角側に設定されるようになる。これにより、ノッキングが発生したとしても、フィードバック補正によって最終点火時期を迅速に遅角させることが可能になる。したがって、ノッキングの解消までに要する時間が短時間で済み、ノッキングの発生頻度を抑制できる。
また、内燃機関の運転状態が、推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な軽負荷領域に入ったとしても、予期しない大レベルのノッキング(過大ノック)が発生することを抑制できる。例えば、実際にはノッキングが発生しているにもかかわらずノッキングが発生したとは判定されなくなることいったような、ノック判定への悪影響を抑制できる。このように、ノック判定を正確に行うことができるようになるので、フィードバック補正によって最終点火時期を適切に遅角させることができ、ノッキングの解消を確実に行うことができる。
ここで、内燃機関の軽負荷領域において、上述のような点火時期の制御を行うのは、内燃機関の軽負荷領域では、運転環境や内燃機関の個体差などによる点火時期の感度が高く、点火時期が変動しやすいので、正確な推定ノック発生点火時期の予測が難しくなるからである。
本発明において、前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域を、前記内燃機関の軽負荷領域のうち、前記内燃機関へのデポジットの付着が全く無い場合の最遅角点火時期とデポジットの付着が想定される最大量となった場合の最遅角点火時期との偏差が所定値以上の領域とすることが好ましい。ここでは、デポジットの付着度合いを考慮したときの推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域を特定している。このように特定する理由は、デポジットの付着度合いが増大すると、実質的な燃焼室の容積が減少して燃焼時の筒内圧力が増大すること等に起因してノッキングが発生しやすくなる。このようなデポジットによる影響は内燃機関の運転状態が軽負荷であるほど顕著に現れるため、そのような軽負荷の領域では、正確な推定ノック発生点火時期の予測が難しくなるからである。
本発明によれば、内燃機関の運転状態が、最遅角点火時期に対し学習制御による学習値を反映させて設定される推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な領域に入ったとしても、ノッキングの解消までに要する時間が短時間で済み、ノッキングの発生頻度を抑制することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下では、本発明に係る点火時期制御装置を自動車用V型6気筒エンジンに適用した場合について説明する。なお、本発明は、自動車用V型6気筒エンジンに限らず、種々のエンジンに対して適用可能である。
−エンジン全体構成−
図1は、実施形態に係るV型エンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。図2は、このV型エンジンE、吸排気系および制御系の概略を示すシステム構成図である。
図1、図2に例示するV型エンジン(以下、単に「エンジン」という)Eは、シリンダブロック1の上部にV型に突出した一対のバンク2L,2Rを有している。各バンク2L,2Rは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3L,3Rと、その上端に取り付けられたヘッドカバー4L,4Rとをそれぞれ備えている。シリンダブロック1には、複数のシリンダ5L,5R,…(例えば、各バンク2L,2Rに3つずつ)が所定の挟み角(例えば90°)をもって配設されており、これらシリンダ5L,5R,…の内部にピストン51L,51R,…が往復移動可能に収容されている。各ピストン51L,51R,…はコネクティングロッド52L,52R,…を介してクランクシャフトCに動力伝達可能に連結されている。さらに、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6のさらに下側にはオイル溜まり部となるオイルパン62が配設されている。
シリンダヘッド3L,3Rには、吸気ポート31L,31Rを開閉するための吸気バルブ32L,32Rおよび排気ポート33L,33Rを開閉するための排気バルブ34L,34Rがそれぞれ組み付けられている。そして、シリンダヘッド3L,3Rとヘッドカバー4L,4Rとの間に形成されているカム室41L,41Rに配置されたカムシャフト35L,35R,36L,36Rの回転によって各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作が行われるようになっている。
シリンダヘッド3L,3Rは、分割構造となっている。詳しくは、シリンダブロック1の上面に取り付けられるシリンダヘッド本体37L,37Rと、このシリンダヘッド本体37L,37Rの上側に組み付けられるカムシャフトハウジング38L,38Rとによりシリンダヘッド3L,3Rが構成されている。
一方、各バンク2L,2Rの内側(バンク間側)の上部には各バンク2L,2Rに対応する吸気マニホールド7L,7Rが配設されており、各吸気マニホールド7L,7Rの下流端が各吸気ポート31L,31R,…に連通している。また、吸気マニホールド7L,7Rは、各バンク共通のサージタンク71(図2参照)およびスロットルバルブ72を備えた吸気管73に連通されており、この吸気管73の上流側にはエアクリーナ74が設けられている。これにより、エアクリーナ74から吸気管73内に導入された空気は、サージタンク71を通じて各吸気マニホールド7L,7Rに導入される。
シリンダヘッド3L,3Rの吸気ポート31L,31Rにはインジェクタ75L,75Rがそれぞれ設けられており、インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時にあっては、吸気マニホールド7L,7R内に導入された空気と、このインジェクタ75L,75Rから噴射された燃料とが混合されて混合気となり、吸気バルブ32L,32Rの開弁にともなって燃焼室76L,76Rへ導入されることになる。
燃焼室76L,76Rの頂部には点火プラグ77L,77Rが配設されている。燃焼室76L,76Rにおいて、点火プラグ77L,77Rの点火にともなう混合気の燃焼圧力はピストン51L,51Rに伝えられ、ピストン51L,51Rを往復運動させる。ピストン51L,51Rの往復運動は、コネクティングロッド52L,52Rを介してクランクシャフトCに伝えられ、回転運動に変換されてエンジンEの出力として取り出されることになる。また、各カムシャフト35L,35R,36L,36Rは、クランクシャフトCから取り出される動力がタイミングチェーンによって伝達されて回転駆動され、この回転によって上記各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作を行わせる。
