JP4366991B2 - ランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル(PDP)に使用されるガラス基板の洗浄等においては、紫外線ランプを備えた紫外線照射装置が用いられている(例えば特許文献1)。
【0003】
ところで、これらフラットパネルディスプレイ用の基板ガラスのサイズは、生産性向上のために拡大の一途であり、最近では1.5m角を超える大判サイズのものも使用されるようになってきている。これに伴って、紫外線照射装置の大型化、およびその内部に設置される紫外線ランプの大型化が図られている。また、装置の製造コスト、および維持費の低減の観点から、使用されるランプの灯数の削減が図られている。
このような事情から、従来一般的であった直管型、U字型の紫外線ランプに代えて、放電管を二重、三重に回曲させて1灯当たりの照射面積を拡大したM字型のランプが使用されるようになっている(図10参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−283042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図10に示すようなM字型のランプ100は、電極101部分のみで固定されて片持ち状に支持する場合に、放電管102の変形や損傷が起こる場合があった。
【0006】
例えば、ランプ100が紫外線照射装置に取り付けられた状態では、放電管102の一部が自重により変形してしまう場合があった。特に、図11に示すように、一対の内側管103を接続する内側のループ部104付近は大きく垂れ下がりやすい。このため、被処理物とランプ100の垂れ下がり部分が干渉して破損してしまう場合があった。
そこで、破損を防止するために、垂れ下がり分を考慮して処理テーブル107からのランプ100の高さHを大きく取る、という対策が取られていた。しかし、高さHをあまり大きく取りすぎると、被処理物108表面での照射光の強度が低くなってしまい、処理効率が低下するという問題が生じる。特に、有効長Lが1mを越える大型のランプ100では、垂れ下がりは5mmを越えるようになるため、高さHを相当に大きくとらなければならず、処理効率低下の問題が顕著となっていた。
【0007】
また、輸送やメンテナンスの際などにランプ100に振動が加えられる場合がある。このとき、放電管102が並列方向(図10において矢印方向)にガタつくことによって、内側管103と外側管105とを接続する2つの外側のループ部106が互いにぶつかり合って損傷してしまう場合があった。
【0008】
このような問題を解決するために、従来は隣り合う外側管および内側管を石英材料で溶着して互いに固定するという対応策が取られていた。しかし、溶着作業には石英加工の熟練技術を要することから、生産性が低下し、加工コストが高くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、放電管の変形や破損を防止できるランプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1の発明に係るランプは、互いに平行な一対の内側管と、前記一対の内側管の外側にそれぞれ並列された一対の外側管とが備えられ、前記内側管および前記外側管の隣り合う端部同士がU字状のループ部で順次に接続された略M字形状をなす放電管を備えたランプであって、前記放電管には、前記一対の外側管の間に渡されて前記放電管を支持する支持部材が備えられており、前記支持部材は、前記放電管の根元側に取り付けられた線細工ばねにより形成されており、前記線細工ばねは、前記放電管の下側から、前記一対の外側管の間に渡される支持部と、前記支持部の両端部又は片方の端部を内側へ折り曲げることにより形成された押さえ部を備えており、前記押さえ部の先端と前記支持部との距離が前記放電管の外径よりも小さくなるように形成されており、前記支持部における長さ方向の中央部分には、前記一対の内側管の隙間に突出する第1の突出部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、互いに平行な一対の内側管と、前記一対の内側管の外側にそれぞれ並列された一対の外側管とが備えられ、前記内側管および前記外側管の隣り合う端部同士がU字状のループ部で順次に接続された略M字形状をなす放電管を備えたランプであって、 前記放電管には、前記一対の外側管の間に渡されて前記放電管を支持する支持部材が備えられており、前記支持部材は、前記放電管の先端側に取り付けられた線細工ばねにより形成されており、前記線細工ばねは、前記放電管の下側から、前記一対の外側管の間に渡される支持部と、前記支持部の両端部又は片方の端部を内側へ折り曲げることにより形成された押さえ部を備えており、前記押さえ部の先端と前記支持部との距離が前記放電管の外径よりも小さくなるように形成されており、 前記押さえ部には、前記外側管とこの外側管に隣接する内側管との隙間に突出する第2の突出部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の作用、および発明の効果】