そして、燃焼後の混合気は排気ガスとなり、排気バルブ34L,34Rの開弁にともない排気マニホールド8L,8Rに排出される。排気マニホールド8L,8Rには排気管81L,81Rがそれぞれ接続され、さらに、排気管81L,81Rには三元触媒等を内蔵した触媒コンバータ82L,82Rが取り付けられている。触媒コンバータ82L,82Rを排気ガスが通過することにより、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、および、酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。また、排気管81L,81Rの下流端側は合流されてマフラ83に接続されている。
−制御ブロックの説明−
以上のエンジンEの運転状態はエンジンECU(Electronic Control Unit)9によって制御される。このエンジンECU9は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、バックアップRAM94などを備えている。
ROM92は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU91は、ROM92に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。RAM93は、CPU91での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM94は、エンジンEの停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらROM92、CPU91、RAM93およびバックアップRAM94は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路95および外部出力回路96と接続されている。
外部入力回路95には、水温センサ101、エアフローメータ102、吸気温センサ103、O2センサ104、スロットルポジションセンサ105、クランク角センサ106、カム角センサ107、ノックセンサ108、吸気圧センサ109、アクセル開度センサ110などが接続されている。一方、外部出力回路96には、インジェクタ75L,75R、イグナイタ111、スロットルバルブ72を駆動するスロットルモータ72aなどが接続されている。
水温センサ101は、シリンダブロック1に形成されているウォータジャケット11内を流れる冷却水の温度を検出し、その冷却水温信号をエンジンECU9に送信する。エアフローメータ102は、吸入空気量を検出し、その吸入空気量信号をエンジンECU9に送信する。吸気温センサ103は、上記エアクリーナ74の下流側に配設され、吸入空気温度を検出して、その吸入空気温度信号をエンジンECU9に送信する。O2センサ104は、各触媒コンバータ82L,82Rの下流側に配設され、排気ガス中の酸素濃度を検知するものであり、排気中の空燃比が理論空燃比にあるか否かを判定しその判定信号をエンジンECU9に送信する。スロットルポジションセンサ105は、スロットルバルブ72の開度を検出するものであって、そのスロットル開度信号をエンジンECU9に送信する。
クランク角センサ106は、クランクシャフトCの近傍に配設されており、クランクシャフトCの回転角(クランク角CA)および回転速度(エンジン回転速度ene)を検出するものである。具体的に、このクランク角センサ106は、所定のクランク角(例えば30°)ごとにパルス信号を出力する。このクランク角センサ106によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフトCと回転一体のロータ(NEロータ)106aの外周面の30°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成るクランク角センサ106を配置する。そして、クランクシャフトCの回転にともなって外歯がクランク角センサ106の近傍を通過した際に、このクランク角センサ106が出力パルスを発生するようになっている。なお、このNEロータ106aとしては、外周面に形成される外歯が10°おきに形成されたものが適用される場合もある。この場合、エンジンECU9内で分周して30°CAごとの出力パルスを発生する。
カム角センサ107は、吸気カムシャフト35L,35Rの近傍に配設されており、例えば、第1番気筒の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力することにより気筒判別センサとして使用される。つまり、このカム角センサ107は、吸気カムシャフト35L,35Rの1回転ごとにパルス信号を出力する。このカム角センサ107によるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト35L,35Rと回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成るカム角センサ107を配置し、吸気カムシャフト35L,35Rの回転にともなって外歯がカム角センサ107の近傍を通過した際に、このカム角センサ107が出力パルスを発生するようになっている。このロータはクランクシャフトCの2分の1の回転速度で回転するため、クランクシャフトCが720°回転するごとに出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば、第1番気筒が圧縮上死点に達した時点)となるごとに出力パルスを発生する構成である。
ノックセンサ108は、各バンク2L,2Rそれぞれに配設され、シリンダブロック1に伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサであり、シリンダブロック1の振動の大きさに応じた出力信号をエンジンECU9に送信する。吸気圧センサ109は、サージタンク71に取り付けられており、吸気管73内の圧力(吸気管内圧力)を検出し、その吸気圧信号をエンジンECU9に送信する。アクセル開度センサ110は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた検出信号を出力するものであり、単位時間あたりのアクセル開度の変化量を認識することによってアクセルの操作速度を認識できるようになっている。
そして、エンジンECU9は、上記各種センサ101〜110の出力信号に基づいて、イグナイタ111、インジェクタ75L,75R、スロットルモータ72a等の各部を制御することにより、後述する点火時期制御を含むエンジンEの各種制御を実行する。
その一例として、エンジンEのイグナイタ111,111による点火プラグ77L,77Rの点火時期制御(KCS制御)としては、ノックセンサ108,108によって検出されるノッキングの発生状況に応じて点火時期を調整して、ノッキングの発生を抑制する制御が行われる。エンジンEにおける点火時期制御の詳細については後述する。また、エンジンEのインジェクタ75L,75Rの燃料噴射の制御としては、エンジン負荷やエンジン回転速度等に基づいて目標空燃比を算出し、エアフローメータ102によって検出された吸入空気量に基づき、上記目標空燃比が得られるように燃料噴射量の制御(インジェクタ75L,75Rの開弁時間の制御)が行われる。また、エンジンEのスロットルモータ72aの駆動制御としては、運転者により操作されるアクセルペダルの開度等に基づき、要求されたエンジン出力を得るための吸入空気量となるスロットルバルブ72の開度が得られるようにスロットルモータ72aの駆動量が制御される。
−点火時期制御の基本制御−
次に、この実施形態の点火時期制御の基本制御の動作について説明する。エンジンEにおける点火時期制御動作は、点火時期の制御指令値である最終点火時期eaopを設定することによって行われる。なお、以下では、点火時期を、点火対象となる気筒の圧縮上死点に対するクランク角の進角量[°CA]として表すようにしている。また、ここでは、エンジンEの使用に応じ、吸気ポート吸気ポート31L,31Rや吸気バルブ32L,32R、ピストン51L,51Rなどに次第に付着するデポジットによる影響を考慮しない場合について説明する。エンジンEに付着するデポジットによる影響を考慮した場合については後述する。
点火時期制御動作の基本的な動作としては、上記背景技術で述べた動作と同様であり、例えば、上記特許文献1,2などの場合と同様の動作が行われる。すなわち、制御主体であるエンジンECU9が、ノックセンサ108,108によってノッキングの発生状況を検出し、その検出結果に応じて点火時期を調整するフィードバック補正(フィードバック制御)動作、および、そのフィードバック補正動作の応答性を高めるべく、こうしたフィードバック補正動作による点火時期の変化度合いを学習値として記憶保持する学習制御動作を行っている。
具体的に、次のような動作が行われる。以下の動作は、エンジンEの運転開始後、点火時期制御動作を行う期間内(KCS領域内)にある場合には、一定周期ごと(例えば64msecごと)に繰り返される。
まず、エンジンECU9は、最終点火時期eaopの設定を行うにあたって、基本点火時期eabseおよび遅角側の限界値である最遅角点火時期eakmfを算出する。そして、それらに基づき、基本点火時期eabseに対する最終点火時期eaopの最大遅角量eakmaxを算出する。基本点火時期eabseとしては、例えば、ノッキング等による影響を考慮せずに、エンジンEの出力トルクが最大となるような点火時期(MBT(Minimum spark advance for Best Torque)と呼ばれる。)に設定することが可能である。最遅角点火時期eakmfとしては、想定される最悪の条件下でも、十分にノッキングを許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期に設定することが可能である。
この場合、エンジンECU9は、クランク角センサ106およびエアフローメータ102の出力信号に基づいてエンジン回転速度eneおよび吸入空気量egaを読み込むとともに、エンジン負荷eklsm(=ega/ene)を算出する。そして、エンジンECU9は、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmに基づいて基本点火時期eabseおよび最遅角点火時期eakmfを算出する。ここで、エンジンECU9のROM92には、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmと基本点火時期eabseとの関係、ならびに、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmと最遅角点火時期eakmfとの関係を、それぞれ定義するマップデータあるいは関数データが記憶されている。エンジンECU9は、そのROM92のデータを参照して基本点火時期eabseおよび最遅角点火時期eakmfを算出する。
次に、エンジンECU9は、基本点火時期eabseおよび最遅角点火時期eakmfに基づいて、次の式(1)により、最大遅角量eakmaxを算出する。最大遅角量eakmaxは、基本点火時期eabseを遅角させる際の最大量であり、ノッキングの発生を確実に抑制することができる大きさに設定される。
eakmax=eabse−eakmf ・・・(1)
次に、エンジンECU9は、基本点火時期eabseに対する最終点火時期eaopの遅角量であるKCS遅角量eaknkを求めることによって、最終点火時期eaopを算出する。この際、エンジンECU9は、最大遅角量eakmax、KCS学習値eagknkx、および、KCSフィードバック補正値(KCSフィードバック量)eakcsに基づいて、次の式(2)により、KCS遅角量eaknkを算出する。
eaknk=eakmax−eagknkx−eakcs ・・・(2)
そして、エンジンECU9は、次の式(3)に示すように、基本点火時期eabseからKCS遅角量eaknkを減算して最終点火時期eaopを設定する。すなわち、最終点火時期eaopは、次の式(4)に示すように、最遅角点火時期eakmfに対して、KCS学習値eagknkxの分だけ進角され、KCSフィードバック補正値eakcsの分だけ遅角された値となる。なお、最終点火時期eaopの値には、基本点火時期eabse以上となったり、あるいは、最遅角点火時期eakmf以下となったりしないように、その値の上限および下限が設定されている。
eaop=eabse−eaknk ・・・(3)
eaop=eakmf+eagknkx−eakcs ・・・(4)