請求項1の発明によれば、ランプには、一対の外側管の間に渡されて前記放電管を支持する支持部材が備えられている。このような構成によれば、支持部材で支持されることにより放電管全体のガタツキが抑制され、変形や損傷が防止される。特に、支持部材を放電管において一対の内側管を接続する内側のループ部に近い位置に取り付ければ、内側のループ部付近の変形を効果的に防止できる。また、支持部材が放電管において内側管と外側管とを接続する外側のループ部に近い位置に取り付ければ、外側のループ部同士がぶつかり合って損傷することを効果的に防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態の低圧水銀ランプ1(本発明のランプに該当する。以下、単に「ランプ1」と略記することがある)を図1に示す。なお、以下の説明において、低圧水銀ランプ1における電極2側(図1において左上側)を根元側、電極2と逆側を先端側として説明する。
【0019】
この低圧水銀ランプ1には、放電管3が備えられている。放電管3は、細長い管状に形成された石英ガラス管をジグザグに回曲させて蛇行状に形成したものである(図1、図2参照)。より具体的には、並列された一対の内側管4と、その外側に並列された一対の外側管5とを備え、一対の内側管4、および各内側管4と隣接する外側管5がU字状のループ部6、7により順次に接続された略M字状に形成されている。放電管3の両端部は、一対の内側管4を接続する内側のループ部6に沿って曲げられて中央位置で揃えられ、その先端には電極2が取り付けられている。
【0020】
この低圧水銀ランプ1は、内側管4および外側管5が水平方向に並列される姿勢で紫外線照射装置40に取り付けられ、電極2部分が吊り下げ金具等(図示せず)によって紫外線照射装置40の天井部42に固定される(図7参照)。
【0021】
放電管3には、ニッケル合金製の線材により形成された2つの線細工ばね10、20が、根元側、先端側にそれぞれ取り付けられている。
根元側の線細工ばね10は、放電管3の下側から、両外側管5の間に渡される支持部11と、この支持部11の両端部を外側管5の外周に沿うようにして直角に折り立て、さらにその両端部を内側へ折り曲げることにより形成された一対の押さえ部12とからなっており、放電管3の周囲を取り囲むようにして取り付けられる(図3、図5参照)。押さえ部12の折り曲げ角部12Aは、90°よりもやや鋭角に曲げられており、押さえ部12の先端と支持部11との距離が放電管3の外径よりもやや小さくなるようにされている。これにより、押さえ部12が、放電管3を支持部11側へ付勢するばね作用を有するようにされている。
支持部11における長さ方向の中央部分は、内側に山なり状に打ち出されて、両内側管4の隙間に突出する第1の突出部13が形成されている。
【0022】
先端側の線細工ばね20は、根元側の線細工ばね10と同様に両外側管5の間に渡される支持部21と、この支持部21の両端側を外側管5の外周に沿うようにして「く」の字状に折り立て、さらにその両端部を内側へ折り曲げることにより形成された一対の押さえ部22とからなっている(図4、図6参照)。ここで、押さえ部22の折り立て部分22Aが「く」の字状に形成されていることにより、押さえ部22の先端と支持部21との距離が放電管3の外径よりもやや小さくなるようにされている。これにより、押さえ部22が、放電管3を支持部21側へ付勢するばね作用を有するようにされている。
支持部21における長さ方向の中央部分には、根元側の線細工ばね10と同様に第1の突出部23が形成されている。また、一対の押さえ部22には、内側に山なり状に打ち出されて、外側管5とこの外側管5に隣接する内側管4との隙間に突出する第2の突出部24がそれぞれ設けられている。
【0023】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用および効果について説明する。
【0024】
低圧水銀ランプ1の紫外線照射装置40への取り付け、および運搬等は、線細工ばね10、20を取り付けた状態で行われる。
まず、根元側の線細工ばね10を、支持部11と押さえ部12との間に放電管3を挿通させるようにしつつ、ランプ1に取り付ける。そして、線細工ばね10を、内側のループ部6のやや先端側で固定する。この状態では、線細工ばね10の2つの押さえ部12が、そのばね作用によって、それぞれ外側管5および隣接する内側管4を支持部11との間で挟み付けるから、線細工ばね10が取り付け位置から容易にずれないようになっている。また、第1の突出部13が、内側のループ部6に引っ掛かって止まることにより、線細工ばね10の根元側への抜けが防止される。
【0025】
次に、先端側の線細工ばね20を、根元側の線細工ばね10と同様に、ランプ1に取り付ける。そして、線細工ばね20を、内側管4と外側管5とを連結する外側のループ部7のやや根元側で固定する。この状態では、上記根元側の線細工ばね10と同様に、2つの押さえ部22が、そのばね作用によって、外側管5および内側管4を支持部21との間で挟み付けるから、線細工ばね10が取り付け位置から容易にずれないようになっている。また、第2の突出部24が、外側のループ部7に引っ掛かって止まることにより、線細工ばね20の先端側への抜けが防止される。さらに、第1の突出部23が一対の内側管4の隙間に介在することによって、外側のループ部7同士が互いにぶつかり合うことが規制される。
【0026】
この低圧水銀ランプ1を照射装置40に取り付けるときには、線細工ばね10、20の支持部11、21が宛がわれている側が下側を向くようにする。このようにすれば、放電管3が支持部11、21によって支えられるから、内側管4が自重により変形することを防止できる。特に、垂れ下がりやすい内側のループ部6付近が根元側の線細工ばね10によって支えられているから、この部分の垂れ下がりを効果的に防止できる。したがって、被処理物44とランプ1の垂れ下がり部分とが干渉して、ランプ1が破損してしまうことがない(図7参照)。また、ランプ1の処理テーブル43からの高さHの設定に際して、内側管4の垂れ下がり分を考慮する必要がないから、被処理物44の表面での照射光の強度が大きくなるように高さHをできるだけ小さくとり、処理効率を上げることができる。