ここで、KCSフィードバック補正値eakcsは、ノックセンサ108,108により検出されるノッキングの発生状況に応じてその値が設定される。具体的には、ノッキングが発生していないと判定された場合、KCSフィードバック補正値eakcsの値は徐々に減少される。例えば、ノックセンサ108,108の出力が所定の判定値未満で、ノッキングが十分許容できるレベル以下に収まっていると判断されたときには、KCSフィードバック補正値eakcsの値は徐々に減少される。この場合、式(4)によれば、最終点火時期eaopが進角側に設定されることになる。一方、ノッキングが発生したと判定された場合、KCSフィードバック補正値eakcsの値は所定値(例えば、「1.0°CA」)だけ加増される。例えば、ノックセンサ108,108の出力が上記判定値以上であるときには、KCSフィードバック補正値eakcsの値は所定値だけ加増される。この場合、式(4)によれば、最終点火時期eaopが遅角側に設定されることになる。
また、KCS学習値eagknkxは、次のような学習制御によって更新される値である。すなわち、KCS学習値eagknkxは、上記KCSフィードバック補正値eakcsの絶対値が所定値よりも大きい状態(|eakcs|>X)が所定時間以上継続したときに、このKCSフィードバック補正値eakcsの絶対値を徐々に縮小するようにその値が更新される。つまり、KCSフィードバック補正値eakcsがある正の値(eakcs>X)よりも大きい状態が継続したときには、KCS学習値eagknkxの値に所定値Yが減算される。また、これとともにKCSフィードバック補正値eakcsの値にも同じく所定値Yが減算される。一方、KCSフィードバック補正値eakcsがある負の値(eakcs<−X)よりも小さい状態が継続したときには、KCS学習値eagknkxの値およびKCSフィードバック補正値eakcsの値にそれぞれ所定値Yが加算される。
このような学習制御によって更新されたKCS学習値eagknkxの値は、エンジンECU9のバックアップRAM94に記憶され、エンジンEの停止中もその値が保持される。なお、点火時期制御の開始時には、KCSフィードバック補正値eakcsは、その初期値である値「0」に設定されており、したがって、最終点火時期eaopは、最遅角点火時期eakmfからKCS学習値eagknkxの分だけ進角させた値に設定される。
なお、学習制御を、KCSフィードバック補正値eakcsの値に対するなまし処理を行って、そのなまし処理後の値をKCS学習値eagknkxに反映させるようにしてもよい。この場合、なまし処理のなまし率として、例えば、4分の1などを採用することが可能である。
そして、この実施形態では、上述のようにして学習されたあるエンジン運転状態におけるKCS学習値eagknkxを、他のエンジン運転状態における点火時期の制御にも反映させるようにしている。例えば、図4のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図で説明すれば、点火時期制御の開始時に、バックアップRAM94に記憶されている現在のKCS学習値eagknkxを反映させ、最遅角点火時期eakmfの設定ラインA(図4の破線)に対して平行に点火時期(推定ノック発生点火時期)のラインB(図4の実線)を設定して、そのラインB上の点火時期で点火を行う。この場合、推定ノック発生点火時期のラインBは、最遅角点火時期eakmfのラインAに対して平行に、反映させるKCS学習値eagknkxの分だけ進角させたラインになっている。そして、その後のノッキングの発生状況によって点火時期をフィードバック補正したKCSフィードバック補正値eakcsに基づいて最終点火時期eaopを設定する。また、その結果、そのエンジン運転状態における点火時期を学習させ、KCS学習値eagknkxを更新する。こうして学習されたKCS学習値eagknkxを他のエンジン運転状態における点火時期の制御にもさらに反映させる。なお、図4に示す1点鎖線のラインDは基本点火時期eabseの設定ラインである。
以上のような点火時期制御によって、最終点火時期eaopは、許容されるレベル以上のノッキングが発生されない範囲内において、より大きい出力トルクの得られる、より進角側の値に設定されるようになる。
−実施形態の特徴部分−
この実施形態の特徴部分は、最遅角点火時期eakmfに対しKCS学習値eagknkxを反映させて設定される推定ノック発生点火時期を正確に予測することが困難である場合に、点火時期を遅角側へシフトさせる制御(シフト制御)を行う点にある。つまり、上述した学習制御によるKCS学習値eagknkxをそのまま適用することが難しい場合に、シフト制御が行われる。以下では、シフト制御を行う場合、つまり、推定ノック発生点火時期を正確に予測することが困難な場合として、2つの場合(第1、第2実施例)を挙げて説明する。
(第1実施例)
この第1実施例では、エンジンEの運転状態が、例えば図6に示すような軽負荷領域G1内に入った場合に、点火時期を遅角側へシフトさせるシフト制御を行うようにしている。
図6に例示する軽負荷領域G1は、エンジン回転速度eneとエンジン負荷eklsmとに基づいて設定された領域である。具体的に、軽負荷領域G1は、エンジン負荷eklsmについて、L1以上かつL2未満の軽負荷の領域(L1≦eklsm<L2)となっており、エンジン回転速度eneについて、N1以上かつN2未満の領域(N1≦ene<N2)となっている。この図6に示す軽負荷領域G1は、上記背景技術で述べた推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な領域に該当する。したがって、エンジンEの運転状態がこの軽負荷領域G1に突入した場合には、以下のシフト制御を行う。
次に、この例のシフト制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。この図7に示すシフト制御ルーチンは、エンジンECU9が実行する点火時期制御に関するメインルーチンの一部であり、一定周期ごと(例えば64msecごと)に繰り返される。
まず、エンジンECU9は、点火時期制御を行うKCS領域内、言い換えれば、ノッキング発生の有無を判定する期間内(例えば、アイドリング時などを除く期間内)であれば(ステップST11)、ステップST12において、シフト処理を行うための前提条件が成立しているか否かを判定する。この前提条件は、エンジンEの環境条件であり、具体的には、KCS学習値eagknkxおよび吸入空気温度ethaに関して要求される条件である。KCS学習値eagknkxについては、所定値未満(例えば、eagknkx<15°CA)であることが要求される。吸入空気温度ethaについては、所定温度以上(etha≧40℃)であることが要求される。
そして、KCS学習値eagknkxおよび吸入空気温度ethaの条件のいずれか一方の条件が満たされている場合には、前提条件が成立していると判定される。一方、いずれの条件も満たされていない場合には、前提条件が成立していないと判定される。KCS学習値eagknkxが所定値未満か否かの判定は、バックアップRAM94に記憶されているKCS学習値eagknkxを参照することによって行われる。また、吸入空気温度ethaが所定温度以上か否かの判定は、吸気温センサ103からの出力信号に基づいて行われる。
ここで、KCS学習値eagknkxが所定値未満であることを条件とするのは、KCS学習値eagknkxが大きい場合、このKCS学習値eagknkxを反映させて設定される推定ノック発生点火時期が基本点火時期eabseに近づくので、この場合は推定ノック発生点火時期の正確な予測が行えるためである。したがって、KCS学習値eagknkxが小さい場合、言い換えれば、設定される推定ノック発生点火時期が最遅角点火時期eakmfに近い場合にシフト処理を行うようにしている。また、吸入空気温度ethaが所定温度以上であることを条件とするのは、吸入空気温度ethaが高いほど、ノッキングが発生しやすくなるためである。
そして、前提条件が成立していない場合には、ステップST15へ進み、上述した点火時期制御の基本制御(KCSフィードバック)を行う。一方、前提条件が成立している場合には、次のステップST13へ進む。
ステップST13において、エンジンECU9は、シフト処理を行うための実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件は、エンジンEの運転条件であり、具体的には、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmに関して要求される条件である。この場合、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmが図6に示す軽負荷領域G1内へ入ったか否かによって実行条件の成否が判定される。この判定は、クランク角センサ106およびエアフローメータ102の出力信号に基づいて行われる。エンジン負荷eklsmは、クランク角センサ106およびエアフローメータ102の出力信号に基づいて算出される。
そして、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmが軽負荷領域G1外から軽負荷領域G1内へ入った場合には、実行条件が成立していると判定され、次のステップST14へ進む。一方、それ以外の場合には、実行条件が成立していないと判定され、ステップST15へ進み、上述した点火時期制御の基本制御(KCSフィードバック)を行う。
ステップST14において、エンジンECU9は、シフト処理を実行する。具体的には、KCSフィードバック補正値eakcsを遅角側へ所定量だけシフトさせる。つまり、KCSフィードバック補正値eakcsの値を所定値(例えば、「3.0°CA」)だけ加増する。例えば、上述した点火時期のフィードバック補正を行う前の場合のように、KCSフィードバック補正値eakcsの値が「0」(点火時期制御の開始時の初期値)であれば、KCSフィードバック補正値eakcsの値は、3.0°CAに設定される。このKCSフィードバック補正値eakcsのシフト量(遅角側への補正量)は、上述した点火時期のフィードバック補正において、ノッキングの発生が検出された場合に、KCSフィードバック補正値eakcsに対し加増される値(例えば、「1.0°CA」)よりも大きく設定することが好ましい。
そして、ステップST15では、エンジンECU9は、ステップST14のシフト処理で設定されたKCSフィードバック補正値eakcsに基づいて、上述した点火時期制御の基本制御(KCSフィードバック)を行う。次に、この場合の点火時期制御の制御態様の一例について、図5を参照して説明する。なお、図5では、このシフト制御を行う場合のKCSフィードバック補正値eakcsおよび最終点火時期eaopを実線E1,F1で示し、シフト制御を行わない場合のKCSフィードバック補正値eakcsおよび最終点火時期eaopを破線E2,F2で示す。
図5では、時刻t0から、点火時期制御によるノッキングの発生状況に応じた点火時期の調整が開始されている。点火時期制御の開始時には、KCSフィードバック補正値eakcsは、その初期値である値、例えば「0」に設定されるが、時刻t0において、エンジンEの運転状態が上記軽負荷領域G1内に突入した判定されると、KCSフィードバック補正値eakcsは、実線E1で示すように、所定値(例えば、「3.0°CA」)だけ加増される。したがって、最終点火時期eaopは、実線F1で示すように、最遅角点火時期eakmfに対して、KCS学習値eagknkxの分だけ進角され、加増されたKCSフィードバック補正値eakcsの分だけ遅角された値に設定される。
その後、上述したKCSフィードバックが行われるが、時刻t0から時刻t1までの期間は、上記判定値以上のレベルのノッキングの発生が検出されておらず、KCSフィードバック補正値eakcsは、実線E1で示すように、時刻t0において設定された「3.0°CA」から徐々に減少されている。このため、時刻t0以降、最終点火時期eaopは、実線F1で示すように、徐々に進角側に変更されている。
その後の時刻t1において、上記判定値以上のレベルのノッキングの発生が検出されると、つまり、ノック判定ecsknkのフラグが立つと、KCSフィードバック補正値eakcsの値は、所定値(例えば、「1.0°CA」)だけ加増される。このため、最終点火時期eaopは、そうしたノッキングの発生が検出されている間は、所定値だけ遅角側に変更される。なお、ノッキングの発生が検出されるごとに、KCSフィードバック補正値eakcsの値が所定値ずつ加増され、最終点火時期eaopが所定値ずつ遅角側に変更される。
さらに時刻t1以降、そうしたノッキングの発生が検出されなくなると、再びKCSフィードバック補正値eakcsが徐々に減少され、最終点火時期eaopが徐々に進角側に変更されるようになる。