【0027】
さらに、細い線細工ばね10、20により放電管3を固定しているので、照射領域にできる線細工ばね10、20の影はごく細い線状となる。このため、被処理物44上に影ができてしまうことによる照射強度の低下を最小限度とすることができる。
【0028】
また、この低圧水銀ランプ1の輸送、メンテナンス時などにおいて、ランプ1に振動が加えられる場合がある。しかし、放電管3は線細工ばね10、20によって固定されているので、ガタつきが防止される。また、先端側の線細工ばね20に設けられた第1の突出部23が、2本の内側管4の隙間に介在しているため、外側のループ部7が互いにぶつかり合って損傷してしまうことを防止できる。
【0029】
さらに、押さえ部12、22のばね作用によって放電管3が支持部11、21との間で挟み込まれてしっかりと固定される。また、第1の突出部13、23、および第2の突出部24によって、線細工ばね10、20の根元側、および先端側への抜けが防止されている。これにより、線細工ばね10、20が振動等によってずれて放電管3から外れてしまうことを回避できるので、放電管3が確実に保護される。
【0030】
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)押さえ部の形状は上記実施形態の限りではなく、例えば図8に示す線細工ばね50のように、一対の押さえ部51がそれぞれ外側管5のみに掛かる形状であっても良い。
(2)支持部材の形状は上記実施形態の限りではなく、例えば図9に示す線細工ばね60ように、両外側管5に渡る長さのヘアピン状に形成されて、放電管3の側方から取り付けられるものであっても良い。
(3)上記実施形態では、線細工ばね10、20に第1の突出部13、23および第2の突出部24が設けられているが、突出部は必ずしも設けられていなくても良い。また、第2の突出部のみが設けられていても良い。
(4)上記実施形態では、放電管3の根元側および先端側に、それぞれ線細工ばね10、20が取り付けられているが、根元側、先端側のどちらか一方にのみ支持部材が取り付けられていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のランプの斜視図
【図2】本実施形態のランプの上面図
【図3】根元側の線細工ばねを示す側面図
【図4】先端側の線細工ばねを示す側面図
【図5】放電管に根元側の線細工ばねを取り付けた様子を示す断面図
【図6】放電管に先端側の線細工ばねを取り付けた様子を示す断面図
【図7】ランプが取り付けられた照射装置を示す側断面図
【図8】他の実施形態の線細工ばねを放電管に取り付けた様子を示す断面図−1
【図9】(A)他の実施形態の線細工ばねを示す側面図
(B)他の実施形態の線細工ばねを放電管に取り付けた様子を示す断面図−2
【図10】従来のランプを示す斜視図
【図11】従来のランプが変形した様子を示す側面図
【符号の説明】
1…低圧水銀ランプ(ランプ)
3…放電管
4…内側管
5…外側管
6、7…ループ部
10、20、50、60…線細工ばね(支持部材)
13、23…第1の突出部
24…第2の突出部

Claims (2)

  1. 互いに平行な一対の内側管と、前記一対の内側管の外側にそれぞれ並列された一対の外側管とが備えられ、前記内側管および前記外側管の隣り合う端部同士がU字状のループ部で順次に接続された略M字形状をなす放電管を備えたランプであって、
    前記放電管には、前記一対の外側管の間に渡されて前記放電管を支持する支持部材が備えられており、
    前記支持部材は、前記放電管の根元側に取り付けられた線細工ばねにより形成されており、
    前記線細工ばねは、前記放電管の下側から、前記一対の外側管の間に渡される支持部と、前記支持部の両端部又は片方の端部を内側へ折り曲げることにより形成された押さえ部を備えており、前記押さえ部の先端と前記支持部との距離が前記放電管の外径よりも小さくなるように形成されており、
    前記支持部における長さ方向の中央部分には、前記一対の内側管の隙間に突出する第1の突出部が設けられていることを特徴とするランプ。
  2. 互いに平行な一対の内側管と、前記一対の内側管の外側にそれぞれ並列された一対の外側管とが備えられ、前記内側管および前記外側管の隣り合う端部同士がU字状のループ部で順次に接続された略M字形状をなす放電管を備えたランプであって、
    前記放電管には、前記一対の外側管の間に渡されて前記放電管を支持する支持部材が備えられており、
    前記支持部材は、前記放電管の先端側に取り付けられた線細工ばねにより形成されており、
    前記線細工ばねは、前記放電管の下側から、前記一対の外側管の間に渡される支持部と、前記支持部の両端部又は片方の端部を内側へ折り曲げることにより形成された押さえ部を備えており、前記押さえ部の先端と前記支持部との距離が前記放電管の外径よりも小さくなるように形成されており、
    前記押さえ部には、前記外側管とこの外側管に隣接する内側管との隙間に突出する第2の突出部が設けられていることを特徴とするランプ。
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