以上より、エンジンEの運転状態が、推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な軽負荷領域G1に入ったとしても、KCSフィードバック補正値eakcsを予め遅角側へシフトさせて、点火時期(推定ノック発生点火時期)に反映させている。つまり、軽負荷領域G1に入った場合、KCS学習値eagknkxをそのまま適用するのではなく、KCS学習値eagknkxとともにKCSフィードバック補正値eakcsを推定ノック発生点火時期の設定に反映させている。これにともなって、その推定ノック発生点火時期がKCSフィードバック補正値eakcsのシフト量の分だけ遅角側に設定されるようになる。これにより、ノッキングが発生したとしても、フィードバック補正によって最終点火時期eaopを迅速に遅角させることが可能になる。したがって、ノッキングの解消までに要する時間が短時間で済み、ノッキングの発生頻度を抑制できる。
また、エンジンEの運転状態が、推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な軽負荷領域G1に入ったとしても、予期しない大レベルのノッキング(過大ノック)が発生することを抑制できる。例えば、実際にはノッキングが発生しているにもかかわらずノッキングが発生したとは判定されなくなることいったような、ノック判定への悪影響を抑制できる。このように、ノック判定を正確に行うことができるようになるので、フィードバック補正によって最終点火時期eaopを適切に遅角させることができ、ノッキングの解消を確実に行うことができる。
図5では、点火時期制御の開始時(時刻t0)に、エンジンEの運転状態が上記軽負荷領域G1内に突入した判定されているが、点火時期制御の実行中に、エンジンEの運転状態が上記軽負荷領域G1内に突入した判定される場合もあり、この場合にも、ステップST14のシフト処理を行うようにする。
ところで、この例のシフト制御に関し、次のような改善策が挙げられる。
エンジンEの運転状態が、上記軽負荷領域G1の境界をまたいで変動することが繰り返し行われる場合、軽負荷領域G1内への突入が起きるたびに、ステップST14のシフト処理が行われることになる。この場合、KCSフィードバック補正値eakcsへの遅角側へのシフト量が加算され、KCSフィードバック補正値eakcsの値が大きくなりすぎる可能性がある。
これを回避するには、例えば、上記軽負荷領域G1の境界条件にヒステリシスを設定することが好ましい。これにより、むやみに軽負荷領域G1内への突入が起きることが回避され、制御の安定化が図れる。
また、例えば、シフト処理によるKCSフィードバック補正値eakcsへの遅角側へのシフト量を前回シフト処理を実施した履歴によって修正することが好ましい。これにより、軽負荷領域G1内への突入が複数回起きたとしても、KCSフィードバック補正値eakcsが設定した上限を超えて遅角側へシフトすることが回避される。
また、エンジンEの運転状態の急激な変動により、上記軽負荷領域G1を過渡的に通過する場合、その通過が軽負荷領域G1内への突入として判定される可能性がある。しかし、例えば、アクセルペダルを急速に踏み込んだ場合などには、エンジン負荷eklsmが急激に増大するが、そのような場合にはシフト処理を行う必要はない。
これを回避するには、上記ステップST13の実行条件にエンジン負荷eklsmの変化率に関して要求される条件を追加することが好ましい。この場合、エンジン負荷eklsmの変化率については、所定値未満であることが要求される。そして、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmが図6に示す軽負荷領域G1内へ入り、かつ、エンジン負荷eklsmの変化率が所定値未満である場合に実行条件が成立したと判定される。こうすれば、エンジンEの運転状態が、上記軽負荷領域G1を過渡的に通過する場合などのようなエンジン負荷eklsmの変化率が所定値以上の場合に、シフト処理が行われることを回避できる。
また、この例では、上述したような学習制御によって、KCSフィードバック補正値eakcsの変化がKCS学習値eagknkxの値に反映される。しかし、KCSフィードバック補正値eakcsのシフト量が、ノッキングの発生時にこのKCSフィードバック補正値eakcsの遅角側への変更量に比べ大きく設定されている場合、KCS学習値eagknkxが遅角側へ誤学習される可能性がある。
そこで、なまし処理によってKCS学習値eagknkxの値を更新する場合、シフト制御の実行中は、そのなまし処理のなまし率を小さく設定することが好ましい。例えば、通常のなまし率を4分の1とする場合、シフト制御の実行中は、なまし率を8分の1とすることが好ましい。こうすれば、シフト処理によって、KCSフィードバック補正値eakcsが遅角側へシフトされたとしても、KCS学習値eagknkxの遅角側への誤学習を抑制することができる。
(第2実施例)
この第2実施例では、エンジンEの運転状態が、例えば図8に示すような軽負荷領域G2内に入った場合に、点火時期を遅角側へシフトさせるシフト制御を行うようにしている。この第2実施例が上記第1実施例と異なるのは、エンジンEへのデポジットの付着による影響度合いを考慮している点である。したがって、シフト処理を行うための実行条件が上記第1実施例の場合と異なっている。ここでは、異なる点について主に説明することとし、上記第1実施例と同様の点については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
まず、エンジンEへのデポジットの付着による影響度合いを考慮した比率学習について説明する。すなわち、点火時期制御においては、ノッキングの発生状況に応じて、比率学習値eragknkxの更新が行われる。比率学習値eragknkxは、エンジンEへのデポジットの付着度合いを示す指標値としてその値が設定されている。ここでは、デポジットの付着が完全に無い状態を値「0」とし、デポジットの付着量が想定される最大値となった状態を値「1」として、デポジットの付着度合いを比率学習値eragknkxの値で表すようにしている。
比率学習値eragknkxは、デポジットの付着の無い工場出荷時に初期値としてその値が「0」に設定されている。その後、比率学習値eragknkxの値は、「0」以上、「1」以下の範囲内で、ノックセンサ108,108により検出されるノッキングの発生頻度に応じて徐々に増減される。具体的には、ノッキングの発生頻度が増大すれば比率学習値eragknkxの値は徐々に増大され、ノッキングの発生頻度が低下すればその値は徐々に減少される。更新された比率学習値eragknkxの値は、上記KCS学習値eagknkxと同様に、エンジンECU9のバックアップRAM94に記憶され、エンジンEの停止中もその値が保持される。
そして、この例では、デポジットの付着度合い、つまり、比率学習値eragknkxが大きくなると、ノッキングが発生しやすくなるので、比率学習値eragknkxに基づいて、最遅角点火時期をさらに遅角側へ変更するようにしている。上記第1実施例では最遅角点火時期eakmfを用いて各種の点火時期などを算出したが、この実施例では、その最遅角点火時期eakmfの代わりに、比率学習値eragknkxに基づいて算出される最遅角点火時期eakmfxが用いられる。
エンジンEの運転開始後、点火時期制御動作を行う場合、エンジンECU9は、最終点火時期eaopの設定を行うにあたって、基本点火時期eabseを算出するとともに、比率学習値eragknkxに基づく最遅角点火時期eakmfxを算出する。ある値の比率学習値eragknkxにおける最遅角点火時期eakmfxは、次のようにして算出される。
比率学習値eragknkxが「0」の場合、最遅角点火時期eakmfxとして、上記第1実施例の最遅角点火時期eakmfがそのまま適用される。この比率学習値eragknkxが「0」の場合の最遅角点火時期eakmfについては、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmとこの最遅角点火時期eakmfとの関係を定義するマップデータあるいは関数データが、エンジンECU9のROM92に記憶されている。図10のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図では、比率学習値eragknkxが「0」の場合の最遅角点火時期eakmfの設定ラインA0を破線で示している。
一方、比率学習値eragknkxが「1」の場合、最遅角点火時期eakmfxとして、上記第1実施例の最遅角点火時期eakmfをさらに遅角させた最遅角点火時期eakmf’が適用される。この比率学習値eragknkxが「1」の場合の最遅角点火時期eakmf’については、エンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmとこの最遅角点火時期eakmf’との関係を定義するマップデータあるいは関数データが、エンジンECU9のROM92に記憶されている。図10のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図では、比率学習値eragknkxが「1」の場合の最遅角点火時期eakmf’の設定ラインA1を2点鎖線で示している。
そして、ある値の比率学習値eragknkxにおける最遅角点火時期eakmfxは、次の式(5)により算出される。
eakmfx=(1−eragknkx)*eakmf+eragknkx*eakmf’ ・・・(5)
この式(5)によれば、最遅角点火時期eakmfxは、比率学習値eragknkxが「0」に近づくほど、比率学習値eragknkxが「0」の場合の最遅角点火時期eakmfに近づき、逆に、比率学習値eragknkxが「1」に近づくほど、比率学習値eragknkxが「1」の場合の最遅角点火時期eakmf’に近づく。図10のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図では、比率学習値eragknkxが「1」の場合の最遅角点火時期eakmfxの設定ラインAxを細い実線で示している。
そして、上記第1実施例の式(1)〜(4)において、最遅角点火時期eakmfの代わりに、式(5)により算出される最遅角点火時期eakmfxを用いて、最終点火時期eaop、最大遅角量eakmax、KCS学習値eagknkx、KCSフィードバック補正値eakcs、KCS遅角量eaknkなどを算出する。
さらに、学習制御により学習されたあるエンジン運転状態におけるKCS学習値eagknkxを、他のエンジン運転状態における点火時期の制御にも反映させるようにしている。例えば、図10のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図で説明すれば、点火時期制御の開始時に、バックアップRAM94に記憶されている現在のKCS学習値eagknkxを反映させ、最遅角点火時期eakmfxの設定ラインAx(図10の細い実線)に対して平行に点火時期(推定ノック発生点火時期)のラインBx(図10の太い実線)を設定して、そのラインBx上の点火時期で点火を行う。この場合、推定ノック発生点火時期のラインBxは、最遅角点火時期eakmfxのラインAxに対して平行に、反映させるKCS学習値eagknkxの分だけ進角させたラインになっている。そして、その後のノッキングの発生状況によって点火時期をフィードバック補正したKCSフィードバック補正値eakcsに基づいて最終点火時期eaopを設定する。また、その結果、そのエンジン運転状態における点火時期を学習させ、KCS学習値eagknkxを更新する。こうして学習されたKCS学習値eagknkxを他のエンジン運転状態における点火時期の制御にもさらに反映させる。なお、図10に示す1点鎖線のラインDは基本点火時期eabseの設定ラインである。
そして、この例では、エンジンEの運転状態が、例えば図8に示すような軽負荷領域G2内に入った場合に、点火時期を遅角側へシフトさせるシフト制御を行うようにしている。
図8に例示する軽負荷領域G2は、エンジン回転速度eneとエンジン負荷eklsmとノックライン偏差edlakmfとに基づいて設定された領域である。具体的に、軽負荷領域G2は、エンジン負荷eklsmについて、L3以上かつL4未満の軽負荷の領域(L3≦eklsm<L4)となっており、エンジン回転速度eneについて、N3以上かつN4未満の領域(N3≦ene<N4)となっている。また、ノックライン偏差edlakmfについて、所定値以上の領域(例えば、edlakmf≧3.0°CA)となっている。ノックライン偏差edlakmfは、あるエンジン回転速度eneおよびエンジン負荷eklsmにおいて、比率学習値eragknkxが「0」の場合の最遅角点火時期eakmfと、比率学習値eragknkxが「1」の場合の最遅角点火時期eakmf’との偏差(角度差)を表す量である。この図8に示す軽負荷領域G2は、上記第1実施例の軽負荷領域G1と同様に、上記背景技術で述べた推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な領域に該当する。したがって、エンジンEの運転状態がこの軽負荷領域G2に突入した場合には、以下のシフト制御を行う。
次に、この例のシフト制御について、図9のフローチャートを参照して説明する。この図9に示すシフト制御ルーチンは、エンジンECU9が実行する点火時期制御に関するメインルーチンの一部であり、一定周期ごと(例えば64msecごと)に繰り返される。
このルーチンは、上記第1実施例の図7に示すルーチンとほぼ同様であって、ステップST22の前提条件およびステップST23の実行条件が、ステップST12の前提条件およびステップST13の実行条件とは若干異なっている。ステップST21,24,25の各処理については、ステップST11,14,15の各処理と同様である。
ステップST22においては、エンジンECU9は、シフト処理を行うための前提条件が成立しているか否かを判定する。この前提条件は、エンジンEの環境条件であり、具体的には、KCS学習値eagknkx、吸入空気温度etha、および、比率学習値eragknkxに関して要求される条件である。KCS学習値eagknkxについては、所定値未満(例えば、eagknkx<15°CA)であることが要求される。吸入空気温度ethaについては、所定温度以上(etha≧40℃)であることが要求される。比率学習値eragknkxについては、所定値以上(例えば、eragknkx≧0.2)であることが要求される。
そして、KCS学習値eagknkx、吸入空気温度etha、および、比率学習値eragknkxの条件のいずれか1つの条件が満たされている場合には、前提条件が成立していると判定される。一方、いずれの条件も満たされていない場合には、前提条件が成立していないと判定される。比率学習値eragknkxが所定値以上か否かの判定は、バックアップRAM94に記憶されている比率学習値eragknkxを参照することによって行われる。このように、比率学習値eragknkxが所定値以上であることを条件とするのは、比率学習値eragknkxが大きくなると、エンジンEへのデポジットの付着度合いが大きくなり、この場合はノッキングが発生しやすくなるためである。
そして、前提条件が成立していない場合には、ステップST25へ進み、上述した点火時期制御の基本制御(KCSフィードバック)を行う。一方、前提条件が成立している場合には、次のステップST23へ進む。
ステップST23においては、エンジンECU9は、シフト処理を行うための実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件は、エンジンEの運転条件であり、具体的には、エンジン回転速度ene、エンジン負荷eklsm、および、ノックライン偏差edlakmfに関して要求される条件である。この場合、エンジン回転速度ene、エンジン負荷eklsm、および、ノックライン偏差edlakmfが図8に示す軽負荷領域G2内へ入ったか否かによって実行条件の成否が判定される。
そして、エンジン回転速度ene、エンジン負荷eklsm、および、ノックライン偏差edlakmfが軽負荷領域G2外から軽負荷領域G2内へ入った場合には、実行条件が成立していると判定され、次のステップST24へ進み、シフト処理を実行する。一方、それ以外の場合には、実行条件が成立していないと判定され、ステップST25へ進み、上述した点火時期制御の基本制御(KCSフィードバック)を行う。
この第2実施例においても、エンジンEの運転状態が、推定ノック発生点火時期の正確な予測が困難な軽負荷領域G2に入った場合には、上記第1実施例の場合と同様のシフト処理を行うので、上記第1実施例の場合と同様の作用効果が得られる。また、この例のシフト制御に関しても、上記第1実施例の場合と同様の改善策が挙げられるが、その説明は省略する。
実施形態に係るV型エンジンをクランクシャフトの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。 エンジン、吸排気系および制御系の概略を示すシステム構成図である。 エンジンの制御系を示すブロック図である。 エンジン負荷と点火時期との関係を示す図である。 点火時期制御の制御態様の一例を示すタイムチャートである。 第1実施例の軽負荷領域G1を示す図である。 第1実施例のシフト制御の手順を示すフローチャートである。 第2実施例の軽負荷領域G2を示す図である。 第2実施例のシフト制御の手順を示すフローチャートである。 第2実施例のエンジン負荷と点火時期との関係を示す図である。 従来におけるノック判定への悪影響を説明するための図である。
符号の説明
9 エンジンECU
77L,77R 点火プラグ
102 エアフローメータ
106 クランク角センサ
108 ノックセンサ
E エンジン
G1 軽負荷領域
eagknkx KCS学習値
eakcs KCSフィードバック補正値
eakmf 最遅角点火時期
eaop 最終点火時期
eklsm エンジン負荷
ene エンジン回転速度

Claims (3)

  1. 点火時期の学習制御によって学習された内燃機関のある運転状態における点火時期の学習値を、内燃機関の他の運転状態における点火時期の制御にも反映させるように構成され、
    内燃機関の運転状態に基づく最遅角点火時期に対し前記学習値を反映させて設定された推定ノック発生点火時期で点火を行って、その後のノッキングの発生状況に応じて補正量を増減するフィードバック補正に基づいて最終点火時期を設定するように構成された内燃機関の点火時期制御装置において、
    内燃機関の運転状態が、前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域に入った場合には、前記補正量を所定量だけ遅角側へシフトさせ、
    その遅角側へシフトさせた補正量を、前記学習値とともに、前記推定ノック発生点火時期の設定に反映させるようになっており、
    前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域は、前記内燃機関の軽負荷領域であることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記推定ノック発生点火時期の予測が困難な領域は、前記内燃機関の軽負荷領域のうち、前記内燃機関へのデポジットの付着が全く無い場合の最遅角点火時期とデポジットの付着が想定される最大量となった場合の最遅角点火時期との偏差が所定値以上の領域であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記補正量の遅角側へのシフト量は、前記ノッキングの発生状況に応じて増減される補正量の遅角側への変更量に比べ大きく設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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